JP2000154238A - 成形容器及びその製造方法 - Google Patents

成形容器及びその製造方法

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JP2000154238A
JP2000154238A JP32916898A JP32916898A JP2000154238A JP 2000154238 A JP2000154238 A JP 2000154238A JP 32916898 A JP32916898 A JP 32916898A JP 32916898 A JP32916898 A JP 32916898A JP 2000154238 A JP2000154238 A JP 2000154238A
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JP32916898A
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English (en)
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Koji Minami
幸治 南
Haruhiko Takahashi
治彦 高橋
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Zeon Corp
Original Assignee
Nippon Zeon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 半導体処理薬液を、保管貯蔵、搬送させた場
合にも、処理薬液中にパーティクルの発生させない容
器、及びその製造方法を提供すること。 【解決手段】 少なくとも容器の内面が脂環式構造含有
重合体樹脂材料をブロー成形してなるものであり、且つ
pH3以下の酸性水溶液、pH10以上のアルカリ性水
溶液、及び過酸化水素水からなる群から選ばれる少なく
とも1種の水溶液を容器に充填した場合の、23℃環境
下、24時間静置条件下での0.2μm以上のパーティ
クル発生量が、容器と水溶液とが接触する内表面積1c
あたり0.5counts/ml以下である成形容
器を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体処理薬液用
に好適な容器及びその製造方法に関し、詳しくは、pH
3以下の酸性水溶液、pH10以上のアルカリ性水溶
液、または過酸化水素水などの水溶液に接触させてもパ
ーティクルの発生量が少ない容器およびその製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】半導体製造工程では、シリコンウエハの
処理を行うため、例えば硫酸、硝酸、フッ酸、塩酸など
の強酸や、アンモニア水などの強アルカリや、過酸化水
素水などの過酸化物など強い薬液が処理液として用いら
れている。年々、半導体の集積度があがるにつれて、半
導体上の高度な微細処理が求められてきており、半導体
処理薬液中のパーティクルが、半導体の微細な欠陥原因
となるため、該パーティクル含有量を極めて低くした半
導体処理薬液が求められている。その為に、半導体処理
薬液を収容、搬送する容器も半導体処理薬液と接触させ
て、パーティクルを発生させないものが要求されてい
る。
【0003】一方、脂環式構造含有重合体樹脂材料を用
いた容器が報告されている。例えば、特開平5−317
411号公報には、ノルボルネン系重合体100重量部
に酸化防止剤0.05重量部を含んだ成形材料を射出成
形した容器が開示されている。この方法で得られる容器
は、例えば医薬品容器等に使用した場合には、不純物の
溶出が少なく、薬効成分の容器壁面への吸着が少ない等
の点において優れているが、より微細な不純物の発生を
問題とし、高度なクリーン度が要求される半導体製造工
程で使用される容器としては十分に満足な性能が得られ
るものではなく、容器の成形方法や成形条件、使用する
樹脂材料の配合剤等の影響で、pH3以下の酸性水溶
液、pH10以上のアルカリ性水溶液、または過酸化水
素水などの過酸化物などの、半導体処理薬液を保管、搬
送させた場合に、パーティクルが多量に発生するという
問題が生じていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、半導
体処理薬液を、保管貯蔵、搬送させた場合にも、処理薬
液中にパーティクルの発生させない容器、及びその製造
方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記従来
技術の問題点を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、1)
少なくとも内面が脂環式構造含有重合体樹脂材料からな
り、ブロー成形して得られる容器は、その内面の平滑性
等に優れるため、強酸、強アルカリ、または過酸化水素
水などの半導体薬液を保管または搬送しても、パーティ
クルの発生が十分に押さえられること、また、2)その
脂環式構造含有重合体材料中の酸化防止剤の添加量を、
脂環式構造含有重合体樹脂100重量部に対し、0.0
001重量部〜0.01重量部と極度に減らし、ブロー
成形した容器を用いることにより、さらにパーティクル
の発生が抑えられること、さらに、3)脂環式構造含有
重合体樹脂材料を、ブロー成形前に、脂環式構造含有
重合体樹脂のガラス転移温度(以降、Tgと略)以下で
加熱処理する、または、同じくTg以下で減圧処理を
行い揮発成分を低減することで、成形されるブロー成形
体表面の平滑性を上げることができ、それによりパーテ
ィクル発生をさらに抑える効果が見られることなどを見
出した。本発明は、これらの知見に基づいて完成するに
至ったものである。
【0006】かくして本発明によれば、少なくとも容器
の内面が脂環式構造含有重合体樹脂材料をブロー成形し
てなるものであり、且つpH3以下の酸性水溶液、pH
10以上のアルカリ性水溶液、及び過酸化水素水からな
る群から選ばれる少なくとも1種の水溶液を容器に充填
した場合の、23℃環境下、24時間静置条件下での
0.2μm以上のパーティクル発生量が、容器と水溶液
とが接触する内表面積1cmあたり0.5count
s/ml以下である成形容器が提供される。本発明によ
れば、また、脂環式構造含有重合体樹脂材料中の揮発分
残量を150ppm以下にする工程、およびその後に該
材料をブロー成形する工程を含むことを特徴とする成形
容器の製造方法が提供される。
【0007】
【発明の実施の形態】以下に本発明の好ましい実施の形
態について、項目に分けて説明する。
【0008】脂環式構造含有重合体樹脂材料 本発明で使用される脂環式構造含有重合体樹脂として
は、脂環式構造含有重合体樹脂を含有するものが用いら
れる。脂環式構造含有重合体樹脂は、主鎖及び/または
側鎖に脂環式構造を有するものであれば格別な制限はな
いが、機械的強度、耐熱性及び成形体などの観点から
は、主鎖に脂環式構造を含有するものが好ましい。
【0009】脂環式構造としては、飽和環状炭化水素
(シクロアルカン)構造、不飽和環状炭化水素(シクロ
アルケン)構造などが挙げられるが、機械的強度、耐熱
性などの観点から、シクロアルカン構造が好ましい。脂
環式構造を構成する炭素原子数は、格別な制限はない
が、通常4〜30個、好ましくは5〜20個、より好ま
しくは5〜15個の範囲であるときに、機械的強度、耐
熱性、及び成形性の特性が高度にバランスされ、好適で
ある。
【0010】脂環式構造含有重合体樹脂中の脂環式構造
を有する繰り返し単位の割合は、使用目的に応じて適宜
選択されればよいが、通常50重量%以上、好ましくは
70重量%以上、より好ましくは90重量%以上であ
る。脂環式構造含有重合体樹脂中の脂環式構造を有する
繰り返し単位の割合が過度に少ないと耐熱性に劣り好ま
しくない。なお、脂環式構造含有重合体樹脂中の脂環式
構造を有する繰り返し単位以外の残部は、格別な限定は
なく、使用目的に応じて適宜選択される。
【0011】こうした脂環式構造を含有する重合体樹脂
の具体例としては、例えば、(1)ノルボルネン系重合
体、(2)単環の環状オレフィン系重合体、(3)環状
共役ジエン系重合体、(4)ビニル脂環式炭化水素系重
合体、及びこれらの水素添加物などが挙げられる。これ
らの中でも、機械的強度、熱安定性、及び成形性の観点
から、ノルボルネン系重合体及びその水素添加物、環状
共役ジエン系重合体及びその水素添加物などが好まし
く、ノルボルネン系重合体及びその水素添加物がより好
ましい。
【0012】(1)ノルボルネン系重合体 本発明に使用されるノルボルネン系重合体は、例えば、
特開平3−14882号公報や、特開平3−12213
7号公報などに開示されている公知の重合体であり、具
体的には、ノルボルネン系モノマーの開環重合体及びそ
の水素添加物、ノルボルネン系モノマーの付加重合体、
ノルボルネン系モノマーと共重合可能なその他のモノマ
ーとの付加型共重合体などが挙げられる。これらの中で
も、耐熱性や耐薬品性を高度にバランスさせる上で、ノ
ルボルネン系モノマーの開環重合体及びその水素添加物
が好ましく、ノルボルネン系モノマーの開環重合体水素
添加物が特に好ましい。
【0013】ノルボルネン系モノマーとしては、ビシク
ロ[2,2,1]−ヘプト−2−エン(慣用名:ノルボ
ルネン)、5−メチル−ビシクロ[2,2,1]−ヘプ
ト−2−エン、5,5−ジメチル−ビシクロ[2,2,
1]−ヘプト−2−エン、5−エチル−ビシクロ[2,
2,1]−ヘプト−2−エン、5−ブチル−ビシクロ
[2,2,1]−ヘプト−2−エン、5−ヘキシル−ビ
シクロ[2,2,1]−ヘプト−2−エン、5−オクチ
ル−ビシクロ[2,2,1]−ヘプト−2−エン、5−
オクタデシル−ビシクロ[2,2,1]−ヘプト−2−
エン、5−エチリデン−ビシクロ[2,2,1]−ヘプ
ト−2−エン、5−メチリデン−ビシクロ[2,2,
1]−ヘプト−2−エン、5−ビニル−ビシクロ[2,
2,1]−ヘプト−2−エン、5−プロペニル−ビシク
ロ[2,2,1]−ヘプト−2−エン、5−メトキシ−
カルボニル−ビシクロ[2,2,1]−ヘプト−2−エ
ン、5−シアノ−ビシクロ[2,2,1]−ヘプト−2
−エン、5−メチル−5−メトキシカルボニル−ビシク
ロ[2,2,1]−ヘプト−2−エン、5−メトキシカ
ルボニル−ビシクロ[2,2,1]−ヘプト−2−エ
ン、5−エトキシカルボニル−ビシクロ[2,2,1]
−ヘプト−2−エン、5−メチル−5−エトキシカルボ
ニル−ビシクロ[2,2,1]−ヘプト−2−エン、ビ
シクロ[2,2,1]−ヘプト−5−エニル−2−メチ
ルプロピオネイト、ビシクロ[2,2,1]−ヘプト−
5−エニル−2−メチルオクタネイト、ビシクロ[2,
2,1]−ヘプト−2−エン−5,6−ジカルボン酸無
水物、5−ヒドロキシメチル−ビシクロ[2,2,1]
−ヘプト−2−エン、5,6−ジ(ヒドロキシメチル)
−ビシクロ[2,2,1]−ヘプト−2−エン、5−ヒ
ドロキシ−i−プロピル−ビシクロ[2,2,1]−ヘ
プト−2−エン、ビシクロ[2,2,1]−ヘプト−2
−エン、5,6−ジカルボキシ−ビシクロ[2,2,
1]−ヘプト−2−エン、ビシクロ[2,2,1]−ヘ
プト−2−エン−5,6−ジカルボン酸イミド、5−シ
クロペンチル−ビシクロ[2,2,1]−ヘプト−2−
エン、5−シクロヘキシル−ビシクロ[2,2,1]−
ヘプト−2−エン、5−シクロヘキセニル−ビシクロ
[2,2,1]−ヘプト−2−エン、5−フェニル−ビ
シクロ[2,2,1]−ヘプト−2−エン、
【0014】トリシクロ[4,3,12,5
1,6]−デカ−3,7−ジエン(慣用名ジシクロペ
ンタジエン)、トリシクロ[4,3,12,5,0
1,6]−デカ−3−エン、トリシクロ[4,4,1
2,5,01,6]−ウンデカ−3,7−ジエン、トリ
シクロ[4,4,12,5,01,6]−ウンデカ−
3,8−ジエン、トリシクロ[4,4,12,5,0
1,6]−ウンデカ−3−エン、テトラシクロ[7,
4,110,13,01,9,02,7]−トリデカ−
2,4,6−11−テトラエン(1,4−メタノ−1,
4,4a,9a−テトラヒドロフルオレンともいう)、
テトラシクロ[8,4,111,14,01,10,0
3,8]−テトラデカ−3,5,7,12−11−テト
ラエン(1,4−メタノ−1,4,4a,5,10,1
0a−ヘキサヒドロアントラセンともいう)、
【0015】テトラシクロ[4,4,12,5,1
7,10,0]−ドデカ−3−エン(単にテトラシクロ
ドデセンともいう)、8−メチル−テトラシクロ[4,
4,1 ,5,17,10,0]−ドデカ−3−エン、
8−メチル−テトラシクロ[4,4,12,5,1
7,10,0]−ドデカ−3−エン、8−エチル−テト
ラシクロ[4,4,12,5,17,10,0]−ドデ
カ−3−エン、8−メチリデン−テトラシクロ[4,
4,12,5,17,10,0]−ドデカ−3−エン、
8−エチリデン−テトラシクロ[4,4,12,5,1
7,10,0]−ドデカ−3−エン、8−ビニル−テト
ラシクロ[4,4,12,5,17,10,0]−ドデ
カ−3−エン、8−プロペニル−テトラシクロ[4,
4,12,5,17, 10,0]−ドデカ−3−エン、
8−メトキシカルボニル−テトラシクロ[4,4,1
2,5,17,10,0]−ドデカ−3−エン、8−メ
チル−8−メトキシカルボニル−テトラシクロ[4,
4,12,5,17,10,0]−ドデカ−3−エン、
8−ヒドロキシメチル−テトラシクロ[4,4,1
2,5,17,1 ,0]−ドデカ−3−エン、8−カ
ルボキシ−テトラシクロ[4,4,12, ,1
7,10,0]−ドデカ−3−エン、8−シクロペンチ
ル−テトラシクロ[4,4,12,5,17,10
0]−ドデカ−3−エン、8−シクロヘキシル−テトラ
シクロ[4,4,12,5,17,10,0]−ドデカ
−3−エン、8−シクロヘキセニル−テトラシクロ
[4,4,12,5,17,10,0]−ドデカ−3−
エン、8−フェニル−テトラシクロ[4,4,
2,5,17,1 ,0]−ドデカ−3−エン、ペン
タシクロ[6,5,11,8,13,6,0 2,7,0
9,13]−ペンタデカ−3,10−ジエン、ペンタシ
クロ[7,4,13,6,110,13,01,9,0
2,7]−ペンタデカ−4,11−ジエンなどのノルボ
ルネン系モノマーなどが挙げられる。これらのノルボル
ネン系モノマーは、それぞれ単独であるいは2種以上組
み合わせて用いられる。
【0016】これらノルボルネン系モノマーの開環重合
体は、上記ノルボルネン系モノマーを、開環重合体触媒
存在下で重合して得ることができる。開環重合触媒とし
ては、例えばルテニウム、ロジウム、パラジウム、オス
ミウム、イリジウム、白金などの金属のハロゲン化物、
硝酸塩またはアセチルアセトン化合物と、還元剤とから
なる触媒系、あるいは、チタン、バナジウム、ジルコニ
ウム、タングステン、モリブデンなどの金属のハロゲン
化物またはアセチルアセトン化合物と、有機アルミニウ
ム化合物とからなる触媒系を用いられる。重合反応は溶
媒中または無溶媒で、通常、−50℃〜100℃の重合
温度、0〜50kg/cmの重合圧力で行われる。ノ
ルボルネン系重合体の水素添加物は、通常上記ノルボル
ネン系モノマーの開環重合体を水素添加触媒の存在下に
水素により水素化する方法により得ることができる。
【0017】ノルボルネン系モノマーの開環重合体水素
添加物は、通常、上記ノルボルネン系モノマーの開環重
合体の重合溶液に、水素添加触媒を添加し、水素添加す
ることにより得ることができる。水素添加触媒として
は、特に限定されないが、通常不均一系触媒や均一系触
媒が用いられる。不均一系触媒としては、例えば、ニッ
ケル、パラジウム、白金、またはこれらの金属をカーボ
ン、シリカ、ケイソウ土、アルミナ、酸化チタン等の担
体に担持させた固体触媒:ニッケル/シリカ、ニッケル
/ケイソウ土、ニッケル/アルミナ、パラジウム/カー
ボン、パラジウム/シリカ、パラジウム/ケイソウ土、
パラジウム/アルミナなどが挙げられる。均一系触媒と
しては、例えば、遷移金属化合物とアルキルアルミ金属
化合物またはアルキルリチウムの組み合わせからなる触
媒、例えば、酢酸コバルト/トリエチルアルミニウム、
酢酸コバルト/トリイソブチルアルミニウム、酢酸ニッ
ケル/トリエチルアルミニウム、酢酸ニッケル/トリイ
ソブチルアルミニウム、ニッケルアセチルアセトナート
/トリエチルアルミニウム、ニッケルアセチルアセトナ
ート/トリイソブチルアルミニウイム、チタノセンクロ
リド/n−ブチルリチウム、ジルコノセンクロリド/n
−ブチルリチウムなどの組み合わせからなる触媒が挙げ
られる。これらの水素添加触媒は、それぞれ単独でまた
は2種以上組み合わせて用いることができる。水素添加
触媒の使用量は、ノルボルネン系モノマーの開環重合体
100重量部当たり、通常0.01〜100重量部、好
ましくは0.1〜50重量部、より好ましくは1〜30
重量部の範囲である。水素化反応は、通常1〜150k
g/cm の水素圧下、0〜250°Cの温度範囲、
1時間〜20時間の反応時間で行われる。
【0018】ノルボルネン系モノマー、またはノルボル
ネン系モノマーと共重合可能なその他のモノマーとの付
加(共)重合体は、例えば、モノマー成分を、溶媒中ま
たは無溶媒で、チタン、ジルコニウム、又はバナジウム
化合物と有機アルミニウム化合物とからなる触媒系の存
在下で、通常、−50℃〜100℃の重合温度、0〜5
0kg/cmの重合圧力で(共)重合させる方法によ
り得ることができる。
【0019】尚、共重合可能なその他のモノマーとして
は、ノルボルネン系モノマーと共重合可能なものであれ
ば、格別な制限はなく、例えば、エチレン、プロピレ
ン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、3−メ
チル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、3−エ
チル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、4−
メチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ヘキセ
ン、4,4−ジメチル−1−ペンテン、4−エチル−1
−ヘキセン、3−エチル−1−ヘキセン、1−オクテ
ン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1
−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセンな
どの炭素数2〜20のエチレンまたはα−オレフィン;
シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、3,
4−ジメチルシクロペンテン、3−メチルシクロヘキセ
ン、2−(2−メチルブチル)−1−シクロヘキセン、
シクロオクテン、3a,5,6,7a−テトラヒドロ−
4,7−メタノ−1H−インデンなどのシクロオレフィ
ン;1,4−ヘキサジエン、4−メチル−1,4−ヘキ
サジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエン、1,7
−オクタジエンなどの非共役ジエン;などが用いられ
る。これらの中でも、エチレンまたはα−オレフィンが
好ましい。これらの共重合可能なその他のモノマーは、
それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用
することができる。ノルボルネン系モノマーと共重合可
能なその他のモノマーとを付加共重合される場合は、付
加共重合体中のノルボルネン系モノマー由来の結合単位
と共重合可能なその他のモノマー由来の結合単位との割
合が、重量比で通常30:70〜99:1、好ましくは
50:50〜97:3、より好ましくは70:30〜9
5:5の範囲となるように適宜選択される。
【0020】(2)単環の環状オレフィン系重合体 単環の環状オレフィン系重合体としては、例えば、特開
昭64−66216号公報に開示されているシクロヘキ
セン、シクロヘプテン、シクロオクテンなどの単環の環
状オレフィン系単量体の付加重合体を用いることができ
る。
【0021】(3)環状共役ジエン系重合体 環状共役ジエン系重合体としては、例えば、特開平6−
136057号公報や特開平7−258318号公報に
開示されているシクロペンタジエン、シクロヘキサジエ
ンなどの環状共役ジエン系単量体を1,2−または1,
4−付加重合した重合体及びその水素添加物などを用い
ることができる。
【0022】(4)ビニル脂環式炭化水素系重合体 ビニル脂環式炭化水素系重合体としては、例えば、特開
昭51−59989号公報に開示されているビニルシク
ロヘキセン、ビニルシクロヘキサンなどのビニル脂環式
炭化水素系単量体の重合体及びその水素添加物、特開昭
63−43910号公報、特開昭64−1706号公報
などに開示されているスチレン、α−メチルスチレンな
どのビニル芳香族系単量体の重合体の芳香環部分の水素
添加物などを用いることができる。
【0023】本発明で使用される脂環式構造含有重合体
樹脂の分子量は、使用目的に応じて適宜選択されるが、
シクロヘキサン溶液(重合体樹脂が溶解しない場合はト
ルエン溶液)のゲル・パーミエーション・クロマトグラ
フ法で測定したポリイソプレンまたはポリスチレン換算
の重量平均分子量で、通常5,000〜500,00
0、好ましくは8,000〜200,000、より好ま
しくは10,000〜100,000の範囲であるとき
に、容器の耐圧性、落下強度などの機械的強度、及び成
形加工性とが高度にバランスされ、好適である。
【0024】本発明で使用される脂環式構造含有重合体
樹脂のTgは、使用目的に応じて適宜選択されればよい
が、通常70℃以上、好ましくは90℃〜250℃、よ
り好ましくは100℃〜200℃の範囲であるときに、
耐熱性と成形加工性とが高度にバランスされ、好適であ
る。
【0025】本発明で使用される脂環式構造含有重合体
樹脂の、280℃、荷重2.16kgfにおけるJIS
K6719により測定したメルトフローレートは、使
用目的に応じて適宜選択すれば良いが、通常0.1〜1
00g/10min.、好ましくは1〜50g/10m
in.の範囲が好適である。メルトフローレートがこの
範囲にあるときに低温成形可能となり、また、成形時の
ドローダウンなどの成形不良も低減でき好適である。
【0026】これらの脂環式構造含有重合体樹脂は、そ
れぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いる
ことができる。脂環式構造含有重合体樹脂材料中の脂環
式構造含有重合体樹脂の割合は、使用目的によって適宜
選択されるが、通常50重量%以上、好ましくは60〜
100重量%、より好ましくは70〜100重量%の範
囲である。
【0027】本発明に使用される脂環式構造含有重合体
樹脂材料は、上記脂環式構造含有重合体樹脂以外に必要
に応じてその他の成分を配合することが出来る。その他
の成分としては、その他のポリマー、酸化防止剤、その
他の配合剤などが挙げられる。その他のポリマーとして
はその他の樹脂や、軟質重合体などが挙げられる。
【0028】その他の樹脂としては、ポリ塩化ビニル、
ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリメチル
メタクリレートスチレン共重合体、ポリアクリロニトリ
ル、ポリアクリロニトリルスチレン共重合体、ハイイン
パクトポリスチレン(HIPS)、アクリロニトルブタ
ジエンスチレン共重合体(ABS樹脂)、ポリカーボネ
ート、ポリアリレート、ポリサルフォン、ポリエーテル
サルフォン、ポリフェニレンエーテル等の非晶性樹脂;
高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、リニア低密
度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリプロピレン、ポ
リプロピレン、ポリメチルペンテン、超高分子量ポリエ
チレン等の鎖状ポリオレフィン系重合体、ポリエチレン
テレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエ
チレンナフタレート、芳香族ポリエステル等のポリエス
テル系重合体、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン1
2、ポリアミドイミド等のポリアミド系重合体、ポリビ
ニルアルコール、ポリ塩化ビニリデンなどのビニル系重
合体、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチ
レンなどのフッ素系重合体、ポリアクリロニトリル、シ
ンジオタクチックポリスチレン、ポリオキシメチレン、
ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケ
トン、液晶ポリマー等の熱測定で結晶融点が観察される
結晶性樹脂;などが挙げられる。
【0029】軟質重合体としては、通常30℃以下のT
gを有する重合体であり、Tgが複数存在する重合体や
Tgと融点(Tm)の両方を有する重合体の場合にも、
最も低いTgが30℃以下である該軟質重合体として含
まれる。このような軟質重合体としては、(a)エチレ
ンや、プロピレンなどのα−オレフィンから主としてな
るオレフィン系軟質重合体、(b)イソブチレンから主
としてなるイソブチレン系軟質重合体、(c)ブタジエ
ン、イソプレンなどの共役ジエンから主としてなるジエ
ン系軟質重合体、(d)本発明の脂環式構造含有重合体
に該当しない、ノルボルネン、シクロペンテンなどの環
状オレフィンから主としてなる環状オレフィン系開環重
合体、(e)けい素−酸素結合を骨格とする軟質重合体
(有機ポリシロキサン)、(f)α,β−不飽和酸とそ
の誘導体から主としてなる軟質重合体、(g)不飽和ア
ルコールおよびアミンまたはそのアシル誘導体またはア
セタールから主としてなる軟質重合体、(h)エポキシ
化合物の重合体、(i)フッ素系ゴム、(j)その他の
軟質重合体、などが挙げられる。
【0030】これらの軟質重合体の具体例としては、例
えば、(a)としては、液状ポリエチレン、アタクチッ
クポリプロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ブテ
ン、1−ヘキセン、1−オクテンおよび1−デセンなど
の単独重合体; エチレン・α−オレフィン共重合体、
プロピレン・α−オレフィン共重合体、エチレン・プロ
ピレン・ジエン共重合体(EPDM)、エチレン・環状
オレフィン共重合体およびエチレン・プロピレン・スチ
レン共重合体などの共重合体が挙げられる。(b)とし
ては、ポリイソブチレン、イソブチレン・イソプレンゴ
ム、イソブチレン・スチレン共重合体などが挙げられ
る。(c)としては、ポリブタジエン、ポリイソプレン
などの共役ジエンの単独重合体; ブタジエン・スチレ
ンランダム共重合体、イソプレン・スチレンランダム共
重合体、アクリロニトリル・ブタジエン共重合体、アク
リロニトリル・ブタジエン共重合体の水素添加物、アク
リロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体などの共
役ジエンのランダム共重合体; ブタジエン・スチレン
・ブロック共重合体、スチレン・ブタジエン・スチレン
・ブロック共重合体、イソプレン・スチレン・ブロック
共重合体、スチレン・イソプレン・スチレン・ブロック
共重合体などの共役ジエンと芳香族ビニル系炭化水素の
ブロック共重合体、およびこれらの水素添加物などが挙
げられる。(d)としては、ノルボルネン、ビニルノル
ボルネン、エチリデンノルボルネンなどのノルボルネン
系モノマー、またはシクロブテン、シクロペンテン、シ
クロオクテンなどのモノ環状オレフィンのメタセシス開
環重合体およびその水素添加物が挙げられる。(e)と
しては、ジメチルポリシロキサン、ジフェニルポリシロ
キサン、ジヒドロキシポリシロキサン、などのシリコー
ンゴムなどが挙げられる。
【0031】(f)としては、ポリブチルアクリレー
ト、ポリブチルメタクリレート、ポリヒドロキシエチル
メタクリレート、ポリアクリルアミド、ポリアクリロニ
トリルなどのアクリルモノマーの単独重合体; ブチル
アクリレート・スチレン共重合体などのアクリルモノマ
ーとその他のモノマーとの共重合体が挙げられる。
(g)としては、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニ
ル、ポリステアリン酸ビニル、ポリ安息香酸ビニル、ポ
リマレイン酸ビニルなどの(エステル化)不飽和アルコ
ールの単独重合体; 酢酸ビニル・スチレン共重合体な
どの(エステル化)不飽和アルコールとその他のモノマ
ーとの共重合体などが挙げられる。(h)としては、ポ
リエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、エピク
ロルヒドリンゴム、などが挙げられる。(i)として
は、フッ化ビニリデン系ゴム、四フッ化エチレン−プロ
ピレンゴム、などが挙げられる。(j)としては、天然
ゴム、ポリペプチド、蛋白質、及び特開平8−7370
9号公報記載のポリエステル系熱可塑性エラストマー、
塩化ビニル系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可
塑性エラストマーなどが挙げられる。これらの軟質重合
体は、架橋構造を有したものであってもよく、また、変
性により官能基を導入したものであってもよい。
【0032】上記軟質重合体の中でも(a)、(b)、
(c)の軟質重合体、より好ましくは(c)のジエン系
軟質重合体、さらに好ましくは共役ジエン結合単位の炭
素−炭素不飽和結合が水素添加されたジエン系軟質重合
体の水素添加物が、特にゴム弾性に優れ、機械強度、柔
軟性、分散性に優れるため好ましい。ジエン系重合体の
好ましい例としては、ポリブタジエンなどの単独重合体
の水素添加物、ブタジエン・スチレン共重合体などのラ
ンダム共重合体の水素添加物; ブタジエン・スチレン
・ブロック共重合体、スチレン・ブタジエン・スチレン
・ブロック共重合、イソプレン・スチレン・ブロック共
重合体、スチレン・イソプレン・スチレン・ブロック共
重合体などのブロック共重合体の水素添加物;などが挙
げられる。これらのその他のポリマーは、それぞれ単独
で、あるいは2種以上を組み合わせて用いられる。脂環
式構造含有重合体樹脂材料中のこれらその他のポリマー
の配合量は、本発明の目的を損ねない範囲に適宜選択さ
れ、通常50重量%未満、好ましくは30重量%以下、
より好ましくは10重量%以下である。
【0033】本発明においては特定量の酸化防止剤を配
合することでさらにパーティクルの少ない成形体を得る
ことが出来る。酸化防止剤としては、格別な制限はない
が、例えば、フェノール系酸化防止剤や、リン系酸化防
止剤、チオエーテル系酸化防止剤、ラクトン系酸化防止
剤が挙げられ、特にフェノール系酸化防止剤が、成形品
の耐熱性、接触液体に対する耐溶出性が優れているの
で、好ましい。
【0034】フェノール系酸化防止剤としては、従来公
知のものが使用でき、例えば、2−第3ブチル−6−
(3−第3ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジ
ル)−4−メチルフェニルアクリレート、2,4−ジ−
第3アミル−6−(1−(3,5−ジ−第3アミル−2
−ヒドロキシフェニル)エチル)フェニルアクリレート
などの特開昭63−179953号公報や特開平1−1
68643号公報に記載されるアクリレート系フェノー
ル化合物;2,6−ジ−第3ブチル−4−メチルフェノ
ール、2,6−ジ−第3ブチル−4−エチルフェノー
ル、オクタデシル−3−(3,5−ジ−第3ブチル−4
−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2’−メ
チレン−ビス(4−メチル−6−第3ブチルフェノー
ル)、4,4’−ブチリデン−ビス(6−第3ブチル−
m−クレゾール)、4,4’−チオビス(3−メチル−
6−第3ブチルフェノール)、ビス(3−シクロヘキシ
ル−2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)メタン、
3,9−ビス(2−(3−(3−第3ブチル−4−ヒド
ロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ)−
1,1−ジメチルエチル)−2,4,8,10−テトラ
オキサスピロ[5,5]ウンデカン、1,1,3−トリ
ス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−第3ブチルフェ
ニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−
トリス(3,5−ジ−第3ブチル−4−ヒドロキシベン
ジル)ベンゼン、テトラキス(メチレン−3−(3’,
5’−ジ−第3ブチル−4’−ヒドロキシフェニルプロ
ピオネート)メタン[すなわち、ペンタエリスリメチル
−テトラキス(3−(3,5−ジ−第3ブチル−4−ヒ
ドロキシフェニルプロピオネート)]、トリエチレング
リコールビス(3−(3−第3ブチル−4−ヒドロキシ
−5−メチルフェニル)プロピオネート)、トコフェノ
ールなどのアルキル置換フェノール系化合物;6−(4
−ヒドロキシ−3,5−ジ−第3ブチルアニリノ)−
2,4−ビスオクチルチオ−1,3,5−トリアジン、
6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルアニリノ)−
2,4−ビスオクチルチオ−1,3,5−トリアジン、
6−(4−ヒドロキシ−3−メチル−5−第3ブチルア
ニリノ)−2,4−ビスオクチルチオ−1,3,5−ト
リアジン、2−オクチルチオ−4,6−ビス−(3,5
−ジ−第3ブチル−4−オキシアニリノ)−1,3,5
−トリアジンなどのト
【0035】リン系酸化防止剤としては、一般の樹脂工
業で通常使用される物であれば格別な限定はなく、例え
ば、トリフェニルホスファイト、ジフェニルイソデシル
ホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイト、ト
リス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(ジノニ
ルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−第3
ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(2−第3ブチ
ル−4−メチルフェニル)ホスファイト、トリス(シク
ロヘキシルフェニル)ホスファイト、2,2−メチレン
ビス(4,6−ジ−第3ブチルフェニル)オクチルホス
ファイト、9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホ
スファフェナントレン−10−オキサイド、10−
(3,5−ジ−第3ブチル−4−ヒドロキシベンジル)
−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフ
ェナントレン−10−オキサイド、10−デシロキシ−
9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェ
ナントレンなどのモノホスファイト系化合物;4,4’
−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−第3ブチルフェ
ニル−ジ−トリデシルホスファイト)、4,4’−イソ
プロピリデン−ビス(フェニル−ジ−アルキル(C12
〜C15)ホスファイト)、4,4’−イソプロピリデ
ン−ビス(ジフェニルモノアルキル(C12〜C15)
ホスファイト)、1,1,3−トリス(2−メチル−4
−ジ−トリデシルホスファイト−5−第3ブチルフェニ
ル)ブタン、テトラキス(2,4−ジ−第3ブチルフェ
ニル)−4,4’−ビフェニレンジホスファイト、サイ
クリックネオペンタンテトライルビス(イソデシルホス
ファイト)、サイクリックネオペンタンテトライルビス
(ノニルフェニルホスファイト)、サイクリックネオペ
ンタンテトライルビス(2,4−ジ−第3ブチルフェニ
ルホスファイト)、サイクリックネオペンタンテトライ
ルビス(2,4−ジメチルフェニルホスファイト)、サ
イクリックネオペンタンテトライルビス(2,6−ジ−
第3ブチルフェニルホスファイト)などのジホスファイ
ト系化合物などが挙げられる。これらの中でも、モノホ
スファイト系化合物が好ましく、トリス(ノニルフェニ
ル)ホスファイト、トリス(ジノニルフェニル)ホスフ
ァイト、トリス(2,4−ジ−第3ブチルフェニル)ホ
スファイトなどが特に好ましい。
【0036】イオウ系酸化防止剤は、例えば、ジラウリ
ル3,3−チオジプロピオネート、ジミリスチル3,
3’−チオジプロピオネート、ジステアリル3,3−チ
オジプロピオネート、ラウリルステアリル3,3−チオ
ジプロピオネート、ペンタエリスリトール−テトラキス
−(β−ラウリル−チオ−プロピオネート)、3,9−
ビス(2−ドデシルチオエチル)−2,4,8,10−
テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカンなどを挙げる
ことができる。
【0037】ラクトン系酸化防止剤は、ラクトン構造を
含む化合物ものであれば特に限定はされないが、芳香族
系のラクトン化合物が好ましい。この中でもベンゾフラ
ノン骨格を有するものがより好ましく、さらにアリール
基を置換基としてフラン環の側鎖に有する3−アリール
ベンゾフラン−2−オンがより好ましい。 一例として
5,7−ジ−第三ブチル−3−(3、4−ジ−メチルフ
ェニル)−3H−ベンゾフラン−2−オンをあげること
ができる。
【0038】本発明においては、脂環式構造含有重合体
に対する酸化防止剤の配合量は、ノルボルネン系重合体
100重量部に対してそれぞれ、通常0.0001ない
し0.01重量部、好ましくは0.0001ないし0.
005重量部、より好ましくは0.0001ないし0.
003重量部の範囲である。脂環式構造含有重合体樹脂
材料中の酸化防止剤の配合量が過度に多いと、パーティ
クルの発生が増える場合があり、また逆に過度に少ない
と、成形体の長期安定性に劣る場合がある。
【0039】その他の配合剤については、例えば、樹脂
工業で一般的に用いられるものであれば格別な制限はな
いが、例えば、紫外線吸収剤および/または光安定剤
や、可塑剤、顔料、近赤外線吸収剤、帯電防止剤、アル
コール性化合物などを挙げることができる。これらのそ
の他の配合剤は、単独であるいは2種以上を組み合わせ
て用いることができ、その配合剤は本発明の目的を損ね
ない範囲で適宜選択される。
【0040】容器 本発明の容器は、少なくとも容器の内面が上記脂環式構
造含有重合体樹脂材料をブロー成形して成ることを特徴
とする。本発明においては、特に脂環式構造含有重合体
樹脂材料をブロー成形する前に材料中のの該脂環式構造
含有重合体樹脂のTg以下で揮発し得る揮発分残量を1
50ppm以下、好ましくは100ppm以下、より好
ましくは80ppm以下とすることにより、ブロー成形
された容器の内表面に表れる微小な突起が低減し、その
効果によって、パーティクルの発生が十分に抑えられる
容器が得られる。脂環式構造含有重合体樹脂材料の揮発
分残量を低減させる方法としては、格別限定はないが、
例えば、加熱処理及び/または減圧処理の方法が効果的
である。加熱処理及び/または減圧処理とは、樹脂中に
含まれる揮発分すなわち成形時に気体となりうる物質
を、除去する処理のことで、成形時に気体となりうる物
質としては、例えば、樹脂中に含まれる空気(酸素、窒
素、二酸化炭素など)や、水分、残留モノマー、オリゴ
マー、残留有機溶媒、配合物そのもの、樹脂やその他配
合物の分解ガスなどである。それらを除去することで、
成形品の表面に現れる発生ガスによる表面不良が低減さ
れ、表面の平滑性を高めることで、接触した液体のパー
ティクルの発生を低減することができる。
【0041】加熱および/または減圧処理する具体的な
方法としては、格別な制限はないが、脂環式構造含有重
合体樹脂材料を、40℃から脂環式構造含有重合体樹
脂のTg−5(℃)までの温度範囲、好ましくは50℃
〜(Tg−5)℃の温度範囲で30分以上、好ましくは
1時間以上加熱する方法、脂環式構造含有重合体樹脂
の(Tg−5)℃以下で、減圧(通常500mmHg以
下、好ましくは200mmHg以下)処理を通常10分
以上、好ましくは20分以上行う方法などが挙げられ
る。これら揮発分残量含有量を低減した脂環式構造含有
重合体樹脂材料は、速やかに、通常上記処理完了から、
1時間以内、好ましくは30分以内にブロー成形を行う
のが好適である。脂環式構造含有重合体樹脂材料中に存
在する脂環式構造重合体樹脂材料のTg以下で揮発しう
る揮発分残量を測定するには、まず脂環式構造含有重合
体樹脂材料の総揮発分量を予め測定ておいた後に、加熱
および/または減圧処理する事による揮発減量分を差し
引くことで求められる。総揮発分量は以下のように測定
する。シリカゲルを充填したデシケータ中で24時間
以上静置し予め重量を測定した秤量瓶中に、脂環式構造
含有重合体樹脂材料を10〜50g精秤(Ag)する。
の秤量瓶を、脂環式構造含有重合体樹脂材料の(T
g−5)℃に温度設定した真空乾燥機の中で、10mm
Hg以下で24時間放置する。24時間後真空乾燥機
から取り出したの秤量瓶を、デシケータ中で、10分
間放冷したのち精秤(Bg)し、最初の重量(Ag)と
真空処理後の重量(Bg)との差を、樹脂中に存在する
総揮発分量とする。総揮発分濃度:Cは(A−B)/A
で表される。次に、加熱および/または減圧処理する事
による揮発減量分する事による揮発減量分の求め方は、
上記方法のの処理条件を、おのおのの加熱および/ま
たは減圧処理に代えることで、同様の算出方法で求めら
れる(D)。揮発分残量は、(D−C)で求められる。
【0042】成形の溶融前、または溶融中に加熱および
または減圧処理を行ってブロー成形することに特徴があ
る。 ブロー成形を行うことで得られる成形体について
は特に制限はないが、一般に容器、特に液体,固体を問
わず、食品、医薬品、薬品、特に半導体製造用の薬液、
一般産業用部品などを入れる容器、検査用のセルやチュ
ーブ、表面平滑性を重要とするパイプ、ホースなどの産
業用器材や、車用バンパー、ランプ周辺部品、装飾用パ
ネルなどが挙げられる。
【0043】ブロー成形方法 脂環式構造含有重合体樹脂材料をブロー成形する方法と
しては、常法に従えばよく、例えば、射出ブロー成形、
ダイレクトブロー成形などの方法を用いて成形できる。
パーティクルの発生を抑えるためには、好ましくはダイ
レクトブロー成形を行う。ブロー成形以外方法として例
えば射出成形を行うと、金型と容器内面となる樹脂との
接触が起こり、パーティクルの発生する要因となり好ま
しくない。ブロー成形条件は、脂環式構造含有重合体樹
脂のガラス転移点や、流動性によっても異なるが、成形
温度は、通常、脂環式構造含有重合体樹脂のガラス転移
点よりも100℃〜350℃、好ましくは、120℃〜
300℃、より好ましくは、140℃〜250℃高い温
度で成形する。成形温度が過度に低すぎると、熱劣化に
は影響が少ないが、流動性が下がり、精密成形が困難と
なり、また逆に成形温度が過度に高すぎると、精密成形
はしやすくなるが、樹脂の劣化がおこり、成型品に着
色、強度低下などの不具合が生じる場合がある。ブロー
金型温度は、脂環式構造含有重合体樹脂のTgに対し
て、通常、−150℃〜+10℃、好ましくは−100
℃〜0℃の温度範囲である。ブロー成形の環境は、異物
の混入を防止し、製品の歩留まりを上げる意味で、クリ
ーンルーム内で成形することが好ましく、ブローするた
めのガスもあらかじめフィルターなどで微粒子を除去し
たものを用いることが好ましい。本発明においては,特
に前記脂環式構造含有重合体樹脂材料をブロー成形する
ことにより、表面平滑性の高い容器が得られ、パーティ
クルの発生を抑えられる。脂環式構造含有重合体樹脂材
料からなる内面の厚さは、使用目的に応じて適宜選択す
ればよいが、通常0.01mm〜20mm、好ましくは
0.1mm〜10mmの範囲である。
【0044】本発明の容器は少なくとも内面に脂環式構
造含有重合体樹脂材料をブロー成形してなること以外は
格別な限定はないが、例えば容器の外層にその他の樹脂
材料からなる層を設けても良い。その他の樹脂材料とし
ては、脂環式構造含有重合体樹脂以外のその他の樹脂を
通常50重量%以上、好ましくは70重量%以上。さら
に好ましくは90重量%以上含むものである。
【0045】その他の樹脂としては、前記その他の樹脂
の例示と同様であり、それらの中でも、汎用性の高く、
強度の信頼性の高い、ポリエチレン、ポリプロピレン、
ポリエチレンテレフタレート、ポリアミドなどの結晶性
樹脂が好ましく、さらにコストの面から、高密度ポリエ
チレンがより好ましい。その他の樹脂材料は、上記他の
樹脂以外に必要に応じて、酸化防止剤やその他の配合剤
を配合しても良い。酸化防止剤やその他の配合剤の例示
は、前記のものと同様であり、その配合量は、本発明の
目的を損なわない範囲で適宜選択される。その他の樹脂
材料からなる層の厚みは、使用目的に応じ、適宜検討さ
れれば良いが、通常0.1mmから30mm、好ましく
は、0.1mmから20mmの範囲である。
【0046】少なくとも内面に脂環式構造含有重合体樹
脂材料をブロー成形してなり且つ外層にその他の樹脂材
料からなる層を設けてなる容器の製造方法は、常法に従
えば良く、例えば脂環式構造含有重合体樹脂材料とその
他の樹脂材料を多層ダイで多層ブロー成形して行うこと
が出来る。多層ブロー条件は前期ブロー成形条件と同様
である。本発明の容器の容量は、使用目的に応じて適宜
選択されるが、通常10mlから200,000ml、
好ましくは100mlから100,000ml範囲であ
る。
【0047】本発明の容器は、pH3以下の酸性水溶
液、pH10以上のアルカリ性水溶液、及び過酸化水素
からなる群から選ばれる少なくとも1種類の水溶液を充
填し、23℃環境下、24時間静置条件下でのパーティ
クルの発生量は、容器と水溶液とが接触する内表面積1
cmあたり0.2μm以下のパーティクルの発生量
で、通常0.5counts/ml以下、好ましくは
0.4counts以下、より好ましくは0.3cou
nts/ml以下である。本発明の容器は、上記3種類
の水溶液の、少なくともいずれか1種類の水溶液を充填
させたときに、パーティクル発生量が上記要件を満たす
ようなものであれば、当該水溶液を選択的に使用する半
導体処理工程において有効に使用できて好適であるが、
できるだけ多くの種類の水溶液を充填させたときにも、
パーティクル発生量が上記要件を満たすものはより多く
の半導体処理工程で使用できるため好ましく、3種類す
べての水溶液を充填したときにも、パーティクルの発生
量が上記要件を満たすものであれば最も好ましい。
【0048】パーティクルの測定にはパーティクルカウ
ンターを用いて測定する。本発明では、作成した容器
に、任意の量の上記水溶液を入れ、その容器を23℃
で、24時間放置した後にパーティクルを測定する。正
確にパーティクルを測定するためには、水溶液を容器に
入れる際や、パーティクルを測定する際の周辺環境はあ
らかじめクリーン度の高いことが望ましい。pH3以下
の酸性水溶液については、pHメーター、pH試験紙、
pH指示薬などのいずれかの測定方法でpH3以下を示
す水溶液であれば、酸の種類、および濃度については特
に制限はないが、例えば、硫酸、亜硫酸、硝酸、塩酸、
次亜塩素酸、塩素酸、過塩素酸、フッ化水素、臭化水
素、ヨウ化水素、過マンガン酸、燐酸、クロム酸、ほう
酸、蟻酸、酢酸、シュウ酸、酒石酸、クエン酸、フェノ
ールなどの無機、または有機酸の、単独の、または混合
された水溶液を、pH3以下となるような濃度に調整す
ることで得られる。これらの中で半導体製造用薬液とし
ては、一般に、80重量%以上の硫酸、50重量%以上
の硝酸、30重量%以上の塩酸、40重量%以上のフッ
化水素酸などが用いられる。pH10以上のアルカリ性
水溶液は、pHメーター、pH試験紙などのいずれかの
測定方法でpH10以上を示す水溶液であれば、アルカ
リの種類、および濃度については特に制限はないが、例
えばアンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、
水酸化バリウム、水酸化カルシウムなどの単独の、また
は混合された水溶液を、pH10以上となるような濃度
に調整することで得られる。これらの中で半導体製造用
薬液としては、一般に、30重量%以上のアンモニア水
などが用いられる。過酸化水素水については、特に10
重量%以上が用いられる。
【0049】
【実施例】以下、本発明について、製造例、実施例、及
び比較例を挙げて、より具体的に説明するが、本発明の
範囲はこれらの例に限定されるものではない。これらの
例において、[部]及び[重量部]は、特に断りのない
限り、重量基準である。また、各種物性の測定法は、次
のとおりである。
【0050】(1)Tgは、示差走査熱量計(DSC
法)により測定した。 (2)分子量は、特に記載しない限り、シクロヘキサン
を溶媒とするゲルパーミエーションクロマトグラフィー
(GPC)で測定されるポリイソプレン換算値として測
定した。 (3)メルトフローレートは、JIS K6719によ
り、温度280℃、荷重2.16kgfで測定した。 (4)樹脂の揮発分残量は、加熱および/または減圧処
理を行った材料のみ、測定した。測定方法は、本文中記
載方法にしたがい、樹脂材料約20gの重量変化をガラ
ス製の内容量50ccの秤量瓶を用いて測定、算出し
た。 (5)内表面の平滑性[1]は、容器を垂直方向に半分
に割り、内表面を目視で観察し、表面に直径30μmの
ボイド、気泡などの欠陥がないかを確認した。これらの
評価は、 ○・・・内表面の欠陥は1箇所/表面積1000cm
以下のもの △・・・内表面の欠陥は2または3箇所/表面積100
0cmのもの ×・・・内表面の欠陥は4箇所/表面積1000cm
以下のもの (6)内表面の平滑性[2]は内表面の任意の内周側壁
部5mmを、接触式表面粗さ計(分解能0.02μm)
で測定し表面粗さRaを表した。 (7)水溶液のパーティクルは、パーティクルカウンタ
ー(リオン社製KL−26)で測定した。なお水溶液の
充填環境、および祖パーティクルの測定環境はいずれも
クリーン度:クラス100以上で実施した。
【0051】(参考例1)窒素雰囲気下、脱水したシク
ロヘキサン500重量部に、1−ヘキセン0.56重量
部、ジブチルエーテル0.11重量部、トリイソブチル
アルミニウム0.22重量部を室温で反応器に入れ混合
した後、45℃に保ちながら、8−メチル−テトラシク
ロ[4.4.0.12,5 .17,10]ドデカ−3
−エン200重量部および六塩化タングステン0.70
重量%トルエン溶液30重量部を2時間かけて連続的に
添加し、重合した。重合反応終了後、重合反応液を耐圧
の水素化反応器に移送し、珪藻土担持ニッケル触媒(日
産ガードラー社製;G−96D、ニッケル担持率58重
量%)10重量部を加え、180℃、水素圧45kgf
/cm で10時間反応させた。この溶液を、珪藻土
をろ過助剤としてステンレス製金網をそなえたろ過器に
よりろ過し、触媒を除去した。得られた反応溶液を30
00重量部のイソプロピルアルコール中に攪拌下に注い
で水素添加物を沈殿させ、ろ別して回収した。さらに、
アセトン500重量部で洗浄した後、1mmHg以下、
100℃に設定した減圧乾燥器中で48時間乾燥し、ノ
ルボルネン系開環重合体の水素添加物190重量部を得
た。 (重合体物性) 得られた開環重合体水素添加物の主鎖
水素添加率は99.9%、数平均分子量(Mn)は、2
0,400、重量平均分子量(Mw)は、41,20
0、分子量分布(Mw/Mn)は2.02であった。2
80℃におけるメルトフローレートは、20g/10m
in.であり、Tgは140℃、比重は1.01であっ
た。
【0052】(参考例2)参考例1で得られた開環重合
体水素添加物100部に、酸化防止剤としてチバガイギ
ー社製イルガノックス1010(ペンタエリトリトール
テトラキス[3−(3,5− ジ−第3ブチル−4−ヒ
ドロキシフェニル)プロピオネート])を0.002部
添加し、2軸押出機(東芝機械社製TEM−35B、ス
クリュー径37mm、L/D=32、スクリュー回転数
250rpm、樹脂温度240℃、フィードレート10
kg/時間)で混練し、押し出し、ペレット化した。得
られたペレットの総揮発分量は300ppmであった。
【0053】(参考例3)参考例1で得られた開環重合
体水素添加物100部に、酸化防止剤としてチバガイギ
ー社製イルガノックス1010を0.005部添加し、
参考例2と同様の方法でペレット化した。得られたペレ
ットの総揮発分量は300ppmであった。
【0054】(参考例4)参考例1で得られた開環重合
体水素添加物100部に、酸化防止剤としてチバガイギ
ー社製イルガノックス1010を0.05部添加し、参
考例2と同様の方法でペレット化した。得られたペレッ
トの総揮発分量は310ppmであった。
【0055】(実施例1)参考例2で得られた樹脂材料
を、110℃で、3時間、空気中で加熱処理をしたの
ち、クラス100のクリーンルーム中で、シリンダー径
30mmφ、シリンダー温度270℃、ダイス温度26
0℃、ブロー型温度50℃に設定したダイレクトブロー
成形機で、内径140mm、高さ350mm、の図1に
示す円筒形の、厚さ0.8mmのブロー容器を作成し
た。110℃、3時間での処理条件で揮発分残量を測定
したところ、70ppmであった。得られたブロー容器
の内表面の平滑性の結果は表1に示す。このボトル8本
に、超純水1000mlを充填し、内壁を洗浄した後
に、硝酸(67.5重量%;pH1〜2)、フッ化水素
酸(50重量%;pH1〜2)、アンモニア水(35重
量%;pH11〜12)、過酸化水素水(35重量%)
をそれぞれ2本ずつ充填し、参考例2のペレットから射
出成形されたスクリューキャップを用いて密栓した。薬
液の充填直後と、24時間後のパーティクルの発生量を
測定した。結果は表1に示す。いずれもパーティクルの
発生は非常に少なく、これらの水溶液をパーティクルを
増加させず清浄に保てるものであることが確認できた。
【0056】(実施例2)参考例2の樹脂材料を用い
て、空気中で加熱処理をした代わりに、110℃に一旦
加熱した樹脂材料を、50mmHgの減圧下で、1時間
処理した以外は、実施例1と同様の方法で図1に示すよ
うなブロー容器を作成した。この方法と同様の条件で揮
発分残量を測定したところ、40ppmであった。この
ブロー容器の内表面の平滑性およびパーティクルの発生
量の測定結果は表1に示す。
【0057】(実施例3)参考例3の樹脂材料を用いた
以外は、実施例1と同様の方法でブロー容器を作成し
た。このブロー容器の内表面の平滑性、およびパーティ
クルの発生量の測定結果は表1に示す。
【0058】(実施例4)超高密度ポリエチレン(HD
PE;昭和電工、ショウレックスS5003BH)と参
考例2の樹脂を使用し、成形機を2層ブロー成形の可能
な2本のシリンダーを持つ成形機を用いて、外層側にH
DPEをシリンダー温度190℃で押し出し、内層側に
参考例2の樹脂材料をシリンダー温度270℃で押し出
し、共押出し用のダイス温度を260℃にした以外は、
実施例1と同様の方法でブロー容器を作成した。 この
ブロー容器の内表面の平滑性、およびパーティクルの発
生量の測定結果は表1に示す。
【0059】(実施例5)樹脂材料を参考例4のものに
変えた以外は、実施例1と同様の方法でブロー容器を作
成した。 このブロー容器の内表面の平滑性、およびパ
ーティクルの発生量の測定結果は表1に示す。
【0060】(実施例6)加熱処理を行わなかった以外
は実施例3と同様の方法でブロー容器を作成した。この
ブロー容器の内表面の平滑性、およびパーティクルの発
生量の測定結果は表1に示す。
【0061】(実施例7)加熱処理を行わなかった以外
は実施例5と同様の方法でブロー容器を作成した。この
ブロー容器の内表面の平滑性、およびパーティクルの発
生量の測定結果は表1に示す。
【0062】(比較例1)樹脂材料を実施例4で用いた
HDPEにして、実施例1の成形機で、シリンダー温度
190℃、ダイス温度210℃で、単層のHDPE製ブ
ロー容器を作成した。このブロー容器の内表面の平滑
性、およびパーティクルの発生量の測定結果は表1に示
す。
【0063】(比較例2)実施例1で使用したダイレク
トブロー成形機に代えて、成形機を、シリンダー温度2
70℃、金型温度100℃に設定した射出成形機(日精
樹脂工業、FS−80、型締め力80t、シリンダー径
32mmφ)を用いて、参考例4の樹脂材料を用いて図
2に示すような底面の内径139.5mm、口部の内径
140.0mm、高さ300mmの円筒形の容器を作成
した。この容器を実施例1と同様の方法で内表面の平滑
性、およびパーティクルの発生量を測定した。結果を表
1に示す。
【0064】
【表1】
【0065】
【発明の効果】本発明によれば、容器自体の内面からの
パーティクルの発生が少ないため、特にpH3以下の酸
性水溶液、pH10以上のアルカリ性水溶液、または過
酸化水素水などの半導体製造用薬液の保管、搬送におい
て、該薬液の清浄度を保持できるブロー容器が提供され
る。また、ブロー成形前に、成形用材料に特定の処理を
行うことで表面平滑性が改善されたブロー成形体及びそ
の製造方法が提供される。
【0066】
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、ブロー成形容器の半断面図である。
【符号の説明】 1・・ブロー成形容器本体 2・・キャップ装着部(スクリュー部)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3E033 AA02 BA15 BB04 BB05 DA03 DB01 DD01 FA03 GA02 4F071 AA39 AC11 AC13 AC15 AE05 AG34 AH12 BB06 BC04 BC17 4J002 CE001 EJ026 EJ036 EJ066 EL076 EL126 EU186 EV066 EV076 EW066 FD076 GG01 GQ05 4J032 CA34 CA35 CA36 CA38 CA43 CA45 CD02 CD03 CD04 CD05 CD09 CE03 CE05 CF03 CG01 CG07

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも容器の内面が脂環式構造含有
    重合体樹脂材料をブロー成形してなるものであり、且つ
    pH3以下の酸性水溶液、pH10以上のアルカリ性水
    溶液、及び過酸化水素水からなる群から選ばれる少なく
    とも1種の水溶液を容器に充填した場合の、23℃環境
    下、24時間静置条件下での0.2μm以上のパーティ
    クル発生量が、容器と水溶液とが接触する内表面積1c
    あたり0.5counts/ml以下である成形容
    器。
  2. 【請求項2】 容器が半導体製造用薬液用である請求項
    1記載のブロー成形容器。
  3. 【請求項3】 脂環式構造含有重合体樹脂材料中に含ま
    れる酸化防止剤量が、脂環式構造含有重合体樹脂材料1
    00重量部に対し、0.0001重量部〜0.01重量
    部の範囲である請求項1または2記載の成形容器。
  4. 【請求項4】 脂環式構造含有重合体樹脂材料中の、該
    脂環式構造重合体樹脂のガラス転移温度以下で揮発し得
    る揮発分残量を150ppm以下にする工程、およびそ
    の後に該材料をブロー成形する工程を含むことを特徴と
    する成形容器の製造方法。
  5. 【請求項5】 揮発分残量を150ppm以下にする工
    程が、加熱処理および/または減圧処理である請求項4
    記載の製造方法。
  6. 【請求項6】 脂環式構造含有重合体樹脂材料中に酸化
    防止剤を含み、且つその酸化防止剤量が、該脂環式構造
    含有重合体樹脂100重量部に対し、0.0001重量
    部〜0.01重量部である請求項4または5記載の製造
    方法。
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WO2014087935A1 (ja) 2012-12-05 2014-06-12 日本ゼオン株式会社 樹脂組成物及びそれを用いた医療用薬剤容器

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