JP2585014B2 - 快削性高強度低熱膨張鋳造合金及びその製造方法 - Google Patents
快削性高強度低熱膨張鋳造合金及びその製造方法Info
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Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、高強度で且つ熱膨張が少なく、機械加工性
に優れ、精密機械部品等の用途に適した低コストの快削
性高強度低熱膨張合金及びその製造方法に関するもので
ある。
に優れ、精密機械部品等の用途に適した低コストの快削
性高強度低熱膨張合金及びその製造方法に関するもので
ある。
[従来の技術] 現在、低熱膨張を目的として利用される実用金属材料
としては、36%Ni-Fe合金(インバー)、32%Ni-5%Co-
Fe合金(スーパーインバー)や、それら合金に鋳造性を
付与する目的でC、Siを2%前後添加した合金が知られ
ている。
としては、36%Ni-Fe合金(インバー)、32%Ni-5%Co-
Fe合金(スーパーインバー)や、それら合金に鋳造性を
付与する目的でC、Siを2%前後添加した合金が知られ
ている。
例えば、ニレジスト鋳鉄タイプD−5、特公昭60-515
47号公報(低熱膨張鋳鉄)がある。
47号公報(低熱膨張鋳鉄)がある。
このうち、36%Ni-Fe合金や、32%Ni-5%Co-Fe合金は
主として鋳塊を熱間加工あるいは、さらに冷間加工する
ことにより製造され、板材、棒材、線材の形で供給され
る。
主として鋳塊を熱間加工あるいは、さらに冷間加工する
ことにより製造され、板材、棒材、線材の形で供給され
る。
一方、鋳造合金は製品形状に近い形の鋳型内で鋳造さ
れるため、種々の形状の部品素材として供給される。そ
れぞれその特性により用途が異なるが、いずれも熱変形
が小さいことを利用し、各種分野で広く用いられてい
る。
れるため、種々の形状の部品素材として供給される。そ
れぞれその特性により用途が異なるが、いずれも熱変形
が小さいことを利用し、各種分野で広く用いられてい
る。
[発明が解決しようとする問題点] 上記合金のうち、インバー、スーパーインバーは、室
温から100℃までの平均熱膨張係数αが2.0×10-6/℃以
下であり、熱膨張特性は十分満足されるが、熱間加工状
態での0.2%耐力において30kgf/mm2未満と不十分であ
る。これは冷間加工を加えることにより改善されるが、
多大な加工歪に由来する熱膨張特性の不安定さを生ずる
ため、高精度を要する場合、引続き焼なまし工程が不可
欠であり、これがために強度不足となってしまう問題点
があった。
温から100℃までの平均熱膨張係数αが2.0×10-6/℃以
下であり、熱膨張特性は十分満足されるが、熱間加工状
態での0.2%耐力において30kgf/mm2未満と不十分であ
る。これは冷間加工を加えることにより改善されるが、
多大な加工歪に由来する熱膨張特性の不安定さを生ずる
ため、高精度を要する場合、引続き焼なまし工程が不可
欠であり、これがために強度不足となってしまう問題点
があった。
また、主に提供される素材形状が板材、棒材、線材で
あるため、部品製作上、機械加工を経ることが多いが、
切削性が良好ではなく、また素材の多くが切りくずとな
ることから、機械加工コストが非常に高い問題点があっ
た。
あるため、部品製作上、機械加工を経ることが多いが、
切削性が良好ではなく、また素材の多くが切りくずとな
ることから、機械加工コストが非常に高い問題点があっ
た。
また特開昭61-183443号公報にみられる低熱膨張材料
では、インバー、スーパーインバーを基本組成とする合
金にCr、Mo、W、V等の元素を添加することにより0.2
%耐力が40kgf/mm2前後で、100℃までの熱膨張係数αが
3.1〜6.6×10-6/℃の材料が得られているが、圧延加工
を前提とする材料であって形状自由度の改善はなし得
ず、また組織中に黒鉛を含まないため、機械加工性にお
いてもインバーの域を出ていなかった。
では、インバー、スーパーインバーを基本組成とする合
金にCr、Mo、W、V等の元素を添加することにより0.2
%耐力が40kgf/mm2前後で、100℃までの熱膨張係数αが
3.1〜6.6×10-6/℃の材料が得られているが、圧延加工
を前提とする材料であって形状自由度の改善はなし得
ず、また組織中に黒鉛を含まないため、機械加工性にお
いてもインバーの域を出ていなかった。
一方、上記鋳造合金のうち、36%Ni-Fe鋳鉄では100℃
までの平均熱膨張係数αが、4.0〜6.0×10-6/℃で不十
分であり、特公昭60-51547号公報の低熱膨張鋳鉄では、
100℃までの平均熱膨張係数が4.0×10-6/℃以下で前記
36%Ni-Fe鋳鉄に比べ改善されているが、いずれの鋳鉄
も0.2%耐力が30kgf/mm2以下で不十分であった。
までの平均熱膨張係数αが、4.0〜6.0×10-6/℃で不十
分であり、特公昭60-51547号公報の低熱膨張鋳鉄では、
100℃までの平均熱膨張係数が4.0×10-6/℃以下で前記
36%Ni-Fe鋳鉄に比べ改善されているが、いずれの鋳鉄
も0.2%耐力が30kgf/mm2以下で不十分であった。
このように従来材では、0.2%耐力が40kgf/mm2以上
で、30〜100℃までの平均熱膨張係数αが4.0×10-6/℃
以下の特性を有し、かつ形状自由度および機械加工性を
兼ね備えた材料が得られなかった。
で、30〜100℃までの平均熱膨張係数αが4.0×10-6/℃
以下の特性を有し、かつ形状自由度および機械加工性を
兼ね備えた材料が得られなかった。
本発明者は、先に、特願昭61-308014号にて、前述の3
6%Ni-Fe合金(インバー)、32%Ni-5%Co-Fe合金(ス
ーパーインバー)及び特公昭60-51547号公報等の低熱膨
張鋳鉄等における問題点を解決するための合金として、
快削性低熱膨張合金を出願した。
6%Ni-Fe合金(インバー)、32%Ni-5%Co-Fe合金(ス
ーパーインバー)及び特公昭60-51547号公報等の低熱膨
張鋳鉄等における問題点を解決するための合金として、
快削性低熱膨張合金を出願した。
この発明は、32%Ni-5%Co-Feの組成からなる基地組
織の中に適正量の黒鉛を均一に分布せしめることによ
り、快削性と低熱膨張性を同時に得るようにしたもので
ある。
織の中に適正量の黒鉛を均一に分布せしめることによ
り、快削性と低熱膨張性を同時に得るようにしたもので
ある。
然しながら、この快削性低熱膨張合金は、強度につい
ては前記従来合金と同等であり、高強度低熱膨張性を要
求される用途に対しては不十分であった。
ては前記従来合金と同等であり、高強度低熱膨張性を要
求される用途に対しては不十分であった。
即ち、本発明は、室温から100℃における平均熱膨張
係数αが4.0×10-6/℃以下で、かつ0.2%耐力が40kgf/
mm2以上の機械加工性に優れた高強度低熱膨張鋳造合金
及びその製造方法を提供することを目的とするものであ
る。
係数αが4.0×10-6/℃以下で、かつ0.2%耐力が40kgf/
mm2以上の機械加工性に優れた高強度低熱膨張鋳造合金
及びその製造方法を提供することを目的とするものであ
る。
[問題点を解決するための手段] 本発明の鋳造合金は重量基準にて、C:0.6〜1.0%,Si:
0.3〜1.0%,Mn:0.3〜1.0%,Cr:0.5〜1.5%,Nb:0.5〜1.5
%,Mg:0.02〜0.3%,Ca:0.02〜0.3%,Ti:0.1%以下を含
み、かつNi:30.0〜38.0%及びCo:8.0%以下をNi+CO:3
4.0〜40.0%の範囲において含有し、残部不可避不純物
を含む鉄から成り、0.2%耐力が40kgf/mm2以上で、室温
から100℃までの平均熱膨張係数αが4.0×10-6/℃以下
で、且つ機械加工性に優れたことを特徴とする快削性高
強度低熱膨張鋳造合金であり、次に、前記組成の鋳造合
金を900〜1,100℃に加熱後、急冷処理し、さらに600〜7
00℃に再加熱後、徐冷処理を施すことにより、0.2%耐
力が40kgf/mm2以上、室温から100℃までの熱膨張係数α
が4.0×10-6/℃以下で、かつ機械加工性に優れたこと
を特徴とする快削性高強度低熱膨張鋳造合金の製造方法
である。
0.3〜1.0%,Mn:0.3〜1.0%,Cr:0.5〜1.5%,Nb:0.5〜1.5
%,Mg:0.02〜0.3%,Ca:0.02〜0.3%,Ti:0.1%以下を含
み、かつNi:30.0〜38.0%及びCo:8.0%以下をNi+CO:3
4.0〜40.0%の範囲において含有し、残部不可避不純物
を含む鉄から成り、0.2%耐力が40kgf/mm2以上で、室温
から100℃までの平均熱膨張係数αが4.0×10-6/℃以下
で、且つ機械加工性に優れたことを特徴とする快削性高
強度低熱膨張鋳造合金であり、次に、前記組成の鋳造合
金を900〜1,100℃に加熱後、急冷処理し、さらに600〜7
00℃に再加熱後、徐冷処理を施すことにより、0.2%耐
力が40kgf/mm2以上、室温から100℃までの熱膨張係数α
が4.0×10-6/℃以下で、かつ機械加工性に優れたこと
を特徴とする快削性高強度低熱膨張鋳造合金の製造方法
である。
[作用] 本発明において、高強度低熱膨張特性と良好な機械加
工性が得られるのは、適正範囲量のNi,Co,Feの基地組成
によって低熱膨張性を発現せしめ、更に、基地中にCr,N
bを固溶させることによって、オーステナイト基地を強
化して高強度化せしめる。また組織中に適正量の黒鉛を
均一に分布させて、切削時の切りくずの分断効果と刃物
の潤滑効果を得ることにより機械加工性の向上を実現し
得たものである。
工性が得られるのは、適正範囲量のNi,Co,Feの基地組成
によって低熱膨張性を発現せしめ、更に、基地中にCr,N
bを固溶させることによって、オーステナイト基地を強
化して高強度化せしめる。また組織中に適正量の黒鉛を
均一に分布させて、切削時の切りくずの分断効果と刃物
の潤滑効果を得ることにより機械加工性の向上を実現し
得たものである。
更に熱処理によって炭化物の基地中への固溶、合金元
素濃度の均一化、過飽和固溶炭素の黒鉛化および基地中
C濃度の低下により、高C含有、熱膨張係数阻害元素で
あるCr,Nbの添加にもかかわらず、熱膨張係数の増加を
最小限としながら、強度と機械加工性の向上を達成し得
たものである。
素濃度の均一化、過飽和固溶炭素の黒鉛化および基地中
C濃度の低下により、高C含有、熱膨張係数阻害元素で
あるCr,Nbの添加にもかかわらず、熱膨張係数の増加を
最小限としながら、強度と機械加工性の向上を達成し得
たものである。
即ち、本発明者は、前記特定組成の鋳造合金を900〜
1,100℃に加熱后、急冷処理し、さらにその後、600〜70
0℃に加熱后、徐冷処理することにより、該合金の30〜1
00℃間における平均熱膨張係数αを4.0×10-6/℃以下
とし、かつ0.2%耐力が40kgf/mm2以上で機械加工性に優
れたものとすることを知見し本発明に至ったものであ
る。
1,100℃に加熱后、急冷処理し、さらにその後、600〜70
0℃に加熱后、徐冷処理することにより、該合金の30〜1
00℃間における平均熱膨張係数αを4.0×10-6/℃以下
とし、かつ0.2%耐力が40kgf/mm2以上で機械加工性に優
れたものとすることを知見し本発明に至ったものであ
る。
先ず、本発明の熱処理について述べる。
本発明合金のようにCの高い材料においてCr,Nbを添
加すると、鋳造状態では炭化物を形成して、基地に固溶
する有効Cr,Nbが少なく、単に熱膨張係数の増大を招く
だけで強化効果が十分に得られない。
加すると、鋳造状態では炭化物を形成して、基地に固溶
する有効Cr,Nbが少なく、単に熱膨張係数の増大を招く
だけで強化効果が十分に得られない。
そのため高温に加熱して炭化物を分解して、Cr,Nbを
基地中に固溶させる必要がある。その目的に対して900
℃未満の温度では効果が不十分で、40kgf/mm2以上の0.2
%耐力が得られず、また1,100℃を超えると結晶粒の粗
大化による害が現われ、結果として強度向上が漸減する
ので、加熱温度は900〜1,100℃とする。
基地中に固溶させる必要がある。その目的に対して900
℃未満の温度では効果が不十分で、40kgf/mm2以上の0.2
%耐力が得られず、また1,100℃を超えると結晶粒の粗
大化による害が現われ、結果として強度向上が漸減する
ので、加熱温度は900〜1,100℃とする。
加熱後の冷却が遅い場合、一旦固溶したCr,Nbが再び
Cと結び付いて炭化物を形成するため急冷処理を施す。
この急冷処理は合金元素の偏析を緩和し、熱膨張係数を
低下させる効果も有す。この状態において、基地中には
900〜1,100℃でのC溶解度に相当するCが固溶してい
る。即ち本来の室温でのC溶解度に対して過飽和なCが
基地中に存在するため低い熱膨張係数が得られない。
Cと結び付いて炭化物を形成するため急冷処理を施す。
この急冷処理は合金元素の偏析を緩和し、熱膨張係数を
低下させる効果も有す。この状態において、基地中には
900〜1,100℃でのC溶解度に相当するCが固溶してい
る。即ち本来の室温でのC溶解度に対して過飽和なCが
基地中に存在するため低い熱膨張係数が得られない。
本発明において、急冷後に600〜700℃に加熱する目的
は、過飽和に固溶したCを黒鉛として析出することにあ
る。600℃未満の加熱温度では、C原子の移動が遅く黒
鉛化の進行が期待できず、また、700℃を越す加熱温度
では、Cは固溶Cr,Nbと結び付いて黒鉛化を阻害し、か
えって熱膨張係数の増大を招くので、急冷後の加熱温度
を600〜700℃の範囲に限定した。
は、過飽和に固溶したCを黒鉛として析出することにあ
る。600℃未満の加熱温度では、C原子の移動が遅く黒
鉛化の進行が期待できず、また、700℃を越す加熱温度
では、Cは固溶Cr,Nbと結び付いて黒鉛化を阻害し、か
えって熱膨張係数の増大を招くので、急冷後の加熱温度
を600〜700℃の範囲に限定した。
次に本発明の合金組成成分を夫々定めた理由について
述べる。
述べる。
C :快削性を得るためには、容積率で1%以上の黒鉛が
必要であり、本発明の熱処理にても基地中に固溶する0.
3%と黒鉛を得るための0.3%の合計0.6%以上を添加す
る。又Cは、溶解温度を下げるほか、0.2%耐力を高め
る効果がある。しかし、1.0%を超えると熱処理によっ
ても基地中Cが高く、熱膨張係数が増大するのでCを0.
6〜1.0%とした。
必要であり、本発明の熱処理にても基地中に固溶する0.
3%と黒鉛を得るための0.3%の合計0.6%以上を添加す
る。又Cは、溶解温度を下げるほか、0.2%耐力を高め
る効果がある。しかし、1.0%を超えると熱処理によっ
ても基地中Cが高く、熱膨張係数が増大するのでCを0.
6〜1.0%とした。
Si:鋳造性向上及び脱酸効果を得るためには0.3%以上必
要であるが、1.0%を超えると熱膨張係数の増加が無視
できなくなるので、0.3〜1.0%とした。
要であるが、1.0%を超えると熱膨張係数の増加が無視
できなくなるので、0.3〜1.0%とした。
Mn:脱酸効果を得るため0.3%以上必要であるが、1.0%
を越すと偏析を生成して熱膨張係数が大となるので、0.
3%〜1.0%とした。
を越すと偏析を生成して熱膨張係数が大となるので、0.
3%〜1.0%とした。
Cr:オーステナイト基地中に固溶させることにより、0.2
%耐力を向上させる。0.5%未満では効果が少なく、後
述のNbを添加しても0.2%耐力が40kgf/mm2未満であり、
1.5%を越すと、高温熱処理によっても炭化物が十分に
分解しないで残存し、強度向上が頭打ちとなるとともに
熱膨張係数が増大するので、0.5〜1.5%とした。
%耐力を向上させる。0.5%未満では効果が少なく、後
述のNbを添加しても0.2%耐力が40kgf/mm2未満であり、
1.5%を越すと、高温熱処理によっても炭化物が十分に
分解しないで残存し、強度向上が頭打ちとなるとともに
熱膨張係数が増大するので、0.5〜1.5%とした。
Nb:Crと同様の作用があり、やはり0.5%未満では効果が
少なく、1.5%を越すと未溶解炭化物と熱膨張係数の増
大を招くので、0.5〜1.5%とした。
少なく、1.5%を越すと未溶解炭化物と熱膨張係数の増
大を招くので、0.5〜1.5%とした。
Mg:延性、強度向上の目的で黒鉛を球状化させるために
添加する。そのためには0.02%以上必要であり、また0.
3%を越すと鋳造欠陥を発生しやすくなるので、0.02〜
0.30%とした。
添加する。そのためには0.02%以上必要であり、また0.
3%を越すと鋳造欠陥を発生しやすくなるので、0.02〜
0.30%とした。
Ca:Mgと同様の作用があり、かつ黒鉛球状化を得るため
のMg添加量を減ずることが可能となってMgによる欠陥を
抑える効果があるので添加する。
のMg添加量を減ずることが可能となってMgによる欠陥を
抑える効果があるので添加する。
そのためには0.02%以上必要で、0.3%を超えると健全
性が損われるので、0.02〜0.30%とした。
性が損われるので、0.02〜0.30%とした。
Ni:次に記すCoとともに熱膨張係数の低下に必要であ
り、30.0%未満ではCo量を調整しても熱膨張係数αが4.
0×10-6/℃以下とならず、38.0%を越えた場合熱膨張
係数αが4.0×10-6/℃を越えるので、30.0〜38.0%と
した。
り、30.0%未満ではCo量を調整しても熱膨張係数αが4.
0×10-6/℃以下とならず、38.0%を越えた場合熱膨張
係数αが4.0×10-6/℃を越えるので、30.0〜38.0%と
した。
Co:前述のNiとの組合せにより熱膨張係数の低下を実現
するために添加するが、8.0%を越えると、100℃までの
温度ではかえって熱膨張係数が増大し、コスト上からも
不利となるため、8.0%以下とした。
するために添加するが、8.0%を越えると、100℃までの
温度ではかえって熱膨張係数が増大し、コスト上からも
不利となるため、8.0%以下とした。
Ni+Co:上記NiおよびCoの組成範囲においてもNi+Coが3
4.0%未満と、40.0%超では熱膨張係数αが4.0×10-6/
℃超となるため、34.0〜40.0%とした。
4.0%未満と、40.0%超では熱膨張係数αが4.0×10-6/
℃超となるため、34.0〜40.0%とした。
Ti:強力な脱酸効果と硫化物、窒化物固定効果があり、
再生材使用の時、特に有効となるので添加する。0.1%
を越すと黒鉛球状化を阻害する作用があって、引張り強
さを低下させるので、0.1%以下とした。
再生材使用の時、特に有効となるので添加する。0.1%
を越すと黒鉛球状化を阻害する作用があって、引張り強
さを低下させるので、0.1%以下とした。
次に本発明の実施例について述べる。
[実施例] 30KVA高周波電気炉を用いて、大気雰囲気における溶
解により、次の第1表に示す化学組成の供試材料を溶解
し、CO2珪砂型でJISG-5122号試験片と、同じくCO2珪砂
型でφ100mm×L200mmの丸棒を鋳造した。
解により、次の第1表に示す化学組成の供試材料を溶解
し、CO2珪砂型でJISG-5122号試験片と、同じくCO2珪砂
型でφ100mm×L200mmの丸棒を鋳造した。
試験片素材は1000℃に加熱後、水中急冷し、続いて65
0℃で加熱し、φ7.5mm×L50mmの熱膨張測定片とJIS4号
引張試験片に加工し、前者は30〜100℃間の熱膨張試験
に供し、後者は室温で引張試験を行った。
0℃で加熱し、φ7.5mm×L50mmの熱膨張測定片とJIS4号
引張試験片に加工し、前者は30〜100℃間の熱膨張試験
に供し、後者は室温で引張試験を行った。
丸棒素材も同じ熱処理を施し、加工性試験に供した。
なお、Niが0.3%を越えたNo.17は鋳造欠陥が発生したた
め測定しなかった。
なお、Niが0.3%を越えたNo.17は鋳造欠陥が発生したた
め測定しなかった。
第2表は供試合金の30〜100℃の平均熱膨張係数と0.2
%耐力を測定した結果であり、本発明合金は4.0×10-6
/℃以下の熱膨張係数と、40kgf/mm2以上の0.2%耐力が
得られた。
%耐力を測定した結果であり、本発明合金は4.0×10-6
/℃以下の熱膨張係数と、40kgf/mm2以上の0.2%耐力が
得られた。
第3表は、No.1合金について急冷温度と0.2%耐力の
関係を調べたものである。
関係を調べたものである。
このときの急冷后の加熱温度は650℃であった。
第4表は、急冷后の加熱温度と熱膨張係数の関係をN
o.2合金について調べたものである。このときの急冷温
度は1100℃であった。
o.2合金について調べたものである。このときの急冷温
度は1100℃であった。
第1図は本発明例及び比較例の機械加工により発生し
た切りくずの外観図である。図に示す如く本発明合金は
細かいC字型の切りくずを示し、切削性が良好であるこ
とがわかる。一方、組織中黒鉛を含まない比較合金では
長くラセン状に伸びた切りくずであり、切りくず処理性
において格段の差が認められた。
た切りくずの外観図である。図に示す如く本発明合金は
細かいC字型の切りくずを示し、切削性が良好であるこ
とがわかる。一方、組織中黒鉛を含まない比較合金では
長くラセン状に伸びた切りくずであり、切りくず処理性
において格段の差が認められた。
[発明の効果] 本発明の快削性高強度低熱膨張鋳造合金によれば、従
来形状制約、加工コストの面で適用困難であった複雑形
状の高強度低熱膨張部品を容易に提供することが可能と
なり、また、高強度を利用すれば軽量化、薄肉化が実現
でき、各種精密工作機械、プレス機械、計測器械等に利
用した場合の効果は著大であることは明らかである。
来形状制約、加工コストの面で適用困難であった複雑形
状の高強度低熱膨張部品を容易に提供することが可能と
なり、また、高強度を利用すれば軽量化、薄肉化が実現
でき、各種精密工作機械、プレス機械、計測器械等に利
用した場合の効果は著大であることは明らかである。
第1図は、本発明例及び比較例における機械加工により
発生した切りくずの外観比較図である。
発生した切りくずの外観比較図である。
Claims (2)
- 【請求項1】重量基準にて、C:0.6〜1.0%,Si:0.3〜1.0
%,Mn:0.3〜1.0%,Cr:0.5〜1.5%,Nb:0.5〜1.5%,Mg:0.
02〜0.3%,Ca:0.02〜0.3%,Ti:0.1%以下を含み、かつN
i:30.0〜38.0%及びCo:8.0%以下をNi+CO:34.0〜40.0
%の範囲において含有し、残部不可避不純物を含む鉄か
ら成り、0.2%耐力が40kgf/mm2以上で、室温から100℃
までの平均熱膨張係数αが4.0×10-6/℃以下で、且つ
機械加工性に優れたことを特徴とする快削性高強度低熱
膨張鋳造合金。 - 【請求項2】重量基準にて、C:0.6〜1.0%,Si:0.3〜1.0
%,Mn:0.3〜1.0%,Cr:0.5〜1.5%,Nb:0.5〜1.5%,Mg:0.
02〜0.3%,Ca:0.02〜0.3%,Ti:0.1%以下を含み、かつN
i:30.0〜38.0%及びCo:8.0%以下をNi+CO:34.0〜40.0
%の範囲において含有し、残部不可避不純物を含む鉄か
ら成る合金を900〜1100℃に加熱後、急冷処理し更に600
〜700℃に再加熱後、徐冷処理を施すことにより、0.2%
耐力が40kg/mm2以上で、室温から100℃までの平均熱膨
張係数αが4.0×10-6/℃以下で、且つ機械加工性に優
れたことを特徴とする快削性高強度低熱膨張鋳造合金の
製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62209289A JP2585014B2 (ja) | 1987-08-25 | 1987-08-25 | 快削性高強度低熱膨張鋳造合金及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP62209289A JP2585014B2 (ja) | 1987-08-25 | 1987-08-25 | 快削性高強度低熱膨張鋳造合金及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPS6455364A JPS6455364A (en) | 1989-03-02 |
JP2585014B2 true JP2585014B2 (ja) | 1997-02-26 |
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Family Applications (1)
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JP62209289A Expired - Fee Related JP2585014B2 (ja) | 1987-08-25 | 1987-08-25 | 快削性高強度低熱膨張鋳造合金及びその製造方法 |
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US7100447B2 (en) * | 2004-12-07 | 2006-09-05 | Honeywell International Inc. | Super Invar magnetic return path for high performance accelerometers |
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-
1987
- 1987-08-25 JP JP62209289A patent/JP2585014B2/ja not_active Expired - Fee Related
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