JP2004196568A - 水性レジンセメント組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】混合操作において均一に分散しやすく、可使時間が適当であり、プライマーを施さないでも施工が可能であり、鏝捌きがよく施工後タックフリーになる時間が早く、且つ施工面の完全開放も早く、しかも施工面にピンホール、膨れ、色ムラのない施工面を与える水性レジンセメント組成物の提供。
【解決手段】水硬性セメント(a)、活性水素化合物(b)、イソシアネート化合物(c)、脂肪族化合物(d)および水(e)を含有してなり、(d)の配合量が(a)に対して0.1〜50重量%であり、全組成物に対して0.1〜20重量%である水性レジンセメント組成物が前記課題を解決した。
【選択図】なし。
【解決手段】水硬性セメント(a)、活性水素化合物(b)、イソシアネート化合物(c)、脂肪族化合物(d)および水(e)を含有してなり、(d)の配合量が(a)に対して0.1〜50重量%であり、全組成物に対して0.1〜20重量%である水性レジンセメント組成物が前記課題を解決した。
【選択図】なし。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水性レジンセメント組成物、特に床材に適した、施工後の乾燥が速く、且つピンホールや膨れのない塗面を形成し、しかも鏝捌きに優れた水性レジンセメント組成物およびその調製法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、ポルトランドセメントを使用したモルタルまたはコンクリート等のセメント組成物は強度発現までの時間が長く、また、耐酸性などの耐薬品性が不足していた。そこでそれらの欠点を補うために、スチレンーブタジエンゴムラテックス、アクリル系エマルジョン、塩化ビニル系エマルジョン等のポリマーエマルジョンと水硬性セメントとの混合系、ないしはエポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂またはポリウレタン樹脂などの液状樹脂と骨材との混合系などが開発されてきたが、それぞれ依然として硬化時間が長かったり、高価で易燃性であるといった欠点を有していた。
これらの欠点を克服すべく、水酸基含有液状ジエン系重合体と液状ポリイソシアネートとを水硬性セメントおよび水と配合したセメント組成物(特許文献1)や水酸基を有するウレタンプレポリマーと液状ポリイソシアネートとを水硬性セメントおよび水と配合したセメント組成物(特許文献2)が提案されているが、これらは一般的に疎水性のイソシアネート成分と親水性の水硬性セメント成分とを水の存在下に強制的に混合するので、混合不良になりやすく、そのため硬化物の強度、反応性にバラツキが生じやすく、また仕上がり外観および性能が作業環境や施工条件の影響を受けやすいという欠点を有していた。
そこで、これらの不具合を解消すべく水硬性セメント、骨材、活性水素化合物、イソシアネート化合物、アルキルベンゼンスルホン酸塩、水よりなる組成物が施工現場での混合操作において、均一に分散しやすく、作業性、性能がよく、仕上がり外観にムラを生じにくく、かつ、適当な長さの可使時間を保ちつつ、施工後のタックフリーが早くなるため、施工現場の開放時間が短くなる水性レジンセメント組成物が開発されている。(特許文献3)
【0003】
【特許文献1】
特公平6−4780号公報
【特許文献2】
特公昭53−45339号公報
【特許文献3】
特開2002−179454号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このように従来技術においても可使時間が適当であり、施工現場の開放時間が短く、しかも仕上がり外観がよい床材が得られているが、難点はこれらを使って現場で塗布作業を行うときに、疎水性のイソシアネート成分と親水性の水硬性セメント成分との本質的に混ざり合わないものを強制的に混合するという本材料の特性のため、鏝捌きが非常に悪く、作業者泣かせの材料であった。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、水硬性セメント、活性水素化合物、イソシアネート化合物、水を含んでなるレジンセメント組成物に、水硬性セメントおよび組成物全体に対し、それぞれ特定範囲内の量の脂肪族炭化水素を配合し、さらに必要により骨材を配合することにより、ポリウレタン樹脂を含有するレジンセメントが本来有する特性の全てを備えたうえ、施工のための可使時間が適当であり、施工後は速やかにタックフリーとなり、施工面の開放時間が、たとえば4〜5時間と早く、しかもピンホールや膨れがなく、仕上がり外観にムラのない施工面を与え、且つ鏝捌きがよいため塗布労力負担の少ない水性レジンセメント組成物が得られるという知見を得、さらに検討を重ねて本発明を完成した。
すなわち本発明は、
(1)水硬性セメント(a)、活性水素化合物(b)、イソシアネート化合物(c)、脂肪族炭化水素(d)および水(e)を含有して成る水性レジンセメント組成物、
(2)(d)の配合量が(a)に対して0.1〜50重量%であり、かつ全組成物に対し0.1〜20重量%である(1)記載の水性レジンセメント組成物、
(3)(d)が、常温(20℃)で液状であり、かつ沸点が40℃/760mmHg以上である(1)または(2)記載の水性レジンセメント組成物、
(4)(d)が炭素数5〜20のものである(1)または(2)記載の水性レジンセメント組成物、および
(5)活性水素化合物(b)、脂肪族炭化水素(d)および水(e)、必要によりさらに、セメント減水剤(f)、可塑剤(g)、界面活性剤(h)、消泡剤(i)、触媒(j)を混合して均一な分散液(A)を調製し、これに水硬性セメント(a)および必要により骨材(k)を混合した後、イソシアネート化合物(c)を混合する水性レジンセメント、モルタル又はコンクリート組成物の調製法、である。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明に用いられる水硬性セメント(a)とは、水と混和することにより硬化または凝結するセメント類を示す。本発明においては、特にポルトランドセメントや高アルミナ含量の迅速硬化型セメントが好ましい。ポルトランドセメントとしては普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、鉄および炭素含量の低いセメントである白色ポルトランドセメント(白色セメント)などがあげられる。
活性水素化合物(b)としては、活性水素基を2個以上有する化合物が好ましく、たとえばエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、ヘキサントリオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどの低分子量ポリオール、上記低分子量ポリオールを開始剤として触媒の存在下環状エーテルを開環付加してえられるポリエーテルポリオール、たとえばエチレンオキシド、エピクロルヒドリン、プロピレンオキシド、1,2−ブチレンオキシドおよび2,3−ブチレンオキシドのようなアルキレンオキシド、たとえばオキセタンおよびテトラヒドロフラン等の環状エーテル、ジカルボン酸と2価アルコールを反応させて得られるポリエステルポリオールや環状エステルを開環して得られるポリエステルポリオールなどが挙げられる。前述のジカルボン酸としては、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フタル酸、並びこれらの酸の混合物が挙げられ、2価アルコールの例には、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオールおよび2,2−ジエチルトリメチレングリコールが挙げられる。さらに環状エステル、たとえばカプロラクトンなど、ポリジエンポリオール、たとえばポリイソプレンポリオール、ポリブタジエンポリオール、ポリクロロプレンポリオールなど、およびこれらに水素添加したポリオールなども使用することができる。その他の活性水素含有化合物としては、モノエタノールアミンのようなアミノアルコール類、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、m−およびp−フェニレンジアミン並びに2,4−および2,6−ジアミノトルエンやメラミンのようなポリアミン類、ひまし油、水素化ひまし油およびその変性体などのポリオールなどが挙げられる。活性水素化合物(b)は水硬性セメント(a)に対して5〜1000重量%が好ましく、10〜250重量%部が特に好ましい。
【0007】
イソシアネート化合物(c)は、特に限定されないが、有機ポリイソシアネートまたはイソシアネート基末端プレポリマーが好ましい。有機ポリイソシアネートとしてはヘキサメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートなどの脂肪族ジイソシアネート;トリレン−2,4−ジイソシアネート、トリレン−2,6−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート(MDI)、3−メチルジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、m−フェニレンジイソシネート、p−フェニレンジイソシアネート、クロロフェニレン−2,4−ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ナフタレン−1,5−ジイソシアネート、ジフェニル−4,4’−ジイソシアネート、4,4’ジイソシアネート−3,3’−ジメチルジフェニル、ジメチルジフェニルエーテルジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネート;ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート、3−イソシアネートメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネートなどの脂環族ジイソシアネート;2,4,6−トリイソシアネートトルエンやトリイソシアネートジフェニルエーテルなどの芳香族トリイソシアネートが挙げられる。これら有機イソシアネートはウレタン変性体、ウレトジオン変性体、イソシアヌレート変性体、カルボジイミド変性体、ビュレット変性体、ウレア変性体などの変性体などの変性体であっても良い。イソシアネート基末端プレポリマーは、上記有機ポリイソシアネートまたはその変性体とポリオールとをイソシアネート基過剰で反応させ得られる。ポリオールとしては、先述の低分子量ポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリジエンポリオールなどが挙げられる。また、ホルムアルデヒドとアニリンおよびO−トルイジンのような芳香族アミンとを酸性条件下で反応させてえられた混合ポリアミンをホスゲン化して得られる混合物も使用できる。例えば、塩酸の存在下でホルムアルデヒドとアニリンとを反応させてポリアミン混合物を得た後、さらにホスゲン化することによって得られる、ポリフェニルポリイソシアネート(c−MDI)も使用できる。
イソシアネート化合物(c)の含有量は、水硬性セメント(a)に対して5〜1000重量%が好ましく、10〜500重量%が特に好ましい。
【0008】
脂肪族炭化水素(d)は、特に限定されないが、施工温度0〜35℃の温度域で、特に20℃で、液状のものが望ましい。脂肪族炭化水素の沸点は40℃/760mmHg以上が好ましい。この脂肪族炭化水素の例としては、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、n−デカン、n−ウンデカン、n−ドデカン、n−トリデカン、n−テトラデカン、n−ヘキサデカンなどの直鎖状炭化水素、イソヘキサン、イソオクタン、イソデカン、イソドデカンなどの分枝状炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキサン、デカリン、ノルボルネン、ノルボルナジエンなどの脂環状炭化水素など、炭素数5〜20のものが挙げられる。勿論これらの二種以上の混合物であってもよい。
尚、沸点が40℃/760mmHg未満であると混合物中で脂肪族炭化水素が安定して系中に存在しえないことがあり、所望の効果が得られにくい場合がある。
脂肪族炭化水素(d)の含有量は、水硬性セメント(a)に対して0.1〜50重量%が好ましく、1〜20重量%が特に好ましく、水性レジンセメント組成物全量に対して、0.1〜20重量%、特に1〜10重量%が好ましい。
脂肪族炭化水素(d)の使用量が少なすぎると、その効果は薄く、また余り多すぎると施工面にピンホールや膨れが発生することがある。
【0009】
水(e)の含有量は水硬性セメント(a)に対して0.1〜100重量%が好ましく、1〜50重量%が特に好ましい。
本発明の組成物には、前記した各組成物に加えて、さらにセメント減水材(f)、可塑剤(g)、界面活性剤(h)、消泡剤(i)、触媒(j)、骨材(k)などを配合してもよい。
セメント減水剤(f)は、セメントモルタル、コンクリート等の強度を上げるために用いられるもので、たとえばナフタレンスルホン酸塩ホルムアルデヒド縮合物、メラミンスルホン酸塩ホルムアルデヒド縮合物、ポリカルボン酸などがあげられる。このセメント減水剤の使用量は、全組成物に対して0.01〜2.0重量%、好ましくは0.05〜1.0重量%程度である。
可塑剤(g)としては、例えばフタル酸エステル、リン酸エステル、エポキシ化大豆油、脂肪酸エステルなどがあげられる、特に、フタル酸ジブチル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジノニル、フタル酸ブチルベンジルなどのフタル酸エステルが好ましい。これら可塑剤の使用量は、組成物全量に対し、通常0.5〜20重量%、好ましくは1〜10重量%程度である。
界面活性剤(h)としてはアルキルベンゼンスルフォン酸塩などのアニオン性界面活性剤、その他カチオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤が用いられ、これらの使用量は組成物全量に対して0.001〜1.0重量%、特に好ましくは0.005〜0.5重量%である。
消泡剤(i)としては、通常この程度の組成物に用いられるものであればどのようなものでも使用できるが、たとえば酸化カルシウムなどの金属酸化物、水酸化ナトリウムなどの水酸化アルカリ、珪酸カルシウムなどの珪酸塩のほか、ポリ(シロキサン)、ポリ(アルキルシロキサン)、ポリ(ジアルキルシロキサン)などのシロキサン誘導体があげられる。これらの消泡剤の使用量は、組成物全体に対し、0.001〜50重量%、好ましくは0.01〜10重量%程度である。
触媒(j)としては3級アミン、スズ化合物などが使用されるが、全組成物に0.0005〜5重量%、好ましくは、0.001〜1重量%が好ましい。
【0010】
本発明の水性ポリウレタン系セメント組成物を通常施工するときはこれらの樹脂に骨材(k)を混合して用いることが多いが、その骨材としては、公知の無機系骨材、有機系骨材が使用できる。無機系骨材としては川砂、ケイ砂等の天然ケイ酸質や、ガラス、セラミックス、ムライト電融アルミナ、炭化ケイ素などの無機材料を粉砕したものが使用できる。無機系骨材は粒径が0.05mm〜4cmであるものが好ましい。これらの材料は、天然の状態でもよく、たとえば染料や顔料の使用により人工的に着色された物でも良い。有機系骨材としては、プラスチックスの粉砕物等が使用できる。プラスチックスの粉砕物としては、例えば無色もしくは着色されたプラスチックスの粉砕物のチップ、旋削屑(turnings)、または顆粒が使用できる。射出成形その他の方法で成型された物品のトリミング時に出るプラスチックス廃物も使用できる。適当なプラスチックス材料は、熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂であり、例えばナイロン樹脂、塩化ビニル樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、アセタール樹脂、アクリル樹脂、ABS樹脂、酢酸セルロース樹脂、ポリカーボネート樹脂、PET樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂などが挙げられる。これらの骨材以外にも鋸屑、木屑、軽石、ひる石、並びにガラス繊維、綿、羊毛、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維、ポリアクリロニトリル繊維などの天然起源または人工起源の繊維性材料も本発明における骨材として使用できる。
骨材の含有量は組成物全量に対して通常10〜1000重量%が好ましく、30〜300重量%が特に好ましい。
【0011】
【実施例】
以下に実施例および参考例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれに限定されない。なお、部は重量部を示す。
実施例1
ひまし油(豊国製油 精製ひまし油)40.0部、n−ウンデカン13.1部、水28.1部、シリコーン系消泡剤(信越化学工業(株)製KM-89)1.40部、フタル酸ブチルベンジル16.0から水分散液(A)を調製した。この水分散液(A)98.6部にc-MDI(三井武田ケミカル(株)製)98.6部を加え十分混合した後、ポルトランドセメント(太平洋セメント(株)製)160部、ケイ砂4号320部、ケイ砂6号320部を加え、上記組成物が均一になるまで混合した。得られた組成物をコンクリート下地に塗布し、5mm厚さの床面を形成するために延展した。鏝捌きが軽く作業は非常に楽であった。作業温度、23℃、相対湿度、60%で養生したところ、作業可能時間は1時間、タックフリータイムは5時間、塗布物の外観はピンホール、膨れもなしであった。
なお、ピンホール、膨れ、鏝捌きの評価は次の基準に依った。
ピンホール:30X30cmの施工面におけるピンホールの数
膨れ:30X30cmの施工面における膨れの数
鏝捌き:熟練左官に3名による次の3段階評価
◎:鏝捌きが軽く、作業容易
○:普通
X:鏝捌きが重く、作業困難
【0012】
実施例2〜実施例8
実施例1において添加物種類と量を〔表1〕の如く変更した以外は全く同様に混合したものをコンクリート下地に塗布して、実施例1と同様に作業可能時間、タックフリータイムおよび、塗布物の外観については、膨れ、ピンホール、鏝捌きを調べた。
参考例1〜参考例3
実施例1において添加物種類と量を〔表2〕の如く変更した以外は全く同様に混合したものをコンクリート下地に塗布して、実施例1と同様に作業可能時間、タックフリータイムおよび、塗布物の外観については膨れ、ピンホール、鏝捌きを調べた。
【0013】
【表1】
【0014】
【表2】
ポルトランドセメント=太平洋セメント
ケイ砂4、6号=日本セメント
カラーケイ砂=タケダユープレックス UPフロアーV CS-1012
ひまし油=豊国製油 精製ひまし油
界面活性剤=松本油脂 ハイマールPS-90A(ノニオン活性剤、アニオン活性剤配合品)
消泡剤=信越化学 KM-89(シリコーン系消泡剤)
可塑剤1=大八化学(フタル酸ブチルベンジル)
可塑剤2=大八化学(フタル酸ジオクチル)
C-MD1=三井武田ケミカル コスモネートM−200
セメント減水剤=花王 マイティ150(ナフタレンスルホン酸 ホルマリン高縮合物塩)
脂肪族炭化水素(1)=(n−ウンデカン)
脂肪族炭化水素(2)=丸善石油 マルカゾール(イソドデカン)
DMEA=サンアプロ社(ジメチルエタノールアミン)
表1及び2から明らかなごとく、本発明の組成物(実施例2〜8)は、施工面のピンホールや膨れがなく、鏝捌きも良好であったのに対し、参考例1〜3の組成物のうち参考例1及び3は鏝捌きが重く、参考例2は、ピンホールや膨れが見られた。
【0015】
【発明の効果】
本発明の水性レジンセメント組成物は、混合操作において均一に分散しやすく、作業可能時間が1時間前後と施工が容易である。しかも鏝捌きがよく、塗布時の労力が著しく軽減される。また、下地にプライマーを施さないでも施工が可能であり、施工後、タックフリーとなる時間が4〜5時間と乾きが極めて早い。すなわち施工翌日には施工面の完全開放が可能である。さらに、施工面はピンホール、膨れがなく、仕上がり外観も色ムラがない。
これらの特長を備えた本発明の組成物は床材用として最適である。
【発明の属する技術分野】
本発明は、水性レジンセメント組成物、特に床材に適した、施工後の乾燥が速く、且つピンホールや膨れのない塗面を形成し、しかも鏝捌きに優れた水性レジンセメント組成物およびその調製法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、ポルトランドセメントを使用したモルタルまたはコンクリート等のセメント組成物は強度発現までの時間が長く、また、耐酸性などの耐薬品性が不足していた。そこでそれらの欠点を補うために、スチレンーブタジエンゴムラテックス、アクリル系エマルジョン、塩化ビニル系エマルジョン等のポリマーエマルジョンと水硬性セメントとの混合系、ないしはエポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂またはポリウレタン樹脂などの液状樹脂と骨材との混合系などが開発されてきたが、それぞれ依然として硬化時間が長かったり、高価で易燃性であるといった欠点を有していた。
これらの欠点を克服すべく、水酸基含有液状ジエン系重合体と液状ポリイソシアネートとを水硬性セメントおよび水と配合したセメント組成物(特許文献1)や水酸基を有するウレタンプレポリマーと液状ポリイソシアネートとを水硬性セメントおよび水と配合したセメント組成物(特許文献2)が提案されているが、これらは一般的に疎水性のイソシアネート成分と親水性の水硬性セメント成分とを水の存在下に強制的に混合するので、混合不良になりやすく、そのため硬化物の強度、反応性にバラツキが生じやすく、また仕上がり外観および性能が作業環境や施工条件の影響を受けやすいという欠点を有していた。
そこで、これらの不具合を解消すべく水硬性セメント、骨材、活性水素化合物、イソシアネート化合物、アルキルベンゼンスルホン酸塩、水よりなる組成物が施工現場での混合操作において、均一に分散しやすく、作業性、性能がよく、仕上がり外観にムラを生じにくく、かつ、適当な長さの可使時間を保ちつつ、施工後のタックフリーが早くなるため、施工現場の開放時間が短くなる水性レジンセメント組成物が開発されている。(特許文献3)
【0003】
【特許文献1】
特公平6−4780号公報
【特許文献2】
特公昭53−45339号公報
【特許文献3】
特開2002−179454号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このように従来技術においても可使時間が適当であり、施工現場の開放時間が短く、しかも仕上がり外観がよい床材が得られているが、難点はこれらを使って現場で塗布作業を行うときに、疎水性のイソシアネート成分と親水性の水硬性セメント成分との本質的に混ざり合わないものを強制的に混合するという本材料の特性のため、鏝捌きが非常に悪く、作業者泣かせの材料であった。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、水硬性セメント、活性水素化合物、イソシアネート化合物、水を含んでなるレジンセメント組成物に、水硬性セメントおよび組成物全体に対し、それぞれ特定範囲内の量の脂肪族炭化水素を配合し、さらに必要により骨材を配合することにより、ポリウレタン樹脂を含有するレジンセメントが本来有する特性の全てを備えたうえ、施工のための可使時間が適当であり、施工後は速やかにタックフリーとなり、施工面の開放時間が、たとえば4〜5時間と早く、しかもピンホールや膨れがなく、仕上がり外観にムラのない施工面を与え、且つ鏝捌きがよいため塗布労力負担の少ない水性レジンセメント組成物が得られるという知見を得、さらに検討を重ねて本発明を完成した。
すなわち本発明は、
(1)水硬性セメント(a)、活性水素化合物(b)、イソシアネート化合物(c)、脂肪族炭化水素(d)および水(e)を含有して成る水性レジンセメント組成物、
(2)(d)の配合量が(a)に対して0.1〜50重量%であり、かつ全組成物に対し0.1〜20重量%である(1)記載の水性レジンセメント組成物、
(3)(d)が、常温(20℃)で液状であり、かつ沸点が40℃/760mmHg以上である(1)または(2)記載の水性レジンセメント組成物、
(4)(d)が炭素数5〜20のものである(1)または(2)記載の水性レジンセメント組成物、および
(5)活性水素化合物(b)、脂肪族炭化水素(d)および水(e)、必要によりさらに、セメント減水剤(f)、可塑剤(g)、界面活性剤(h)、消泡剤(i)、触媒(j)を混合して均一な分散液(A)を調製し、これに水硬性セメント(a)および必要により骨材(k)を混合した後、イソシアネート化合物(c)を混合する水性レジンセメント、モルタル又はコンクリート組成物の調製法、である。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明に用いられる水硬性セメント(a)とは、水と混和することにより硬化または凝結するセメント類を示す。本発明においては、特にポルトランドセメントや高アルミナ含量の迅速硬化型セメントが好ましい。ポルトランドセメントとしては普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、鉄および炭素含量の低いセメントである白色ポルトランドセメント(白色セメント)などがあげられる。
活性水素化合物(b)としては、活性水素基を2個以上有する化合物が好ましく、たとえばエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、ヘキサントリオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどの低分子量ポリオール、上記低分子量ポリオールを開始剤として触媒の存在下環状エーテルを開環付加してえられるポリエーテルポリオール、たとえばエチレンオキシド、エピクロルヒドリン、プロピレンオキシド、1,2−ブチレンオキシドおよび2,3−ブチレンオキシドのようなアルキレンオキシド、たとえばオキセタンおよびテトラヒドロフラン等の環状エーテル、ジカルボン酸と2価アルコールを反応させて得られるポリエステルポリオールや環状エステルを開環して得られるポリエステルポリオールなどが挙げられる。前述のジカルボン酸としては、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フタル酸、並びこれらの酸の混合物が挙げられ、2価アルコールの例には、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオールおよび2,2−ジエチルトリメチレングリコールが挙げられる。さらに環状エステル、たとえばカプロラクトンなど、ポリジエンポリオール、たとえばポリイソプレンポリオール、ポリブタジエンポリオール、ポリクロロプレンポリオールなど、およびこれらに水素添加したポリオールなども使用することができる。その他の活性水素含有化合物としては、モノエタノールアミンのようなアミノアルコール類、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、m−およびp−フェニレンジアミン並びに2,4−および2,6−ジアミノトルエンやメラミンのようなポリアミン類、ひまし油、水素化ひまし油およびその変性体などのポリオールなどが挙げられる。活性水素化合物(b)は水硬性セメント(a)に対して5〜1000重量%が好ましく、10〜250重量%部が特に好ましい。
【0007】
イソシアネート化合物(c)は、特に限定されないが、有機ポリイソシアネートまたはイソシアネート基末端プレポリマーが好ましい。有機ポリイソシアネートとしてはヘキサメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートなどの脂肪族ジイソシアネート;トリレン−2,4−ジイソシアネート、トリレン−2,6−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート(MDI)、3−メチルジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、m−フェニレンジイソシネート、p−フェニレンジイソシアネート、クロロフェニレン−2,4−ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ナフタレン−1,5−ジイソシアネート、ジフェニル−4,4’−ジイソシアネート、4,4’ジイソシアネート−3,3’−ジメチルジフェニル、ジメチルジフェニルエーテルジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネート;ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート、3−イソシアネートメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネートなどの脂環族ジイソシアネート;2,4,6−トリイソシアネートトルエンやトリイソシアネートジフェニルエーテルなどの芳香族トリイソシアネートが挙げられる。これら有機イソシアネートはウレタン変性体、ウレトジオン変性体、イソシアヌレート変性体、カルボジイミド変性体、ビュレット変性体、ウレア変性体などの変性体などの変性体であっても良い。イソシアネート基末端プレポリマーは、上記有機ポリイソシアネートまたはその変性体とポリオールとをイソシアネート基過剰で反応させ得られる。ポリオールとしては、先述の低分子量ポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリジエンポリオールなどが挙げられる。また、ホルムアルデヒドとアニリンおよびO−トルイジンのような芳香族アミンとを酸性条件下で反応させてえられた混合ポリアミンをホスゲン化して得られる混合物も使用できる。例えば、塩酸の存在下でホルムアルデヒドとアニリンとを反応させてポリアミン混合物を得た後、さらにホスゲン化することによって得られる、ポリフェニルポリイソシアネート(c−MDI)も使用できる。
イソシアネート化合物(c)の含有量は、水硬性セメント(a)に対して5〜1000重量%が好ましく、10〜500重量%が特に好ましい。
【0008】
脂肪族炭化水素(d)は、特に限定されないが、施工温度0〜35℃の温度域で、特に20℃で、液状のものが望ましい。脂肪族炭化水素の沸点は40℃/760mmHg以上が好ましい。この脂肪族炭化水素の例としては、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、n−デカン、n−ウンデカン、n−ドデカン、n−トリデカン、n−テトラデカン、n−ヘキサデカンなどの直鎖状炭化水素、イソヘキサン、イソオクタン、イソデカン、イソドデカンなどの分枝状炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキサン、デカリン、ノルボルネン、ノルボルナジエンなどの脂環状炭化水素など、炭素数5〜20のものが挙げられる。勿論これらの二種以上の混合物であってもよい。
尚、沸点が40℃/760mmHg未満であると混合物中で脂肪族炭化水素が安定して系中に存在しえないことがあり、所望の効果が得られにくい場合がある。
脂肪族炭化水素(d)の含有量は、水硬性セメント(a)に対して0.1〜50重量%が好ましく、1〜20重量%が特に好ましく、水性レジンセメント組成物全量に対して、0.1〜20重量%、特に1〜10重量%が好ましい。
脂肪族炭化水素(d)の使用量が少なすぎると、その効果は薄く、また余り多すぎると施工面にピンホールや膨れが発生することがある。
【0009】
水(e)の含有量は水硬性セメント(a)に対して0.1〜100重量%が好ましく、1〜50重量%が特に好ましい。
本発明の組成物には、前記した各組成物に加えて、さらにセメント減水材(f)、可塑剤(g)、界面活性剤(h)、消泡剤(i)、触媒(j)、骨材(k)などを配合してもよい。
セメント減水剤(f)は、セメントモルタル、コンクリート等の強度を上げるために用いられるもので、たとえばナフタレンスルホン酸塩ホルムアルデヒド縮合物、メラミンスルホン酸塩ホルムアルデヒド縮合物、ポリカルボン酸などがあげられる。このセメント減水剤の使用量は、全組成物に対して0.01〜2.0重量%、好ましくは0.05〜1.0重量%程度である。
可塑剤(g)としては、例えばフタル酸エステル、リン酸エステル、エポキシ化大豆油、脂肪酸エステルなどがあげられる、特に、フタル酸ジブチル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジノニル、フタル酸ブチルベンジルなどのフタル酸エステルが好ましい。これら可塑剤の使用量は、組成物全量に対し、通常0.5〜20重量%、好ましくは1〜10重量%程度である。
界面活性剤(h)としてはアルキルベンゼンスルフォン酸塩などのアニオン性界面活性剤、その他カチオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤が用いられ、これらの使用量は組成物全量に対して0.001〜1.0重量%、特に好ましくは0.005〜0.5重量%である。
消泡剤(i)としては、通常この程度の組成物に用いられるものであればどのようなものでも使用できるが、たとえば酸化カルシウムなどの金属酸化物、水酸化ナトリウムなどの水酸化アルカリ、珪酸カルシウムなどの珪酸塩のほか、ポリ(シロキサン)、ポリ(アルキルシロキサン)、ポリ(ジアルキルシロキサン)などのシロキサン誘導体があげられる。これらの消泡剤の使用量は、組成物全体に対し、0.001〜50重量%、好ましくは0.01〜10重量%程度である。
触媒(j)としては3級アミン、スズ化合物などが使用されるが、全組成物に0.0005〜5重量%、好ましくは、0.001〜1重量%が好ましい。
【0010】
本発明の水性ポリウレタン系セメント組成物を通常施工するときはこれらの樹脂に骨材(k)を混合して用いることが多いが、その骨材としては、公知の無機系骨材、有機系骨材が使用できる。無機系骨材としては川砂、ケイ砂等の天然ケイ酸質や、ガラス、セラミックス、ムライト電融アルミナ、炭化ケイ素などの無機材料を粉砕したものが使用できる。無機系骨材は粒径が0.05mm〜4cmであるものが好ましい。これらの材料は、天然の状態でもよく、たとえば染料や顔料の使用により人工的に着色された物でも良い。有機系骨材としては、プラスチックスの粉砕物等が使用できる。プラスチックスの粉砕物としては、例えば無色もしくは着色されたプラスチックスの粉砕物のチップ、旋削屑(turnings)、または顆粒が使用できる。射出成形その他の方法で成型された物品のトリミング時に出るプラスチックス廃物も使用できる。適当なプラスチックス材料は、熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂であり、例えばナイロン樹脂、塩化ビニル樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、アセタール樹脂、アクリル樹脂、ABS樹脂、酢酸セルロース樹脂、ポリカーボネート樹脂、PET樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂などが挙げられる。これらの骨材以外にも鋸屑、木屑、軽石、ひる石、並びにガラス繊維、綿、羊毛、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維、ポリアクリロニトリル繊維などの天然起源または人工起源の繊維性材料も本発明における骨材として使用できる。
骨材の含有量は組成物全量に対して通常10〜1000重量%が好ましく、30〜300重量%が特に好ましい。
【0011】
【実施例】
以下に実施例および参考例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれに限定されない。なお、部は重量部を示す。
実施例1
ひまし油(豊国製油 精製ひまし油)40.0部、n−ウンデカン13.1部、水28.1部、シリコーン系消泡剤(信越化学工業(株)製KM-89)1.40部、フタル酸ブチルベンジル16.0から水分散液(A)を調製した。この水分散液(A)98.6部にc-MDI(三井武田ケミカル(株)製)98.6部を加え十分混合した後、ポルトランドセメント(太平洋セメント(株)製)160部、ケイ砂4号320部、ケイ砂6号320部を加え、上記組成物が均一になるまで混合した。得られた組成物をコンクリート下地に塗布し、5mm厚さの床面を形成するために延展した。鏝捌きが軽く作業は非常に楽であった。作業温度、23℃、相対湿度、60%で養生したところ、作業可能時間は1時間、タックフリータイムは5時間、塗布物の外観はピンホール、膨れもなしであった。
なお、ピンホール、膨れ、鏝捌きの評価は次の基準に依った。
ピンホール:30X30cmの施工面におけるピンホールの数
膨れ:30X30cmの施工面における膨れの数
鏝捌き:熟練左官に3名による次の3段階評価
◎:鏝捌きが軽く、作業容易
○:普通
X:鏝捌きが重く、作業困難
【0012】
実施例2〜実施例8
実施例1において添加物種類と量を〔表1〕の如く変更した以外は全く同様に混合したものをコンクリート下地に塗布して、実施例1と同様に作業可能時間、タックフリータイムおよび、塗布物の外観については、膨れ、ピンホール、鏝捌きを調べた。
参考例1〜参考例3
実施例1において添加物種類と量を〔表2〕の如く変更した以外は全く同様に混合したものをコンクリート下地に塗布して、実施例1と同様に作業可能時間、タックフリータイムおよび、塗布物の外観については膨れ、ピンホール、鏝捌きを調べた。
【0013】
【表1】
【0014】
【表2】
ポルトランドセメント=太平洋セメント
ケイ砂4、6号=日本セメント
カラーケイ砂=タケダユープレックス UPフロアーV CS-1012
ひまし油=豊国製油 精製ひまし油
界面活性剤=松本油脂 ハイマールPS-90A(ノニオン活性剤、アニオン活性剤配合品)
消泡剤=信越化学 KM-89(シリコーン系消泡剤)
可塑剤1=大八化学(フタル酸ブチルベンジル)
可塑剤2=大八化学(フタル酸ジオクチル)
C-MD1=三井武田ケミカル コスモネートM−200
セメント減水剤=花王 マイティ150(ナフタレンスルホン酸 ホルマリン高縮合物塩)
脂肪族炭化水素(1)=(n−ウンデカン)
脂肪族炭化水素(2)=丸善石油 マルカゾール(イソドデカン)
DMEA=サンアプロ社(ジメチルエタノールアミン)
表1及び2から明らかなごとく、本発明の組成物(実施例2〜8)は、施工面のピンホールや膨れがなく、鏝捌きも良好であったのに対し、参考例1〜3の組成物のうち参考例1及び3は鏝捌きが重く、参考例2は、ピンホールや膨れが見られた。
【0015】
【発明の効果】
本発明の水性レジンセメント組成物は、混合操作において均一に分散しやすく、作業可能時間が1時間前後と施工が容易である。しかも鏝捌きがよく、塗布時の労力が著しく軽減される。また、下地にプライマーを施さないでも施工が可能であり、施工後、タックフリーとなる時間が4〜5時間と乾きが極めて早い。すなわち施工翌日には施工面の完全開放が可能である。さらに、施工面はピンホール、膨れがなく、仕上がり外観も色ムラがない。
これらの特長を備えた本発明の組成物は床材用として最適である。
Claims (5)
- 水硬性セメント(a)、活性水素化合物(b)、イソシアネート化合物(c)、脂肪族炭化水素(d)および水(e)を含有して成る水性レジンセメント組成物。
- (d)の配合量が(a)に対して0.1〜50重量%であり、かつ全組成物に対し0.1〜20重量%である請求項1記載の水性レジンセメント組成物。
- (d)が、常温(20℃)で液状であり、かつ沸点が40℃/760mmHg以上である請求項1または2記載の水性レジンセメント組成物。
- (d)が炭素数5〜20のものである請求項1または2記載の水性レジンセメント組成物。
- 活性水素化合物(b)、脂肪族炭化水素(d)および水(e)、必要によりさらに、セメント減水剤(f)、可塑剤(g)、界面活性剤(h)、消泡剤(i)、触媒(j)を混合して均一な分散液(A)を調製し、これに水硬性セメント(a)および必要により骨材(k)を混合した後、イソシアネート化合物(c)を混合する水性レジンセメント、モルタル又はコンクリート組成物の調製法。
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