JP4252531B2 - 金属製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電解法による金属製造方法、特に、カルシウム、希土類元素等の金属の製造に適用できる金属製造方法に関する。
金属カルシウムは還元作用が強く、他の金属を製造するに際し、還元材料として用いられる貴重な金属である。また、希土類金属は、ガラス(着色剤)やセラミックス等のほか、磁性材料、原子力材料、冶金用添加剤、触媒など、広い産業分野で、様々な用途に用いられている。
これらの金属のうち、希土類金属は、これらを含む精鉱から溶媒抽出法により特定の(製造しようとする)希土類金属を抽出して、アルカリ沈殿法等により酸化物とし、その後、溶融塩電解法や金属熱還元法等で還元することにより製造されている。一方、カルシウムは、現在、主として、精製炭酸塩と金属アルミニウムとを加熱し、生成するカルシウム蒸気を凝縮して金属カルシウムとするアルミニウム還元法により製造されている。しかし、純度を高めるために、さらに真空精製を行わなければならないこともあって、非常にコスト高になる。そのため、還元材料として好適であるにも係わらず、容易には適用できない。
そこで、例えば、金属カルシウムを、塩化カルシウム等の溶融塩を電気分解することにより製造できれば、アルミニウム還元法で必要とされる多大な熱エネルギーを要することなく、比較的安価な製造法として極めて有益である。また、この方法は、希土類金属の製造にも適用することが可能である。しかし、カルシウムの還元力が強すぎるため、バックリアクションが起こりやすく、陰極側に生成するカルシウムが陽極(黒鉛)側に生成する塩素とすぐに反応して塩化カルシウムに戻ってしまう。
これを防止するため、陰極と陽極間に隔膜を設ける隔膜法の適用が提唱されているが、カルシウム等のアルカリ土類金属やアルカリ金属は還元力が強く、隔膜の素材として使用されるセラミックスと反応してこれを還元するため、実用化には至っていない。
非特許文献1には、CaO−CaCl2系溶融塩の電解還元の際に、Caによるバックリアクションを抑制するため、陽極を取り囲む被覆材(sheath)としてマグネシア(MgO)が最適であると記載されている。
しかし、本発明者らがCaCl2系溶融塩の電解還元において、陰極と陽極間に設置する隔膜の素材としてマグネシアを使用したところ、Caによる還元が生じた。さらに、アルミナ(Al23)、窒化珪素(Si34)、ジルコニア(ZnO2)もCaと反応し還元されることが確認された。
Waste Management,Vol.17,No.7,pp451−461,1997 P.D.Ferro et al. APPLICATION OF CERAMIC MEMBRANE IN MOLTEN SALT ELECTROLYSIS OF CaO−CaCl2
本発明の目的は、電解法により製造される、または製造が可能な、カルシウムや希土類元素等の金属の製造に適用できる金属製造方法を提供することにある。
この目的を達成するために、本発明者らは、陽極と陰極間に隔膜を取り付けて行う溶融塩電解法(隔膜法)の適用について、特に、カルシウムの還元作用に対する耐性(耐カルシウム還元性)、機械的強度等、隔膜の材質を中心に検討を重ねた。その結果、イットリア(Y23)を焼成して多孔質セラミックス体としたものは、カルシウムや塩素のイオンは通すが金属カルシウムを通過させない、という選択透過性を備えていることを知見した。
イットリアは、従来、カルシウムのような強力な還元力をもつ金属によっても還元されない性質を有しているが、強度的な問題等で隔膜としての適用が困難とされてきた。しかし、検討の結果、この強度上の問題も克服することができ、イットリアの多孔質セラミックス体が、優れた耐カルシウム還元性と、前記の選択透過性を備えた隔膜として、溶融塩電解の際に使用可能であることが判明した。
本発明の要旨は、下記の金属製造方法にある。
即ち、電解法による金属製造方法であって、純度が90質量%以上のイットリアを含む多孔質セラミックス体を隔膜として使用し、カルシウム塩またはカルシウム塩を含む混合塩の溶融物を電解浴として使用し、金属カルシウムまたは金属カルシウムを含む溶融塩を得る金属製造方法である。
ここで、「隔膜」とは、カルシウムや塩素のイオンは通すが金属カルシウムを通過させない機能を備えるものである。
この金属製造方法において、前記多孔質セラミックス体がイットリアを主体とする材料からなるものであれば(これを、第1実施形態と記す)、良好で安定した耐カルシウム還元性が発揮される。
電解浴としては、金属のハロゲン化物を用いるのがよい(第2実施形態)。
前記多孔質セラミックス体の気孔率が3〜55%であれば(第3実施形態)、浴の伝導性が確保され、隔膜としての機能が発揮される。
前記隔膜の厚みは0.3〜20mmとすることがより望ましい(第4実施形態)。
前記多孔質セラミックス体の細孔径が0.5〜24μmであれば(第5実施形態)、金属カルシウムの通過が効果的に阻止される。
この金属の製造方法では、前記多孔質セラミックス体のイットリアの純度が90質量%以上であるため(第6実施形態)、耐カルシウム還元性のより一層の向上が図れる。
電解時の電流密度は、0.2〜20A/cm 2 とするのがよい(第7実施形態)。
また、この金属の製造方法では、電解浴としてカルシウム塩またはカルシウム塩を含む混合塩の溶融物を用いるため、この金属製造方法(前記の各実施形態を含む)を適用して金属カルシウムまたは金属カルシウムを含む溶融塩を得ることができる(第8実施形態)。
この場合、前記金属カルシウムを固形物として(第9実施形態)、または溶融物として(第10実施形態)得ることができる。
本発明の電解法による金属製造方法は、イットリアを含む多孔質セラミックス体を隔膜として使用する方法で、カルシウムや希土類元素等の金属の製造に利用することができ、特に、金属カルシウムの製造に好適である。例えば、カルシウムの製造に適用すれば、従来のアルミニウム還元法で必要な多大な熱エネルギーを消費することなく、金属カルシウムをより簡易、かつ安価に製造することができる。
以下に、本発明の金属製造方法を図面を参照して説明する。
図1は本発明の金属製造方法を実施することができる装置の構成例を示す図である。図1において、電解槽1は、陽極2と陰極3を具備し、電解浴4として溶融塩化カルシウム(CaCl2)を保持する。陽極2と陰極3間には、隔膜5が設置され、それにより電解槽1内は陽極2側と陰極3側に分割されている。
電解槽1内で溶融塩化カルシウムを電気分解すると、下記(i)式および(ii)式の電極反応が進行して、陽極2の表面近傍でCl2ガスが発生し、陰極3の表面近傍でCaが生成する。
陽極: 2Cl-→2e-+Cl2 ・・(i)
陰極: Ca2++2e-→Ca ・・(ii)
生成するCl2ガスは電解浴4中を上昇して浴4外へ移行し、Caは溶融塩化カルシウムとの比重差により浮上して、溶融塩化カルシウムの液面でCa層6を形成する。このCa層6を抜き出すことにより、金属Caを得ることができる。なお、浴4外へ移行するCl2ガスは、回収され、再利用される。
隔膜5が設けられていなければ、生成したCl2ガスとCaの一部は電解浴4中で反応してCaCl2に戻る、いわゆるバックリアクションが起こり、電流効率が低下してCaの製造は著しく阻害されるが、図示した例では、Cl2ガスおよびCaはいずれも隔膜5を通過することができず、バックリアクションは起こらない。なお、CaCl2はイオン(Ca2+、Cl-)として隔膜5を通り抜けられるので、電気分解を行うことは十分可能である。
本発明の金属製造方法は、『電解法による金属製造方法であって、純度が90質量%以上のイットリアを含む多孔質セラミックス体を隔膜として使用し、カルシウム塩またはカルシウム塩を含む混合塩の溶融物を電解浴として使用し、金属カルシウムまたは金属カルシウムを含む溶融塩を得る金属製造方法』である。即ち、図1に示した装置において、隔膜5がイットリアを含む多孔質セラミックス体で構成されている点に特徴がある。
イットリアの含有量は、多い方が耐カルシウム還元性が大きく、実際にもかなりの量のイットリアが含まれた多孔質セラミックス体が用いられる。そのため、本発明の金属製造方法では、後述する第6実施形態のように多孔質セラミックス体のイットリアの純度を90質量%以上とする。
また、多孔質セラミックス体の気孔率、細孔径等についても何ら限定はない。セラミックス体とは、焼成等の工程を経て得られる材料であるが、多孔質であると通念上認められるものであれば、電解浴がセラミックス体を通過できるので、電気分解が可能である。
図1に示した例では、隔膜5は、電解槽1のほぼ中央位置で槽内を陽極2側と陰極3側に分割するように配置されているが、この位置に限定されることはなく、陽極側、陰極側のいずれかに偏在していてもよい。また、例えば、陽極を囲繞して、カルシウムと塩素の接触を遮るように配置されていてもよい。
この金属製造方法の第1実施形態は、イットリアを主体とする材料からなる多孔質セラミックス体を隔膜として使用する製造方法である。ここで、「イットリアを主体とする」とは、イットリアが50質量%以上含まれることを意味する。50質量%に厳密な理由はないが、材料の半分以上がイットリアであれば、その材料を焼成して得られた多孔質セラミックス体は、その性能においてもイットリアの特性が大きく現れ、良好で安定した耐カルシウム還元性を発揮する。
第2実施形態は、電解浴として金属のハロゲン化物を用いる製造方法である。「金属のハロゲン化物」としては、金属カルシウムを製造する場合であれば、塩化カルシウム(CaCl2)、弗化カルシウム(CaF2)が好適である。また、希土類金属の製造に際しても、それぞれの金属の塩化物や弗化物を用いるのがよい。
第3実施形態は、前記多孔質セラミックス体の気孔率が1%以上である隔膜を使用する製造方法である。ここでいう「気孔率」とは、水銀圧入法により測定される気孔率である。この気孔率が1%に満たなければ、電解浴の隔膜通過が十分に行われず、電解時の抵抗が増大して操業が困難になるおそれがある。なお、気孔率の上限は、隔膜の構成(特に、強度)上の制約から自ずと決まるので、特に定めないが、電解を効率よく、円滑に行うためには、セラミックス体の気孔率は3〜55%が望ましく、10〜40%がより望ましい。さらに望ましくは、20〜30%である。
第4実施形態は、厚みが0.05〜50mmである隔膜を使用する製造方法である。なお、「隔膜の厚み」とは、隔膜を図1に示すように1枚取り付ける場合は、その隔膜の厚みであり、2枚以上設ける場合は、そのそれぞれの厚みの合計厚みをいう。隔膜の厚みが0.05mm未満の場合は、薄すぎて隔膜としての強度が確保できず、隔膜が本来有すべき選択透過機能も十分に発揮されない。一方、50mmを超えると、電解浴の通過が困難になり、電解時の抵抗が大きく操業が円滑に行えなくなる。隔膜の厚みは、望ましくは、0.3〜20mmであり、より望ましくは、2〜10mmである。
第5実施形態は、多孔質セラミックス体の細孔径が24μm以下である隔膜を使用する製造方法である。なお、「多孔質セラミックス体の細孔径」とは、水銀圧入法により測定される細孔径である。この細孔径が24μm以下であれば、陰極表面近傍に生成したCaの隔膜通過が効果的に阻止される。細孔径の下限は特に限定しない。細孔径を小さくしすぎると電気抵抗の増大により操業が困難になるため、下限は自ずと定まるからである。
Caの隔膜通過を抑制しつつ、電解を効率よく行うためには、セラミックス体の細孔径は0.5μm以上が望ましく、0.1〜10μmであるのがより望ましい。
第6実施形態は、イットリアの純度が90質量%以上である材料からなる多孔質セラミックス体を隔膜として使用する製造方法である。この実施形態で用いる隔膜は、ほとんどがイットリアからなる多孔質セラミックス体で構成されているので、優れた耐カルシウム還元性を有している。前記イットリアの純度は、望ましくは99%以上である。
第7実施形態は、電解時の電流密度が0.1〜100A/cm2である製造方法である。電解時の電流密度は0.2〜20A/cm 2 であることが望ましい。
また、第8実施形態は、電解浴としてカルシウム塩またはカルシウム塩を含む混合塩の溶融物を用い、本発明(前記第1〜第7の実施形態を含む)の金属製造方法を適用して金属カルシウムまたは金属カルシウムを含む溶融塩を得る金属製造方法である。カルシウム塩としては、前記の塩化カルシウムや弗化カルシウム(CaF2)が好適である。
また、カルシウム塩を含む混合塩とは、カルシウム塩に、融点の低下、粘度の調整等を目的として、塩化カリウム(KCl)、塩化リチウム(LiCl)、塩化バリウム(BaCl2)等の塩化物や、その他の塩(但し、分解電圧がカルシウム塩より高い塩)を加えたものである。
前記図1に示した例は、電解浴として塩化カルシウムを用いた場合である。電解により生成するカルシウムを固形物および溶融物のいずれとする態様も採り得る。生成カルシウムは、固形物および溶融物のいずれであっても溶融塩化カルシウムよりも比重が小さく、電解浴4の液面でCa層6を形成する。
第9実施形態は、第8実施形態において、金属カルシウムを固形物として得る金属製造方法である。例えば、電解浴の温度を、浴を構成するカルシウム塩またはカルシウム塩を含む混合塩の融点より高く、カルシウムの融点より低い温度に保持しておけば、電解により生成する金属カルシウムは固形物として得られる。したがって、電解浴4面に浮上した金属カルシウムを、固体金属カルシウムとして電解槽から取り出し、または、固体金属カルシウムを含む溶融塩として溶融塩と共に電解槽から抜き出すことができる。
第10実施形態は、第8実施形態において、金属カルシウムを溶融物として得る金属製造方法である。この場合は、電解浴の温度を、カルシウムの融点より高い温度に保持しておく。電解により生成する金属カルシウムは溶融体として電解浴4面に浮上するので、金属カルシウムの溶融体として取り出し、または溶融塩と共に電解槽から抜き出すことができる。
前述のように、本発明の金属製造方法は、電解の際に使用する隔膜がイットリアを含む多孔質セラミックス体で構成されている点に特徴を有している。この隔膜を構成する多孔質セラミックス体を製造するには、所定純度のイットリアの粉末を加圧成形し、1600℃以上で0.5〜10時間均熱する焼成を行うのが望ましい。
前記イットリア粉末の粒径は0.1〜500μmの範囲が望ましい。粒径がこの範囲を超えるものが多く含まれると、成形後の形状維持が困難になったり、焼成後のセラミックス体の強度が低く、隔膜としての使用に支障を来す場合が生じる。また、粒径がこの範囲より小さいものが多いと、目標とする気孔率が得られない場合がある。
加圧成形は、前記イットリア粉末に適量の水を加え、型に入れて、0.2〜20MPa程度の圧力で加圧して成形する。0.2MPa未満では型から取り出し後の形状の維持が困難であり、20MPaを超えて加圧しても成形後の強度はそれほど増大せず、加圧力をこれ以上高める必要はない。
焼成を1600℃以上と、かなり高い温度範囲で行うのは、焼成助剤を添加せずにイットリアを焼結するためで、1600℃未満では焼成が十分に行われない。焼成温度の上限は、設備能力および焼成に要するエネルギー低減の観点から自ずと定まるので、特に限定はしないが、1800℃程度である。なお、焼成時間は、焼成温度に応じ、セラミックス体の厚み、目標の気孔率等を勘案して、前記範囲内で適宜調整すればよい。
この焼成条件(焼成温度および時間)と、前記イットリア粉末の粒径とを適宜組み合わせることにより焼成物(セラミックス体)の気孔率および細孔径を制御することができる。
このようにして得られる多孔質セラミックス体は、焼成助剤を添加せず、耐カルシウム還元性の良好なイットリアを主体とする素材からなるもので、必要な機械的強度を有しており、本発明の金属製造方法(電解法)で用いる隔膜として十分使用に耐えられる。
電解の際に用いる陰極は、製造しようとする金属と合金を作らない材料が望ましい。Caを製造する場合であれば、金属チタン、純鉄等を用いるのがよい。また、陽極には、黒鉛(グラファイト)を使用するのが一般的である。
陰極に金属チタン、陽極にグラファイトを適用した電解槽を準備し、電解浴として塩化カリウムを25mol%混合した塩化カルシウムを使用し、浴温を700〜750℃(一部の試験では、850℃)に調節した。
その陰極と陽極間に隔膜を取り付け、300分間の電気分解を行った。隔膜は、イットリアを含む素材を、条件を変えて焼成して得た多孔質セラミックス体からなるもので、表1に、イットリアの純度、得られたセラミックスの気孔率、細孔径および厚みと、電解時の電流密度を示す。
イットリアを含む素材としては、製造上混入する不純物(Fe23、SiO2等)量が0.1質量%未満の高純度(≧99.9質量%)のイットリアを使用した。なお、イットリアの純度の影響を調べるため、一部、イットリア純度の低い材料を用いた。
多孔質セラミックス体の気孔率および細孔径は、マイクロメリテック社製「オートポアIII9400」を使用して、水銀圧入法により測定した。この方法で測定される気孔率および細孔径は、それぞれ下記のように定義される平均細孔径および気孔率である。
平均細孔径(D):
細孔を円筒形であると仮定して、全細孔容積(V=πD2L/4)を全細孔表面
積(A=πDL)で除した値(D=4V/A)。ここで、Vは全細孔の容積の合 計値、Lは平均細孔深さである。
気孔率:
セラミックス体の容積に対する全開気孔(セラミックス体の一方の面から他方の
面までつながっている気孔)の容積の割合。閉気孔の容積は含まない。
また、比較のために、アルミナ、マグネシア、窒化珪素およびジルコニア(いずれも高純度材)を焼成してセラミックス体としたものを隔膜として使用した場合についても、同様に電気分解を行った。
Figure 0004252531
電解時の電流効率を表1に併せて示す。なお、電流効率は、流した電気量から求められるカルシウム生成量(理論析出量)と、実際に陰極の表面近傍で生成し、陰極に付着したカルシウムおよび電解浴(浴面、浴中)に保持されたカルシウムの合計量から算出した。なお、前記カルシウムの合計量は、陰極に付着したカルシウムおよび電解浴に保持されたカルシウムをH2Oと反応させ、生成するH2量を定量し、これをCa量に換算することにより求めた。
表1において、試験No.1〜4はイットリアの純度を変化させた場合(気孔率、細孔径、厚みおよび電流密度はほぼ一定に保持)であるが、純度が高いほど高い電流効率が得られ、純度が99.9質量%以上のものでは、100%であった。イットリア純度の低下に伴い電流効率が低下するのは、生成した金属カルシウムによりアルミナが還元され、カルシウムが隔膜を通過してバックリアクションが生じたことによるものである。
試験No.5〜10は、他の条件はほぼ一定で、セラミックス体の気孔率を変化させた場合である。気孔率が前記の望ましい範囲(10〜40%)の試験No.7および8では、100%またはそれに近い電流効率であった。
試験No.11〜15は、セラミックス体の細孔径を変化させた場合である。細孔径が小さいほど電流効率が高くなる傾向がみられたが、細孔径が0.5μmの場合は、電解時の抵抗が若干増大した。
試験No.16〜19は、隔膜の厚みを変化させた場合である。隔膜が厚いほど電流効率が上昇したが、厚みが20mmの場合は電解抵抗が増大した。厚みが0.3mmの場合(試験No.16)、電流効率が幾分低下したが、生成したカルシウムの極一部が隔膜を通過し、バックリアクションが生じたことによるものと推測される。
試験No.20〜23は電解浴の温度を高めて(850℃)金属カルシウムを溶融物として得た場合である。電流効率は100%またはそれに近く良好であったが、その中で、電流密度が20A/cm2である試験No.23では、僅かではあるが電流効率が低下した。金属カルシウムが溶融状態であるため、電解浴(Ca2+、Cl-)の多量の通過に伴って隔膜を通過し易く、ごく一部が隔膜を通り抜けてバックリアクションが生じたためと考えられる。
試験No.24〜27は電解浴の温度を700〜750℃に保持して金属カルシウムを固形物として得た場合で、電流効率は100%であった。この場合は、金属カルシウムが固形物で、電流密度を高めても金属カルシウムの隔膜通過は生じなかったものと推測される。
試験No.28〜31は比較例で、隔膜をアルミナ、マグネシア、窒化珪素またはジルコニアの焼成体で構成した隔膜を使用した場合である。いずれも、電解により生成したカルシウムで還元され、カルシウムが隔膜を通過してバックリアクションが生じたため、電流効率は極端に低下し、隔膜として使用できなかった。
以上の結果から明らかなように、イットリアを含む多孔質セラミックス体を隔膜として使用する本発明の金属製造方法によれば、80%以上という高い電流効率で金属カルシウムの製造が可能である。
本発明の電解法による金属製造方法は、イットリアを含む多孔質セラミックス体を隔膜として使用する方法で、特に、カルシウム、希土類元素等の金属の製造に利用することができる。例えば、カルシウムの製造に適用すれば、多大な熱エネルギーを要することなく、金属カルシウムを簡易、かつ安価に製造することが可能であり、特にカルシウムの還元材料としての利用促進に対する多大な貢献が期待できる。
本発明の金属製造方法を実施することができる装置の構成例を示す図である。
符号の説明
1:電解槽
2:陽極
3:陰極
4:電解浴
5:隔膜
6:Ca層

Claims (5)

  1. 電解法による金属製造方法であって、純度が90質量%以上のイットリアを含む多孔質セラミックス体を隔膜として使用し、カルシウム塩またはカルシウム塩を含む混合塩の溶融物を電解浴として使用し、金属カルシウムまたは金属カルシウムを含む溶融塩を得ることを特徴とする金属製造方法。
  2. 前記多孔質セラミックス体の気孔率が3〜55%であることを特徴とする請求項1に記載の金属製造方法。
  3. 前記隔膜の厚みが0.3〜20mmであることを特徴とする請求項1に記載の金属製造方法。
  4. 前記多孔質セラミックス体の細孔径が0.5〜24μmであることを特徴とする請求項1に記載の金属製造方法。
  5. 電解時の電流密度が0.2〜20A/cm 2 であることを特徴とする請求項1に記載の金属製造方法。
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