JP4667957B2 - 光ビーム測定装置 - Google Patents

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Description

本発明は、測定対象とされる光ビームの波面測定と該光ビームの集光スポットにおける各種の測定とを行なう光ビーム測定装置に関し、特に、波長等の特性が互いに異なる複数の光ビームの測定に適した光ビーム測定装置に関する。
従来、測定する光ビームをCCD等の撮像面上に点状に結像させてスポット像を形成し、そのスポット像の形状や大きさ、あるいは強度分布や重心座標等の測定(これらを総称して「スポット特性測定」という)を行なう装置(「ビームプロファイラ」とも称される)が知られている(下記特許文献1参照)。
また、光ビームの波面測定を行なう装置としては、マッハツェンダ型干渉計の光学系配置を備えたものが一般的に知られていたが、フィゾー型干渉計の光学系配置を備えたものが本願出願人により提案され、特許庁に対し既に開示されている(下記特許文献2参照)。
これまでの波面測定装置では、被検光束から分離された基準光束作成用光束の一部を、ピンホールを透過させることにより波面整形しているのに対し、本願出願人により提案された波面測定装置では、基準光束作成用光束の一部を入射方向と逆向きに反射させて波面整形するもの(以下「反射回折部」と称する)が用いられている。このような反射回折部は、反射型ピンホール等とも称され、ガラス基板上に微小な反射領域を形成したものや、針状部材の先端に微小な反射領域を形成したもの(下記特許文献3参照)、あるいは通常のピンホールの裏面側直近に反射面を配置したもの(下記特許文献4参照)などが知られている。
特開2004−45327号公報 特願2005−128344号明細書 特開2000−97612号公報 特開昭58−60590号公報
上述したようなビームプロファイラや波面測定装置は、例えば、光ピックアップ装置の出力光の測定に用いられる。すなわち、光ピックアップ装置では、その製造段階において、照射レーザ光の波面測定とスポット特性測定との2つの測定が行なわれるが、従来これら2つの測定は、それぞれ別の測定装置を用いて別個に行なわれていた。
また、光ピックアップ装置においては、光媒体に照射するレーザ波長が固定の1波長対応型のものと、近赤外域のCD用の波長と赤色域のDVD用の波長とを切替えられる2波長対応型のものが主流であったが、近年、さらに青色域の新たな光媒体用の波長を加えた3波長対応型のものも開発されている。このような複数波長対応型のものでは、波長毎に上記2つの測定を行なう必要があるので、測定に要する時間をいかに減らすことができるかが、製造効率を向上させる上での大きな課題となっている。
しかし、別の測定装置を用いて2つの測定を別個に行なうこれまでの方法では、1波長対応型のものでも多くの測定時間を要しており、このような測定手順を3波長対応型のものの測定に適用した場合には、測定に要する時間が甚大になる虞がある。
このような状況の中、前掲の特許文献2において本願出願人は、光ビームの波面測定およびスポット特性測定を1つの装置で行なうことが可能な光ビーム測定装置を提案しているが、測定する光ビームの波長が大きく変化した場合には、波長の変化に応じて光学系(特に、波面整形に関わる部分)を再調整する必要があり、この調整に要する時間のために測定時間が長大化する虞がある。
本発明はこのような事情に鑑みなされたものであり、測定する光ビームの波長帯域や可干渉距離等の特性が変化した場合でも、光ビームの波面測定とスポット特性測定との2つの測定を、1つの装置によって短時間で行なうことが可能な光ビーム測定装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため本発明の光ビーム測定装置は、以下のように構成されている。すなわち、本発明に係る光ビーム測定装置は、測定対象とされる光ビームの波面測定と該光ビームのスポット特性測定との双方の測定が可能な光ビーム測定装置であって、
前記光ビームを被検光束と基準光束作成用光束とに分離する被検/基準光束分離手段と、前記基準光束作成用光束を波面整形して基準光束に変換する波面整形ユニットと、前記被検光束と前記基準光束とを干渉させることにより前記光ビームの波面情報を担持した干渉縞を生成して結像させる干渉縞生成手段と、前記干渉縞を撮像する干渉縞撮像手段と、を有してなる波面測定部と、
前記被検/基準光束分離手段に入射する前の前記光ビーム、前記被検/基準光束分離手段により分離された後の前記被検光束、または波面整形される前の前記基準光束作成用光束のいずれかの一部をスポット作成用光束として分離するスポット作成用光束分離手段と、該スポット作成用光束分離手段により分離された前記スポット作成用光束をスポット像として結像させるスポット像生成手段と、前記スポット像を撮像するスポット像撮像手段と、を有してなるスポット特性測定部と、を備え、
前記波面整形ユニットは、前記基準光束作成用光束を収束させる収束レンズと、該収束レンズの収束点に配置された微小な反射回折部とを有してなり、前記被検/基準光束分離手段より入射した前記基準光束作成用光束の一部を波面整形して前記基準光束に変換し、該基準光束を前記被検/基準光束分離手段に向けて射出するものであるとともに、
前記波面整形ユニットは、前記光ビームの特性の変化に対応し得るように複数のタイプのものが具備されており、該複数の波面整形ユニットは、前記光ビームの前記特性が変化
した際に、該変化に対応させて互いに切り替えて使用されるように構成されていることを特徴とするものである。
本発明における被検/基準光束分離手段は、入射した光ビームの一部分を被検光束として入射方向と逆向きに反射し、該光ビームのその余の部分を基準光束作成用光束として透過させる半透過反射面により構成されたものとすることや、被検光束を反射面に入射せしめるとともに、該反射面から戻る被検光束を波面整形ユニットからの基準光束と合波させるように構成されたものとすることができる。
上記「微小な反射回折部」とは、該反射回折部に集光(収束)する収束光束の回折限界により大きさが決められ(望ましくは回折限界よりも小さく構成され)、該収束光束の少なくとも一部を波面整形された球面波として反射する機能を有するものをいう。このような反射回折部としては、種々の構成のものを用いることが可能であるが、具体的態様として例えば、基板上に微小な反射領域を形成したもの、針状部材の先端に微小な反射領域を形成したもの、あるいはピンホールの裏面側直近に反射面を配置したものなどを挙げることができる。
また、測定する光ビームの特性が変化した際に、該特性の変化に対応し互いに切り替えて使用される複数の干渉縞撮像系を備えることや、光ビームの光強度を測定するパワーメータを備えること、あるいは干渉縞を解析して光ビームの波面測定結果を得る第1の解析手段と、スポット像を解析して光ビームのスポット特性測定結果を得る第2の解析手段とを備えるようにすることもできる。
本発明に係る光ビーム測定装置によれば、波面測定部とスポット特性測定部とを備えるとともに、光ビームの特性が変化した際に互いに切り替えて使用される複数タイプの波面整形ユニットが具備されていることにより、測定する光ビームの波長等の特性が変化した場合でも、波面整形ユニットを切り替えることで対応することができる。
したがって、例えば、複数波長対応型の光ピックアップ装置において必要とされる、各波長の照射レーザ光における波面測定とスポット特性測定との2つの測定を、1つの装置によって短時間で行なうことが可能となる。
〈第1の実施形態〉
以下、本発明に係る光ビーム測定装置の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。図1は本発明の第1の実施形態に係る光ビーム測定装置の概略構成図である。
図1に示す光ビーム測定装置1Aは、光ピックアップモジュール50から出力される光ビームの波面測定とスポット特性測定との双方の測定を行なうものであり、まず、この光ピックアップモジュール50について説明する。
図1に示す光ピックアップモジュール50は、3波長対応型の光ピックアップ装置(図示略)に搭載されるものであり、互いに波長が異なる3種類の光ビームを選択的に出力し得るようになっている。すなわち、この光ピックアップモジュール50は、選択的に切り替えられて使用される、近赤外域の波長(例えば、780nm)を持つ第1の光ビームを出力する半導体レーザ51Aと、赤色域の波長(例えば、650nm)を持つ第2の光ビームを出力する半導体レーザ51Bと、青色域の波長(例えば、405nm)を持つ第3の光ビームを出力する半導体レーザ51Cとを備えている。
また、光ピックアップモジュール50は、3つのコリメータレンズ52A,52B,52Cと、4つの反射ミラー53〜56と、光ピックアップレンズ57とを備えており、4つの反射ミラー53〜56のうち2つの反射ミラー54,55は、光路上に出し入れ可能に設けられている。すなわち、反射ミラー54は、半導体レーザ51Bから第2の光ビームが出力されるときには光路上(の2点鎖線で示す位置)に配置され、出力されないときには光路外に退避されるように構成されており、反射ミラー55は、半導体レーザ51Cから第3の光ビームが出力されるときには光路上(の2点鎖線で示す位置)に配置され、出力されないときには光路外に退避されるように構成されている。
図1は半導体レーザ51Aから第1の光ビームが出力される状態を例示している。このとき、半導体レーザ51Aより発散光として出力された第1の光ビームは、コリメータレンズ52Aによりコリメートされた後、平行光として反射ミラー53,56を順次介して光ピックアップレンズ57に入射し、該光ピックアップレンズ57より収束光として出力される。なお、半導体レーザ51Bから第2の光ビームが出力される場合には、該第2の光ビームは、コリメータレンズ52B、反射ミラー54,56、および光ピックアップレンズ57を介して出力され、半導体レーザ51Cから第3の光ビームが出力される場合には、該第3の光ビームは、コリメータレンズ52C、反射ミラー55,56、および光ピックアップレンズ57を介して出力される。
次に、光ビーム測定装置1Aについて説明する。図1に示す光ビーム測定装置1Aは、図中1点鎖線で示す光軸上に配置された各種光学部材により構成される光学系の部分と、解析装置31を中心として構成される測定解析系の部分とに大別され、光学系の部分はさらに、上記光ピックアップモジュール50からの光ビームを光学系内に導くコリメータレンズ11(光路上に出し入れ可能に構成されている)と、導かれた光ビームの波面測定を行なうための波面測定部10Aと、導かれた光ビームのスポット特性測定を行なうためのスポット特性測定部10Bと、導かれた光ビームのパワー測定および光学系のアライメントを行なうための光パワー測定/アライメント部10Cと、に区分される。
まず、上記光学系の部分について説明する。上記波面測定部10Aは、導かれた光ビームを波面測定のための被検光束と基準光束作成用光束とに分離する被検/基準光束分離手段(17a)と、上記基準光束作成用光束を波面整形して基準光束に変換する波面整形ユニット(40A,40B,40C)と、上記被検光束と上記基準光束とを干渉させることにより上記光ビームの波面情報を担持した干渉縞を生成して結像させる干渉縞生成手段(15A,16A,17〜20)と、上記干渉縞を撮像する干渉縞撮像手段(21,22)と、を有してなる。
より具体的には上記被検/基準光束分離手段は、半透過反射板17が有する半透過反射面17aにより構成されている。すなわち、この半透過反射面17aは、図中左方より入射した光ビームの一部分を被検光束として入射方向と逆向きに反射し、該光ビームのその余の部分を基準光束作成用光束として透過させるように構成されている。
また、上記波面整形ユニットは、測定する光ビームの波長の変化に対応し得るように3つのタイプのものが具備されており、これら3つのタイプのものが、光ビームの波長が変化した際に、該変化に対応させて互いに切り替えて使用されるように構成されている。すなわち、本実施形態においては、上記第1の光ビームに対応する第1の波面整形ユニット40Aと、上記第2の光ビームに対応する第2の波面整形ユニット40Bと、上記第3の光ビームに対応する第3の波面整形ユニット40Cとが、これら3つの波面整形ユニット40A,40B,40Cを選択的に光軸上の所定位置に配置させる保持手段(図示略)により保持されており、該保持手段により、第1の光ビームが測定対象とされる際には第1の波面整形ユニット40Aが光軸上に配置され、第2の光ビームが測定対象とされる際には第2の波面整形ユニット40Bが、第3の光ビームが測定対象とされる際には第3の波面整形ユニット40Cが、それぞれ光軸上に配置されるようになっている。
なお、上記波面整形ユニットは、以下のように構成されている。すなわち、第1の波面整形ユニット40Aを例にとって説明すると、この第1の波面整形ユニット40Aは、半透過反射面17aの側より平行光束として入射する基準光束作成用光束(上記第1の光ビームの一部)を1点に収束させる収束レンズ41Aと、この収束レンズ41Aの収束点に配置された反射回折部42Aとを備えてなる。この反射回折部42Aは、例えば、基板43A上に蒸着等により形成された、金,アルミニューム,クロム等の金属膜からなり、反射回折部42Aの大きさは、収束光束として入射する第1の光ビームの回折限界よりも小さく構成されている。そして、この反射回折部42Aは、収束光束として入射する第1の光ビームからなる基準光束作成用光束の一部を波面整形された理想的な球面波として反射するように構成されている。なお、基板43Aの収束レンズ41Aと対向する面には、第1の光ビームの波長に対応した反射防止コート処理が施されており、波面整形されていない基準光束作成用光束が収束レンズ41Aに戻らないようになっている。
波面整形された基準光束作成用光束は収束レンズ41Aに戻り、そこで平行光束に変換され基準光束として半透過反射板17に入射する。そして、半透過反射面17aを透過した後、上記被検光束と合波され干渉光が生成されるようになっている。なお、半透過反射板17は、図示せぬフリンジスキャンアダプタに保持されており、フリンジスキャン計測等を実施する際に光軸方向に微動せしめられるように構成されている。
第2の波面整形ユニット40Bは、収束レンズ41Bの開口数(NA)、反射回折部42Bの大きさ、および基板43Bに施された反射防止コート処理等の態様が上記第2の光ビームに適合するように構成されている点が、また第3の波面整形ユニット40Cは、収束レンズ41Cの開口数、反射回折部42Cの大きさ、および基板43Cに施された反射防止コート処理等の態様が、上記第3の光ビームに適合するように構成されている点が、それぞれ第1の波面整形ユニット40Aと異なっているが、基本的な作用は同じである。
また、上記波面測定部10Aは、上記第1および第2の光ビーム用の第1の干渉縞撮像系(第1の光ビーム用のものと、第2の光ビーム用のものとを個別に設けてもよい)と、上記第3の光ビーム用の第2の干渉縞撮像系とが設けられている。第1の干渉縞撮像系は、半透過反射板17、ビームスプリッタ15A、結像レンズ18,19、および第1の撮像カメラ21からなっている。一方、第2の干渉縞撮像系は、半透過反射板17、ビームスプリッタ16A、結像レンズ20、および第2の撮像カメラ22からなっている。
ビームスプリッタ15Aは、半透過反射板17から戻る第1または第2の光ビームの干渉光の一部を結像レンズ18,19に導くように構成されており、結像レンズ18,19は、第1または第2の光ビームの干渉光から生成される干渉縞を、第1の撮像カメラ21の撮像面21a(例えば、CCDやCMOS等の撮像面からなる)上に結像させるように構成されている。また、第1の撮像カメラ21は、撮像面21a上に結像された干渉縞を撮像し、その画像データを出力するように構成されている。なお、結像レンズ19は、光路上に出し入れ可能に構成されており、第1の光ビームの干渉縞が撮像される際には光路外に配置され、第2の光ビームの干渉縞が撮像される際には光路上に配置されるようになっている。
同様に、ビームスプリッタ16Aは、半透過反射板17から戻る第3の光ビームの干渉光の一部を結像レンズ20に導くように構成されており、結像レンズ20は、第3の光ビームの干渉光から生成される干渉縞を、第2の撮像カメラ22の撮像面22a(例えば、CCDやCMOS等の撮像面からなる)上に結像させるように構成されている。また、第2の撮像カメラ22は、撮像面22a上に結像された干渉縞を撮像し、その画像データを出力するように構成されている。
一方、上記スポット特性測定部10Bは、上記被検/基準光束分離手段(17a)に入射する前の光ビームの一部をスポット作成用光束として分離するスポット作成用光束分離手段(12)と、分離されたスポット作成用光束をスポット像として結像させるスポット像生成手段(13)と、スポット像を撮像するスポット像撮像手段(14)と、を有してなる。
より具体的には、上記スポット作成用光束分離手段はビームスプリッタ12からなり、上記スポット像生成手段は結像レンズ13からなり、スポット像撮像手段は第3の撮像カメラ14からなっている。すなわち、ビームスプリッタ12は、コリメータレンズ11から出射された光ビームの一部をスポット作成用光束として分離し、結像レンズ13に導くように構成されており、結像レンズ13は、スポット作成用光束から生成されるスポット像を、第3の撮像カメラ14の撮像面14a(CCDやCMOS等の撮像面からなり、光ピックアップレンズ57の集光点と共役の位置関係にある)上に結像させるように構成されている。また、第3の撮像カメラ14は、撮像面14a上に結像されたスポット像を撮像し、その画像データを出力するように構成されている。
上記結像レンズ13は、例えば複数のレンズ群からなるフォーカス調整可能なものとされ、フォーカス調整することにより、測定する光ビームの波長が変化した場合でも該波長の変化に対応させて第3の撮像カメラ14の撮像面14a上にスポット像を結像し得るように構成されている。
また、上記光パワー測定/アライメント部10Cは、光ピックアップモジュール50から出力された光ビームの光強度を測定する際に、2つのビームスプリッタ12,15Aとの間の光路上に配置され、該光ビームを平行光束状態のまま図中上方に直角に反射させて導く反射ミラー23と、該反射ミラー23からの光ビームの一部を図中左方に導くビームスプリッタ27と、導かれた光ビームの光強度を測定するパワーメータ28とを備えている。このパワーメータ28は、光検出面28a(例えば、CCDやCMOS等の撮像面からなる)を備えており、該光検出面28aに略平行光束状態で入射した光ビームの強度を測定し、その測定データを出力するように構成されている。
また、上記光パワー測定/アライメント部10Cは、後述する平行平板状の光学素子をアライメントする際に、アライメント用の光束を出力するアライメント用光源30と、該アライメント用光源30から出力された発散光束をコリメートするコリメータレンズ29と、ビームスプリッタ24と、結像レンズ25と、アライメント用の第4の撮像カメラ26とを備えている。
上記アライメント用光源30は、上記光ピックアップモジュール50と上記ビームスプリッタ12との間に上記平行平板状の光学素子(例えば、カバーガラスや各種フィルタ。図示略)が配されるような場合において、該光学素子の傾き等をアライメント調整する際に利用される。すなわち、上記光学素子のアライメント調整をする際に、上記コリメータレンズ11が光路外に退避されるとともに、2つのビームスプリッタ12,15Aとの間の光路上に上記反射ミラー23が配置され、アライメント用光源30から出力されたアライメント用の光束が、上記コリメータレンズ29、上記反射ミラー23および上記ビームスプリッタ12を介して上記光学素子に導かれる。
この、光学素子に導かれたアライメント用の平行光束は、該光学素子においてその一部が反射され、その反射光束の一部が上記ビームスプリッタ12、上記反射ミラー23および上記ビームスプリッタ24により上記結像レンズ25に導かれ、この結像レンズ25により、上記第4の撮像カメラ26内の撮像面26aに集光されて該撮像面26a上にそのスポット像が形成される。そして、このスポット像の位置情報に基づき、上記光学素子のアライメント調整が行なわれるようになっている。
なお、上記反射ミラー23は、光ビームの光強度を測定する際、および上記光学素子のアライメント調整をする際のみ光路上に配置されるものであり、通常時すなわち光ビームの波面測定と光ビームスポットの特性測定とを行なう際には光路上から退避されるように構成されている。
次に、上記測定解析系の部分について説明する。この測定解析系の部分は、第1〜第4の撮像カメラ21,22,14,26やパワーメータ28からの出力信号に基づき各種解析を行なう解析装置31、該解析装置31による解析結果や画像を表示する表示装置32,およびキーボードやマウス等からなる入力装置33を備えている。上記解析装置31は、コンピュータ等で構成され、干渉縞を解析して光ビームの波面測定結果を得る第1の解析手段と、スポット像を解析して光ビームのスポット特性測定結果を得る第2の解析手段とを、メモリ等に格納されたプログラムや該プログラムを実行する演算回路等として備えている。
以下、上述した光ビーム測定装置1Aの測定時における作用を、第1の光ビームの波面測定とスポット特性測定とを行なう場合を例にとって説明する。
上記光ピックアップモジュール50から図中右方に射出された第1の光ビームは、コリメータレンズ11により平行光束に変換された後、ビームスプリッタ12において図中右方に向かう波面測定用の光束と、図中下方に向かうビームスポット作成用光束とに分離される。
分離されたビームスポット作成用光束は、結像レンズ13を介して第3の撮像カメラ14内の撮像面14aに集光せしめられ、該撮像面14a上に第1の光ビームのスポット像を形成する。形成されたスポット像は第3の撮像カメラ14により撮像され、その画像情報が解析装置31に出力される。そして、解析装置31において、スポット像の画像情報に基づき、光ビームスポットの強度分布や半値幅、断面形状や輝度分散等の各種のスポット特性測定結果が得られる。
一方、ビームスプリッタ12から図中右方に向かう波面測定用の光束の一部は、ビームスプリッタ15A,16Aを透過した後、半透過反射板17に入射し、該半透過反射板17の半透過反射面17aにおいて、入射方向と逆向きに反射される被検光束と、該半透過反射面17aを透過して第1の波面整形ユニット40Aに向かう基準光束作成用光束とに分離され、基準光束作成用光束は収束レンズ41Aに入射する。
この収束レンズ41Aに入射した基準光束作成用光束は、該収束レンズ41Aにより収束せしめられ、その収束点に配置された反射回折部42Aに入射する。この反射回折部42Aに入射した基準光束作成用光束の一部は、該反射回折部42Aにおいて波面整形された球面波に変換され、収束レンズ41Aに向けて反射される。この球面波は、収束レンズ41Aにおいて平面波に変換され、基準光束として半透過反射板17に向けて射出される。
この基準光束が半透過反射板面17aを透過し、上記半透過反射面17aで反射された被検光束と合波されることにより干渉光が得られる。この干渉光の一部は、ビームスプリッタ15Aを介して結像レンズ18に入射し、該結像レンズ18を介して第1の撮像カメラ21内の撮像面21aに結像されて干渉縞が撮像される。撮像された干渉縞の画像情報は解析装置31に入力され、この画像情報に基づき第1の光ビームの波面測定が行なわれる。なお、必要に応じて、偏光板や位相板等が光路上に配置されるようになっている。
また、第2の光ビームを測定する際には、第1の波面整形ユニット40Aに替えて第2の波面整形ユニット40Bが光路上に配置されるとともに、結像レンズ19が結像レンズ18と第1の撮像カメラ21との間の光路上に配置されて、上記第1の光ビームの測定と同様に2つの測定が行なわれる。また、第3の光ビームを測定する際には、第1の波面整形ユニット40Aに替えて第3の波面整形ユニット40Cが光路上に配置され、その波面測定は第2の撮像カメラ22により撮像された干渉縞に基づいて行なわれる。
上述したように第1の実施形態に係る光ビーム測定装置1Aによれば、波面測定部10Aとスポット特性測定部10Bとを備えるとともに、光ピックアップモジュール50から出力される第1、第2および第3の光ビームにそれぞれ対応するように構成された第1、第2および第3の波面整形ユニット40A,40B,40Cが具備されていることにより、波長が互いに異なる3つの光ビームにおける波面測定とスポット特性測定との2つの測定を、1つの装置によって短時間で行なうことが可能である。
また、光ビーム測定装置1Aの波面測定部10Aは、フィゾー型の光学系配置とされているので、マッハツェンダ型の光学系配置とされる場合に比べて、振動等の影響を受け難くなっているとともに、光学系を構成簡易かつコンパクトに配置することが可能であり、また光学系の調整も容易に行なうことができる。
なお、図1に示す態様では、半透過反射面17a(被検/基準光束分離手段)に入射する前の光ビームの一部を、ビームスプリッタ12(スポット作成用光束分離手段)によりスポット作成用光束として分離するようにしているが、半透過反射面17aと波面整形ユニット(40A〜40C)との間に他のビームスプリッタを設置し、波面整形される前の基準光束作成用光束の一部を、スポット作成用光束として分離するようにしてもよい。
〈第2の実施形態〉
次に、本発明に係る光ビーム測定装置の第2の実施形態について説明する。図2は本発明の第2の実施形態に係る光ビーム測定装置1Bの概略構成図である。なお、図2に示す光ビーム測定装置1Bにおいて、図1に示す光ビーム測定装置1Aと共通の構成要素については共通の番号を用いており、これらについては重複を避けるため詳細な説明は省略し、以下では異なる点についてのみ詳細に説明する。
図2に示す光ビーム測定装置1Bは、波面測定部10A´の被検/基準光束分離手段がビームスプリッタ15B,16Bにより構成されているとともに、波面測定部10A´の干渉縞生成手段が反射板34,35および結像レンズ18〜20により構成されており、第1、第2および第3の波面整形ユニット40A,40B,40Cを含めた波面測定部10A´の全体の光学系配置がマイケルソン型とされている点が、図1に示す光ビーム測定装置1Aと異なっている。
すなわち、この光ビーム測定装置1Bにおいて、例えば第1の光ビームの測定が行なわれる際には、図中左方よりビームスプリッタ15Bに導かれた第1の光ビームが、該ビームスプリッタ15Bにおいて図中上方に直角に反射される被検光束と、図中右方に透過される基準光束作成用光束とに分離され、基準光束作成用光束と分離された被検光束は、反射板34の反射面34aにおいて入射光路を逆進するように反射されてビームスプリッタ15Bに戻るように構成されている。また、ビームスプリッタ15Bにおいて被検光束と分離された基準光束作成用光束が、第1の波面整形ユニット40Aにより波面整形されて基準光束に変換される点は上述した光ビーム測定装置1Aと同じであるが、この光ビーム測定装置1Bにおいては、被検光束と基準光束とがビームスプリッタ15Bにおいて互いに合波され、第1の光ビームの波面測定を行なうための干渉光が生成される点が異なっている。
なお、第2の光ビームが測定される際には、第1の波面整形ユニット40Aに替えて第2の波面整形ユニット40Bが光路上に配置されるとともに、結像レンズ19が結像レンズ18と第1の撮像カメラ21との間の光路上に配置される点は光ビーム測定装置1Aと同じである。
一方、第3の光ビームが測定される際には、図中左方よりビームスプリッタ16Bに導かれた第3の光ビームが、該ビームスプリッタ16Bにおいて図中上方に直角に反射される被検光束と、図中右方に透過される基準光束作成用光束とに分離され、基準光束作成用光束と分離された被検光束は、反射板35の反射面35aにおいて入射光路を逆進するように反射されてビームスプリッタ16Bに戻るように構成されている。また、ビームスプリッタ16Bにおいて被検光束と分離された基準光束作成用光束は、第3の波面整形ユニット40Cにより波面整形されて基準光束に変換され、該基準光束はビームスプリッタ16Bにおいて被検光束と合波され、第3の光ビームの波面測定を行なうための干渉光が生成される。
また、上記反射板34には、該反射板34を光軸方向に移動可能に保持するとともに、測定する第1または第2の光ビームが低可干渉性の光束である場合に、ビームスプリッタ15Bから反射面34aに至り、再びビームスプリッタ15Bに戻るまでの第1または第2の光ビームの被検光束の光路長と、ビームスプリッタ15Bから第1または第2の波面整形ユニット40A,40Bに至り、再びビームスプリッタ15Bに戻るまでの第1または第2の光ビームの基準光束の光路長とを互いに略一致させる光路長調整手段(図示略)が設けられている。
同様に上記反射板35には、該反射板35を光軸方向に移動可能に保持するとともに、測定する第3の光ビームが低可干渉性の光束である場合に、ビームスプリッタ16Bから反射面35aに至り、再びビームスプリッタ16Bに戻るまでの第3の光ビームの被検光束の光路長と、ビームスプリッタ16Bから第3の波面整形ユニット40Cに至り、再びビームスプリッタ16Bに戻るまでの第3の光ビームの基準光束の光路長とを互いに略一致させる別の光路長調整手段(図示略)が設けられている。
このように波面測定部10A´が全体としてマイケルソン型の光学系配置とされており、また、被検光束の光路長と基準光束の光路長とを互いに略一致させる光路長調整手段を備えていることにより、この第2の実施形態に係る光ビーム測定装置1Bにおいては、波長が互いに異なる第1、第2および第3の光ビームにおける波面測定とスポット特性測定との2つの測定を、これらの光ビームの全てあるいは一部が低可干渉性の光束である場合においても、1つの装置によって短時間で行なうことが可能である。
なお、図2に示す態様では、ビームスプリッタ15B,16B(被検/基準光束分離手段)に入射する前の光ビームの一部を、ビームスプリッタ12(スポット作成用光束分離手段)によりスポット作成用光束として分離するようにしているが、ビームスプリッタ15B,16Bと反射面34a,35aとの間に他のビームスプリッタを設置し、ビームスプリッタ15B,16Bにより分離された後の被検光束の一部を、スポット作成用光束として分離するようにすることや、ビームスプリッタ15B,16Bと波面整形ユニット(40A〜40C)との間に他のビームスプリッタを設置し、波面整形される前の基準光束作成用光束の一部を、スポット作成用光束として分離するようにしてもよい。
〈態様の変更〉
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、種々に態様を変更することが可能である。
例えば、図2に示す態様において、ビームスプリッタ16Bと波面整形ユニット(40A〜40C)との間の光路上に、図1に示すような半透過反射板17を出し入れ可能に配置することにより、高可干渉性の光ビームを測定する際には、半透過反射板17を光路上に配置して(このとき、ビームスプリッタ15Bと反射板34との間の光路、およびビームスプリッタ16Bと反射板35との間の光路を遮断する)図1に示す態様と同様に使用し、低可干渉性の光ビームを測定する際には、半透過反射板17を光路外に退避させて図2に示す態様と同様に使用するように構成することも可能である。
また、上述した態様のものでは、光ピックアップモジュール50から出力される光ビームを測定対象としているため、通常の干渉計装置とは異なり、光源装置を構成要素として備えていないが、高精度な波面を持つ基準ビームを出力可能な基準光源装置を備えるようにしてもよい。このような基準光源装置を備えた場合には、例えば、上記光ピックアップレンズ57を被検体とした際の透過波面測定等を行なうことも可能となる。
また、波面整形ユニット(40A〜40C)に用いられている反射回折部(42A〜42C)についても、前掲の特許文献2〜4に開示された種々の態様のものを用いることが可能である。
本発明に係る光ビーム測定装置の第1の実施形態を示す図 本発明に係る光ビーム測定装置の第2の実施形態を示す図
符号の説明
1A 光ビーム測定装置(第1の実施形態)
1B 光ビーム測定装置(第2の実施形態)
10A,10A´ 波面測定部
10B スポット特性測定部
10C 光パワー測定/アライメント部
11,52A,52B,52C コリメータレンズ
12 ビームスプリッタ(スポット作成用光束分離手段)
13,18,19,20,25 結像レンズ
14 第3の撮像カメラ
14a,21a,22a,26a 撮像面
15A,16A,24,27 ビームスプリッタ
15B,16B ビームスプリッタ(被検/基準光束分離手段)
17 半透過反射板
17a 半透過反射面(被検/基準光束分離手段)
21 第1の撮像カメラ
22 第2の撮像カメラ
23,53〜56 反射ミラー
26 第4の撮像カメラ
28 パワーメータ
28a 光検出面
30 アライメント用光源
31 解析装置
32 表示装置
33 入力装置
34,35 反射板
34a,35a 反射面
40A 第1の波面整形ユニット
40B 第2の波面整形ユニット
40C 第3の波面整形ユニット
41A,41B,41C 収束レンズ
42A,42B,42C 反射回折部
43A,43B,43C 基板
50 光ピックアップモジュール
51A,51B,51C 半導体レーザ
57 光ピックアップレンズ

Claims (6)

  1. 測定対象とされる光ビームの波面測定と該光ビームのスポット特性測定との双方の測定が可能な光ビーム測定装置であって、
    前記光ビームを被検光束と基準光束作成用光束とに分離する被検/基準光束分離手段と、前記基準光束作成用光束を波面整形して基準光束に変換する波面整形ユニットと、前記被検光束と前記基準光束とを干渉させることにより前記光ビームの波面情報を担持した干渉縞を生成して結像させる干渉縞生成手段と、前記干渉縞を撮像する干渉縞撮像手段と、を有してなる波面測定部と、
    前記被検/基準光束分離手段に入射する前の前記光ビーム、前記被検/基準光束分離手段により分離された後の前記被検光束、または波面整形される前の前記基準光束作成用光束のいずれかの一部をスポット作成用光束として分離するスポット作成用光束分離手段と、該スポット作成用光束分離手段により分離された前記スポット作成用光束をスポット像として結像させるスポット像生成手段と、前記スポット像を撮像するスポット像撮像手段と、を有してなるスポット特性測定部と、
    を備え、
    前記波面整形ユニットは、前記基準光束作成用光束を収束させる収束レンズと、該収束レンズの収束点に配置された微小な反射回折部とを有してなり、前記被検/基準光束分離手段より入射した前記基準光束作成用光束の一部を波面整形して前記基準光束に変換し、該基準光束を前記被検/基準光束分離手段に向けて射出するものであるとともに、
    前記波面整形ユニットは、前記光ビームの特性の変化に対応し得るように複数のタイプのものが具備されており、該複数の波面整形ユニットが、前記光ビームの前記特性が変化した際に、該変化に対応させて互いに切り替えて使用されるように構成されていることを特徴とする光ビーム測定装置。
  2. 前記被検/基準光束分離手段は、入射した前記光ビームの一部分を前記被検光束として入射方向と逆向きに反射し、該光ビームのその余の部分を前記基準光束作成用光束として透過させる半透過反射面であることを特徴とする請求項1記載の光ビーム測定装置。
  3. 前記被検/基準光束分離手段は、前記被検光束を反射面に入射せしめるとともに、該反射面から戻る前記被検光束を前記波面整形ユニットからの前記基準光束と合波させるように構成されていることを特徴とする請求項1記載の光ビーム測定装置。
  4. 前記光ビームの前記特性が変化した際に、該特性の変化に対応し互いに切り替えて使用される複数の干渉縞撮像系を備えてなることを特徴とする請求項1〜のうちいずれか1項記載の光ビーム測定装置。
  5. 前記光ビームの光強度を測定するパワーメータを備えていることを特徴とする請求項1〜のうちいずれか1項記載の光ビーム測定装置。
  6. 前記干渉縞を解析して前記光ビームの波面測定結果を得る第1の解析手段と、前記スポット像を解析して前記光ビームのスポット特性測定結果を得る第2の解析手段と、を備えていることを特徴とする請求項1〜のうちいずれか1項記載の光ビーム測定装置。
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