JP4253791B2 - ポリイミドフィルムの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、フイルムの歪みや異方性を解消し、かつ寸法安定性に優れたポリイミドフィルムを製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ポリイミドフィルムは、その優れた耐熱性・耐溶剤性・電気絶縁性などを生かして種々の用途に広く用いられており、とりわけ半導体や実装回路基板用途に幅広く使用されている。
【0003】
ポリイミドフィルムの代表的な素材は、ピロメリット酸二無水物と4,4’−ジアミノジフェニルエーテルからなるポリイミドである。このポリイミドは機械的・熱的特性のバランスに優れた構造であり、汎用の製品として広く工業的に用いられているが、表面の接着性が乏しいことが問題となっている。
【0004】
一方、ポリイミドフィルムは、通常前駆体としてのポリアミック酸をイミド化する工程を踏むが、ポリアミック酸を十分イミド化するためには高温での加熱が必要である。また、フィルムとしての靭性を付与するためには、十分な分子鎖間のパッキングを発現する必要があり、そのためにも高温で加熱する必要がある。しかしながら、高温で加熱した場合には、フィルムに歪みが生じ、平面性の良いフィルムを得ることができないという問題があった。このような歪みをなくすためには、フィルムの幅方向両端を固定しているピンやチャックなどの間隔を広げてやることが有効であるが、これらの方法では、フィルムが幅方向にのみ延伸され、出来上がったフィルムには顕著な異方性を生じることになる。これについては、フィルムの進行方向にも延伸を加えることで、異方性を修正することが原理的には可能であるが、フィルムの進行方向への延伸は工業的には困難であり、設備も大掛かりとなり、製造コスト高になるという問題があった。しかしながら、歪みや異方性があると、表面の接着性がますます乏しくなるという問題が生じることになる
このような問題を解決する従来手段としては、ガラス転移温度を有するポリイミドを用い、加熱前半でフィルム幅を順次小さくし、加熱後半でフィルム幅を順次大きくすることにより歪みをなくす方法(例えば特許文献1参照)などが検討されている。この方法は、加熱前半ではフィルムが収縮し、加熱後半では逆にフィルムが伸びる傾向を利用いている。しかしながらこのような方法では、フィルムの歪みや異方性は緩和できるが、逆に寸法変化を生じやすいという欠点を有していた。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−290401号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、本発明の目的は、かかるポリイミドフイルムの歪みや異方性を解消し、かつ寸法安定性の優れたポリイミドフィルムの製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明のポリイミドフィルムの製造方法は、ポリイミド前駆体であるポリアミック酸またはポリイミドを溶剤中に溶解した溶液をエンドレスベルトまたはドラム上に連続的に塗布し、自己支持性がでるまで乾燥した後、このゲルフィルムの両端を固定し、フィルム幅を変更しながら加熱炉中を搬送することによりポリイミドフィルムとするポリイミドフィルムの製造方法において、まずフィルム幅を順次小さくするように固定端間距離を設定し、次にフィルム幅を順次大きくするように固定端間距離を設定した後、さらにフィルム幅を順次小さくするかあるいはフィルム幅が一定になるように固定端距離を設定することにより、フィルムの作成1日後の寸法安定性(作成直後からの変化率)を0.00%、かつフィルムの作成1ヶ月後の寸法安定性(作成直後からの変化率)を0.04%以下にすることを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の特徴は、加熱炉内でまずフィルム幅を順次小さくするように固定端間距離を設定し、次にフィルム幅を順次大きくするように固定端間距離を設定した後、さらにフィルム幅を順次小さくするかあるいはフィルム幅が一定になるように固定端距離を設定することである。例えば、ポリアミック酸溶液を支持体上で加熱した後に支持体より引き剥がしたゲルフィルムを100〜500℃程度まで連続的に加熱した場合、加熱前半(100〜250℃くらい)ではフィルムは収縮し、加熱後半(250〜500℃くらい)ではフィルムは伸びる。したがって、フィルムが収縮する際にフィルム幅を小さくすることでフィルムの歪みを抑え、逆にフィルムが伸びる際にフィルム幅を大きくすることで、やはりフィルムの歪みを抑えることが可能となる。但し、フィルム幅を大きくすることで寸法変化が生じるので、最後にフィルム幅を順次小さくするかあるいはフィルム幅が一定になるようにすることで寸法変化を軽減することが重要である。
【0009】
フィルム幅変更の割合に関しては、ポリイミドの種類によって収縮や伸びの割合が異なるので一概に言えないが、好ましくは0.10〜10.0倍であり、より好ましくは0.20〜5.0倍であり、最も好ましくは0.50〜2.0倍である。
【0010】
ここで、フィルム幅を大きくする場合には1.001〜10.0倍、より好ましくは1.01〜5倍、最も好ましくは1.1〜2.0倍である。また、フィルム幅を小さくする場合には、0.10〜0.99倍、より好ましくは0.20〜0.95倍、最も好ましくは0.50〜0.90倍である。このようなフィルム幅の変更により、フィルムの幅方向の延伸倍率が0.25〜4.0、好ましくは0.5〜2.0になるように制御することで、寸法安定性に優れたフィルムを得ることができる。
【0011】
フィルム幅の変更に伴い、フィルムの搬送による張力を調整し、フィルムを縦方向に0.5〜2.0倍程度延伸倍率にすることも好ましい。
【0012】
本発明において、ポリアミック酸またはポリイミドについては、フィルム形成できるものであれば特に限定されないが、好ましくは以下に示す酸二無水物とジアミンとから合成されるポリアミック酸及びポリイミドが挙げられる。
(1)酸二無水物
ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3’,3,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンジカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル、ピリジン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−デカヒドロナフタレンテトラカルボン酸二無水物、4,8−ジメチル−1,2,5,6−ヘキサヒドロナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,6−ジクロロ−1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,7−ジクロロ−1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−テトラクロロ−1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,8,9,10−フェナントレンテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、1,1−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、ベンゼン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、3,4,3’,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物など。
(2)ジアミン
4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、メタフェニレンジアミン、パラフェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルプロパン、3,4’−ジアミノジフェニルプロパン、3,3’−ジアミノジフェニルプロパン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、ベンチジン、4,4’−ジアミノジフェニルサルファイド、3,4’−ジアミノジフェニルサルファイド、3,3’−ジアミノジフェニルサルファイド、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、2,6−ジアミノピリジン、ビス−(4−アミノフェニル)ジエチルシラン、3,3’−ジクロロベンチジン、ビス−(4−アミノフェニル)エチルホスフィノキサイド、ビス−(4−アミノフェニル)フェニルホスフィノキサイド、ビス−(4−アミノフェニル)−N−フェニルアミン、ビス−(4−アミノフェニル)−N−メチルアミン、1,5−ジアミノナフタレン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,4’−ジメチル−3’,4−ジアミノビフェニル3,3’−ジメトキシベンチジン、2,4−ビス(p−β−アミノ−t−ブチルフェニル)エーテル、ビス(p−β−アミノ−t−ブチルフェニル)エーテル、p−ビス(2−メチル−4−アミノペンチル)ベンゼン、p−ビス−(1,1−ジメチル−5−アミノペンチル)ベンゼン、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン、1,3−ジアミノアダマンタン、3,3’−ジアミノ−1,1’−ジアミノアダマンタン、3,3’−ジアミノメチル1,1’−ジアダマンタン、ビス(p−アミノシクロヘキシル)メタン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、3−メチルヘプタメチレンジアミン、4,4’−ジメチルヘプタメチレンジアミン、2,11−ジアミノドデカン、1,2−ビス(3−アミノプロポキシ)エタン、2,2−ジメチルプロピレンジアミン、3−メトキシヘキサエチレンジアミン、2,5−ジメチルヘキサメチレンジアミン、2,5−ジメチルヘプタメチレンジアミン、5−メチルノナメチレンジアミン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、1,12−ジアミノオクタデカン、2,5−ジアミノ−1,3,4−オキサジアゾール、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、N−(3−アミノフェニル)−4−アミノベンズアミド、4−アミノフェニル−3−アミノベンゾエートなど。
【0013】
これらのポリアミック酸およびポリイミドを合成する際に用いる溶媒としては、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、N−メチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドなどが挙げられるが、これらに限定されない。また、ポリイミドを合成する際には、第三級アミン類に代表される各種触媒、有機カルボン酸無水物に代表される各種脱水剤などを適宜使用してもよい。
【0014】
ポリイミド前駆体であるポリアミック酸またはポリイミドを溶剤中に溶解した溶液をエンドレスベルトまたはドラム上に連続的に塗布して乾燥する場合、エンドレスベルトまたはドラム上で自然に乾燥してもよいが、エンドレスベルトまたはドラムをある程度加熱しておき、この熱によりフィルムに自己支持性がでるまで乾燥することが好ましい。エンドレスベルトまたはドラムの加熱温度としては30〜200℃が好ましく、より好ましくは50〜150℃である。加熱温度が低すぎるとフィルムに自己支持性が出るまで長時間必要となり、逆に加熱温度が高すぎるとこの段階でフィルムに歪みや異方性が生じてしまう。
【0015】
次に、フィルムの両端を固定する方法としては、ピンに突き刺す方法やチャックなどで加える方法などが挙げられるが、これらに限定されない。両端固定の際には、あらかじめフィルムのエンドレスベルトやドラムから剥離しておくのが好ましいが、場合によってはエンドレスベルトやドラムの上にある状態で両端固定してもよい。
【0016】
フィルム幅を変更しながら加熱炉中を搬送する際の加熱炉の温度としては、50〜650℃の温度範囲が挙げられる。好ましくはこの50〜650℃の温度に勾配を設け、加熱炉前半では比較的低い温度(50〜200℃)で加熱し、加熱炉後半では比較的高い温度(300〜650℃)で加熱するのがよい。さらに好ましくは、加熱炉前半では比較的低い温度(50〜200℃)で加熱し、次に加熱炉中央部では150〜450℃で加熱し、加熱炉後半では比較的高い温度(300〜600℃)で加熱するのがよい。加熱炉前半の温度範囲としては100〜150℃がより好ましく、加熱炉後半の温度範囲としては350〜550℃がより好ましい。
【0017】
本発明により製造されるポリイミドフィルムの厚みとしては、0.1〜250μm、より好ましくは1〜180μmである。フイルムは帯状の連続したものでもよく、適当な長さで裁断されたものでもよい。
【0018】
【実施例】
以下に、実施例により本発明をさらに説明するが、実施例におけるポリイミドフィルムの寸法安定性の評価は、次の方法により行った。
【0019】
ポリイミドフィルムを25℃、60%RHの雰囲気に保存し、作成直後、作成1日後、作成1週間後、作成1ケ月後でそれぞれ寸法を測定し、作成直後との比較でその変化を調べた。作成直後のポリイミドフィルムに100mm角の正方形を描き、この正方形の変化(縦方向、横方向、斜め方向)を調べることで変化を調べた。
[実施例1]
ピロメリット酸二無水物と4,4’−ジアミノジフェニルエーテルとを用い、ピロメリット酸二無水物218.1g(1mol)と4,4’−ジアミノジフェニルエーテル200.2g(1mol)とをN,N−ジメチルアセトアミド溶媒中に溶解し、ポリアミック酸状態に合成した。このポリアミック酸溶液をエンドレスベルト上に乾燥膜厚で25μmになるように塗布し、エンドレスベルト上で100℃で5分加熱し、自己支持性を有するゲルフィルムを得た。
【0020】
次に、この自己支持性を有するゲルフィルムをエンドレスベルトから剥離し、ピンによりフィルムの両端を固定した。固定後、加熱炉内に搬送し、180℃×3分、290℃×3分、400℃×3分加熱処理した。この際、最初の3分はフィルム幅が0.7倍になるように順次小さくしていき、中間の3分はフィルム幅が1.5倍になるように順次大きくしていき、後半の3分はフィルム幅が1.0倍になるようにした。
【0021】
このようにして得られたポリイミドフィルムの寸法安定性を調べた。結果は表1に示す通りであり、良好であった。
[実施例2]
3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物とパラフェニレンジアミンとを用い、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物294.2g(1mol)とパラフェニレンジアミン108.1g(1mol)とからなるポリイミドをN,N−ジメチルホルムアミド溶媒中に溶解し、ポリアミック酸状態に合成した。このポリアミック酸溶液に触媒として無水酢酸とβ−ピコリンとをそれぞれ0.5重量%ずつ加えた後にドラム上に乾燥膜厚で12.5μmになるように塗布し、キャストドラム上で120℃で3分加熱し、自己支持性を有するゲルフィルムを得た。
【0022】
次に、この自己支持性を有するゲルフィルムをキャストドラムから剥離し、ピンによりフィルムの両端を固定した。固定後、加熱炉内に搬送し、200℃×3分、350℃×6分、500℃×1分加熱処理した。この際、最初の3分はフィルム幅が0.9倍になるように順次小さくしていき、中間の3分はフィルム幅が1.2倍になるように順次大きくしていき、後半の4分はフィルム幅が0.9倍になるように順次小さくしていった。
【0023】
このようにして得られたポリイミドフィルムの寸法安定性を調べた。結果は表1に示す通りであり、良好であった。
[実施例3]
ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、パラフェニレンジアミンを用い、ピロメリット酸二無水物109.1g(0.5mol)、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物147.1g(0.5mol)、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル100.1g(0.5mol)、パラフェニレンジアミン54.1g(0.5mol)とからなるポリイミドをN,N−ジメチルホルムアミド溶媒中に溶解し、ポリアミック酸状態に合成した。このポリアミック酸溶液に触媒として無水酢酸とβ−ピコリンとをそれぞれ0.3重量%ずつ加えた後にキャストドラム上に乾燥膜厚で50μmになるように塗布し、ドラム上で70℃で2分加熱し、自己支持性を有するゲルフィルムを得た。
【0024】
次に、この自己支持性を有するげるフィルムをキャストドラムから剥離し、ピンによりフィルムの両端を固定した。固定後、加熱炉内に搬送し、100℃×3分、200℃×3分、300℃×2分、400℃×3分、550℃×1分加熱処理した。この際、最初の4分はフィルム幅が0.7倍になるように順次小さく大きくしていき、中間の4分はフィルム幅が1.6倍になるように順次大きく小さくしていき、最後の4分はフィルム幅が1.0倍になるようにした。
【0025】
このようにして得られたポリイミドフィルムの寸法安定性を調べた。結果は表1に示す通りであり、良好であった。
[実施例4]
ピロメリット酸二無水物、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、パラフェニレンジアミンを用い、ピロメリット酸二無水物218.1g(1mol)、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル100.1g(0.5mol)、パラフェニレンジアミン54.1g(0.5mol)とからなるポリイミドをN,N−ジメチルホルムアミド溶媒中に溶解し、ポリアミック酸状態に合成した。このポリアミック酸溶液に触媒として無水酢酸とβ−ピコリンとをそれぞれ0.3重量%ずつ加えた後にキャストドラム上に乾燥膜厚で75μmになるように塗布し、ドラム上で70℃で1分加熱し、自己支持性を有するゲルフィルムを得た。
【0026】
次に、この自己支持性を有するげるフィルムをキャストドラムから剥離し、ピンによりフィルムの両端を固定した。固定後、加熱炉内に搬送し、100℃×2分、200℃×2分、300℃×2分、400℃×3分、500℃×2分、550℃×1分加熱処理した。この際、最初の4分はフィルム幅が0.8倍になるように順次小さくしていき、次の4分はフィルム幅が1.1倍になるように順次大きくしていき、最後の4分はフィルム幅が0.9倍になるように順次小さくしていった。
【0027】
このようにして得られたポリイミドフィルムの寸法安定性を調べた。結果は表1に示す通りであり、良好であった。
[比較例1]
実施例1において、フィルム幅変更の処理を行わない以外は、全て実施例1と同様にしてポリイミドフィルムを得た。得られたポリイミドフィルムの寸法安定性、接着性を調べた。結果は表1に示す通りであり、寸法安定性が悪かった。
[比較例2]
実施例2において、フィルム幅変更の処理を行わない以外は、全て実施例2と同様にしてポリイミドフィルムを得た。得られたポリイミドフィルムの寸法安定性、接着性を調べた。結果は表1に示す通りであり、寸法安定性が悪かった。
[比較例3]
実施例3において、フィルム幅変更の処理を行わない以外は、全て実施例3と同様にしてポリイミドフィルムを得た。得られたポリイミドフィルムの寸法安定性、接着性を調べた。結果は表1に示す通りであり、寸法安定性が悪かった。
[比較例4]
実施例4において、フィルム幅変更の処理を行わない以外は、全て実施例4と同様にしてポリイミドフィルムを得た。得られたポリイミドフィルムの寸法安定性、接着性を調べた。結果は表1に示す通りであり、寸法安定性が悪かった。
【0028】
【表1】
【0029】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のポリイミドフイルムの製造方法によれば、製造時にフィルム幅を変更させているので、フイルムの歪みや異方性を解消し、かつ寸法安定性に優れたポリイミドフィルムを得ることができる。
Claims (3)
- ポリイミド前駆体であるポリアミック酸またはポリイミドを溶剤中に溶解した溶液をエンドレスベルトまたはドラム上に連続的に塗布し、自己支持性がでるまで乾燥した後、このゲルフィルムの両端を固定し、フィルム幅を変更しながら加熱炉中を搬送することによりポリイミドフィルムとするポリイミドフィルムの製造方法において、まずフィルム幅を順次小さくするように固定端間距離を設定し、次にフィルム幅を順次大きくするように固定端間距離を設定した後、さらにフィルム幅を順次小さくするように固定端距離を設定することにより、フィルムの作成1日後の寸法安定性(作成直後からの変化率)を0.00%、かつフィルムの作成1ヶ月後の寸法安定性(作成直後からの変化率)を0.04%以下にすることを特徴とするポリイミドフィルムの製造方法。
- ポリイミド前駆体であるポリアミック酸またはポリイミドを溶剤中に溶解した溶液をエンドレスベルトまたはドラム上に連続的に塗布し、自己支持性がでるまで乾燥した後、このゲルフィルムの両端を固定し、フィルム幅を変更しながら加熱炉中を搬送することによりポリイミドフィルムとするポリイミドフィルムの製造方法において、まずフィルム幅を順次小さくするように固定端間距離を設定し、次にフィルム幅を順次大きくするように固定端間距離を設定した後、さらにフィルム幅が一定になるように固定端距離を設定することにより、フィルムの作成1日後の寸法安定性(作成直後からの変化率)を0.00%、かつフィルムの作成1ヶ月後の寸法安定性(作成直後からの変化率)を0.04%以下にすることを特徴とするポリイミドフィルムの製造方法。
- 前記エンドレスベルトまたはドラムが加熱されていることを特徴とする請求項1または2記載のポリイミドフィルムの製造方法。
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