JP4254948B2 - 電線の外径差吸収構造 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、外径の異なる各種の電線を収納することができる電線の外径差吸収構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の電線の外径差吸収構造は、例えば自動車等に使用される電線保護用プロテクタに設けられている。
【0003】
この従来の電線保護用プロテクタは、図6に示すように形成されている。図において、電線保護用プロテクタ20は、本体部21と蓋部22とを有する箱状に形成されていて、この電線保護用プロテクタ20の本体部21には、電線23を挿通させることができるようになっている。この前記電線保護用プロテクタ20の蓋部22の内壁25には、長手方向の両側縁にヒンジ部26,26を有する支承板27を介して電線押え板28が一体に形成された電線押え機構29が形成されている。そして、この電線保護用プロテクタ20の本体部21に電線23を挿通させて、前記本体部21に前記蓋部22を取り付けると、図7に示すように、電線23が本体部21の底面24と前記電線押え機構29に挟み込まれて、電線保護用プロテクタ20に電線23が保護されるようになっている。
【0004】
図7において、電線保護用プロテクタ20は、本体部21に蓋部22が取り付けられた状態となっている。そして、この本体部21には、電線23が挿通されている。この電線23は、電線23が本体部21の底面24と電線押え機構29とに挟持された状態となっている。電線押え機構29は、2箇所のヒンジ部26,26を有し、弾性を有する素材で形成されていることから、電線23を本体部21の底面24と電線押え機構29とで挟み込むことによって、前記電線押え機構29が電線23の外径の大きさに合わせて電線23と接触し、本体部21の底面24と、電線押え機構29の電線押え板28とで電線23を挟持することができるようになっている。このように、電線保護用プロテクタ20は、ヒンジ部26,26を介して可動可能な電線押え機構29が形成されていて、この電線押え機構29の電線押え板28と本体部21とで電線を挟み込む構造となっているので、配線の変更などによって、保護する電線の種類が変わり、電線保護用プロテクタ20に収納する電線の外径の大きさが多少変わっても、同一の電線保護用プロテクタ20で異なる外径を有する電線23を挟持することができるようになっている。
【0005】
たとえば、図7に示すように、電線保護用プロテクタ20に、外径の小さな電線23を挿通させる場合には、本体部21にこの電線23を挿通した後、本体部21と蓋部22とを合わせると、蓋部22に設けられた電線押え機構29が、その弾性によって電線保護用プロテクタ20の内部の空間に広がるようになっている。そして、この電線押え機構29の電線押え板28が電線23を押え付け、電線23が本体部21の底面24と電線押え機構29とに挟持されている。
【0006】
一方、図8に示すように、電線保護用プロテクタ20は、外径の小さな電線23の代わりに、外径の大きな電線30を配線することができるようになっている。この電線保護用プロテクタ20に、電線23よりも外径の大きな電線30を配線する場合には、本体部21に電線30を挿通した後、本体部21と蓋部22とを合わせると、図7と同様に、蓋部21に設けられた電線押え機構29が、その弾性によって、電線保護用プロテクタ20の内部の空間の広さに合わせて広がるようになっている。このとき、この電線保護用プロテクタ20の内部の空間は、配線する電線30の外径が大きいことから、電線23の時よりも狭くなっているので、電線押え機構29が大きく撓み、支承板27と電線押え板28との間隔が狭い状態で、電線押え板28で電線30を押え付けるようになっている。
【0007】
このように、従来の電線の電線保護用プロテクタに用いられる外径差吸収構造は、電線押え機構29の撓みによって電線の外径の差を吸収させ、電線の異なる外径を吸収することができるようになっている(例えば、特許文献1参照。)。
【0008】
【特許文献1】
特開平8−256416号公報(第3頁、第1図)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の電線の外径差吸収構造には、次のような問題があった。
【0010】
すなわち、従来の電線の外径差吸収構造は、本体部21に挿通させる電線の外径の大きさによって、電線押え機構29の状態が大きく変わるため、電線押え機構29に部分的に大きな負荷が掛かってしまうことがあった。このため、この電線押え機構29を外径の小さな電線23と外径の大きな電線30の両方に対応させるためには、電線押え機構29の屈曲する部分に、より一層の柔軟性を持たせる必要があった。
【0011】
電線押え機構29に、より一層の柔軟性をもたせると、電線押え機構29が屈曲しやすくなり、部分的に大きな負荷がかかり難くなる反面、電線押え機構29が電線を強く正確に押え付けることができなくなってしまうことがあった。特に、外径の小さい電線23を挿通させた際には、電線押え機構29が大きく広がり、電線押え機構29によって電線23を強く押え付けることが困難となってしまっていた。
【0012】
本発明の目的は、電線の外径差が大きい場合でも、電線の外径差を容易に吸収させることのできる電線の外径差吸収構造を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の電線の外径差吸収構造は、開口面を備え外径の異なる各種の電線を収納可能な断面矩形状に形成される本体部と、前記本体部に開閉可能に取り付けられ前記本体部に収納された外径の異なる各種の電線を挟み込んで押えるため蓋部とからなる電線保護用プロテクタであって,
前記蓋部の内壁面上に立設し、互いに対向して前記本体部に収納する電線の軸方向に平行に設けられる一対の側壁と、前記一対の側壁の開放端部に渡して形成される板面とによってコ字状に形成してなる電線押え板と,
L字型に形成され、その一辺が前記電線押え板の板面に連設して前記本体部に収納する電線の軸方向に延伸し、他辺が前記本体部に収納する電線の収納方向に延伸する自由端部を形成してなり、前記電線押え板の電線の軸方向に2段階に可動可能な弾性を有するアームと,
からなり、
前記本体部に電線を収納し前記蓋部の内壁に設けられる前記電線押え板によって前記電線を挟み込んで、前記アームの自由端部を前記L字型のアームの折曲がり部分を軸として、前記蓋部の方向に撓ませ、この撓みによって前記電線の外径差を吸収させることを特徴とする。
このように構成することにより、請求項1に記載の発明によると、本体部と蓋部とからなる箱材の本体部または蓋部のいずれか一方の内壁に、弾性を有する電線押え板と、2段階に可動する略L字型のアームとからなる電線の外径差吸収構造が形成されているので、本体部に挿通させる電線の外径が小さい場合は、略L字型アームが電線と接触して、この電線の外径の大きさに合わせて可動し、これに連動して電線押え板が撓むようになっている。また、本体部に挿通させる電線の外径が大きい場合は、略L字型のアームが電線と接触して、この電線の外径の大きさに合わせて可動し、このアームと連動して電線押え板が撓み、さらに、必要に応じて、L字型のアームの折曲がり部分が鈍角となるように2段階に可動するようになっている。このように、箱材に挿通させる電線の外径の大きさによって、L字型のアームと、これに連動する電線押え板の可動の度合いが変化するので、電線の外径の大きさに関わらず電線の外径差を吸収させることができるようになる。また、L字型のアームと、これに連動する電線押え板の可動の度合いが変化するので、部分的に大きな負荷がかからないようにすることができるようになる。
【0014】
上記目的を達成するために、請求項2に記載の電線の外径差吸収構造は、前記略L字型のアームの折曲がり部分の角度が、直角または鈍角となっているものである。
このように構成することにより、請求項2に記載の発明によると、電線と略L字型アームの自由端部とが接触した際に、電線の外径差を確実に吸収することができるようになる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る電線の外径差吸収構造の実施の形態について図面を用いて説明する。本実施の形態においては、特に電線保護用プロテクタに本発明の電線の外径差吸収構造が用いられたものを例に挙げて説明する。
【0016】
図1には、本発明に係る電線の外径差吸収構造を用いた電線保護用プロテクタの斜視図が示されている。
図において、1は電線保護用プロテクタ(箱材)であって、本発明に係る電線の外径差吸収構造を有するものである。この電線保護用プロテクタ1はコ字状に延伸する本体部2と、該本体部2の開口面に嵌合する蓋部3を有する構造となっていて、該本体部2と蓋部3とを嵌合することで、箱状に形成されるようになっている。そして、この電線保護用プロテクタ1の本体部2には、電線4(仮想線で図示)が挿通されるようになっている。
【0017】
本発明に係る電線の外径差吸収構造における電線保護用プロテクタ1には、電線押え板5とL字型のアーム6とからなる外径差吸収構造7が形成されている。本実施の形態において、この外径差吸収構造7は、蓋部3の内壁8に設けられている。
【0018】
本実施の形態において、電線押え板5は、蓋部3の内壁8上に互いに対向する一対の側壁9を立設し、この側壁9の間に弾性を有する板面10が延伸したコ字状に形成されている。また、この電線押え板5の延伸する幅は、前記本体部2の開口面の幅に合わせて形成されている。
【0019】
そして、この電線押え板5の電線4の軸方向には、弾性を有するアーム6が設けられている。このアーム6は、2段階に可動可能となっていて、一辺が電線の軸方向に延伸し、他辺が電線方向に延伸するL字型に形成されている。本実施の形態においては、このL字型のアーム6の両辺が同じ長さとなるように形成されている。また、このアーム6は、折曲がり部分の角度が直角または鈍角に形成されるものである。本実施の形態において、このL字型のアーム6の折曲がり部分は、直角に形成されている。
【0020】
図2には、図1のX−X線断面図が示されている。図において、電線押え板5は、蓋部3に立設されている。また、本実施の形態においては、この電線押え板5の板面10とアーム6とが同じ厚みとなっている。そして、この電線押え板5及びアーム6は、電線に押し付けられると、その力によって、電線押え板5とアーム6とがそれぞれ矢印に示す方向に撓むようになっている。例えば、アーム6のうち、自由端部11を有するアーム6Bは、この自由端部11が電線(図示せず)に押し付けられることによって、アーム6Bに力がかかり、このアーム6Bが図における矢印c方向に撓むようになっている。そして、このアーム6Bにさらに力がかけられると、このアーム6Bの動きを受けて、アーム6Bと連続して形成されるアーム6Aが図における矢印d方向に連動して撓むようになっている。すると、アーム6全体に矢印c方向、矢印d方向に力がかかることによって、アーム6全体が図における仮想線に示す位置に動くようになっている。ここで、このアーム6の支点となる電線押え板5は、アーム6と一体成形されているので、アーム6Bが電線に押し付けられると、これに連動して電線押え板5の板面10の中心付近が、側壁9に支持されながら、アーム6の方向に捻れて撓むようになっている。このように、アーム6に力がかけられることによって、その力の度合いに合わせてアーム6及び電線押え板5の板面10が蓋部3方向に撓むようになっている。また、このアーム6及び板面10は、矢印c,d,e方向にそれぞれ撓むと、このアーム6および板面10には、この矢印c,d,e方向とは逆方向に戻ろうとする力がはたらくようになっている。
【0021】
続いて、本発明に係る電線の外径差吸収構造の動きを図面を用いて説明する。図3ないし図5には、電線保護用プロテクタの断面図が示されている。なお、図においては、便宜上、電線保護用プロテクタ1の本体部2と蓋部3とが、別体となっているものを例に挙げて説明する。
【0022】
図3及び図4には、本発明に係る電線の外径差吸収構造を備えた電線保護用プロテクタ1に、外径の大きな電線4を収納する際の手順が示されている。本実施の形態においては、外径差吸収構造7が、電線保護用プロテクタ1の蓋部3の内壁に取り付けられたものを例に挙げて説明する。
【0023】
図3(A)において、電線保護用プロテクタ1の本体部2の底面12には、この底面12に密接するように電線4が挿通されている。また、蓋部3の内壁8には、外径差吸収構造7が取り付けられている。本実施の形態において、この外径差吸収構造7は、互いに対向する一対の側壁9を形成し、この側壁9の間に、弾性を有する板面10が延伸したコ字型の電線押え板5と、この電線押え板5に取り付けられたL字型のアーム6とを有するものである。本実施の形態において、このL字型のアーム6は、2段階に可動可能に形成されていて、折曲がり部分が直角となっている。また、本実施の形態において、このアーム6を形成するアーム6Aとアーム6Bとは、同じ長さとなっている。ここで、このアーム6Aとアーム6Bの長さは同じ長さとしているが、特にアーム6Bの長さは、本体部2に蓋部3を取り付けた際に、自由端部11が電線に届き、なおかつアーム6Bを撓ませることのできる最低限の長さを必要としている。図においては、このようなアーム6の自由端部11が電線4を向いているので、蓋部3を本体部2に近づけると、この自由端部が電線4と最初に接触するようになっている。
【0024】
図3(B)には、電線保護用プロテクタ1の本体部2に蓋部3が少し近づけられた状態が示されている。図のように、本体部2に蓋部3を近づけると、電線4と蓋部3との距離が短くなって、外径差吸収構造7のL字型のアーム6の自由端部11が電線4と接触し、このアーム6が電線4に押し付けられた状態となる。そして、アーム6の自由端部11が電線4に押し付けられて、蓋部3に向かって横方向に移動しようとする力がかかる。すると、アーム6Aがアーム6Bにかかる力を受けて撓み、この撓みによって、アーム6Bが蓋部3に近づいた状態となる。また、このL字型のアーム6は、弾性を有する電線押え板5の板面10を支点としているので、このようなアーム6の動きに連動して、板面10が側壁9に支持されながらアーム6の方向に捻れて撓んだ状態となる。
【0025】
図4(A)には、図3(B)の電線保護用プロテクタ1の本体部2に、蓋部3がさらに近づけられた状態が示されている。図において、このアーム6が撓んだ状態で、本体部2に蓋部3をさらに近づけると、電線4と蓋部3との距離がさらに短くなって、アーム6が電線4にさらに押し付けられる。すると、このL字型のアーム6が弾性によってさらに撓んで、アーム6Bが蓋部3の方向に平行移動し、アーム6の折曲がり部分が内壁8と接触する。そして、このアーム6Bの動きを受けて、アーム6Aがさらに撓んだ状態となる。このように、アーム6Aとアーム6Bとが可動して撓むと、これに連動して、電線押え板5の板面10がアーム6に引っ張られ、この板面10がアーム6の方向に捻れて撓んだ状態となる。
【0026】
そして、図4(B)に示すように、この本体部2と蓋部3とをさらに近づけて、本体部2に蓋部3を取り付ける。図において、外径差吸収構造7のアーム6は、その折曲がり部分が、既に蓋部3の内壁8に当たった状態となっている。この状態で本体部2に蓋部3が取り付けられ、アーム6が電線4にさらに押し付けられると、この電線4の外径に合わせて、アーム6Bが、L字型のアーム6の折曲がり部分を軸として、蓋部3の方向(L字型のアーム6の折曲がり部分の角度が鈍角となる方向)に撓むようになっている。すると、電線4と外径差吸収構造7とが、より接近するので、電線4が、アーム6と電線押え板5の板面10との両方に押し付けられた状態となる。すなわち、L字型のアーム6が、電線4の外径の大きさに合わせて2段階に可動して撓み、外径の大きな電線4を、アーム6とこれに連動して可動する板面10とで押え付けることができるようになっている。
【0027】
このように、電線保護用プロテクタ1の内壁に外径差吸収構造7を設けて、該外径差吸収構造7のアーム6及び電線押え板5の板面10で電線4を押え付けると、この外径差吸収構造7のアーム6と板面10とが可動して、電線4の外径の大きさに合わせた形状となり、電線の外径差を吸収させることができるようになっている。また、このアーム6が撓むと、これに連動して弾性を有する板面10がアーム6の方向に捻れて撓み、外径差吸収構造7には、部分的に負荷がかからないので、外径の大きな電線4を、本体部2と、アーム6及び板面10とで確実に挟持することができるようになっている。
【0028】
図5には、本発明に係る電線の外径差吸収構造を備えた電線保護用プロテクタ1に、外径の小さな電線を収納する際の手順が示されている。本実施の形態における電線保護用プロテクタ1は、図3及び図4で使用したものと同一のものとなっている。
【0029】
図5(A)において、電線保護用プロテクタ1の本体部2の底面12には、外径の小さな電線13が挿通されている。図において、この電線13の外径は、図3に示す電線4の外径の大きさの約半分程度の大きさとなっている。また、蓋部3の内壁には、外径差吸収構造7が取り付けられている。この外径差吸収構造7は、図3及び図4のものと同様に、電線押え板5にL字型のアーム6が取り付けられた構造となっていて、2段階に可動可能に形成されている。また、本実施の形態におけるL字型のアーム6は、折曲がり部分が直角となるように形成されている。そして、このアーム6は、自由端部11が電線13を向いていて、蓋部3を本体部2に近づけると、アーム6の自由端部11が電線13と最初に接触するようになっている。そして、このような本体部2に、蓋部3を近づけていく。
【0030】
図5(B)には、図5(A)に示す電線保護用プロテクタ1の本体部2に蓋部3が取り付けられた状態が示されている。この図における電線13は、外径が小さいので、本体部2に蓋部3が取り付けられる直前に、L字型のアーム6の自由端部が電線13と接触するようになっている。そして、本体部2に蓋部3が取り付けられ、この両材が固定されると、L字型のアーム6の自由端部11が電線13に押し付けられる。すると、アーム6のアーム6Aの部分が弾性によって撓み、蓋部3の方向に移動する。そして、この撓みに連動して、アーム6Bの部分が蓋部3に近づいた状態となる。また、このL字型のアーム6は、電線押え板5の板面10と一体成形されているので、L字型のアーム6の動きに連動して、弾性を有する板面10がアーム6の方向に捻れて撓むようになっている。
【0031】
このように、電線保護用プロテクタ1の内壁に外径差吸収構造7を設けて、該外径差吸収構造7のアーム6で電線13を押え付けると、このアーム6が可動して、電線保護用プロテクタ1の空間内部で電線13の外径の大きさに合わせた形状となり、電線の外径差を吸収させることができるようになっている。また、このアーム6が可動して撓むと、これに連動して電線押え板5が撓み、電線の外径が小さい場合でも外径差吸収構造7に部分的に負荷がかかることがなく、電線13を本体部2とアーム6とで確実に挟持することができるようになっている。
【0032】
また、本発明に係る電線の外径差吸収構造は、電線の外径の大きさに関わらず、あらゆる外径の電線を挟持して電線の外径差を吸収することができるようになっている。
【0033】
なお、本実施の形態においては、L字型のアームの折曲がり部分の角度が直角となっているものを例に挙げて説明したが、これに限るものではなく、このアームの角度は鈍角であってもよいものとする。このアームの角度を鈍角にすると、アームで電線を押し付けた際に、アームの折曲がり部分が開きやすくなる。
【0034】
また、本実施の形態におけるL字型のアームは、電線の軸方向を向く長さと自由端部方向への長さとが同一となっているものを例に挙げて説明したが、これに限るものではなく、本体部に蓋部を取り付けた際に、電線方向を向くアームの長さが電線に届く長さであれば、L字型アームの一辺の長さが、他辺の長さよりも長い構造としてもよいものとする。
【0035】
さらに、本実施の形態においては、図3ないし図5において、電線の外径差吸収構造におけるL字型のアーム及び電線押え板の一連の動きを説明したが、この外径差吸収構造の一連の動きはこれに限るものではない。すなわち、この電線の外径差吸収構造の一連の動きは、外径差吸収構造を構成する各部材のサイズや、L字型のアームの両辺の長さのバランス、折曲がり部分の角度によって変化するものであり、これによってアーム6の撓み方が変化することがある。
【0036】
また、本実施の形態においては、電線の外径差吸収構造が、特に電線用プロテクタに備えられた例を挙げて説明したが、これに限るものではなく、この外径差吸収構造は、本体部と蓋部とを有し、電線を挿通できる箱材であれば、その内壁に設けて、電線の外径差を吸収させることができるものである。また、本実施の形態においては、電線の外径差吸収構造が箱材の蓋部の内壁に設けられた例を挙げて説明しているが、これに限るものではなく、この電線の外径差吸収構造を箱材の本体部の内壁に設けて、この本体部に電線を挿通させ、電線をこの外径差吸収構造と蓋部とで挟持させることも可能となっている。
【0037】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したように構成されているので、以下に記載されるような効果を奏する。
【0038】
請求項1に記載の発明によれば、箱材の内壁に、電線押え板と、2段階に可動するL字型のアームとからなる外径差吸収構造を形成させたことにより、電線の外径の大きさに合わせて、L字型のアームと電線押え板とが必要量撓んで、電線を押え付けることができるので、箱材内に挿通させる電線の外径の大きさに関わらず、電線の外径差を吸収させることができるようになる。また、このL字型アームの自由端部が電線に押し付けられてアームが可動すると、このアームの動きに連動して電線押え板が撓むので、部分的に負荷がかかることがなく、電線の外径の大きさに関係なく、強く正確に電線を押え付けることが可能となっている。また、このような構成から、電線の外径差吸収構造を電線保護用プロテクタに用いた場合、配線の変更により電線保護用プロテクタなどで保護する電線の外径が変わった場合でも、同一の電線保護用プロテクタを使用して、電線を保護することができるようになる。
【0039】
請求項2に記載の発明によれば、L字型のアームの折曲がり部分の角度が、直角または鈍角となっているので、電線とL字型アームとが接触した際に、電線をL字型アームで強く正確に押え付けることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電線の外径差吸収構造を用いた箱材の斜視図である。
【図2】図1における箱材の一部分の断面図である。
【図3】本発明に係る電線の外径差吸収構造の動きを示す断面図である。
【図4】本発明に係る電線の外径差吸収構造の動きを示す断面図である。
【図5】本発明に係る電線の外径差吸収構造の動きを示す断面図である。
【図6】従来の電線の外径差吸収構造を備えた電線保護用プロテクタの斜視図である。
【図7】図6に示す電線保護用プロテクタに外径の小さな電線が保護されている状態を示す断面図である。
【図8】図6に示す電線保護用プロテクタに外径の大きな電線が保護されている状態を示す断面図である。
【符号の説明】
1…………電線保護用プロテクタ(箱材)
2…………本体部
3…………蓋部
4,13…電線
5…………電線押え板
6…………アーム
7…………外径差吸収構造
8…………内壁
11………自由端部

Claims (2)

  1. 開口面を備え外径の異なる各種の電線を収納可能な断面矩形状に形成される本体部と、前記本体部に開閉可能に取り付けられ前記本体部に収納された外径の異なる各種の電線を挟み込んで押えるため蓋部とからなる電線保護用プロテクタであって,
    前記蓋部の内壁面上に立設し、互いに対向して前記本体部に収納する電線の軸方向に平行に設けられる一対の側壁と、前記一対の側壁の開放端部に渡して形成される板面とによってコ字状に形成してなる電線押え板と,
    L字型に形成され、その一辺が前記電線押え板の板面に連設して前記本体部に収納する電線の軸方向に延伸し、他辺が前記本体部に収納する電線の収納方向に延伸する自由端部を形成してなり、前記電線押え板の電線の軸方向に2段階に可動可能な弾性を有するアームと,
    からなり、
    前記本体部に電線を収納し前記蓋部の内壁に設けられる前記電線押え板によって前記電線を挟み込んで、前記アームの自由端部を前記L字型のアームの折曲がり部分を軸として、前記蓋部の方向に撓ませ、この撓みによって前記電線の外径差を吸収させることを特徴とする電線の外径差吸収構造。
  2. 前記略L字型のアームの折曲がり部分の角度は、直角または鈍角であることを特徴とする請求項1に記載の電線の外径差吸収構造。
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