JP4248608B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、たとえばパチンコ遊技機やコイン遊技機あるいはスロットマシンなどで代表される遊技機に関し、詳しくは、表示状態が変化可能な可変表示装置を有し、該可変表示装置の表示結果が予め定められた特定の表示態様となった場合に遊技状態が遊技者に有利な特定遊技状態となる遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の遊技機において、従来から一般的に知られているものに、たとえば、表示状態が変化可能な可変表示装置を有し、該可変表示装置の表示結果が予め定められた特定の表示態様となった場合に遊技状態が遊技者に有利な特定遊技状態となる遊技機があった。さらに、前記可変表示装置の表示結果が前記特定の表示態様となりやすい特別遊技状態に制御される遊技機があった。そして、遊技状態が前記特別遊技状態に制御されていることを遊技者に報知するために、特別遊技状態中、遊技機に設けられた所定のランプが点滅するなどの制御がなされる遊技機があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この種の従来の遊技機においては、以下の理由により前記特別遊技状態の経過状況を把握し難いという不都合が生じていた。すなわち、可変表示装置が設けられた遊技機においては、遊技者は、該可変表示装置の表示結果が前記特定の表示態様となることを期待しつつ遊技を行なうのであり、したがって遊技者の視線は常に前記可変表示装置に集中している。このために、前記特別遊技状態が発生した旨が、あるいは前記特別遊技状態の経過状況が遊技領域に設けられたランプなどで報知されても、遊技者はそのランプの報知状態を見逃してしまう可能性があるのである。
【0004】
本発明は、係る実情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、前記特別遊技状態の経過状況を遊技者が容易に把握することのできる遊技機を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の本発明は、普通識別情報を可変開始させた後、表示結果を導出表示する普通可変表示装置と、該普通可変表示装置の表示結果が特定の識別情報になった場合に遊技者にとって不利な状態から遊技者にとって有利な状態に変化する可変入賞球装置と、該可変入賞球装置へ打玉が入賞したことに基づいて、特別識別情報を可変開始させた後、表示結果を導出表示する特別可変表示装置とを有し、該特別可変表示装置の表示結果が予め定められた特定の表示態様となった場合に遊技状態が遊技者に有利な特定遊技状態となる遊技機であって、
前記特別可変表示装置を可変開始させた後、表示結果を導出表示させる可変表示制御を行なう可変表示制御手段と、
前記特定遊技状態が終了してから前記可変表示制御が予め定めた複数回実行されるまで、前記普通可変表示装置における前記普通識別情報の可変表示時間および前記特別可変表示装置における前記特別識別情報の可変表示時間が短縮される特別遊技状態に制御可能な遊技制御手段とを有し、
前記可変表示制御手段は、前記特別遊技状態における前記可変表示制御回数が所定回数に達する前後で、前記特別識別情報の可変表示パターンを異ならせることを特徴とする。
【0006】
請求項2に記載の本発明は、請求項1に記載の発明の構成に加えて、前記遊技制御手段は、前記特定遊技状態が終了した後にそのカウンタ値がセットされて、前記可変表示制御の実行ごとにその値が更新される可変表示回数計数カウンタを備え、
前記遊技制御手段は、前記可変表示回数計数カウンタの値が前記所定回数に対応する所定値に達したときに、その旨を示す表示態様コマンドを前記可変表示制御手段へ送信し、
前記可変表示制御手段は、前記可変表示制御手段が受信した前記表示態様コマンドに基づいて、前記特別遊技状態における前記可変表示制御回数が前記所定回数に達したと判定することを特徴とする
【0009】
【作用】
請求項1に記載の本発明によれば、可変表示制御手段の働きにより、前記特別可変表示装置を可変開始させた後、前記特別可変表示装置の表示結果を導出表示させる可変表示制御が行なわれる。また、遊技制御手段の働きにより、前記特定遊技状態が終了してから前記可変表示制御が予め定めた複数回実行されるまで、前記普通可変表示装置における前記普通識別情報の可変表示時間および前記特別可変表示装置における前記特別識別情報の可変表示時間が短縮される特別遊技状態に制御される。さらに前記可変表示制御手段の働きにより、前記特別遊技状態における前記可変表示制御回数が所定回数に達する前後で、前記特別識別情報の可変表示パターンが変化する。
【0010】
請求項2に記載の本発明によれば、請求項1に記載の発明の作用に加えて、前記遊技制御手段は、前記特定遊技状態が終了した後にそのカウンタ値がセットされて、前記可変表示制御の実行ごとにその値が更新される可変表示回数計数カウンタを備え、前記遊技制御手段の働きにより、前記可変表示回数計数カウンタの値が前記所定回数に対応する所定値に達したときに、その旨を示す表示態様コマンドが前記可変表示制御手段へ送信される。前記可変表示制御手段の働きにより、前記可変表示制御手段が受信した前記表示態様コマンドに基づいて、前記特別遊技状態における前記可変表示制御回数が前記所定回数に達したと判定される。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施の形態においては、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、本発明はこれに限らず、たとえばコイン遊技機やスロットマシン等であってもよく、表示状態が変化可能な可変表示装置を有し、該可変表示装置の表示結果が予め定められた特定の表示態様となった場合に遊技状態が遊技者に有利な特定遊技状態となる遊技機であれば、すべてに適用することが可能である。
【0014】
図1は、本発明に係る遊技機の一例のパチンコ遊技機の遊技盤面の構成を示す正面図である。パチンコ遊技機の遊技盤1の前面には、遊技領域3が形成されている。パチンコ遊技機は、遊技者が打球操作するための打球操作ハンドル(図示せず)が設けられており、この打球操作ハンドルを遊技者が操作することにより、パチンコ玉を1個ずつ発射することができる。発射されたパチンコ玉は、区画レール2の間を通って遊技領域3内に導かれる。
【0015】
遊技領域3の中央には、複数種類の識別情報を可変表示して表示状態が変化可能な可変表示装置4が設けられている。この識別情報を特に特別図柄という。可変表示装置4の下方には、可変入賞球装置10が設けられている。この可変入賞球装置10は、ソレノイド27が励磁状態にされることにより開閉板12が開成して打玉が入賞可能な遊技者にとって有利となる第1の状態と、ソレノイド27が非励磁状態にされることにより開閉板12が閉成して打玉が入賞不可能な遊技者にとって不利な第2の状態とに変化可能に構成されている。遊技領域3内に打込まれた打玉が通過口17に進入すれば、その通過玉が通過玉検出器20により検出され、その検出出力に基づいて普通図柄表示器14が可変開始される。
【0016】
普通図柄表示器14はたとえば7セグメント表示器で構成されており、この普通図柄表示器14の表示結果が予め定められた特定の識別情報(たとえば7)となれば、ソレノイド28が励磁されて、左右1対の可動片24が所定期間だけ開成して始動口9が開成状態となり、打玉がより入賞しやすい状態(小当り)となる。なお、普通図柄表示器14で可変表示される識別情報を特に普通図柄という。この始動口9に入賞した始動入賞玉は始動玉検出器21により検出され、その検出出力に基づいて可変表示装置4が可変開始される。
【0017】
この可変表示装置4は、たとえば液晶表示装置等で構成されており、可変表示部5が設けられている。この可変表示部5は、図1に示すように、左可変表示部と中可変表示部と右可変表示部とに3分割されており、すべての可変表示部が一斉に可変開始することにより複数種類の図柄等からなる識別情報が上から下に向かってスクロール表示され、まず左可変表示部が停止制御され、次に右可変表示部が停止制御され、最後に中可変表示部が停止制御される。
【0018】
この可変表示装置4が可変停止された状態で、特別図柄の組合せが、予め定められた特定の組合せ(たとえば777)となり、表示結果が予め定められた特定の表示態様となった場合には、遊技状態が遊技者に有利な特定遊技状態が発生して可変入賞球装置10が第1の状態に制御される。そして所定の遊技価値が付与可能な大当り状態となる。このように、このパチンコ遊技機には、図柄を可変表示するものとして、第1の図柄表示装置としての普通図柄表示器14と、第2の図柄表示装置としての可変表示装置4とが設けられている。したがって、このパチンコ遊技機においては、普通図柄表示器14による普通図柄と、可変表示装置4による特別図柄とが表示されることとなる。
【0019】
このような可変表示装置の可変表示中においては、リーチ状態が発生する場合がある。ここで、リーチとは、表示状態が変化可能な可変表示装置を有し、該可変表示装置の表示結果が予め定められた特定の表示態様となった場合に、遊技状態が遊技者に有利な特定遊技状態となる遊技機において、前記複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が前記特定の表示態様となる条件を満たしている表示状態を言う。
【0020】
可変入賞球装置10内には、特定入賞領域が設けられており、この特定入賞領域に入賞した入賞玉が特定玉検出器22により検出される。また可変入賞球装置10内に入賞したすべての入賞玉が入賞玉検出器23により検出される。第1の状態となった可変入賞球装置10内に進入した打玉が所定個数(たとえば10個)入賞玉検出器23により検出された場合または所定期間(たとえば30秒間)経過した場合のうちのいずれか早い方の条件が成立した場合に可変入賞球装置10の第1の状態が終了して第2の状態となる。なお入賞玉検出器23による検出個数は、7セグメント表示器よりなる個数表示器13により表示される。そして、可変入賞球装置10が第1の状態となっている期間中に進入した打玉が特定入賞領域に入賞して特定玉検出器22により検出されれば、その回の第1の状態が終了するのを待って一旦第2の状態になって再度可変入賞球装置10を第1の状態にする繰返し継続制御が実行される。この繰返し継続制御の実行上限回数はたとえば16回と定められている。
【0021】
可変表示装置4が可変表示中に打玉が再度始動口9に入賞して始動玉検出器21により検出されれば、その始動入賞玉が記憶される。この始動入賞記憶の上限は、たとえば「4」と定められている。現時点における始動入賞記憶個数が始動記憶表示器6により表示される。可変表示装置4が可変停止した後、再度可変開始可能な状態になってから前記始動入賞記憶に基づいて可変表示装置4が再度可変開始される。可変表示装置4の上方部分にはワープ入口7が設けられており、このワープ入口7に進入した打玉は、可変表示装置4の裏面側を通って下方に流下してワープ出口8から再度遊技領域3に放出される。このワープ出口8が前記始動口9のちょうど上方部分に位置するため、ワープ出口8から放出された打玉は前記始動口9に比較的入賞しやすい状態となる。
【0022】
遊技領域3内には、さらに風車19,通常の入賞口11,15,遊技領域3内に打込まれた打玉がいずれの入賞領域や可変入賞球装置にも入賞しなかった場合にアウト玉として回収するアウト口16が設けられている。さらに、遊技盤1には、レール飾り26が設けられており、このレール飾り26に遊技状態に応じて点灯または点滅制御されるレール飾りランプ25が設けられている。さらに遊技盤1には、飾り図柄表示用のサイドランプ18が設けられている。
【0023】
次に本実施の形態におけるパチンコ遊技機の遊技上の特徴点についてさらに説明する。可変表示装置4の可変表示部5で可変表示される特別図柄が所定の組合せで停止表示されたとき、大当りが発生するが、大当りとなる特別図柄の組合せの中には高確率(確率変動)状態を発生させる特別の組合せが含まれている。この組合せを特に確率変動図柄の組合せと呼ぶ。遊技が高確率状態にある場合には、通常状態に比べて大当りが発生する確率が高く調整される。また、普通図柄表示器14における普通図柄の可変表示結果が当りとなる確率も高く調整される。
【0024】
このパチンコ遊技機では、確率変動図柄の組合せに基づいて大当りが発生して、所定回数の繰り返し継続制御がすべて終了した後に1回目の確率変動が生じ、さらに、その後大当りが発生して所定回数の繰り返し継続制御がすべて終了した後に2回目の確率変動が生じる。1回目または2回目の確率変動時に発生した大当りが確率変動図柄の組合せによるものである場合には、その大当り以降改めて1回目、2回目の確率変動が生じる。すなわち、確率変動図柄の組合せにより大当りとなった場合には、その大当り以降、少なくとも大当りが2回発生するまでの間、繰り返し継続制御が行なわれていない遊技者にとって不利な第2の状態において確率向上状態となる。2回目の確率変動が発生しているときまでに大当りとなった図柄の組合せが確率変動図柄の組合せでなかった場合、大当りに伴う繰り返し継続制御終了後、確率変動の生じていない状態に戻る。
【0025】
また、このパチンコ遊技機では大当りに基づいた所定の繰り返し継続制御が終了した際に特別図柄および普通図柄の変動時間を短縮する制御(以下、変動時間短縮制御)が行なわれる。この変動時間短縮制御は、前述した大当り状態の終了後、可変表示装置4が60回の可変表示を行なうまで継続される。このような変動時間短縮制御が行なわれると、可動片24が頻繁に開くため、始動口15への入賞が比較的容易となり、短時間で可変表示が多く得られる。そのため大当りが発生する確率は向上していなくとも短時間で大当りが発生しやすくなり、また、始動入賞球数の増加により、それに対応する払出玉数が増加し、遊技者は持玉を減らすことなく遊技が可能となり遊技者に有利な状態となる。このように、大当りが発生する確率を直接向上させることなく、短期間のうちに大当りが発生しやすくなるように調整された遊技状態を特に特別遊技状態と呼ぶ。さらに特別遊技状態でも確率向上状態でもなく、また大当り状態(特定遊技状態)でもない状態を特に通常状態と呼ぶ。
【0026】
遊技状態が特別遊技状態になれば、ランプ25が点滅して、その旨が遊技者に報知される。さらに可変表示装置4の可変表示部5にその旨が表示される。一方、特別遊技状態となってから可変表示装置4における可変表示の回数が50回に至った場合には、ランプ25の点滅が速くなり、残り10回の可変表示がなされて可変表示の回数が60回に至った時点において、ランプ25が消灯するとともに、可変表示装置4の可変表示部5に特別遊技状態が終了した旨の表示がなされる。さらに、本実施の形態に係るパチンコ遊技機では、特別遊技状態において、その経過が認識できるような態様で可変表示部5に所定の表示がなされる。このような所定の表示については後述する。
【0027】
さらに本実施の形態におけるパチンコ遊技機には、パチンコ遊技機の遊技状態を制御するための制御回路として、制御用のプログラムを記憶しているプログラム記憶手段としてのROM,そのROMに記憶されているプログラムに従って制御動作する制御中枢手段としてのCPU,そのCPUにより制御される遊技機の制御用データを記憶する制御用データ記憶手段としてのRAM,外部との信号の整合性をとるためのI/Oポート等を有する遊技制御基板が設けられている。
【0028】
次に、本実施の形態のパチンコ遊技機に設けられる制御回路について説明する。まず、遊技制御基板を説明する。図2は、図1に示すパチンコ遊技機の遊技制御基板の構成を示すブロック図である。
【0029】
図2を参照して、遊技制御基板は、基本回路40、音回路41、7セグLED・LED回路42、ソレノイド・ランプ回路43、アドレスデコード回路44、初期リセット回路45、クロック用リセットパルス回路46、電源回路47、スイッチ入力回路48、および情報出力回路53を含む。
【0030】
基本回路40は、制御用プログラムに従ってパチンコ遊技機の各種機器を制御する。基本回路40の内部には、制御用プログラムを記憶しているROM(Read Only Memory)と、その制御用プログラムに従って制御動作を行なうためのCPU(Central Processing Unit )と、CPUのワーク用メモリとして機能するRAM(Random Access Memory)、I/O(Input/Output)ポートと、クロック発生回路とが設けられている。なお、基本回路40の内部構成については、CPUを除いて図示を省略する。
【0031】
スイッチ入力回路48は、通過玉検出器20、始動玉検出器21、特定玉検出器22および入賞玉検出器23と接続される。このスイッチ入力回路48は、接続された各検出器から出力される検出信号を基本回路40へ送信する。
【0032】
アドレスデコード回路44は、基本回路40から送られてきたアドレス信号を解読(デコード)し、基本回路40の内部に含まれるROM、RAM、I/Oポート等のいずれか1つを選択するための信号を出力する回路である。初期リセット回路45は、電源投入時に基本回路40をリセットするための回路である。初期リセット回路45から送られてきた初期リセットパルスに応答して、基本回路40は、RAMおよびI/Oポートを初期化する。クロック用リセットパルス回路は、基本回路40に対し、定期的(たとえば2msecごと)にリセットパルスを与え、所定のゲーム制御用プログラムを先頭から繰返し実行させるための回路である。
【0033】
音回路41は、基本回路40から出力される音声発生指令信号に応答して、効果音データを作成し、作成した効果音データを音出力装置52に与える。音出力装置52は、スピーカ等の音声を出力する装置であり、音回路41から与えられた効果音データに応答して、効果音を発生する。この音出力装置52は、パチンコ遊技機の所定箇所に設けられている。
【0034】
7セグLED・LED回路42には、個数表示器13、普通図柄表示器14、始動記憶表示器6、普通図柄始動記憶表示器50およびその他のLED51が接続されている。7セグLED・LED回路42は、基本回路40から出力される制御信号に応答して、個数表示器13および普通図柄表示器14の7セグメントLEDの点灯状態の制御と、始動記憶表示器6、普通図柄始動記憶表示器50およびLED51の各々のLEDの点灯状態の制御とを行なう。
【0035】
ソレノイド・ランプ回路43には、開閉板12を駆動するためのソレノイド27、可動片24を駆動するためのソレノイド28、およびレール飾りランプ25が接続されている。ソレノイド・ランプ回路43は、基本回路40から出力される制御信号に応答して、ソレノイド27およびソレノイド28の作動制御と、レール飾りランプ25の点灯制御とを行なう。
【0036】
情報出力回路53は、基本回路40から与えられるデータ信号に基づいて、有効始動情報、大当り情報および確率変動情報を、ホストコンピュータであるホール用管理コンピュータ等に対して出力するための回路である。その有効始動情報とは、始動口9への打玉の入賞個数のうち実際に可変表示装置4における図柄の変動表示の始動に使用された個数等を示すための情報である。大当り情報とは、可変表示装置4の変動表示による大当りの発生に関する情報である。また、確率変動情報とは、確率向上状態(高確率状態)の発生に関する情報である。
【0037】
電源回路47は、交流電源に接続され、+5V、+12V、+30V、および+LVの複数種類の直流電圧を各回路に供給するための回路である。電源回路47から基本回路40には、+12Vの直流電圧が供給される。+5Vおよび+12Vの2種類の直流電圧は、電源回路47からコネクタ49を介して、後述する画像表示制御基板29へ供給される。
【0038】
基本回路40から、後述する画像表示制御基板29には、コネクタ49を介して、画像表示のためのコマンドデータDAT0〜DAT7、コマンドデータのストローブ信号STRVが供給される。
【0039】
図3は、可変表示装置4に用いられている画像表示制御基板29に形成された回路の構成を示すブロック図である。画像表示制御基板29には、基本回路32、キャラクタROM33、VDP(Video Display Processor)34、VRAM35、ワークRAM36、制御ROM37、発振回路38およびリセット回路39が設けられている。
【0040】
基本回路32は、コネクタ30およびコネクタ49(図2参照)を介して、図2の遊技制御基板と接続されている。基本回路32は、遊技制御基板からコネクタ30等を介して画像の表示のためのコマンドデータDAT0〜DAT7、コマンドデータのストローブ信号STRVを受ける。さらに、基本回路32は、コネクタ30等を介して+12Vおよび+5Vの2種類の電源電圧の供給を受ける。基本回路32は、CPUを内蔵し、画像表示制御基板29に形成された回路の全体を制御する。
【0041】
基本回路32は、受信したコマンドデータDAT0〜DAT7に応答して、画像表示制御基板29に形成された回路全体を制御する。基本回路32は、VDP34および制御ROM37に、アドレス信号、データ信号および制御信号を送り、VDP34と制御ROM37との間で、データ信号の送受信を行なう。そして、基本回路32は、受信したデータに基づいて、ワークRAM36を作業領域として用いて、画像表示制御基板29に形成された回路全体の制御を行なう。制御ROM37は、基本回路32の動作を制御するための制御用プログラムを予め記憶しており、基本回路32から送信されてきたアドレス信号および制御信号に応答して、該当する制御用プログラムをデータ信号として基本回路32へ返信する。
【0042】
VDP34は、発振回路38から供給されるクロック信号を受けて動作し、リセット回路39から供給されるリセット信号を受けて動作がリセットされる。このVDP34は、基本回路32からの制御信号に応答して、画像データを生成する。VDP34は、VRAMアドレス信号、VRAMデータ信号、およびVRAM制御信号等の信号をVRAM35へ送信する。VRAM35からVDP34へは、VRAMデータ信号等の信号が返信される。VDP34は、キャラクタROMアドレス信号、キャラクタROMデータ信号およびキャラクタROM制御信号をキャラクタROM33へ送信する。キャラクタROM33からVDP34へは、キャラクタROMデータ信号等の信号が返信される。
【0043】
VDP34は、基本回路32から出力される制御信号に応答して、可変表示部5に表示される画像を構成するための画像データを生成する。VRAM35は、VDP34が生成した画像データを一時的に記憶する。VDP34が生成し、VRAM35に記憶される画像データは、所定数のドットの集合を単位としたキャラクタの識別番号である。
【0044】
画像データには、複数のキャラクタの識別番号が、表示される配置関係に従って含まれている。これをマップデータという。個々のキャラクタの識別番号は、制御ROM37に予め記憶されている。可変表示部5に表示される画面を構成するために必要なキャラクタの識別番号が制御ROM37から読出され、VDP34により、表示画面におけるキャラクタの配置関係を示すためのマップデータとして、VRAM35に記憶される。
【0045】
キャラクタROM33は、キャラクタの識別番号に対応するドットデータを予め記憶している。VDP34は、所定のタイミングでVRAM35からマップデータを読出し、マップデータに含まれる各キャラクタの識別番号に基づいて、各キャラクタのドットデータを読出す。VDP34は、読出したドットデータに基づいて、RGB信号(RED,GREEN,BLUE)信号を生成する。
【0046】
VDP34は、生成したRGB信号をコネクタ31を介してLCDモジュール(図示せず)へ送信する。さらにVDP34は、複合同期信号SYNCおよび+12Vの電源電圧をコネクタ31を介してLCDモジュールへ供給する。LCDモジュールは、送信されてきたRGB信号および複合同期信号SYNCに基づいて、可変表示部5に画像を表示する。なお、図1に示した可変表示装置4の可変表示部5は、LCDモジュールに含まれる画像表示面である。
【0047】
図4は、遊技制御,可変表示装置4の可変表示制御に用いられる各種ランダムカウンタを説明するための説明図である。C RND1は、大当りを発生させるか否かを事前決定するために用いられ、0からカウントアップしてその上限である219までカウントアップし、再度0からカウントアップし直すように構成されている。このカウントアップの加算更新は、割込処理毎にC RND1が1ずつ加算されることにより行なわれる。前述の遊技制御基板に設けられたCPUは、定期的(たとえば2msec毎)に定期リセット回路からリセット信号が入力され、プログラムを先頭から実行してその最後まで実行した後リセット待ち状態となっており前記リセット信号が入力されることにより再度プログラムを先頭から実行しなおすことを繰返し、リセット信号の入力毎にプログラムを先頭から最後まで実行することを繰返すことにより、遊技機の遊技状態を制御できるように構成されている。そして、このたとえば2msec毎に入力されるリセットパルスの入力毎に、このC RND1が「1」ずつ加算更新される。
【0048】
C RND ZU1は、大当りと事前決定された場合の可変表示装置4の左,中,右可変表示部の停止時に表示する予定の予定停止図柄の種類、および外れと事前決定された場合の可変表示装置4の左可変表示部の停止時に表示する予定の予定停止図柄の種類を決定するために用いられるものであり、0からカウントアップしてその上限である14までカウントアップした後再度0からカウントアップし直されるものである。そのカウントアップの更新は、割込処理余り時間を利用して無限ループによりC RND ZU1が「2」ずつ加算されることにより行なわれる。前記CPUは、プログラムの先頭から最後まで実行した段階で、リセット信号が入力されてくるまでの割込処理余り時間を利用して、無限ループによりこのC RND ZU1の値に対し「2」を加算更新するのであり、その加算した結果その上限である「14」を超えた場合には再度「0」から2ずつ加算更新する処理が行なわれる。
【0049】
次にC RND ZU2は、外れと事前決定された場合の可変表示装置4の中可変表示部に停止表示するべき予定停止図柄を事前決定するために用いられるものであり、0からカウントアップしてその上限である14までカウントアップした後再度0からカウントアップし直される。このカウントアップの更新は、前記C RND ZU1の桁上げのときにC RND ZU2が「1」ずつ加算されることにより行なわれる。すなわち、C RND ZU1の値が「14」から「0」に変化したときに「1」ずつこのC RND ZU2が加算更新されるのである。
【0050】
次にC RND ZU3は、外れと事前決定された場合の可変表示装置4の右可変表示部に停止表示する予定の予定停止図柄を事前決定するためのものであり、0からカウントアップされてその上限である14までカウントアップした後再度0からカウントアップし直される。このカウントアップの更新は、前記C RND ZU2の桁上げのときにC RND ZU3が「1」ずつ加算されることにより行なわれる。すなわち、C RND ZU2の値が「14」から「0」に変化したときに「1」ずつC RND ZU3が加算更新されるのである。
【0051】
次に、C RND RCHは、リーチの種類を決定するためのものであり、0からカウントアップしてその上限である10までカウントアップした後、再度0からカウントアップし直されるものである。そして、そのカウントアップの更新は、C RND ZU3の桁上げのときにC RND RCHが「1」ずつ加算されることにより行なわれる。すなわち、C RND ZU3の値が「14」から「0」に変化したときにC RND RCHが「1」ずつ加算されるのである。このC RND RCHの抽出は、C RND1の読出と同時期に行なわれる。このC RND RCHの値と、リーチの種類(たとえば、図柄の変動パターンの種類)とが予め対応付けられている。
【0052】
図5は、ランダムカウンタの値により大当りを発生させるか否かを事前に決定するための手順を示すフローチャートである。このフローチャートにより変動表示の結果を大当りとするか否かを事前に決定し、さらに停止図柄の種類を決定する。
【0053】
打玉が始動口9に入賞して始動玉検出器21により検出されれば、その時点におけるC RND1の値を抽出し、その抽出値が「3」のときには、大当りを発生させることが事前決定される。そして、大当りを発生させることが事前決定された場合には、C RND ZU1の抽出値により、大当りとなる図柄の種類が決定される。
【0054】
一方、C RND1の抽出値が「3」以外のときには、はずれが事前決定される。その場合には、C RND ZU1の抽出値により左可変表示部の予定停止図柄が決定され、C RND ZU2の抽出値により中可変表示部の予定停止図柄が決定され、C RND ZU3の抽出値により右可変表示部の予定停止図柄が決定される。
【0055】
なお、これら3つの予定停止図柄を決定した際に、その決定内容がたとえばぞろ目となり大当りを発生させるための図柄の組合せが偶然一致した場合には、CRND ZU2の抽出値に「1」を加算して強制的にはずれの図柄となるように制御する。
【0056】
また、遊技状態が後述する確率向上状態(高確率状態)のときには、C RND1の抽出値が、3,5,7,11,13のときに大当りを発生させることが事前決定され、それ以外のときにはずれが事前決定される。
【0057】
図6は、可変表示装置4の可変表示部5で可変表示される特別図柄の変動パターンを示す図である。変動パターンAでは、特別図柄が加速しながら縦にスクロールした後に一定速度でその変動が行なわれる。変動パターンBでは、縦にスクロール表示されていた特別図柄が減速した後に停止される。変動パターンCでは、特別図柄はスクロール表示されずに、その場で図柄が差換えられる切換表示されることによりその変動が行なわれる。可変表示装置4においては、遊技状況に応じてこれらの変動パターンが組合わされることで特別図柄の可変表示制御が実行される。
【0058】
図7は、遊技状態が特別遊技状態にある際に、その経過を遊技者などに報知する報知方法に関する第1の実施形態を示す図である。図7(a)は、遊技状態が特別遊技状態以外の遊技状態にある際に、可変表示部5に表示される画像例を示す図である。このような遊技状態においては、可変表示部5の背景色は青色で構成されており、左可変表示部5a,中可変表示部5b,右可変表示部5cには、所定の特別図柄の変動表示等がなされている。
【0059】
一方、大当り制御が終了して遊技状態が特別遊技状態に変化する際に可変表示部5には特別遊技状態が開始する旨の表示が所定時間なされるとともに(図示省略)、図7(b)に示したような表示態様となる。すなわち、可変表示部5の背景色が青色から赤色に変化するとともに、所定のキャラクタが左可変表示部5aに表示される。そして、この表示状態が特別遊技状態開始から可変表示装置4の可変表示が50回なされるまで継続する。
【0060】
特別遊技状態になってから可変表示装置4の可変表示がなされた回数が50回に至った時点において、図7(c)に示したような表示態様に変化する。すなわち、可変表示部5を構成する背景色が赤色から黄色に変化するとともに、左可変表示部5aに表示されていたキャラクタとは異なったキャラクタが表示される。そして、この表示態様が特別遊技状態の終了まで継続する。なお、図示を省略するが、特別遊技状態の終了の際には、その旨が可変表示部5に所定時間表示される。
【0061】
以上のような報知方法によれば、図7(b)に示した可変表示部5に表示されるキャラクタにより、遊技状態が特別遊技状態にあることが遊技者に容易に把握される。すなわち、遊技者が遊技を行なっている最中には、通常、遊技者の視線は可変表示装置4の可変表示部5に集中するのであり、ランプ25による報知に比べて非常に遊技状態の認識が容易となるのである。さらに、可変表示装置4の可変表示が後10回なされれば、特別遊技状態が終了するような状況になった場合には、可変表示部5の背景色が赤色から黄色に変化するとともにキャラクタが変化するために、遊技者はまもなく特別遊技状態が終了する旨を容易に理解することができる。
【0062】
なお、遊技状態が特別遊技状態以外の遊技状態における可変表示部5の表示を特に通常表示態様と呼び、特別遊技状態開始から可変表示装置4の可変表示回数が50回に至るまでの間における可変表示部5の表示を特に第一表示態様と呼び、特別遊技状態が開始してから可変表示装置4の可変表示回数が50回に至った後、特別遊技状態が終了するまでの間になされる可変表示部5の表示を特に第二表示態様と呼ぶ。
【0063】
なお、この第1の実施形態においては、特別遊技状態中における表示の変更が図7(b)の表示から図7(c)の表示に変更される1段階の変更であるが、複数回変更して表示されるように構成してもよい。たとえば、特別遊技状態が開始してから可変表示装置4の可変表示が10回なされるごとに図7(b)と図7(c)とが交互に表示されるように構成してもよく、あるいはすべて異なった表示態様で表示されるように構成してもよい。さらには、可変表示装置4の可変表示回数が所定回数に至った場合にのみ、図7(c)の表示がなされるように構成し、所定回数に至る以外においては、図7(b)の表示がなされるように構成してもよい。たとえば、特別遊技状態が開始してから可変表示装置4の可変表示がなされる回数が10回,20回,30回,40回,50回,60回である場合にのみ、図7(c)の表示が行なわれるように構成し、1回〜9回,11回〜19回,21回〜29回,31回〜39回,41回〜49回,51回〜59回である場合には、図7(b)の表示がなされるように構成するのである。このように構成することで、遊技者は、特別遊技状態中における遊技の進行状況を大まかに把握できる。
【0064】
また、特別遊技状態開始から可変表示装置4の可変表示回数が50回に至るまでは図7(b)に示したように所定のキャラクタが表示されるように構成したが、この段階ではこのようなキャラクタは表示されないように構成して、可変表示装置4の可変表示回数が50回に至る時点から特別遊技状態が終了するまでの間にのみ、所定のキャラクタが表示されるように構成してもよい。
【0065】
特別遊技状態の経過状況に応じて、図7(b),図7(c)に示したようにそれぞれ異なるキャラクタが表示されるように構成したが、これに代えてたとえば、キャラクタの大きさ、キャラクタの表示される位置、キャラクタの動作、キャラクタの表情、キャラクタの色などが変化するように構成してもよい。
【0066】
図8は、前述した報知方法に関して前記第1の実施形態と異なる第2の実施形態を示す図である。図8(a)〜(c)は、それぞれ始動口9に打玉の始動入賞が発生してから可変表示装置4における特別図柄の可変表示が開始してその後停止するまでのタイミングチャートを示す図である。
【0067】
図8(a)は、特別遊技状態が開始した後、可変表示装置4における特別図柄の可変表示回数が50回に至るまでの間、可変表示装置4で可変表示される特別図柄の変動に関するタイミングチャートを示す図である。
【0068】
まず、始動入賞の発生した旨が始動玉検出器21により検出されれば、現在始動記憶数が上限値に達していないことを条件にしてその始動入賞の検出に基づいたC RND1の値が抽出された後、格納される処理が行なわれる。その後、微小時間が経過すると、格納したC RND1の読出がなされて、大当りとなるか否かの判定が行なわれた後、その判定の結果に基づいてC RND ZU1,ZU2,ZU3,RCHの値が読出される。そして、始動入賞の検出がなされてから1.2秒後に左可変表示部,中可変表示部,右可変表示部において特別図柄の一斉変動が開始される。特別図柄の可変表示は、その開始から3.0秒間Aの変動パターンでなされる。3.0秒が経過した時点で、左可変表示部,中可変表示部,右可変表示部ともに停止図柄の3図柄前の特別図柄がセットされた後、変動パターンBの可変表示が0.9秒間行なわれた後に停止される。すなわち、計3.9秒間、可変表示制御がなされることになる。なお、通常状態においては、3.9秒に比較して2倍程度の長い期間にわたって可変表示制御がなされているので、遊技者は可変表示時間が短くなったことに気づき、これにより容易に遊技状態が特別遊技状態に変化したことを把握することができる。
一方、特別遊技状態の開始から可変表示装置4における可変表示回数が50回に至った後の第二表示態様を図8(b)に示す。第二表示態様においては、特別図柄の一斉変動が開始してから、パターンAによる図柄の変動表示が終了されるまでの時間が、左可変表示部,右可変表示部,中可変表示部の順で次第に長くなるように構成されている。すなわち、左可変表示部において変動パターンAで図柄が可変表示制御される時間は、第一表示態様と同じく3.0秒であるが、右可変表示部においては3.9秒、中可変表示部においては4.8秒に設計されている。したがって、特別図柄の一斉変動が開始してから左可変表示部,右可変表示部,中可変表示部の順番でそれぞれ時期を異ならせて図柄が停止制御される。特別図柄が一斉に停止表示されていた状態から時期を異ならせて停止表示されるように変化するので、遊技者は特別遊技状態がまもなく終了することを容易に把握することができる。
【0069】
図8(c)は、第二表示態様について図8(b)とさらに異なる例を示す図である。この表示態様においては、図柄の変動が第一表示態様には使用されることのない変動パターンCによりなされる。特別図柄の可変表示が開始してから3.9秒後に全可変表示部における特別図柄の停止制御がなされる点においては、第一表示態様と同様であるが、可変表示方法が第一表示態様と異なるので、遊技者は特別遊技状態がまもなく終了することを容易に把握することができる。
【0070】
図8に示した第2の実施形態では、可変表示装置4に可変表示される特別図柄を有効利用して、特別遊技状態の経過状況を報知するように構成したので、第1の実施形態と比較して、その制御方法が非常に容易になるという利点を有する。すなわち、特別図柄の可変表示時間や変動パターンなどについては、既に制御用プログラム内にプログラミングされているのであり、したがって、その一部を変更することで容易に図7に示した制御がなされるように構成することができる。さらに、第1の実施形態に比較して、キャラクタなどを表示させる必要がなく、これにより遊技者は特別図柄の変動状況をキャラクタなどに妨げられることなく、把握することができる。
【0071】
図9は、遊技状態が特別遊技状態にある際にその経過を遊技者などに報知する報知方法に関して、さらに第3の実施形態を示す図である。第3の実施形態は、第2の実施形態と異なり、特別図柄の可変表示制御が終了してから次の可変表示制御が実行されるまでの可変表示間隔が第一表示態様と第二表示態様とで変化する点にその特徴を有する。
【0072】
図9(a)は、特別遊技状態が開始してから可変表示装置4における可変表示回数が50回に至るまでに可変表示部5において可変表示される特別図柄の変動に関するタイミングチャートを示す図である。始動入賞が始動玉検出器21で検出されるとともに、C RND1の値が抽出された後、その値が格納される。さらに所定期間経過後に2回目の始動入賞が検出されれば、同様にその検出に基づいてC RND1が抽出された後、その値が格納される。一方、1回目の始動入賞に基づいて格納されたC RND1の読出がなされて、大当りであるか否かの判定がなされる。そしてその後微小時間が経過してからC RND ZU1,ZU2,ZU3,RCHそれぞれの値が読出される。同様にして、2回目の始動入賞に基づいて格納されたC RND1の値が読出されて判定がなされた後、C
RND ZU1などの値の読出がなされる。
【0073】
そして、1回目の始動入賞から1.2秒が経過した時点で1回目の始動入賞に基づいた特別図柄の一斉変動が開始される。一斉変動が開始した後、図7(a)で説明したのと同様の可変表示制御がなされて左可変表示部,右可変表示部,中可変表示部において図柄が一斉に停止制御される。停止制御された時点から0.5秒の可変表示間隔をおいて、2回目の始動入賞に基づいた特別図柄の可変表示が開始される。その後、1回目と同様の可変表示制御を経て図柄の一斉停止制御がなされる。
【0074】
一方、特別遊技状態が開始してから可変表示装置4における可変表示回数が50回に至った後、特別遊技状態が終了するまでは、可変表示部5に表示される第二表示態様の内容として図8(b)に示すタイムチャートに従って特別図柄の可変表示制御がなされる。すなわち、図8(a)に示した第一表示態様の場合に比較して、特別図柄の可変表示間隔が0.5秒から2.0秒に延長されるのである。したがって、図8(a)のタイムチャートでは、1回目の可変表示制御が開始してから2回目の可変表示制御が終了するまでの時間が8.3秒であったのに対して、図8(b)に示したタイムチャートでは、9.8秒となる。
【0075】
遊技状態が特別遊技状態に移行したことに伴って特別図柄の可変表示時間が短縮される。一方、可変表示装置4の可変表示が後10回行なわれれば特別遊技状態が終了する状況になった場合に、図8(b)に示したような制御がなされるようになるので、遊技者は1回の可変表示制御が終了した後に次回の可変表示制御が開始される可変表示開始時期が以前に比べて遅れ始めたことに容易に気づき、これにより特別遊技状態がまもなく終了することを容易に把握することができる。
【0076】
図10は、遊技状態が特別遊技状態にある際にその経過を遊技者などに報知する報知方法に関してさらに第4の実施形態を示す図である。図10(a)は、遊技状態が特別遊技状態以外の遊技状態にある際に可変表示部5に表示される通常表示態様の一例を示す図である。左可変表示部5a,中可変表示部5b,右可変表示部5cでは、それぞれ特別図柄の可変表示がなされている。
【0077】
図10(b)は、特別遊技状態が開始した後に、可変表示装置4における可変表示回数が50回に至るまでに可変表示部5に表示される第一表示態様の一例を示す図である。この第一表示態様においては、遊技が特別遊技状態にある旨が、「時短中」という表示により、遊技者に報知される。
【0078】
一方、特別遊技状態が開始してから可変表示装置4における可変表示回数が50回に至った後、特別遊技状態が終了するまでに可変表示部5に表示される第二表示態様の表示例が図10(c)に示されている。可変表示回数が50回に到った後においては、それまで表示されていた「時短中」の表示濃度が薄くなる。これにより、遊技者は特別遊技状態がまもなく終了することを容易に把握することができる。なお、「時短中」の表示濃度が薄くなる代わりに、点滅表示に変更されるように構成してもよい。
【0079】
図11は、遊技状態が特別遊技状態に制御されている際に、その経過状況に応じて可変表示部5の表示態様を変更する処理の処理手順を示すフローチャートである。このフローチャートに示す処理は、図2に示した遊技制御基板内に構成されている基本回路40により実行される。具体的には、基本回路40内に構成されているROM内にこのフローチャートに従った制御用プログラムが記憶されており、基本回路40内に構成されているCPUは、この制御用プログラムに従って各種処理を実行し、処理内容に応じてコマンドデータを図5に示した画像表示制御基板29に送信する。画像表示制御基板29は、このコマンドデータを受信して前述した第1の実施形態〜第4の実施形態のうち、いずれかの実施形態に応じた表示制御を実行する。このように、パチンコ遊技機に前述した第1の実施形態〜第4の実施形態のうちいずれの実施形態を採用したとしても、遊技制御基板内に構成されている基本回路40から画像表示制御基板29に対して送信されるコマンドデータは同一である。したがって、たとえば、表示制御の内容を第1実施形態から第2実施形態へ変更する場合は、遊技制御基板内の制御用プログラムを変更することなく、画像表示制御基板29内の制御用プログラムを変更するだけでよい。
【0080】
以下に図11に示したフローチャートに従って、その内容を詳細に説明する。まず、S1で大当り終了直後であるか否かの判断がなされる。大当り終了直後であると判断された場合には、S2に進み、特別遊技状態開始表示コマンドが出力される。なお、このコマンドを受信した画像表示制御基板29は、可変表示部5に特別遊技状態が開始する旨の表示がなされるような表示制御を実行する。次にS3に進み、タイマがセットされて処理が終了する。具体的には、基本回路40内に構成されているRAM内の表示タイマカウンタがセットされる。
【0081】
一方、S1において大当り終了直後でないと判断された場合には、S4に進み、特別遊技状態開始表示コマンドを出力中であるか、もしくは特別遊技状態終了表示コマンドを出力中であるか否かが判断される。いずれかの表示コマンドが出力中であると判断された場合には、S13に進み、S3でセットされた表示タイマカウンタの値が更新(+1)される。次にS14に進み、表示タイマカウンタの値が所定値になっているか否かが判断されて、所定値になっていると判断された場合には、S15に進み、出力中の表示コマンドを停止する処理がなされた後、処理が終了する。
【0082】
一方、S4において特別遊技状態開始表示コマンドか、もしくは特別遊技状態終了表示コマンドが出力中でないと判断された場合には、S5に進み、遊技状態が特別遊技状態にあるか否かの判断がなされる。遊技状態が特別遊技状態以外の遊技状態であると判断された場合には、処理が終了し、一方、特別遊技状態であると判断された場合には、S6に進む。S6においては、可変表示回数計数カウンタの値が所定値以下であるか否かの判断がなされる。可変表示回数計数カウンタは、基本回路40内のRAMに構成されており、大当りが終了した後にそのカウンタ値がセットされて、可変表示装置4の可変表示がなされるごとにその値が更新(−1)される。このような可変表示回数計数カウンタの更新処理に関する制御用プログラムは、基本回路40内のROMに記憶されている。
【0083】
第1の実施形態〜第4の実施形態いずれの実施形態の場合にも、特別遊技状態が開始してから可変表示装置4の可変表示回数が60回に至った場合に、その特別遊技状態が終了するように構成されている。したがって、可変表示回数計数カウンタは、大当り終了直後にその値が「60」となるようにセットされて、可変表示がなされるごとに「1」ずつ減算更新されるのである。
【0084】
S6では、具体的には、可変表示回数計数カウンタの値が10以下であるか否かが判断される。値が10以下でないと判断された場合には、S7に進み、第一表示態様コマンドが出力されるように制御する。具体的には、遊技制御基板から画像表示制御基板29に対して、可変表示部5の表示態様を図7(b),図8(a),図9(a),図10(b)に示した第一表示態様に制御する旨のコマンドデータが送信される。遊技制御基板29は、このコマンドデータを受けて、可変表示部5の表示態様を第一表示態様に表示制御する。
【0085】
一方、S6において、可変表示回数計数カウンタの値が10以下であると判断された場合には、S8に進み、第二表示態様コマンドが出力されるように制御される。具体的には、遊技制御基板から画像表示制御基板29に対して、可変表示部5の表示態様を図7(c),図8(b)あるいは(c),図9(b),図10(c)に示した第二表示態様に表示制御する旨のコマンドデータが送信される。
【0086】
次にS9に進み、可変表示回数計数カウンタのカウンタ値が0であるか否かの判断がなされて、0でない場合には、処理が終了し、一方、0の場合には、特別遊技状態が終了するものと判断できるのでS10において、特別遊技状態終了表示コマンドが出力される。
【0087】
特別遊技状態終了表示コマンドを受信した画像表示制御基板29は、可変表示部5に特別遊技状態が終了した旨の表示を行なう。
【0088】
次にS11に進み、通常表示態様コマンドが出力されるように制御される。具体的には、遊技制御基板から画像表示制御基板29に対して、可変表示部5の表示態様を図7(a),図10(a)に示した表示態様に制御する旨のコマンドデータが送信される。なお、第2の実施形態および第3の実施形態の場合には、第1の実施形態における通常表示態様に制御されてもよく、あるいは第4の実施形態に示す通常表示態様に制御されてもよい。
【0089】
次にS12に進み、表示タイマカウンタのカウントが開始されて、処理が終了する。なお、S12でカウントが開始される表示タイマカウンタは、S10で出力された特別遊技状態終了表示コマンドの出力期間を決定するためのものである。すなわち、S13においてその値が更新されて、S14において所定値に至ったと判断された場合に、S15において特別遊技状態終了表示コマンドが停止されるのである。このように、表示タイマカウンタは、S2で出力される特別遊技状態開始表示コマンドとS10で出力される特別遊技状態終了表示コマンドの出力期間を定めるためのカウンタとして兼用して使用されている。
【0090】
以下に、以上説明した各実施形態における特徴点や変形例などを列挙する。
(1) 第1実施形態〜第4実施形態では、特別遊技状態の経過状況を報知するために、可変表示部5において、それぞれ所定の表示がなされるように構成したが、これに加えて、音声を用いた報知がなされるように構成してもよい。たとえば、第一表示態様の場合と第二表示態様の場合とで、それぞれスピーカから異なる音声情報が出力されるようにしてもよい。
【0091】
(2) 本実施形態におけるパチンコ遊技機では、確率変動図柄の組合せにより大当りが発生した場合に、その後少なくとも大当りが2回発生するまで、遊技状態が確率向上状態に制御されるように構成したが、これに代えて、たとえば以下のように構成することが考えられる。すなわち、確率変動図柄の組合せに基づいて発生した大当りが終了した後に、可変表示装置4における可変表示が所定回数なされるまで確率向上状態が継続されるように構成するのである。このように構成した場合には、第1実施形態〜第4実施形態における特別遊技状態を確率向上状態に置換えて、確率向上状態の経過状況を報知することが可能となる。
【0092】
【課題を解決するための手段の具体例】
図1に示した遊技盤1を有するパチンコ遊技機により、表示状態が変化可能な可変表示装置を有し、該可変表示装置の表示結果が予め定められた特定の表示態様となった場合に遊技状態が遊技者に有利な特定遊技状態となる遊技機が構成されている。
【0093】
発明の実施の形態に示したパチンコ遊技機は、打玉が始動口9に入賞することにより可変表示装置4の可変表示がなされて、その導出結果が大当りとなる図柄の組合せになることで、開閉板12が開成して多量の入賞玉が発生可能な状態となる。そして、所定の繰り返し継続条件が成立することを条件として、所定回数の繰返し継続制御が終了するまで開閉板12が繰り返し開成する。すなわち、このような繰り返し継続制御が行なわれている状態により、遊技状態が遊技者に有利な特定遊技状態が構成されている。
【0094】
3に示した画像表示制御基板29により、所定の可変表示条件が成立した場合に、前記可変表示装置の表示結果を導出表示させる可変表示制御を行なう可変表示制御手段が構成されている。
【0095】
発明の実施の形態で説明したパチンコ遊技機は、大当り状態(特定遊技状態)が終了した後に、普通図柄の変動時間短縮制御がなされるとともに、特別図柄の変動時間短縮制御がなされて、短時間に大当りが発生しやすい特別遊技状態となる。図2において説明した遊技制御基板は大当りの終了に伴って遊技状態をこのような特別遊技状態に制御する。すなわち、遊技制御基板により、遊技状態を前記可変表示装置の表示結果が前記特定の表示態様となりやすい特別遊技状態に制御可能な遊技制御手段が構成されている。
【0096】
発明の実施の形態で説明したパチンコ遊技機は、大当りが終了した後、可変表示回数が60回に至るまで、前記特別遊技状態に制御される。そして、可変表示部5に第一表示態様、第二表示態様の表示がなされることで、遊技者に対して特別遊技状態があとどのくらい継続するかが報知される。そして、このような報知のタイミングは図11において説明したフローチャートに従って遊技制御基板により判断されるとともに、その判断に従って画像表示制御基板29が第一表示態様および第二表示態様の表示を行なう。すなわち、遊技制御基板および画像表示制御基板29により、前記特別遊技状態の経過に関する情報を前記可変表示装置の制御の態様を変更して遊技者に報知する経過報知制御がなされる。
【0097】
図6(b),(c)に示したキャラクタにより、前記可変表示制御手段により前記可変表示装置に表示される所定のキャラクタが構成されている。そして前記可変表示制御手段はこのキャラクタを利用して、前記経過報知制御が可能である。
【0098】
図8および図9に示したタイミングチャートにより、前記可変表示制御手段が前記識別情報の可変表示制御の態様を変化させて前記経過報知制御を行なう構成が示されている。
【0099】
【課題を解決するための手段の具体例の効果】
請求項1に記載の本発明によれば、特別遊技状態における可変表示制御回数が所定回数に達する前後で、特別識別情報の可変表示パターンが異なるものとなるため、遊技者は特別遊技状態の経過状況を容易に把握することが可能となる。しかも、特別識別情報を有効利用することができる。
【0100】
請求項2に記載の本発明によれば、請求項1に記載の発明の効果に加えて、遊技制御手段の働きにより、可変表示回数計数カウンタの値が所定回数に対応する所定値に達したときに、その旨を示す表示態様コマンドが可変表示制御手段へ送信される。可変表示制御手段の働きにより、可変表示制御手段が受信した表示態様コマンドに基づいて、特別遊技状態における可変表示制御回数が所定回数に達したと判定される。
【図面の簡単な説明】
【図1】遊技機の一例のパチンコ遊技機の遊技盤面の正面図である。
【図2】遊技制御基板に形成された回路の構成を示すブロック図である。
【図3】可変表示装置に用いられている画像表示制御基板に形成された回路の構成を示すブロック図である。
【図4】可変表示装置の可変表示制御に用いられる各種ランダムカウンタを説明するための説明図である。
【図5】ランダムカウンタの値により大当りを発生させるか否かを事前に決定するための手順を示すフローチャートである。
【図6】特別図柄の変動の種類を説明するための図である。
【図7】特別遊技状態の経過状況を遊技者に報知する報知方法を説明するための図である。
【図8】特別遊技状態の経過状況を遊技者に報知する報知方法を説明するための図である。
【図9】特別遊技状態の経過状況を遊技者に報知する報知方法を説明するための図である。
【図10】特別遊技状態の経過状況を遊技者に報知する報知方法を説明するための図である。
【図11】表示態様を変更する表示態様変更処理の処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1は遊技盤、3は遊技領域、4は可変表示装置、5は可変表示部、5aは左可変表示部、5bは中可変表示部、5cは右可変表示部、9は始動口、10は可変入賞球装置、14は普通図柄表示器、20は通過玉検出器、21は始動玉検出器、29は画像表示制御基板、40は基本回路である。

Claims (2)

  1. 普通識別情報を可変開始させた後、表示結果を導出表示する普通可変表示装置と、該普通可変表示装置の表示結果が特定の識別情報になった場合に遊技者にとって不利な状態から遊技者にとって有利な状態に変化する可変入賞球装置と、該可変入賞球装置へ打玉が入賞したことに基づいて、特別識別情報を可変開始させた後、表示結果を導出表示する特別可変表示装置とを有し、該特別可変表示装置の表示結果が予め定められた特定の表示態様となった場合に遊技状態が遊技者に有利な特定遊技状態となる遊技機であって、
    前記特別可変表示装置を可変開始させた後、表示結果を導出表示させる可変表示制御を行なう可変表示制御手段と、
    前記特定遊技状態が終了してから前記可変表示制御が予め定めた複数回実行されるまで、前記普通可変表示装置における前記普通識別情報の可変表示時間および前記特別可変表示装置における前記特別識別情報の可変表示時間が短縮される特別遊技状態に制御可能な遊技制御手段とを有し、
    前記可変表示制御手段は、前記特別遊技状態における前記可変表示制御回数が所定回数に達する前後で、前記特別識別情報の可変表示パターンを異ならせることを特徴とする、遊技機。
  2. 前記遊技制御手段は、前記特定遊技状態が終了した後にそのカウンタ値がセットされて、前記可変表示制御の実行ごとにその値が更新される可変表示回数計数カウンタを備え、
    前記遊技制御手段は、前記可変表示回数計数カウンタの値が前記所定回数に対応する所定値に達したときに、その旨を示す表示態様コマンドを前記可変表示制御手段へ送信し、
    前記可変表示制御手段は、前記可変表示制御手段が受信した前記表示態様コマンドに基づいて、前記特別遊技状態における前記可変表示制御回数が前記所定回数に達したと判定することを特徴とする、請求項1に記載の遊技機。
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