JP4257399B2 - ボタン形空気亜鉛電池 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はボタン形空気亜鉛電池に関し、さらに詳しくは撥水層を改良して内部抵抗を安定化したボタン形空気亜鉛電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
空気亜鉛電池は、酸素を正極とし、亜鉛を負極とする電池であって、正極層としては酸素を吸着して還元する触媒層とその下に一体化された撥水層とを有する酸素還元電極からなっており、負極としては亜鉛と電解液とを有するゲル負極からなっている。
【0003】
空気亜鉛電池は、単位体積あたりの容量が大きいことから、補聴器用やペイジャー用として使用されてきており、近年、高出力化への要望が高まり、重負荷でも放電可能で作動電圧の高い電池の開発が進められてきている。
【0004】
これらの要望に対して、正極への酸素供給量の向上、新触媒の開発、内部抵抗の低下、などの対策が進められている。しかしながら、内部抵抗の低下に関しては、平均的に低下させることはできるが、バラツキが発生している。この原因としては、正極触媒層の撥水性、負極容器内での負極亜鉛の充填率、隔離材近傍での電解液の濡れ性、などの各種要因が重なって、内部抵抗にバラツキが発生すると考えられている。しかしながら、バラツキを生じさせる要因について、充分に解明することはできなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記状況に対してなされたものであって、空気亜鉛電池において、内部抵抗自体の低減のみならず内部抵抗のバラツキをも低減することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者は鋭意研究の結果、空気亜鉛電池の第1の撥水層、すなわち正極触媒層と一体となった撥水層と、第2の撥水層、すなわち第1の撥水層の下に存在する撥水層、との寸法関係を規定することによって、内部抵抗のバラツキを大幅に低減することができることを見出し、本発明に到達した。
【0007】
すなわち、本発明は、正極として酸素を、負極として亜鉛を使用し、酸素を還元する触媒層、正極集電体および該触媒層に圧着された第1の撥水層を有する酸素還元電極と、第2の撥水層とが積層されて正極ケース内に配置されている直径約 11.6 mmの空気亜鉛電池において、上記第1の撥水層の直径aと上記第2の撥水層の直径bが、0.2mm≧a−b≧0.05mm の関係を有することを特徴とする空気亜鉛電池に関する。
【0008】
本発明者は内部抵抗のバラツキの原因を詳細に調査した。その結果、第2の撥水層が電池製造時にわずかに曲がり、これによって正極ケースと触媒層との接触が阻害されていることがわかった。この曲がりの程度は個々の電池により異なり、また正極ケースのこの部分の形状にもわずかな違いがあるため、これらが相互に影響して内部抵抗にバラツキを与えていることがわかった。
【0009】
これに対する対策としては、まず第2の撥水層の寸法を小さくして曲がりを発生させないようにすることが考えられるが、小さくし過ぎると、ガスケットで正極を固定して電池を嵌合する際、その円周部分にかかる圧力が部分によって異なり、放電中に電解液が空気孔側に漏れてくる結果となる。
【0010】
以上のことから、撥水層の寸法について電池を試作して検討した結果、第1の撥水層の直径aと第2の撥水層の直径bとの間に上記の関係があれば、内部抵抗のバラツキが低減することがわかった。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
図1は、代表的な空気亜鉛電池PR44P(直径11.6mm、総高5.4mm)の断面図である。図1において、1は底面に空気孔2を有する正極ケースであり、その内部に、PTFE膜からなる第2の撥水層8、酸素還元電極12およびセパレータ7が載置されている。酸素還元電極12は、活性炭、マンガン酸化物、導電材、PTFE粉からなる正極触媒粉をシート状に成形した正極触媒層6を、ニッケルメッキしたステンレスネット製の正極集電体5に圧着充填し、さらに第1の撥水層4を圧着して一体化したものである。上記第1の撥水層はやはりPTFE膜からなり、図示するようにセパレータと反対側に圧着されている。3は拡散紙であり、空気孔2を覆うように正極ケース1の内側に載置されている。11はガスケットである。
【0012】
10は集電と封口を兼ねる負極ケースであり、負極ケース10内には、亜鉛粉と電解液とを含有するゲル負極9がある。ゲル負極9は、電解液として30重量%の水酸化カリウム水溶液を用い、亜鉛粉として1%の水銀と500ppmの鉛を含みかつ粒度が100〜300μmの汞化亜鉛粉を用いて、ゲル化剤(ポリアクリル酸)を混合してゲル化したものである。電解液と亜鉛粉との混合比は、亜鉛粉1kgに対して電解液250gである。
【0013】
(従来例)
従来例として、上記電池において第1の撥水層4と第2の撥水層8をともに直径11.20mmの円形とし、電池を作製した。
【0014】
(実施例1)
第1の撥水層4の直径を11.20mmとし、第2の撥水層8の直径を11.15mmとして、それ以外は従来例と同様にして電池を作製した。
【0015】
(実施例2)
第1の撥水層4の直径を11.20mmとし、第2の撥水層8の直径を11.10mmとして、それ以外は従来例と同様にして電池を作製した。
【0016】
(実施例3)
第1の撥水層4の直径を11.20mmとし、第2の撥水層8の直径を11.00mmとして、それ以外は従来例と同様にして電池を作製した。
【0017】
(実施例4)
第1の撥水層4の直径を11.10mmとし、第2の撥水層8の直径を11.00mmとして、それ以外は従来例と同様にして電池を作製した。
【0018】
(比較例1)
第1の撥水層4の直径を11.20mmとし、第2の撥水層8の直径を11.17mmとして、それ以外は従来例と同様にして電池を作製した。
【0019】
(比較例2)
第1の撥水層4の直径を11.20mmとし、第2の撥水層8の直径を11.90mmとして、それ以外は従来例と同様にして電池を作製した。
【0020】
(比較例3)
第1の撥水層4の直径を11.20mmとし、第2の撥水層8の直径を11.70mmとして、それ以外は従来例と同様にして電池を作製した。
【0021】
(比較例4)
第1の撥水層4の直径を11.10mmとし、第2の撥水層8の直径を11.10mmとして、それ以外は従来例と同様にして電池を作製した。
【0022】
(比較例5)
第1の撥水層4の直径を11.20mmとし、第2の撥水層8の直径を11.30mmとして、それ以外は従来例と同様にして電池を作製した。
【0023】
上記各従来例、実施例、比較例の電池をそれぞれ100個づつ作製し、各100個の電池について内部抵抗を測定し、その平均値と分散値を算出した。また、各100個の中から20個を抜き取り、25℃-85%RHにて62Ωで放電し、漏液の発生を調べた。これらの結果を表1に示す。
【0024】
【表1】
【0025】
表1の結果から、実施例1〜4には漏液の発生もなく、内部抵抗の分散も小さいことがわかる。また、実施例4と比較例4の結果から、第1の撥水層4の寸法を小さくすると内部抵抗の平均値を高める傾向があるが、実施例4の方が分散値は小さいことがわかる。
【0026】
さらに、比較例1の結果から、第1の撥水層4と第2の撥水層8との寸法差が小さすぎると、分散値をあまり小さくすることができないことがわかり、比較例5の結果から、第2の撥水層8の寸法を大きくすると分散値が大きくなることがわかる。また、比較例2および比較例3の結果から、第2の撥水層8の寸法を小さくしすぎると、62Ω放電で漏液が発生しやすくなることがわかる。
【0027】
以上の結果から、第1の撥水層4の直径(a)と第2の撥水層8の直径(b)との直径差が0.2mmと0.05mmとの間にある、すなわち0.2mm≧a−b≧0.05mmの関係を有する場合には、内部抵抗のバラツキが小さくなって安定化し、かつ漏液発生もなく安全性が確保されることがわかった。
【0028】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、空気亜鉛電池における二つの撥水層相互のサイズを規定することによって、内部抵抗のバラツキを減少させ、安定化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例であり、かつ従来例でもある空気亜鉛電池の断面図。
【符号の説明】
1…正極ケース、2…空気孔、3…拡散紙、4…第1の撥水層、5…正極集電体、6…正極触媒層、7…セパレータ、8…第2の撥水層、9…ゲル負極、10…負極ケース、11…ガスケット、12…酸素還元電極。
Claims (1)
- 正極として酸素を、負極として亜鉛を使用し、酸素を還元する触媒層、正極集電体および該触媒層に圧着された第1の撥水層を有する酸素還元電極と、第2の撥水層とが積層されて正極ケース内に配置されている直径約 11.6 mmの空気亜鉛電池において、上記第1の撥水層の直径aと上記第2の撥水層の直径bが、0.2mm≧a−b≧0.05mm の関係を有することを特徴とする空気亜鉛電池。
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JP2002049204A JP4257399B2 (ja) | 2002-02-26 | 2002-02-26 | ボタン形空気亜鉛電池 |
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JP2002049204A JP4257399B2 (ja) | 2002-02-26 | 2002-02-26 | ボタン形空気亜鉛電池 |
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