JP4253100B2 - 被削性に優れた低熱膨張合金およびその製造方法 - Google Patents
被削性に優れた低熱膨張合金およびその製造方法 Download PDFInfo
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、熱膨張が小さいことを要求される精密機械部品等の用途に適した、被削性に優れた低熱膨張合金およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、低熱膨張を目的として利用される実用金属材料の中でスーパーインバーおよびインバーは、20〜100℃の温度範囲での熱膨張率αが、前者では0〜1×10−6/℃、後者では1〜2×10−6/℃であり、熱膨張が非常に小さいという特性を持っている。これらは、主として塑性加工によって成形され、線、板、棒等の素材で供給されている。従って、完成部品とするには、多くの機械加工が必要となるが、被削性が低く、多大な費用を要するため、利用範囲が制限されている。
【0003】
スーパーインバーおよびインバーの被削性が低いのは、(1)高切削抵抗による発熱のため、(2)工具寿命が短い、(3)切り屑処理性が低い、(4)加工硬化しやすい等によるものと考えられている。
【0004】
この問題を解決する手段として、S,Ca,Pb,Zr,Se等を添加し、快削性を付与した材料が提供されているが、機械的性質の低下、熱膨張率の増加、製造法の複雑化を伴なう欠点がある。
【0005】
一方、スーパーインバーに鋳造性を付与した特公昭60−51547号公報記載の材料や、同じくインバーに鋳造性を付与したASTM.A−436,Type5及び同A−439,Type D−5は、凝固過程で組織中に黒鉛を生ずるため、スーパーインバーおよびインバーに比較して被削性が改善されているが、それぞれ3.0×10−6/℃前後の熱膨張係数の増大を伴ない、尚一層の高精度を要求される用途に対しては不十分であり、スーパーインバーおよびインバーと同程度の熱膨張係数を有し、かつ、被削性に優れた低熱膨張合金が望まれている。
【0006】
これらの諸問題を解決するために発明された特開平3−90541号公報に記載されている低熱膨張合金があるが、高価なCoを多量に含有しているためコストが高くなってしまうという欠点がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前述のスーパーインバー、インバー及び低熱膨張合金等の諸問題、すなわち、(1)スーパーインバーおよびインバーにおける、被削性が低く、また素材形状に制限があるという問題、(2)低熱膨張鋳鉄における熱膨張係数が高いこと、(3)素材のコストが高くなる問題等を解決するものであり、被削性、熱膨張性、鋳造性のいずれの面にも優れ、特に鋳造合金に適した低コストの低熱膨張合金およびその製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、スーパーインバー及びインバーと同等の低熱膨張性を有し、かつ被削性に優れ、低熱膨張鋳鉄のように鋳造性にも優れ、低コストで製造できる低熱膨張合金を提供するものである。すなわち、第一の発明は、質量%で、C:0.05%以下、Si:0.3%以下、Mn:0.45〜1.2%、P:0.5%以下、S:0.015〜0.035%、Ni:33.0〜34.5%、Co:3.0〜4.0%であり、残部が鉄および不可避的不純物からなり、かつ[Mn]をMnの質量%、[S]をSの質量%とした場合に[Mn]/[S]:15以上であることを特徴とする常温での平均熱膨張係数が1.0×10−6/℃以下の熱膨張係数を有する被削性に優れた低熱膨張合金を提供する。
【0009】
また、第二の発明は、質量%で、C:0.05%以下、Si:0.3%以下、Mn:0.45〜1.2%、P:0.5%以下、S:0.015〜0.035%、Ni:33.5〜35.5%、Co:2.0〜3.0%であり、残部が鉄および不可避的不純物からなり、かつ[Mn]をMnの質量%、[S]をSの質量%とした場合に[Mn]/[S]:15以上であることを特徴とする常温での平均熱膨張係数が1.5×10−6/℃以下の熱膨張係数を有する被削性に優れた低熱膨張合金を提供する。
【0010】
さらに、第三の発明は、質量%で、C:0.05%以下、Si:0.3%以下、Mn:0.45〜1.2%、P:0.5%以下、S:0.015〜0.035%、Ni:34.0〜36.5%、Co:1.0〜2.0%であり、残部が鉄および不可避的不純物からなり、かつ[Mn]をMnの質量%、[S]をSの質量%とした場合に[Mn]/[S]:15以上であることを特徴とする常温での平均熱膨張係数が2.0×10−6/℃以下の熱膨張係数を有する被削性に優れた低熱膨張合金を提供する。
【0011】
さらにまた、第四の発明は、第一から第三の発明のいずれかの組成を有する合金を700〜950℃の温度範囲で加熱後、5℃/sec以上の冷却速度で450℃以下まで冷却することを特徴とする被削性に優れた低熱膨張合金の製造方法を提供する。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明は、快削性(すなわち被削性に優れること)と低熱膨張性を両立させるために最適な組成範囲を規定するものであり、また、さらに当該組成の合金に最適な熱処理条件を規定するものである。
【0013】
本発明における合金の組成は、質量%で、C:0.05%以下、Si:0.3%以下、Mn:0.45〜1.2%、P:0.5%以下、S:0.015〜0.035%、残部が鉄および不可避的不純物からなり、かつ[Mn]をMnの質量%、[S]をSの質量%とした場合に[Mn]/[S]:15以上であり、NiおよびCoを、(1)Ni:33.0〜34.5%およびCo:3.0〜4.0%、(2)Ni:33.5〜35.5%およびCo:2.0〜3.0%、(3)Ni:34.0〜36.5%およびCo:1.0〜2.0%の3つのレベルのうちのいずれかとする。
【0014】
C:0.05%以下
Cは、マトリクス中に固溶していると熱膨張係数に著しい影響を与え、0.05%を超えると、熱膨張係数が大きくなって所望の低熱膨張性が得られなくなる。したがって、C量を0.05%以下とする。
【0015】
Si:0.3%以下
Siは、脱酸元素として鋼中に添加するが、Cと同様マトリクス中の固溶量が多くなると熱膨張係数が大きくなってしまうことから、0.3%以下とする。
【0016】
Mn:0.45〜1.2%
Mnは、後述のようにSと化合物を形成し、被削性の向上に重要な役割を果たす。0.45%未満では、MnとSとの化合物を形成しにくく、被削性が劣り、かつ、鋳造割れを生じ易くなる。一方、1.2%を超えるとC,Siと同様に熱膨張係数が大きくなってしまうことから、Mn量を0.45〜1.2%とする。
【0017】
P:0.5%以下
Pは鋼中に不純物として含有されるが、多量に含まれると粒界に存在し、材料の強度低下をもたらすため、その含有量は少ない方が望ましい。このような強度低下はP含有量が0.5%を超えると顕著となるため、P含有量の上限を0.5%とする。
【0018】
S:0.015〜0.035%
SはMnと化合物を形成し、被削性向上に寄与する元素であるが、鋼中に多量に含まれると強度低下をもたらす。0.015%未満のS含有量では、被削性の向上に有効なMnとの化合物の生成量が十分でなく被削性改善の効果が得られず、0.035%を超えると強度低下をもたらす。このため、S含有量を0.015〜0.035%とする。
【0019】
[Mn]/[S]:15以上
[Mn]/[S]は、MnとSとの化合物生成量を左右する重要なパラメータである。MnおよびSの含有量については前述の通りであるが、[Mn]/[S]の値が15未満であると、過剰なSがマトリクス中の主要元素であるFeと化合物を形成し、低融点のFeSを生じてしまい、凝固中に割れを生じ易くなるため、特に鋳物を製造する場合は不都合である。[Mn]/[S]の値が15以上であると、Sは主にMnとの化合物となり、有害なFeSが生じにくく、凝固割れが発生し難い。このため、[Mn]/[S]の値を15以上とする。ただし、製品形状、大きさによっては、[Mn]/[S]を30以上とすることが好ましい。
【0020】
▲1▼Ni:33.0〜34.5%およびCo:3.0〜4.0%
▲2▼Ni:33.5〜35.5%およびCo:2.0〜3.0%
▲3▼Ni:34.0〜36.5%およびCo:1.0〜2.0%
Ni,Coは熱膨張率に最も影響を与える重要な元素である。本発明においては、Ni量およびCo量を、数々の実験を通じて得られた最適な組み合わせとすることにより、優れた低熱膨張性を有する合金を達成する。Coは要求される熱膨張性、コスト等によって1.0〜4.0%の範囲で添加されるが、Co量のレベルに応じてNi量を限定することで熱膨張率を極小化することができる。すなわち、Co量が3.0〜4.0%の場合には、Ni量を33.0%〜34.5%とすることにより熱膨張性が極小となり、常温での平均熱膨張係数を1.0×10−6/℃以下とすることができる。なお、Co量が2.0〜3.0%の場合には、Ni量を33.5〜35.5%とすることにより熱膨張性が極小となり、常温での平均熱膨張係数を1.5×10−6/℃以下とすることができる。また、Co量が1.0〜2.0%の場合には、Ni量を34.0〜36.5%とすることにより熱膨張性が極小となり、常温での平均熱膨張係数を2.0×10−6/℃以下とすることができる。いずれのCo量のレベルにおいても、Ni量がこれらの範囲を外れると所望の低熱膨張性が得られない。このように、高価なCo量のレベルに応じて、最適な量のNiを添加するので、Coによる熱膨張係数の低減効果を最大限に発揮させることができ、最小限のコストで優れた特性の合金を得ることができる。
【0021】
上記組成を有する本発明における合金の残部は、鉄および不可避的不純物からなる。
【0022】
以上のような本発明の合金は、上記組成を有する溶融金属を鋳型に鋳込んで製造される鋳造合金に好適であるが、鋳塊または鋳片とした後に、圧延や鍛造等の塑性加工を施して使用される合金であってもよい。また、製造条件は特に限定されるものではない。ただし、本発明においては、所定の形状に製造した素材を700〜950℃に加熱した後、5℃/sec以上の冷却速度で450℃以下まで冷却する熱処理を施すことが好ましい。このような熱処理により、常温における熱膨張率をさらに低減することができる。特に鋳物を製造する場合は、合金元素の均質化のために、当該熱処理が有効である。
【0023】
この場合に、加熱温度が700℃未満では、合金元素の拡散による均質化に要する時間が長くなり不経済である。また、950℃を超える加熱温度では、結晶粒の粗大化による機械的性質の劣化を招き、また同時にスケールの生成が激しくなりスケール除去のための工程が煩雑になるばかりか、エネルギーの観点でも不経済となることから、加熱温度は700〜950℃とした。
【0024】
さらに、加熱後の冷却速度が常温での熱膨張率に及ぼす影響が大きく、700〜950℃に加熱後5℃/sec未満の冷却速度では、所望の熱膨張率が得られないことから、加熱後の冷却速度を5℃/sec以上とした。
【0025】
【実施例】
[実施例1]
以下、本発明の実施例について説明する。
30kVA高周波電気炉により、表1に示す成分を有し、残部が鉄からなる供試材料を溶解し、CO2ケイ砂型で、JIS G 5122B号試験片(以下B号試験片と記述)と25×60×250mmの被削性試験片を鋳造した。B号試験片からは、表1に記載の熱処理を施した後、機械加工でφ8×100mmの熱膨張係数測定試験片(以下熱膨張試験片と記述)を採取し、20〜25℃での平均熱膨張係数(以下、室温近傍での平均熱膨張係数と記述)を押棒式横形熱膨張計を用いて測定した。被削性試験片は、60×250mmの二面を研削盤にて表面を平滑に加工した後、ドリル穿孔試験を行った。ドリル穿孔試験は、φ5mmの高速度鋼ドリルを用いて、回転数1274RPM、送り0.2mm/回、潤滑なし、穴深さ10mmの試験条件で実施し、50個以上穿孔可能であった場合に被削性が良好であるとした。なお、表1中、「合金レベル」の欄には、実施例において▲1▼Ni:33.0〜34.5%およびCo:3.0〜4.0%を満たすものを1、▲2▼Ni:33.5〜35.5%およびCo:2.0〜3.0%を満たすものを2、▲3▼Ni:34.0〜36.5%およびCo:1.0〜2.0%を満たすものを3としている。
【0026】
【表1】
【0027】
表1に示すように、本発明例である合金1〜11は、熱膨張係数が合金レベルに応じた所望の値(合金レベルが1の場合には1.0×10−6/℃以下、合金レベルが2の場合には1.5×10−6/℃以下、合金レベルが3の場合には2.0×10−6/℃以下)であり、また、いずれの場合も被削性が良好であった。
【0028】
これに対して、比較例である合金12〜19は、いずれかの特性が劣っていた。具体的には、合金12は、Cの含有量が本発明の範囲よりも大きいため熱膨張係数が所望の値より大きく、さらにSの含有量が本発明の範囲よりも少ないため被削性が良くない。合金13および14は、Sの含有量が本発明の範囲よりも少ないため被削性が良くない。合金15は、Coが質量%で4.0%含まれているにも関わらず、Niの含有量が本発明の範囲よりも大きいため熱膨張係数が所望の値より大きい。合金16はCoが質量%で2.5%含まれているにも関わらず、Niの含有量が本発明の範囲よりも少ないため熱膨張係数が所望の値より大きい。合金17は、Coが質量%で1.6%含まれているにも関わらず、Niの含有量が本発明の範囲よりも少ないため熱膨張係数が所望の値より大きい。合金18は、Si含有量が本発明の範囲よりも大きいため、熱膨張係数が所望の値より大きい。合金19は、Coが質量%で1.8%含まれているにも関わらず、Niの含有量が本発明の範囲よりも多いため熱膨張係数が所望の値より大きい。
【0029】
[実施例2]
次に、本発明のもう一つの実施例について説明する。
30kVA高周波電気炉により、表2に示す成分を有し、残部が鉄からなる供試材料を溶解し、CO2ケイ砂型で、B号試験片と図2に示す形状の割れ試験片を鋳造した。B号試験片からは、所定の熱処理を施した後、機械加工でφ8×100mmの熱膨張試験片を採取し、室温付近での平均熱膨張係数を押棒式横形熱膨張計を用いて測定した。割れ試験片では、図2中A点(R=2mmおよびR=4mm)での割れを目視および染色浸透探傷検査法にて割れの有無を確認した。なお、表2に示した「合金レベル」は表1のものと同様である。
【0030】
【表2】
【0031】
表2に示すように、本発明例である合金20〜合金28は、熱膨張係数がCo量のレベルに応じた所望の値(Co:3.0%〜4.0%の場合には1.0×10−6/℃以下、Co:2.0%〜3.0%の場合には1.5×10−6/℃以下、Co:1.0%〜2.0%の場合には2.0×10−6/℃以下)よりも低く、優れた低熱膨張性を有しており、また、いずれの場合も割れ試験片のR=4mmのA点で割れが確認されず、凝固割れの発生が抑制されていた。さらに、本発明例のうち[Mn]/[S]を30以上とした合金20〜24では、割れ試験片のR=2mmのA点でも割れは確認されず、凝固割れの発生が極めて低く抑制されていた。
【0032】
これに対して、比較例である合金29〜合金35では、いずれかの特性が劣っていた。具体的には、合金29は合金20と、合金30は合金22と、合金31は合金23とそれぞれ化学組成は同じであるが、冷却速度が本発明の範囲よりも小さいため、熱膨張係数が所望の値より大きい。合金32は合金20と化学組成が同じであるが、加熱温度が本発明の範囲よりも低いため、常温付近での熱膨張係数が所望の値より大きい。合金33はMnの含有量が本発明の範囲よりも低く、[Mn]/[S]も本発明の範囲より小さくなり、凝固割れを生じた。合金34は[Mn]/[S]は本発明の範囲にあるものの、Mnの含有量が本発明の範囲よりも低いため、凝固割れを生じた。一方、合金35は、[Mn]/[S]の値のみが本発明範囲よりも小さく、凝固割れを生じた。
【0033】
本実施例の合金における凝固割れの発生について、SとMnの含有量に基づいて整理し、図1に示す。図1の斜線を施した部位がMnとSに関する本発明の範囲である。表2および図1から、本発明によれば割れを発生することなく、Coの含有量に応じて、常温での熱膨張係数の小さい所望の低熱膨張合金を製造できることがわかる。
【0034】
【発明の効果】
以上より、本発明によれば従来の技術に比べて、被削性に優れた低熱膨張合金を低コストで提供することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例2の合金における凝固割れの発生を、横軸にS含有量をとり、縦軸にMn含有量をとった座標平面に整理して示したグラフ。
【図2】実施例2における割れ試験片の形状を示す図面。
Claims (4)
- 質量%で、C:0.05%以下、Si:0.3%以下、Mn:0.45〜1.2%、P:0.5%以下、S:0.015〜0.035%、Ni:33.0〜34.5%、Co:3.0〜4.0%であり、残部が鉄および不可避的不純物からなり、かつ[Mn]をMnの質量%、[S]をSの質量%とした場合に[Mn]/[S]:15以上であることを特徴とする常温での平均熱膨張係数が1.0×10−6/℃以下の熱膨張係数を有する被削性に優れた低熱膨張合金。
- 質量%で、C:0.05%以下、Si:0.3%以下、Mn:0.45〜1.2%、P:0.5%以下、S:0.015〜0.035%、Ni:33.5〜35.5%、Co:2.0〜3.0%であり、残部が鉄および不可避的不純物からなり、かつ[Mn]をMnの質量%、[S]をSの質量%とした場合に[Mn]/[S]:15以上であることを特徴とする常温での平均熱膨張係数が1.5×10−6/℃以下の熱膨張係数を有する被削性に優れた低熱膨張合金。
- 質量%で、C:0.05%以下、Si:0.3%以下、Mn:0.45〜1.2%、P:0.5%以下、S:0.015〜0.035%、Ni:34.0〜36.5%、Co:1.0〜2.0%であり、残部が鉄および不可避的不純物からなり、かつ[Mn]をMnの質量%、[S]をSの質量%とした場合に[Mn]/[S]:15以上であることを特徴とする常温での平均熱膨張係数が2.0×10−6/℃以下の熱膨張係数を有する被削性に優れた低熱膨張合金。
- 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の組成を有する合金を700〜950℃の温度範囲で加熱後、5℃/sec以上の冷却速度で450℃以下まで冷却することを特徴とする被削性に優れた低熱膨張合金の製造方法。
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