JP5268988B2 - 2次元走査装置 - Google Patents

2次元走査装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5268988B2
JP5268988B2 JP2010104676A JP2010104676A JP5268988B2 JP 5268988 B2 JP5268988 B2 JP 5268988B2 JP 2010104676 A JP2010104676 A JP 2010104676A JP 2010104676 A JP2010104676 A JP 2010104676A JP 5268988 B2 JP5268988 B2 JP 5268988B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
lens
scanning
mirror
dimensional scanning
focal length
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2010104676A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2011232661A (ja
JP2011232661A5 (ja
Inventor
雄介 日下
誠司 濱野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Corp
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Panasonic Corp
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Panasonic Corp, Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Panasonic Corp
Priority to JP2010104676A priority Critical patent/JP5268988B2/ja
Priority to US13/389,403 priority patent/US8582190B2/en
Priority to PCT/JP2011/001241 priority patent/WO2011135771A1/ja
Publication of JP2011232661A publication Critical patent/JP2011232661A/ja
Publication of JP2011232661A5 publication Critical patent/JP2011232661A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5268988B2 publication Critical patent/JP5268988B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B26/00Optical devices or arrangements for the control of light using movable or deformable optical elements
    • G02B26/08Optical devices or arrangements for the control of light using movable or deformable optical elements for controlling the direction of light
    • G02B26/10Scanning systems
    • G02B26/101Scanning systems with both horizontal and vertical deflecting means, e.g. raster or XY scanners

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Optics & Photonics (AREA)
  • Lenses (AREA)
  • Laser Beam Printer (AREA)
  • Mechanical Optical Scanning Systems (AREA)
  • Facsimile Scanning Arrangements (AREA)

Description

本発明は、被検面を2次元に走査する2次元走査装置に関する。
一般に、走査光学系において、平面状の被検面あるいは照射面に対して歪のない光学系を組む方法として、被検面側(像側)をテレセントリックな光学系にする方法がある。
例えば、特許文献1には、2次元の走査光学系に関する技術が開示されている。当該技術では、主走査方向、あるいは副走査方向のみにパワーをもったシリンドリカルレンズ2枚を用い、主走査断面及び副走査断面共にテレセントリックな状態を成り立たせている。
具体的には、図30に示すように、光源41から発せられた光は、コリメータレンズ42を通り、ポリゴンミラー43に導かれる。ポリゴンミラー43に導かれた光は、ポリゴンミラー43によって副走査方向に折り曲げられる。ポリゴンミラー43によって副走査方向に折り曲げられた光は、副走査断面のみパワーをもつシリンドリカルレンズ44を通り、ポリゴンミラー45に導かれる。ポリゴンミラー45に導かれた光は、ポリゴンミラー45によって主走査方向に折り曲げられる。ポリゴンミラー45によって主走査方向に折り曲げられた光は、主走査断面のみパワーをもつシリンドリカルレンズ46を通り、被走査面47に導かれる。
ここで、各シリンドリカルレンズは、各シリンドリカルレンズの物体側の焦点位置に各ポリゴンミラーの中心が位置するように配置されている。
このような構成によって、走査断面ごとにテレセントリックな状態を実現させている。
すなわち、上記の2次元の走査光学系では、ポリゴンミラーと当該ポリゴンミラーの走査方向のみにパワーを持つシリンドリカルレンズとを組み合わせたものを、主走査方向と副走査方向とについて、それぞれ備え、それらを直列につなげている。これによって、2次元の走査が可能な光学系、かつ被走査面47側がテレセントリックな光学系を実現している。
特許第2709928号公報
しかしながら、上記従来の2次元の走査光学系では、2次元でテレセントリックな光学系を実現するために、ポリゴンミラー43、シリンドリカルレンズ44、ポリゴンミラー45、シリンドリカルレンズ45の順に配置する必要がある。このため、走査光学系の光路の全長が非常に長くなり、装置としての構成が大きくなる。
そこで、本発明は、上記の課題を解決するものであり、2次元の走査で得られる2次元像の歪が少なく、高精度な分解能を有し、かつ簡易な構成でコンパクトな2次元走査装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係わる2次元走査装置は、第1方向と、前記第1方向に直交する第2方向とに被検面を走査する2次元走査装置であって、光を出力する光源と、前記被検面に対する前記第1方向および前記第2方向を走査する走査光学系と、前記第1方向と前記第2方向とでパワーが異なる第1レンズと、前記第1方向と前記第2方向とでパワーが異なる第2レンズとを備え、前記走査光学系が、前記第1レンズと前記第2レンズとからなるレンズ群より前記光源側に配置され、前記レンズ群が像側テレセントリックであり、走査方向が前記第1方向である場合の前記第1レンズの焦点距離をf1xとし、走査方向が前記第2方向である場合の前記第1レンズの焦点距離をf1yとし、走査方向が前記第1方向である場合の前記第2レンズの焦点距離をf2xとし、走査方向が前記第2方向である場合の前記第2レンズの焦点距離をf2yとしたとき、下記の式(1)および(2)を満たす
(1)|f1x/f1y| < 1
(2)|f2x/f2y| > 1
ことを特徴とする。
本発明によれば、2次元の走査で得られる2次元像の歪が少なく、高精度な分解能を有し、かつ簡易な構成でコンパクトな2次元走査装置を実現することができる。
本発明の実施の形態1における2次元走査装置の鳥瞰図 本実施の形態1における2次元走査装置をX方向から見た図 本実施の形態1における2次元走査装置をY方向から見た図 (A)本実施の形態1における2次元走査装置でY方向に走査した場合における光路図、(B)本実施の形態1における2次元走査装置でX方向に走査した場合における光路図 本実施の形態1における2次元走査装置の各光学素子の諸元表を示す図 本実施の形態1における2次元走査装置の設計条件を定義する数式の計算結果の表を示す図 (A)本実施の形態1における2次元走査装置でY方向に走査した場合の被検面の座標[0,0]の横収差図、(B)本実施の形態1における2次元走査装置でX方向に走査した場合の被検面の座標[0,0]の横収差図 (A)本実施の形態1における2次元走査装置でY方向に走査した場合の被検面の座標[−10,−10]の横収差図、(B)本実施の形態1における2次元走査装置でX方向に走査した場合の被検面の座標[−10,−10]の横収差図 本発明の実施の形態2における2次元走査装置の鳥瞰図 本実施の形態2における2次元走査装置をX方向から見た図 本実施の形態2における2次元走査装置をY方向から見た図 本実施の形態2における2次元走査装置の各光学素子の諸元表を示す図 本実施の形態2における2次元走査装置の設計条件を定義する数式の計算結果の表を示す図 (A)本実施の形態2における2次元走査装置でY方向に走査した場合の被検面の座標[0,0]の横収差図、(B)本実施の形態2における2次元走査装置でX方向に走査した場合の被検面の座標[0,0]の横収差図 (A)本実施の形態2における2次元走査装置でY方向に走査した場合の被検面の座標[−10,−10]の横収差図、(B)本実施の形態2における2次元走査装置でX方向に走査した場合の被検面の座標[−10,−10]の横収差図 本発明の実施の形態3における2次元走査装置の鳥瞰図 本実施の形態3における2次元走査装置をX方向から見た図 本実施の形態3における2次元走査装置をY方向から見た図 本実施の形態3における2次元走査装置の各光学素子の諸元表を示す図 本実施の形態3における2次元走査装置の設計条件を定義する数式の計算結果の表を示す図 (A)本実施の形態3における2次元走査装置でY方向に走査した場合の被検面の座標[0,0]の横収差図、(B)本実施の形態3における2次元走査装置でX方向に走査した場合の被検面の座標[0,0]の横収差図 (A)本実施の形態3における2次元走査装置でY方向に走査した場合の被検面の座標[−10,−10]の横収差図、(B)本実施の形態3における2次元走査装置でX方向に走査した場合の被検面の座標[−10,−10]の横収差図 本発明の実施の形態4における2次元走査装置の鳥瞰図 本実施の形態4における2次元走査装置をX方向から見た図 本実施の形態4における2次元走査装置をY方向から見た図 本実施の形態4における2次元走査装置の各光学素子の諸元表を示す図 本実施の形態4における2次元走査装置の設計条件を定義する数式の計算結果の表を示す図 (A)本実施の形態4における2次元走査装置でY方向に走査した場合の被検面の座標[0,0]の横収差図、(B)本実施の形態4における2次元走査装置でX方向に走査した場合の被検面の座標[0,0]の横収差図 (A)本実施の形態4における2次元走査装置でY方向に走査した場合の被検面の座標[−10,−10]の横収差図、(B)本実施の形態4における2次元走査装置でX方向に走査した場合の被検面の座標[−10,−10]の横収差図 従来の2次元の走査光学系の概要を示す図
以下、本発明に係る実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明において、同じ構成には同じ符号を付けて、適宜、説明を省略している。
(実施の形態1)
以下、本発明に係わる実施の形態1について、図面を参照しながら説明する。
<2次元走査装置100>
図1に示すように、2次元走査装置100は、被検面101を2次元に走査する装置である。ここでは、2次元走査装置100は、光源111、ミラー121,122、レンズ131,132を備える。
この2次元走査装置100における光源111から被検面101までの光の動きについて説明する。光源111から出力された光がミラー121で反射される。ミラー121で反射された光がミラー122で反射される。ミラー122で反射された光がレンズ131を通過する。レンズ131を通過した光がレンズ132を通過する。レンズ132を通過した光が被検面101に照射される。
なお、X方向において、光源111からミラー121へ向かう方を負とする。Y方向において、ミラー121からミラー122へ向かう方を負とする。特に断りがない限り、被検面101の中心を原点とする。被検面101の中心とミラー122の中心とを結ぶ線を、レンズ131,132からなる光学系の光軸とする。
<光源111>
光源111は、X軸に平行に、波長1310mmの光を出力する。
<ミラー121,122>
ミラー121は、被検面101をX方向に走査する方向に光を屈折させるガルバノミラーである。ミラー122は、被検面101をY方向に走査する方向に光を屈折させるガルバノミラーである。ミラー121の回転軸123がZ軸と平行になるように、ミラー121の向きが調整されている。ミラー122の回転軸124がX軸と平行になるように、ミラー122の向きが調整されている。ミラー121の中心とミラー122の中心とが同一軸上に位置するように、光源側111側にミラー121が配置されて、レンズ131側にミラー122が配置されている。ミラー121とミラー122との間には、各ミラーが衝突せずに回転可能な空間が確保されている。
このミラー121,122による被検面101の走査について説明する。光源111から出力された光がミラー121で反射される。ミラー121で反射された光がミラー122で反射される。回転軸123を中心に所定角度範囲でミラー121が回転することで、被検面101がX方向に走査される。回転軸124を中心に所定角度範囲でミラー122が回転することで、被検面101がY方向に走査される。
<レンズ131,132>
レンズ131は、2つの異なる曲率を持ち、X方向とY方向とでパワーが異なるトロイダルレンズである。レンズ132は、X方向とY方向とでパワーが異なるトロイダルレンズである。レンズ131の光軸がZ軸と平行になるように、レンズ131の向きが調整されている。レンズ132の光軸がZ軸と平行になるように、レンズ132の向きが調整されている。レンズ131の光軸とレンズ132の光軸とが同一軸上に位置するように、ミラー122側にレンズ131が配置されて、被検面101側にレンズ132が配置されている。ミラー122で反射された光がレンズ131に入射する。レンズ131から射出された光がレンズ132に入射する。
なお、図2、図3に示すように、レンズ131の入射面については、X方向の曲がり具合が凸型(正)であり、Y方向の曲がり具合が凹型(負)であり、Y方向の曲がり具合よりもX方向の曲がり具合の方がきつい。レンズ131の射出面については、X方向の曲がり具合が凹型(負)であり、Y方向の曲がり具合が凹型(負)であり、X方向の曲がり具合よりもY方向の曲がり具合の方がきつい。レンズ132の入射面については、X方向の曲がり具合が凹型(負)であり、Y方向の曲がり具合が凸型(正)であり、Y方向の曲がり具合よりもX方向の曲がり具合の方がきつい。レンズ132の射出面については、X方向の曲がり具合が凹型(負)であり、Y方向の曲がり具合が凹型(負)であり、Y方向の曲がり具合よりもX方向の曲がり具合の方がきつい。
<設計条件>
次に、2次元走査装置100を構成する各光学素子の設計条件について説明する。
本実施の形態では、2枚のトロイダルレンズからなるレンズ群を使用している。これによって、簡易な構成で、X方向に走査しても、Y方向に走査しても、全体として、被検面101での走査平面側(像側)がテレセントリックになる。
一般に、走査光学系において、走査平面側がテレセントリックになるためには、レンズの走査平面側の焦点距離と、走査ミラーの中心からレンズの光源側の主点位置までの距離が等しいことが必要である。これを、図4(A)、図4(B)において、模式図を用いて説明する。
ここでは、X方向の走査を担当する走査ミラーM1、Y方向の走査を担当する走査ミラーM2、トロイダルレンズL1、トロイダルレンズL2からなる走査光学系を例に説明する。図4(A)に走査ミラーM2の走査方向(Y方向)の光線追跡図、図4(B)に走査ミラーM1の走査方向(X方向)の光線追跡図を示す。
また、図4(A)、図4(B)において、点線で表された第一の光路は、無限遠にある点光源から、トロイダルレンズL1,L2を通り、走査平面側の像面IPで結像される光線である。また、実線で表された第二の光路は、走査ミラーM1または走査ミラーM2に物点があるときの、トロイダルレンズL1,L2を通る光路である。
像側テレセントリックをなすときは、この第二の光路と走査平面側の像面IPのなす角度が直角である。すなわち、第二の光路の結像位置が無限遠方にある。
ゆえに、図4(A)に示すY方向の走査光学系、図4(B)に示すX方向の走査光学系において、走査ミラーM1,M2が、それぞれ、物体側のX方向、及びY方向の焦点位置にあるとき、走査ミラーの中心にある物点の像が、それぞれ無限遠方にある。ここで、焦点位置は、レンズの主点位置から、焦点距離分、物体から離れた位置である。
本走査光学系では、走査ミラーが入射瞳であり、射出瞳の位置が無限である。このとき、トロイダルレンズL1,L2からなるレンズ群が、像側テレセントリックになる。
また、レンズ群の両走査断面において像側テレセントリックになるため、どの走査断面でも、像側テレセントリックになる。
最も簡易に2次元の走査を実現する方法は、ガルバノミラーを2枚組み合わせて、X方向とY方向との各方向に走査させることである。このため、この2枚のミラーの間には、ミラーを回転させるだけの物理的な距離が必要となる。
今、この走査光学系に使用されるレンズが、通常の軸回転対称なレンズであると、当該レンズの持つ焦点距離が、すべての走査方向に対して同じ値になり、主点位置も同位置になる。しかしながら、2枚の走査ミラーを同じ位置に配置することができない。このため、走査ミラーを別々の位置に配置することになる。すなわち、走査ミラーの回転中心からの距離が、走査方向によって異なる。結果、通常の軸回転対称なレンズを用いた場合では、走査方向によってテレセントリックを満たすことが出来なくなる。
これに対して、本実施の形態では、走査断面によって異なるパワーを持つレンズを用いることで、走査方向によらず、テレセントリック条件を満たしている。
また、解像力を高めるためには、走査方向によらず、走査光学系から射出し、被検面に当たるスポット径を、小さくする必要がある。これを実現させるためには、走査光学系の像面を、走査方向によらず一定にすることが必要である。さらに、スポット径を小さくする上で、走査光学系の収差を小さくすることが必要である。
すなわち、テレセントリック条件と、像面一致条件、収差を簡易な構成で小さくすることを満たす条件式として、下記の数式が挙げられる。
数式(1)は、トロイダルレンズL1における、X方向の走査断面の焦点距離とY方向の走査断面の焦点距離との比率の条件式である。ここでは、数式(1)は、望ましい数値範囲で表されている。
Figure 0005268988
数式(2)は、トロイダルレンズL2における、X方向の走査断面の焦点距離とY方向の走査断面の焦点距離との比率の条件式である。ここでは、数式(2)は、望ましい数値範囲で表されている。
Figure 0005268988
今、本実施の形態では、Y方向の走査を像面に近い走査ミラーM2で担い、またX方向の走査を像面から遠い走査ミラーM1が担っている。なお、本実施の形態では、数式(1)と数式(2)の条件(数値範囲)としたが、条件を変えることで、これらの数式を入れ替えることも可能である。
一般に、良好なスポットを得るためには、レンズ群において、正のパワーと負のパワーのレンズの組み合わせが望ましい。これは、正のパワーのレンズ(以下、正レンズ)が発する収差(主として球面収差)を、負のパワーのレンズ(以下、負レンズ)で打ち消す傾向があるからである。
また、一般にパワーが強い面を持つレンズは、高次の収差(主として球面収差)が現れやすく、望ましくない。
2枚の正負のパワーをもつレンズの組み合わせで、面のパワーを大きくすることなく、長い焦点距離を実現するには、テレフォトタイプ(光源から順に、正レンズ、負レンズが並ぶ光学系)がある。
また、一方で短い焦点距離のもので、面のパワーを大きくすることなく実現するものとして、レトロフォーカスタイプ(光源から順に、負レンズ、正レンズが並ぶ光学系)がある。
特に、レンズ最終面から像点までの距離(以下、ワーキングディスタンス)を焦点距離に対して比較的長くしたい場合、このレトロフォーカスタイプが有効である。
本実施の形態のように、2枚のレンズ群で、走査断面によって異なる焦点距離を持たせる場合、焦点距離の長い走査断面を、テレフォトタイプに近いタイプ、焦点距離の短い走査断面を、レトロフォーカスタイプに近いタイプにするのが望ましい。
数式(1)および、数式(2)は、これを実現するためのものである。
焦点距離が短いY方向の走査断面については、トロイダルレンズL2が正のパワーが強く、トロイダルレンズL1が負のパワーに近くなる。また、X方向の走査断面については、この逆にするのが望ましい。
ゆえに、トロイダルレンズL1では、Y方向の走査断面の焦点距離がX方向の走査断面の焦点距離に対して長いほうが望ましい。トロイダルレンズL2では、X方向の走査断面の焦点距離がY方向のそれに対して長いほうが望ましい。
また、数式(3)は、トロイダルレンズL1,L2からなるレンズ群の各方向の走査断面の焦点距離の差分と、走査ミラーの間隔との比の条件式である。ここでは、数式(3)は、望ましい数値範囲で表されている。
Figure 0005268988
ここで、数式(3)の数値範囲が望ましい理由について説明する。
前述のように、本実施の形態では、2枚のトロイダルレンズを使用して、テレセントリック光学系を実現するものであり、必然的に焦点距離が走査断面によって異なる。
焦点距離が異なる走査断面に対して、像面を一致させるには、その焦点距離の差分の分、各走査断面に対して、レンズ群の像側主点位置がずれていることが必要である。
数式(3)は、このズレ量に関して規定するものである。この値が大きいと、両トロイダルレンズの間隔に対して、焦点距離の差が大きいことになり、焦点距離に差分が出やすい。すなわち、両トロイダルレンズの走査断面が、走査断面の方向によって、形が大きく異なることを意味する。
具体的には、光源101から見た場合に、焦点距離の短いY方向に関しては、レトロフォーカスタイプである負正の順番になる。また、焦点距離の長いX方向に関しては、テレフォトタイプである正負の順番になる。これは、各トロイダルレンズにおいて、走査断面によってパワーの正負が逆になることを意味する。
ゆえに、トロイダルレンズの形状がいびつになりやすく、加工の難しさに加え、面の厚みが大きくなる、収差が大きくなるという不利益をもたらす。
一方、数式(3)の値が小さい、すなわち、焦点距離の差分が、両トロイダルレンズの間隔に比べ小さいと、焦点距離の差分は上記のように、走査ミラーの間隔の差分に由来しているものなので、像点一致条件とテレセントリックを両立することが困難となる。
これらの条件を満たすために、数式(3)の数値範囲が前述のようになることが望ましい。
数式(4)は、トロイダルレンズL2から被検面までの距離と、トロイダルレンズL1とトロイダルレンズL2のなす光学系のY方向の走査断面の焦点距離の比の条件式である。ここでは、数式(4)は、望ましい数値範囲で表されている。
Figure 0005268988
ここで、数式(4)の数値範囲が望ましい理由について説明する。
前述のように、トロイダルレンズL1,L2からなるレンズ群のY方向の走査断面の焦点距離は、X方向のそれに比べ短い。これは、レトロフォーカスタイプ、すなわち負正の順番に並ぶ形が望ましい。
数式(4)は、このレトロフォーカスタイプのレトロ比に相当するものである。レンズ群のY方向の走査断面の焦点距離に対して、バックフォーカス(後側焦点)の長さの比率を表すものである。
一般に、光軸中心付近の画角では、レトロフォーカスタイプのレンズにおいて、レトロ比分、正レンズの分担する収差が縮小される一方、負レンズの分担する収差が拡大する傾向にある。
数式(4)の数値が大きくなると、レトロ比が大きくなる。すなわち、負レンズの担う収差の分担が大きくなり、トロイダルレンズL1が簡易な構成で収差がよいレンズを満たすことが困難になる。
また、X方向の走査断面がテレフォトタイプの正負の並びになることが望ましいことを考慮すると、形が走査断面によって、極端に曲率が異なるいびつな形になり、加工が難しく、さらに収差が悪化しやすいという難点が生じる。
逆に、この数値が小さくなると、レトロ比が小さくなる。すなわち、トロイダルレンズL2の担う収差における分担の比率が大きくなり、トロイダルレンズL2を簡易な構成にするのが困難になる。
これらの条件を満たすために、数式(4)の数値範囲が前述のようになることが望ましい。
数式(5)は、トロイダルレンズL1とトロイダルレンズL2との間隔と、トロイダルレンズL2から被検面までの距離とを足したものと、トロイダルレンズL1,L2からなるレンズ群のX方向の走査断面の焦点距離の比の条件式である。ここでは、望ましい数値範囲で表されている。
Figure 0005268988
これは、トロイダルレンズL1,L2からなるレンズ群のX方向の走査断面において、光学系の全長に対して、焦点距離の比率を表すものに相当する。
ここで、数式(5)の数値範囲が望ましい理由について説明する。
前述のように、X方向の走査断面に関し、このレンズ群は、焦点距離が長いものに有利な、正負の順に並ぶテレフォトタイプになることが望ましい。
数式(5)は、このテレフォト比に相当するものである。トロイダルレンズL1,L2からなるレンズ群は、値が小さいほど、全長に対する焦点距離が長いレンズ群になる。
一般に、テレフォトタイプの正負に並ぶレンズ群では、テレフォト比が小さくなって、すなわち全長に対して焦点距離が短くなると、正レンズおよび負レンズのパワーがそれぞれ大きくなり、収差が悪化する傾向にある。
数式(5)の範囲を超えて、このテレフォト比に相当するものが小さくなると、トロイダルレンズL1及びトロイダルレンズL2のパワーが大きくなる傾向にあり、簡易な構成で良好な収差を保つことが難しくなる。
また、数式(5)の範囲を超えて、このテレフォト比に相当するものが大きくなると、レンズ群がコンパクトな構成を保てなくなる。
これらの条件を満たすために、数式(5)の数値範囲が前述のようになることが望ましい。
なお、上記レンズ群においては、さらに数式(6)の数値範囲を満たしていることが望ましい。
Figure 0005268988
ここで、数式(6)の数値範囲が望ましい理由について説明する。
数式(6)は、トロイダルレンズL1におけるX方向の走査断面の焦点距離と、トロイダルレンズL1,L2からなるレンズ群のX方向の走査断面の焦点距離との焦点距離の比の条件式である。この条件式は、二つのレンズから構成される光学系において、第二レンズ(トロイダルレンズL2)の担う倍率の逆数を既定するものである。
一般的に、光学系において、光学系の収差において占める第一レンズ(トロイダルレンズL1)の収差は、第一レンズ(トロイダルレンズL1)以降のレンズの受け持つ倍率分拡大される。
特に、本実施の形態のX方向の走査断面におけるテレフォトタイプに似た比較的焦点距離が長いレンズは、倍率が大きくなる傾向があり、第二レンズ(トロイダルレンズL2)の分担する収差が大きくなる。
数式(6)の範囲を超えて数値が小さくなると、トロイダルレンズL2の受け持つ倍率が大きくなり、トロイダルレンズL1の収差が大きく拡大され、トロイダルレンズL1の形状が簡易なものとするのが困難になる。
また、数式(6)の範囲を超えて数値が大きくなると、トロイダルレンズL2の受け持つ倍率が小さくなり、トロイダルレンズL1の収差が大きく拡大されることはないが、その一方でコンパクトなレンズ系にするのが困難になる。
これらの条件を満たすために、数式(6)の数値範囲が前述のようになることが望ましい。
なお、上記レンズ群においては、さらに数式(7)の数値範囲を満たしていることが望ましい。
Figure 0005268988
数式(7)は、トロイダルレンズL1,L2からなるレンズ群のX方向の走査断面の焦点距離とY方向の走査断面の焦点距離の比の条件式である。
ここで、数式(7)の数値範囲が望ましい理由について説明する。
本実施の形態では、前述するようにテレセントリックを満たすために、ミラーの間隔分、走査方向の走査断面の焦点距離が異なる構成になっている。
数式(7)の範囲を超えて、走査断面におけるパワーの比が異なると、X方向の走査断面とY方向の走査断面との中間、すなわち、斜めの走査方向において、スポットの形状が楕円形となり、トロイダルレンズが2枚という、簡易な構成でスポット径を小さくすることが困難になる。
これらの条件を満たすために、数式(7)の数値範囲が前述のようになることが望ましい。
なお、上記レンズ群においては、さらに数式(8)の数値範囲を満たしていることが望ましい。
Figure 0005268988
ここで、数式(8)の数値範囲が望ましい理由について説明する。
数式(8)は、トロイダルレンズL1、及びトロイダルレンズL2におけるX方向とY方向の走査断面の焦点距離の逆数、すなわちパワーの差分の和の条件式である。
一般に、光学系において、各レンズのパワーの和は、非点格差に影響する値である。パワーの和がゼロに近いほど、非点格差が小さくなり、中心から遠い点のビームスポットの形が円に近くなり、良好な光学性能が得られる傾向にある。
本実施の形態では、テレセントリックを満たすために、走査方向によるパワーが異なる。このため、数式(8)の値に必然的に差分が生まれやすい。
しかし、この値を数式(8)の範囲にとどめることで、非点収差が少なくなり、ビームスポットが円形に近くなる傾向にある。結果、走査方向によらず、解像度の良い走査光学系を構成することができる。
この値を超えると、非点収差が大きくなり、中心から離れた点におけるビームスポット径の形がいびつになる。結果、走査方向により、解像度に差分が生じてしまう。
これらの条件を満たすために、数式(8)の数値範囲が前述のようになることが望ましい。
さらに、解像力を上げるためには、スポット形状をさらに小さく、真円に近づけるのが望ましい。このため、トロイダルレンズの利用に合わせて、レンズ表面が非球面なものを利用することが望ましい。
このようにして、本実施の形態では、走査ミラーよりも被検面側に、2枚のトロイダルレンズからなるレンズ群が配置されている。これによって、簡易な構成で、テレセントリックでコンパクトな走査光学系を実現することができる。
<実施例>
ここでは、レンズ131については、走査方向がX方向である場合の焦点距離f1xが53.45mmであり、走査方向がY方向である場合の焦点距離f1yが86.55mmである。レンズ132については、走査方向がX方向である場合の焦点距離f2xが−380.1mmであり、走査方向がY方向である場合の焦点距離f2yが159.54mmである。レンズ131,132からなる光学系については、走査方向がX方向である場合の焦点距離fxが68.27mmであり、走査方向がY方向である場合の焦点距離fyが60mmである。ミラー121の中心とミラー122の中心との距離が10mmである。回転軸123を中心に±4.83°でミラー121を回転させ、回転軸124を中心に±5.34°でミラー122を回転させることで、被検面101における20mm×20mmの正方形の範囲が走査される。
2次元走査装置100を構成する光学素子の諸元を図5に示す。
図5に示す諸元表には、各光学素子の面について、面番号、有効径、RX(X方向の曲率半径)、RY(Y方向の曲率半径)、距離(次の番号の光学系までの距離)、屈折率が列挙されている。
当該諸元のデータを使用して計算された上記の数式(1)−(8)の各値を図6に示す。図6に示す表には、各数式について、数式の番号、計算結果が列挙されている。
なお、面番号1がミラー121の反射面に割り当てられた面番号である。面番号2がミラー122の反射面に割り当てられた面番号である。面番号3がレンズ131の入射面に割り当てられた面番号である。面番号4がレンズ231の射出面に割り当てられた面番号である。面番号5がレンズ132の入射面に割り当てられた面番号である。面番号6がレンズ132の射出面に割り当てられた面番号である。
図5に示すように、本実施の形態の構成では、焦点距離fxと焦点距離fyとの差分に影響を及ぼすミラー間隔Dmが10mmである。レトロ比とテレフォト比とに影響を及ぼすワーキングディスタンスWDが45mmである。図6に示す各値により、2次元走査装置100では、走査方向によらず、テレセントリック条件、像点一致条件、およびビームスポット条件を満たすことが窺える。
なお、2次元走査装置100で、Y方向に走査した場合の被検面101の座標[0,0]の横収差を図7(A)に示し、X方向に走査した場合の被検面101の座標[0,0]の横収差を図7(B)に示す。また、2次元走査装置200で、Y方向に走査した場合の被検面101の座標[−10,−10]の横収差を図8(A)に示し、X方向に走査した場合の被検面101の座標[−10,−10]の横収差を図8(B)に示す。これらの図については、入射瞳の最大割合10割に対し、一目盛り100umで横収差をプロットしている。これらの図に示すグラフにより、2次元走査装置100では、収差が充分に小さいことが窺える。
また、面番号1の距離がミラー121の中心からミラー122の中心までの距離である。面番号2の距離がミラー122からレンズ131の入射面までの光軸上の距離である。面番号3の距離がレンズ131の入射面からレンズ131の射出面までの光軸上の距離である。面番号4の距離がレンズ131の射出面からレンズ132の入射面までの光軸上の距離である。面番号5の距離がレンズ132の入射面からレンズ132の射出面までの光軸上の距離である。面番号6の距離がレンズ132の射出面から被検面101までの光軸上の距離である。
また、どの面番号の屈折率も、波長1310nmに対するものである。
なお、本実施の形態では、光を2次元平面上で動かすために、ガルバノミラー121,122と2枚のミラーを用いている。しかしながら、ほぼ同様の射出が行われるのであれば、2枚のガルバノミラーの代わりに、ミラーが1枚で2軸に揺動可能な構成、または光源自体が被検面に揺動照射可能な構成などとしてもよい。
<まとめ>
以上、本実施の形態では、レンズ131,132にトロイダルレンズが採用されている。そして、光源111から順に、ガルバノミラー121,122、レンズ131,132が配置されている。このとき、2次元平面上を走査可能なように、ガルバノミラー121,122が配置されている。レンズ131,132とが隣接した状態で、レンズ131,132が配置されている。これによって、歪が少なく、かつ簡易な構成でコンパクトな2次元走査装置を実現することができる。
(実施の形態2)
以下、本発明に係わる実施の形態2について、図面を参照しながら説明する。
図9に示すように、本実施の形態における2次元走査装置200は、実施の形態1における2次元走査装置100と比べて、レンズ131,132の代わりに、レンズ231,232を備える点が異なる。
<レンズ231,232>
レンズ231は、X方向のみにパワーがあるシリンドリカルレンズである。レンズ232は、Y方向のみにパワーがあるシリンドリカルレンズである。
なお、シリンドリカルレンズは、トロイダルレンズの一形態である。このため、実施の形態1で説明した各光学素子の設計条件を、本実施の形態でも適用することができる。
レンズ231の光軸がZ軸と平行になるように、レンズ231の向きが調整されている。レンズ232の光軸がZ軸と平行になるように、レンズ232の向きが調整されている。レンズ231の光軸とレンズ232の光軸とが同一軸上に位置するように、ミラー122側にレンズ231が配置されて、被検面101側にレンズ232が配置されている。ミラー122で反射された光がレンズ231に入射する。レンズ231から射出された光がレンズ232に入射する。
なお、レンズ231は、YZ断面が長方形となっている。レンズ232は、XZ断面が長方形となっている。レンズ231は、Y軸の垂直な面の形状が凸型(正)であり、X軸に垂直な面の形状が平坦であり、入射面の曲率よりも射出面の曲率の方が大きい。
レンズ232は、Y軸に垂直な面の形状が平坦であり、X軸に垂直な面の形状が凸型(正)であり、入射面の曲率よりも射出面の曲率の方が大きい。
なお、シリンドリカルレンズは、トロイダルレンズよりも製造が容易である。しかしながら、レトロフォーカスタイプの光学系や、テレフォトタイプの光学系を構成することができない。そこで、シリンドリカルレンズで、テレセントリック条件、像点一致条件、およびビームスポット条件を満たすために、レンズの面を非球面にする必要がある。
<実施例>
ここでは、レンズ231については、走査方向がX方向である場合の焦点距離f1xが60.02mmであり、走査方向がY方向である場合の焦点距離f1yが無限大である。レンズ132については、走査方向がX方向である場合の焦点距離f2xが無限であり、走査方向がY方向である場合の焦点距離f2yが54.44mmである。レンズ231,232からなる光学系については、走査方向がX方向である場合の焦点距離fxが60.02mmであり、走査方向がY方向である場合の焦点距離fyが54.44mmである。ミラー121の中心とミラー122の中心との距離が10mmである。レンズ231射出面とレンズ232射出面との間隔は、5.58mmである。回転軸123を中心に±4.83°でミラー121を回転させ、回転軸124を中心に±5.34°でミラー122を回転させることで、被検面101における20mm×20mmの正方形の範囲が走査される。
なお、2次元走査装置200を構成する光学素子の諸元を図12に示す。当該諸元のデータを使用して計算された、上記の数式(1)−(8)の各値を図13に示す。図13に示す各値により、2次元走査装置200でも、走査方向によらず、テレセントリック条件、像点一致条件、およびビームスポット条件を満たすことが窺える。
また、ミラー121の反射面が平面であるので、面番号1のRXとRYがinf(無限大)である。ミラー122の反射面が平面であるので、面番号2のRXとRYがinf(無限大)である。レンズ231のYZ断面が長方形であるので、面番号3,4のRYがinf(無限大)である。レンズ232のXZ断面が長方形であるので、面番号5,6のRXがinf(無限大)である。
レンズ231の射出面は非球面形状である。レンズ232の射出面は非球面形状である。すなわち、レンズ231,232について、レンズの曲率が大きい面が非球面形状である。非球面形状は、下記の数式(9)で定義される。
ここで、光軸方向の値をX、光軸方向に垂直な方向の値をH、光の進行方向の符号を正、近軸曲率半径をR、離心率をk、各非球面係数をA,B,C,Dとした。
Figure 0005268988
図12に示す諸元により、ミラー間隔Dmが10mmである。ワーキングディスタンスWDが52.36mmである。図13に示す各値により、2次元走査装置200では、走査方向によらず、テレセントリック条件、像点一致条件、およびビームスポット条件を満たすことが窺える。
なお、2次元走査装置200で、Y方向に走査した場合の被検面101の座標[0,0]の横収差を図14(A)に示し、X方向に走査した場合の被検面101の座標[0,0]の横収差を図14(B)に示す。また、2次元走査装置200で、Y方向に走査した場合の被検面101の座標[−10,−10]の横収差を図15(A)に示し、X方向に走査した場合の被検面101の座標[−10,−10]の横収差を図15(B)に示す。これらの図については、入射瞳の最大割合10割に対し、一目盛り100umで横収差をプロットしている。これらの図に示すグラフにより、2次元走査装置200では、充分に収差が小さいことが窺える。
<まとめ>
以上、本実施の形態では、レンズ231,232にシリンドリカルレンズが採用されている。これによって、前述の2次元の走査で得られる2次元像の歪が少なく、高精度な分解能を有し、かつ簡易な構成でコンパクトな2次元走査装置を実現することができる。さらに、実施の形態1と比べて、レンズの形状の自由度が増す。
(実施の形態3)
以下、本発明に係わる実施の形態3について、図面を参照しながら説明する。
図16に示すように、本実施の形態における2次元走査装置300は、実施の形態1における2次元走査装置100と比べて、レンズ131,132の代わりに、レンズ331,332を備える点が異なる。
<レンズ331,332>
レンズ331は、X方向とY方向とでパワーが異なるトロイダルレンズである。レンズ332は、X方向とY方向とでパワーが異なるトロイダルレンズである。レンズ331の光軸がZ軸と平行になるように、レンズ331の向きが調整されている。レンズ332の光軸がZ軸と平行になるように、レンズ332の向きが調整されている。レンズ331の光軸とレンズ332の光軸とが同一軸上に位置するように、ミラー122側にレンズ331が配置されて、被検面101側にレンズ332が配置されている。ミラー122で反射された光がレンズ331に入射する。レンズ331から射出された光がレンズ332に入射する。
なお、図17、図18に示すように、レンズ331の入射面は、X方向の曲率が凸型(正)であり、Y方向の曲率が凸型(正)である。このレンズ331の入射面は、Y方向の曲率よりもX方向の曲率の方が大きい。レンズ331の射出面については、X方向の曲率が凹型(負)であり、Y方向の曲率が凹型(負)である。このレンズ331の射出面は、X方向の曲率とY方向の曲率とも略同じである。レンズ332の入射面は、X方向の曲率が凹型(負)であり、Y方向の曲率が凸型(正)である。このレンズ332の入射面は、Y方向の曲率よりもX方向の曲率の方が大きい。レンズ332の射出面については、X方向の曲率が凹型(負)であり、Y方向の曲率が凹型(負)であり、Y方向の曲率よりもX方向の曲率の方が大きい。
<実施例>
ここでは、レンズ331については、走査方向がX方向である場合の焦点距離f1xが51.82mmであり、走査方向がY方向である場合の焦点距離f1yが83.98mmである。レンズ332については、走査方向がX方向である場合の焦点距離f2xが−413.17mmであり、走査方向がY方向である場合の焦点距離f2yが172.9mmである。レンズ331,332からなる光学系については、走査方向がX方向である場合の焦点距離fxが66.16mmであり、走査方向がY方向である場合の焦点距離fyが60mmである。ミラー121の中心とミラー122の中心との距離が10mmである。回転軸123を中心に±4.5°でミラー121を回転させ、回転軸124を中心に±5.0°でミラー122を回転させることで、被検面101における20mm×20mmの正方形の範囲が走査される。
なお、2次元走査装置300を構成する光学素子の諸元を図19に示す。当該諸元のデータを使用して計算された上記の数式(1)−(8)の各値を図20に示す。図19に示すように、ミラー間隔Dmは5mmである。ワーキングディスタンスWDは45mmである。図20に示す各値により、2次元走査装置300では、走査方向によらず、テレセントリック条件、像点一致条件、およびビームスポット条件を満たすことが窺える。
なお、2次元走査装置300で、Y方向に走査した場合の被検面101の座標[0,0]の横収差を図21(A)に示し、X方向に走査した場合の被検面101の座標[0,0]の横収差を図21(B)に示す。また、2次元走査装置300で、Y方向に走査した場合の被検面101の座標[−10,−10]の横収差を図22(A)に示し、X方向に走査した場合の被検面101の座標[−10,−10]の横収差を図22(B)に示す。これらの図については、入射瞳の最大割合10割に対し、一目盛り100umで横収差をプロットしている。これらの図に示すグラフにより、2次元走査装置300では、収差が充分に小さいことが窺える。
<まとめ>
以上、本実施の形態では、レンズ331,332に特殊な形状のトロイダルレンズを採用することで、2次元の走査で得られる2次元像の歪が少なく、より高精度な分解能を有し、かつ簡易な構成でコンパクトな2次元走査装置を実現することができる。
(実施の形態4)
以下、本発明に係わる実施の形態4について、図面を参照しながら説明する。
図23に示すように、本実施の形態における2次元走査装置400は、実施の形態1における2次元走査装置100と比べて、レンズ131,132の代わりに、レンズ431,432を備える点が異なる。
<レンズ431,432>
レンズ431は、X方向とY方向とでパワーが異なるトロイダルレンズである。レンズ432は、X方向とY方向とでパワーが異なるトロイダルレンズである。レンズ431の光軸がZ軸と平行になるように、レンズ431の向きが調整されている。レンズ432の光軸がZ軸と平行になるように、レンズ432の向きが調整されている。レンズ431の光軸とレンズ432の光軸とが同一軸上に位置するように、ミラー122側にレンズ431が配置されて、被検面101側にレンズ432が配置されている。ミラー122で反射された光がレンズ431に入射する。レンズ431から射出された光がレンズ432に入射する。
なお、図24、図25に示すように、レンズ431の入射面については、X方向の曲がり具合が凸型(正)であり、Y方向の曲がり具合が凹型(正)であり、X方向の曲がり具合とY方向の曲がり具合とも略同じである。レンズ431の射出面については、X方向の曲がり具合が凹型(負)であり、Y方向の曲がり具合が凹型(負)であり、X方向の曲がり具合よりもY方向の曲がり具合の方がきつい。レンズ432の入射面については、X方向の曲がり具合が凹型(負)であり、Y方向の曲がり具合が凸型(正)であり、Y方向の曲がり具合よりもX方向の曲がり具合の方がきつい。レンズ332の射出面については、X方向の曲がり具合が凹型(負)であり、Y方向の曲がり具合が凹型(負)であり、X方向の曲がり具合よりもY方向の曲がり具合の方がきつい。
<実施例>
ここでは、レンズ431については、走査方向がX方向である場合の焦点距離f1xが47.9mmであり、走査方向がY方向である場合の焦点距離f1yが213.3mmである。レンズ432については、走査方向がX方向である場合の焦点距離f2xが−90.35mmであり、走査方向がY方向である場合の焦点距離f2yが85.96mmである。レンズ431,432からなる光学系については、走査方向がX方向である場合の焦点距離fxが84.48mmであり、走査方向がY方向である場合の焦点距離fyが60mmである。ミラー121の中心とミラー122の中心との距離が10mmである。回転軸123を中心に±3.4°でミラー121を回転させ、回転軸124を中心に±4.8°でミラー122を回転させることで、被検面101における20mm×20mmの正方形の範囲が走査される。
なお、2次元走査装置400を構成する光学素子の諸元を図26に示す。当該諸元のデータを使用して計算された上記の数式(1)−(8)の各値を図27に示す。図26に示す諸元により、焦点距離fxと焦点距離fyとの差分に影響を及ぼすミラー間隔Dmが50mmである。レトロ比とテレフォト比とに影響を及ぼすワーキングディスタンスWDが60mmである。図27に示す各値により、2次元走査装置400では、走査方向によらず、テレセントリック条件、像点一致条件、およびビームスポット条件を満たすことが窺える。
なお、2次元走査装置400で、Y方向に走査した場合の被検面101の座標[0,0]の横収差を図28(A)に示し、X方向に走査した場合の被検面101の座標[0,0]の横収差を図28(B)に示す。また、2次元走査装置400で、Y方向に走査した場合の被検面101の座標[−10,−10]の横収差を図29(A)に示し、X方向に走査した場合の被検面101の座標[−10,−10]の横収差を図29(B)に示す。これらの図については、入射瞳の最大割合10割に対し、一目盛り100umで横収差をプロットしている。これらの図に示すグラフにより、2次元走査装置400では、収差が充分に小さいことが窺える。
<まとめ>
以上、本実施の形態では、レンズ431,432にトロイダルレンズを採用することで、2次元の走査で得られる2次元像の歪が少なく、高精度な分解能を有し、かつ簡易な構成でコンパクトな2次元走査装置を実現することができる。
本発明は、例えば、診断装置、レーザー加工機などのように、2次元に被検面を走査する2次元走査装置などとして、利用することができる。
41、111 光源
42 コリメータレンズ
43、45 ポリゴンミラー
44、46 シリンドリカルレンズ
47 非走査面
100、200、300、400 2次元走査装置
101 被検面
121、122 ミラー
123、124 回転軸
131、132、231、232、331、332、431、432 レンズ

Claims (11)

  1. 第1方向と、前記第1方向に直交する第2方向とに被検面を走査する2次元走査装置であって、
    光を出力する光源と、
    前記被検面に対する前記第1方向および前記第2方向を走査する走査光学系と、
    前記第1方向と前記第2方向とでパワーが異なる第1レンズと、
    前記第1方向と前記第2方向とでパワーが異なる第2レンズとを備え、
    前記走査光学系が、前記第1レンズと前記第2レンズとからなるレンズ群より前記光源側に配置され、
    前記レンズ群が像側テレセントリックであり、
    走査方向が前記第1方向である場合の前記第1レンズの焦点距離をf1xとし、走査方向が前記第2方向である場合の前記第1レンズの焦点距離をf1yとし、走査方向が前記第1方向である場合の前記第2レンズの焦点距離をf2xとし、走査方向が前記第2方向である場合の前記第2レンズの焦点距離をf2yとしたとき、下記の式(1)および(2)を満たす
    (1)|f1x/f1y| < 1
    (2)|f2x/f2y| > 1
    ことを特徴とする2次元走査装置。
  2. 前記第1レンズと前記第2レンズとが、トロイダルレンズである
    ことを特徴とする請求項1に記載の2次元走査装置。
  3. 前記レンズ群が、前記第1方向と前記第2方向とのいずれか一方に前記被検面を走査する場合には、テレフォトタイプの光学系として機能し、他方に走査する場合には、レトロフォーカスタイプの光学系として機能する
    ことを特徴とする請求項2に記載の2次元走査装置。
  4. 走査方向が前記第1方向である場合の前記レンズ群の焦点距離をfxとしたとき、
    下記式(6)を満たす
    (6)0.5 < f1x/fx < 1.4
    ことを特徴とする請求項1から3いずれかに記載の2次元走査装置。
  5. 前記第1レンズと前記第2レンズとが、シリンドリカルレンズである
    ことを特徴とする請求項1に記載の2次元走査装置。
  6. 前記第1レンズと前記第2レンズとの少なくとも1つが、入射面と射出面との少なくとも1つが非球面であるレンズである
    ことを特徴とする請求項5に記載の2次元走査装置。
  7. レンズの曲率が大きい面が非球面である
    ことを特徴とする請求項5または6に記載の2次元走査装置。
  8. 前記走査光学系が、前記被検面に対する前記第1方向を走査する第1ミラーと、前記被検面に対する前記第2方向を走査する第2ミラーとから構成された
    ことを特徴とする請求項1から7いずれかに記載の2次元走査装置。
  9. 走査方向が前記第1方向である場合の前記レンズ群の焦点距離をfxとし、
    走査方向が前記第2方向である場合の前記レンズ群の焦点距離をfyとし、
    前記第1ミラーと前記第2ミラーとの間隔をDmとし、
    前記第1レンズの射出面と前記第2レンズの入射面との光軸上の距離をDとし、
    前記第2レンズの射出面から前記被検面までの光軸上の距離をWDとして、
    下記の式(3)−(5)を満たす
    (3)0.2 < |fx−fy|/Dm < 1.4
    (4)0.6 < WD/fy < 1.4
    (5)0.6 < (D+WD)/fx < 1.4
    ことを特徴とする請求項8に記載の2次元走査装置。
  10. 下記の式(7)を満たす
    (7)1.0 < fx/fy < 1.7
    ことを特徴とする請求項9に記載の2次元走査装置。
  11. 下記の式(8)を満たす
    (8)|(1/f1x+1/f2x)−(1/f1y+1/f2y)| < 0.02
    ことを特徴とする請求項8から10いずれかに記載の2次元走査装置。
JP2010104676A 2010-04-30 2010-04-30 2次元走査装置 Expired - Fee Related JP5268988B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010104676A JP5268988B2 (ja) 2010-04-30 2010-04-30 2次元走査装置
US13/389,403 US8582190B2 (en) 2010-04-30 2011-03-03 Two-dimensional scanning device
PCT/JP2011/001241 WO2011135771A1 (ja) 2010-04-30 2011-03-03 二次元走査装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010104676A JP5268988B2 (ja) 2010-04-30 2010-04-30 2次元走査装置

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2011232661A JP2011232661A (ja) 2011-11-17
JP2011232661A5 JP2011232661A5 (ja) 2012-10-18
JP5268988B2 true JP5268988B2 (ja) 2013-08-21

Family

ID=44861100

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010104676A Expired - Fee Related JP5268988B2 (ja) 2010-04-30 2010-04-30 2次元走査装置

Country Status (3)

Country Link
US (1) US8582190B2 (ja)
JP (1) JP5268988B2 (ja)
WO (1) WO2011135771A1 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2016106349A1 (en) * 2014-12-23 2016-06-30 REBIScan, Inc. Apparatus and method for fixation measurement with refraction error measurement using image sensing devices
JP6738417B2 (ja) * 2016-06-14 2020-08-12 オリンパス株式会社 走査光学系および観察装置
US11391822B2 (en) * 2018-11-30 2022-07-19 Seagate Technology Llc Rotating pyramidal mirror

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2709928B2 (ja) 1987-12-23 1998-02-04 旭光学工業株式会社 二次元走査装置
US6887233B2 (en) * 2001-03-22 2005-05-03 Lumenis, Inc. Scanning laser handpiece with shaped output beam
JP4006313B2 (ja) 2002-10-17 2007-11-14 キヤノン株式会社 走査型表示光学系及び走査型表示装置
JP2007253203A (ja) * 2006-03-24 2007-10-04 Sumitomo Electric Ind Ltd レーザ加工用光学装置
JP2010082663A (ja) * 2008-09-30 2010-04-15 Sunx Ltd レーザ加工機

Also Published As

Publication number Publication date
US20120134000A1 (en) 2012-05-31
WO2011135771A1 (ja) 2011-11-03
US8582190B2 (en) 2013-11-12
JP2011232661A (ja) 2011-11-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2492744A1 (en) Objective optical system for three-dimensional image capturing and endoscope
JP2566405B2 (ja) f・θレンズ
JP2011519067A (ja) 光学レンズ
US8714760B2 (en) All reflective real pupil telecentric imager
JP2012032468A (ja) 撮像レンズおよび撮像装置
JP2015045887A (ja) 広スペクトル対応のRoss式補正がなされたカセグレン式望遠鏡
JP5268988B2 (ja) 2次元走査装置
JP5685618B2 (ja) 高開口数結像に対して全反射を用いる反射屈折光学系
US7692867B2 (en) Enhanced parfocality
WO2013114725A1 (ja) 立体視内視鏡光学系
JP2017010023A (ja) 結像光学系、光学機器および画像投射装置
JP2017032925A (ja) 結像光学系、光学機器および画像投射装置
US6850350B2 (en) Optical scanner
US6617570B2 (en) Light scanning optical system that includes confocal condensing system
JP2945097B2 (ja) テレセントリックなfθレンズ
US6771429B2 (en) Optical scanner
RU2521249C1 (ru) Зеркальный автоколлимационный спектрометр
JP6074246B2 (ja) 内視鏡
TW200426402A (en) Optical apparatus for a line scanner system with reduced optical total track
JP2860221B2 (ja) 立体射影レンズ
CN213903934U (zh) 一种远心激光场镜镜头及其激光扫描系统
WO2009107744A1 (ja) 投影光学系および投影装置
CN218675673U (zh) 一种高轴向分辨率的线性色散物镜装置
JP6080255B2 (ja) 内視鏡
JP2001281603A (ja) コリメータレンズおよびこれを用いた光走査装置

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120904

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120904

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130409

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130507

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5268988

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees