JP4254058B2 - 容器およびブロー成形体 - Google Patents
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Description
本発明は、容器およびブロー成形体に関し、さらに詳しくは、たとえば、半導体製造用薬液の保存・貯蔵容器などの低溶出性等が要求される用途として好適な容器およびブロー成形体に関する。
背景技術
半導体製造用薬液などの高純度薬品は、不純物などの混入を嫌い、その貯蔵・搬送にあたっては、一定レベルの純度が要求される。こうした高純度薬品を貯蔵・搬送するための容器としては、従来から、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの材料が用いられている。
しかしながら、ポリエチレン、ポリプロピレン等からは低分子の有機成分とともに、該樹脂に微量に含まれている金属元素が溶出することがあり、容器内に貯蔵・保存されている薬液中に不純物が混入するおそれがあり、十分に満足できるものではなかった。
一方、ノルボルネン系重合体などの環状オレフィン系熱可塑性樹脂は、低溶出性、耐薬品性などの特性に優れるため、医療用や食品用の容器に使用することが提案されている。
特開平4−276253号公報には、ノルボルネン系開環重合体とポリカーボネートを用いて200mlの2層ブロー容器を成形した例が、また特開平10−157719号公報には熱可塑性ノルボルネン系樹脂を用いて200ml程度の容器をインジェクションブロー成形した例がそれぞれ開示されている。
しかしながら、半導体処理液用の容器等は、数十リットル単位の容量のものが主として用いられ、搬送のためにはできる限り軽量であることが必要とされるため、大容量、且つ肉薄であって機械的強度も十分な容器を成形するのに適した材料が求められている。
発明の開示
本発明は、こうした実状に鑑みてなされ、低溶出性に優れ、大型の容器を成形するに際して容器本体の肉厚を薄くしても十分な強度が得られる容器及びブロー成形体を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、環状オレフィン系熱可塑性樹脂を含む層(I)と、環状オレフィン系熱可塑性樹脂以外の樹脂を含む層(II)とを少なくとも有する積層体からなり、該環状オレフィン系熱可塑性樹脂が、脂環式構造を有する繰り返し単位(A)が30重量%以上で、且つ、該脂環式構造を有する繰り返し単位(A)中の10重量%以上がノルボルナン構造以外の脂環式構造を有するもの(A−i)であることを特徴とする容器が提供される。
発明を実施するための最良の形態
容器およびブロー成形体
本発明に係る容器は、環状オレフィン系熱可塑性樹脂を含む層(I)と、環状オレフィン系熱可塑性樹脂以外の樹脂を含む層(II)とを少なくとも有する積層体から形成されており、該環状オレフィン系熱可塑性樹脂が、脂環式構造を有する繰り返し単位(A)が30重量%以上で、且つ、該脂環式構造を有する繰り返し単位(A)中の10重量%以上がノルボルナン構造以外の脂環式構造を有するもの(A−i)である。
環状オレフィン系熱可塑性樹脂を含む層(I)
(1)環状オレフィン系熱可塑性樹脂
本発明に用いられる環状オレフィン系熱可塑性樹脂は、主鎖及び/または側鎖に脂環式構造を有するものであり、機械的強度、耐熱性などの観点から、主鎖に脂環式構造を含有するものが好ましい。
重合体の脂環式構造としては、シクロアルカン構造(ノルボルナン環構造、シクロヘキサン構造、シクロペンタン構造など)、シクロアルケン構造(ノルボルネン環構造、シクロヘキセン構造、シクロペンテン構造など)などが挙げられるが、機械的強度、熱安定性などの観点から、シクロアルカン構造が好ましい。
脂環式構造を構成する炭素原子数は、格別な制限はないが、通常4〜30個、好ましくは5〜20個、より好ましくは5〜15個の範囲であるときに、機械的強度、耐熱性、及び成形性の特性が高度にバランスされ好適である。
本発明に用いられる環状オレフィン系熱可塑性樹脂中の脂環式構造を有する繰り返し単位の割合は、使用目的に応じて適宜選択されればよいが、通常、30重量%〜100重量%、好ましくは50重量%〜100重量%、より好ましくは70重量%〜100重量%である。脂環式構造含有重合体樹脂を構成する脂環式構造を有する繰り返し単位の割合が過度に少ないと耐熱性に劣り、上記範囲とすることで、機械的強度、耐熱性などが高度にバランスされる。
また、脂環式構造を有する繰り返し単位の中でノルボルナン環以外の脂環式構造を有する繰り返し単位の割合は、好ましくは10重量%以上、より好ましくは30重量%以上、さらに好ましくは50重量%以上である。こうした範囲とすることで、成形時の樹脂の機械的強度および耐薬品性が一層向上し、また熱劣化、酸化劣化による成形品の着色をも効果的に防止できる。
環状オレフィン系熱可塑性樹脂中の脂環式構造を有する繰り返し単位以外の残部は、格別な限定はなく、使用目的に応じて適宜選択される。
かかる脂環式構造含有重合体樹脂の具体例としては、例えば、ノルボルネン系重合体、単環の環状オレフィン系重合体、環状共役系ジエン系重合体、ビニル脂環式炭化水素重合体、及びこれらの水素添加物などが挙げられる。これらの中でも、ノルボルネン系重合体及びその水素添加物、環状共役ジエン系重合体及びその水素添加物などが好ましく、ノルボルネン系重合体及びその水素添加物がより好ましい。
▲1▼ ノルボルネン系重合体及びその水素添加物
ノルボルネン系重合体は、重合体繰り返し構造単位中に、ノルボルネン系単量体から誘導される繰り返し構造単位を含むものであり、重合体繰り返し構造単位中に、単量体を構成する環の数が3つ以上のもの、すなわち3環体以上のノルボルネン系単量体から誘導される繰り返し構造単位を含有していることが望ましい。3環体以上のノルボルネン系単量体から誘導される繰り返し構造単位の含有割合は、特に限定されないが、全重合体繰り返し構造単位に対して、好ましくは30重量%〜100重量%、より好ましくは50重量%〜100重量%、さらに好ましくは70重量%〜100重量%の範囲である。こうした特定の繰り返し構造単位を、特定量以上含有することで、樹脂の耐熱性が向上し、熱劣化の防止効果も向上する。
ノルボルネン系単量体の具体例としては、
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン(慣用名ノルボルネン)、5−メチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,5−ジメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−エチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ブチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−エチリデン−ビシクロ[2.2.1]−ヘプト−2−エン、5−ヘキシル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−オクチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−オクタデシル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−エチリデン−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メチリデン−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ビニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−プロペニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メトキシ−カルボニル−ビシクロ[2,2.1]ヘプト−2−エン、5−シアノ−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メチル−5−メトキシカルボニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン; 5−メトキシカルボニルビシクロ[2,2.1]ヘプト−2−エン、5−エトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メチル−5−メトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メチル−5−エトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エニル−2−メチルプロピオネイト、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エニル−2−メチルオクタネイト、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5,6−ジカルボン酸無水物、5−ヒドロキシメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジ(ヒドロキシメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ヒドロキシ−1−プロピルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジカルボキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン; 5−シアノビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−エン−5,6−ジカルボン酸イミドなど;
トリシクロ[4.3.12,5,01,6]デカ−3,7−ジエン(慣用名ジシクロヘンタジエン)、トリシクロ[4.3.12,5,01,6]デカ−3−エン; トリシクロ[4.4.12,5.01,6]ウンデカ−3,7−ジエン若しくはトリシクロ[4,4.12,5.01,6]ウンデカ−3,8−ジエンまたはこれらの部分水素添加物(またはシクロペンタジエンとシクロヘキセンの付加物)であるトリシクロ[4.4.12,5.01,6]ウンデカ−3−エン; トリシクロ[4.4.12,5.01,6]−3−ウンデセン、5−シクロペンチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−シクロヘキシル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−シクロヘキセニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−フェニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンなど;
テトラシクロ[4.4.12,5.17,10,0]−ドデカ−3−エン(単にテトラシクロドデセンともいう)、8−メチルテトラシクロ[4.4.12,5.17,10.0]−ドデカ−3−エン、8−エチルテトラシクロ[4.4.12,5.17,10.0]−ドデカ−3−エン、8−メチリデンテトラシクロ[4.4.12,5.17,10.0]−ドデカ−3−エン、8−エチリデンテトラシクロ[4.4.1−2,5.17,10.0]−ドデカ−3−エン、8−ビニルテトラシクロ[4.4.12,5.17,10.0]−ドデカ−3−エン、8−プロペニル−テトラシクロ[4.4.12,5.17,10.0]−ドデカ−3−エン、8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.12,5.17,10.0]−ドデカ−3−エン、8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.12,5.17,10.0]−ドデカ−3−エン、8−ヒドロキシメチルテトラシクロ[4.4.12,5.17,10.0]−ドデカ−3−エン、8−カルボキシテトラシクロ[4.4,12,5.17,10.0]−ドデカ−3−エンなどのテトラシクロドデセン(4環体)構造を有する単量体(テトラシクロドデセン系単量体)、5,6−ジフェニル−ビシクロ[2.2.1]ペプト−2−エン、1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロフルオレン、1,4−メタノ−1,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロアントラセン、5−(ナフチル)−ビシクロ[2.2.1]ペプト−2−エン、5−(ビフェニル)−ビシクロ[2.2.1]ペプト−2−エンなど;
8−シクロペンチル−テトラシクロ[4.4.12,5.17,10.0]−ドデカ−3−エン、8−シクロヘキシル−テトラシクロ[4.4.12,5.17,10.0]−ドデカ−3−エン、8−シクロヘキセニル−テトラシクロ[4.4.12,5.17,10.0]−ドデカ−3−エン、8−フェニル−シクロペンチル−テトラシクロ[4.4.12,5.17,10.0]−ドデカ−3−エン;テトラシクロ[7.4.110,13.01,9.02,7]トリデカ−2,4,6,11−テトラエン(1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロフルオレンともいう)、テトラシクロ[8.4.111,14.01,10.03,8]テトラデカ−3,5,7,12−テトラエン(1,4−メタノ−1,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロアントラセンともいう)、ペンタシクロ[6.5.11,8.13,6.02,7.09,13]ペンタデカ−3,10−ジエン、ペンタシクロ[7.4.13,6.110,13.01,9.02,7]ペンタデカ−4,11−ジエンなど;
シクロペンタジエンの4量体などがそれぞれ挙げられる。
これらのノルボルネン系単量体は、炭素数1〜20のアルキル基、フェニル基、カルボニル基、ヒドロキシル基、オキシ基、ハロゲンなとで置換されたものでもよい。
上記した各種ノルボルネン系単量体は、それぞれ単独であるいは2種以上を組合わせて用いられる。
ノルボルネン系単量体から誘導される繰り返し構造単位以外の繰り返し構造単位を誘導する単量体として、ビニル系化合物などが挙げられる。
共重合可能なビニル化合物としては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、3−エチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ペンテン、4−エチル−1−ヘキセン、3−エチル−1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセンなどの炭素数2〜200α−オレフィン;シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、3,4−ジメチルシクロペンテン、3−メチルシクロヘキセン、2−(2−メチルブチル)−1−シクロヘキセン、シクロオクテン、3a,5,6,7a−テトラヒドロ−4,7−メタノ−1H−インデンなどのシクロオレフィン;1,4−ヘキサジエン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエン、1,7−オクタジエンなどの非共役ジエン;などが挙げられる。これらのビニル系化合物は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
ノルボルネン系単量体またはノルボルネン系単量体と共重合可能なビニル系化合物との重合方法および水素添加方法は、格別な制限はなく公知の方法に従って行うことができる。
ノルボルネン系単量体の開環(共)重合体を得るために使用される開環重合触媒として、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、白金などの金属のハロゲン化物、硝酸塩またはアセチルアセトン化合物と、還元剤とからなる触媒系、あるいは、チタン、バナジウム、ジルコニウム、タングステン、モリブデンなどの金属のハロゲン化物またはアセチルアセトン化合物と、有機アルミニウム化合物とからなる触媒系を挙げられる。開環重合は、通常、溶媒中または無溶媒で、通常−50〜100℃の重合温度、0kg/cm2〜50kg/cm2の重合圧力で行われる。
水素添加ノルボルネン系重合体は、常法に従って、開環(共)重合体を水素添加触媒の存在下に水素により水素化する方法により得ることができる。水素添加率は、通常50%以上、好ましくは70%以上、より好ましくは90%以上である。
ノルボルネン系単量体とビニル系化合物との付加共重合体は、例えば、溶媒中または無溶媒で、チタン、ジルコニウム、またはバナジウム化合物と有機アルミニウム化合物とからなる触媒系の存在下で、通常、−50〜100℃の重合温度、0kg/cm2〜50kg/cm2の重合圧力で、単量体成分を共重合して得られる。
▲2▼ 単環の環状オレフィン系重合体
単環の環状オレフィン系重合体は、シクロロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテンなどの単環の環状オレフィン系単量体を付加重合して得られるものである。具体的には特開昭64−6216号公報に開示されているものが挙げられる。
▲3▼ 環状共役ジエン系重合体
環状共役ジエン系重合体は、シクロペンタジエン、シクロヘキサジエンなどの環状共役ジエン系単量体を1,2−または1,4−付加重合し、所望により水素化して得られるものである。具体的には特開平6−136057号公報や特開平7−258318号公報に開示されているものが挙げられる。
▲4▼ ビニル脂環式炭化水素系重合体
ビニル脂環式炭化水素系重合体は、ビニルシクロヘキセン、ビニルシクロヘキサンなどのビニル脂環式炭化水素系単量体や、スチレン、α−メチルスチレンなどのビニル芳香族系単量体を付加重合し、所望により水素化して得られるものである。具体的には特開昭51−59989号公報、特開昭63−43910号公報、特開昭64−1706号公報などに開示されているものが挙げられる。
本発明に用いられるノルボルナン環以外の脂環式構造を有する繰り返し構造を含有する環状オレフィン系熱可塑性樹脂は、上記ノルボルネン系単量体の中で、5,6−ジフェニル−ビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン、1、4−メタノ−,4,4a,9a,テトラヒドロフルオレン、1、4−メタノー,4,4a,5,10,10a,ヘキサヒドロアントラセン、5−(α−ナフチル)−ビシクロ[2,2,1]ヘプトエン、5−(β−ナフチル)−ビシクロ[2,2,1]ヘプトエン、5−(ビフェニル)−ビシクロ[2,2,1]ヘプトエン等の中から選ばれた単量体をそれぞれ単独で、あるいは2種類以上を組み合わせて、あるいはそれ以外のノルボルネン系単量体、単環の環状オレフィン系単量体、環状共役ジエン系、ビニル脂環式炭化水素系単量体、ビニル芳香族系単量体、ビニル系単量体などの前述の単量体と組み合わせて、開環又は付加重合し、所望により水素化して得ることができる。
上記環状オレフィン系熱可塑性樹脂の分子量は、使用目的に応じて適宜選択されるが、シクロヘキサン溶液(重合体樹脂が溶解しない場合はトルエン溶液)のゲル・パーミエーション・クロマトグラフ法で測定したポリスチレン換算の数平均分子量で、5,000以上、好ましくは5,000〜500,000、より好ましくは8,000〜200,000、特に好ましくは10,000〜100,000の範囲であるときに、成形性と機械的強度のバランスに優れている。
環状オレフィン系熱可塑性樹脂の、280℃、荷重2.16kgfにおけるJIS−K−6719により測定したメルトフローレートは、使用目的に応じて適宜選択すれば良いが、通常1〜100g/10min.、好ましくは2〜50g/10min.、より好ましくは3〜40g/10min.である。メルトフローレートが低すぎると成形時に成形用材料を加温する温度がより高温となるため加工しにくい場合が生じ、逆にメルトフローレートが高すぎると成形品の厚み変動などの成形不良が発生する場合が生じる傾向にある。
これらの環状オレフィン系熱可塑性樹脂は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
(2)その他の成分
環状オレフィン系熱可塑性樹脂を含む層(I)には、必要に応じて、その他の成分として各種の配合剤が含有されていてもよい。
配合剤としては、老化防止剤、安定剤、紫外線吸収剤、難燃剤、可塑剤、結晶核剤、塩酸吸収剤、顔料、染料、帯電防止剤、充填剤、滑剤、多価アルコールの部分エステルおよび部分エーテル、ブロッキング防止剤、軟質重合体、その他の熱可塑性樹脂、有機オリゴマー成分などが挙げられる。これらの配合剤は、溶出しにくいものが好ましく、例えば分子量が500以上、好ましくは1000以上のものが選択して用いられる。さらに、着色剤を配合することにより、環状オレフィン系熱可塑性樹脂を含む層(I)に遮光性を持たせるようにしても良い。
軟質重合体は、通常30°C以下のガラス転移温度を有する重合体であり、Tgが複数存在する重合体やTgと融点(Tm)の両方を有する重合体の場合には、最も低いTgが30℃以下であれば、該軟質重合体に含まれる。
このような軟質重合体としては、(a)エチレンや、プロピレンなどのα−オレフィンから主としてなるオレフィン系軟質重合体、(b)イソブチレンから主としてなるイソブチレン系軟質重合体、(c)ブタジエン、イソプレンなどの共役ジエンから主としてなるジエン系軟質重合体、(d)けい素−酸素結合を骨格とする軟質重合体(有機ポリシロキサン)、(e)α,β−不飽和酸とその誘導体から主としてなる軟質重合体、(f)不飽和アルコールおよびアミンまたはそのアシル誘導体またはアセタールから主としてなる軟質重合体、(g)エポキシ化合物の重合体、(h)フッ素ゴム、(i)その他の軟質重合体、などが挙げられる。
これらの軟質重合体の具体例としては、例えば、
(a)としては、液状ポリエチレン、アタクチックポリプロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテンおよび1−デセンなどの単独重合体; エチレン・α−オレフィン共重合体、プロピレン・α−オレフィン共重合体、エチレン・プロピレン・ジエン共重合体(EPDM)、エチレン・環状オレフィン共重合体およびエチレン・プロピレン・スチレン共重合体などの共重合体が挙げられる。
(b)としては、ポリイソブチレン、イソブチレン・イソプレンゴム、イソブチレン・スチレン共重合体などが挙げられる。
(c)としては、ポリブタジエン、ポリイソプレンなどの共役ジエンの単独重合体; ブタジエン・スチレンランダム共重合体、イソプレン・スチレンランダム共重合体、アクリロニトリル・ブタジエン共重合体、アクリロニトリル・ブタジエン共重合体の水素添加物、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体などの共役ジエンのランダム共重合体; ブタジエン・スチレン・ブロック共重合体、スチレン・ブタジエン・スチレン・ブロック共重合体、イソプレン・スチレン・ブロック共重合体、スチレン・イソブレン・スチレン・ブロック共重合体などの共役ジエンと芳香族ビニル系炭化水素のブロック共重合体、およびこれらの水素添加物などが挙げられる。
(d)としては、ジメチルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン、ジヒドロキシポリシロキサン、などのシリコーンゴムなどが挙げられる。
(e)としては、ポリブチルアクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリヒドロキシエチルメタクリレート、ポリアクリルアミド、ポリアクリロニトリルなどのアクリルモノマーの単独重合体; ブチルアクリレート・スチレン共重合体などのアクリルモノマーとその他のモノマーとの共重合体が挙げられる。
(f)としては、ポリビニルアルコール、エチレンビニルアルコール共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリステアリン酸ビニル、ポリ安息香酸ビニル、ポリマレイン酸ビニルなどの(エステル化)不飽和アルコールの単独重合体; 酢酸ビニル・スチレン共重合体などの(エステル化)不飽和アルコールとその他のモノマーとの共重合体などが挙げられる。
(g)としては、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、エピクロロヒドリンゴム、などが挙げられる。
(h)としては、フッ化ビニリデン系ゴム、四フッ化エチレン−プロピレンゴムなどが挙げられる。
(i)としては、天然ゴム、ポリペプチド、蛋白質、および特開平8−73709号公報記載のポリエステル系熱可塑性エラストマー、塩化ビニル系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマーなどが挙げられる。
これらの軟質重合体は、架橋構造を有したものであってもよく、また、変性により官能基を導入したものであってもよい。
本発明においては、上記軟質重合体の中でも(a)、(b)、(c)の軟質重合体が、特にゴム弾性に優れ、機械的強度、柔軟性、分散性に優れるため好ましい。なかでも、(c)のジエン系軟質重合体が好ましく、さらに共役ジエン結合単位の炭素−炭素不飽和結合が水素添加されたジエン系軟質重合体の水素添加物が、より好ましい。このような軟質重合体の具体例としては、例えば、ポリブタジエンなどの単独重合体の水素添加物、ブタジエン・スチレン共重合体などのランダム共重合体の水素添加物; ブタジエン・スチレン・ブロック共重合体、スチレン・ブタジエン・スチレン・ブロック共重合、イソプレン・スチレン・ブロック共重合体、スチレン・イソプレン・スチレン・ブロック共重合体などのブロック共重合体の水素添加物; などが挙げられる。
その他の熱可塑性樹脂としては、ポリ塩化ビニル、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレートスチレン共重合体、ポリアクリロニトリル、ポリアクリロニトリルスチレン共重合体、ハイインパクトポリスチレン(HIPS)、アクリロニトルブタジエンスチレン共重合体(ABS樹脂)、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリフェニレンエーテル等の非晶性樹脂;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン等の鎖状ポリオレフィン系重合体;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、芳香族ポリエステル等のポリエステル系重合体;ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12、ポリアミドイミド等のポリアミド系重合体;ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニリデンなどのビニル系重合体;ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレンなどのフッ素系重合体;ポリアクリロニトリル、シンジオタクチックポリスチレン、ポリオキシメチレン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、液晶ポリマーなどの結晶性(熱測定で結晶融点が観察されるもの)樹脂が挙げられる。機械的強度や耐溶剤性の観点から結晶性樹脂が好適である。
これらの結晶性樹脂の中でも、ポリエチレン(高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、超高分子量ポリエチレン)、ポリプロピレンなどの鎖状ポリオレフィンが比重、機械的強度等の面で好適である。
これらの軟質重合体及び熱可塑性樹脂は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
軟質重合体及びその他の熱可塑性樹脂の配合量は、環状オレフィン系熱可塑性樹脂との合計量に対して通常0.001〜50重量%、好ましくは0.1〜40重量%、さらに好ましくは1〜30重量%である。配合量が上記範囲にあるときに、容器またはブロー成形体の機械的強度がより向上して好ましい。
これら配合剤を添加する方法は、配合剤が樹脂中で光線透過率を低下させない程度に十分に分散する方法であれば、特に限定されない。例えば、ミキサーや一軸混練機、二軸混練機などで樹脂を溶融した状態で配合剤を添加して混練する方法や、適当な溶剤に溶解して配合剤を分散させた後、凝固法、キャスト法、または直接乾燥法により溶剤を除去する方法などがある。
混練する場合には、一般に、環状オレフィン系熱可塑性樹脂のガラス転移温度をTg℃とすると、(Tg+20)℃〜(Tg+150)℃の樹脂温度で、十分にシェアをかける。樹脂温度が低すぎると粘度が高くなり混練が困難であり、高すぎると樹脂や配合剤が劣化し、粘度や融点の差により両者がうまく混練できない。二軸混練機を用いる場合、混練後は、通常は溶融状態で棒状に押出し、ストランドカッターで適当な長さに切り、ペレット化して用いられることが多い。
環状オレフィン系熱可塑性樹脂以外の熱可塑性樹脂を含む層(II)
(1)環状オレフィン系熱可塑性樹脂以外の熱可塑性樹脂
環状オレフィン系熱可塑性樹脂以外の熱可塑性樹脂としては、前述の環状オレフィン系熱可塑性樹脂に配合できる非結性樹脂や結晶性樹脂と同一のものが挙げられるが、結晶性樹脂を用いると、容器の機械的強度や耐溶剤性がより向上する。中でも、ポリエチレン(たとえば低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン)、ポリプロピレンなどの鎖状ポリオレフィンを用いると、軽く、高強度の容器を低コストで得ることができる。
これらの樹脂は、単独でまたは2種以上組み合わせて用いることができ、例えば、その他の樹脂を2種類以上含む組成物から、その他の樹脂を含む層(II)を形成してもよく、またそれぞれの樹脂層を複数層形成することもできる。
(2)その他の成分
上記環状オレフィン系熱可塑性樹脂以外の樹脂には、必要に応じて、その他の成分として各種の配合剤を添加することができる。
配合剤としては、上記環状オレフィン系熱可塑性樹脂に配合可能な配合剤と同様の成分の中で、当該環状オレフィン系樹脂以外の樹脂と異種の成分を配合することができる。
これら配合剤を添加する方法は、前述の、環状オレフィン系熱可塑性樹脂にその他の配合剤を混合する方法と同様である。
積層体の構造
本発明に係る容器を形成する積層体は、環状オレフィン系熱可塑性樹脂を含む層(I)と、環状オレフィン系熱可塑性樹脂以外の樹脂を含む層(II)とを少なくとも1層ずつ有する2層以上で構成されている。各層の積層順は特に限定されないが容器の最内層を層(I)で形成すると、低溶出性に優れたものになる。積層体が3層以上の樹脂層で構成されている場合には、同種の樹脂層が接触せずに存在しても、よいし、全て異なる樹脂層であってもよい。具体的には、例えば層(II)の両面に接する層が同一または異なる環状オレフィン系熱可塑性樹脂の層(I)で形成されていてもよいし、また、層(I)の片面、たとえば、容器の外層側に、異なる樹脂で形成された層(II)を有してもよい。
各層の厚みに関しては、層(I)が、0.001mm〜99.5mm、好ましくは0.01mm〜50mm、より好ましくは0.1mm〜10mmの厚みを持ち、層(II)が、0.5mm〜99.9mm、好ましくは0.5mm〜70mm、より好ましくは1mm〜20mmの厚みを持つことが望ましい。層(I)の厚みを上記範囲とすることで、成形時のクラックの発生を防止することができる。大型の容器を製造する観点からは、脂環式構造含有重合体樹脂層は薄いほど好ましいが、あまりに薄いと低溶出性が低下する。また層(II)の厚みを上記範囲とすることで、成形体の十分な強度を保持することができる。
前記積層体は、最内層として層(I)を有し、最外層として層(II)を有することが好ましい。積層体をこの構成にすることで、成形体の低溶出性と強度を高度にバランスできる。
層(II)の厚みを、層(I)の厚みより厚くしてあることが好ましい。このようにすることにより、成形体の強度低下を効果的に防止することができる。
なお、構成する層(I)と層(II)との間には接着剤層を設けても良い。この接着剤としては、公知の接着剤を広く用いることができ、たとえば、無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂(たとえば、三井化学社製のアドマー、三菱化学社製のモディックなど)、不飽和ポリオレフィンなどの低(非)結晶性軟質重合体、エチレン/アクリル酸エステル/無水マレイン酸3元共重合体(たとえば、住化シーディエフ化学製のボンダインなど)またはこれらを含む接着性樹脂組成物などを用いることができる。
積層体の厚さは、特に限定されないが、好ましくは0.001mm〜100mm、より好ましくは0.01mm〜50mm、さらに好ましくは0.05mm〜10mmである。積層体の厚さが上記範囲にあるときに、容器の軽量性、低溶出性、機械的強度が高度にバランスして好適である。
容器
本発明に係る容器は、上記積層構造を有するものであれば、その成形方法は特に限定はされないが、例えば以下の方法により成形される。
第1の方法としては、前述の環状オレフィン系熱可塑性樹脂を含む層(I)、及びその他の樹脂を含む層(II)とを、例えば、押出成形や射出成形等により各々別々にシート状、パイプ又はチューブ状に成形した後に積層させ、その後に積層体を所定の形状にブロー成形する方法が挙げられる。この場合において、積層体は成形後に延伸されていてもよい。
第2の方法としては、環状オレフィン系熱可塑性樹脂と、その他の樹脂を各々同時に溶融させて、多層ブロー成形、射出成形などにより直接、容器を形成する方法が挙げれる。
上記これらの方法の中でも、多層ブロー成形により成形してあることが好ましい。多層ブロー成形を用いることで、より大型で肉薄の容器の製造が容易になる。
ブロー成形においては、ブロー倍率を通常1.3倍〜50倍、好ましくは2倍〜30倍、より好ましくは3倍〜10倍の範囲にする。ブロー倍率とは、パリソン壁の厚さを、ブロー後の容器壁の厚さで割った値のことである。例えば、パリソン壁の厚さが5mmでブロー後の容器壁の厚さの平均が1mmであった場合においては、ブロー倍率5倍となる2ブローは容器の垂直方向および/または水平方向に延伸が行われる。延伸方向は特に限定しないが垂直方向、水平方向にほぼ同倍率に延伸されることが好ましい。この場合の各方向の延伸倍率は、パリソンとブロー容器の長さ比で求められる。こうしたブロー倍率を1.3倍〜50倍の範囲にして、環状オレフィン系熱可塑性樹脂を含む層(I)とその他の樹脂を含む層(II)とを少なくとも有する積層体を用いてブロー成形で容器を成形すると、得られた容器は、容器の厚みや延伸倍率が適切な範囲にあるため、容器全体の軽量化と機械的強度をバランスできる。
上記容器は、底面が実質的に平面状であることが好ましいが、容器の内側に向けて凸となる多少の曲面を設けても良い。
本発明に係る容器は、積層体単体で容器を構成してもよく、また、大型容器に適用する場合には、外側に金属などの補強層を配置しても良い。また容器の容量は、特に限定されないが、たとえば、単体容器としては50ml〜300リットルの範囲が好ましく、30リットルを超える場合には、外側に補強層を配置するのが好ましい。
本発明の容器は、容器の側面厚みに対する容量の比率(容器の容量(ml)/容器の側面の厚み(mm))が、通常100〜20,000、好ましくは120〜10,000、より好ましくは150〜5,000である1容器の側面厚みに対する容量の比率が上記範囲にあると、容器の軽量性、機械的強度が高度にバランスされる。
本発明における「容器」は、たとえば、化学薬品、農薬、ガソリン、オイル等の工業薬品用容器、医薬品用容器、食品用容器、洗剤や化粧品などのトイレタリー用品用容器等に使用することができるが、低溶出性を特に要求する工業薬品容器として好適であり、その中でも半導体製造用薬液等の純度の要求される化学薬品の貯蔵搬送用容器として好適である。
容器の形状は特に限定されないが、例えば、バイアル形状、ドラム形状、タンク形状、コンテナ形状、薬液槽形状などが挙げられる。
本発明における、脂環式構造を有する繰り返し単位(A)が30重量%以上で、且つ、該脂環式構造を有する繰り返し単位(A)中の30重量%以上がノルボルナン構造以外の脂環式構造を有する繰り返し単位からなる環状オレフィン系熱可塑性樹(A−i)を含む層(I)と、その他の樹脂を含む層(II)とを少なくとも有する積層体は容器として優れた特性を示すことに加えて、容器以外のブロー成形体の用途においても利用できる。
「ブロー成形体」とは、たとえば、射出ブロー、ダイレクトブロー、シートブローなどの各種ブロー成形により成形される成形体を意味し、容器以外に、例えば、パイプ、ホース、チューブ等が挙げられ、特に半導体製造用薬液の供給、排出用のパイプに好適である
発明の実施の形態
以下、本発明を、図面に示す実施形態に基づき説明する。
第1実施形態
図1に示すように、本実施形態に係る容器2は、それ自体で単体容器を構成してあり、筒状の本体部4を有し、この本体部4の上端開口部はネック部6が一体に成形してあり、そのネック部6の上端部に口部8が一体に成形してある。一方、本体部4の下端部は底板部10が一体に形成してある。また底板部10は平面状になっており、底板部10と本体部4はほぼ直交し、これらの底板部10と本体部4は曲率Rを有する交差部12で一体化してある。
この交差部12における曲率Rは、図1(B)に示すように、本体部4の外面と底板部10の外面が連続している曲面部分の曲半半径を意味する。厚みt(mm)は、交差部12の断面厚みであり、断面とは鉛直面の外周または外周の接線を垂直に通る面のことである。Rは、大きくなればなる程、割れが生じ難く強度が向上する傾向にあるので、その上限に格別な限定はないが、形状選択の幅を考えて50cm以下、好ましくは20cm以下、より好ましくは15cm以下である。
本体部4、底板部10及び交差部12のそれぞれの厚みは、通常0.5mm以上、好ましくは0.7〜100mm、より好ましくは1.0〜50mmの範囲であることが望ましい。図1(C)に示す底板部10の厚みt1(mm)は、図1(D)に示す本体部4の厚みt2(mm)に比べてほぼ等しいか、もしくは、より厚いことが好ましい。しかし、両者の厚みの差が大きくなるほど、落下時の応力集中が大きくなるので、好ましくは0.9≦t1/t2≦3、より好ましくは1.0≦t1/t2≦2.5、最も好ましくは1.2≦t1/t2≦2の範囲である。この場合の底板部10の厚みとは、底板部10で最も薄い部分の厚みを示す。特に高い酸素ガスバリア性、炭酸ガスバリア性が要求される場合、厚みを厚くすることでガスバリア性が高まり、内容物の酸化劣化や液性の変化が少なくなるが、容器に使用する樹脂量が多くなり、コストが高くなったり、重くなったりする。容器の厚みが薄すぎると、ガスバリア性や強度が低下するなどの不具合が生ずる。厚みは、底板部と本体部とでは均一であることが、衝突強度の面では好ましいが、特に限定しない。
交差部12の厚みt(mm)は、通常、0.5≦t≦100、好ましくは1≦t≦50である。
容器の容量は、本実施形態では、50ml〜300リットル、好ましくは100ml〜300リットル、より好ましくは500ml〜300リットルである。
なお、上記説明では底板部10は平面状として説明しているが、ブロー成形の際に生じる収縮や容器の応用面から底板部10は緩い曲面の上げ底とするようにしても良い。
本実施形態では、容器2は、図1(B)に示すように、環状オレフィン系熱可塑性樹脂を含む層2aとその他の樹脂を含む層2bとを含む積層体から形成されている。ここで、その他の樹脂を含む層2bは結晶性樹脂であるポリオレフィンから構成してある。
環状オレフィン系熱可塑性樹脂を含む層2aの厚みは、0.001mm〜100mmの範囲であり、2bの厚みは、0.5mm〜100mmの範囲であり、その他の樹脂を含む層の厚みを、環状オレフィン系熱可塑性樹脂を含む層の厚みより厚くしてある。また前記積層体は、最内層に環状オレフィン系熱可塑性樹脂を含む層2aを有し、最外層にその他の樹脂を含む層2bを有している。
図1に示す容器2は、たとえば、図2に示すブロー成形装置14により、環状オレフィン系熱可塑性樹脂を含む層2aとその他の樹脂を含む層2bとを有する積層体を用いてブロー成形により成形することができる。
図2に示すブロー成形装置14は、多層押出ブロー法の金型であり、割型を構成する第1金型16と第2金型18とが開いて、パリソン20が金型内に挿入され、ブロー成形する直前の状態を示している。ここで、パリソン20は、環状オレフィン系熱可塑性樹脂を含む層2aとその他の樹脂を含む層2bとを有する積層体となっており、このパリソン20は、環状オレフィン系熱可塑性樹脂を含む層2aとその他の樹脂を含む層2bとが共押出されて成形されている。容器の口部は既にネック金型24で成形されている。そして、パリソン20を挟むように第1金型16と第2金型18とを閉じ、コア22から空気を吹き込んで空気圧でパリソン20を膨らませ、第1金型16と第2金型18の賦形面16a、18aへ押圧して成形する。成形品が冷却後、コア22を抜き、第1金型16と第2金型18を開いて成形品を取り出す。
ブロー成形の条件は特に制限されないが、使用される環状オレフィン系熱可塑性樹脂またはその他の樹脂それぞれの樹脂によって温度を変える。
図2では、多層押出ブロー法によるブロー成形を示しているが、その他の射出ブロー成形やシートブロー成形で成形してもよく、本発明のブロー成形容器は、パリソンを空気で膨らませて成形するブロー成形法全ての方法で成形され得る。
本発明においては、ブロー成形のブロー倍率を好ましくは1.3倍〜50倍、より好ましくは2.0倍〜30倍、さらに好ましくは3.0倍〜10倍の範囲とする。このようなブロー倍率とすることにより、環状オレフィン系熱可塑性樹脂を含む層2aとその他の樹脂を含む層2bとを有する積層体を用いるブロー成形による容器をてブロー成形で容器を成形すると、得られた容器は、容器の厚みや延伸倍率を最適化でき、容器全体の軽量化と強度をバランスできるとともに、低溶出性に優れた容器とすることが可能となる。
本発明に係る容器は、環状オレフィン系熱可塑性樹脂を含む層2aとその他の樹脂を含む層2bとを含む積層体から形成してあるので、低溶出性に優れるとともに、少なくとも50ml以上の大型容器の作製に際して容器本体の肉厚を薄くしても十分な強度(剛性)が得られる。また環状オレフィン系熱可塑性樹脂を含む層の厚みを前記範囲にすることによって、成形時のクランクの発生を防止することができる。環状オレフィン系熱可塑性樹脂を含む層を容器の最内層として配置することによって不純物の溶出を防止することができる。またその他の樹脂を含む層の厚みを前述のごとき範囲とすることで、成形体の十分な強度を保持することができる。
その他の樹脂を含む層、特に結晶性樹脂である鎖状ポリオレフィンを含む層の厚みを、環状オレフィン系熱可塑性樹脂を含む層の厚みより厚くすることによって、成形体の強度低下を効果的に防止することができる。
前記積層体は、最内層として環状オレフィン系熱可塑性樹脂を含む層を有し、最外層としてその他の樹脂を含む層を有するように構成することによって、成形体の低溶出性と強度を高度にバランスできる。
第2実施形態
図3に示すように、本実施形態に係る容器32は、内側容器33と、その外側に位置し、容器の補強を行うとともに、光の透過を防ぐための補強層35とから構成されている。内側容器33は、上記した第1実施形態と同様に、筒状の本体部34を有し、この本体部34の上端開口部にはネック部36が一体に成形してあり、そのネック部36の上端部に口部38が一体に成形してある。一方、本体部34の下端部は底板部40が一体に形成してある。補強層35としては、特に限定されないが、たとえば、鉄鋼、アルミニウム、ステンレスなどの金属などを含む金属層、着色剤を混入した合成樹脂層などが挙げられる。その他の構成においては、第1実施形態と同様である。
本実施形態に係る容器32は、補強層35を容器形状に成形した後、その内部に、内側容器33をブロー成形することなどにより製造される。なお、本実施形態での容器の容量は、300リットルと大容量のものとなっている。
本実施形態に係る容器32を構成する内側容器33は、第1実施形態と同様に、環状オレフィン系熱可塑性樹脂を含む層とその他の樹脂を含む層とを有する積層体を用いて形成してあるので、低溶出性に優れるとともに、本実施形態における300リットルと大容量の超大型容器の作製に際して容器本体の肉厚を薄くしても十分な強度(剛性)が得られる。
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、本発明の範囲内で種々の設計変更や改変が可能である。
実施例
以下、本発明を、さらに詳細な実施例に基づき説明するが、本発明は、これら実施例に限定されない。また、以下の例において、特に断りのない限り、部及び%は重量基準である。なお、各種の物性の測定は、下記の方法に従って行った。
(1)分子量は、トルエンを溶媒にしてGPCで測定し、標準ポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)を求めた。
(2)分子量分布は、トルエンを溶媒にしてGPCで測定し、標準ポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)を求め、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)を算出した。
(3)主鎖水素添加率および芳香環の水素添加率(核水素添加率)は、1H−NMRにより測定した。
(4)ガラス転移温度は、JIS−K7121に基づく、示差走査熱量計(DSC)により測定した値とする。
(5)比重は、JIS−K7112−A法に基づいて測定した。
(6)メルトフローレートは、JIS−K6719に基づいて、280°C,2.16kgfの荷重で測定した。
(7)溶出性試験は、容器に、800gの超純水を充填し、所定の蓋で密栓した後、23℃、50%RHの雰囲気下で350時間放置後、上記内容物を回収して、低分子有機成分をTOC分析計で、および金属元素の溶出物を、ICP(誘導結合高周波プラズマ発光分析機器)で、それぞれ検出して測定した。
(8)機械強度は、容器に、該容器の容量の30%相当の水(容器容量が1600mlならば480gの水)を充填し、所定の蓋で密栓した後、容器を垂直方向から45°傾けて、120cm高さからコンクリート床面に落下させる落下試験にて評価した。10本落下させて、割れるものがあるか否かを観察し、割れた場合には、その個数を測定する。
(環状オレフィン系熱可塑性樹脂の製造例1)
窒素雰囲気下、テトラシクロ[4.4.12,5.17,10.0]−ドデカ−3−エン(以下、TCDと略す)50重量部と、トリシクロ[4.3.12,5.01,6]デカ−3,7−ジエン(ジシクロペンタジエン。以下、DCPDと略す)50重量部とを公知のメタセシス開環重合触媒系で重合し、次いで公知の方法で水素添加しTCD/DCPD開環共重合体水素添加物を得た。得られた開環共重合体水素添加物は数平均分子量(Mn)は28,000、水素化率は99.8%以上、Tgは135℃、メルトフローレートは3g/10minであった。このペレット100重量部に対して0.05重量部のペンタエリスリチル−テトラキス(3−(3,5−ジ−ターシャリーブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)を混合し、二軸混練機で混練し、ペレット状の成形材料を得た。このペレットを、熱プレス(樹脂温度200°C、300kgf/cm2、3分)で20mm×15mm、厚さ3.0mmの板を成形した。この板は透明で、400〜700nmでの光線透過率は最小で90.0%であった。
(環状オレフィン系熱可塑性樹脂の製造例2)
TCD50重量部およびDCPD50重量部の代わりに、DCPD100重量部に代え、DCPD開環単独重合体水素添加物を得た。この開環重合体水素添加物は、Mnが27,000、水素化率が99.8%以上、Tgが98℃、メルトフローレートは4g/10minであった。
実施例1〜2
製造例1〜2で得られた樹脂と、高密度ポリエチレン(旭化成工業、B680。以下、HDPEと略す)を用い、2本の押し出し多層ブロー成形機によって、最終的な容器の環状オレフィン系熱可塑性樹脂を含む層の厚みが、0.7mmに、HDPEを含む層の厚みが1mmになるようにそれぞれの層を押し出して積層体を成形した後、直径10cm、高さ20cmの中空多層容器であって、外表面の側面から底部にかけての連続した曲面部分の断面厚みt=1.7mm、曲率半径R=2.5mmであるものを、多層ブロー成形により、ブロー倍率2.25倍で作製した。(容器の容量(ml)/容器の側面の厚み(mm))は約920であった。
(1)機械強度の測定:落下試験
このようにして成形した容器10本を用いて、落下試験を行ったところ、10本のすべてに割れの発生は見られなかった。
(2)溶出性
また、得られた容器に超純水を所定雰囲気下で充填した後、一定時間経過後の低分子有機成分および金属元素の含有量を測定したが、いずれも0.02ppm以下であった。
比較例1
実施例1で用いたHDPEのペレットのみを用い、実施例1と同様にして、直径10cm、高さ20cmの中空単層容器であって、外表面の側面から底部にかけての連続した曲面部分の断面厚みt=1.7mm、曲率半径R=2.5mmであるものを、多層ブロー成形により、ブロー倍率2.25倍で作製した。
(1)機械強度の測定:落下試験
このようにして成形した容器10本を用いて、落下試験を行ったところ、1本の、特に図1における本体部4と底板部10とが交差する交差部12付近に無数のひび割れが確認された。
(2)溶出性
また、得られた容器に超純水を所定雰囲気下で充填した後、一定時間経過後の低分子有機成分および金属元素の含有量を測定したが、低分子有機成分が4mg/リットル、金属元素が0.5ppm検出された。
比較例2
実施例1で用いた環状オレフィン系熱可塑性樹脂のみを用いて、実施例1と同様にして、直径10cm、高さ20cmの中空単層容器であって、外表面の側面から底部にかけての連続した曲面部分の断面厚みt=1.7mm、曲率半径R=2.5mmであるものを、多層ブロー成形により、ブロー倍率2.25倍で作製した。
(1)機械強度の測定:落下試験
このようにして成形した容器10本を用いて、落下試験を行ったところ、10本中3本の、特に図1における本体部4と底板部10とが交差する交差部12付近に無数のひび割れが確認された。
(2)溶出性
また、得られた容器に超純水を所定雰囲気下で充填した後、一定時間経過後の低分子有機成分および金属元素の含有量を測定したが、いずれも0.02ppm以下であった。
以上のことから、比較例1の中空単層容器は低溶出性および機械的強度に劣り、比較例2の中空単層容器は機械的強度に劣っていたが、実施例1〜3の本発明の中空多層容器は、いずれも低溶出性および機械強度に優れていた。
実施例3
環状オレフィン系熱可塑性樹脂を含む層の厚みを、0.3mmに、HDPEを含む層の厚みが0.7mmになるようにそれぞれの層を押し出して積層体を成形した後、直径24cm、高さ40cmの中空多層容器((容器の容量(ml)/容器の側面の厚み(mm))にて約18000)をブロー成形し、得られた容器10本を用いて、落下試験を行ったところ、10本のすべてに割れの発生は見られなかった。
比較例3
実施例1で用いた環状オレフィン系熱可塑性樹脂のみを用いて、実施例3と同様の容量及び側面厚みを有する中空単層容器をブロー成形し、得られた容器の落下試験を行ったところ、10本中6本の、特に図1における本体部4と底板部10とが交差する交差部12付近に無数のひび割れが確認された。
産業上の利用可能性
本発明に係る容器は、環状オレフィン系熱可塑性樹脂を含む層と環状オレフィン系熱可塑性樹脂を含む層とを少なくとも有する積層体から形成してあるので、低溶出性に優れるとともに、少なくとも50ml以上の大型容器の作製に際して容器本体の肉厚を薄くしても十分な強度が得られる。したがって、特に、不純物の混入を嫌う半導体製造用薬液の貯蔵・搬送用容器などに好適な容器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
図1は本発明に係る容器の一実施形態を示すもので、(A)は容器の縦断面図、(B)は(A)の交差部の拡大図、(C)は(A)の底板部の拡大図、(D)は(A)の本体部の拡大図である。
図2は多層ブロー成形の金型を示す断面図である。
図3は本発明に係る容器の他の実施形態を示す縦断面図である。
Claims (12)
- 環状オレフィン系熱可塑性樹脂を含む層(I)と、環状オレフィン系熱可塑性樹脂以外の樹脂を含む層(II)とを少なくとも有する積層体からなる容器であって、該環状オレフィン系熱可塑性樹脂が、脂環式構造を有する繰り返し単位(A)が30重量%以上で、且つ、該脂環式構造を有する繰り返し単位(A)中の10重量%以上がノルボルナン構造以外の脂環式構造を有する繰り返し単位を有するもの(A−i)であることを特徴とする容器。
- 前記容器が、ブロー成形により成形したものである請求項1記載の容器。
- ブロー倍率が1.3倍〜50倍である請求項2記載の容器。
- 容器の容量が、50ml〜300リットルである請求項1乃至3の何れか一に記載の容器。
- 半導体製造用薬液の貯蔵・搬送用である請求項1記載の容器。
- その他の樹脂が、結晶性樹脂である請求項1記載の容器。
- 結晶性樹脂が、ポリオレフィンである請求項6記載の容器。
- 環状オレフィン系熱可塑性樹脂がノルボルネン系重合体及びその水素化物である請求項1記載の容器。
- 環状オレフィン系熱可塑性樹脂の、280℃、荷重2.16kgfにおけるJIS−K−6719により測定したメルトフローレートが1〜100g/10minである請求項1記載の容器。
- 積層体の厚さが0.05mm〜10mmである請求項1記載の容器。
- 容器の側面厚みに対する容量の比率が(容器の容量(ml)/容器の側面厚み(mm))にて100〜20,000の範囲である請求項1記載の容器。
- 環状オレフィン系熱可塑性樹脂を含む層(I)と、その他の樹脂を含む層(II)とを少なくとも有する積層体からなるブロー成形体であって、該環状オレフィン系熱可塑性樹脂が、脂環式構造を有する繰り返し単位(A)が30重量%以上で、且つ、該脂環式構造を有する繰り返し単位(A)中の30重量%以上がノルボルナン構造以外の脂環式構造を有する繰り返し単位を有するもの(A−i)であるブロー成形体。
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