JP2004150939A - 光学特性評価装置用光学系 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】光源1からの光をコリメートレンズ4でコリメートし、その光を被検光学系6に入射させ、被検光学系6を透過して戻ってきた光を直接若しくは参照光と干渉させた後、リレー光学系8〜10でリレーし、波面計測する光学特性評価装置用光学系であって、コリメートレンズ4が単レンズ又は接合単レンズであり、使用波長域における最も短い波長をλ、コリメート光の有効光束径をD、コリメートレンズの波長λでの焦点距離をf、コリメートレンズが単レンズの場合は波長λでの屈折率をn、接合単レンズの場合は各レンズの屈折率平均値をnとし、D/{(n−1)f2 }≦0.0016(mm−1)を満たす。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光学特性評価装置用光学系に関し、特に、複数の波長で評価可能な高性能な光学特性評価装置用光学系に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
波面収差や個別収差等の光学特性を評価するのに、干渉計が従来から用いられてきている。これらの干渉計に用いられている波長は、主にHe−Neレーザの633nmであり、その他としては、405nm等がある。しかしながら、何れも単一波長での使用に限られており、それらに使用されている光学系も、単一波長での使用が可能なものとなっている。
【0003】
近年、半導体検査向けの検査装置には紫外域の波長、通信分野では近赤外域の波長と言うように、多種多様な波長の光が用いられるようになってきている。これに伴い、従来の633nm以外の波長、望ましくは紫外域から赤外域がカバーできていて、所望の波長での光学系の特性が評価できる装置が望まれている。さらに、評価する光学系の性能も高性能なものが要求されるようになり、これを評価する装置も高性能なものが要求されるようになってきている。
【0004】
特許文献1に開示されている技術は、上記干渉計に用いられる光学系に関連し、被検波を通過させるリレーレンズ系をアフォーカル系としたものである。
【0005】
また、特許文献2に開示されている技術は、シャックハルトマン方式を用いた光学特性評価装置に関するものである。これは干渉計を用いない方式であり、近年注目されるようになってきている。この技術においても、被検波をリレーする光学系を有しており、アフォーカル系で構成されている。
【0006】
【特許文献1】
特開平7−198316号公報
【0007】
【特許文献2】
特開平10−216092号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記特許文献1に開示されている技術は、単一波長で使用することを前提とした技術であり、この技術だけでは複数の波長で使用するという目的を達成することはできない。また、この技術は、被検波の波面収差が0.01λ(λは波長)程度といった高性能な光学系を十分に考慮したものとなっていないので、この技術をそのまま用いたとしても、高性能な光学系の評価を十分に行うことはできない。
【0009】
特許文献2に開示されている技術も、複数の波長で使用することは想定されていない。よって、特許文献2に開示されている技術だけでは、複数の波長で使用するという目的を達成することはできない。
【0010】
本発明は上記従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、高性能な光学系に対応が可能で、複数の波長で評価可能な光学特性評価装置用光学系を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明の第1の光学特性評価装置用光学系は、光源からの光をコリメートレンズでコリメートし、コリメートされた光を被検面若しくは被検光学系に入射させ、被検面で反射若しくは被検光学系を透過して戻ってきた光を直接リレー光学系でリレーするか若しくは参照光と干渉させた後、リレー光学系でリレーし、波面計測する光学特性評価装置用光学系であって、
前記コリメートレンズが単レンズ若しくは接合単レンズであり、
使用波長域における最も短い波長をλとし、コリメート光の有効光束径をD、コリメートレンズの波長λでの焦点距離をf、コリメートレンズが単レンズの場合は波長λでのその屈折率をn、接合単レンズの場合は波長λでの各レンズの屈折率の平均値をnとしたとき、
D/{(n−1)f2 }≦0.0016(mm−1) ・・・(1)
を満たすことを特徴とするものである。
【0012】
本発明のもう1つの光学特性評価装置用光学系は、光源からの光をコリメートレンズでコリメートし、コリメートされた光を被検面若しくは被検光学系に入射させ、被検面で反射若しくは被検光学系を透過して戻ってきた光を直接アフォーカル光学系でリレーするか若しくは参照光と干渉させた後、アフォーカル光学系でリレーし、波面計測する光学特性評価装置用光学系であって、
前記アフォーカル光学系は、被検物体側からレンズ群Gaとレンズ群Gbとする正の焦点距離を有する2つのレンズ群で構成され、該レンズ群Gaの後側焦点位置と該レンズ群Gbの前側焦点位置が略一致するよう配置されており、
使用波長を短い方からλ1 、λ2 、…、λn とし、前記レンズ群Gaの各波長での焦点距離をfa1、fa2、…、fan、及び、前記レンズ群Gbの各波長での焦点距離をfb1、fb2、…、fbnとしたとき、使用波長における任意の波長λm (2≦m≦n)に対して、
0.97≦(fbm/fam)/(fb1/fa1)≦1.03 ・・・(2)
となるように、レンズ群Ga及びレンズ群Gbを構成したことを特徴とするものである。
【0013】
この場合に、前記レンズ群Ga及びレンズ群Gbを構成するレンズの材質を同じにすることが望ましい。
【0014】
さらに、以上において、光源からの光の波長を変えたときに、前記光源と前記コリメートレンズの間隔、前記レンズ群Gaとレンズ群Gbの間隔が各々変えられる構成を有していて、光源からの光の波長を変えた後で、コリメート及びアフォーカルの状態が調整できる機構を有していることが望ましい。
【0015】
また、以上においては、該レンズ群Gaの後側焦点位置と該レンズ群Gbの前側焦点位置が略一致するよう配置されており、
前記レンズ群Gaの後側焦点位置あるいは前記レンズ群Gbの前側焦点位置近傍にスペーシャルフィルタが配置されていることが望ましい。
【0016】
本発明のさらにもう1つの光学特性評価装置用光学系は、光源からの光をコリメートレンズでコリメートし、コリメートされた光を被検面若しくは被検光学系に入射させ、被検面で反射若しくは被検光学系を透過して戻ってきた光を直接アフォーカル光学系でリレーするか若しくは参照光と干渉させた後、アフォーカル光学系でリレーし、波面計測する光学特性評価装置用光学系であって、
前記アフォーカル光学系は、被検物体側からレンズ群Gaとレンズ群Gbとする正の焦点距離を有する2つのレンズ群で構成され、該レンズ群Gaの後側焦点位置と該レンズ群Gbの前側焦点位置が略一致するよう配置されており、
前記レンズ群Gaの後側焦点位置あるいは前記レンズ群Gbの前側焦点位置近傍にスペーシャルフィルタが配置されていることを特徴とするものである。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下に、上記の本発明の光学特性評価装置用光学系においてそのような構成をとる理由と作用を説明する。
【0018】
本発明の光学特性評価装置用光学系は、光源からの光をコリメートレンズでコリメートし、コリメートされた光を被検面若しくは被検光学系に入射させ、被検面で反射若しくは被検光学系を透過して戻ってきた光を直接リレー光学系でリレーするか若しくは参照光と干渉させた後、リレー光学系でリレーし、波面計測する光学特性評価装置用光学系である。
【0019】
ここで、被検面で反射若しくは被検光学系を透過して戻った光(被検光)を直接リレー系でリレーして、波面計測する構成としては、シャックハルトマン方式の構成がある。一方、被検光を参照光と干渉させた後リレー光学系でリレーして、波面計測する構成としては、フィゾー型等の干渉計がある。
【0020】
そして、本発明では、前記コリメートレンズが単レンズ若しくは接合単レンズであり、
使用波長域における最も短い波長をλとし、コリメート光の有効光束径をD、コリメートレンズの波長λでの焦点距離をf、コリメートレンズが単レンズの場合は波長λでのその屈折率をn、接合単レンズの場合は波長λでの各レンズの屈折率の平均値をnとしたとき、
D/{(n−1)f2 }≦0.0016(mm−1) ・・・(1)
を満たすようにしている。
【0021】
フィゾー型の干渉計においては、被検光と参照光が共通光路を通るので、理論的にはコリメート光に残存収差があっても影響を受けないことになっている。これは、アライメント誤差がない場合のみ正しい。干渉計光学系や被検光学系のアライメントに誤差がある場合は、フィゾー干渉計であってもこの誤差の影響を受け、測定誤差が生じる。
【0022】
被検光と参照光が同じ光学系を通っていても、同じ光路を通らなければその影響はキャンセルされない。したがって、アライメント誤差があると、厳密に同じ光路を通らなくなるので、コリメート光の残存収差の影響を受けてしまうことになる。特に、高性能光学系を評価する際には、この測定誤差が影響してくる。そのため、コリメート光は有効光束径の範囲において、できる限り無収差に近い方が望ましい。
【0023】
本発明では、単レンズや接合単レンズといった簡単なレンズ系で、有効光束径の範囲内において略無収差とみなせるコリメート光を生成させるようにしている。その作用についてもう少し詳しく説明する。
【0024】
光学系の収差は、一般的に、NA(開口数)が小さい程発生する収差は少ない。コリメートレンズにおけるNAは、コリメート光の光束径と焦点距離の比で関連付けられる。ただし、NAが同じであっても、発生する収差量は焦点距離に比例するので、焦点距離が長い程収差の発生量は大きくなる。したがって、焦点距離で規格化したNAで考える必要がある。さらに、同じ焦点距離であっても、レンズ媒質の屈折率が高い方が発生する収差量は小さくなる。単レンズで考えると分かりやすいが、屈折率が高いと緩い曲率半径でも大きなパワーを持たせることができる。したがって、同じ焦点距離であっても、屈折率が高い方が曲率半径は緩くなり、結果として発生する収差も小さくなる。この屈折率nの効果は、n−1に比例する。
【0025】
以上に鑑みて、必要な光束径に対し、(1)式を満たす焦点距離のレンズをコリメートレンズに使用することで、有効光束径において略無収差と見なせる光束を生成させることができる。ここで、略無収差というのは、波面収差が0.01λ程度の高性能光学系の評価を考慮すると、少なくともこれと同程度以下である状態のことを言う。(1)式の上限の0.0016(mm−1)を越えると、コリメート光は無収差とは言えないようになってくる。
【0026】
さらに、本発明では、単レンズや接合単レンズといった簡単な構成を用いているが、単レンズや接合単レンズで構成すると、光学系の構成が単純になる。よって、光学系の調整が必要になってもそれ程厳しい精度は要求されない。また、NAが小さい状態で使用するので、簡単な構成であっても収差はそれ程発生しない。また、材質に石英等を用いると、紫外域の光を使う場合も光量ロスが少ない。
【0027】
単レンズや接合単レンズといった簡単な構成の場合、複数の波長に対して焦点距離を同じにすることは困難である。単レンズや接合単レンズの場合、波長が短い程焦点距離が短くなる傾向があるため、使用波長域の最も短い波長に対して、上記(1)式を満たすようにしておくのがよい。
【0028】
条件(1)を満足すると、色収差を補正する調整は必要になるが、調整さえ行えば、略無収差とすることができる。
【0029】
本発明のもう1つの光学特性評価装置用光学系は、光源からの光をコリメートレンズでコリメートし、コリメートされた光を被検面若しくは被検光学系に入射させ、被検面で反射若しくは被検光学系を透過して戻ってきた光を直接アフォーカル光学系でリレーするか若しくは参照光と干渉させた後、アフォーカル光学系でリレーし、波面計測する光学特性評価装置用光学系であって、
前記アフォーカル光学系は、被検物体側からレンズ群Gaとレンズ群Gbとする正の焦点距離を有する2つのレンズ群で構成され、該レンズ群Gaの後側焦点位置と該レンズ群Gbの前側焦点位置が略一致するよう配置されており、
使用波長を短い方からλ1 、λ2 、…、λn とし、前記レンズ群Gaの各波長での焦点距離をfa1、fa2、…、fan、及び、前記レンズ群Gbの各波長での焦点距離をfb1、fb2、…、fbnとしたとき、使用波長における任意の波長λm (2≦m≦n)に対して、
0.97≦(fbm/fam)/(fb1/fa1)≦1.03 ・・・(2)
となるように、レンズ群Ga及びレンズ群Gbを構成している。
【0030】
波面計測を行う際、被検光学系の瞳面をリレー系を通してリレーし、CCD等で撮像して計測することが一般的である。このリレー系をアフォーカル光学系で構成することのメリットは、特許文献1からも周知である。アフォーカル光学系を正の焦点距離を有するレンズ群Gaとレンズ群Gbで構成した場合、その投影倍率はその焦点距離の比で決まる。この倍率はCCD等の撮像素子の大きさと被検光学系の瞳径で通常決定され、測定精度を少しでも良くするために、通常は被検光学系の瞳が撮像素子からはみ出ないようにできるだけ大きく投影する。特に、被検光を直接リレーして波面計測するシャックハルトマン方式の場合、リレー系(ここでは、アフォーカル光学系)で投影された瞳をマイクロレンズでサンプリングするため、投影倍率が測定の精度に与える影響は大きい。
【0031】
光学特性評価装置用光学系を複数の波長に対応させようとした場合に、このリレー系の倍率が波長によって大きく変わることは望ましくない。特にシャックハルトマン方式の方が影響は大きいが、測定した波長によって測定精度が変わるという事態が発生する。
【0032】
そこで、本発明のもう1つの光学特性評価装置用光学系においては、(2)式を満たすようにレンズ群Ga及びレンズ群Gbを構成している。任意の波長において倍率が変わらないというのが理想的であるが、干渉計用の光学系を想定した場合には、通常は光源にレーザしか使用できないので、数波長に対して(2)式を満たすようにしておけばよい。(2)式の下限の0.97を下回ると、倍率が小さくなり、特にシャックハルトマン方式の場合に測定精度が悪くなる。また、その上限の1.03を上回ると、倍率が大きくなり、場合によっては波長を変えた際に撮像素子から瞳像がはみ出てしまう。
【0033】
(2)式を満たす具体的な手段としては、可視域のレーザ波長で数波長に対応させるという目的であれば、レンズ群Ga及びレンズ群Gbをそれぞれ接合単レンズで構成し、それぞれの材質と曲率半径を適当に選んでやることで実現できる。
【0034】
さらに、上記のもう1つの光学特性評価装置用光学系において、前記レンズ群Ga及びレンズ群Gbを構成するレンズの材質を同じにすることが望ましい。
【0035】
これは、材質を同じにすることで、波長分散を同じにすることができる。よって、波長を変えたときの焦点距離の変化の割合がレンズ群Ga及びレンズ群Gbで同じとなり、その比をとると一定となる。すなわち、波長を変えてもアフォーカル状態を略同じに保つことができる。例えば、レンズ群Ga及びレンズ群Gbをそれぞれ単レンズで構成し、同じ材質でレンズ形状も平凸レンズなら平凸レンズ、両凸レンズなら両凸レンズで統一すると、全波長域で倍率を一定とすることができる。
【0036】
同じ材質であっても、レンズ形状が平凸レンズと両凸レンズといったように異なると、波長に対する焦点距離の変化の仕方が微妙に変わるので、倍率が一定にはならないが、(2)式を満たす程度にはすることができる。
【0037】
次に、上記のもう1つの光学特性評価装置用光学系において、光源からの光の波長を変えたときに、前記光源と前記コリメートレンズの間隔、前記レンズ群Gaとレンズ群Gbの間隔が各々変えられる構成を有していて、光源からの光の波長を変えた後で、コリメート及びアフォーカルの状態が調整できる機構を有していることが望ましい。
【0038】
コリメートレンズやリレーレンズに接合単レンズを使用し、使用する波長が2波長であれば、この2波長で光学系の色収差を補正し、波長を変えても無調整で使用できるということは可能である。しかしながら、3波長以上に対応させようとすると、接合単レンズの位置を固定した状態では色収差を十分補正することは難しい。よって、コリメート状態やアフォーカルの状態が調整できる機構を有していることが望ましい。
【0039】
また、前記レンズ群Gaの後側焦点位置あるいは前記レンズ群Gbの前側焦点位置近傍にスペーシャルフィルタが配置されているようにすることが望ましい。
【0040】
波面計測を行う際に、被検面とCCD等の撮像面を共役にすることは非常に重要なことである。この共役にする調整は、通常CCD等の撮像面に被検面のピントが合うようにCCD等を光軸方向に移動することによって行われる。この調整が不十分だと、波面が正しくリレーされないために、正しい波面が計測できない。調整の度合いは測定精度に影響を与えるため、高性能な光学系を評価するには重要なファクターとなる。このことは、シャックハルトマン方式の場合であっても同じである。ただし、シャックハルトマン方式の場合は、マイクロレンズを通ったスポット列が観察されるため、干渉計の場合よりはピントが合っているかどうかの判断が難しい場合が多い。実際には、合焦前後の状態を見ながらピント位置を求めることを行う。しかしながら、スペーシャルフィルタがない場合には、被検面の有効範囲を決めている枠等のエッジ部分での散乱や回折の影響により、合焦前後の状態を見ながらのピント位置合わせは困難である。
【0041】
したがって、レンズ群Gaの後側焦点位置あるいはレンズ群Gbの前側焦点位置近傍にスペーシャルフィルタを配置し、被検面の有効範囲を決めている枠等のエッジ部分での散乱や回折の影響を除去してやることで、ピント位置調整を容易にすることができる。また、ピント位置調整が若干甘かったとしても、散乱や回折の影響が除去されているので、測定精度にさほど影響を与えないようにすることができる。
【0042】
なお、レンズ群Gaの後側焦点位置あるいはレンズ群Gbの前側焦点位置近傍にスペーシャルフィルタを配置しておけば、高性能な光学系の評価や複数の波長を使った評価以外の評価を行う際にも有用である。
【0043】
次に、以下に、本発明の光学特性評価装置用光学系の第1〜第3実施例を図面を参照にして説明する。
【0044】
(第1実施例)
本発明の第1実施例について説明する。図1は、本発明の第1実施例の構成を示す図である。レーザ1からの光を集光レンズ2で集光し、シングルモードファイバ3の一端に入射させ、そのファイバ3の他端から射出した光をコリメートレンズ4でコリメートさせている。コリメート光は、ハーフミラー7で2光束に分割され、一方の光束は被検レンズ6を経て参照凹面ミラー5へ、もう一方の光束は参照ミラー12へと導かれる。これら2光束は再びハーフミラー7で結合され、この2光束の干渉縞をリレーレンズ8及び10を通してリレーし、CCD11で撮像し、波面計測できるようになっている。コリメートレンズ4は、図3に示したように、平凸レンズ1枚で構成されている。硝材は石英なので、紫外域でも使用可能である。本実施例では、波長266nmから1064nmまでの波長範囲での測定を想定しているので、最も短い波長は266nmである。このレンズ4でコリメートされた光の有効光束径はφ10mmであり、266nmでの屈折率及び焦点距離は、1.49968 、184.117 mmであるから、(1)式の左辺を計算すると、0.00059 となるので、(1)式を満たしている。また、波長266nm、有効光束径φ10mmで使用した際の波面収差は、0.0083λであるので、高性能な光学系の測定・評価にも十分に対応できる。
【0045】
波長を変えて使用する際には、シングルモードファイバ3とコリメートレンズ4の間の距離を変えてやる必要がある。本実施例では、図示してはいないが、使用するレーザ1毎にシングルモードファイバ3が取り付けられており、ファイバ3を差替えることで波長を変えるようになっている。したがって、ファイバ3射出側部分が光軸方向に調整されるような構成となっている。もちろん、ファイバ3位置を固定しておき、コリメートレンズ4が光軸方向に動くようにしてもよいことは言うまでもない。
【0046】
コリメートレンズ4部分の各波長毎のレンズデータを表1に示す。この表1中、rは面の曲率半径、dは面間隔を示し、左欄の番号は図3中の面番号及び面間隔番号に対応する。以下、同じ。
【0047】
【表1】
次に、リレー光学系部分について説明する。その構成は図4に示した通りである。レンズ群Ga(8)及びレンズ群Gb(10)共に平凸の単レンズにて構成されていて、平面側で相互に向かい合っている。硝材は何れも石英で構成されている。
【0048】
波長を変えて使用する際には、リレーレンズ8及び10が単独で光軸方向に動くようになっている。被検面とCCD面の共役関係を調整するために、別機構として、リレーレンズ8及び10とスペーシャルフィルタ9が一体で光軸方向に移動するようになっている。また、CCD11も光軸方向に移動できるようになっている。
【0049】
リレー光学系部分の各波長毎のレンズデータを表2に、各波長での焦点距離fa 、fb 及び波長を変えた際のアフォーカル調整を行った後のリレー倍率を表3に示す。
【0050】
【表2】
【0051】
【表3】
使用波長域の中で最も短い波長が266nmなので、これがλ1 となる。また、リレーレンズ8及び10が石英製の平凸単レンズで構成されているために、波長が変化した際の焦点距離の変化率は、リレーレンズ8と10とで同じになる。すなわち、(2)式の計算式部分の値は1で一定となる。したがって、(2)式を満たしている。
【0052】
(第2実施例)
本発明の第2実施例について説明する。図2は、本発明の第2実施例の構成を示す図である。ランプ13から出た光は、ミラー14、コレクタレンズ15を順に通ってピンホール16上に集光される。ピンホール16のピンホール径は、コレクタレンズ15で集光される光の回折径程度以下に設定されている。ピンホール16を透過した光は、コリメートレンズ4でコリメートされ、ハーフミラー7で反射して被検光学系6を経て参照凹面ミラー5へ導かれる。被検光学系6から戻ってきた光は、ハーフミラー7を透過して、リレーレンズ8及び10を通してマイクロレンズアレイ17に入射される。マイクロレンズアレイ17で集光されたスポット列をCCD11で撮像し、解析することで、被検光学系6の波面収差を求めるようになっている。
【0053】
本実施例においては、コリメートレンズ4は、図5に示したように、接合単レンズにて構成されている。この接合単レンズは、石英の負メニスカスレンズと、蛍石の両凸正レンズとで構成されている。本実施例においては、使用波長域は248nm〜900nmである。波長248nmにおける石英の屈折率は1.50855 、蛍石の屈折率は1.46803 である。このコリメートレンズ4でコリメートされた光の有効光束径はφ10mmであり、波長248nmでの平均屈折率及び焦点距離は、1.48829 、194.363 mmであるから、(1)式の左辺を計算すると、0.00054 となるので、(1)式を満たしている。また、波長248nm、有効光束径φ10mmで使用した際の波面収差は、0.0038λであるので、高性能な光学系にも十分に対応できる。
【0054】
波長を変えて使用する際には、コリメータレンズ4が光軸方向に移動することで、調整がなされる。
【0055】
コリメートレンズ4部分の各波長毎のレンズデータを表4に示す。表中のnd 及びνd は、それぞれd線での屈折率及びアッベ数を示している。以下、同じ。
【0056】
【表4】
次に、リレー光学系部分について説明する。その構成は図6に示した通りである。レンズ群Ga(8)及びレンズ群Gb(10)共に接合単レンズにて構成されており、レンズ群Gaは両凸正レンズと負メニスカスレンズの接合単レンズ、レンズ群Gbは負メニスカスレンズと両凸正レンズの接合単レンズからなる。硝材は何れも凸レンズは蛍石、凹レンズは石英で構成されている。さらに、レンズ群Gbはレンズ群Gaの曲率半径及び肉厚を係数倍することで構成されている。
【0057】
波長を変えて使用する際には、第1実施例と同様に、リレーレンズ8及び10が単独で光軸方向に動くようになっている。被検面とCCD面の共役関係を調整するために、別機構としてリレーレンズ8及び10とスペーシャルフィルタ9が一体で光軸方向に移動するようになっている。また、CCD11とマイクロレンズアレイ17が一体で光軸方向に移動できるようになっている。
【0058】
リレー光学系部分の各波長毎のレンズデータを表5に、各波長での焦点距離fa 、fb 及び波長を変えた際のアフォーカル調整を行った後のリレー倍率を表6に示す。
【0059】
【表5】
【0060】
【表6】
使用波長域の中で最も短い波長が248nmなので、これがλ1 となる。また、リレーレンズ10がリレーレンズ8を係数倍して構成されているために、波長が変化した際の焦点距離の変化率がリレーレンズ8と10が同じとなる。すなわち、(2)式の計算式部分の値は1で一定となる。したがって、(2)式を満たしている。
【0061】
(第3実施例)
本発明の第3実施例について説明する。基本構成は図1に示したものと同じである。さらに、本実施例において、コリメートレンズ4は第1実施例で用いたものと同じである。第1実施例と異なるのは、リレー光学系部分で、可視域の405nm、488nm、514.5nm、532nm、、633nmの5波長においてのみ略無収差となるように設計されているという点である。
【0062】
コリメートレンズ部分の各波長毎のレンズデータを表7に示す。
【0063】
【表7】
本実施例では、405nmから633nmまでの波長に対応することを想定しているので、最も短い波長は405nmである。このレンズ4でコリメートされた光の有効光束径はφ10mmであり、405nmでの屈折率及び焦点距離は、1.46958 、195.919 mmであるから、(1)式の左辺を計算すると、0.00055 となるので、(1)式を満たしている。また、波長405nm、有効光束径φ10mmで使用した際の波面収差は0.0051λであるので、高性能な光学系にも十分に対応できる。
【0064】
次に、リレー光学系部分について説明する。その構成は図7に示した通りである。レンズ群Ga(8)は両凸の単レンズで構成され、レンズ群Gb(10)は凸平正レンズと平凹負レンズの接合単レンズにて構成されている。
【0065】
波長を変えて使用する際には、リレーレンズ8及び10が単独で光軸方向に動くようになっている。被検面とCCD面の共役関係を調整するために、別機構としてリレーレンズ8及び10とスペーシャルフィルタ9が一体で光軸方向に移動するようになっている。また、CCD11も光軸方向に移動できるようになっている。
【0066】
リレー光学系部分の各波長毎のレンズデータを表8に、各波長での焦点距離fa 、fb 及び波長を変えた際のアフォーカル調整を行った後のリレー倍率を表9に示す。
【0067】
【表8】
【0068】
【表9】
使用波長域の中で最も短い波長が405nmなので、これがλ1 となる。表9から明らかなように、(2)式を満たしている。
【0069】
上記で示した3つの実施例で用いられた光学系は、それぞれ示した干渉計用あるいはシャックハルトマン方式用に限ったものでなく、所望の目的が達成されれば、他のものに使用して構わないことは言うまでもない。例えば、第1実施例で示したコリメートレンズ及びリレー光学系をシャックハルトマン方式に用いても構わないということである。
【0070】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、比較的簡単な光学系で構成できて、高性能な光学系に対応が可能で、複数の波長で評価可能な光学特性評価装置用光学系を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光学特性評価装置用光学系の第1実施例の構成を示す図である。
【図2】本発明の光学特性評価装置用光学系の第2実施例の構成を示す図である。
【図3】第1実施例のコリメートレンズの構成を示す断面図である。
【図4】第1実施例のリレー光学系の構成を示す断面図である。
【図5】第2実施例のコリメートレンズの構成を示す断面図である。
【図6】第2実施例のリレー光学系の構成を示す断面図である。
【図7】第3実施例のリレー光学系の構成を示す断面図である。
【符号の説明】
1…光源
2…集光レンズ
3…シングルモードファイバ
4…コリメートレンズ
5…参照凹面ミラー
6…被検光学系
7…ハーフミラー
8…リレーレンズGa
9…スペーシャルフィルタ
10…リレーレンズGb
11…CCD
12…参照ミラー
13…ランプ
14…ミラー
15…コレクタレンズ
16…ピンホール
17…マイクロレンズアレイ
Claims (6)
- 光源からの光をコリメートレンズでコリメートし、コリメートされた光を被検面若しくは被検光学系に入射させ、被検面で反射若しくは被検光学系を透過して戻ってきた光を直接リレー光学系でリレーするか若しくは参照光と干渉させた後、リレー光学系でリレーし、波面計測する光学特性評価装置用光学系であって、
前記コリメートレンズが単レンズ若しくは接合単レンズであり、
使用波長域における最も短い波長をλとし、コリメート光の有効光束径をD、コリメートレンズの波長λでの焦点距離をf、コリメートレンズが単レンズの場合は波長λでのその屈折率をn、接合単レンズの場合は波長λでの各レンズの屈折率の平均値をnとしたとき、
D/{(n−1)f2 }≦0.0016(mm−1) ・・・(1)
を満たすことを特徴とする光学特性評価装置用光学系。 - 光源からの光をコリメートレンズでコリメートし、コリメートされた光を被検面若しくは被検光学系に入射させ、被検面で反射若しくは被検光学系を透過して戻ってきた光を直接アフォーカル光学系でリレーするか若しくは参照光と干渉させた後、アフォーカル光学系でリレーし、波面計測する光学特性評価装置用光学系であって、
前記アフォーカル光学系は、被検物体側からレンズ群Gaとレンズ群Gbとする正の焦点距離を有する2つのレンズ群で構成され、該レンズ群Gaの後側焦点位置と該レンズ群Gbの前側焦点位置が略一致するよう配置されており、
使用波長を短い方からλ1 、λ2 、…、λn とし、前記レンズ群Gaの各波長での焦点距離をfa1、fa2、…、fan、及び、前記レンズ群Gbの各波長での焦点距離をfb1、fb2、…、fbnとしたとき、使用波長における任意の波長λm (2≦m≦n)に対して、
0.97≦(fbm/fam)/(fb1/fa1)≦1.03 ・・・(2)
となるように、レンズ群Ga及びレンズ群Gbを構成したことを特徴とする光学特性評価装置用光学系。 - 前記レンズ群Ga及びレンズ群Gbを構成するレンズの材質を同じにしたことを特徴とする請求項2記載の光学特性評価装置用光学系。
- 光源からの光の波長を変えたときに、前記光源と前記コリメートレンズの間隔、若しくは、前記レンズ群Gaとレンズ群Gbの間隔が各々変えられる構成を有していて、光源からの光の波長を変えた後で、コリメート若しくはアフォーカルの状態が調整できる機構を有していることを特徴とする請求項2又は3記載の光学特性評価装置用光学系。
- 前記レンズ群Gaの後側焦点位置あるいは前記レンズ群Gbの前側焦点位置近傍にスペーシャルフィルタが配置されていることを特徴とする請求項2から4の何れか1項記載の光学特性評価装置用光学系。
- 光源からの光をコリメートレンズでコリメートし、コリメートされた光を被検面若しくは被検光学系に入射させ、被検面で反射若しくは被検光学系を透過して戻ってきた光を直接アフォーカル光学系でリレーするか若しくは参照光と干渉させた後、アフォーカル光学系でリレーし、波面計測する光学特性評価装置用光学系であって、
前記アフォーカル光学系は、被検物体側からレンズ群Gaとレンズ群Gbとする正の焦点距離を有する2つのレンズ群で構成され、該レンズ群Gaの後側焦点位置と該レンズ群Gbの前側焦点位置が略一致するよう配置されており、
前記レンズ群Gaの後側焦点位置あるいは前記レンズ群Gbの前側焦点位置近傍にスペーシャルフィルタが配置されていることを特徴とする光学特性評価装置用光学系。
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KR101219383B1 (ko) * | 2011-07-22 | 2013-01-09 | 한국항공우주연구원 | 광학계 성능 측정 장치 및 방법 |
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2002
- 2002-10-30 JP JP2002316218A patent/JP2004150939A/ja active Pending
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