JP2008032991A - 干渉計用基準レンズ - Google Patents

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Abstract

【課題】干渉計側の光源の波長にばらつきがあったとしても測定結果に大きな影響を及ぼさないよう、十分に色消しを図ることができる干渉計用基準レンズを提供する。
【解決手段】入射側から順に、第1の正レンズ群G1と、負レンズ群G2と、第2の正レンズ群G3とを備えている。第1の正レンズ群G1は1枚の両凸レンズL1からなる。負レンズ群G2は、1枚の負レンズL2からなる。第2の正レンズ群G3は少なくとも3枚の正レンズL3,L4,L5からなることが好ましい。以下の条件式(1),(2)を満足する。ただし、N-は負レンズL2の光源の波長に対する屈折率、NLは最も被測定球面側のレンズの光源の波長に対する屈折率、FNo.はFナンバーとする。
-−NL≧0.2 ……(1)
FNo.≦1.5 ……(2)
【選択図】図1

Description

本発明は、球面形状の測定を行う干渉計に取り付けられる干渉計用基準レンズに関する。
一般に、光学レンズやミラー等の光学部品の表面精度の測定には、干渉計が用いられることが多い。とりわけ、簡易な構造で視野も比較的広く、高精度に測定可能な干渉計として、高精度に製作されたレンズ(平面測定時の基準平面板に対して、球面測定時に用いるリファレンス用レンズということで、以後、基準レンズと呼称する。)を備えたフィゾー型干渉計が広く使用されている。
このフィゾー型干渉計では、次のようにしてレンズ面等の球面(以下、被検球面という。)の測定が行われる。まず、平行な入射光束を基準レンズによって集光させて球面波に変換し、これを被検球面に照射する。このとき、球面波の法線の方向(進行方向)が被検球面の法線の方向と一致するようにし、これにより、被検球面からの垂直反射光束(以下、被検光という。)を得る。一方、基準レンズにおける最も被検球面に近い側の面である射出面(以下、基準球面という。)において入射光束の一部を反射させ、反射光束(参照光)を得る。そして、被検光と参照光とを干渉させて干渉縞を生じさせ、これを観察することにより、被検球面の形状測定を行うことができる。
従来、フィゾー型干渉計に取り付けられる干渉計用基準レンズとしては、特許文献1,2に記載のものがある。従来、干渉計ではHe−Neレーザのように、比較的単色性が良く個体間の波長ばらつきの少ない、波長が安定した光源を用いていた。このため、従来では事実上色分散を考慮する必要はなく、あえて基準レンズの色消しは不要であった。このため基準波長での波面収差を最適に補正することだけを条件として最小の枚数で設計されている。従来の基準レンズでは、波面収差を抑えるのに有利なため、正レンズに(分散が大きくとも)高屈折率の硝材を用い、枚数を最小限とした構成が特徴となっている。特にFナンバーが極限まで小さくなるほど、最小枚数で収差を抑えるために、高屈折率の硝材を用いる傾向が強くなる。ただし、一般に高屈折率の硝材ほど高分散であるため、波長変動には弱い難点がある。具体的にはFナンバーが1.4〜0.6の場合、正レンズのみを用いた4枚構成が一般的である(特許文献2参照)。このように色分散を考慮せず最小限の構成にすることで、小型かつ安価な基準レンズを実現できる。
特開2003−227997号公報 特開2004−226502号公報
最近では、CD(Compact Disc )やDVD(Digital Versatile Disk)用光ピックアップレンズなど、レーザダイオード(LD)で用いる光学系の測定を目的として、干渉計本体の光源部にレーザダイオードを用いるものが出はじめている。ところがレーザダイオードには個体間の波長ばらつきが大きいという、従来の干渉計用光源にはない問題点があるため、干渉計本体ごとに波長が異なる。それでも平面測定に関してはたいした問題はない。ところが、球面測定となると状況は一変する。球面測定時の干渉計に起因するシステム誤差は、九分九厘まで基準レンズ側の収差が原因であるため、従来のように基準レンズに波長分散があると、同じ基準レンズであっても別の干渉計本体に取り付けた場合、異なる測定結果が出てしまうという問題が生ずる。例えば、特許文献2に記載のような正レンズのみを用いた4枚構成の基準レンズを用いると、±10nm程度の波長変動による波面収差の変動は数十λにも及んでしまう。干渉計用基準レンズの場合、波面は単に透過するだけではなく、再び干渉計本体側に戻っていくので、色分散の影響はさらに2倍となる。フィゾー型干渉計の場合、基準面上での波面が悪くても相殺する方向ではあるが、それでもレンズ焦点付近の集光具合がばらついてしまうので、曲率半径の小さな球面を測定する場合に誤差が大きくなりすぎ、結果として実用に耐えない誤差を生じてしまう。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、干渉計側の光源の波長にばらつきがあったとしても測定結果に大きな影響を及ぼさないよう、十分に色消しを図ることができる干渉計用基準レンズを提供することにある。
本発明による干渉計用基準レンズは、球面形状を測定する干渉計に取り付けられ、平面波を入射して射出面の球心を焦点とする球面波を射出する干渉計用基準レンズであって、入射側から順に、1枚の両凸レンズからなる第1の正レンズ群と、1枚の負レンズからなる負レンズ群と、少なくとも2枚の正レンズを含む第2の正レンズ群とで構成され、以下の条件式(1),(2)を満たすものである。ただし、N-は負レンズ群の負レンズの光源の波長に対する屈折率、NLは最も被測定球面側のレンズの光源の波長に対する屈折率、FNo.はFナンバーとする。
-−NL≧0.2 ……(1)
FNo.≦1.5 ……(2)
本発明による干渉計用基準レンズにおいて、第2の正レンズ群は少なくとも3枚の正レンズを含むことが好ましい。
本発明による干渉計用基準レンズでは、負レンズ群を含み、また、第1および第2の正レンズ群との配置の最適化も図られていることで、球面収差の補正と共に色消しが可能となる。特に、条件式(1)を満足していることでレンズ材料の最適化が図られ、色消しの補正に有利となる。
本発明の干渉計用基準レンズによれば、第1および第2の正レンズ群の間に負レンズ群を配置し、さらにレンズ材料に関する所定の条件式(1)を満足するようにしたので、干渉計側の光源の波長にばらつきがあったとしても測定結果に大きな影響を及ぼさないよう、十分に色消しを図ることができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1ないし図4はそれぞれ、本発明の一実施の形態に係る干渉計用基準レンズの第1ないし第4の構成例を示している。図5は、この干渉計用基準レンズが取り付けられる干渉計の一例として、フィゾー型干渉計の一構成例を示している。本実施の形態に係る干渉計用基準レンズの構成を説明する前に、まず、フィゾー型干渉計について説明する。
このフィゾー型干渉計1は、レーザ光源2と、レーザ光束発散レンズ3と、ハーフミラー4と、コリメータレンズ5と、結像用レンズ8と、撮像素子9とを備えている。レーザ光源2は、He−Neレーザであっても良いし、レーザダイオードであっても良い。なお、図5では、干渉計用基準レンズ6として、図1の第1の構成例のレンズを代表して図示している。干渉計用基準レンズ6の光軸Z1上には、撮像素子9と、結像用レンズ8と、ハーフミラー4と、コリメータレンズ5と、干渉計用基準レンズ6とが順に配設されている。一方、ハーフミラー4を通り、光軸Z1に直交する軸方向にレーザ光束発散レンズ3およびレーザ光源2が順に配設されている。レーザ光束発散レンズ3は、レーザ光源2から射出されたレーザ光束の光束径を拡大する機能を有する。ハーフミラー4は、光軸Z1に対して45°の傾斜をなし、照射される光束の一部を反射させ、残りの光束を透過させるようになっている。コリメータレンズ5は、入射光束を平行な光束に変換する機能を有する。干渉計用基準レンズ6は、後述する基準球面Fを除くすべての面に反射防止膜が施されたレンズ群であり、入射光束を集光し、焦点Pに向かうように集光させるものである。測定の対象物である被検球面7は、その曲率中心が焦点Pに一致するように配設される。
なお、被検球面7が凸面である場合には、基準球面Fと焦点Pとの間に被検球面7が配置される。被検球面7が凹面である場合には、光束が焦点Pを経て発散光束となった位置に被検球面7が配置される。図5の構成例では、被検球面7が凸面であり、基準球面Fと焦点Pとの間に位置している。ここで、干渉計用基準レンズ6のうち被検球面7に対向する面(最も被検球面7側の面)を基準球面(射出面)Fと呼ぶ。基準球面Fの曲率中心(球心)も焦点Pに一致する。結像用レンズ8は、基準球面Fにおいて反射された光と被検球面7において反射された光とを集光し、撮像素子9上に干渉縞を投影するものである。撮像素子9は、投影された干渉縞を画像データとして取り込む機能を有する。
このフィゾー型干渉計1では、次のようにして被検球面7の面精度を測定する。まず、レーザ光源2から所望の波長のレーザ光束を射出する。このレーザ光束は、レーザ光束発散レンズ3によりその光束径が拡大される。拡大されたレーザ光束の一部はハーフミラー4により直角方向、すなわち、光軸Z1に沿う方向に反射する。反射したレーザ光束はさらに光束径を広げながらコリメータレンズ5に入射する。コリメータレンズ5を透過することで平行なレーザ光束(平面波)に変換され、そのまま干渉計用基準レンズ6に入射する。干渉計用基準レンズ6に入射した光束は基準球面Fに入射し、大部分の入射光束は屈折することなく透過する。ところが、基準球面Fには、例えば反射防止膜等は施さない、あるいは増反射膜を施す等の方法により若干の反射率があえて残されている。このため、一部の入射光束は基準球面Fを通過せずにここで垂直に反射する。この反射光束が参照光となる。一方、基準球面Fを透過した光束(球面波)は、焦点Pに向かって集束される。図5の例では、基準球面Fと焦点Pとの間に被検球面7が存在するため、被検球面7からの垂直反射光束、すなわち被検光が発生する。ただし、被検球面7が凹面の場合には、基準球面Fからの射出光束は一旦、焦点Pに集束したのち再び拡がりながら被検球面7に照射され、被検光が発生する。参照光および被検光は、入射光の経路を逆に辿って進行する。干渉計用基準レンズ6とコリメータレンズ5とを順に辿り、ハーフミラー4を通過して直進し、結像用レンズ8に到達する。被検光および参照光は結像用レンズ8によって集光され、撮像素子9上に干渉縞を形成する。この干渉縞は、被検球面7の面形状を表すものであり、この干渉縞を観察あるいは解析することで被検球面7の面精度を測定することが可能となる。
次に、上記干渉計用基準レンズ6として用いられる本実施の形態に係る干渉計用基準レンズの構成例を説明する。図1は本実施の形態に係る干渉計用基準レンズの第1の構成例を示しており、後述の第1の数値実施例(図6)のレンズ構成に対応している。図2は第2の構成例を示しており、後述の第2の数値実施例(図7)のレンズ構成に対応している。図3は第3の構成例を示しており、後述の第3の数値実施例(図8)のレンズ構成に対応している。図4は第4の構成例を示しており、後述の第4の数値実施例(図9)のレンズ構成に対応している。これらの構成図において、符号Zinで示す側が入射側(光源側)であり、一方、符号Zoutで示す側が射出側(被検球面側)である。符号Riは、最も入射側の面(入射光束入射面)を1番目として、射出側に向かって順次増加するようにして符号を付したi番目の面の曲率半径を示す。符号Diは、i番目の面とi+1番目の面との光軸Z1上の面間隔を示す。
この干渉計用基準レンズは、光軸Z1に沿って入射側から順に、第1の正レンズ群G1と、負レンズ群G2と、第2の正レンズ群G3とを備えている。第1の正レンズ群G1は、1枚の両凸レンズL1からなる。負レンズ群G2は、1枚の負レンズL2からなる。負レンズL2は、第1ないし第3の構成例(図1〜図3)に示すように両凹レンズであっもても良いし、第4の構成例(図4)に示すように例えば射出側に凹面を向けたメニスカス形状であっても良い。また図示しないが平凹レンズであっても良い。
第2の正レンズ群G3は、少なくとも2枚の正レンズを含んでいる。好ましくは、少なくとも3枚の正レンズ含んでいると良い。第1ないし第3の構成例(図1〜図3)では、第2の正レンズ群G3が3枚の正レンズL3,L4,L5からなる。これらの構成例では、第2の正レンズ群G3において、1枚目の正レンズL3は両凸レンズからなり、2枚目および3枚目の正レンズL4,L5は入射側に凸面を向けたメニスカスレンズからなる。第4の構成例(図4)では、第2の正レンズ群G3が2枚の正レンズL3,L4からなる。第4の構成例では、第2の正レンズ群G3において、1枚目の正レンズL3は両凸レンズからなり、2枚目の正レンズL4は入射側に凸面を向けたメニスカスレンズからなる。
なお、第2の正レンズ群G3は、3枚の正レンズで構成した方が、最適な製造コストを実現するできる。第2の正レンズ群G3を第4の構成例のように2枚の正レンズで構成した場合、全体のレンズ枚数は4枚だけで構成されるので、一見コストダウンになると思われる。しかし、実際は各面での光線屈曲量は大きくなるため、製造時の公差内ばらつきに伴う球面収差の変化量は増大する。具体的には、図4に通過光線を示したように、特に、負レンズL2後面での光線屈曲量が大きくなるため、高次の球面収差が補正過剰気味となるきらいがある。このため、単純な間隔補正のみでは調整不充分となる。これを補うためには、例えば複数のレンズ面間の間隔調整や中心厚公差幅の制限、球面の再研磨といった特殊な調整を要し、のみならずこれに掛かる調整時間も極端に増加するため、枚数削減を差し引いてもかえってコストアップの要因となる。従って、トータルとしての製造コストで考えると、むしろ第2の正レンズ群G3は3枚の正レンズで構成した方がコストを下げることができる。
この干渉計用基準レンズは、以下の条件式(1),(2)を満足している。ただし、N-は負レンズ群G2の負レンズL2の光源(干渉計側のレーザ光源2)の波長に対する屈折率、NLは最も被測定球面側のレンズ(正レンズL5(図1〜図3)または正レンズL4(図4))の光源に対する屈折率、FNo.はFナンバーとする。
-−NL≧0.2 ……(1)
FNo.≦1.5 ……(2)
次に、本実施の形態に係る干渉計用基準レンズの作用および効果を説明する。
この干渉計用基準レンズによれば、第1および第2の正レンズ群G1,G3の間に負レンズ群G2を配置し、さらにレンズ材料に関する所定の条件式(1)を満足するようにしたので、干渉計側のレーザ光源2(図5)の波長にばらつきがあったとしても測定結果に大きな影響を及ぼさないよう、十分に色消しを図ることができる。条件式(1)は、負レンズL2の屈折率N-と最終レンズの屈折率NLとの適切な屈折率差の条件を示している。屈折率差が条件式(1)の条件よりも小さいと、特に最終レンズの屈折率が高すぎると、最終レンズの中心厚ばらつきによる球面収差の形状変化が大きくなり、間隔調整を行ってもなお、瞳外周部で高次球面収差が残存する。もしくは干渉計各個体ごとに異なる、波長による波面収差の色分散が大きくなる。逆に負レンズL2の屈折率が低すぎると、波長変動による収差変動が大きくなるか、あるいは最終面(基準球面F)の曲率半径が小さくなるため、測定可能な凸球面範囲を狭めてしまうので好ましくない。
また、条件式(2)は、この干渉計用基準レンズの好適な適用条件を示している。この干渉計用基準レンズは、条件式(2)を満足するような明るいレンズ系に好適である。条件式(2)を外れるような暗いレンズ系であれば、全体として3枚のレンズでも十分構成可能であり、本実施の形態のような構成を採る必要性が少ない。
この色消しされた干渉計用基準レンズを干渉計に取り付けることで、レーザ光源2(図5)が個体ごとに波長のばらつきが大きいレーザダイオードであっても、干渉計個体間の互換性、及び相関がとりやすくなる。また、温度変化や注入電流の変動による波長変化があっても測定結果に影響を及ぼしにくくなる。
また、この干渉計用基準レンズは、以上のような構成とすることで、色消しの効果以外にも、以下の派生効果がある。
1.正弦条件を満足できる
正弦条件を満足できないと、この基準レンズに入射する平行光束の半径h、基準レンズの焦点距離f、および射出光線と光軸Z1とのなす角θの関係が、
h=f・sinθで正しく求められなくなる。
すなわち、θが大きくなるに従って、上式で推定される干渉計本体への戻り光線の高さhにくらべて、実際の光線高さが大きくなる。これは干渉計本体側では負の歪曲として観測される。すなわち、解析装置を用いずに被検物を僅かに傾けるなどで干渉縞を直線状にし、その曲がり量で形状誤差を観測する方法において、本来曲がるはずのない干渉縞が曲がって観測されるという問題が発生する。本実施の形態のように負レンズL2を加えることではじめて正弦条件を良好に満足することが可能となる。
2.最終面の曲率半径を大きくできる
比較的平行光入射側に近い位置に負レンズL2を置くことは、レンズ系のパワーを物体側を負、像側を正としてバックフォーカスを稼ぐ、いわゆるレトロフォーカスタイプとも見ることができる。この干渉計用基準レンズにおいて、バックフォーカスとは最終面の曲率半径そのものであり、物理的に測定可能な凸球面の最大曲率半径を規定するという重要な要素である。
3.外径を小さく、かつ製造ばらつきの感度を下げ、製造コストを削減できる
この干渉計用基準レンズにおいて、仮に負レンズL2を最も先頭に配置すると、光束が発散されるため、以降のレンズ外径が大きくなってしまう。一旦大きく発散した光束を収束するためには残りの正レンズの外周付近での光線入射角がきつくなり、高次の球面収差発生の要因となる。これは製造ばらつきによる波面劣化が大きいことを意味するため、同じ枚数で製造するにはかなり不利な要素となる。のみならず、負レンズL2の後ろ側に、例えば正レンズが4枚連続して配置されることになり、色収差の低減が困難になってしまう。一方、仮に負レンズL2を、入射側から3枚目のレンズ以降に配置した場合は、負レンズL2に入射するときに周辺部を通る光線が既にかなりの集光光束となっており、外周部における負レンズL2への入射光線の角度がきつくなるため、逆向きの高次球面収差(いわゆる補正過剰)が発生し、やはり製造時ばらつきに対して不利となる。この場合において、光線入射角を緩くするために、負レンズL2の前面を凸形状とした、いわゆるメニスカス形状とすると、負レンズL2に必要な負のパワーを発生させるためには後ろ側の曲率が強くなりすぎ、やはり高次の球面収差の補正過剰を招き、部品製造のばらつきの影響が大きくなる。これらに対し、本実施の形態のように2枚目に負レンズL2を配置した場合は、負レンズL2への入射光束は緩い収束光なので、負レンズL2のレンズ面に当たる光束の径はやや小さくなる。一方で負レンズL2からの射出光束は緩い発散光になるので、3枚目までの間隔をやや大きくすることができる。本実施の形態の構成によれば、目的のFナンバーの割には外径が小さく、なおかつ各面への光線入射角がトータルで最も緩くなるので製造ばらつきの感度も最小となり、現実的な公差での部品製造が可能となる。
次に、本実施の形態に係る干渉計用基準レンズの具体的な数値実施例について説明する。以下では、第1ないし第4の数値実施例をまとめて説明する。
図1に示した干渉計用基準レンズの構成に対応する具体的なレンズデータを実施例1として、図6に示す。このレンズデータにおいて、jは、最も入射側のレンズを1番目として、射出側に向かうに従い順次増加するようにして符号を付したレンズ番号を示す。iは、最も入射側のレンズ面を1番目として、射出側に向かうに従い順次増加するようにして符号を付した面番号を示す。曲率半径Riの欄には、図1において付した符号Riに対応させて、入射側からi番目の面の曲率半径の値(mm)を示す。面間隔Diの欄についても、同様に入射側からi番目の面Siとi+1番目の面Si+1との光軸上の間隔(mm)を示す。N(635)jの欄には、入射側からj番目のレンズの波長635nmに対する屈折率の値を示す。νdjの欄には、入射側からj番目のレンズのd線(波長587.6nm)に対するアッベ数の値を示す。Kiの欄には、入射側からi番目の面の外径の値(mm)を示す。なお、このレンズデータは、入射光束径が100mmとなるように規格化したものである。
実施例1のレンズデータと同様にして、実施例2ないし実施例4に係る干渉計用基準レンズの具体的なレンズデータをそれぞれ、図7ないし図9に示す。これらの実施例のレンズデータも、入射光束径が100mmとなるように規格化している。
図10には、上述の各条件式に関する値を各実施例についてまとめて示す。図10から分かるように、各実施例の値が、各条件式の数値範囲内となっている。
図11〜図14はそれぞれ、実施例1〜4に係る干渉計用基準レンズについての球面収差を示している。各収差図には、波長635nmを基準波長とした収差を示す。また、レーザダイオードを光源とした場合に±10nm程度の波長変動があることを考慮し、波長625nmおよび波長645nmについての収差も示す。
また、比較例の干渉計用基準レンズのレンズ断面を図15に、そのレンズデータを図16に示す。この比較例の干渉計用基準レンズは、波長650nmを設計中心波長とし、上述の特許文献2(特開2004−226502号公報)に記載のレンズ構成を参考に設計されている。図17には、この比較例の干渉計用基準レンズの球面収差を示す。図17の収差図では、波長650nmを基準波長として、波長640nmおよび波長660nmについての収差も示している。なお、この比較例の干渉計用基準レンズを実施例1〜4に係る干渉計用基準レンズと同様に波長635nmを基準波長として最適化した場合であっても、波長635nm前後での色収差量は図17に示した収差量とほぼ同等と判明している。
この比較例の干渉計用基準レンズは、4枚の正レンズL11,L12,L13,L14のみで構成され、負レンズは含まれていない。すなわち、色消しはなされていない。従って、図17から分かるように色収差が大きく生じている。これに対し、本実施の形態の各実施例に係る干渉計用基準レンズでは、図11〜図14から分かるように、干渉計側の光源の波長にばらつきがあったとしても測定結果に大きな影響を及ぼさないよう、十分に色消しがなされている。
なお、本発明は、上記実施の形態および各実施例に限定されず種々の変形実施が可能である。例えば、各レンズ成分の曲率半径、面間隔および屈折率の値などは、上記各数値実施例で示した値に限定されず、他の値をとり得る。
本発明の一実施の形態に係る干渉計用基準レンズの第1の構成例を示すレンズ断面図である。 本発明の一実施の形態に係る干渉計用基準レンズの第2の構成例を示すレンズ断面図である。 本発明の一実施の形態に係る干渉計用基準レンズの第3の構成例を示すレンズ断面図である。 本発明の一実施の形態に係る干渉計用基準レンズの第4の構成例を示すレンズ断面図である。 本発明の干渉計用基準レンズが適用されるフィゾー型干渉計の構成例を示す構成図である。 本発明の実施例1に係る干渉計用基準レンズのレンズデータを示す図である。 本発明の実施例2に係る干渉計用基準レンズのレンズデータを示す図である。 本発明の実施例3に係る干渉計用基準レンズのレンズデータを示す図である。 本発明の実施例4に係る干渉計用基準レンズのレンズデータを示す図である。 条件式に関する値を各実施例についてまとめて示した図である。 本発明の実施例1に係る干渉計用基準レンズの球面収差を示す収差図である。 本発明の実施例2に係る干渉計用基準レンズの球面収差を示す収差図である。 本発明の実施例3に係る干渉計用基準レンズの球面収差を示す収差図である。 本発明の実施例4に係る干渉計用基準レンズの球面収差を示す収差図である。 比較例の干渉計用基準レンズの構成を示すレンズ断面図である。 比較例の干渉計用基準レンズのレンズデータを示す図である。 比較例の干渉計用基準レンズの球面収差を示す収差図である。
符号の説明
G1…第1の正レンズ群、G2…負レンズ群、G3…第2の正レンズ群、Ri…物体側から第i番目のレンズ面の曲率半径、Di…物体側から第i番目と第i+1番目のレンズ面との面間隔、Z1…光軸。

Claims (2)

  1. 球面形状を測定する干渉計に取り付けられ、平面波を入射して射出面の球心を焦点とする球面波を射出する干渉計用基準レンズであって、
    入射側から順に、1枚の両凸レンズからなる第1の正レンズ群と、1枚の負レンズからなる負レンズ群と、少なくとも2枚の正レンズを含む第2の正レンズ群とで構成され、
    以下の条件式(1),(2)を満たす
    ことを特徴とする干渉計用基準レンズ。
    -−NL≧0.2 ……(1)
    FNo.≦1.5 ……(2)
    ただし、
    -:負レンズ群の負レンズの光源の波長に対する屈折率
    L:最も被測定球面側のレンズの光源の波長に対する屈折率
    FNo.:Fナンバー
    とする。
  2. 前記第2の正レンズ群に少なくとも3枚の正レンズを含む
    ことを特徴とする請求項1に記載の干渉計用基準レンズ。

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN113759510A (zh) * 2021-09-15 2021-12-07 江西晶浩光学有限公司 一种光学成像系统、取像模组和电子设备

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