JP2000173678A - 空気亜鉛電池 - Google Patents
空気亜鉛電池Info
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- JP2000173678A JP2000173678A JP34411498A JP34411498A JP2000173678A JP 2000173678 A JP2000173678 A JP 2000173678A JP 34411498 A JP34411498 A JP 34411498A JP 34411498 A JP34411498 A JP 34411498A JP 2000173678 A JP2000173678 A JP 2000173678A
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Abstract
するようにした空気亜鉛電池を提供すること。 【解決手段】空気孔を有する正極ケース7の底部に段差
を設け、その下段を空気拡散層9とし、上記底部段差の
上段に撥水膜8、正極体5,6およびセパレータ3が収
容され、該セパレータを介してゲル状亜鉛負極2を充填
した負極ケース1が配置された空気亜鉛電池であって、
空気拡散層段部の高さaを0.08〜0.14mmと
し、該空気拡散層内部に配置する空気拡散紙の厚さを空
気拡散層段部高さに対して100%以内0.08mm以
上とし、空気拡散紙の気孔率を70〜85%とした。こ
れによって空気拡散紙の正極体を支える機能を向上さ
せ、かつ空気拡散性を増し、軽負荷放電性能を低下させ
ずに重負荷放電に適したものとなった。
Description
し、さらに詳しくは軽負荷放電性能を低下させずに重負
荷放電に適するようにした空気亜鉛電池に関する。
する空気亜鉛電池は、正極作用物質を電池内に詰め込む
必要がないために、同じ大きさの電池であれば負極作用
物質である亜鉛をより多く詰め込むことが可能で、アル
カリマンガン電池や酸化銀電池に比較して大容量が得ら
れるという特徴がある。従来は補聴器用途が主であった
が、大容量という特徴を生かし、需要が拡大してきてい
る。そのような情況のなかで、近年、より高容量化する
とともに、より広い用途に対応するために、広範囲な負
荷特性、特に重負荷放電への対応が求められている。
は、正極ケース底部に段差を設けて、その上段に正極体
や絶縁ガスケット、ゲル状亜鉛負極、負極ケース等を収
容する構造とし、正極ケース下段は空気拡散層としてい
る。この空気拡散層は、正極ケース底部の空気孔から入
った空気を正極体の全体に拡散させる役割と、空気を一
時的に蓄えるバッファーとしての役割をもつため、空気
拡散層が大きいほど放電はしやすくなり、重負荷放電に
有利となる。
は段部を高くする必要があり、これは負極内容績を減少
させることにつながるため、負極作用物質である亜鉛の
充填量が減少してしまう。これにより重負荷放電におい
ては放電利用率が上がり性能が向上するが、もともと放
電利用率が高い軽負荷放電では、亜鉛充填量が減少した
分、性能が低下する。
気拡散層の段部高さを高くした重負荷用の電池を製品化
して対応しているが、これでは軽負荷での放電容量が少
なくなり、また品種の増加により混乱を招く恐れもあ
る。
働きもある。すなわち、空気拡散層にはクラフト紙や不
織布などが空気拡散紙として配されているが、空気亜鉛
電池では放電が進行するにつれて負極の亜鉛が放電生成
物となって体積が増加し、それにともなって正極体が圧
迫を受けて空気拡散層に曲がってくる。この曲がりがひ
どくなると空気拡散層が狭くなり、放電が正常に進まな
くなる。これに対して空気拡散紙は、正極体を支えてこ
の曲がりを抑える働きをしている。正極体の曲がりの影
響は、放電時に空気をより多く必要とする重負荷放電で
顕著であるので、重負荷を必要とする場合は、できるだ
け空気拡散層全体に空気拡散紙を配置する必要がある。
紙を配置してしまうと、かえって空気拡散の妨げとな
る。さらに実質的にバッファーとしての空気拡散層容積
も小さくなるため、重負荷放電改善にはならない。その
ため、従来の通常用の空気亜鉛電池では、空気拡散層の
段部高さが0.1mm〜0.15mmに対して、空気拡
散紙の厚さが0.05mm〜0.07mm程度であり、
必然的に正極体の曲がりの影響を受けてしまっていた。
のもので、その目的は、空気亜鉛電池において、軽負荷
放電性能を犠牲にすることなく、空気電池の重負荷放電
性能を向上させることにある。
に本発明者らが研究した結果、空気拡散層の段部高さ、
空気拡散紙の厚さ、および拡散紙の空気透過度を最適化
することによって、軽負荷放電の性能を犠牲にすること
なく、重負荷放電性能を向上できることを見いだした。
すなわち本発明は、空気孔を有する正極ケースの底部に
段差を設け、その下段を空気拡散層とし、上記底部段差
の上段に撥水膜、正極体およびセパレータが収容され、
該セパレータを介してゲル状亜鉛負極を充填した負極ケ
ースが配置された空気亜鉛電池において、前記空気拡散
層段部の高さが0.08〜0.14mmであり、該空気
拡散層内部に配置する空気拡散紙は、厚さが空気拡散層
段部高さに対して100%以内で0.08mm以上、気
孔率が70〜85%であることを特徴とする。
いて図1を用いて説明する。空気孔10を有する底面に
段部を設けた正極ケース7の上段に、ポリテトラフルオ
ロエチレン(PTFE)膜からなる撥水膜8、正極体お
よびセパレータ3が収納されている。正極体は、活性
炭,マンガン酸化物,PTFE粉および導電材からなる
正極触媒層5、前述の撥水膜とは別のPTFE膜、ニッ
ケルメッキされたステンレス製ネットの正極集電体6で
構成される。セパレータ3の上部には絶縁ガスケット4
を介してニッケル−ステンレス−銅の3層クラッド材を
成形加工した負極ケース1が配されており、通常は絶縁
ガスケット4と負極ケース1との間には、アルカリ電解
液の漏液防止のために、ポリアミド樹脂等のシール剤が
塗布されている。さらに負極ケース1内部にはゲル状亜
鉛負極2が充填され、セパレータに接している。
電解液およびゲル化剤を混合撹拌したものである。ここ
で亜鉛合金粉は100〜300μm程度の粒度でアルミ
ニウム,インジウム,鉛等を添加した汞化あるいは無汞
化のもので、アルカリ電解液は25〜40wt%程度の
水酸化カリウム水溶液、ゲル化剤はポリアクリル酸等を
使用する。
わる空気拡散層である。ここにクラフト紙や不織布から
なる空気拡散紙9が収納されている。本発明では、空気
拡散層の段部高さ(a)、空気拡散紙の厚さ、および拡
散紙の空気透過度を最適化することによって、重負荷特
性を向上させている。具体的には、空気拡散紙を従来よ
り厚くし、放電が進行して負極亜鉛が放電生成物となり
体積増加して正極体を押してきた場合においても空気拡
散紙が十分に正極体を支え、空気拡散層の容積を確保で
きるようにしている。一方、空気拡散層容積の多くを空
気拡散紙が占めることで、かえって拡散を妨げる恐れが
あるが、空気拡散紙の気孔率を大きくすることで内容積
を確保し、さらに従来よりも透過がよくなり空気流入量
が増えることで、重負荷特性に有利となる。
0.08mm、気孔率80%の不織布を拡散紙として用
いた。正極ケースの空気拡散層段部は高さ0.08mm
として、内部に前記拡散紙を配し、図1に示すPR44
型空気亜鉛電池を作成した。このとき、正極缶底面には
直径0.4mmの空気孔を4個設けた。
た亜鉛合金粉、30wt%水酸化カリウム水溶液、ポリ
アクリル酸を混合撹拌して使用した。また正極体は、活
性炭、マンガン酸化物およびPTFE粉を混合撹拌した
触媒をシート状に圧延し、片面にニッケルメッキしたス
テンレスネットを、他面にPTFE膜をローラープレス
で圧着して使用した。
0.10mm、気孔率80%の不織布を拡散紙として用
い、正極ケースの空気拡散層段部は高さ0.10mmと
して、内部に前記拡散紙を配し、実施例1と同様にPR
44型の空気亜鉛電池を作成した。
0.14mm、気孔率80%の不織布を拡散紙として用
い、正極ケースの空気拡散層段部は高さ0.14mmと
して、内部に前記拡散紙を配し、実施例1と同様にPR
44型空気亜鉛電池を作成した。
0.08mm、気孔率80%の不織布を拡散紙として用
い、正極ケースの空気拡散層段部は高さ0.10mmと
して、内部に前記拡散紙を配し、実施例1と同様にPR
44型空気亜鉛電池を作成した。
0.08mm、気孔率80%の不織布を拡散紙として用
い、正極ケースの空気拡散層段部は高さ0.14mmと
して、内部に前記拡散紙を配し、実施例1と同様にPR
44型空気亜鉛電池を作成した。
0.10mm、気孔率70%の不織布を拡散紙として用
い、正極ケースの空気拡散層段部は高さ0.10mmと
して、内部に前記拡散紙を配し、実施例1と同様にPR
44型空気亜鉛電池を作成した。
0.10mm、気孔率85%の不織布を拡散紙として用
い、正極ケースの空気拡散層段部は高さ0.10mmと
して、内部に前記拡散紙を配し、実施例1と同様にPR
44型空気亜鉛電池を作成した。
0.06mm、気孔率80%の不織布を拡散紙として用
い、正極ケースの空気拡散層段部は高さ0.06mmと
して、内部に前記拡散紙を配し、実施例1と同様にPR
44型空気亜鉛電池を作成した。
0.20mm、気孔率80%の不織布を拡散紙として用
い、正極ケースの空気拡散層段部は高さ0.20mmと
して、内部に前記拡散紙を配し、実施例1と同様にPR
44型空気亜鉛電池を作成した。
0.14mm、気孔率80%の不織布を拡散紙として用
い、正極ケースの空気拡散層段部は高さ0.10mmと
して、内部に前記拡散紙を配し、実施例1と同様にPR
44型空気亜鉛電池を作成した。
0.15mm、気孔率80%の不織布を拡散紙として用
い、正極ケースの空気拡散層段部は高さ0.14mmと
して、内部に前記拡散紙を配し、実施例1と同様にPR
44型空気亜鉛電池を作成した。
0.06mm、気孔率80%の不織布を拡散紙として用
い、正極ケースの空気拡散層段部は高さ0.08mmと
して、内部に前記拡散紙を配し、実施例1と同様にPR
44型空気亜鉛電池を作成した。
0.06mm、気孔率80%の不織布を拡散紙として用
い、正極ケースの空気拡散層段部は高さ0.14mmと
して、内部に前記拡散紙を配し、実施例1と同様にPR
44型空気亜鉛電池を作成した。
0.10mm、気孔率65%の不織布を拡散紙として用
い、正極ケースの空気拡散層段部は高さ0.10mmと
して、内部に前記拡散紙を配し、実施例1と同様にPR
44型空気亜鉛電池を作成した。
0.10mm、気孔率50%の不織布を拡散紙として用
い、正極ケースの空気拡散層段部は高さ0.10mmと
して、内部に前記拡散紙を配し、実施例1と同様にPR
44型空気亜鉛電池を作成した。
0.14mm、気孔率60%の不織布を拡散紙として用
い、正極ケースの空気拡散層段部は高さ0.20mmと
して、内部に前記拡散紙を配し、実施例1と同様にPR
44型空気亜鉛電池を作成した。
さ0.05mm、気孔率50%の不織布を拡散紙として
用い、正極ケースの空気拡散層段部は高さ0.10mm
として、内部に前記拡散紙を配し、実施例1と同様にP
R44型空気亜鉛電池を作成した。
を行った。実施例および比較例の電池各20個につい
て、通常の軽負荷放電として620Ω連続放電、重負荷
の放電として62Ω連続放電試験を行った。このとき、
620Ω連続放電は1.0Vまで、62Ω連続放電は
0.9Vまでの放電持続時間を測定した。表1に結果を
示す。各数値は20個の電池の平均値である。
例、比較例10は従来の通常用電池の1例である。比較
例9は当然のことながら重負荷放電性能では比較例10
よりも優れているが、軽負荷放電では劣っている。反対
に、比較例10は軽負荷放電性能では優れるが、重負荷
放電はほとんどできない。それぞれの電池の欠点をなく
し、長所を併せもつようにするのが本発明の目的であ
る。
空気拡散層の段部高さの影響がわかる。空気拡散層の段
部高さが本発明の範囲より低い場合は、負極容積が大き
くなるので負極作用物質である亜鉛の充填量が増加し、
軽負荷放電の性能は向上するが、空気拡散層の容積が不
足するため重負荷放電がしにくくなり、放電持続時間が
短くなる。逆に段部高さが本発明の範囲よりも高い場合
は、負極容積が減少するために亜鉛充填量が減り、軽負
荷放電は持続時間が短くなる。段部が高くなり、本来有
利になるはずの重負荷放電についても、本発明品の性能
と変わりなく、段部寸法を本発明品以上に高くしても、
重負荷放電は向上しないことがわかる。
さの影響がわかる。比較例5,6のように本発明の範囲
よりも薄い場合は、軽負荷放電についてはほとんど影響
していないが、重負荷放電性能は劣っている。これは、
放電後期に正極体が空気拡散層に曲がってきたときに、
拡散紙が薄いと支えきれないためである。比較例3,4
のように空気拡散層の段部高さより拡散紙厚さが上回っ
た場合、拡散紙によって正極体が圧迫されるため放電性
能が低下してしまう。さらに、比較例3では、拡散紙に
よる圧迫で正極体の撥水膜が傷ついてしまったために、
放電中に空気孔から漏液が発生する電池もあった。
孔率の影響がわかる。気孔率が本発明の範囲より低い場
合は、反応に使われる空気の流入量が少なくなる。また
拡散紙厚さを本発明の範囲内としても、空気拡散層を拡
散紙が占めてしまうので、実質的に拡散層容積が減少す
ることも影響する。このため、軽負荷放電では影響は少
ないが、重負荷放電において放電性能が悪くなる。実施
例6のように気孔率が本発明の範囲内であれば、比較例
7,8より薄くても重負荷特性は改善される。
よくなるが、拡散紙として使用する不織布は気孔率85
%程度が製造の上限であるため、本発明においては気孔
率の上限は85%とした。
負荷放電性能を犠牲にすることなく、重負荷放電性能を
向上することができる。
るものではない。本発明に直接影響を及ぼさない亜鉛合
金粉、ゲル化剤、電解液濃度、正極触媒等の要素につい
ては、本発明の範囲を逸脱しない限り変更して差し支え
ない。
重負荷放電性能のいずれをも低下させることなく、安全
で信頼性の高い空気亜鉛電池を提供することができる。
電池の断面図。
タ、4…絶縁ガスケット、5…正極触媒層、6…正極集
電体、7…正極ケース、8…撥水膜、9…空気拡散紙、
10…空気孔。
Claims (1)
- 【請求項1】 空気孔を有する正極ケースの底部に段差
を設け、その下段を空気拡散層とし、上記底部段差の上
段に撥水膜、正極体およびセパレータが収容され、該セ
パレータを介してゲル状亜鉛負極を充填した負極ケース
が配置された空気亜鉛電池において、前記空気拡散層段
部の高さが0.08〜0.14mmであり、該空気拡散
層内部に配置する空気拡散紙は、厚さが空気拡散層段部
高さに対して100%以内で0.08mm以上、気孔率
が70〜85%であることを特徴とする空気亜鉛電池。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34411498A JP2000173678A (ja) | 1998-12-03 | 1998-12-03 | 空気亜鉛電池 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34411498A JP2000173678A (ja) | 1998-12-03 | 1998-12-03 | 空気亜鉛電池 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000173678A true JP2000173678A (ja) | 2000-06-23 |
Family
ID=18366752
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP34411498A Pending JP2000173678A (ja) | 1998-12-03 | 1998-12-03 | 空気亜鉛電池 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000173678A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2006126831A1 (en) * | 2005-05-27 | 2006-11-30 | E.M.W. Energy Co., Ltd. | Battery and method for producing the same |
CN111463370A (zh) * | 2020-04-08 | 2020-07-28 | 广州鹏辉能源科技股份有限公司 | 一种锌空气电池 |
-
1998
- 1998-12-03 JP JP34411498A patent/JP2000173678A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2006126831A1 (en) * | 2005-05-27 | 2006-11-30 | E.M.W. Energy Co., Ltd. | Battery and method for producing the same |
CN111463370A (zh) * | 2020-04-08 | 2020-07-28 | 广州鹏辉能源科技股份有限公司 | 一种锌空气电池 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20050915 |
|
RD02 | Notification of acceptance of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422 Effective date: 20081210 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20090526 |
|
A521 | Written amendment |
Effective date: 20090724 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 |
|
A02 | Decision of refusal |
Effective date: 20091222 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 |