JPH0873618A - 不透明ポリオレフィン系フィルム - Google Patents

不透明ポリオレフィン系フィルム

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JPH0873618A
JPH0873618A JP21408494A JP21408494A JPH0873618A JP H0873618 A JPH0873618 A JP H0873618A JP 21408494 A JP21408494 A JP 21408494A JP 21408494 A JP21408494 A JP 21408494A JP H0873618 A JPH0873618 A JP H0873618A
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JP
Japan
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cyclic olefin
group
opaque
resin
polyolefin
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JP21408494A
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English (en)
Inventor
Masaya Sasaki
正 哉 佐々木
Atsushi Azebiru
蒜 敦 畔
Kazuhiko Negishi
岸 和 彦 根
Yoshihiro Takamura
村 佳 宏 高
Hiromi Suzuki
木 裕 美 鈴
Keitaro Tanaka
中 慶太郎 田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
TOUSERO KK
Mitsui Petrochemical Industries Ltd
Original Assignee
TOUSERO KK
Mitsui Petrochemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、無機固体粒子あるいは顔料などが
配合されておらず、したがって製造時にスクリーンなど
の目詰まりが起こらないような不透明ポリオレフィン系
フィルムを提供することを目的としている。 【構成】 本発明に係るポリオレフィン系二軸延伸フィ
ルムは、 [A]結晶性ポリオレフィン;80〜98重量%と、 [B]下記[B-1]、[B-2]、[B-3]および[B-4]か
らなる群から選ばれる少なくとも1種の環状オレフィン
系樹脂;2〜20重量%とからなる樹脂組成物製フィル
ムを少なくとも一方向に3倍以上延伸してなり、光線透
過率が50%以下である不透明ポリオレフィン系フィル
ム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、不透明ポリオレフィン系
フィルムに関し、さらに詳しくは結晶性ポリオレフィン
と環状オレフィン系樹脂とからなる不透明ポリオレフィ
ン系フィルムに関する。
【0002】
【発明の技術的背景】結晶性ポリプロピレンなどの結晶
性ポリオレフィンを二軸延伸させて得られるフィルム
は、引張強さ、剛性率、表面硬度、衝撃強度、耐寒性な
どの機械的特性に優れるとともに、光沢、透明性などの
光学的特性に優れ、さらに無毒性、無臭性などの食品衛
生性にも優れており、従来より食品および医薬品などの
分野で包装用フィルムとして広く使用されている。
【0003】一方不透明ポリオレフィン系フィルムは、
完全な耐水性を有するため、合成紙などとして用いられ
ている。ところで従来上記のような不透明ポリオレフィ
ン系フィルムを製造するには、ポリオレフィンフィルム
中に顔料を添加する方法あるいはポリオレフィン中に無
機固体粒子を添加した後延伸してボイドを形成させる方
法などが知られている。
【0004】しかしながらポリオレフィン中に押出成形
温度で溶融しない固体を混入して不透明ポリオレフィン
系フィルムを製造する方法では、スクリーンの目詰まり
など製造時にトラブルが発生することがあった。
【0005】このため顔料あるいは無機固体粒子などを
添加しなくとも、不透明ポリオレフィン系フィルムを製
造することができれば、その工業的価値は大きい。本発
明者らは、無機固体粒子などを添加しなくとも不透明ポ
リオレフィン系フィルムを製造しうるような不透明ポリ
オレフィン系フィルムの製造方法について研究した結
果、結晶性ポリオレフィンに特定量の環状オレフィン系
樹脂を配合してなる樹脂組成物からフイルムを製造し、
このフィルムを少なくとも一方向に3倍以上延伸すれ
ば、不透明ポリオレフィン系フィルムを製造しうること
を見出して、本発明を完成するに至った。
【0006】
【発明の目的】本発明は、無機固体粒子あるいは顔料な
どが配合されておらず、したがって製造時にスクリーン
などの目詰まりが起こらないような不透明ポリオレフィ
ン系フィルムを提供することを目的としている。
【0007】
【発明の概要】本発明に係る不透明ポリオレフィン系フ
ィルムは、 [A]結晶性ポリオレフィン;80〜98重量%と、 [B]下記[B-1]、[B-2]、[B-3]および[B-4]か
らなる群から選ばれる少なくとも1種の環状オレフィン
系樹脂;2〜20重量%とからなる樹脂組成物製フィル
ムを少なくとも一方向に3倍以上延伸してなり、光線透
過率が50%以下であることを特徴としている: [B-1]エチレンと下記一般式[I]または[II]で表
される環状オレフィンとを共重合させて得られるエチレ
ン・環状オレフィンランダム共重合体、
【0008】
【化3】
【0009】 …[I] (ただし上記式[I]において、nは0または1であ
り、mは0または正の整数であり、qは0または1であ
り、R1 〜R18ならびにRa およびRb は、それぞれ独
立に、水素原子、ハロゲン原子および炭化水素基よりな
る群から選ばれる原子または基を表し、R15〜R18は、
互いに結合して単環または多環を形成していてもよく、
かつ該単環または多環が二重結合を有していてもよく、
またR15とR 16とで、またはR17とR18とでアルキリデ
ン基を形成していてもよい。)、
【0010】
【化4】
【0011】 …[II] (ただし上記式[II]において、pおよびqは0または
正の整数であり、mおよびnは0、1または2であり、
1 〜R19はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子
および炭化水素基よりなる群から選ばれる原子または基
を表し、R9 またはR10が結合している炭素原子と、R
13が結合している炭素原子またはR11が結合している炭
素原子とは直接あるいは炭素数1〜3のアルキレン基を
介して結合していてもよく、またn=m=0のときR15
とR12またはR15とR19とは互いに結合して単環または
多環の芳香族環を形成していてもよい。)、[B-2]上
記式[I]または[II]で表される環状オレフィンの開
環重合体または共重合体、[B-3]上記[B-2]開環重合
体または共重合体の水素化物、および[B-4]上記[B-
1]、[B-2]または[B-3]のグラフト変性物。
【0012】本発明に係る不透明ポリオレフィン系フィ
ルムは、無機固体粒子あるいは顔料を含んでいなくとも
不透明であるため、製造時にスクリーンなどが目詰まり
することがない。
【0013】
【発明の具体的説明】以下、本発明に係る不透明ポリオ
レフィン系フィルムについて具体的に説明する。
【0014】本発明に係る不透明ポリオレフィン系フィ
ルムは、[A]結晶性ポリオレフィンと、[B]環状オ
レフィン系樹脂とからなる樹脂組成物製フィルムを延伸
することによって得られる。
【0015】まず、このような樹脂組成物を形成する際
に用いられる各成分について説明する。
【0016】[A]結晶性ポリオレフィン 本発明で用いられる結晶性ポリオレフィンは、X線回折
法によって測定される結晶化度が、通常30%を超えて
おり、好ましくは45%以上、さらに好ましくは55%
以上である。
【0017】この結晶性ポリオレフィンは、23℃にお
ける引張モジュラスが、通常2000Kg/cm2 を超えて
おり、好ましくは5000〜20000Kg/cm2 、さら
に好ましくは10000〜20000Kg/cm2 である。
【0018】また本発明で用いられる結晶性ポリオレフ
ィンは、下記のような物性を有することが好ましい。密
度が通常0.88〜0.92g/cm3 であり、メルトフ
ローレート(MFR)が通常0.01〜300g/10
分、好ましくは0.1〜100g/10分であり、極限粘
度[η](135℃のデカリン中で測定)が通常0.5
〜5dl/gであり、融点が通常120〜180℃であ
り、ガラス転移温度が通常−20〜20℃であり、軟化
温度が通常100〜170℃であることが好ましい。
【0019】このような結晶性ポリオレフィンとして
は、具体的に、結晶性ポリプロピレンが挙げられる。本
発明で用いられるポリプロピレンは、プロピレン単独重
合体であってもよく、プロピレンと他のα−オレフィン
との共重合体であってもよい。
【0020】プロピレン共重合体を形成する他のα−オ
レフィンとしては、プロピレンを除く炭素数2〜20の
α−オレフィンが挙げられ、具体的に、エチレン、1-ブ
テン、1-ペンテン、1-ヘキセン、3-メチル-1-ブテン、3
-メチル-1-ペンテン、3-エチル-1-ペンテン、4-メチル-
1-ペンテン、4-メチル-1-ヘキセン、4,4-ジメチル-1-ヘ
キセン、4,4-ジメチル-1-ペンテン、4-エチル-1-ヘキセ
ン、3-エチル-1-ヘキセン、1-オクテン、1-デセン、1-
ドデセン、1-テトラデセン、1-ヘキサデセン、1-オクタ
デセン、1-エイコセンなどが挙げられる。
【0021】本発明で用いられるプロピレンと他のα−
オレフィンとの共重合体は、プロピレンから誘導される
構成単位を50モル%以上、好ましくは80モル%以上
の量で含有している。
【0022】なお本発明で用いられる結晶性ポリオレフ
ィンは、結晶性を損なわない範囲内で鎖状非共役ジエン
から誘導される構成単位および/または環状非共役ジエ
ンから誘導される構成単位を含有していてもよく、通常
5モル%以下、好ましくは3モル%以下の量で含有して
いてもよい。
【0023】上記のような結晶性ポリオレフィンは、従
来公知の種々の方法により製造されるが、たとえばトリ
エチルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物と塩
化チタンなどの固体チタン触媒成分とを含む複合触媒を
用いて、反応圧力が1〜40気圧、反応温度が20〜1
20℃の条件下で、プロピレンまたはプロピレンと他の
α−オレフィンとを不飽和炭化水素溶媒中で液相重合さ
せた後、触媒を水で分解して除去し、次いで溶媒を除去
することにより製造される。
【0024】環状オレフィン系樹脂[B] 本発明で用いられる環状オレフィン系樹脂としては、
[B-1]エチレンと、下記式[I]または[II]で表さ
れる環状オレフィンとのランダム共重合体、[B-2]式
[I]または[II]で表される環状オレフィンの開環重
合体または共重合体、[B-3]上記[B-2]開環重合体ま
たは共重合体の水素化物、または[B-4]上記[B-1]、
[B-2]または[B-3]のグラフト変性物を挙げることが
できる。
【0025】このような環状オレフィン系樹脂と結晶性
ポリオレフィンと混練した場合に、得られる組成物は海
島構造をとり、環状オレフィン系樹脂は海部分となり、
結晶性ポリオレフィンは島部分となる。このようにして
海部分に環状オレフィンが存在することによって、結晶
性ポリオレフィンの防湿性が改良され、しかも機械的強
度にも優れた不透明ポリオレフィン系フィルムが得られ
るのであろうと考えられる。
【0026】本発明で用いられる環状オレフィン系樹脂
は、サーマル・メカニカル・アナライザーで測定した軟
化温度(TMA)が70〜200℃であり、好ましくは
100〜180℃、さらに好ましくは10〜180℃で
ある。
【0027】また環状オレフィン系樹脂は、135℃の
デカリン中で測定した極限粘度[η]が0.05〜10
dl/gであり、好ましくは0.3〜2.0dl/g、さら
に好ましくは0.4〜1.2dl/gである。
【0028】さらにこの環状オレフィン系樹脂は、ガラ
ス転移点(Tg)が、通常50〜190℃、好ましくは
80〜170℃であり、X線回折法によって測定した結
晶化度が、通常0〜20%、好ましくは0〜2%であ
る。
【0029】ここでまず、上記のような環状オレフィン
樹脂を形成する際に用いられる一般式[I]または[I
I]で表される環状オレフィンについて説明する。
【0030】
【化5】
【0031】 …[I] ただし上記式[I]において、nは0または1であり、
mは0または正の整数であり、qは0または1である。
なおqが1の場合には、Ra およびRb は、それぞれ独
立に、下記の原子または炭化水素基を表し、qが0の場
合には、それぞれの結合手が結合して5員環を形成す
る。
【0032】上記式[I]において、R1 〜R18ならび
にRa 、Rb は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン
原子および炭化水素基よりなる群から選ばれる原子また
は基を表す。
【0033】ここで、ハロゲン原子は、フッ素原子、塩
素原子、臭素原子またはヨウ素原子である。また炭化水
素基としては、それぞれ独立に、通常、炭素原子数1〜
20のアルキル基、炭素原子数1〜20のハロゲン化ア
ルキル基、炭素原子数3〜15のシクロアルキル基また
は芳香族炭化水素基が挙げられる。より具体的には、ア
ルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、
イソプロピル基、アミル基、ヘキシル基、オクチル基、
デシル基、ドデシル基およびオクタデシル基が挙げら
れ、ハロゲン化アルキルとしては、上記のようなアルキ
ル基を形成している水素原子の少なくとも一部がフッ素
原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子で置換され
た基が挙げられる。
【0034】シクロアルキル基としては、シクロヘキシ
ル基が挙げられ、芳香族炭化水素基としては、フェニル
基、ナフチル基などが挙げられる。さらに、上記式
[I]において、R15とR16とが、R17とR18とが、R
15とR 17とが、R16とR18とが、R15とR18とが、ある
いはR16とR17とがそれぞれ結合して(互いに共同し
て)、単環または多環を形成していてもよく、しかもこ
のようにして形成された単環または多環が二重結合を有
していてもよい。ここで形成される単環または多環とし
ては、具体的に以下のようなものが挙げられる。
【0035】
【化6】
【0036】なお上記例示において、1または2の番号
を賦した炭素原子は、式[I]においてそれぞれR
15(R16)またはR17(R18)が結合している炭素原子
を表す。また、R15とR16とで、またはR17とR18とで
アルキリデン基を形成していてもよい。このようなアル
キリデン基は、通常は炭素原子数2〜20のアルキリデ
ン基であり、このようなアルキリデン基の具体的な例と
しては、エチリデン基、プロピリデン基およびイソプロ
ピリデン基が挙げられる。
【0037】
【化7】
【0038】 …[II] ただし式[II]において、pおよびqは0または正の整
数であり、mおよびnは0、1または2である。
【0039】また、R1 〜R19はそれぞれ独立に、水素
原子、ハロゲン原子、炭化水素基およびアルコキシ基か
らなる群から選ばれる原子または基を表す。ここでハロ
ゲン原子は、上記式[I]におけるハロゲン原子と同じ
である。
【0040】また炭化水素基としては、それぞれ独立
に、通常、炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子
数1〜20のハロゲン化アルキル基、炭素原子数3〜1
5のシクロアルキル基または芳香族炭化水素基が挙げら
れる。より具体的には、アルキル基としては、メチル
基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、アミル
基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基お
よびオクタデシル基が挙げられ、ハロゲン化アルキルと
しては、上記のようなアルキル基を形成している水素原
子の少なくとも一部がフッ素原子、塩素原子、臭素原子
またはヨウ素原子で置換された基が挙げられる。
【0041】シクロアルキル基としては、シクロヘキシ
ル基が挙げられ、芳香族炭化水素基としては、アリール
基、アラルキル基などが挙げられ、具体的には、フェニ
ル基、トリル基、ナフチル基、ベンジル基、フェニルエ
チル基などが挙げられる。
【0042】アルコキシ基としては、メトキシ基、エト
キシ基、プロポキシ基などが挙げられる。ここで、R9
およびR10が結合している炭素原子と、R13が結合して
いる炭素原子またはR11が結合している炭素原子とは直
接あるいは炭素原子数1〜3のアルキレン基を介して結
合していてもよい。すなわち、上記二個の炭素原子がア
ルキレン基を介して結合している場合には、R9 および
13で表される基が、または、R10およびR11で表され
る基が互いに共同して、メチレン基(-CH2-) 、エチレン
基(-CH2CH2-)またはプロピレン基(-CH2CH2CH2-) の内の
いずれかのアルキレン基を形成している。
【0043】さらに、n=m=0のとき、R15とR12
たはR15とR19とは互いに結合して単環または多環の芳
香族環を形成していてもよい。この場合の単環または多
環の芳香族環の例としては、n=m=0のときR15とR
12がさらに芳香族環を形成している以下に記載する基を
挙げることができる。
【0044】
【化8】
【0045】上記例示において、qは式[II]における
qと同じ意味である。上記のような式[I]または[I
I]で表される環状オレフィンとしては、具体的には、
ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2- エン誘導体、テトラシク
ロ[4.4.0.12,5.17,10]-3- ドデセン誘導体、ヘキサシ
クロ[6.6.1.13,6.110,13.02,7.09,14]-4- ヘプタデセ
ン誘導体、オクタシクロ[8.8.0.12,9.14,7.111,18.1
13,16.03,8.012,17]-5- ドコセン誘導体、ペンタシク
ロ[6.6.1.13,6.02,7.09,14]-4- ヘキサデセン誘導
体、ヘプタシクロ-5- エイコセン誘導体、ヘプタシクロ
-5- ヘンエイコセン誘導体、トリシクロ[4.3.0.12,5
-3- デセン誘導体、トリシクロ[4.3.0.12,5]-3- ウン
デセン誘導体、ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.
09,13]-4- ペンタデセン誘導体、ペンタシクロペンタ
デカジエン誘導体、ペンタシクロ[7.4.0.12,5.19,12.0
8,13]-3- ペンタデセン誘導体、ペンタシクロ[8.7.0.
1.3.6.110,17.112,15.02,7.011,16]-4- エイコセン誘
導体、ノナシクロ[10.9.1.14,7.113,20.115,18.03,8.0
2,10.012,21.014,19]-5- ペンタコセン誘導体、ペンタ
シクロ[8.4.0.12,3.19,12.08,13]-3- ヘキサデセン誘
導体、ペンタシクロ[8.8.0.14,7.111,18.113,16.03,8.
012,17]-5- ヘンエイコセン誘導体、ノナシクロ[10.1
0.1.15,8.114,21.116,19.02,11.04,9.013,22.015,20]-
5-ヘキサコセン誘導体、1,4-メタノ-1,4,4a,9a-テトラ
ヒドロフルオレン誘導体、1,4-メタノ-1,4,4a,5,10,10a
-ヘキサヒドロアントラセン誘導体、シクロペンタジエ
ン-アセナフチレン付加物などが挙げられる。
【0046】以下に上記のような式[I]または[II]
で表される環状オレフィンのより具体的な例を示す。
【0047】
【化9】
【0048】
【化10】
【0049】
【化11】
【0050】
【化12】
【0051】
【化13】
【0052】
【化14】
【0053】
【化15】
【0054】
【化16】
【0055】
【化17】
【0056】
【化18】
【0057】
【化19】
【0058】
【化20】
【0059】
【化21】
【0060】
【化22】
【0061】
【化23】
【0062】
【化24】
【0063】
【化25】
【0064】
【化26】
【0065】
【化27】
【0066】
【化28】
【0067】上記のような一般式[I]または[II]で
表される環状オレフィンは、シクロペンタジエンと対応
する構造を有するオレフィン類とを、ディールス・アル
ダー反応させることによって製造することができる。
【0068】これらの環状オレフィンは、単独であるい
は2種以上組み合わせて用いることができる。本発明で
用いられる[B]環状オレフィン系樹脂は、上記のよう
な式[I]または[II]で表される環状オレフィンを用
いて、たとえば特開昭60−168708号公報、特開
昭61−120816号公報、特開昭61−11591
2号公報、特開昭61−115916号公報、特開昭6
1−271308号公報、特開昭61−272216号
公報、特開昭62−252406号公報、特開昭62−
252407号公報などにおいて本出願人が提案した方
法に従い、適宜条件を選択することにより製造すること
ができる。
【0069】[B-1]エチレン・環状オレフィンランダ
ム共重合体 本発明で[B]環状オレフィン系樹脂として用いられる
[B-1]エチレン・環状オレフィンランダム共重合体
は、通常、エチレンから誘導される構成単位を52〜9
0モル%、好ましくは55〜80モル%の量で、環状オ
レフィンから誘導される構成単位を10〜48モル%、
好ましくは20〜45モル%の量で含有している。な
お、エチレン組成および環状オレフィン組成は、13C−
NMRによって測定される。
【0070】この[B-1]エチレン・環状オレフィンラ
ンダム共重合体では、上記のようなエチレンから誘導さ
れる構成単位と環状オレフィンから誘導される構成単位
とが、ランダムに配列して結合し、実質的に線状構造を
有している。この共重合体が実質的に線状であって、実
質的にゲル状架橋構造を有していないことは、該共重合
体が有機溶媒に溶解し、不溶分を含まないことにより確
認することができる。たとえば後述するようにして極限
粘度[η]を測定する際に、該共重合体が135℃、デ
カリンに完全に溶解することにより確認することができ
る。
【0071】本発明で用いられる[B-1]エチレン・環
状オレフィンランダム共重合体において、上記式[I]
または[II]で表される環状オレフィンから誘導される
構成単位の少なくとも一部は、下記構造式[III]また
は[IV]で示される。
【0072】
【化29】
【0073】 …[III] ただし上記式[III]において、n、m、q、R1 〜R
18ならびにRa 、Rbは式[I]と同じ意味である。
【0074】
【化30】
【0075】 …[IV] ただし上記式[IV]において、n、m、p、q、R1
19は式[II]と同じ意味である。
【0076】また本発明で用いられる[B-1]エチレン
・環状オレフィンランダム共重合体は、本発明の目的を
損なわない範囲で必要に応じて他の共重合可能なモノマ
ーから誘導される構成単位を含有していてもよい。
【0077】このような他のモノマーとしては、上記の
ようなエチレンまたは環状オレフィン以外のオレフィン
を挙げることができ、具体的に、プロピレン、1-ブテ
ン、1-ペンテン、1-ヘキセン、3-メチル-1-ブテン、3-
メチル-1-ペンテン、3-エチル-1-ペンテン、4-メチル-1
-ペンテン、4-メチル-1-ヘキセン、4,4-ジメチル-1-ヘ
キセン、4,4-ジメチル-1-ペンテン、4-エチル-1-ヘキセ
ン、3-エチル-1-ヘキセン、1-オクテン、1-デセン、1-
ドデセン、1-テトラデセン、1-ヘキサデセン、1-オクタ
デセン、1-エイコセンなどの炭素数3〜20のα−オレ
フィン、シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセ
ン、3,4-ジメチルシクロペンテン、3-メチルシクロヘキ
セン、2-(2- メチルブチル)-1-シクロヘキセン、シクロ
オクテン、3a,5,6,7a-テトラヒドロ-4,7-メタノ-1H-イ
ンデンなどのシクロオレフィン、2-ノルボルネン、5-メ
チル-2-ノルボルネン、5-エチル-2-ノルボルネン、5-イ
ソプロピル-2-ノルボルネン、5-n-ブチル-2-ノルボルネ
ン、5-イソブチル-2-ノルボルネン、5,6-ジメチル-2-ノ
ルボルネン、5-クロロ-2-ノルボルネン、5-フルオロ-2-
ノルボルネンなどのノルボルネン類、1,4-ヘキサジエ
ン、4-メチル-1,4-ヘキサジエン、5-メチル-1,4-ヘキサ
ジエン、1,7-オクタジエン、ジシクロペンタジエン、5-
エチリデン-2-ノルボルネン、5-ビニル-2-ノルボルネン
などの非共役ジエン類を挙げることができる。
【0078】これらの他のモノマーは、単独であるいは
2種以上組み合わせて用いることができる。 [B-1]エチレン・環状オレフィンランダム共重合体に
おいて、上記のような他のモノマーから誘導される構成
単位は、通常、20モル%以下、好ましくは10モル%
以下の量で含有されていてもよい。
【0079】本発明で用いられる[B-1]エチレン・環
状オレフィンランダム共重合体は、エチレンと式[I]
または[II]で表される環状オレフィンとを用いて、前
記公報に開示された製造方法により製造することができ
る。これらのうちでも、この共重合を炭化水素溶媒中で
行ない、触媒として該炭化水素溶媒に可溶性のバナジウ
ム化合物および有機アルミニウム化合物から形成される
触媒を用いて[B-1]エチレン・環状オレフィンランダ
ム共重合体を製造することが好ましい。
【0080】[B-2]環状オレフィンの開環重合体また
は共重合体 本発明で用いられる[B-2]環状オレフィンの開環重合
体または開環共重合体は、上記式[I]または[II]で
表される環状オレフィンから誘導される構成単位からな
り、該構成単位の少なくとも一部は、下記式[V]また
は[VI]で表される。
【0081】
【化31】
【0082】 …[V] ただし上記式[V]において、n、m、q、R1 〜R18
ならびにRa 、Rb は式[I]と同じ意味である。
【0083】
【化32】
【0084】 …[VI] ただし上記式[VI]において、n、m、p、q、R1
19は式[II]と同じ意味である。
【0085】このような開環重合体または開環共重合体
は、前記公報に開示された製造方法により製造すること
ができる。具体的には、上記式[I]で表される環状オ
レフィンを開環重合触媒の存在下に、重合または共重合
させることにより製造することができる。このような開
環重合触媒としては、ルテニウム、ロジウム、パラジウ
ム、オスミウム、インジウムまたは白金などから選ばれ
る金属のハロゲン化物、硝酸塩またはアセチルアセトン
化合物と、還元剤とからなる触媒、あるいは、チタン、
パラジウム、ジルコニウムまたはモリブテンなどから選
ばれる金属のハロゲン化物またはアセチルアセトン化合
物と、有機アルミニウム化合物とからなる触媒を用いる
ことができる。
【0086】[B-3]開環重合体または共重合体の水素
化物 本発明で用いられる[B-3]開環重合体または共重合体
の水素化物は、上記のようにして得られる[B-2]開環
重合体または共重合体を、従来公知の水素添加触媒の存
在下に水素化して得られる。
【0087】この[B-3]開環重合体または共重合体の
水素化物において、式[I]または[II]で表される環
状オレフィンから誘導される構成単位のうち、少なくと
も一部は下記式[VII]または[VIII]で表される。
【0088】
【化33】
【0089】 …[VII] ただし上記式[VII]において、n、m、q、R1 〜R
18ならびにRa 、Rbは式[I]と同じ意味である。
【0090】
【化34】
【0091】 …[VIII] ただし上記式[VI]において、n、m、p、q、R1
19は式[II]と同じ意味である。
【0092】[B-4]グラフト変性物 本発明で用いられる[B-4]環状オレフィン系樹脂のグ
ラフト変性物は、上記のような [B-1]エチレン・環
状オレフィンランダム共重合体、[B-2]環状オレフィ
ンの開環重合体または共重合体、または、[B-3]開環
重合体または共重合体の水素化物の一部を、変性剤でグ
ラフト変性して得られる。
【0093】変性剤としては、無水マレイン酸などの不
飽和カルボン酸、これらの酸無水物または不飽和カルボ
ン酸のアルキルエステル等の誘導体などが挙げられる。
本発明で用いられる環状オレフィン系樹脂のグラフト変
性物において、変性剤から誘導される構成単位の含有率
は、通常10モル%以下である。
【0094】このような環状オレフィン系樹脂のグラフ
ト変性物は、所望の変性率になるように環状オレフィン
系樹脂に変性剤を配合してグラフト重合させ製造するこ
ともできるし、予め高変性率の変性物を調製し、次いで
この変性物と未変性の環状オレフィン系樹脂とを混合す
ることにより製造することもできる。
【0095】本発明で用いられる[B]環状オレフィン
系樹脂は、上記のような[B-1]、[B-2]、[B-3]お
よび[B-4]からなる群から選ばれ、これらを2種以上
組み合わせたものであってもよい。
【0096】本発明では、[B]環状オレフィン系樹脂
として、これらのうち[B-1]エチレン・環状オレフィ
ンランダム共重合体が好ましく用いられる。樹脂組成物 本発明で不透明ポリオレフィン系フィルムを形成する際
に用いられる樹脂組成物は、上述したように[A]結晶
性ポリオレフィン樹脂と[B]環状オレフィン系樹脂と
からなり、[A]結晶性ポリオレフィン樹脂は80〜9
8重量%、好ましくは85〜98重量%、さらに好まし
くは90〜95重量%の量で含有されており、[B]環
状オレフィン系樹脂は2〜20重量%、好ましくは2〜
15重量%、さらに好ましくは5〜10重量%の量で含
有されている。
【0097】なお本発明で用いられる樹脂組成物には、
本発明の目的を損なわない範囲で、紫外線吸収剤、熱安
定剤、アンチブロッキング剤、滑剤、帯電防止剤などが
配合されていてもよい。さらに該樹脂組成物には、本発
明の目的を損なわない範囲で、通常は10重量%以下の
量でエラストマーが配合されていてもよい。このような
エラストマーとしては、具体的に、EPR、EPDM、
SBS、SEBS、SIS、SEPSなどが挙げられ
る。
【0098】このような樹脂組成物は、従来公知の溶融
混練方法を適用して調製することができる。具体的に
は、[A]結晶性ポリオレフィン樹脂および[B]環状
オレフィン系樹脂を、ドライブレンドしたものを押出機
で溶融混練してもよく、これら各成分を適当な良溶媒に
溶解し、またはそれぞれ別々に溶解した後混合し、溶媒
を除去して押出機で溶融混練してもよい。
【0099】不透明ポリオレフィン系フィルム 本発明に係る不透明ポリオレフィン系フィルムは、上記
のような樹脂組成物を少なくとも一方向(1軸方向)に
3倍以上延伸することにより得られ、光線透過率が50
%以下である。
【0100】樹脂組成物から延伸フィルムを製造するに
際しては、通常、まず該樹脂組成物からなる原反シート
を形成する。原反シートは、上記樹脂組成物をプレス
法、Tダイ法またはインジェクション法など公知の方法
により成形することにより得られる。
【0101】このような原反シートは、厚さが通常0.
01〜5mm、好ましくは0.2〜2mmである。次い
でこの原反シートを、一軸延伸または二軸延伸すること
により、不透明ポリオレフィン系フィルムが得られる。
【0102】延伸は、通常一軸延伸装置または二軸延伸
装置によって行なわれる。延伸速度は、通常、30〜3
00m/分である。一軸延伸の場合には、3〜10倍好
ましくは4〜7倍の倍率で延伸することが望ましい。3
〜4倍延伸では縦方向の厚薄むらがあり、7倍以上にな
ると、製造時のフィルム破断が多くなる。二軸延伸の場
合には10〜60倍、好ましくは20〜50倍の倍率で
延伸することが望ましい。この二軸延伸は、縦方向およ
び横方向に、同時にまたは別々に行うことができる。
【0103】延伸時の温度は、縦方向に延伸時には80
〜160℃、好ましくは110〜140℃であり、横方
向に延伸時には130〜170℃、好ましくは150〜
165℃である。
【0104】このような延伸は、原反シートをロールま
たは恒温槽中などで、延伸温度まで加熱しながら行なわ
れる。このようにして得られる本発明に係る不透明ポリ
オレフィン系フィルムは、厚さが通常、10μm〜2m
m、好ましくは10μm〜0.1mmである。
【0105】また本発明に係る不透明ポリオレフィン系
フイルムは、全光線透過率が50%以下、好ましくは4
5%以下である。なお本発明では、不透明ポリオレフィ
ン系フィルムの全光線透過率は、JIS K−6714
に準拠して測定した値である。またこの不透明ポリオレ
フィン系フィルムのヘイズは、80%以上であることが
好ましい。
【0106】さらに本発明に係る不透明ポリオレフィン
系フィルムは、密度が0.90g/cm3以下、好ましく
は0.89g/cm3以下であることが望ましい。このよ
うな不透明ポリオレフィン系フィルムには、必要に応じ
てコロナ放電処理などを施していてもよい。
【0107】このように本発明のポリオレフィン系フィ
ルムは不透明であるが、このフィルムに表面光沢が求め
られる場合には、この不透明ポリオレフィン系フィルム
に、高光沢の樹脂層を設けると良い。またこのフィルム
に艶消しが求められる場合には、この不透明ポリオレフ
ィン系フィルムに艶消性樹脂層を設けると良い。
【0108】さらに本発明に係る不透明ポリオレフィン
系フィルムをコート用原反、印刷用原反、ラミ用原反と
して用いる場合には、この不透明ポリオレフィン系フィ
ルムにポリプロピレン層を設けることが好ましい。
【0109】さらにまた本発明に係る不透明ポリオレフ
ィン系フィルムに加筆性が求められる場合には、この不
透明ポリオレフィン系フィルムに、炭酸カルシウム、酸
化チタンなどが配合された樹脂層を設けると良い。
【0110】さらに本発明に係る不透明ポリオレフィン
系フィルムを熱シールする用途に用いる場合には、この
不透明ポリオレフィン系フィルムの表面に、ヒートシー
ル層を設けると良い。不透明ポリオレフィン系フィルム
の表面に特徴をだすために、上記のように各種樹脂を使
用するが、いずれの場合でもそれらの樹脂で両面とも覆
われているもの、片面だけのもの、それら相互の組合わ
せのものがある。その方法は共押出し法がよい。逐次2
軸延伸の場合には、縦延伸後押し出しラミをして、横延
伸する場合もある。
【0111】本発明に係る不透明ポリオレフィン系フィ
ルムは、不透明であるとともに、引張強さ、剛性、表面
硬度、衝撃強度、耐寒性などの機械的強度に優れてお
り、合成紙あるいは、食品および医薬品などの用途の包
装用フィルムに好適である。
【0112】
【発明の効果】上記のような樹脂組成物から形成される
本発明に係る不透明ポリオレフィン系フィルムは、不透
明であるとともに、引張強さ、剛性率、表面硬度、衝撃
強度、耐寒性などの機械的特性に優れるとともに、しか
も耐水性、耐油性にも優れている。
【0113】さらに本発明に係る不透明ポリオレフィン
系フィルムは、無機固体粒子などを含んでいなくとも不
透明であり、製造時にスクリーンの目詰まりなどの問題
を起こすこともない。
【0114】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明するが、本
発明は、これら実施例に限定されるものではない。
【0115】[評価方法]本発明で用いられる[A]結
晶性ポリオレフィン系樹脂および[B]エチレンとテト
ラシクロドデセンとのランダム共重合体である環状オレ
フィン系樹脂の物性ならびに得られる不透明ポリオレフ
ィン系フィルムの全光線透過率などを以下のようにして
測定した。
【0116】極限粘度[η];デカリン中、135℃で
測定した。 結晶化度;23℃でX線回折法により測定した。 軟化温度(TMA);昇温速度5℃/分、荷重50g、
直径1mmの平底針が100μm針入した温度をTMA
とした。
【0117】メルト・フローレート(MFR);ASTM-D
-1238 に準じ、230℃で測定した。 全光線透過率;JIS K-6714に準拠して測定した。
【0118】ヘイズ;ASTM D 1003に準拠して測定し
た。
【0119】
【実施例1および実施例2】230℃、2.16kg荷
重におけるMFRが2.0g/10分であり、結晶化度が
61.0%であるポリプロピレン[A]と、表1に示す
エチレン・TCDランダム共重合体(番号:[B-1]−
1)[B]とを90:10の重量比でドライブレンド
し、これを二軸押出機(設定温度250℃)で混練して
ポリオレフィン樹脂組成物を調製した。
【0120】なお上記の「TCD」は、次式で示すテト
ラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]-3-ドデセンを意味する
(以下本発明において同様)。
【0121】
【化35】
【0122】この樹脂組成物を表2に示す条件下で、
5.5m/分の速度で押出成形した。このシートを表2
に示すような条件下で、27.5m/分の延伸速度によ
り、縦方向が5倍となり、横方向(横方向延伸温度15
5℃および165℃)が10倍となるまで二軸延伸し
て、フィルムの厚さをフィルム坪量で表して25g/m
2の二軸延伸フィルムを得た。
【0123】このフィルムのヘイズ、フィルム密度およ
び全光線透過率を表3に示す。
【0124】
【実施例3および実施例4】エチレン・TCDランダム
共重合体[B]を、表1の[B-1]−2に変更した以外
は、実施例1と同様にしてポリオレフィン樹脂組成物を
調製した。
【0125】この樹脂組成物を押出成形し、シートを造
り、このシートを、横方向延伸温度を165℃とした以
外は、実施例1と同様にして二軸延伸して、フィルム坪
量25g/m2の二軸延伸フィルムを得た。
【0126】このフィルムのヘイズ、フィルム密度およ
び全光線透過率を表3に示す。得られた不透明ポリプロ
ピレン系フィルムの水蒸気透過係数は小さかった。
【0127】
【比較例1】230℃、2.16kg荷重におけるMF
Rが2.0g/10分であり、結晶化度が61.0%であ
るポリプロピレン[A]を表2に示すような条件下で押
出成形し、シートを得た。
【0128】このシートを、横方向延伸温度を155℃
として実施例1と同様にして二軸延伸して、フィルム坪
量25g/m2の二軸延伸フィルムを得た。
【0129】このフィルムのヘイズ、フィルム密度およ
び全光線透過率を表3に示す。
【0130】
【比較例2】230℃、2.16kg荷重におけるMFR
が1.7g/10分であり、結晶化度が61.0%である
ポリプロピレン[A]を表2に示すような条件下で、押
出成形してシートを得た。
【0131】このシートを、横方向延伸速度を165℃
として実施例1と同様にして二軸延伸して、フィルム坪
量25g/m2の二軸延伸フィルムを得た。このフィル
ムのヘイズ、フィルム密度および全光線透過率を表3に
示す。
【0132】
【表1】
【0133】
【表2】
【0134】
【表3】
フロントページの続き (72)発明者 根 岸 和 彦 茨城県猿島郡総和町北利根9番 東セロ株 式会社研究開発センター内 (72)発明者 高 村 佳 宏 茨城県猿島郡総和町北利根9番 東セロ株 式会社研究開発センター内 (72)発明者 鈴 木 裕 美 茨城県猿島郡総和町北利根9番 東セロ株 式会社研究開発センター内 (72)発明者 田 中 慶太郎 東京都千代田区霞が関三丁目2番5号 三 井石油化学工業株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】[A]結晶性ポリオレフィン;80〜98
    重量%と、 [B]下記[B-1]、[B-2]、[B-3]および[B-4]か
    らなる群から選ばれる少なくとも1種の環状オレフィン
    系樹脂;2〜20重量%と、からなる樹脂組成物製フィ
    ルムを少なくとも一方向に3倍以上延伸してなり、光線
    透過率が50%以下であることを特徴とする不透明ポリ
    オレフィン系フィルム。 [B-1]エチレンと下記一般式[I]または[II]で表
    される環状オレフィンとを共重合させて得られるエチレ
    ン・環状オレフィンランダム共重合体、 【化1】 …[I] (ただし上記式[I]において、nは0または1であ
    り、mは0または正の整数であり、qは0または1であ
    り、R1 〜R18ならびにRa およびRb は、それぞれ独
    立に、水素原子、ハロゲン原子および炭化水素基よりな
    る群から選ばれる原子または基を表し、R15〜R18は、
    互いに結合して単環または多環を形成していてもよく、
    かつ該単環または多環が二重結合を有していてもよく、
    またR15とR 16とで、またはR17とR18とでアルキリデ
    ン基を形成していてもよい。)、 【化2】 …[II] (ただし上記式[II]において、pおよびqは0または
    正の整数であり、mおよびnは0、1または2であり、
    1 〜R19はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子
    および炭化水素基よりなる群から選ばれる原子または基
    を表し、R9 またはR10が結合している炭素原子と、R
    13が結合している炭素原子またはR11が結合している炭
    素原子とは直接あるいは炭素数1〜3のアルキレン基を
    介して結合していてもよく、またn=m=0のときR15
    とR12またはR15とR19とは互いに結合して単環または
    多環の芳香族環を形成していてもよい。)、[B-2]上
    記式[I]または[II]で表される環状オレフィンの開
    環重合体または共重合体、[B-3]上記[B-2]開環重合
    体または共重合体の水素化物、および[B-4]上記[B-
    1]、[B-2]または[B-3]のグラフト変性物。
  2. 【請求項2】[A]結晶性ポリオレフィンが、結晶化度
    が30%を超えるポリプロピレンであることを特徴とす
    る請求項1に記載の不透明ポリオレフィン系フィルム。
  3. 【請求項3】[B]環状オレフィン系樹脂が、軟化温度
    が70〜200℃であり、かつ135℃デカリン中で測
    定される極限粘度[η]が0.05〜10dl/gである
    ことを特徴とする請求項1に記載の不透明ポリオレフィ
    ン系フィルム。
  4. 【請求項4】[A]結晶性ポリオレフィン樹脂と[B]
    環状オレフィン系樹脂との合計量を100重量%とする
    とき、[B]環状オレフィン系樹脂が、5〜15重量%
    の量で含有されていることを特徴とする請求項1に記載
    の不透明ポリオレフィン系フィルム。
  5. 【請求項5】[B]環状オレフィン系樹脂が、上記[B-
    1]エチレン・環状オレフィンランダム共重合体である
    ことを特徴とする請求項1に記載の不透明ポリオレフィ
    ン系フィルム。
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