JP2013193413A - ポリイミドフィルムの製造方法 - Google Patents

ポリイミドフィルムの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2013193413A
JP2013193413A JP2012065327A JP2012065327A JP2013193413A JP 2013193413 A JP2013193413 A JP 2013193413A JP 2012065327 A JP2012065327 A JP 2012065327A JP 2012065327 A JP2012065327 A JP 2012065327A JP 2013193413 A JP2013193413 A JP 2013193413A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
self
stretched
stretching
supporting
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2012065327A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5835046B2 (ja
Inventor
Yasuhiro Nagoshi
康浩 名越
Toshihito Sakai
敏仁 酒井
Takeshi Fujinaga
猛 藤永
Hiromichi Ikeuchi
博通 池内
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ube Corp
Original Assignee
Ube Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ube Industries Ltd filed Critical Ube Industries Ltd
Priority to JP2012065327A priority Critical patent/JP5835046B2/ja
Publication of JP2013193413A publication Critical patent/JP2013193413A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5835046B2 publication Critical patent/JP5835046B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Moulding By Coating Moulds (AREA)
  • Shaping By String And By Release Of Stress In Plastics And The Like (AREA)

Abstract

【課題】延伸されたポリイミドフィルムを生産性よく製造できるポリイミドフィルムの製造方法を提供する。
【解決手段】ポリイミド前駆体溶液を支持体上にキャストし、乾燥して自己支持性を有する自己支持性フィルムを形成するキャスト工程と、自己支持性フィルムを支持体から剥離し、50〜300℃/minの昇温速度で100〜150℃になるように昇温しながら、該自己支持性フィルムを搬送方向に延伸して延伸フィルムを得る延伸工程と、延伸フィルムの幅方向の両端部を保持しながら加熱処理してイミド化するキュア工程とを含むポリイミドフィルムの製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、回路基板や太陽電池基板などに用いられるポリイミドフィルムの製造方法に関する。
ポリイミドフィルムは、高耐熱性、高電気絶縁性を有し、薄手のフィルムであっても取扱上必要な剛性や耐熱性や電気絶縁性が満たされる。このため、電気絶縁フィルム、断熱性フィルム、フレキシブル回路基板のベースフィルム、太陽電池基板等、産業分野において幅広く使用されている。
ポリイミドフィルムは、テトラカルボン酸二無水物成分とジアミン成分とから得られるポリアミック酸等を含むポリイミド前駆体溶液を支持体上にキャストして薄膜を形成する。次いで、該薄膜を乾燥して自己支持性を有する自己支持性フィルムを形成する。そして、該自己支持性フィルムを支持体から剥離し、加熱処理してイミド化して製造される。また、ポリイミドフィルムの線膨脹係数を低くするため、自己支持性フィルムを延伸したのちイミド化することが行われている。
特許文献1には、ポリイミドの自己支持性フィルムを150℃未満の温度で回転ロールにより走行方向に規制しながら走行方向に1.1〜2倍延伸して延伸フィルムを形成し、延伸フィルムの端部をテンタクリップにより把持して幅方向に0.8〜1.3倍の倍率で延伸し、150〜500℃の温度に加熱してポリイミドフィルムを製造することが開示されている。そして、特許文献1の実施例4では、63℃の温度で走行方向(MD方向)に延伸し、次いでテンタ装置に導入して、200℃及び400℃の温度でそれぞれ幅方向(TD方向)に延伸した後、450℃で熱処理してポリイミドフィルムを製造している。
また、特許文献2には、ポリイミドの自己支持性フィルムを150〜300℃の温度域において18〜50℃/分の速度で昇温し、同時に200〜370℃の温度域でフィルムの搬送方向(自己支持性フィルムの引取方向、MD方向)およびこれに垂直な方向(TD方向)にそれぞれ10%以上70%以下に延伸し、300〜500℃の温度でイミド化してポリイミドフィルムを製造することが開示されている。そして、特許文献2の実施例1では、270℃からフィルムを直交する2軸方向に延伸し、335℃で延伸を停止し、その後徐冷してポリイミドフィルムを製造している。
特開2003−176370号公報 特開平1−315428号公報
従来は、ポリイミドの自己支持性フィルムをMD方向に延伸するに際し、一定温度で延伸していた。特許文献1においても、一定温度で延伸している。
一方、特許文献2では、自己支持性フィルムを150〜300℃の温度域において18〜50℃/分の速度で昇温し、同時に200〜370℃の温度域でMD方向及びTD方向にそれぞれ延伸している。すなわち、特許文献2では、自己支持性フィルムを、キュア炉内にて、加熱処理しつつ、MD方向及びTD方向にそれぞれ延伸している。
しかしながら、キュア炉内にてMD方向及びTD方向の延伸を行うとすると、装置が大がかりとなり、設備コストが嵩む問題があった。
よって、本発明の目的は、延伸されたポリイミドフィルムを生産性よく製造できるポリイミドフィルムの製造方法を提供することにある。
本発明者らは、自己支持性フィルムを一定温度で延伸した場合、フィルムにかかる張力によっては、フィルムが変形したり、切れが生じるおそれがあるという知見を得た。そこで、本発明者らは、自己支持性フィルムの延伸条件を鋭意検討した結果、自己支持性フィルムの延伸を昇温しながら行うことにより上記問題を解決することを見出し発明を完成させた。
本発明のポリイミドフィルムの製造方法は、ポリイミド前駆体溶液を支持体上にキャストし、乾燥して自己支持性を有する自己支持性フィルムを形成するキャスト工程と、前記自己支持性フィルムを前記支持体から剥離し、50〜300℃/minの昇温速度で100〜150℃になるように昇温しながら該自己支持性フィルムを搬送方向に延伸して延伸フィルムを得る延伸工程と、前記延伸フィルムの幅方向の両端部を保持しながら加熱処理してイミド化するキュア工程とを含むことを特徴とする。
本発明のポリイミドフィルムの製造方法は、前記延伸工程において、前記自己支持性フィルムを、20〜50℃の状態から、100〜150℃になるように昇温することが好ましい。
本発明のポリイミドフィルムの製造方法は、前記延伸工程において、前記自己支持性フィルムを搬送方向に0を超え20%延伸することが好ましい。
本発明のポリイミドフィルムの製造方法は、前記延伸工程において、前記自己支持性フィルムを搬送方向に0を超え40%/minの延伸速度で延伸することが好ましい。
本発明のポリイミドフィルムの製造方法によれば、延伸工程において、自己支持性フィルムを、50〜300℃/minの昇温速度で100〜150℃になるように昇温しながら、該自己支持性フィルムを搬送方向に延伸するので、フィルムに係る張力を低減させつつ搬送方向に延伸することができる。このため、フィルムの変形や切れの発生を抑制して延伸することができる。
このため、本発明によれば、フィルムの変形や割れなどの不具合の発生を抑制して、すくなくとも搬送方向に延伸されたポリイミドフィルムを、生産性よく製造できる。
実施例1−1におけるフィルムの延伸率と張力との関係を示す図である。 比較例1−1におけるフィルムの延伸率と張力との関係を示す図である。
本発明のポリイミドフィルムの製造方法は、テトラカルボン酸二無水物成分とジアミン成分とから得られるポリイミド前駆体溶液を支持体上にキャストし、乾燥して自己支持性を有する自己支持性フィルムを形成するキャスト工程と、自己支持性フィルムを支持体から剥離し、該自己支持性フィルムを搬送方向に延伸して延伸フィルムを得る延伸工程と、延伸フィルムを加熱処理してイミド化するキュア工程とを含む。以下、各工程について、詳しく説明する。
(キャスト工程)
キャスト工程では、まず、ポリアミック酸と有機溶媒とをポリイミド前駆体溶液を支持体上にキャストして流延物を形成する。そして、該流延物を乾燥して、自己支持性を有する自己支持性フィルムを形成する。ここで、自己支持性を有するとは、支持体から剥離することができる程度の強度を有する状態を意味する。
ポリアミック酸は、テトラカルボン酸二無水物成分とジアミン成分とを公知の方法で反応させて製造できる。例えば、テトラカルボン酸二無水物成分とジアミン成分とを、ポリイミドの製造に通常使用される有機溶媒中で重合して製造することができる。
上記テトラカルボン酸二無水物成分としては、芳香族テトラカルボン酸二無水物、脂肪族テトラカルボン酸二無水物、脂環式テトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。具体例としては、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−オキシジフタル酸二無水物、ジフェニルスルホン−3,4,3’,4’−テトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルフィド二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン二無水物等が挙げられる。
上記ジアミン成分としては、芳香族ジアミン、脂肪族ジアミン、脂環式ジアミン等が挙げられる。具体例としては、p−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、m−トリジン、p−トリジン、5−アミノ−2−(p−アミノフェニル)ベンゾオキサゾール、4,4’−ジアミノベンズアニリド、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、3,3’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、3,3’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス〔3−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕エーテル、ビス〔3−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕エーテル、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕エーテル、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕エーテル、2,2−ビス〔3−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔3−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン等が挙げられる。
テトラカルボン酸二無水物成分とジアミン成分との組み合わせの一例としては、以下の(1)〜(6)が挙げられる。これら組み合わせは、機械的特性、耐熱性の観点から好ましい。
(1) 3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物と、p−フェニレンジアミンとの組み合わせ。
(2) 3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物と、p−フェニレンジアミンと、4,4−ジアミノジフェニルエ−テルとの組み合わせ。
(3)ピロメリット酸二無水物と、p−フェニレンジアミンとの組み合わせ。
(4)ピロメリット酸二無水物と、p−フェニレンジアミンと、4,4−ジアミノジフェニルエ−テルとの組み合わせ。
(5)3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物と、ピロメリット酸二無水物と、p−フェニレンジアミンとの組み合わせ。
(6)3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物と、ピロメリット酸二無水物と、p−フェニレンジアミンと、4,4−ジアミノジフェニルエ−テルとの組み合わせ。
上記有機溶媒としては、ポリアミック酸を溶解できるものであればよい。公知の有機溶媒を用いることができる。例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド等が挙げられる。これらの溶媒は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ポリイミド前駆体溶液を熱イミド化によりイミド化を完結させる場合、ポリイミド前駆体溶液には、イミド化触媒等を必要に応じて加えてもよい。また、ポリイミド前駆体溶液を化学イミド化によりイミド化を完結させる場合、ポリイミド前駆体溶液には、環化触媒、脱水剤等を必要に応じて加えてもよい。ここで、イミド化を完結させるの「完結」とは、イミド化率が100%であること以外に、例えば100%未満の所望のイミド化率になることを含む。
上記イミド化触媒としては、置換もしくは非置換の含窒素複素環化合物、該含窒素複素環化合物のN−オキシド化合物、置換もしくは非置換のアミノ酸化合物、ヒドロキシル基を有する芳香族炭化水素化合物または芳香族複素環状化合物が挙げられる。
上記環化触媒としては、脂肪族第3級アミン、芳香族第3級アミン、複素環第3級アミン等が挙げられる。
上記脱水剤としては、脂肪族カルボン酸無水物、芳香族カルボン酸無水物等が挙げられる。
ポリイミド前駆体溶液の固形分濃度(ポリマー成分)は、キャストによるフィルム製造に適した粘度範囲となる濃度であれば特に限定されない。10〜30質量%が好ましく、15〜27質量%がより好ましく、16〜24質量%がさらに好ましい。
ポリイミド前駆体溶液の流延物の乾燥は、例えば、該流延物をキャスト炉に導入し、加熱乾燥して行う方法が挙げられる。
自己支持性フィルムを形成するための乾燥条件(加熱条件)は、特に限定はないが、温度100〜180℃で、2〜60分間程度加熱して形成することが好ましく、より好ましくは、120〜160℃で、4〜30分間加熱する。なお、ここでいう温度とは、炉内に設置した熱電対により測定した、雰囲気温度のことを意味する。
(延伸工程)
延伸工程では、まず、キャスト工程で形成した自己支持性フィルムを、支持体から剥離する。自己支持性フィルムの支持体からの剥離方法は特に限定はなく、自己支持性フィルムを冷却し、回転ロールを介して張力を与えて剥離する方法が挙げられる。そして、支持体から剥離した自己支持性フィルムを、回転ロール等を用い、走行速度を規制しながら搬送方向(MD方向)に延伸、もしくは自己支持性フィルムの両端をクリップなどの保持具で保持し、搬送方向に延伸して延伸フィルムを得る。
本発明では、延伸工程において、自己支持性フィルムを、50〜300℃/minの昇温速度で100〜150℃になるように昇温しながら搬送方向(MD方向)に延伸することを特徴とする。なお、ここでいう温度とは、フィルムに貼り付けた熱電対により測定した、フィルムの表面温度のことを意味する。
自己支持性フィルムを、昇温しながら延伸することで、後述する実施例に示すように、フィルムに係る張力を低減させつつ、搬送方向(MD方向)に延伸することができる。このため、フィルムの変形や切れの発生を抑制して、搬送方向(MD方向)に延伸できる。また、フィルムの溶媒含有量が少ないと、次工程であるキュア工程において、更に延伸することが困難になるが、本発明では、延伸工程は100〜150℃の温度で行うので、延伸工程時にフィルムから溶媒が除去され難く、得られる延伸フィルムはある程度溶媒を含有している。このため、キュア工程において、延伸フィルムを、幅方向(TD方向)などに更に延伸することができる。
延伸工程は、自己支持性フィルムを、20〜50℃の状態から、100〜150℃になるように昇温することが好ましい。より好ましくは、30〜40℃の状態から、130〜140℃になるように昇温する。延伸開始温度が20℃未満であると、延伸初期にフィルムにかかる応力が高くなる傾向にあり、50℃を超えると昇温しながら延伸する事による応力低下の効果が低くなる傾向にある。また、延伸終了温度が100℃未満であると、延伸時の応力が高くフィルム変形や切れの発生が高くなると共に延伸するための装置が大掛かりとなる傾向にあり、150℃を超えると延伸フィルムからの溶媒が除去され易くなり、次工程であるキュア工程において、更に延伸することが困難となる場合がある。
延伸工程において、昇温速度は、50〜300℃/minであり、60〜270℃/minが好ましく、60〜260℃/minがより好ましく、70〜250℃/minがさらに好ましい。昇温速度が50℃/min未満であると、延伸終了温度までの時間が長くなり溶媒が除去され易くなり、次工程であるキュア工程において、更に延伸する事が困難となる場合がある。昇温速度が300℃/minを超えると、単位時間に加える熱量が大きくなるため装置が大掛かりとなる傾向にある。
延伸工程において、自己支持性フィルムを搬送方向に0を超え20%以下の延伸倍率で延伸することが好ましく、0を超え15%以下がより好ましい。延伸倍率が上記範囲内であれば、フィルムの変形や切れの発生をより効果的に抑制できる。
延伸工程において、自己支持性フィルムの延伸速度は、搬送方向に0を超え40%/min以下の延伸速度で延伸することが好ましく、0を超え30%/min以下がより好ましい。延伸速度が上記範囲内であれば、フィルムの変形や切れの発生をより効果的に抑制できる。
(キュア工程)
キュア工程では、延伸工程により得られた延伸フィルムの幅方向の両端部を、例えばピンテンタ、クリップ、枠などの保持具で保持し、加熱処理しイミド化する。必要に応じて、該保持具を幅方向及び/又は搬送方向に拡大・縮小して加熱処理しても良い。
上述したように、延伸工程では、比較的低温で延伸するので、延伸工程で得られる延伸フィルムは比較的溶媒を含有している。キュア工程では、延伸フィルムの幅方向の両端部を保持し、必要に応じて保持具を幅方向及び/又は搬送方向に拡縮して加熱処理するが、溶媒が多いため延伸時にフィルムに発生する応力が低く容易に延伸することができる。
延伸フィルムの加熱処理としては、特に限定は無く、公知の方法を用いることが出来る。例えば、100℃〜400℃の温度において、0.05〜5時間、より好ましくは0.1〜3時間で徐々に加熱して行う方法が挙げられる。具体的な一例として、100℃〜170℃の比較的低い温度で0.5〜30分間第一次加熱処理し、次いで170℃〜220℃の温度で0.5〜30分間第二次加熱処理し、その後、220℃〜400℃の高温で0.5〜30分間第三次加熱処理する方法が挙げられる。必要であれば、400℃〜550℃、好ましくは450〜520℃の高い温度で第四次高温加熱処理してもよい。なお、ここでいう温度とは、フィルムに貼り付けた熱電対により測定した、フィルムの表面温度のことを意味する。
このようにして製造されるポリイミドフィルムは、少なくとも搬送方向(MD方向)の延伸制御範囲が広がっているため、所望の線膨張係数を有するポリイミドフィルムを効率よく製造することができる。このため、電気・電子部品の基板や絶縁材料等に好ましく用いることができる。例えば、プリント配線板、フレキシブルプリント基板、TAB用テープ、COF用テープ、ICチップ等のチップ部材等のカバー基材、液晶ディスプレー、有機エレクトロルミネッセンスディスプレー、電子ペーパー、太陽電池等の基板として用いることができる。
[製造例](自己支持性フィルムの製造)
N,N−ジメチルアセトアミド(以下、「DMAc」と記す)100質量部に、パラフェニレンジアミン(以下、「PPD」と記す)を5.7質量部加えて攪拌溶解した。得られた溶液に、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(以下、「s−BPDA」と記す)を徐々に加えてポリイミド前駆体溶液を得た。固形分濃度は18質量%であった。
得られたポリイミド前駆体溶液を、最終乾燥後の厚みが35μmになるようにガラス板上に流延し、120℃で15分乾燥し、ガラス板から剥離して、溶媒含有量35.5質量%の自己支持性フィルムを製造した。
[試験例1]
(実施例1−1)
製造例で製造した自己支持性フィルムを、2×12cmのサイズに調整したものをサンプルセルとして用いた。
サンプルセルの長手方向の両端から1cmの部分をクリップで把持し、30℃の状態から、180℃/minの昇温速度で120℃になるように昇温しながら、サンプルセルの長手方向(MD方向)に20%/minの延伸速度で、MD方向に10%延伸した。10%延伸後のフィルム張力は5N/cmであった。フィルムの延伸率と張力との関係を図1に示す。
(比較例1−1)
実施例1−1において、サンプルセルの長手方向の両端から1cmの部分をクリップで把持し、120℃の一定温度下で、サンプルセルの長手方向(MD方向)に20%/minの延伸速度で、MD方向に10%延伸した。10%延伸後のフィルム張力は11N/cmであった。フィルムの延伸率と張力との関係を図2に示す。
図1,2に示すように、自己支持性フィルムを昇温しながら延伸することで、フィルムに係る張力を低減できた。
[試験例2]
(実施例2−1)
製造例で製造した自己支持性フィルムを、2×12cmのサイズに調整したものをサンプルセルとして用いた。
サンプルセルの長手方向の両端から1cmの部分をピンシートで把持し、30℃の状態から、190℃/minの昇温速度で130℃になるように昇温しながら、サンプルセルの長手方向(MD方向)に9.4〜28.1%/minの延伸速度で、MD方向に5〜15%延伸した。
(比較例2−1)
実施例2−1において、サンプルセルの長手方向の両端から1cmの部分をピンシートで把持し、130℃の一定温度下で、サンプルセルの長手方向(MD方向)に9.4〜37.5%/minの延伸速度で、MD方向に5〜15%延伸した。
延伸後のフィルムのピンシートの穴の外観を観察し、ピンシートの穴に変形が無いものを◎、ピンシートの穴の変形が小さいものを○、ピンシートの穴の変形が大きいものを△、切れが生じたものを×とした。結果を表1に記す。

Claims (4)

  1. ポリイミド前駆体溶液を支持体上にキャストし、乾燥して自己支持性を有する自己支持性フィルムを形成するキャスト工程と、
    前記自己支持性フィルムを前記支持体から剥離し、50〜300℃/minの昇温速度で100〜150℃になるように昇温しながら、該自己支持性フィルムを搬送方向に延伸して延伸フィルムを得る延伸工程と、
    前記延伸フィルムの幅方向の両端部を保持しながら加熱処理してイミド化するキュア工程とを含むことを特徴とするポリイミドフィルムの製造方法。
  2. 前記延伸工程において、前記自己支持性フィルムを、20〜50℃の状態から、100〜150℃になるように昇温する請求項1に記載のポリイミドフィルムの製造方法。
  3. 前記延伸工程において、前記自己支持性フィルムを搬送方向に0を超え20%延伸する請求項1又は2に記載のポリイミドフィルムの製造方法。
  4. 前記延伸工程において、前記自己支持性フィルムを搬送方向に0を超え40%/minの延伸速度で延伸する請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリイミドフィルムの製造方法。
JP2012065327A 2012-03-22 2012-03-22 ポリイミドフィルムの製造方法 Active JP5835046B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012065327A JP5835046B2 (ja) 2012-03-22 2012-03-22 ポリイミドフィルムの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012065327A JP5835046B2 (ja) 2012-03-22 2012-03-22 ポリイミドフィルムの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013193413A true JP2013193413A (ja) 2013-09-30
JP5835046B2 JP5835046B2 (ja) 2015-12-24

Family

ID=49392940

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012065327A Active JP5835046B2 (ja) 2012-03-22 2012-03-22 ポリイミドフィルムの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5835046B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018186355A1 (ja) 2017-04-03 2018-10-11 デンカ株式会社 多層フィルム及び耐熱粘着テープ
WO2019112311A1 (ko) * 2017-12-04 2019-06-13 코오롱인더스트리 주식회사 폴리이미드계 필름의 제조방법 및 이로부터 제조된 폴리이미드계 필름
US11577449B2 (en) 2017-12-04 2023-02-14 Kolon Industries, Inc. Method for manufacturing polyimide-based film and polyimide-based film manufactured thereby

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018186355A1 (ja) 2017-04-03 2018-10-11 デンカ株式会社 多層フィルム及び耐熱粘着テープ
KR20190136014A (ko) 2017-04-03 2019-12-09 덴카 주식회사 다층 필름 및 내열 점착 테이프
WO2019112311A1 (ko) * 2017-12-04 2019-06-13 코오롱인더스트리 주식회사 폴리이미드계 필름의 제조방법 및 이로부터 제조된 폴리이미드계 필름
US11577449B2 (en) 2017-12-04 2023-02-14 Kolon Industries, Inc. Method for manufacturing polyimide-based film and polyimide-based film manufactured thereby

Also Published As

Publication number Publication date
JP5835046B2 (ja) 2015-12-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI673321B (zh) 聚醯亞胺膜
WO2012132986A1 (ja) ポリイミドフィルムの製造方法及びポリイミドフィルム製造装置及びポリイミドフィルム
WO2011108542A1 (ja) ポリイミドフィルム及びそれを用いた積層体、並びにフレキシブル薄膜系太陽電池
KR20230157271A (ko) 폴리이미드 필름
JP2003165850A (ja) ポリイミドフィルムおよびその製造方法
JP6325265B2 (ja) ポリイミドフィルム、および、その製造方法
JP5835046B2 (ja) ポリイミドフィルムの製造方法
JP4774901B2 (ja) ポリイミドフィルムの製造方法
JP2008012776A (ja) ポリイミドフィルムの製造方法
JP4665373B2 (ja) ポリイミドフィルム
KR20190017527A (ko) 폴리이미드 전구체 조성물 및 이를 이용한 폴리이미드 필름의 제조 방법
JP2014201632A (ja) ポリイミドフィルム、および、その製造方法
JP2011131456A (ja) ガスバリアー性ポリイミドフィルムおよびそれを用いた金属積層体
JP2007022042A (ja) 高分子フィルムの製造方法およびその利用
JP2008156090A (ja) 高分子フィルムの製造方法及び高分子フィルムの製造装置
JP2021505430A (ja) フレキシブルディスプレイ製造用積層体及びそれを用いたフレキシブルディスプレイの製造方法
JP2014043511A (ja) ポリイミドフィルム及びその製造方法
JP6603021B2 (ja) ポリイミドフィルム
JP5329163B2 (ja) ポリイミドフィルムの製造方法およびポリイミドフィルム
JP2007021914A (ja) 高分子フィルムの製造方法およびその利用
JP2007253517A (ja) 高分子フィルムの製造装置および高分子フィルムの製造方法
JP2006137884A (ja) ポリイミドフィルムの製法
JP2007177116A (ja) ポリイミドフィルムの製造方法
JP2006143839A (ja) ポリイミドフィルムおよびその製造方法
JP4721154B2 (ja) ポリイミドフィルムの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150128

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20150925

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20151006

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20151019

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5835046

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250