JP4252810B2 - 干渉計用基準レンズ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光学干渉計に用いられる干渉計用基準レンズに係わり、例えば、光学部品の面精度測定等に適用可能なフィゾー干渉計に使用される干渉計用基準レンズに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、光学レンズやミラー等の光学部品の表面精度の測定には、干渉計が用いられることが多い。とりわけ、簡易な構造で視野も比較的広く、高精度に測定可能な干渉計として、高精度に製作された基準レンズを備えたフィゾー干渉計が広く使用されている。
【0003】
このフィゾー干渉計では、次のようにしてレンズ面等の球面(以下、被検球面という。)の測定が行われる。まず、平行な入射光束を基準レンズによって集光させて球面波に変換し、これを被検球面に照射する。このとき、球面波の法線の方向(進行方向)が被検球面の法線の方向と一致するようにし、これにより、被検球面からの垂直反射光束(以下、被検光という。)を得る。一方、基準レンズにおける最も被検球面に近い側の面である射出面(以下、基準球面という。)において入射光束の一部を反射させ、反射光束(参照光)を得る。そして、被検光と参照光とを干渉させて干渉縞を生じさせ、これを観察することにより、被検球面の形状測定を行うことができる。
【0004】
フィゾー干渉計に用いられる基準レンズとしては、被検球面側での開口数NAが十分に大きく(NA≧0.806)、見込み角(被検球面の曲率中心から被検球面の最大外径を見込む角度)θ1の大きな凸形状の被検球面であったとしても、その見込み角θ1以上の集束角θ2で集束する球面波光束を形成し、その被検球面の全体に亘って面精度を高精度に測定することが可能なものがある(例えば、特許文献1参照。)。また、本出願人は、先に、十分に大きな開口数NA(例えば、NA≒0.833)を確保しつつ、レンズ外径が最大でも130.0mmと小さく非常にコンパクトな干渉計用基準レンズを提案した(特許文献2参照)。なお、開口数NAと集束角θ2との関係は、
NA=sin(θ2/2)
と表される。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−346613号公報
【特許文献2】
特願2002−029195号
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の特許文献1または特許文献2に記載された基準レンズは、より大きな曲率半径と共により大きな外径を有する被検球面を測定するのに好適に用いられ、構成するレンズ枚数も多く、サイズおよび重量も共に比較的大きなものである。したがって、曲率半径および外径がそれほど大きくない被検球面を測定対象とした場合には、コンパクトさに欠け、扱いづらいものとなっていた。また、上記の基準レンズはその構成上、高価である。このため、よりコンパクトであり安価な基準レンズが望まれていた。
【0007】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、良好な収差性能を確保しつつ、集束角を小さくすることなく、よりコンパクトな構成を有する干渉計用基準レンズを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明による干渉計用基準レンズは、入射光束の一部を基準球面で反射させることにより得られる参照光と、基準球面を通過した光束を基準球面の曲率中心と一致する焦点に向かうように集光させたのち、その焦点と一致する曲率中心を有する被検球面で反射させることによって得られる被検光とを干渉させることにより、被検球面の形状を計測し得るように構成された干渉計に用いられる干渉計用基準レンズであって、入射光束の入射側から順に、入射側に凸面を向けた正の第1レンズと、入射側に凸面を向けたメニスカス形状を有する正の第2レンズと、入射側に凸面を向けたメニスカス形状を有する正の第3レンズと、入射側に凸面を向けたメニスカス形状を有する第4レンズとが、配設されて構成されると共に、以下の条件式(1)および(2)を満足するようにしたものである。
2.2≦f3/f≦2.8 ……(1)
0.75≦R5/f≦0.83……(2)
但し、fは干渉計用基準レンズ全系の焦点距離を示し、f3は第3レンズの焦点距離を示し、R5は第3レンズの入射側の面における曲率半径を示す。なお、「正の…レンズ」とは、正の屈折力(パワー)を有するレンズを意味する。
【0009】
本発明の干渉計用基準レンズでは、第1レンズが入射光束を集束し、その光束径を縮小するように機能する。後続の第2および第3レンズが、第1レンズを透過した入射光束を、その集束角を徐々に大きくするように段階的に集光させる機能を発揮する。さらに、第4レンズが、第3レンズから射出された入射光束を焦点に向かうように集束させるように機能する。これに加え、条件式(1)によって第3レンズの適正な正のパワー範囲が規定される。これにより、測定可能な被検球面の最大曲率半径と外径とが規定されると共に後続の第4レンズにおける良好な範囲の曲率半径が規定される。さらに、条件式(2)によって第3レンズの射出側の面における適正な曲率半径が規定され、これにより収差補正が可能となる。
【0010】
本発明による干渉計用基準レンズは、さらに、以下の条件式(3)を満足するように構成されていることが望ましい。
3.6≦f2/f≦5.4 ……(3)
但し、f2は第2レンズの焦点距離を示す。
【0011】
本発明による干渉計用基準レンズは、さらに、以下の条件式(4)を満足するように構成されていることが望ましい。
0.8≦NA ……(4)
但し、NAは干渉計用基準レンズ全系の被検球面側における開口数を示す。
【0012】
本発明による干渉計用基準レンズは、さらに、第1ないし第4レンズの屈折率は、全て1.75以上であることが望ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0014】
まず、図1を参照して、本発明の一実施の形態に係る干渉計用基準レンズ(以下、単に基準レンズという。)が適用されるフィゾー干渉計1について説明する。図1は、本実施の形態に係るフィゾー干渉計1の一構成例を示したものである。フィゾー干渉計1は、レーザ光源2と、レーザ光束発散レンズ3と、ハーフミラー4と、コリメータレンズ5と、基準レンズ6(6A〜6G)と、結像用レンズ8と、撮像素子9とを備えて構成されている。なお、基準レンズ6(6A〜6G)は、後述する異なる7種類の断面構成例のうちのいずれか1つから選択されるが、特に区別が不要な場合はまとめて「基準レンズ6」と記載する。光軸Z1上には、撮像素子9,結像用レンズ8,ハーフミラー4,コリメータレンズ5、基準レンズ6が順に配設される。一方、ハーフミラー4を通り、光軸Z1に直交する軸方向にレーザ光束発散レンズ3およびレーザ光源2が順に配設される。レーザ光束発散レンズ3は、レーザ光源2から射出されたレーザ光束の光束径を拡大する機能を有する。ハーフミラー4は、光軸Z1に対して45°の傾斜をなし、照射される光束の一部を反射させ、残りの光束を透過させるようになっている。コリメータレンズ5は、入射光束を平行な光束に変換する機能を有する。基準レンズ6は、後述する基準球面Fを除く全ての面に反射防止膜が施されたレンズ群であり、入射光束を集光し、焦点Pに向かうように集光させるものである。測定の対象物である被検球面7は、その曲率中心が焦点Pに一致するように配設される。なお、図1の例では、被検球面7は凸球面であるものとして説明する。ここで、基準レンズ6のうち被検球面7に対向する面(最も被検球面7側の面)を基準球面Fと呼ぶ。基準球面Fの曲率中心も焦点Pに一致する。結像用レンズ8は、基準球面Fにおいて反射された光と被検球面7において反射された光とを集光し、撮像素子9上に干渉縞を投影するものである。撮像素子9は、投影された干渉縞を画像データとして取り込む機能を有する。
【0015】
このような構成のフィゾー干渉計1では、次のようにして被検球面7の面精度を測定する。まず、レーザ光源2から所望の波長のレーザ光束を射出する。このレーザ光束は、レーザ光束発散レンズ3によりその光束径が拡大される。拡大されたレーザ光束の一部はハーフミラー4により直角方向、すなわち、光軸Z1に沿う方向に反射する。反射したレーザ光束はさらに光束径を広げながらコリメータレンズ5に入射する。コリメータレンズ5を透過することで平行なレーザ光束に変換され、そのまま基準レンズ6に入射する。基準レンズ6に入射した光束は基準球面Fに入射し、大部分の入射光束は屈折することなく透過する。ところが、基準球面Fには、例えば反射防止膜等は施さない、あるいは増反射膜を施す等の方法により若干の反射率があえて残されている。このため、一部の入射光束は基準球面Fを通過せずにここで垂直に反射する。この反射光束が参照光となる。一方、基準球面Fを透過した光束は、焦点Pに向かって集束される。図1の例では、基準球面Fと焦点Pとの間に被検球面7が存在するため、被検球面7からの垂直反射光束、すなわち被検光が発生する。但し、被検球面7が凹面の場合には、基準球面Fからの射出光束は一旦、焦点Pに集束したのち再び拡がりながら被検球面7に照射され、被検光が発生する。参照光および被検光は、入射光の経路を逆に辿って進行する。基準レンズ6とコリメータレンズ5とを順に辿り、ハーフミラー4を通過して直進し、結像用レンズ8に到達する。被検光および参照光は結像用レンズ8によって集光され、撮像素子9上に干渉縞を形成する。この干渉縞は、被検球面7の面形状を表すものであり、この干渉縞を観察あるいは解析することで被検球面7の面精度を測定することが可能となる。
【0016】
次に、図2〜図8を参照して、本実施の形態に係る基準レンズ6について、より詳細に説明する。図2〜図8は、基準レンズ6A〜6Gにおける断面の構成例を表すものであり、後述の数値実施例1〜7(図9〜図15)にそれぞれ対応している。
【0017】
まず、基準レンズ6の構成について説明する。
【0018】
図2〜図8において、符号Zinc で示す側が入射側(光源側)であり、一方、符号Zemitで示す側が射出側(被検球面側)である。符号Riは、最も入射側の面(入射光束入射面)を1番目として、射出側に向かって順次増加するi番目(i=1〜8)の光学面(Si)における曲率半径を示す。符号Diは、i番目の光学面(Si)とi+1番目の光学面(Si+1)との光軸Z1上における面間隔を示す。但し、D8は面S8と焦点Pとの距離を示し、この場合、曲率半径R8と一致する。符号Ljは、最も入射側のレンズを1番目として、射出側に向かって順次増加するj番目(j=1〜4)のレンズを示す。さらに、符号θ2は、焦点Pに向かって集光される入射光束の集束角θ2を示す。
【0019】
この基準レンズ6は、光軸Z1に沿って、入射光束の入射側から順に、入射側に凸面を向けた正の第1レンズL1と、入射側に凸面を向けたメニスカス形状を有する正の第2レンズL2と、入射側に凸面を向けたメニスカス形状を有する正の第3レンズL3と、入射側に凸面を向けたメニスカス形状を有する第4レンズL4とが配設されたものである。第4レンズL4の射出側の凹面、すなわち、入射光束射出面S8が基準球面Fである。
【0020】
図2では、第1レンズL1が両凸形状をなすようにしたが、図3〜図8のようにメニスカス形状をなすようにしてもよいし、あるいは平凸形状をなすようにしてもよい。また、第4レンズL4は正の屈折力に限定されず、負の屈折力を有するようにしてもよい。
【0021】
基準レンズ6は、良好な収差性能と共にコンパクト性を確保するために、以下の条件式(1)および(2)を満たすように構成されている。ここで、fは基準レンズ6A全系の焦点距離を示し、f3は第3レンズL3の焦点距離を示し、R5は第3レンズL3の入射側の面S5における曲率半径を示す。
2.2≦f3/f≦2.8 ……(1)
0.75≦R5/f≦0.83……(2)
【0022】
基準レンズ6は、より良好な収差性能と共に製造上の容易さを確保するために、さらに、以下の条件式(3)を満足するように構成されていることが望ましい。ここで、f2は第2レンズL2の焦点距離を示す。
3.6≦f2/f≦5.4 ……(3)
【0023】
基準レンズ6は、さらに、より大きな見込み角θ1を有する被検球面7の測定を行うため以下の条件式(4)を満足するように構成されていることが望ましい。ここで、NAは基準レンズ6A全系の被検球面側における開口数である。
0.8≦NA ……(4)
【0024】
さらに、基準レンズ6は、より容易に製造可能とするために、第1ないし第4レンズL1〜L4が、全て1.75以上の屈折率Nj(j=1〜4)を有するように構成することが望ましい。
【0025】
次に、基準レンズ6の光学的な作用および効果について説明する。
【0026】
基準レンズ6に入射した光束は、第1〜第4レンズL1〜L4を順次透過し、焦点Pに向かって集光する。
【0027】
ここで、第1レンズL1は、主として光束集束機能を発揮する。光束集束機能は、入射光束の光束径を集束する機能である。仮に入射光束入射面S1が入射側に向けて凹面をなしていたとすると、基準レンズ6における基準球面F(面S8)の曲率半径R8は大きくなる反面、基準レンズ6全体のサイズが大きくなってしまう。さらに、後続のレンズが分担するパワーが増加するので、少ない枚数での収差補正が困難となる。これに対し、本実施の形態では、第1レンズL1が凸面(入射光束入射面S1)を入射側に向けた正のレンズであるので、入射光束は第1レンズL1を透過することにより集束して光束径が縮小する。この結果、基準レンズ6を少ないレンズ枚数で構成することができ、かつ、その最大径を小さく抑えることができる。
【0028】
第2および第3レンズL2,L3は、それぞれ、入射側に凸面を向けた正のメニスカス形状をなしているので、光束が各面を通過する際に急激に屈曲するのを回避することができる。すなわち、徐々に入射光束の開口数NAが大きくなるように集光しつつ、各レンズでの球面収差の発生を低減することができる。但し、集束角θ2(開口数NA)の増大に伴って光束径は次第に小さくなる。
【0029】
第4レンズL4は、凸球面の被検球面7を測定可能とするために面S8(基準球面F)が射出側に向かって凹面となり、第3レンズL3から射出した光束を透過させることによって、焦点Pを曲率中心とし面S8と同じ曲率半径を有する球面波を形成するように機能する。面S8から射出した球面波は、次第に曲率半径を縮小しながら焦点Pに向かって進行し、被検球面7に垂直入射(被検球面7の法線方向と波面の法線方向とが一致するように入射)する。したがって、被検球面7が凸球面の場合には、面S8の曲率半径R8は測定可能な最大曲率半径を規定する。なお、凹球面の場合には、当然ながら曲率半径R8の制限はない。また、入射側の面S7が入射側に向かって凸形状を有するようになっているので、球面収差の補正を効率的に行うことができる。
【0030】
条件式(1)は、第3レンズL3の適正な正のパワー範囲を規定している。条件式(1)の下限を下回ると、第3レンズL3のパワーが強くなり過ぎ、第3レンズL3の周縁部における厚みが薄くなってしまい、製造することが困難となる。あるいは、面S8(基準球面F)の曲率半径R8が小さくなってしまい、比較的大きな曲率半径を有する凸球面が測定不可能となる。さらに、球面収差を十分に補正できなくなる。一方、条件式(1)の上限を上回ると第3レンズL3のパワーが弱くなるので、後続の第4レンズL4の入射面S7における曲率半径R7が大きくなり過ぎてしまう。このため、面S7の寸法誤差に対して、高次の球面収差が高感度で発生することとなり、製造する上で、極めて高い寸法精度が要求される。
【0031】
条件式(2)は、第3レンズL3の射出側の面S5における適正な曲率半径R5を規定している。条件式(2)の下限を下回ると、第2レンズL2からの光束が急激に屈曲されることになり、球面収差が発生しやすくなる。さらに、面S5を見込む角度が大きくなるので、均一な研磨加工が困難となる。一方、条件式(2)の上限を上回ると、第2レンズL2からの光束を十分に集光できなくなるため、その分、後続の第4レンズL4における曲率半径R7を小さくせざるを得なくなる。このため、第4レンズL4において球面収差が発生しやすい。
【0032】
条件式(3)は、第2レンズL2の適正な正のパワー範囲を規定している。条件式(3)の下限を下回ると第2レンズL2のパワーが強くなり過ぎてしまう。このため、第2レンズL2の面S4と第3レンズL3の面S5との間隔D4の変化によって発生する球面収差に対する感度が、後続の第4レンズL4の中心厚D7の変化によって発生する球面収差に対する感度よりも高くなってしまうので、面間隔調整などによる補正が困難となる。一方、条件式(3)の上限を上回ると、第2レンズL2のパワーが不足するので、後続の第3レンズL3が負担するパワー配分を極端に大きくする必要が生じる。このため、第3レンズL3の面S5を見込む角度が大きくなり過ぎ、面S5の均一な研磨加工が困難となる。また、第3レンズL3ではなく第1レンズL1がパワーを負担するようにすると、基準レンズ6に入射した直後の段階、すなわち、第1レンズL1を透過した時点において集束角が大きくなり過ぎ、光束径が小さくなってしまう。その結果、面S8(基準球面F)の曲率半径R8が小さくなってしまい、凸球面(被検球面7)における測定可能な最大曲率半径が小さくなってしまう。
【0033】
また、第1ないし第4レンズL1〜L4が、全て1.75以上の屈折率Nj(j=1〜4)を有することにより、第1ないし第4レンズL1〜L4における適正なパワー配分がなされる。第1ないし第4レンズL1〜L4のいずれかにおける屈折率Njが1.75未満の場合、第3レンズL3の曲率半径R5または第4レンズL4の曲率半径R7が小さくなり過ぎ、面S5または面S7の均一な研磨加工が困難となる。
【0034】
以上説明したように、本実施の形態によれば、上述の構成を有して各条件式を満たすことにより、フィゾー干渉計に適し、光学的な性能面と実用面とのバランスに優れた基準レンズを得ることができる。具体的には、入射光束径を拡大することなく球面収差等の諸収差を抑制すると共に、4枚という少ないレンズ枚数であっても、比較的大きな集束角θ2を確保できる。これにより、全体として軽量かつコンパクトでありながら、比較的大きな見込み角θ1の凸球面(被検球面7)の測定が可能となる。
【0035】
【実施例】
次に、上記実施の形態に係る基準レンズにおける、いくつかの実施例について説明する。以下では、第1〜第7の数値実施例(実施例1〜7)についてまとめて説明する。
【0036】
<実施例1〜7>
図9〜図15は、それぞれ、基準レンズ6A〜6G(図2〜図8)の構成に対応する実施例1〜7としてのレンズデータを示すものである。各図の面番号Siの欄には、最も入射側の面(すなわち、第1レンズL1の入射面)を1番目として射出側に向かって順次増加する光学面の番号を示す。曲率半径Riの欄には図2〜図8に付した符号Riに対応した値を示し、面間隔Diの欄には図2〜図8に付した符号Diに対応した値を示す。これら曲率半径Riおよび面間隔Diの値の単位はミリメートル(mm)である。さらに、屈折率Njの欄には、入射側からj番目(j=1〜4)のレンズLjのHe−Neレーザ光線(波長λ=632.8nm)における屈折率の値を示す。実施例1〜7では、屈折率Njは全て1.79885(>1.75)であり、条件式(4)を満たしている。なお、各実施例のレンズデータは、入射光束径Φinが100mmとなるように規格化したものである。
【0037】
図16は、実施例1〜7について、開口数NA,基準レンズの全長TL(mm),基準レンズ全系の焦点距離fおよび上記の各条件式(1)〜(3)に対応する数値を示したものである。図16に示したように、実施例1〜7では、開口数NAは全て0.8を上回る値であり、実施例1から順に大きくなるように構成されている。これに伴い、面S8(基準球面F)の曲率半径R8は、実施例1から順に小さくなるように構成されている。実施例1〜7では、いずれも、各条件式(1)〜(3)を全て満たしていることが明らかである。
【0038】
図17〜図23は、実施例1〜7の基準レンズ6A〜6Gについての球面収差を表す収差図である。図17〜図23の球面収差は、いずれもHe−Neレーザ光線(波長λ=632.8nm)に対する収差である。
【0039】
以上の各レンズデータおよび各収差図からわかるように、実施例1〜7の基準レンズ6A〜6Gでは、球面収差が良好に補正されている。これに加え、ある程度大きな集束角θ2を確保しつつ、軽量かつコンパクトな構造を実現している。具体的には、レンズ全長TLが49.457mm〜56.783mmである4枚構成をなし、集束角θ2=107.50°〜151.86°を確保している。
なお、本実施例1〜7は、いずれも入射光束径Φinを100mmとして規格化しているので、片側1mmずつの枠当たりしろを確保したとしても最大レンズ外径φmax は102mm程度である。
【0040】
以上、実施の形態およびいくつかの実施例を挙げて本発明を説明したが、本発明は、これらの実施の形態および実施例に限定されず、種々変形可能である。例えば、各レンズ成分の曲率半径R、面間隔Dおよび屈折率Nの値は、上記各数値実施例で示した値に限定されず、他の数値を取ることができる。
【0041】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の干渉計用基準レンズによれば、入射光束の入射側から順に、入射側に凸面を向けた正の第1レンズと、入射側に凸面を向けたメニスカス形状を有する正の第2レンズと、入射側に凸面を向けたメニスカス形状を有する正の第3レンズと、入射側に凸面を向けたメニスカス形状を有する第4レンズとを配設して構成すると共に、条件式(1)および(2)を満足するようにしたので、基準レンズの小型軽量化を図り、かつ、球面収差の増大を抑制しつつ、比較的大きな見込み角の凸球面を測定することが可能となる。すなわち、要求される性能と大きさとのバランスが良好に保たれた干渉計用基準レンズを容易に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る基準レンズが適用されるフィゾー干渉計の概略を示す構成図である。
【図2】図1に示した基準レンズの一構成例を示すものであり、第1の数値実施例(実施例1)に対応する断面図である。
【図3】図1に示した基準レンズの一構成例を示すものであり、第2の数値実施例(実施例2)に対応する断面図である。
【図4】図1に示した基準レンズの一構成例を示すものであり、第3の数値実施例(実施例3)に対応する断面図である。
【図5】図1に示した基準レンズの一構成例を示すものであり、第4の数値実施例(実施例4)に対応する断面図である。
【図6】図1に示した基準レンズの一構成例を示すものであり、第5の数値実施例(実施例5)に対応する断面図である。
【図7】図1に示した基準レンズの一構成例を示すものであり、第6の数値実施例(実施例6)に対応する断面図である。
【図8】図1に示した基準レンズの一構成例を示すものであり、第7の数値実施例(実施例7)に対応する断面図である。
【図9】図2に示した基準レンズの実施例1としてのレンズデータを示す説明図である。
【図10】図3に示した基準レンズの実施例2としてのレンズデータを示す説明図である。
【図11】図4に示した基準レンズの実施例3としてのレンズデータを示す説明図である。
【図12】図5に示した基準レンズの実施例4としてのレンズデータを示す説明図である。
【図13】図6に示した基準レンズの実施例5としてのレンズデータを示す説明図である。
【図14】図7に示した基準レンズの実施例6としてのレンズデータを示す説明図である。
【図15】図8に示した基準レンズの実施例7としてのレンズデータを示す説明図である。
【図16】第1ないし第7の数値実施例に係る基準レンズが満たす条件式のデータを示す説明図である。
【図17】実施例1の基準レンズにおける球面収差を示す収差図である。
【図18】実施例2の基準レンズにおける球面収差を示す収差図である。
【図19】実施例3の基準レンズにおける球面収差を示す収差図である。
【図20】実施例4の基準レンズにおける球面収差を示す収差図である。
【図21】実施例5の基準レンズにおける球面収差を示す収差図である。
【図22】実施例6の基準レンズにおける球面収差を示す収差図である。
【図23】実施例7の基準レンズにおける球面収差を示す収差図である。
【符号の説明】
R1〜R8…曲率半径、D1〜D8…面間隔、N1〜N4…屈折率、L1〜L4…レンズ成分、F…基準球面、P…焦点、Z1…光軸、1…フィゾー干渉計、2…レーザ光源、3…レーザ光束発散レンズ、4…ハーフミラー、5…コリメータレンズ、6(6A〜6G)…干渉計用基準レンズ(基準レンズ)、7…被検球面、8…結像用レンズ、9…撮像素子。

Claims (4)

  1. 入射光束の一部を基準球面で反射させることにより得られる参照光と、前記基準球面を通過した光束を前記基準球面の曲率中心と一致する焦点に向かうように集光させたのち、その焦点と一致する曲率中心を有する被検球面で反射させることによって得られる被検光とを干渉させることにより、前記被検球面の形状を計測し得るように構成された干渉計に用いられる干渉計用基準レンズであって、
    前記入射光束の入射側から順に、
    入射側に凸面を向けた正の第1レンズと、
    入射側に凸面を向けたメニスカス形状を有する正の第2レンズと、
    入射側に凸面を向けたメニスカス形状を有する正の第3レンズと、
    入射側に凸面を向けたメニスカス形状を有する第4レンズと
    が、配設されて構成されると共に、以下の条件式(1)および(2)を満足する
    ことを特徴とする干渉計用基準レンズ。
    2.2≦f3/f≦2.8 ……(1)
    0.75≦R5/f≦0.83……(2)
    但し、
    f:干渉計用基準レンズ全系の焦点距離
    f3:前記第3レンズの焦点距離
    R5:前記第3レンズの入射側の面における曲率半径
    とする。
  2. さらに、以下の条件式(3)を満足するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の干渉計用基準レンズ。
    3.6≦f2/f≦5.4 ……(3)
    但し、
    f2:前記第2レンズの焦点距離
    とする。
  3. さらに、以下の条件式(4)を満足するように構成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の干渉計用基準レンズ。
    0.8≦NA ……(4)
    但し、
    NA:干渉計用基準レンズ全系の前記被検球面側における開口数
    とする。
  4. さらに、前記第1ないし第4レンズの屈折率は、全て1.75以上である
    ことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の干渉計用基準レンズ。
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