JP2004354317A - 波面収差測定用干渉計 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】収差除去手段3が有する屈折率特性と等価な屈折率特性を備える補償板10と、参照光束Laの全光路長と測定光束Lbの全光路長とを一致させる光路長調整手段とを、ビームスプリッター2から光路屈折手段13にかけての測定光束Lbの光路上に設ける構成を採用した。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光学部品の波面収差等を測定するための干渉計に関し、特に干渉計に入射した被測定光束から干渉計内部で参照光束を作り、この参照光束と測定光束である被測定光束とを干渉させて、被測定光束の波面収差を測定する波面収差測定用干渉計に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の技術を用いた波面収差測定用干渉計200について、図3を用いて説明する。
同図に示す光学ヘッド201には、レーザー光を射出するレーザーダイオード202とコリメートレンズ203が内蔵されている。光学ヘッド201から射出される光束は、レーザーダイオード202及びコリメートレンズ203間の間隔を調整することにより略平行光束となっているが、この光束の波面収差が設計上の許容値を満足しているかを確認する必要がある。
【0003】
そこで、光学ヘッド201から射出する光束を、被測定光束Lとして波面収差測定用干渉計200に入射させ、波面収差の測定を行う。すなわち、波面収差測定用干渉計200に取り込まれた被測定光束Lは、ビームスプリッター204によって2分割され、一方の光束はレンズ205,206を組み合わせたビームエキスパンダ207によって拡大されて参照光束Laとなる。
【0004】
この時、ビームエキスパンダ207により直径がn倍(nは整数)に拡大された参照光束Laは、拡大前の被測定光束Lに対して単位面積当たりの波面収差が1/n2に比例して小さくなるため、仮にn=10として10倍に光束を拡大した参照光束Laの波面収差は、元の被測定光束Lに対して同一面積で比較したとき、ほぼ1/100となり、無視しうる小さな波面収差のみとなる。
さらに、参照光束Laは、ミラー208で反射して直角に曲がり、ビームスプリッター209で反射してまた直角に曲がる。
【0005】
一方、ビームスプリッター204で分割された他方の光束(以下、測定光束Lb)は、ミラー210で反射して直角に曲がり、前記ビームスプリッター209を透過する。ビームスプリッター209で反射した前記参照光束Laと、同ビームスプリッター209を透過した測定光束Lbは、重ね合わされて光束Lcとなり、CCDカメラ211上に干渉縞を形成する。
【0006】
上述のように、参照光束Laの波面収差は無視しうるので、参照光束Laと測定光束Lbの干渉縞を評価することにより、被測定光束Lの波面収差を求めることができる。すなわち、光学ヘッド201の組立、調整誤差などによる波面収差を求めることが可能となる。
以上説明のように、この波面収差測定用干渉計は、被測定光束をビームスプリッターにより2つに分け、その一方の光路の光束を測定光束とし、他方の光路の光束を参照光束とし、これら測定光束及び参照光束を重ね合わせ、そこで発生する干渉縞を観測することによって波面収差を測定するようにしている。
このような波面収差測定用干渉計は、例えば下記特許文献1,2にも開示されている。
【0007】
【特許文献1】
特公平4−41769号公報(第3図参照。)
【特許文献2】
特公平4−81808号公報(第1図参照。)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、レーザーダイオード202のコヒーレンス長(可干渉距離)は、その種類によって異なるが、数mmから数十cm程度のものが多い。したがって、レーザーダイオード202から出射された光束の干渉縞を観察するには、参照光束Laと測定光束Lbの光学的光路長を、コヒーレンス長の範囲で一致させる必要がある。
【0009】
従来の波面収差測定用干渉計では、ビームエキスパンダ207を構成するレンズ205,206の厚さと屈折率により、参照光束La側で光路長が増加する。この増加する光路長は、下記数式(1)により求めることができる。
参照光束Laと測定光束Lbの光路長差=(レンズ205の屈折率)×(レンズ205の厚さ)+(レンズ206の屈折率)×(レンズ206の厚さ)−(空気の屈折率:1)×(レンズ205の厚さ+レンズ206の厚さ)・・・(1)
【0010】
上記数式(1)により求まる光路長差が、レーザーダイオード202のコヒーレンス長に近くなるほど干渉縞のビジビリティ(縞の濃淡の差)が低下し、縞が判別しにくくなる。そして、コヒーレンス長よりも長くなると、干渉縞を観察する事ができなくなる。一方、ビームエキスパンダ207を構成するレンズ205,206は、実際には種々のガラス材料を用いた組み合わせレンズが用いられるため、上記数式(1)に基づく光路長差は、大きくなる傾向にある。したがって、従来の干渉計では、コヒーレンス長の短いレーザーダイオードを用いる場合には、干渉縞のビジビリティが低くなり、測定困難となる虞がある。
【0011】
また、レンズ205,206を構成するガラスの屈折率は、波長により異なるので、レーザーダイオード202の個体差(波長のバラツキ)によっても参照光束Laと測定光束Lbで光路長差が生じてしまう場合がある。特にレーザーダイオード202のコヒーレンス長が1mm以下程度と非常に短い場合には、レーザーダイオード202の個体差(波長のバラツキ)によっても干渉縞を観察することができない場合がありうる。
【0012】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、可干渉距離の短い光束でも干渉縞を観察することができ、なおかつ、光源波長のばらつきに影響されることなく干渉縞を観察することができる波面収差測定用干渉計の提供を目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するために以下の手段を採用した。
すなわち、請求項1に記載の波面収差測定用干渉計は、被測定光束を第1の光束及び第2の光束に分割する光路分割手段と、前記第1の光束から波面収差を除去する収差除去手段と、該収差除去手段を経た後の前記第1の光束及び、前記第2の光束を重ね合わせる光束重ね合わせ手段とを備えた波面収差測定用干渉計において、前記収差除去手段が有する屈折率特性と等価な屈折率特性を備える分散補償手段と、前記第1の光束の全光路長及び前記第2の光束の全光路長を一致させる光路長調整手段とが、前記光路分割手段から前記光束重ね合わせ手段にかけての第2の光束の光路上に設けられていることを特徴とする。
【0014】
上記請求項1に記載の波面収差測定用干渉計によれば、被測定光束は、光路分割手段により第1の光束及び第2の光束に2分割される。分割された一方の光束である第1の光束は、収差除去手段により波面収差が取り除かれる。分割された他方の光束である第2の光束は、収差除去手段と等価な屈折率特性を有する分散補償手段を透過するとともに、光路長調整手段により第1の光束の光路長と一致するように光路長が調整される。
収差除去手段を透過した第1の光束と、分散補償手段及び光路長調整手段を透過した第2の光束は、光束重ね合わせ手段により重ね合わされ、干渉縞を発生させる。
【0015】
請求項2に記載の波面収差測定用干渉計は、請求項1に記載の波面収差測定用干渉計において、前記光路分割手段から前記光束重ね合わせ手段にかけての第1の光束の光路上に、この第1の光束の光路長を延長させる光路延長手段が設けられていることを特徴とする。
【0016】
上記請求項2に記載の波面収差測定用干渉計によれば、光路延長手段により第1の光束側の光路長を延長させることで、光路分割手段から光束重ね合わせ手段にかけて第2の光束の光路も延長させることができる。これにより、第2の光束の光路上における機器配置に柔軟性を持たせることができるようになる。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明の波面収差測定用干渉計の各実施形態を、図面を参照しながら以下に説明するが、本発明がこれらのみに限定解釈されるものでないことは勿論である。
なお、図1は、本発明の波面収差測定用干渉計の第1実施形態を示す図であって、全体構成を示す説明図である。また、図2は、本発明の波面収差測定用干渉計の第2実施形態を示す図であって、全体構成を示す説明図である。
【0018】
(第1実施形態)
まず、図1を参照しながら、本発明の波面収差測定用干渉計の第1実施形態についての説明を行う。
同図に示す本実施形態の波面収差測定用干渉計100(以下、単に干渉計100と称する。)は、測定対象である光学ヘッド101から射出される被測定光束Lの波面収差を測定する干渉計である。光学ヘッド101は、設計波長λ0のレーザー光を射出するレーザーダイオード18、コリメートレンズ19等から構成されている。
【0019】
干渉計100には、入射された被測定光束Lを、参照光束(第1の光束)Laと測定光束(第2の光束)Lbの2つの光束に分割するビームスプリッター(光路分割手段)2が備えられている。
分割された一方の光束である参照光束Laの光路上には、この参照光束Laに含まれる波面収差成分を取り除くための収差除去手段3(空間フィルター,スペシャルフィルター)が配置されている。この収差除去手段3は、第1レンズ群4,ピンホール5,第2レンズ群6から構成され、取り込んだ参照光束Laをピンホール5において点光源に絞ることで波面収差成分を除去する構成となっている。なお、ピンホール5の開口位置は、第2レンズ群6の焦点位置に配置されている。
【0020】
分割された他方の光束である測定光束Lbの光路上には、光路長調整手段9及び補償板10が配置されている。
光路長調整手段9は、ビームスプリッター7及び平面ミラー8により構成されている。平面ミラー8は、測定光束Lbの光軸方向(同図の紙面上下方向)に移動可能となっている。これにより、参照光束Laの全光路長と測定光束Lbの全光路長とを一致させる調整ができるようになっている。
補償板10は、収差除去手段3が有する屈折率特性と等価な屈折率特性(波長分散特性)を備えている。換言すると、収差除去手段3が有する分散特性を補償するような分散特性を備えている。その詳細については、後述において説明する。
【0021】
また、干渉計100には、分割された参照光束Laと測定光束Lbを重ね合わせるための光路屈折手段(光束重ね合わせ手段)13が備えられている。この光路屈折手段13は、収差除去手段3を経た後の参照光束Laを直角に曲げるミラー11と、ミラー11からの参照光束Laを直角に曲げるように反射するとともに、補償板10を経た後の測定光束Lbを透過させるビームスプリッター12とで構成されている。
また、干渉計100には、参照光束Laと測定光束Lbの重ね合わせにより生じる干渉縞を観察するためのCCDカメラ14が固定配置されている。このCCDカメラ14からの画像は、パソコン15に取り込まれ、解析処理が行われる。
【0022】
以上説明の構成を有する干渉計100の動作について説明を行う。
まず、光学ヘッド101から射出されて干渉計100に入射した被測定光束Lは、ビームスプリッター2によって参照光束La及び測定光束Lbの2つの光束に分割される。
ビームスプリッター2を透過した後の参照光束Laは、収差除去手段3の第1レンズ群4により一度集光され、ピンホール5と第2レンズ群6を透過する。ピンホール5は、空間周波数フィルターとして作用し、集光光の内、収差成分である高次空間周波数成分を遮蔽して除去する。また、ピンホール5は、第2レンズ群6の焦点位置に配置されているので、第2レンズ群6を透過した後の参照光束Laは、収差成分が除去された平行光束となる。
【0023】
ここで、光学ヘッド101のレーザーダイオード18の波長は設計上λ0であるが、実際には、製作誤差等により波長のばらつきがある。例えば、波長のばらつきの範囲をλ1〜λ2(ただしλ1<λ0<λ2)とし、参照光束Laの光路中における第1レンズ群4及び第2レンズ群6を構成する全レンズの、波長λ0、λ1、λ2における光路長をそれぞれL0,L1,L2とする。そして、第1レンズ群4を構成するM個の各レンズの厚さをd1,d2,…,dMとし、波長λ0における各レンズの屈折率をn01,n02,…,n0 M、波長λ1における各レンズの屈折率をn11,n12,…,n1 M、波長λ2における各レンズの屈折率をn21,n22,…,n2 Mとする。また、第2レンズ群6を構成するN個の各レンズの厚さをd1´,d2´,…,dN´とし、波長λ0における各レンズの屈折率をn01´,n02´,…,n0N´、波長λ1における各レンズの屈折率をn11´,n12´,…,n1N´、波長λ2における各レンズの屈折率をn21´,n22´,…,n2N´とする。
【0024】
すると、参照光束Laの光路中における、第1レンズ群4及び第2レンズ群6を構成する全レンズの光路長は、下記数式(2)〜(4)で表される。
L0=(n01d1+n02d2+…+n0MdM)+(n01´d1´+n02´d2´+…+n0N´dN´)…(2)
L1=(n11d1+n12d2+…+n1MdM)+(n11´d1´+n12´d2´+…+n1N´dN´)…(3)
L2=(n21d1+n22d2+…+n2MdM)+(n21´d1´+n22´d2´+…+n2N´dN´)…(4)
【0025】
また、第1レンズ群4及び第2レンズ群6を構成する全てのレンズの厚さの合計は、下記数式(5)で求められる。
D=(d1+d2+…+dM)+(d1´+d2´+…+ndN´)…(5)
そして、各波長での光路長の増加分ΔL0,ΔL1,ΔL2は、下記数式(6)〜(8)で表される。
ΔL0=L0−D…(6)
ΔL1=L1−D…(7)
ΔL2=L2−D…(8)
【0026】
一方、ビームスプリッター2で反射して直角に曲げられた測定光束Lbは、光路長調整手段9のビームスプリッター7を透過して平面ミラー8で反射した後、ビームスプリッター7で反射して直角に曲げられる。そして、ビームスプリッター7で反射した測定光束Lbは、補償板10を透過する。
【0027】
ここで、光路長調整手段9のビームスプリッター7の光軸中心と平面ミラー8との距離をL、補償板10の波長λ0における屈折率をn0、波長λ1における屈折率をn1、波長λ2における屈折率をn2、厚さをdとする。このとき、補償板10をなす硝材の材質及び厚さdは、波長λ0と波長λ1で発生する参照光束17の光路長の差(L0−L1)及び波長λ0と波長λ2で発生する参照光束17の光路長の差(L0−L2)と等しくなるような光路長差を生じる屈折率特性(分散)を備えたものを選択する。そして、下記数式(9)を満足するようにLを決める。なお、下記数式(9)におけるn0−1は、補償板10の波長λ0における屈折率をn0から空気の屈折率1を差し引くことを示している。
2L+(n0−1)d=ΔL0…式(9)
【0028】
収差除去手段3を透過した後の参照光束Laは、ミラー11及びビームスプリッター12で反射し、光路長調整手段9及び補償板10を透過した後の測定光束Lbと重ね合わせられる。
測定光束Lbの光路中に、上記数式(9)を満足するような光路長調整手段9及び補償板10を入れることにより、被測定光束Lの波長がレーザーダイオード18の設計波長λ0である場合には、参照光束Laと測定光束Lbの光路長はL0であり、一致する。また、被測定光束Lの波長がλ0から波長λ1あるいは波長λ2に変わると、参照光束Laの光路長は、L1あるいはL2になるが、測定光束Lbの光路長も補償板10の屈折率特性(分散)によりL1あるいはL2となるので、光路長は一致する。
このように、光路長調整手段9及び補償板10を用いることにより、ビームスプリッター2で分割されてビームスプリッター12で重ね合わせられる参照光束Laの光路長及び測定光束Lbの光路長は、被測定光束Lの波長が変化する場合においても一致するようになる。
【0029】
参照光束Laと測定光束Lbの重ね合わせにより生じた干渉縞は、CCDカメラ14により取り込まれ、図示しないモニターで観察される。さらに、CCDカメラに取り込まれた干渉縞の画像は、パソコン15に取り込まれる。このパソコン15内では、干渉縞画像を解析処理することにより得た、被測定光束Lの波面収差がディスプレイd上に表示される。
【0030】
なお、干渉計100を構成する各素子の製作誤差や組立て誤差等により、参照光束Laと測定光束Lbの光路長に差が発生する場合には、CCDカメラ14に取り込まれる干渉縞のコントラストが悪くなってしまうか、全く観察できなくなる。この場合には、光路長調整手段9の平面ミラー8を、測定光束Lbの光軸方向に移動させる微調整を行い、参照光束Laと測定光束Lbの光路長を一致させることで干渉縞のコントラストを向上させることが可能となる。
【0031】
以上説明の本実施形態の干渉計100によれば、参照光束La及び測定光束Lbの両光路長を一致させることができるので、被測定光束Lの可干渉距離が短くても測定することが可能となる。
すなわち、収差除去手段3と屈折率特性(分散特性)が等しい補償板10を測定光束Lbの光路上に配置することにより、レーザーダイオード18の個体差により被測定光束Lの波長にばらつきが生じても、干渉縞を観察することが可能となる。さらに、測定光束Lbの光路長を微調整する平面ミラー8を配置したことにより、干渉計100を構成する各素子の製作誤差や組立て誤差等があっても、これらの誤差を吸収する微調整を行うことができるので、コントラストの良い干渉縞を観察することが可能となる。
【0032】
(第2実施形態)
続いて、本発明の波面収差測定用干渉計の第2実施形態を、図2を参照しながら説明する。
なお、本実施形態の干渉計102(上記第1実施形態の干渉計100と区別するために新たな符号102を与えて説明する。)は、上記第1実施形態の変形例に相当するので、以下の説明においては、前記干渉計100との相違点を中心に説明し、その他については前記干渉計100の構成と同様であるとして同一符号を用い、その説明を省略する。
【0033】
図2に示すように、本実施形態の干渉計102は、前記光路屈折手段13の代わりに光路屈折手段31を設けたことが特徴的となっている。この光路屈折手段31は、参照光束Laの光軸に対して垂直をなすように固定された固定平面ミラー32と、固定平面ミラー32で反射した参照光束Laを反射して直角に曲げるビームスプリッター33と、参照光束Laの光軸に対して垂直をなすように固定された固定平面ミラー32と、前記ビームスプリッター12とにより構成されている。
【0034】
以上説明の構成を有する本実施形態の干渉計102では、前記収差除去手段3を透過した参照光束Laが、ビームスプリッター33を透過してから固定平面ミラー32で反射してビームスプリッター33に再び入射する。そして、この参照光束Laは、ビームスプリッター33で反射されることで直角に曲がり、ビームスプリッター12へと向かう。さらに、この参照光束Laは、ビームスプリッター12で再度直角に曲げられ、前記測定光束Lbと重ね合わされる。
【0035】
ここで、ビームスプリッター33の光軸中心と固定平面ミラー32との間の距離をLCとし、この距離は固定値とすると、参照光束Laの光路長は、上記第1実施形態に比較して2LC分だけ長くなることになる。すなわち、前記ビームスプリッター2からビームスプリッター12にかけての参照光束Laの光路長が、固定平面ミラー32及びビームスプリッター33からなる光路延長手段により、2LC分だけ延長されている。
これにより、参照光束Laと測定光束Lbの光路長を一致させる際に、測定光束Lb側の光路長も2LC分だけ長くすることが可能となる。すなわち、参照光束Laと測定光束Lbの光路長を一致させる際に、前記ビームスプリッター7及び前記平面ミラー8間の間隔を、上記第1実施形態ではLであったものを、L+LCと長くすることができるようになる。
【0036】
以上説明の本実施形態の干渉計102によれば、上記第1実施形態の干渉計101と同様の効果を得ることができる上に、ビームスプリッター7と平面ミラー8との間の調整可能な距離を、長くすることができる。したがって、上記第1実施形態に比較して、光路長調整手段9を構成する上で、平面ミラー8の配置位置の自由度を増すことが可能となる。より具体的に言うと、ビームスプリッター7及び平面ミラー8は、これらを保持する冶具や平面ミラー8を移動させる駆動手段を考慮すると、光路長差によっては、機械的に配置できない可能性がある(ビームスプリッター7と平面ミラー8が機械的に干渉する)。このため、本実施形態のように参照光束La側の光路長を長くすることで、機械的な干渉が生じないようにビームスプリッター7と平面ミラー8を離すことができるようになる。
【0037】
なお、本実施形態では、参照光束Laと測定光束Lbの両光路長を一致させる微調整を行う際に、平面ミラー32側を固定するとともに平面ミラー8側を移動させるものとしたが、これに限らず、平面ミラー32側を移動させるとともに平面ミラー8側を固定とするものとしても良い。さらには、平面ミラー32及び平面ミラー8の両方を移動させるようにしても良い。
【0038】
【発明の効果】
本発明の請求項1に記載の波面収差測定用干渉計は、分散補償手段及び光路長調整手段を第2の光束の光路上に設ける構成を採用した。この構成によれば、光路長調整手段により第1の光束と第2の光束の光路長を一致させることができるので、可干渉距離の短い光束でも干渉縞を観察することが可能となる。
また、収差除去手段の屈折率特性と分散補償手段の屈折率特性が等価であることから、被測定光束の波長にばらつきがあっても、被測定光束の干渉縞を観察することが可能となる。
【0039】
また、請求項2に記載の波面収差測定用干渉計は、第1の光束の光路上に光路延長手段を備える構成を採用した。この構成によれば、光路延長手段により第1の光束側の光路長を延長させることで第2の光束の経路も延長させることができるので、第2の光束の光路上における機器配置に柔軟性を持たせることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の波面収差測定用干渉計の第1実施形態を示す図であって、全体構成を示す説明図である。
【図2】本発明の波面収差測定用干渉計の第2実施形態を示す図であって、全体構成を示す説明図である。
【図3】従来の波面収差測定用干渉計の一例を示す図であって、全体構成を示す説明図である。
【符号の説明】
2・・・ビームスプリッター(光路分割手段)
3・・・収差除去手段
9・・・光路長調整手段
10・・・補償板(分散補償手段)
13,31・・・光路屈折手段(光束重ね合わせ手段)
32・・・固定平面ミラー(光路延長手段)
33・・・ビームスプリッター(光路長延長手段)
100,200・・・干渉計(波面収差測定用干渉計)
L・・・被測定光束
La・・・参照光束(第1の光束)
Lb・・・測定光束(第2の光束)
Claims (2)
- 被測定光束を第1の光束及び第2の光束に分割する光路分割手段と、前記第1の光束から波面収差を除去する収差除去手段と、該収差除去手段を経た後の前記第1の光束及び、前記第2の光束を重ね合わせる光束重ね合わせ手段とを備えた波面収差測定用干渉計において、
前記収差除去手段が有する屈折率特性と等価な屈折率特性を備える分散補償手段と、前記第1の光束の全光路長及び前記第2の光束の全光路長を一致させる光路長調整手段とが、前記光路分割手段から前記光束重ね合わせ手段にかけての第2の光束の光路上に設けられている
ことを特徴とする波面収差測定用干渉計。 - 請求項1に記載の波面収差測定用干渉計において、
前記光路分割手段から前記光束重ね合わせ手段にかけての第1の光束の光路上に、この第1の光束の光路長を延長させる光路延長手段が設けられている
ことを特徴とする波面収差測定用干渉計。
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