JP6920879B2 - ワイヤカバーおよびコネクタ - Google Patents

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本発明は、電気コネクタに備えられた電線を覆うワイヤカバー、およびワイヤカバーを備えた電気コネクタに関する。
多極の雌コネクタに備わる複数の電線を収容し、所定の配索方向に電線を引き揃えるワイヤカバーが使用されている(特許文献1)。配索方向に沿って電線が引き出されるワイヤカバーの一端には、複数の電線を結束する結束部が形成されている。電線の束の片側を支持する結束部と、結束部から露出した電線束の部分とに亘り、結束用のバンドが装着される。
特許文献1では、電線の配索方向が、コネクタの挿抜方向と直交する方向に設定されている。ワイヤカバーの本体から配索方向に突出した結束部に向けて、コネクタハウジングの電線挿通孔からワイヤカバーの内側に延びている電線のいずれも、湾曲した状態に撓む。
図6は、ハウジング7に形成された電線挿通孔71から、ワイヤカバー8の内側を延びる多数の電線のうちの一部の電線81,82のみを示している。結束部8Aに最も近い電線81と、結束部8Aから最も遠い電線82とを含めた複数の電線のいずれも、特許文献1と同様に、結束部8Aに向けて湾曲した状態に撓む。
各電線は、ハウジング7や防水用のシール部材により拘束されるとともに、結束部8Aにおいて拘束される。
特開2012−138206号公報
コネクタの設置および配線の作業時や、設置されているコネクタに振動が加えられた際に、ワイヤカバーの内側を延びる電線が振れたり、引っ張られる向きに外力が加えられたりすることがある。その際に、特許文献1および図6に示すように、電線挿通孔71から結束部8Aまでの間で各電線が撓んでいれば、電線挿通孔71から結束部8Aまでの直線距離に対して電線が延びている長さに余裕がある。そのため、電線挿通孔71から結束部8Aまでの拘束されていない区間の電線の変位により電線の引っ張られる向きへの変位や電線の振れを吸収できるため、各電線に過大な応力が掛かるのを避けることができる。
しかしながら、特許文献1および図6のように電線の配索方向D4がコネクタの挿抜方向D1と直交する方向に設定されていると、結束部8Aが、コネクタハウジング7の外周部よりも外側に位置するため、その分、コネクタおよびワイヤカバーを含めた全体のサイズが大きくなる。
コネクタを設置するためのスペースを十分に確保できない場合は、結束部の向きを変えることで、電線の配索方向をコネクタの挿抜方向にほぼ沿うように設定するとよい。
ところが、その配索方向によれば、ワイヤカバーの内側で、結束部に向けて十分に撓んでいる電線ばかりでなく、結束部の近くで、電線挿通孔から結束部の内側まで直線的に延びている電線が存在する。
本発明は、いずれの電線にも過大な応力が加わることを避けることができるワイヤカバー、およびそれを備えたコネクタを提供することを目的とする。
本発明のワイヤカバーは、コネクタに備わる複数の電線を覆うカバー部と、複数の電線を結束して電線束をなす結束部と、を備え、カバー部には、複数の電線のうちの一部の電線にのみ干渉する干渉突起が備わり、コネクタのハウジングにおける電線の引出し位置から結束部の内側までの距離が、他の電線に関する距離よりも短い電線のことを短電線と言うとき、干渉突起は、短電線に干渉して撓ませることを特徴とする。
本発明において、コネクタのハウジングにおける電線の引出し位置から結束部の内側までの距離が、他の電線に関する距離よりも短い電線のことを短電線と言うとき、干渉突起は、短電線に干渉して撓ませるものである
本発明において、電線と接触する結束部の内周部の形状を含むように仮想の円を設定すると、円を投影した範囲内に、干渉突起の一部が含まれることが好ましい。
本発明のワイヤカバーにおいて、カバー部は、結束部を有し、複数の電線を覆うカバー本体と、カバー本体の側方に位置する開口を塞ぐ蓋と、を備えることが好ましい。
本発明のワイヤカバーにおいて、干渉突起は、蓋に備わることが好ましい。
本発明のワイヤカバーにおいて、干渉突起は、結束部の近傍に位置することが好ましい。
本発明のワイヤカバーにおいて、干渉突起の先端部は、干渉する電線に向けて次第に突出するように曲面状に形成されていることが好ましい。
本発明のコネクタは、複数のコンタクトと、複数のコンタクトを保持する保持ハウジングと、複数のコンタクトに個別に対応する複数の電線と、複数の電線を覆う上述のワイヤカバーと、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、ワイヤカバーに備えられた干渉突起により、ハウジングにおける引出し位置から結束部の内側までの距離が他の電線と比べて短い電線に干渉して、その電線を撓ませることができる。そうすると、ハウジングから電線が引き出されている位置によらず、ワイヤカバーにより覆われる電線のいずれも、ハウジングからの引出し位置と結束部との間で撓ませることができる。ハウジングや結束部等に拘束されないでワイヤカバーの内側を延びる電線が撓んでいると、電線の変位により、電線の引っ張られる向きへの変位を吸収でき、電線の振れを抑止することもできる。したがって、振動時や配線作業時に外力が加えられても電線に過大な応力が作用することを避けることができるので、電線の断線を防ぐことができる。
本発明の実施形態に係るワイヤカバーおよびそれを備えたコネクタを示す斜視図である。 (a)は、図1に示すワイヤカバーの平面図である。(b)は、(a)のIIb矢印の方向から示すワイヤカバーの側面図である。 図2(a)のIII−III線断面図である。 ワイヤカバーの分解斜視図である。 図2(b)のV矢印方向からワイヤカバーの結束部を示す図である。 従来のワイヤカバーおよび電線の状態を示す図である。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。
図1〜図3に示すコネクタ1は、複数の電線2(図3)を備えた多極の雌コネクタである。コネクタ1は、図示しない相手コネクタ(雄コネクタ)と挿抜方向D1に沿って嵌合される。
コネクタ1は、複数の電線2(図3)と、それらの電線2に個別に対応する複数のコンタクト11(図3)と、複数の電線2を覆うワイヤカバー3(図1〜図4)と、コンタクト11を保持するハウジング5(図1、図3)と、ハウジング5に配置され複数の電線2の各々の周りを一括して止水するゴム製の一括電線シール(図示しない)と、倍力機構であるレバー6(図1、図2(a))とを備えている。
ワイヤカバー3、ハウジング5およびレバー6はいずれも、絶縁性の樹脂材料を用いて射出成形により形成されている。
コネクタ1は、各電線2の周りを一括して止水する一括電線シールの他にも、他のシール部材、例えば、ハウジング5と相手コネクタのハウジングとの間を止水するシール部材を備えている。コネクタ1は、防水コネクタとして構成されている。
図3に示すように、ハウジング5の後端面51からは、多数の電線2が引き出されている。それらの電線2は、後端面51に設定されている平面視で矩形状の領域に亘り配置されている。図3に示された電線2の背面側にも、図示しない電線が配置されている。
ハウジング5の後端部には、電線2に個別に対応する電線挿通孔52が形成されている。電線挿通孔52は、ハウジング5を挿抜方向D1に沿って貫通している。電線挿通孔52は、一括電線シールの貫通孔およびハウジング5の貫通孔と共に、コンタクト11および電線2が挿入されるキャビティを構成している。一括電線シールの貫通孔の内周のシール部が電線2の外周部に密着する。
電線2は、具体的な図示を省略するが、金属材料から形成された心線と、心線を被覆するシースとを含んで構成されている。シースは絶縁性の樹脂材料から形成されている。これら心線およびシースの全体として、電線2は可撓性を有している。
図1に示す位置まで軸301を中心にレバー6を時計回り(図1の曲線の矢印R参照)に回動させると、ハウジング5間をコネクタ1の長さ方向D2(図2参照)に沿って移動するスライダ65を介して相手コネクタが挿抜方向D1に沿って引き込まれることで、コネクタ1と相手コネクタとが嵌合する。長さ方向D2は挿抜方向D1と直交する。
軸301は、ワイヤカバー3のカバー部30の側壁の両側からそれぞれ突出している。それらの軸301にレバー6が軸支されている。このレバー6のピニオンギア61がスライダ65の図示しないラックと噛み合い、スライダ65の図示しないカム溝に、相手コネクタのカム突起が係合する。
本実施形態は、主としてワイヤカバー3(図1〜図4)の構成に特徴を有する。
ワイヤカバー3は、複数の電線2(図3に二点鎖線で示す)を覆うカバー部30と、複数の電線2を結束して電線束20をなす結束部35とを備えている。
結束部35は、カバー部30における長さ方向D2の一端側(D2a)に位置している。
カバー部30は、結束部35を有して複数の電線2を覆うカバー本体31と、カバー本体31の側方に位置する開口31A(図4)を塞ぐ蓋32とを備えている。
カバー本体31および蓋32は、図4に示すように、別体に構成されている。
カバー部30の側壁には、レバー6(図1)を操作開始位置に係止する係止突起302が形成されている。
カバー本体31に蓋32が取り付けられることで、カバー本体31のみにより電線2が覆われている場合と比べて、外部からワイヤカバー3の内部に水が浸入することをより十分に防ぐことができる。蓋32により、ワイヤカバー3の内側の電線2への水の接触を十分に防止できることで、コネクタ1の防水性能の向上に寄与できる。コネクタ1は、激しい水ハネ等が想定される車載の機器へも適用することができる。
カバー本体31は、図3に示すように、ハウジング5から延びる複数の電線2を内側に収容しつつ、それらの電線2を一方向に引き揃えて結束部35により結束する。結束部35および電線2には結束用のバンド37(図2(b))が装着される。各電線2は、上述した一括電線シールにより拘束されるとともに、結束部35およびバンド37により拘束される。
電線2を上方からカバー本体31により覆う必要上、カバー本体31の下端側と、長さ方向D2の一端側(D2a)とは開口している。長さ方向D2の一端側に位置するカバー本体31の開口31A(図4)は蓋32により塞がれる。
カバー本体31は、複数の電線2を収容するのに足りる内部空間31S(図3)を内包している。カバー本体31は、概ね、下方に開口したU字状の断面を呈する。カバー本体31により、ハウジング5の後端面51(図3)の全域が覆われる。
カバー本体31の幅方向D3両側の側壁には、レバー6を軸支する軸301(図4、図1)が設けられている。また、カバー本体31の下端部には、ハウジング5の被係合部と係合する複数の係合部(311,312等)が形成されている。複数の係合部のうち2つの311,312のみを図4に示している。係合部311は、図1に示すようにハウジング5の側壁53の被係合部501(孔)に挿入される。
結束部35は、図1および図4に示すように、略半円筒状に形成されている。
図2(b)に示すように、結束部35は、挿抜方向D1に対して傾斜するように、カバー本体31(図2(a))から斜め上方に向けて突出している。
結束部35の軸線方向に沿って、電線2の配索方向D4が設定されている。電線2が結束部35から引き出される方向のことを電線2の配索方向と言うものとする。
図5に示すように、結束部35の内周部35Aは、電線束20の円形の断面形状に倣って、電線束20と同等の径の円弧状に形成されている。電線束20の径は、電線2の種類、電線2の径、および電線束20を構成する電線2の本数等に基づいて設定することができる。
図5に一点鎖線で示す円Cは、電線2と接触する結束部35の内周部35Aの形状を含む仮想の円形に相当し、電線束20の設計上の外形にも相当する。円Cの直径は電線束20の直径に相当する。
結束部35は、図5に示すように、円Cの円周の約半分に亘り電線束20を支持する。結束部35の内側に収められた電線束20の外周部の一部は、結束部35の外側へと露出する。この結束部35と、結束部35から露出した電線束20とに亘り、結束用のバンド37(図2(b))が装着される。結束部35の外周部には、図3および図1に示すように、バンド37を収容する溝351が周方向に連続して形成されている。
図3に示すように、ワイヤカバー3により覆われた複数の電線2は、ハウジング5の電線挿通孔52と結束部35との間で、湾曲した状態に撓んでいる。
ここで、電線挿通孔52から結束部35の内側までの距離が、複数の電線2のそれぞれについて相違する。
本実施形態の結束部35は、カバー部30の長さ方向D2の一端側D2aに位置している。そのため、配列された電線挿通孔52からそれぞれ引き出された電線2の大多数は、カバー部30の内側で転向して湾曲した状態に撓み、結束部35に向けて延出する。特に、引き出された電線挿通孔52が結束部35から長さ方向D2に遠く離れている電線2は、それよりも結束部35に近い電線挿通孔52から引き出された電線2よりも外周側を通るため、大きく撓んでいる。
一方、引き出された電線挿通孔52が結束部35に近いため、その電線挿通孔52から結束部35の内側までの距離が他の電線2についての同様の距離よりも短い電線2もまた、カバー部30の内部に備えられた干渉突起36と干渉することで、撓んでいる。撓んだ電線2は、電線束20の一端側D2aへと延びている。
以上より、電線2も含め、ハウジング5の各電線挿通孔52から結束部35の内側へと延びる電線2のいずれも撓んでいる。
電線2は、必ずしも特定の1本の電線2には限らない。電線2は、電線挿通孔52から結束部35の内側までの距離が電線束20の中で最短である特定の電線2に加え、その電線2に長さ方向D2あるいは幅方向D3において隣接する電線2を含んでいてもよい。その場合、電線2は複数の電線2を代表する。
本実施形態は、カバー部30の内部に、電線2に干渉する干渉突起36が備えられていることを主な特徴としている。この干渉突起36は、本実施形態では蓋32に備えられている。
蓋32は、図4に示すように、板状の基部320と、基部320から内側に突出した干渉突起36と、基部320の端部からいずれも長さ方向D2に突出した複数の係合梁(323,324,325等)とを備えている。基部320、干渉突起36、および係合梁323,324,325等は一体に形成されている。
基部320は、カバー本体31の幅方向D3両側の側壁313,314間に、挿抜方向D1に沿って起立した姿勢で配置される。基部320の下端部321Aは、図1に示すように、ハウジング5の表面に配置される。
基部320の内側には、剛性確保のため複数の突条321Bが挿抜方向D1に沿って形成されている。
基部320の上端縁321Cは、結束部35の周方向の両端を結ぶ方向と平行に形成されている。結束部35の軸線方向が傾斜しているため、上端縁321Cも挿抜方向D1に対して傾斜している。この上端縁321Cから露出した電線束20と結束部35とにバンド37が装着される。
基部320の外側の面321D(図3)は、挿抜方向D1に沿ってほぼ平坦に形成されている。基部320の下端部がハウジング5の表面に配置されるため、図3に示すように、外側の面321Dは、長さ方向D2において、ハウジング5の外周部から若干突出する。
蓋32に備わる複数の係合梁(図4)は、基部320の下端部321Aに設けられる一対の下部係合梁(図4に325のみを図示)と、それら下部係合梁よりも上方の位置で基部320に設けられる一対の上部係合梁323,324とからなる。
これらの下部係合梁(325等)と上部係合梁323,324のいずれも、幅方向D3に間隔をおいて基部320に形成されている。一対の下部係合梁(325等)間の寸法は、上部係合梁323,324間の寸法よりも広い。
下部係合梁325は、カバー本体31(図4)の側壁313の下端部に形成された被係合部313Aに係合される。他方の下部係合梁も、反対側の側壁314の下端部に形成された図示しない同様の被係合部に係合される。
上部係合梁323は、カバー本体31の側壁313に形成された被係合部313Bに係合される。上部係合梁324も同様である。
干渉突起36は、図3に示すように、結束部35の直下に位置する電線挿通孔52と、結束部35との間において結束部35の近傍に位置している。
より具体的に、干渉突起36は、基部320の上端部の内側の所定範囲に亘り、基部320の面外方向に突出している。
干渉突起36は、基部320の上端縁321Cに沿って所定の長さで延びている。干渉突起36は、上端縁321Cから基部320の内側に連続し、電線束20に向けて次第に突出している。干渉突起36の少なくとも先端部361は、滑らかな曲面状に形成されている。蓋32の成形上、干渉突起36は、図3に示すように中空であり、断面略C字状に形成されている。
そして、図5に示すように結束部35を矢印V(図2(b))の方向から見ると、電線束20の外形に相当する仮想の円Cの領域内の一端側D2aに、干渉突起36の先端部361等の一部が含まれる。換言すれば、円Cを投影した範囲内の一端側D2aに、干渉突起36の先端部361等の一部が含まれる。結束部35から露出した電線束20の一端側D2aには、上述したように、電線挿通孔52から結束部35の内側までの距離が短い電線2(図3)が位置する。その電線2に干渉突起36の先端部361が干渉することで、例えば図3に示すように、電線2が湾曲した状態に撓む。
電線2の位置のばらつきも考慮し、電線2が基部320から最も離れた位置を通る場合であっても、干渉突起36の先端部361により電線2を撓ませるために必要な長さ、幅、および突出寸法に干渉突起36が形成されることが好ましい。
仮に干渉突起36が存在しないとすれば、電線2は、電線挿通孔52から結束部35の内側に至るまで直線的に延び、殆ど撓まない。そうすると、配線作業や車両の振動により加えられた外力による電線2が引っ張られる向きへの変位を、直線的に延びた短い区間の電線2の変位や伸びでは吸収しきれないため電線2が引っ張られたり振れたりしてしまい、心線の断線等の懸念がある。
本実施形態によれば、干渉突起36により電線2が撓んでいるため、ワイヤカバー3の内側の拘束されていない電線2の区間の長さが干渉突起36のない場合と比べて長い。そうすると、拘束されていない区間の電線2の可動域や、当該区間の電線2に許容される伸びが増加する。そのため、電線2の変位により、電線2の引っ張られる向きへの変位を吸収でき、電線2の振れも抑止することができる。
以上で説明したコネクタ1を組み立てる際は、シール部材、ハウジング5、およびスライダ65を組み付けることでハウジングのアセンブリを得るとともに、レバー6の軸孔62(図1)にカバー本体31の軸301を挿入することで、カバー本体31とレバー6とを組み付ける。
上記のハウジングアセンブリにおいてハウジング5およびシール部材に連続して形成された複数のキャビティにそれぞれ、コンタクト11およびコンタクト11に接続された電線2を挿入すると、ハウジング5に形成されている電線挿通孔52から後方へと電線2が引き出される。
そして、ハウジング5の各電線挿通孔52から延びている電線2をカバー本体31の内側に収容しつつ、カバー本体31の長さ方向D2の端部に位置する係合部312をハウジング5の被係合部(図示しない)に係合させた状態で、カバー本体31をハウジング5に向けて押し下げる。すると、カバー本体31の長さ方向D2の一端側D2aに位置する係合部311がハウジング5の被係合部(孔)501(図1)に入り込んで側壁53に係止される。
次いで、カバー本体31の一端部に、蓋32の複数の係合梁323,324,325等を係止させることで、カバー本体31と蓋32とを一体化させる。
カバー本体31に蓋32が取り付けられると、蓋32の内側の干渉突起36が電線2に干渉するため、電線2が湾曲した状態に撓む。撓んでいる分、電線2の電線挿通孔52から結束部35の内側までの直線距離に対して、電線挿通孔52から結束部35の内側まで電線2が延びている長さが長くなる。
その後、結束部35から引き出される複数の電線2と結束部35とにバンド37を装着すると、コネクタ1の組み立てが完了する。
レバー6を図1に示すロック位置まで図1の時計回りに回動させると、スライダ65を介して図示しない相手コネクタがコネクタ1に向けて引き込まれるので、電線2の接続されている雌コンタクトに相手コネクタの雄コンタクトが挿入される。
本実施形態によれば、干渉突起36を備えていることにより、電線挿通孔52の位置によらず、電線束20をなす全ての電線2がワイヤカバー3の内側で撓んでいる。そのため、ワイヤカバー3の内側の拘束されていない区間の各電線2の変位により電線2の引っ張られる向きへの変位を吸収でき、電線2の振れも抑止することができる。したがって、振動時や配線作業時に各電線2に過大な応力が掛かることを避けて、断線を防ぐことができる。
加えて、本実施形態では、結束部35の近傍に位置している干渉突起36により、電線挿通孔52から離れた位置で電線2を撓ませているため、電線挿通孔52の付近では電線2は直線的に延びている。そのため、干渉突起36により電線2を撓ませるにあたり電線挿通孔52の開口の縁に電線2が押し付けられることを避けることができる。
また、干渉突起36の電線2に接触する部分は曲面状に形成されているため、干渉突起36により電線2に与える負荷が小さい。
さらに、干渉突起36がワイヤカバー3の蓋32に備えられているため、カバー本体31に蓋32を取り付けると、電線2への水の付着を抑える効果に加えて、電線2の断線を防止する効果をも得ることができる。つまり、蓋32とは別に、電線2に干渉する部材をカバー本体31に付加する場合と比べて部品点数やサイズを抑えつつ、防水機能の向上と断線防止による信頼性向上とを実現することができる。
ところで、図6に示すように、電線の配索方向D4がワイヤカバー8の真横に設定されていると、ハウジング7の外形に対して結束部8Aがハウジング7の径方向外側に位置している。
それに対して、本実施形態のように配索方向D4が斜め上方に設定されていると、結束部35の内周部35Aに関する円C(図5)をハウジング5へと投影したときの範囲の大部分が、ハウジング5の外形(コネクタ1の外形)の範囲内に収まる。そのため、本実施形態の配索方向D4によれば、ワイヤカバー3を含めたコネクタ1全体の小型化を図ることができるので、図6に示すコネクタと比べて狭い設置スペースにも適用することができる。
本実施形態の結束部35の向きを変え、挿抜方向D1と平行に、つまり真上に電線2が引き出されるように電線2の配索方向を設定することもできる。そうすると、結束部35に関する円Cを投影した範囲の全体がコネクタ1の外形の範囲内に収まるので、ワイヤカバー3が、コネクタ1の長さ方向D2および幅方向D3のサイズに影響を与えない。電線2の配索方向D4は、設置スペースの広さや、配線上の要求に応じて、適宜に定めることができる。
上記のように電線2の配索方向が挿抜方向D1と平行に設定されている場合にも、干渉突起36により電線2を撓ませることで断線を抑止することができる。つまり、干渉突起36により、配索方向D4の自由度が向上する。
電線2の配索方向D4、電線挿通孔52が配置されている領域の形状や寸法、電線束20の径、およびカバー部30における結束部35の位置等に応じて、引き出された電線挿通孔52から結束部35の内側までの距離が最も短い電線2が、電線束20をなす複数の電線2の中から決まる。その電線2と干渉させる干渉突起36をカバー部30の内側の適宜な箇所に設けることができる。また、引き出された電線挿通孔52から結束部35の内側までの距離が最短ではないものの、当該距離が他の電線2の場合よりも短いため、断線し易い電線2と干渉させるための干渉突起も、カバー部30の内側の他の箇所に設けることができる。
上記実施形態のワイヤカバー3は、蓋32に干渉突起36を備えているが、必要な干渉突起をカバー本体31の内側に備えることもできる。なお、必要な干渉突起36の位置によっては、ワイヤカバー3のカバー部30に蓋32は必ずしも必要ではない。
上記以外にも、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更したりすることが可能である。
本発明のコネクタは、レバー6やスライダ等の倍力機構を備えていなくてもよい。また、本発明のコネクタが、一括電線シールを備えた防水コネクタである必要はない。
1 コネクタ
2 電線
電線(短電線)
電線
3 ワイヤカバー
5 ハウジング(保持ハウジング)
6 レバー
11 コンタクト
20 電線束
30 カバー部
31 カバー本体
31A 開口
31S 内部空間
32 蓋
35 結束部
35A 内周部
36 干渉突起
37 バンド
51 後端面
52 電線挿通孔(引出し位置)
53 側壁
61 ピニオンギア
62 軸孔
65 スライダ
301 軸
302 係止突起
311,312 係合部
313,314 側壁
313A,313B 被係合部
320 基部
321A 下端部
321B 突条
321C 上端縁
321D 外側の面
323,324 上部係合梁
325 下部係合梁
351 溝
361 先端部
501 被係合部
C 円
D1 挿抜方向
D2 長さ方向
D2a 一端側
D3 幅方向
D4 配索方向

Claims (7)

  1. コネクタに備わる複数の電線を覆うカバー部と、
    前記複数の電線を結束して電線束をなす結束部と、を備え、
    前記カバー部には、前記複数の電線のうちの一部の前記電線にのみ干渉する干渉突起が備わ
    前記コネクタのハウジングにおける前記電線の引出し位置から前記結束部の内側までの距離が、他の前記電線に関する前記距離よりも短い前記電線のことを短電線と言うとき、前記干渉突起は、前記短電線に干渉して撓ませる、
    ことを特徴とするワイヤカバー。
  2. 前記電線と接触する前記結束部の内周部の形状を含むように仮想の円を設定すると、
    前記円を投影した範囲内に、前記干渉突起の一部が含まれる、
    請求項1に記載のワイヤカバー。
  3. 前記カバー部は、
    前記結束部を有し、前記複数の電線を覆うカバー本体と、
    前記カバー本体の側方に位置する開口を塞ぐ蓋と、を備える、
    請求項1または2に記載のワイヤカバー。
  4. 前記干渉突起は、前記蓋に備わる、
    請求項に記載のワイヤカバー。
  5. 前記干渉突起は、前記結束部の近傍に位置する、
    請求項1からのいずれか一項に記載のワイヤカバー。
  6. 前記干渉突起の先端部は、干渉する前記電線に向けて次第に突出するように曲面状に形成されている、
    請求項1からのいずれか一項に記載のワイヤカバー。
  7. 複数のコンタクトと、
    前記複数のコンタクトを保持する保持ハウジングと、
    前記複数のコンタクトに個別に対応する複数の電線と、
    前記複数の電線を覆う請求項1からのいずれか一項に記載のワイヤカバーと、を備える、
    ことを特徴とするコネクタ。
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