JP4255778B2 - 遊技機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、遊技領域に配置した各種入賞手段への遊技球の入賞状態を調整可能な入賞状態調整手段を備えた遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の遊技機としては、遊技店において遊技機毎に、本日、前日、前々日のスタート回数や大当たり回数である遊技履歴情報を表示して、遊技者が遊技機を選択する際の目安とするようにしたものがある(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
実用新案登録第2599647号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来技術において表示されるスタート回数は、遊技者の遊技技量に応じて変化するものであるため、実際にはどのような釘調整がなされていたのかを確認することは困難であり、しかも、営業開始直後に入店した遊技者が見ることができるデータは前日までのデータであるため、仮に前日までのスタート回数が多い遊技機(優良台)であっても、その後遊技店側で、釘調整がなされている可能性があるから、その日も前日までと同様にスタート回数が多い遊技機(優良台)であると即座に判断することはできなかった。
【0005】
また、遊技者が釘のみを見て優良台であるか否かを判断することはほぼ不可能であり、遊技開始後一定時間が経過してから、遊技中の遊技機が優良台であるか非優良台であるかを、始動口への入賞回数から漠然と判断することしかできなかった。
【0006】
さらに、遊技店において優良台を通常の営業日よりも多く設定するイベントを開催する場合も、店内にポスターを貼ったり、ホームページ上で告知したり、会員となっている遊技者向けにメールを送る等して、イベントを開催する旨を事前に知らせているが、このような方法では、そのことを知らなかった遊技者に対してはアピール度が低く、イベントを開催していることを知らないまま遊技を終了してしまう場合があり、遊技者に対してイベントの開催をアピールする方法としては不十分なものであった。
【0007】
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、釘調整の具合を見極めることが出来ない大多数の遊技者も、遊技開始後に現在遊技中の遊技機が優良台である可能性があることを知ることができ、さらに、イベント開催日にはイベントの開催を知らせることで、より多くの遊技者に対して、イベントの開催をアピールすることができる遊技機を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するための本発明の要旨とするところは、次の項の発明に存する。
[1]複数種類の識別情報が可変表示する可変表示遊技を表示する可変表示装置(310)を有し、付設されたスイッチにより遊技球を検出した場合に遊技者に払い出す賞球数が割り当てられた入賞手段と、遊技店の従業員による角度調整により該入賞手段への遊技球の入賞頻度を変化させることが可能な遊技釘(A〜H)と、該入賞手段としての始動口(21)への遊技球の入賞により始動条件が成立したことを条件に乱数を取得して、該乱数に基づき該可変表示遊技の制御パターンに係る遊技状態演出データを決定する主基板(100)と、該主基板(100)から受信のみの一方向通信により該遊技状態演出データに対応する指示情報を受信して、該指示情報に基づき、該可変表示装置(310)の表示制御を行う表示器制御基板(300)とを備え、
該遊技状態演出データに対応する指示情報に基づき実行した可変表示遊技の表示結果が予め定められた大当たりに該当する表示結果であった場合に、該入賞手段としての大入賞口(24)の扉が所定回数を上限として、遊技球が入賞し難い閉状態と遊技球が入賞し易い開状態とに可変動作する特別入賞状態が発生する遊技機において、
前記入賞手段とは異なり遊技者に払い出す賞球数が割り当てられていない普通図柄始動口(126)を備え、
前記主基板(100)は、前記普通図柄始動口(26)への遊技球を含む被検出物が入るのを検出する検出手段から該被検出物を検出したことを示す検出信号を入力する度に、普通図柄ゲームの実行権利回数を示す普図保留データを前記指示情報として前記表示器制御基板(300)に出力するとともに、該普通図柄ゲームの表示結果に関わる乱数値を取得して、該乱数値に基づいて決定した該普通図柄ゲームの表示結果に関わる表示結果データを前記指示情報として前記表示器制御基板(300)に出力する一方、該普通図柄ゲームの表示結果に関わる乱数値が当たりに該当する乱数値である場合、前記始動口(21)としての普通電動入賞装置の開閉部材を、遊技球が入賞し難い閉状態から遊技球が入賞し易い開状態に変化するように制御を行い、
前記検出手段は、前記被検出物の検出に基づいて前記普通図柄ゲームを開始させるための役割のほかに、前記遊技店の従業員が前記検出手段に前記被検出物を検出させることで、前記遊技釘(A〜H)の角度調整によって、前記遊技球が前記入賞手段へ入賞し易くなっている可能性があることを示す有用情報を遊技者に知らせるための設定を行う設定手段としての機能も有し、
前記表示器制御基板(300)は、前記遊技機の電源が投入されてから所定時間内に、前記主基板(100)から前記指示情報としての普図保留データを受信した場合に、該受信した普図保留データに基づいて前記有用情報の種類を決定して記憶する受付手段(303…)と、予め定めた報知条件が成立した場合に、該受付手段(303…)が記憶する有用情報を前記可変表示装置(310)に表示させることで有用情報を遊技者に報知する有用情報報知手段(310b、422等、510…)とを有することを特徴とする遊技機。
【0016】
次に、前記項に記載された発明の作用について説明する。
前記[1]に記載された遊技機では、普通図柄始動口の検出手段が遊技球を含む被検出物を検出すると、表示器制御手段に対して不可逆性の出力形態をとる主基板から、普通図柄ゲームの実行権利回数を示す普図保留データと、普通図柄ゲームの表示結果に関わる表示結果データが指示情報として出力される。また、可変表示装置は、可変表示遊技の実行中に複数種類の識別情報のうち1つを除いて大当りに該当する表示結果を導出する可能性のあるリーチ表示態様を表示可能であり、該リーチ表示態様には、大当りの中でも更に有利な確率変動大当たりへの期待感が増大する予め定めた特定の識別情報の組み合わせから成る特定リーチ表示態様が含まれている。
普通図柄始動口の検出手段は、被検出物の検出に基づいて普通図柄ゲームを開始させるための役割のほかに、遊技店の従業員が前記検出手段に所定数以上の前記被検出物を検出させることで、遊技釘の角度調整によって、遊技球が入賞手段へ入賞し易くなっている可能性があることを遊技者に知らせるための設定を行う設定手段としての機能も有している。
表示器制御基板の受付手段は、遊技機の電源が投入され手から所定時間内に、前記所定数以上の被検出物に対応する普図保留データを受信した場合に、受信した普図保留データに基づいて、複数種類のリーチ図柄配置パターンの中から特定リーチ表示態様に対応するリーチ図柄配置パターンを決定して記憶する。
そして、有用情報報知手段は、主基板からリーチ表示態様に関するコマンドのうち出現率の高いコマンドを受信し、かつ、遊技機の電源が投入されてから1回目の該出現率の高いコマンドの受信である場合に限り、受付手段が記憶するリーチ図柄配置パターンに基づいて、可変表示遊技の実行中に特定リーチ表示態様を表示することで、遊技球が入賞手段へ入賞し易くなっている可能性があることを遊技者に報知するようになっている。
このように、被検出物の検出に基づき普通図柄ゲームの始動条件を成立させる普通図柄始動口(検出手段)を、設定手段として利用すると、新たな設計変更をする必要がなく、遊技店の従業員が遊技釘の角度調整を行うついでに遊技球が入賞手段へ入賞し易くなっている可能性があることを報知させることを設定することが可能となるので、作業効率が向上する。
【0017】
また、前記[1]に記載されているように、受付手段が、遊技機の電源が投入されてから所定時間内に受信した普図保留データに基づいて有用情報の種類を決定して記憶するようになっているので、遊技店の従業員が作業しやすい時間に設定手段により有用情報を報知することを設定して、設定結果を記憶しておくことが可能になる。
【0018】
さらに、前記[1]に記載されているように、有用情報報知手段の報知タイミングは、遊技機の電源が投入されてから1回目の前記出現率の高いコマンドの受信時であるため、報知時期が、営業開始後の早い段階で到来する可能性が高く、リーチ図柄の配置と識別情報の内容により、現在遊技している遊技機が前記遊技釘の角度調整によって前記遊技球が前記入賞手段へ入賞し易くなっている可能性があることを遊技開始後の早い段階で遊技者に報知することができる。
【0019】
さらにまた、前記[1]に記載されているように、主基板は表示器制御手段に対して不可逆性の出力形態をとるようになっているため、普通図柄始動口の検出手段を利用して、遊技店の従業員が有用情報に関する設定を行うことに基づいて、表示器制御手段の受付手段が有用情報を決定するようにしても、主基板により決定される特別遊技状態の発生の有無や普通図柄ゲームの表示結果等に何ら影響を与えないため、不正が行われることも、遊技者から不信感を持たれることもない。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づき本発明を代表する実施の形態を説明する。
各図は本発明の一実施の形態に係る遊技機を示している。
本実施の形態に係る遊技機は、遊技盤2上に球を打ち出す遊技を実行する遊技機本体1と、これに付設され有価価値カードの挿入により球を貸し出すカードユニット(CR球貸機)bから成る。
【0031】
先ず遊技機本体1全体の概要を説明する。
図1は遊技機本体1とカードユニットbの前面図である。
遊技機本体1は、遊技機の特別遊技状態を点灯によって報知する遊技機状態ランプ422と、額縁状に形成され正面のガラスを固定するガラス枠11と、該ガラス枠の後方にガラス枠11の開放を検出するためのガラス枠開放検出スイッチ132と、遊技者によって発射された球が移動しゲームを進行させるための部品が取り付けられている遊技盤2が着脱自在に取り付けられている。
【0032】
ガラス枠11の下部表面には、貸出球や払出球を貯留する上受け皿3と、該上受け皿3から溢れた球を貯留する下受け皿4と、前記上受け皿3に貯留した球を抜き出すための上受け皿球抜きレバー7と、前記下受け皿4に貯留した球を抜き出すための下受け皿球抜きレバー8と、遊技者が打球操作するためのハンドル5とが設けられている。また、打球操作ハンドル5には、球の発射を停止するための発射停止スイッチ652が設けられている。なお、下受け皿4の傍らには、喫煙者用の灰皿6も設けられている。
【0033】
さらにカードユニットbの操作を遊技者が行うための装置として、有価価値カードの残余度数を表示し確認するための度数表示部12と、球の貸出指示を行うための貸出ボタン9と、有価価値カードの返却指示を行うための返却ボタン10が上受け皿3の近傍に設けられ、それらの出力端子は遊技機背面の操作パネル基板aにそれぞれ接続されている。
【0034】
図2は遊技機本体1とカードユニットbの背面図である。
遊技機本体1の背面には各種機能別の制御基板と部品などで構成されている。ここで制御基板として、遊技全体の動作を管理し制御する主基板100と、該主基板100からの指示情報をパラレル通信により受信し賞品球の払出動作と、カードユニット接続基板900とカードユニット通信を行うことにより貸球動作の制御を行う払出制御基板200が設けられている。
【0035】
さらに制御基板として、球の発射を制御する発射制御基板600と、該発射制御基板600によって制御される発射モータ653と各基板に所定の電力を供給する電源基板700と、主基板100からの賞球情報が入力され、払出制御基板200からの球貸情報が入力され、かつ、外部機器と接続し枠用外部情報(賞球信号、球貸し信号、球切れ信号)を出力するための枠用外部端子板800と、カードユニットbと接続するためのカードユニット接続基板900も設けられている。
【0036】
また、保護カバー93内には、表示器制御基板300、ランプ制御基板400、音声制御基板500などが遊技盤2に設けられている。それぞれの制御基板は専用のケースに納められ、外部からのゴミや他の設備機器からのこぼれ球、さらには静電気、電気ノイズからも保護されるようにしている。中でも主基板100のケースは、専用のネジを使用し所定の回数だけ開閉できる構造となっている。
【0037】
次に、パチンコ球補給装置から受ける球の流路について説明する。
図2において、パチンコ球補給装置(図示せず)から補給された球は、遊技機上部のタンクユニット90に貯留され、賞品球の払出および貸球動作が行われるごとに、球はシュートユニット91、払出ユニット92を通過し上受け皿3へ送出される。
【0038】
タンクユニット90は、パチンコ球補給装置から補給される球を貯留するものであり、該タンクユニット90の底面には、賞球タンク球有無スイッチ801と球ならし94が設けられている。賞球タンク球有無スイッチ801は、タンクユニット90に貯留される球の有無を検出するスイッチであり、貯留する球の重みによってスイッチが入力され、その検出信号は枠用外部端子板800を経由し外部へ出力される。
【0039】
また、球ならし94は、シュートユニット91のレーンを流れる球が球圧により隆起しないように球を均すためのものである。タンクユニット90の底面は傾斜しており、シュートユニット91と接合する部分に球が集合し落下する構造になっている。
【0040】
シュートユニット91は、前記タンクユニット90から流下してくる球を二つのレーンに分け整列する。球が払出ユニット92に向かう途中には前記球ならし94によって球圧による隆起が押さえられるが、さらに球ならし95によってより効果的に球を均すようにし、払出ユニット92へ送り込むようにしてある。
【0041】
また、シュートユニット91の球通路上には、シュート球切れスイッチ131が設けられている。シュート球切れスイッチ131は、払出ユニット92までの球の有無を検出するスイッチであり、その検出信号は主基板100に入力され球の有無が監視される。このスイッチ131は、前記賞球タンク球有無スイッチ801と用途は類似するが、主基板100との接続有無が大きな違いとなる。
【0042】
払出ユニット92は、前記上受け皿3までの球通路を形成するとともに、球通路上に、球を送り出すための払出モータ222と、球の流れ(落下)を抑制する払出停止ソレノイド223と、貸出球と払出球の経路を切り換える経路切換ソレノイド224と、払出球を検出するための賞球検出スイッチ130と、貸出球を検出するための球貸し検出スイッチ220などが設けられている。
【0043】
前記払出モータ222と払出停止ソレノイド223は、前記払出制御基板200と接続され制御される。主基板100から払出制御基板200に所定の球の払出要求があると、払出制御基板200は、前記経路切換ソレノイド224を作動させ、球の経路を払出球側へとし、払出モータ222と払出停止ソレノイド223によって球を上受け皿3へ送出する。
【0044】
また、遊技者の操作により、カードユニットbからカードユニット接続基板900を介して、払出制御基板200に所定の球の貸出要求信号が入力されると、払出制御基板200は前記経路切換ソレノイド224を作動させ、球の経路を貸出球側へとし、払出モータ222と払出停止ソレノイド223によって球を上受け皿3へ送出する。
【0045】
また、要求の内容によって球経路を可変としているのは、賞球検出スイッチ130と前記球貸し検出スイッチ220によって、それぞれ所定の球数のカウントを分けて確実に計数するためである。さらに、賞球検出スイッチ130は主基板100に接続され、払出制御基板200と同様に所定の球数のカウントを行い、より正確に払出が行われたことを確認できるようにしている。
【0046】
前記上受け皿3からの溢れ球が下受け皿4へ流下するように形成された球通路上には、オーバフロースイッチ133が設けられている。前記下受け皿4に貯留した球が一杯になり、該オーバフロースイッチ133の設置位置まで球が達すると、その貯留した球の球圧によってスイッチが入力され、その検出信号は主基板100へ入力される。主基板100は前記オーバフロースイッチ133の入力を検出すると、払出制御基板200に対して球の払い出しを停止するように指示情報を出力する。
【0047】
図3は、遊技盤2の正面図である。遊技盤2の正面には、発射された球を遊技領域17へ導くための誘導レール16と、各入賞口と、角度の調整を行うことで各入賞口への球の入賞状態を調整可能な釘A〜I、風車15と、入賞口の一つである始動口21への球の入賞に起因した始動口スイッチ121の検出信号により複数種類の識別情報の可変表示と普通図柄始動口126への球の通過を検出する検出手段である左右の普通図柄表示装置作動ゲートスイッチ126a、126bの検出信号により複数種類の普通図柄の可変表示を行う可変表示装置等が設けられている。
【0048】
また、遊技盤2の最下部には、遊技球が遊技領域17内の各入賞口の何れにも入らず落下した球を、遊技機外に排出するためのアウト口29が設けられている。アウト口29に球が入った場合には、遊技者に何らの特典も与えられず、賞品球の払い出しも行われない。
【0049】
更に装飾ランプとして、可変表示装置310を作動させるための保留球数(始動口21に入賞した球数で最大数は4個)を遊技者に報知するための特別図柄保留LED420、サイドケースランプ423、遊技枠状態ランプ424、センターLED425、アタッカーLED427、サイドLED428等が設けられている。
【0050】
前記入賞口には、入賞手段を構成する始動口21、右袖入賞口22a、左袖入賞口22b、右落し入賞口23a、左落し入賞口23b、大入賞口24がある。遊技球が入賞手段を構成する各入賞口に入賞すると、各入賞口に付設されたスイッチにより入賞球が検出され、入賞球が検出される毎に各入賞口に割り当てられた所定の賞品球が払い出される。
【0051】
このうち始動口21は、前述したように可変表示装置310で実行される表示遊技の実行権を確保するための入賞口であり、また大入賞口24は、所定の遊技価値を遊技者に付与可能な特別遊技状態を生成するものである。なお、可変表示装置310について詳しくは後述する。
【0052】
始動口21や大入賞口24への球の入賞頻度は、遊技店が釘A〜I、風車15の角度調整を行うことで変化する。このような角度調整を遊技機毎に行うことで、各遊技機の始動口21等への入賞頻度を異ならせ、釘A〜H、風車15の調整状態が遊技者にとって有利な調整状態となっている優良台を配置することで、遊技者へのサービスを向上させることができ、前記優良台および釘A〜H、風車15の調整状態が遊技者にとって有利な調整状態とは言い難い非優良台を配置することで、遊技店の利益バランスを調整することが出来る。
【0053】
なお、釘A〜I、風車15のうち、釘A〜Hおよび風車15は、角度調整を行うことで始動口21への入賞状態が変化し得るもので(以下、始動口誘導部材)、釘Iは角度調整を行うことで大入賞口24への入賞状態が変化し得るものである。
【0054】
また、右普通図柄表示装置作動ゲートスイッチ126aまたは左普通図柄表示装置作動ゲートスイッチ126bは、遊技者が通過させた球の検出に起因して複数種類の普通図柄の可変表示を可変表示装置310で行うための普通図柄始動手段としての役割のほかに、遊技機の電源の投入から所定時間内に遊技店の従業員等が球やゲージ棒等の被検出物を利用して、右普通図柄表示装置作動ゲートスイッチ126aまたは左普通図柄表示装置作動ゲートスイッチ126bを非検出状態から検出状態とさせ、前記始動口誘導部材A〜H、15の調整状態が遊技者にとって有利な調整状態である旨を示す所定の有用情報を遊技者に知らせるための設定を行う設定手段としての機能も有している。なお、有用情報の報知に際して、前記始動口誘導部材を構成する全ての釘A〜Hや風車15の角度調整が遊技者にとって有利な調整状態となっている必要はなく、前記始動口誘導部材を構成する一部が遊技者にとって有利な調整状態となっていればよい。
【0055】
図4は遊技盤2の背面図である。遊技盤2の背面には、既に図2で示したものと同様に、各種の制御基板やその関連部品などが組み付けられている。制御基板としては、可変表示装置310の制御を行う表示器制御基板300、前記装飾ランプの制御を行うランプ制御基板400、音声の制御を行う音声制御基板500、外部機器と接続し盤用外部情報(大当たり1信号、大当たり2信号、図柄確定回数信号)を出力するための盤用外部端子板850などが設けられている。
【0056】
各入賞口の入賞球を検出するためのスイッチとして、始動口スイッチ121、右袖入賞口スイッチ122a、左袖入賞口スイッチ122b、右落し入賞口スイッチ123a、左落し入賞口スイッチ123b等が各入賞口付近に設置されている。大入賞口24付近には、役物連続作動装置スイッチ124とカウントスイッチ125が設けられている。各入賞口のスイッチは、それぞれの入賞口付近に設けているが、入賞球が遊技機外に排出されるまでの通路上に配置することもできる。
【0057】
各入賞口に球が入賞すると、各入賞口スイッチにより検知され、検知される毎に、各入賞口毎に割り当てられた次の所定の賞品球の払出が行われる。始動口21には5発、右袖入賞口22a、左袖入賞口22b、右落し入賞口23a、左落し入賞口23bには8発、大入賞口24(役物連続作動装置スイッチ124とカウントスイッチ125による入賞球の検出に対して)には15発と割り当てられている。賞品球数の割り当ては入賞口毎に固定化しているが、任意に変更することもできる。
【0058】
また、複数種類の普通図柄を可変表示させるための前記被検出物を検出するスイッチとして、右普通図柄表示装置作動ゲートスイッチ126aと左普通図柄表示装置作動ゲートスイッチ126bが遊技盤2上の所定の位置に設けられている。これら左右の普通図柄表示装置作動ゲートスイッチ126a、126bは、通過入賞口として設けられ、前記設定手段としての役割も果たすようになっている。
【0059】
役物を可変動作させる関連装置には、大入賞口24の扉を開閉させるための大入賞口ソレノイド134、大入賞口24に入賞した球の流れを前記役物連続作動装置スイッチ124とカウントスイッチ125の何れかに球の流れの方向を切り換えるための方向切換ソレノイド135、普通電動役物の拡縮動作するための電動役物ソレノイド136が設けられている。
【0060】
次に遊技盤2上の主要な構成要素についてさらに詳細に説明する。
前記始動口21は普通電動入賞装置であり、一般に始動チャッカーと称され、その入賞口の左右両端に一対の開閉部材を備え、電動役物ソレノイド136からなる駆動源で各開閉部材を開閉させるようになっている。始動口21は、各開閉部材の開閉動作により、球が入賞し難い通常の第2状態(閉状態)と入賞し易い第1状態(開状態)に変化する、いわゆる電動チューリップ役物として構成されている。
【0061】
始動口21に球が入賞することが、次述する可変表示装置310で表示遊技が実行されるための始動条件として設定されている。図5、図6に示すように、始動口21は、球の入賞を検知する始動口スイッチ121を内部に備えている。始動口スイッチ121は入賞球を検知してONになると、始動入賞信号を主基板100に出力するものである。なお、始動口スイッチ121は、例えば光センサ、近接センサ、あるいは磁気センサ等の各種センサにより構成すればよい。
【0062】
可変表示装置310は、その画面中に識別情報としての各種図柄を可変表示可能な表示領域を備えるものであり、液晶ユニットにより構成されているが、CRT表示器、ドラムユニット、7セグメント表示器などを採用することも可能である。可変表示装置310では、後述する所定の始動条件の成立に基づき、可変表示の権利が獲得されて可変表示遊技が実行される。
【0063】
可変表示装置310はその表示領域の右下隅に位置する表示結果表示部310aと、その表示領域の全体に位置する有用情報報知手段である演出表示部310bとを備えている。表示結果表示部310aは、特別遊技状態の発生に直接関連性のある表示結果が表示されるものであり、演出表示部310bは、特別遊技状態の発生に直接関連性のない演出表示が表示されるものである。
【0064】
可変表示遊技では、前記演出表示部310b上で複数種類の各種図柄(識別情報)が可変表示する演出表示を行い、所定時間経過後に前記表示結果表示部310a上に表示結果を導出するように設定されている。かかる可変表示遊技の実行中、あるいは後述する特別遊技状態の期間中に、再び所定の始動条件が成立した場合には、可変表示遊技の権利を獲得するが保留とされ、現在進行中の表示遊技などが終了した後、保留にされていた権利が順次消化されるようになっている。ここで表示遊技の保留球数は最大4個と設定されており、その数は前記特別図柄保留LED420によって報知される。
【0065】
可変表示遊技の演出表示を行う可変表示装置310の演出表示部310bは縦3列の3つの表示部に分割されて使用され、各表示部ごとに複数種類の識別情報が右から左に向かって(横方向へ)スクロールする可変表示が開始される。
【0066】
前記可変表示遊技の表示結果が表示される表示結果表示部310aには、「7」、「4」、「−」の3種類の識別情報による可変表示遊技が表示される。表示結果が「7」の場合は確率変動大当たり、「4」の場合は非確率変動大当たり、「−」の場合は外れとなる。
【0067】
一方、可変表示遊技の演出表示が表示される演出表示部310bには、複数種類の識別情報が可変表示される。具体的には、演出表示部310bの上列で右から左に向かって複数種類の識別情報(1★2★3★4★5★6★7★8★9★)がスクロール(可変表示)される。また、演出表示部310bの中央列で右から左に向かって複数種類の識別情報(1★2★3★4★5★6★7★8★9★4★)がスクロールされる。さらに、演出表示部130bの下列で右から左に向かって複数種類の識別情報(9★8★7★6★5★4★3★2★1★)がスクロールされる。
【0068】
前記可変表示遊技の表示結果として「7」を表示する場合は、確率変動大当たりに対応する「333」や「777」等の演出表示結果を表示し、表示結果として「4」を表示する場合は、非確率変動大当たりに対応する「222」や「444」等の演出表示結果が表示される。表示結果として「−」を表示する場合は、外れに対応する「123」や「757」等の演出表示結果を表示するようになっている。なお、可変表示遊技に用いる識別情報は、0〜9の数字や記号などの単純な図柄に限定されるものではなく、例えば特定のキャラクターを模したものを用いてもよい。確率変動大当たりあるいは非確率変動大当たりの場合は、次述する大入賞口24が所定回数を限度に繰り返し開閉する特別遊技状態(所定の遊技価値)が発生し得るように設定されている。
【0069】
また、可変表示装置310は、左右の普通図柄表示装置作動ゲートスイッチ126a、126bにより球を含む被検出物が検出されると、普通図柄ゲームの権利を獲得し普通図柄ゲームを行う。
【0070】
普通図柄ゲームは、可変表示装置310で「当たり」または「はずれ」を示す普通図柄が交互に表示する可変表示が開始され、所定時間が経過すると「当たり」または「はずれ」を示す普通図柄のどちらか一方が停止表示され、遊技者が結果を目視することができるようになっており、「当たり」となると始動口21の一対の開閉部材が、球が入賞し難い通常の閉状態から球が入賞し易い開状態に一時的に作動する。
【0071】
普通図柄ゲームの実行中に、右普通図柄表示装置作動ゲートスイッチ126aまたは左普通図柄表示装置作動ゲートスイッチ126bが前記被検出物を検出すると、普通図柄ゲームを実行する権利が所定の上限値(例えば4回)まで保留され、現在進行中の普通図柄ゲームが消化された後、保留された権利が順次消化される。普通図柄ゲームの保留球数は、可変表示装置310に表示することで報知される。
【0072】
前記大入賞口24は一般にはアタッカーと称されるものであり、ソレノイド(大入賞口ソレノイド134、方向切換ソレノイド135)などの駆動源の作動により扉が可変動作して、入賞口が球の入賞し難い通常の閉状態と入賞容易な開状態とに変化し得るように構成されている。大入賞口ソレノイド134は、前記特別遊技状態が成立した際に所定の回数(例えば15回)だけ大入賞口24の扉の開閉動作を行うために作動する。
【0073】
方向切換ソレノイド135は、大入賞口24の扉が開放された状態において、前記役物連続作動装置スイッチ124側に入賞球を導くように通路部具を作動させ、役物連続作動装置スイッチ124によって入賞球が検出されると、次は前記カウントスイッチ125側に入賞球を導くように作動する。
【0074】
すなわち、大入賞口24は、前記表示遊技で特定表示態様となった際に、特別遊技状態を演出するように開閉制御される。ここで特別遊技状態とは、開状態に所定時間維持された後、閉状態に短時間戻るという開閉動作が、所定ラウンド回数(例えば15回)を限度に繰り返し実行される状態である。
【0075】
所定の球数(例えば10個)が大入賞口24に入賞するか、または、所定の時間(約30秒)が経過すると、大入賞口24の扉は閉鎖状態となる。そして、前記所定の回数だけ一連の動作が終了すると、前記特別遊技状態は終了となる。
【0076】
次に遊技機本体1の制御に用いられる各種制御基板について説明する。
図5及び図6は、遊技機本体1の制御に用いられる各種制御基板及びそれに関連する構成要素を示すブロック図である。図5、図6には、制御基板として、主基板100、払出制御基板200、表示器制御基板300、ランプ制御基板400、音声制御基板500、発射制御基板600、電源基板700が示されている。
【0077】
最初に、図6に示す主基板100について説明する。
主基板100は、主基板内部のクロック回路108が生成するクロックを基準に動作する。またクロック回路108が生成したクロックを内部タイマー107で分周して得た一定時間間隔の割込み信号をCPU102に入力することで、一定時間ごとに当該CPU102をリセットする。CPU102は、リセット間隔よりも短い時間で終了するように分割した処理をリセットごとに実行することで一連の動作を遂行する。
【0078】
始動口スイッチ121、右袖入賞口スイッチ122a、左袖入賞口スイッチ122b、右落し入賞口スイッチ123a、左落し入賞口スイッチ123bは、それぞれ球の検出を検知するためのスイッチであり、右普通図柄表示装置作動ゲートスイッチ126a、左普通図柄表示装置作動ゲートスイッチ126bは、前記被検出物を検出するスイッチであり、これらのスイッチからの入賞信号は、ゲート回路110aに供給される。
【0079】
役物連続作動装置スイッチ124、カウントスイッチ125、左賞球検出スイッチ130a、右賞球検出スイッチ130b、シュート球切れスイッチ131、ガラス枠開放検出スイッチ132、オーバフロースイッチ133からの各入力信号は、ゲート回路110bに供給される。
【0080】
ゲート回路110a、110bのアドレスは、CPU102のアドレス空間にメモリマップドI/O方式で設定されている。CPU102が出力するアドレス信号及びライト/リードの制御信号を、CPU102が出力するシステムクロックに従って、アドレスデコード回路113でデコードすることによりチップセレクト信号を生成する。
【0081】
このチップセレクト信号にてゲート回路110a、110bがセレクトされると、始動口スイッチ121などからの各入力信号がゲート回路を通じてデータバスに出力される。データバス上の各入力信号は、一定時間ごとに発生する割込み信号によって、次にリセットされるまでの間に複数回検出されてチャタリング防止処理が行われた後、入力信号ごとに指定されたRAM領域に記憶される。
【0082】
始動口スイッチ121からの入力信号は5個賞球の賞球信号として、また右袖入賞口スイッチ122a、左袖入賞口スイッチ122b、右落し入賞口スイッチ123a、左落し入賞口スイッチ123bからの入力信号はそれぞれ8個賞球の賞球信号として、さらに役物連続作動装置スイッチ124、カウントスイッチ125からの入力信号は15個賞球の賞球信号として扱われ、それぞれのスイッチで検出された入賞個数が指定されたRAM領域に記憶される。またこれと同時に、賞球総数がCPU102で演算処理され、指定のRAM領域に記憶される。
【0083】
その他、始動口スイッチ121、右普通図柄表示装置作動ゲートスイッチ126a、左普通図柄表示装置作動ゲートスイッチ126bからの入力信号に対してそれぞれ乱数値がセットされ、これらの値がRAM領域に記憶される。このデータを基にして、遊技機本体1の遊技状態が設定され各制御基板にデータが出力される。
【0084】
さらに、始動口121から検出信号を入力すると可変表示装置310で可変表示遊技を実行させるための保留データが指定のRAM領域に格納され、右普通図柄表示装置作動ゲートスイッチ126a、左普通図柄表示装置作動ゲートスイッチ126bから検出信号を入力すると可変表示装置310で普通図柄ゲームを実行させるための普図保留データが指定のRAM領域に格納される。保留データと普図保留データはそれぞれ可変表示遊技と普通図柄ゲームの実行に応じて更新される。また、保留データはランプ制御基板400に出力され、普図保留データは表示器制御基板300に出力される。
【0085】
各制御基板への出力データは、データバスの途中に設けたバッファ114を通り、さらに出力データバスを通してラッチ回路112a〜112gに出力される。出力用のラッチ回路とCPU102とを結ぶデータバスの途中にバッファ114を配置することでバス信号が一方向の流れになり、不正防止の対策となる。
【0086】
始動口スイッチ5個賞球RAM領域、左右袖入賞口スイッチ、左右落し入賞口スイッチ8個賞球RAM領域、役物連続作動装置スイッチ、カウントスイッチ15個賞球RAM領域にデータがあることにより、CPU102は、各賞球数に設定された8ビット賞球データを順次、データバス、出力データバスを通じてラッチ回路112aに出力する。これと同調するように払出制御基板200に対する割り込み信号、ストローブ信号の制御信号をデータバス、出力データバスを通じてラッチ回路112eに出力する。
【0087】
メモリマップドI/Oで制御されたアドレスデコード回路113でデコードして得たチップセレクト信号がラッチ回路112a、ラッチ回路112eに順次出力されると、8ビット賞球データがラッチ回路112aに、割込み信号、ストローブ信号の制御信号がラッチ回路112eにそれぞれラッチされ、8ビットパラレル賞球出力信号と割り込み信号、ストローブ信号の2ビットの制御信号で構成された出力信号が、払出制御基板に賞球データとして出力される。
【0088】
図7に示す払出制御基板200は、球排出機構を制御して、賞球データに対応した数の賞球排出を行うものである。排出した賞球の検知を、右賞球検出スイッチ130a、左賞球検出スイッチ130bで行い、その検出信号がゲート回路211に出力される。チップセレクト信号がアドレスデコード回路213からゲート回路211に出力されることにより、右賞球検出スイッチ130a、左賞球検出スイッチ130bの出力する検知信号がデータバス上に出力されCPU102に取り込まれる。
【0089】
これらの検出信号に基づいて、実際に払い出した賞球総数がCPU102で演算処理され、その値がRAM領域の記憶データから減算処理され、リアルタイムに賞球総数のデータが更新される。また排出賞球数の設定数ごとに出力信号がラッチ回路112fに出力され、アドレスデコード回路113のチップセレクト信号に同期して外部へパルス出力される。
【0090】
始動口スイッチ121、右普通図柄表示装置作動ゲートスイッチ126a、左普通図柄表示装置作動ゲートスイッチ126bの入力信号に対してそれぞれ乱数値を取得し、これに基づいてCPU102で遊技演出の種類(制御パターン)が決定され、遊技状態演出データが生成されてRAM領域に記憶される。
【0091】
また、表示器制御基板300へは、前記遊技状態演出データに対応した可変表示遊技に係る表示結果データ、演出表示結果データや普通図柄ゲームに係る表示結果データが時系列に表示演出データとして出力される。すなわち、CPU102から8ビット認識コード、表示状態演出8ビットデータが、データバスを通じてラッチ回路112bに順次出力されると、これらと同調するように表示器制御基板300への割り込み信号、各ストローブ信号の2ビット制御信号がラッチ回路112eへ出力される。
【0092】
これらの信号は、メモリマップドI/Oで制御されたアドレスデコード回路113からデコードされて出力されるチップセレクト信号に基づくタイミングで、順次ラッチ回路にラッチされてパラレル出力され、時系列に可変表示遊技に係る表示結果データ、演出表示結果データや普通図柄ゲームに係る表示結果データが表示演出データとして、表示器制御基板300に順次出力される。
【0093】
表示演出データに同調して、8ビットパラレルランプ表示出力データと制御信号が、ランプ制御表示基板400にラッチ回路112cを通じて出力される。また、表示演出データに同調して、8ビットパラレル音源出力データと制御信号が音声制御基板500にラッチ回路112dを通じて出力される。すなわち、各データがデータバスに出力されるタイミングに同調してアドレスデコード回路からチップセレクト信号が出力され、ラッチ回路112c、112dにデータバス上のデータがラッチされて、ランプ制御表示基板400などに出力される。
【0094】
遊技状態が特別遊技状態(大当たり)の場合、遊技状態演出データに同調して大入賞口ソレノイド134の制御データがラッチ回路112gに出力され、かつアドレスデコード回路113からのチップセレクト信号がラッチ回路112gに入力される。これによりラッチ回路112gから大入賞口ソレノイド134の制御データが出力され、大入賞口ソレノイド134が駆動され、大入賞口24が開閉状態になって球を大入賞口24に誘導可能となる。
【0095】
大入賞口24内部の特定領域に配置された役物連続作動装置スイッチ124が球を検知すると球検知信号が出力され、この信号がゲート回路110bを介してデータバスに出力されCPU102に取り込まれる。役物連続作動装置スイッチ124から出力された球検知信号に基づく検出処理の結果、方向切換ソレノイド135の制御データがラッチ回路112gに出力され、方向切換ソレノイド135が制動される。同時に役物連続作動装置スイッチ124から出力された球検知信号に基づき、大当たり状態を次回のラウンドへ継続するか否かを示すラウンド継続データがRAM領域に記憶される。
【0096】
方向切換ソレノイド135が制動されることにより、大入賞口24内に配置されたカウントスイッチ125で球が計数される。カウントスイッチ125で計数されたデータの総合計数が所定の数量に到達するとラッチ回路112gの出力データが変更され、大入賞口ソレノイド134、方向切換ソレノイド135が非能動状態になり、1回の大当たりラウンドが終了する。所定時間後、ラウンド継続データがラウンドの継続を示している場合には、上述した制御方法により大当たり状態ラウンドがさらに継続する。
【0097】
右普通図柄表示装置作動ゲートスイッチ126a、左普通図柄表示装置作動ゲートスイッチ126bからの入力信号に対して取得された乱数値が当たりに該当する乱数値である場合には、始動口21の各開閉部材を作動させる電動役物ソレノイド136の制御データが、CPUからラッチ回路112gに出力されると共に、アドレスデコード回路113からのチップセレクト信号に応じてラッチ回路112gから一定時間出力されて電動役物ソレノイド136が制御される。それにより、遊技盤2において球が始動口21に入賞し易い状態が発生する。
【0098】
主基板100に電源が供給されると、電源基板700よりリセット信号が供給され主基板100の各デバイスはリセット状態になる。その後システムリセット信号が非能動状態となり、各デバイスは能動状態に遷移する。システムリセット信号が非能動状態に信号変化するとクロック同期、遅延回路109による遅延処理により一定時間の経過後にワンチップマイコン101へのリセット信号が非能動となる。これによりワンチップマイコン101が稼動状態になり、主基板100の動作状態が保たれる。その後、ワンチップマイコン101の初期設定が行われる。
【0099】
遊技機外部供給の電源が不安定な場合には、電源基板700から停電検出信号がワンチップマイコン101のNMI(ノンマスカブルインターラプト)105に供給され、ワンチップマイコン101において各記憶領域の退避動作が行われる。
【0100】
具体的には、一定時間にわたって賞球検出データの検知を行った後、RAM領域に停電処理判定のデータを保存し、RAM104の保護を行う。すなわち、電源電圧が低下する事で、電源基板700からRAM104にバックアップ電源DC5VBBが供給され、RAM104の記憶状態が保持される。
【0101】
電源が次に供給されたとき、停電処理判定のデータの有無に基づき停電処理のあったことを認識すると、ワンチップマイコン101は停電復旧処理を行う。初期設定の時、RAM初期化信号が能動状態であれば、CPU102はI/Oポート106のデータを検出してRAM領域の初期化を行う。
【0102】
シュート球切れスイッチ131で球切れを検知した信号及びオーバフロースイッチ133で遊技盤面の下皿にて賞球の球詰まりを検出した信号は、ゲート回路110b及びデータバスを通じてワンチップマイコン101に取り込まれる。これらの信号は、データ変換後、ラッチ回路112aから賞球出力データと同じ構成にて払出制御基板200へ出力される。該ラッチ回路112a〜112gの出力は、一方向であり、不可逆性の出力形態をとる。
【0103】
主基板100は、主基板内部のクロック回路108が生成するクロックを基準に動作する。また内部タイマー107は、分周動作により一定時間間隔で割込み信号をCPU102に発生する。CPU102は、当該割り込み信号が入力される一定時間ごとに各種処理を行うようになっている。
【0104】
次に、図7に示す払出制御基盤200について説明する。
払出制御基板200は、主基板100から受信のみの一方向通信を行い、8ビットパラレル賞球データ、賞球データ制御信号1、賞球データ制御信号2で構成された通信データを受信する。
【0105】
賞球データ制御信号1が、ワンチップマイコン201のカウンタ回路202に入力されると、当該カウンタ回路202からCPU203に割り込み信号が出力される。これにより、賞球データ制御信号1は、CPU203に対して賞球データの取り込みをトリガーとする。
【0106】
CPU203は、アドレスデコード回路213を通じてチップセレクト信号をゲート回路212、ゲート回路211に出力し、ゲート回路212、211に入力されている賞球データや各種の信号をゲート回路及びデータバスを介して取り込み、RAM205に保存する。そして、取り込んだ賞球データに対応する賞球数で順次、払出動作を行う。
【0107】
CPU203は、賞球経路切換信号をデータバスを通じてラッチ回路215に出力し、これと同時にアドレスデコード回路213からチップセレクト信号を出力させる。これにより賞球経路切換信号がソレノイド224に出力され、払出動作の賞球経路確保が行われる。その後、ラッチ回路214に払出停止ソレノイド信号の停止解除信号を出力し、払出モータ222に払出モータ制御信号1,2,3,4を順次出力し、チップセレクト信号の出力タイミングによりモータ回転の制御をしながら賞球払出動作を行う。
【0108】
クロック回路209のクロックを基準に、内部タイマー208で一定時間間隔の割込み信号をCPU203に対して生成し、この割込みタイミングで賞球払出球の検出信号をデータバスに取り込み、所定の賞球数を検出したとき、払出停止ソレノイド223、払出モータ222の駆動を停止する。なお、賞球払出球の検出は、球貸し経路に設置された右賞球検出スイッチ130b、左賞球検出スイッチ130aで行われ、これらの検出信号はゲート回路211にチップセレクト信号を出力することでデータバスに取り込まれる。
【0109】
球貸し動作は、カードユニット(CR球貸機)bとの間で球貸し信号を、ゲート回路211、ラッチ回路215を通して送受信することにより行われる。球貸し動作時、CPU203はラッチ回路215を通して球貸し経路切換信号を経路切換ソレノイド224に出力して球貸し経路を確保し、球貸し経路に設置された右貸し球検出スイッチ220a、左貸し球検出スイッチ220bで貸し球の検出を行い、払出動作を行う。
【0110】
球貸し動作において、一定数ごとにラッチ回路215から外部へ情報出力される。また、球貸し信号の送受信が正常な状態において、ラッチ回路215から、発射制御基板600に対して発射許可信号が能動状態で出力される。また球貸し信号の送受信に異常が発生すると、発射許可信号は非能動状態に変化し、球発射不可能な状態になる。しかし、球貸し信号の送受信が正常な状態に復帰することで、発射可能となる。
【0111】
その他、払出動作においては、主基板100から、賞球データにシュート球切れスイッチ131のシュート球切れ信号、及び遊技機本体1の下受け皿4に設置されたオーバフロースイッチ133のオーバフロー信号が送信されると、払出制御基板200は払出動作を停止する。また賞球データに各解除信号が送信されることにより払出動作を再開する。
【0112】
払出制御基板200に電源が供給されると、電源基板700よりシステムリセット信号が供給され、払出制御基板200の各デバイスはリセット状態になる。その後、リセット信号が非能動状態で、各デバイスは能動状態に遷移する。
【0113】
クロック同期・遅延回路210の遅延処理により、ワンチップマイコン201へのリセット信号は、元のリセット信号が非能動状態に信号変化してから一定時間の経過後に非能動になる。こうして元のリセット信号が非能動状態になってから一定時間の経過後に、ワンチップマイコン201は稼動状態になり、払出制御基板200の動作状態が保たれる。その後、ワンチップマイコン201の初期設定が行われる。
【0114】
遊技機外部供給の電源が不安定な場合には、電源基板700からワンチップマイコン201のNMI(ノンマスカブルインターラプト)206に停電検出信号が供給され、ワンチップマイコン201において各記憶領域の退避動作が行われる。具体的には、一定時間にわたって賞球検出データの検知を行った後、RAM領域に停電処理判定のデータを保存し、RAM205の保護を行う。
【0115】
電源電圧が低下する場合は、電源基板700からRAM205にバックアップ電源としてDC5VBBが供給され、RAM205の記憶状態が保持される。再度電源供給がされたとき、停電処理判定のデータの存在を認識することで、ワンチップマイコン201は停電復旧処理を行う。初期設定の時、RAM初期化信号が能動状態であれば、CPU203はI/Oポート106のデータを検出して、RAM領域の初期化を行う。
【0116】
次に、図8に示す表示器制御基板300について説明する。
表示器制御基板300は、遊技盤2上に設置された可変表示装置310の制御を主に行う。表示器制御基板300は、所定の画像処理手順(プログラム)や画像制御データを記憶している表示器制御ROM302と、所定の画像処理手順を読み取り実行する表示器制御CPU301を有している。
【0117】
また表示器制御基板300は、前記表示器制御CPU301によって画像処理手順を実行することで取得した情報を記憶するための表示器制御RAM303と、主基板100からの指示情報や表示器制御基板内の各制御ICなどと入出力を行うための入出力インターフェース306と、表示器制御CPU301によって、入出力インターフェース306を介して制御指示情報を取得し、具体的な画像を生成する画像制御IC304を有している。
【0118】
さらに表示器制御基板300は、画像制御IC304に管理され、多種多様な画像をデータ化し記憶している画像データROM305と、前記表示器制御CPU301が正常に動作し画像が表示されていることを確認するための信号を外部に出力するための試射試験端子307などを有している。
【0119】
表示器制御CPU301には、入出力インターフェース306を介して、主基板100からパラレル通信によって指示情報が入力される。指示情報には、可変表示遊技の表示制御に係る表示結果データや演出表示結果データ、普通図柄ゲームに係る表示結果データや普図保留データ等がある。
【0120】
普図保留データが入力され、遊技機の電源が投入されてから所定時間内であった場合は、普図保留データに基づいて表示器制御CPU301の演算処理によって前記所定の有用情報の種類が決定され、表示器制御RAM303に記憶される。
【0121】
画像制御IC304は、表示器制御CPU301の指示に従い、画像データROM305を参照して、具体的な映像信号を生成し、表示装置へ出力する。図8のブロック図では、画像制御IC304が生成した画像データやパレット(色)情報などを一時的に記憶しておく領域であるVRAMが図示されていないが、画像制御IC304の内部にVRAMを内蔵したワンチップマイコンで構成してもよい。
【0122】
電源基板700からのリセット信号は、遊技機本体1に電源が投入されると、電源基板700から表示器制御CPU301に入力される。その後、表示器制御CPU301は、表示器制御ROM302に記憶されている画像制御手順に従って、表示器制御基板300内の各制御回路の初期化を行う。
【0123】
次に、図9に示すランプ制御基板400について説明する。
ランプ制御基板400は、遊技機本体1の前面や遊技盤2上に設置された遊技機状態ランプ422、サイドケースランプ423、各種LED424〜428,420などの点灯制御を行うものである。
【0124】
ランプ制御基板400は、所定のランプ制御処理手順(プログラム)や制御データを記憶しているランプ制御ROM402と、所定のランプ制御処理手順を読み取り実行するランプ制御CPU401と、ランプ制御CPU401によってランプ制御処理手順を実行することで取得した情報を記憶するランプ制御RAM403と、主基板100からの指示情報やランプ制御基板400内の各制御回路などと入出力を行うための入出力インターフェース404と、ランプ制御CPU401によって入出力インターフェースを介してランプ制御基板400と接続している各ランプ・LEDの点灯信号を、駆動させるためのドライバー回路405などで構成されている。
【0125】
ランプ制御CPU401には、入出力インターフェース404を介して、主基板100からパラレル通信により指示情報が入力される。ランプ制御CPU401は、入力された指示情報の内容をランプ制御ROM402に記憶されているランプ制御処理手順に従って実行し、ランプ制御RAM403に情報を整理して格納しながら、ドライバー回路405を動作させ、接続されている各ランプ・LEDの点灯・消灯を行う。
【0126】
電源基板700からのリセット信号は、遊技機本体1に電源が投入されると、電源基板700からランプ制御CPU401に入力される。そして、ランプ制御CPU401は、ランプ制御ROM402に記憶されている制御手順に従って、ランプ制御基板内の各制御回路の初期化を行う。
【0127】
次に、図10に示す音声制御基板500について説明する。
音声制御基板500は、遊技機本体1が遊技状態にある時、ゲーム演出による効果音や音声などの制御を行うものである。また、遊技状態でない場合は、遊技機本体1の異常状態を知らせるための警告音などの制御を行う。
【0128】
音声制御基板500は、所定の音声処理手順(プログラム)や制御データを記憶している音声制御ROM502と、所定の音声制御手順を読み取り実行する音声制御CPU501と、音声制御CPU501により音声処理手順を実行して取得した情報を記憶する音声制御RAM503と、主基板100からの指示情報や音声制御基板500内の各制御ICなどと入出力を行うための入出力インターフェース506と、音声制御CPU501により入出力インターフェースを介し制御指示情報を取得して具体的な音声を生成する音声制御IC504と、音声制御IC504に管理され、多種多様な音声をデータ化し記憶している音声データROM505と、音声制御IC501から生成された音声信号を増幅するアンプ回路507から構成される。
【0129】
音声制御CPU501は、入出力インターフェース506を介して、主基板100からパラレル通信により指示情報が入力される。音声制御CPU501は、入力された指示情報の内容を音声制御ROM502に記憶されている音声制御手順に従って実行し、音声制御RAM503に情報を整理して格納しながら、音声制御IC504へ具体的な指示を行う。
【0130】
音声制御IC504は、音声制御CPU501の指示に従い、音声データROM505を参照し、具体的な音声の信号を生成しアンプ回路507へ出力する。電源基板からのリセット信号は、パチンコ機に電源が投入されると、該電源基板700から音声制御CPU501に入力され、音声制御CPU501は音声制御ROM503に記憶されている音声制御手順に従い、音声制御基板内の各制御回路の初期化を行う。
【0131】
次に、図11に示す発射制御基板600について説明する。
発射制御基板600は、発射モータ653に使用されているパルスモータの回転数を、所定の回転数にするためのパルスを生成する回路である発振回路601と、分周回路602と、ハンドル部650内のタッチセンサ651からの信号、ストップスイッチ652からの信号、電源基板700からのリセット信号、そして、前記払出制御基板200からの発射許可信号を判断し、発射モータ駆動信号を生成するモータ駆動信号制御回路603と、パルスモータ(発射モータ653)の各コイルに励磁させるためのドライバー回路604などから構成されている。
【0132】
前記ハンドル部650は、遊技者がハンドル5に触れているか否かを検出するタッチセンサ651、遊技者が任意に球の発射を停止できるようにするストップスイッチ652、球を発射させるためのパルスモータ653(発射モータ)などで構成されている。
【0133】
電源基板700からのリセット信号は、遊技機本体1に電源が投入されると、電源基板700からモータ駆動信号制御回路603へ入力され、発射制御基板600の各回路を初期化する。
【0134】
ハンドル部650内のタッチセンサ651は、遊技者がハンドル5に触れている状態であれば発射が可能であるとみなす信号を出力し、遊技者がハンドル5に触れていない状態であれば、発射が不可能であるとみなす信号をモータ駆動信号制御回路603にそれぞれ出力する。
【0135】
ストップスイッチ652は、遊技者が任意に球の発射を停止することができるように設けたスイッチであり、遊技者によりストップスイッチ652の操作がされた場合に、モータ駆動信号制御回路603に球の発射停止信号を出力し、ストップスイッチ652の入力がない場合に、球の発射信号を出力する。
【0136】
また、ストップスイッチ652は、遊技者から何らストップスイッチ652に対し操作がなく、ハンドル5を回転させた状態にない場合には、ストップスイッチ652から入力がされた状態と同じ信号を出力する。すなわち、ハンドル5内部の構造上、ハンドル5が回転していない状態ではストップスイッチ652からの信号が入力されている状態になるようになっている。つまり、遊技機本体1に電源が投入され、前記リセット信号がモータ駆動信号制御回路603に入力され、各回路の初期化が行われた後、遊技者がハンドル5に触れて回転させた状態になって初めて球が発射される。
【0137】
次に、図12に示す電源基板700について説明する。
外部から供給されるAC24Vをダイオードブリッジ整流器で全波整流を行い、直流電源DC24Vを生成する。DC24V電源にダイオードを通してコンデンサーで平滑を行い、DC32V電源を生成する。DC24V、DC32Vは非安定電源である。
【0138】
DC24Vを電源回路701に供給して、安定電源DC18V、DC12V、DC5Vの定電圧電源が生成され、前記主基板100、前記払出制御基板200、前記ランプ制御基板400、前記音声制御基板500、前記表示器制御基板300、前記発射制御基板600に供給される。
【0139】
生成されたDC5Vの定電圧電源を、ダイオードを通してバックアップ回路702のコンデンサーに接続して、DC5VBBのバックアップ電源を生成し、DC5VBBが主基板100、前記払出制御基板200に供給される。前記AC24Vはカードユニット接続基板900に供給され、前記払出制御基板200とカードユニットbの通信用電源、操作パネル基板aの電源に使用される。
【0140】
DC24V電源の電圧レベルを電圧検出回路708で検出して遅延回路707に出力する。遅延回路707は内部時定数500ミリsecの遅延時間をもち、電圧検出回路708の連続出力時間が遅延回路707の時定数より大きくないと遅延回路707は出力信号を出力しない。この為、DC24V電源の電圧レベルが遅延回路707の時定数より小さい時間の電圧変動及び電源停止は無視され停電検出信号は電源基板より外部に出力されない。
【0141】
遅延回路707に時定数より大きな入力信号があると、遅延回路707は停電検出信号を前記主基板100、前記払出制御基板200、シフトレジスタ704のシリアル入力端子に出力する。8ビットシフトレジスタ704は、クロック回路706より周期20ミリsecのクロックが常時入力されている。
【0142】
ここで8ビットのデータ入力端子はゼロに固定している。この為、停電検出信号が8ビットシフトレジスタ704に入力すると、8クロック(約160ミリsec)後8ビットシフトレジスタ704からリセット信号が前記主基板100、前記払出制御基板200、前記発射制御基板600、前記表示器制御基板300、前記ランプ制御基板400、前記音声制御基板500に出力される。
【0143】
電源立ち上げ時及び停電復帰後、周辺回路電源立ち上げ時より遅延回路707の時定数の時間、停電検出信号及びリセット信号は能動状態で出力している。遅延回路707の時定数の時間後、停電検出信号は非能動状態になり、リセット信号は、8ビットシフトレジスタ704の8クロック後非能動状態で出力される。RAM初期化信号は、RAM初期化スイッチ705を手動で押すことにより能動状態で前記主基板100、前記払出制御基板200に出力される。
【0144】
次に遊技機本体1の作用について説明する。
可変表示装置310上で展開される表示遊技の実行権は次のようにして確保される。図1において遊技者がハンドル5を操作すると、パチンコ球が1つずつ遊技盤2に形成されている遊技領域17に打ち込まれる。始動口21に入賞したパチンコ球は、始動口スイッチ121により検出され、始動口スイッチ121の始動信号に基づき、所定数の賞球が払い出される。始動口21に遊技媒体である球が入賞すると、現時点での保留球数が上限の4回に達しているか否かを判別し、既に保留球数が上限に達しているときは、今回の入賞に基づく表示遊技の実行権は確保しない。
【0145】
一方、保留球数が上限に達していないときは、現時点の保留球数に「1」を加算して実行権を確保(保留)する。またこの確保された実行権に基づいて行われる表示遊技の最終的な表示結果等を定めるための乱数抽選を行い、抽出した乱数値が特賞に対応するものか否か等を判定し、表示遊技の実行結果の表示態様(表示結果)等を定める。より具体的には、表示遊技の進行パターンや最終的に停止表示する識別情報等を定めてメモリに保存する。
【0146】
次に、保留されている実行権に基づいて表示遊技を実行する際の流れを説明する。表示遊技を実行していない状態で保留球数を調べ、0でなければ保留球数を「1」だけ減算するとともに特別図柄保留LED420のランプを1つ消灯する。そして、メモリに記憶しておいた表示遊技の実行結果や進行パターン等を表すデータを読み出し、これら読み出した情報に基づく表示データ等が表示器制御基板300へ出力される。かかるデータに基づき、可変表示装置310で複数種類の識別情報の可変表示が開始される。
【0147】
始動口21への球の入賞頻度は、遊技店が始動口誘導部材(釘A〜H、風車15)の角度調整を行うことで変化する。このような角度調整を遊技機毎に行うことで、各遊技機の始動口21への入賞頻度を異ならせ、前記始動口誘導部材A〜H、15の調整状態が遊技者にとって有利な調整状態となっている優良台を配置することで、遊技者へのサービスを向上させることができ、前記優良台と前記始動口誘導部材A〜H、15の調整状態が遊技者にとって有利な調整状態とは言い難い非優良台を配置することで、遊技店の利益バランスを調整することが出来る。また、遊技店側は前記優良台を対象として、前記始動口誘導部材A〜H、15の調整状態が遊技者にとって有利な調整状態である旨を示す有用情報を遊技者に報知するか否かを設定することができる。
【0148】
有用情報を報知させるためには、遊技機の電源の投入から所定時間内(営業開始前)に遊技店の従業員等が球やゲージ棒等の被検出物を利用して、右普通図柄表示装置作動ゲートスイッチ126aまたは左普通図柄表示装置作動ゲートスイッチ126bを非検出状態から検出状態とさせることで設定する。
【0149】
遊技機の電源の投入から所定時間が経過すると、所定時間内に右普通図柄表示装置作動ゲートスイッチ126aまたは左普通図柄表示装置作動ゲートスイッチ126bが検出した回数(普図保留球数)が主基板100から表示器制御基板300に出力され、普図保留球数に応じて有用情報の種類が決定する。決定した有用情報の種類は表示器制御基板300の表示器制御RAM303に記憶される。以上、有用情報の種類および有用情報の報知の設定から有用情報の種類の決定までについては、後述する図13および図14の説明で詳細に記載する。そして、遊技店の営業が開始され、遊技機において所定の報知条件が成立した場合に、有用情報の種類に応じた識別情報によって有用情報を遊技者に報知するタイミングが到来する。以上、報知条件の成立に伴う説明は、後述する図15の説明で詳細に記載する。
【0150】
図13は、有用情報の種類であるリーチ図柄配置パターンが決定される決定確率と普図保留球数との関係を示すテーブルの説明図である。図13に示すように、遊技機の電源の投入から所定時間内(営業開始前)に遊技店の従業員等が、右普通図柄表示装置作動ゲートスイッチ126a、左普通図柄表示装置作動ゲートスイッチ126bに球やゲージ棒等の被検出物を検出させた回数である普図保留球数(0、1または2、3、4)毎に、有用情報の種類であるリーチ図柄配置パターン(パターン1〜パターン8)の割振り値が対応付けられている。普図保留球数(0、1または2、3、4)は、前記始動口誘導部材A〜H、15の角度調整状態に対応しており、普図保留球数4を遊技者にとって最も有利な最優良台とし、普図保留球数3を次に有利な優良台としている。
【0151】
例えば、普図保留球数4では、パターン1〜パターン8の割振り値は、0、0、16、0、0、0、0、0である。普図保留球数4では、パターン3の決定確率は(16/16)=100%であり、パターン3以外のパターンは決定されない。また、例えば、普図保留球数3では、パターン1〜パターン8の割振り値は、0、12、4、0、0、0、0、0である。普図保留球数3では、パターン2の決定確率は(12/16)=(3/4)であり、パターン3の決定確率は(4/16)=(1/4)である。
【0152】
さらに、例えば、普図保留球数1、2では、パターン1〜パターン8の割振り値は、0、0、1、3、3、3、3、3である。普図保留球数1、2では、パターン3の決定確率は(1/16)であり、パターン4〜パターン8の各決定確率は(3/16)である。さらに、例えば、普図保留球数0では、パターン1〜パターン8の割振り値は、0、0、0、3、3、3、3、4である。すなわち、普図保留球数0では、パターン4〜パターン7の決定確率は(3/16)であり、パターン8の決定確率は(4/16)=(1/4)である。
【0153】
以上のパターン1〜パターン8が決定され、かつ、所定の報知条件が成立すると、演出表示部310bには、図13の配置パターン、図柄の欄に示すリーチ図柄配置パターンが表示される。例えば、普図保留球数が4の場合、パターン3が決定され、演出表示部310bに有用情報としての1、9のダブルラインリーチが表示される。また、普図保留球数が3の場合、パターン2またはパターン3が決定され、演出表示部310bに有用情報として1、9のダブルラインリーチまたは、1、9以外のダブルラインリーチが表示される。
【0154】
図14は、営業開始前に遊技店側が行う有用情報報知の設定と、有用情報の種類であるリーチ図柄配置パターンの設定処理の流れを示すフロー図である。すなわち、遊技機に電源が投入されてから5分経過した場合に(ステップS1401:Y)、普図保留球数に基づき、図13のテーブルに示した確率で、リーチ図柄配置パターンを決定し(ステップS1405)、決定したリーチ図柄配置パターンを表示器制御RAM303に記録(設定)する(ステップS1406)。また、遊技機に電源が投入されてから5分経過しない場合(ステップS1401:N)であっても、可変表示遊技が開始された場合に(ステップS1402:Y)、リーチ図柄配置パターンを決定し(ステップS1405)、決定したリーチ図柄配置パターンを表示器制御RAM303に記録(設定)する(ステップS1406)。遊技店側が行う普図保留球数の設定結果は、特別遊技状態の発生有無を決定する主基板100でなく、表示器制御基板300の表示器制御RAM303に記録されるので、遊技店により大当たり確率が変更される等の不正が行われることもなく、また、遊技者から不信感をもたれることもなく、遊技店側から遊技者に有用情報を報知することで、遊技店の特色を出すことができる。
【0155】
一方、可変表示遊技が開始されていない場合に(ステップS1402:N)、検出手段が右普通図柄表示装置作動ゲートスイッチ126a、左普通図柄表示装置作動ゲートスイッチ126bが被検出物を検出しない場合には(ステップS1403:N)、電源が投入されてから5分経過したかの判断(ステップS1401)に戻る。一方、検出手段が被検出物を検出した場合には(ステップS1403:Y)、検出する度に普図保留球数をインクリメントし(ステップS1404)、電源が投入されてから5分経過したかの判断(ステップS1401)に戻る。
【0156】
以上のことから、有用情報報知の設定は、営業開始前であって、遊技機に電源を投入してから5分以内で行われる。また、普図保留球数とリーチ図柄配置パターン(配置パターン、図柄)との関係は、図13のテーブルに示す通りである。ここで、遊技店側がある遊技機について有用情報を報知しない場合に、普図保留球数を0にすると、リーチ配置パターンはパターン1となり、配置パターン、図柄は、停止パターン、停止図柄とも通常抽選を行うようになっている。また、遊技店側がイベントを開催する場合に、全ての遊技機について普図保留球数を1以上にし、全ての遊技機の可変表示装置310を用いてイベントの開催(有用情報)を報知するようにしてもよい。
【0157】
次に、営業開始後、所定の報知条件の成立に伴う処理について説明する。すなわち、表示器制御基板300は、所定の報知条件(1回目のノーマルリーチ外れコマンド受信)が成立すると、表示器制御RAM303に記録されたリーチ図柄配置パターン情報に基づき、図柄を決定する。決定された配置パターン、図柄は演出表示結果として可変表示装置310の演出表示部310bに表示される。
【0158】
図15は、営業開始後に有用情報の報知条件が成立した場合の図柄決定処理の流れを示すフロー図である。可変表示装置310(有用情報報知手段)は、予め定めた報知条件が成立した場合に、有用情報の報知を行う。
【0159】
すなわち、表示器制御基板300は、遊技機に電源が投入されてから1回目のノーマルリーチ外れコマンドを主基板100より受信したかを判断する(ステップS1501)。1回目のノーマルリーチ外れコマンドを受信した場合に(ステップS1501:Y)、表示器制御基板300は、記録されたリーチ図柄配置パターン情報(パターン1〜パターン8)に基づき図柄を決定する(ステップS1502)。一方、ノーマルリーチ外れコマンドを受信しない場合に、また、2回目以降にノーマルリーチ外れコマンドを受信した場合に(ステップS1501:N)、表示器制御基板300は、通常の図柄決定を行う(ステップS1503)。
【0160】
図15では、遊技機に電源が投入されてから1回目のノーマルリーチ外れコマンドを主基板100が決定し、表示制御基板300が該ノーマルリーチ外れコマンドを受信したことを報知条件としている。ノーマルリーチ外れコマンドは、リーチ関連の変動コマンドの中で、出現率が50%程と高い確率で出現するようになっているため、営業開始後の早い段階で出現する可能性が高く、リーチ図柄の配置と識別情報の内容により、現在遊技している遊技機が最優良台や優良台である可能性があるのでは、という有用情報を遊技開始後の早い段階で遊技者に報知することができる。報知条件はこれに限らない。例えば、営業中の所定時間毎(1時間毎)に有用情報を報知するようにしてもよい。また、例えば、可変表示遊技の始動回数250〜300回毎に有用情報を報知するようにしてもよい。
【0161】
図16〜図17は、可変表示装置310上で展開される可変表示遊技の例をそれぞれ示している。図16は、表示結果表示部310aに、確率変動大当たりが発生する特定表示結果の「7」を表示する場合を示している。この場合、演出表示部310bに演出表示結果として確率変動大当たりに対応する「333」や「777」等が表示される。
【0162】
すなわち、可変表示遊技が開始すると、演出表示部310bの各列で右から左に向かって複数種類の識別情報のスクロール(可変表示)が開始し、しばらくすると、図16(a)に示すように、上下列のスクロールが停止する。図16(a)では上列に図柄「7★8」が表示され、また、下列に図柄「8★7」が表示される。このとき、右上と左下で「8」が揃い、左上と右下で「7」が揃うダブルラインリーチの表示態様となる。このとき、表示結果表示部310aでは識別情報が可変表示されている。
【0163】
その後、演出表示部310bの中央列のスクロールが停止し、同図(b)に示すものでは図柄「★7★」が表示され、「777」の確率変動大当たりに対応する演出表示結果となる。このとき、表示結果表示部310aでは識別情報が可変表示され、やがて、同図(c)に示すように、表示結果表示部310aに「7」の特定表示結果が導出される。
【0164】
図17は、表示結果表示部310aに、外れの表示結果の「−」を表示する場合を示している。この場合は、演出表示部310bに演出表示結果として外れの表示態様に対応する表示をする。外れの表示態様には、リーチ状態になったのちに外れ状態になるリーチ表示態様および、リーチ状態にならないで外れ状態になる外れ表示態様が含まれている。また、リーチ表示態様には、特定の識別情報の組合せから成る特定リーチ表示態様が含まれる。特定リーチ表示態様は、図13に示す配置パターン、図柄が1、9以外のダブルラインリーチあるいは1、9のダブルラインリーチになる表示態様である。
【0165】
すなわち、可変表示遊技が開始すると、演出表示部310bの各列で右から左に向かって複数種類の識別情報のスクロール(可変表示)が開始し、しばらくすると、図17(a)に示すように、上下列のスクロールが停止する。図17(a)では上列に図柄「9★1」が表示され、また、下列に図柄「1★9」が表示される。このとき、右上と左下で「1」が揃い、左上と右下で「9」が揃う1、9のダブルラインリーチの表示態様となる。1、9のダブルラインリーチの表示態様を表示することで有利な有用情報(図13で普図保留球数4、普図保留球数3あるいは普図保留球数1、2)を遊技者に報知することができる。1、9のダブルラインリーチは、最優良台(図13で普図保留球数4)の遊技機で最も高い確率で表示されるため、遊技者の期待が最も高まる。このとき、表示結果表示部310aでは識別情報が可変表示されている。
【0166】
その後、演出表示部310bの中央列のスクロールが停止し、同図(b)に示すものでは図柄「★2★」が表示され、縦方向または斜め方向のいずれの方向でも図柄が揃わない外れ状態に対応する演出表示結果となる。このとき、表示結果表示部310aでは識別情報が可変表示され、やがて、同図(c)に示すように、表示結果表示部310aに「−」の表示結果が導出される。
【0167】
図18は、図17と同じように、表示結果表示部310aに、外れの表示結果の「−」を表示する場合を示している。この場合は、演出表示部310bに演出表示結果として外れの表示態様に対応する表示をする。
【0168】
すなわち、可変表示遊技が開始すると、演出表示部310bの各列で右から左に向かって複数種類の識別情報のスクロール(可変表示)が開始し、しばらくすると、図18(a)に示すように、上下列のスクロールが停止する。図18(a)では上列に図柄「2★3」が表示され、また、下列に図柄「3★2」が表示される。このとき、右上と左下で「3」が揃い、左上と右下で「2」が揃う1、9以外のダブルラインリーチの表示態様となる。1、9以外のダブルラインリーチの表示態様を表示することで有利な有用情報(図13で普図保留球数3)を遊技者に報知することができる。このとき、表示結果表示部310aでは識別情報が可変表示されている。
【0169】
その後、演出表示部310bの中央列のスクロールが停止し、同図(b)に示すものでは図柄「★5★」が表示され、縦方向または斜め方向のいずれの方向でも図柄が揃わない外れ状態に対応する演出表示結果となる。このとき、表示結果表示部310aでは識別情報が可変表示され、やがて、同図(c)に示すように、表示結果表示部310aに「−」の表示結果が導出される。
【0170】
図16〜図18で示していないが、図13に示す配置パターンは以下の通りである。すなわち、左縦のシングルラインリーチは、上、中央、下の各列の左端にそれぞれ位置する3つの識別情報の中で2つの識別情報が揃ったリーチ外れ表示態様をいう。また、中縦のシングルラインリーチは、上、中央、下の各列の中央にそれぞれ位置する3つの識別情報の中で2つの識別情報が揃ったリーチ外れ表示態様をいう。
【0171】
さらに、右縦のシングルラインリーチは、上、中央、下の各列の右端にそれぞれ位置する3つの識別情報の中で2つの識別情報が揃ったリーチ外れ表示態様をいう。さらに、右下、左上のリングルラインリーチは、上列の左端に位置する識別情報と下列の右端に位置する識別情報とが揃ったリーチ外れ表示態様をいう。さらに、左下、右上のシングルラインリーチは、上列の右端に位置する識別情報と下列の左端に位置する識別情報とが揃ったリーチ外れ表示態様をいう。
【0172】
以上説明した実施の形態では、有用情報報知手段として可変表示装置310の演出表示部310bを示したが、これに限らない。すなわち、有用情報を点滅や特定色で報知する各種LEDなどであってもよく、有用情報を標記した表示プレートなどであってもよい。
【0173】
また、遊技者に有利な調整状態である可能性がある旨を示す有用情報を、可変表示遊技の演出表示の過程で所定のキャラクタにより表示するようにすると、遊技者にわかり易い態様で入賞状態調整手段(釘、風車)の調整状態が遊技者に有利な状態となっている可能性があることを知らせることが可能になる。
【0174】
さらに、リーチ表示態様後始めての特別遊技状態中(ラウンド中)や特別遊技状態終了後にキャラクタや文言等により表示すれば、先に表示されたリーチ表示態様が優良台を報知するものであったことを、遊技者が再確認することができ、特別遊技状態が発生し、かつ、優良台であることを認識することができる。この場合、表示器制御基板300は、リーチ表示態様により優良台の報知を行ったあと、リーチ表示態様後初めての特別遊技状態中や特別遊技状態終了後にキャラクタや文言等を表示するよう制御する。
【0175】
さらに、可変表示遊技の表示過程で、一旦、仮の表示結果(通常大当たり)を導出した後に再度可変表示遊技を実行して表示結果(確率変動大当たり)を確定するように構成した遊技機の場合、仮の表示結果によって有用情報を報知するようにしてもよい。このようにすることで、大当たりの中でもさらに有利な確率変動大当たりへの期待感を増大させると同時に、入賞状態調整手段(釘、風車)の調整状態が遊技者に有利な状態となっている可能性があることを知らせることが可能となる。
【0176】
さらに、実施の形態では、入賞状態調整手段の1つである始動口誘導部材として釘A〜H、風車15を示したが、これに限らず、遊技盤2に打ち出された遊技球を始動口21に誘導するものであればどのような部材であってもよい。また、入賞状態調整手段としては、例えば大入賞口24などの各種入賞手段によってその配置や形状が異なる場合があることはいうまでもない。
【0177】
さらに、実施の形態では、表示器制御基板300が遊技機に電源が投入されてから1回目のノーマルリーチ外れコマンドを主基板100より受信したことを有用情報の報知条件としたが、1回目の受信に限らず、ノーマルリーチ外れコマンドを所定回数受信する度に有用情報を報知するようにしてもよい。このようにすることで、複数人の遊技者に対しても有用情報を報知することが可能になる。また、ノーマルリーチ外れコマンドに限らず、他の種類のコマンドを表示器制御基板300が主基板100から受信することで有用情報を報知するようにしてもよい。
【0178】
さらに、遊技店側が行う有用情報報知の設定を、営業開始前であって、遊技機に電源が投入されてから5分以内の期間としたが、これに限らず、遊技者が遊技を行っていない状態であれば、有用情報報知の設定を行ってもよい。
【0179】
さらに、遊技機の電源が投入されてから所定時間内に右普通図柄表示装置作動ゲートスイッチ126a、左普通図柄表示装置作動ゲートスイッチ126bが検出した被検出物の検出回数(遊技機の電源が投入されてから所定時間内の普図保留球数)を、枠用外部端子800を介して外部機器に出力するようにして、外部機器が遊技機毎の電源が投入されてから所定時間内の普図保留球数データを釘や風車の調整状態情報として記憶するようにしてもよい。このようにすることで、遊技機毎の釘や風車の調整状態を管理する場合に行っていた作業(手入力)が必要なくなり、釘や風車の調整を行う際の目安とするデータを容易に管理することができる。
【0180】
また、外部機器が複数日分の普図保留球数データを釘や風車の調整状態情報として遊技機毎に記憶するようにし、さらに、帳票出力する際に、実際に始動口21へ入賞した回数(スタート回数)と調整状態情報を対応して出力するようにしてもよい。このようにすることで、例えば、釘や風車の調整状態を遊技者に有利な調整状態としているのにも関わらず、始動口21への入賞回数が少ない遊技機があった場合に、その遊技機に対しては、以降、釘や風車の調整状態を遊技者に有利な調整状態とはしないにする等の判断を行うことが可能になる。また、このような機能を有することで、釘や風車の調整状態を遊技者に有利な調整状態としているのにもかかわらず、始動口21への入賞回数が少ない遊技機に対して、有用情報の報知を行うような設定を行わないようにすることができるので、より正確な有用情報の報知が行えるようになる。外部機器とは、例えば、遊技機から出力された各種データを管理する管理装置である。
【0181】
情報の報知、可変表示遊技、普通図柄ゲーム等の制御を行うようにしたが、表示器制御基板300とランプ制御基板400と音声制御基板500を同一基板上に設け、可変表示装置310の表示制御と各種ランプの点滅制御とスピーカー510から出力する音の制御とを統括的に行うCPUを備えた遊技演出制御基板により有用情報の報知等の演出制御(表示・音声・ランプ)を行なうようにしても良い。このように、各種制御基板の構成は、図5および図6に具体的に示した構成に限定されるものではない。
【0182】
さらに、実施の態様では識別情報として数字の図柄を用いたが、各種の文字や記号あるいは動物や植物などの絵柄等を識別情報として用いてもよい。また上記の実施の形態では、本発明をパチンコ遊技機について説明したが、プログラム制御される、スマートボールゲーム機、アレンジボールゲーム機といった遊技機にも同様に本発明を適用することができる。このような各場合においても、上記実施の形態と同様な効果が奏される。
【0183】
【発明の効果】
本発明に係る遊技機によれば、普通図柄始動口の検出手段は、被検出物の検出に基づいて普通図柄ゲームを開始させるための役割のほかに、遊技店の従業員が前記検出手段に前記被検出物を検出させることで、遊技釘の角度調整によって、遊技球が入賞手段へ入賞し易くなっている可能性があることを示す有用情報を遊技者に知らせるための設定を行う設定手段としての機能も有している。
このため、設定手段を設けるために新たな設計変更を行う必要もなく、遊技店の従業員が遊技釘の角度調整を行うついでに有用情報を報知させることを設定することが可能となるので、作業効率が向上する。
また、普通図柄始動口の検出手段が遊技球を含む被検出物を検出すると、表示器制御手段に対して不可逆性の出力形態をとる主基板から、普通図柄ゲームの実行権利回数を示す普図保留データが出力され、表示器制御手段の受付手段は、遊技機の電源が投入されてから所定時間内に、普図保留データを受信した場合に、受信した普図保留データに基づいて有用情報の種類を決定して記憶する。
このため、普通図柄始動口の検出手段を利用して、遊技店の従業員が有用情報に関する設定を行うことに基づいて、表示器制御手段の受付手段が有用情報を決定するようにしても、主基板により決定される特別遊技状態の発生有無や普通図柄ゲームの表示結果等に何ら影響を与えないため、不正が行われることも、遊技者から不信感を持たれることもない。また、遊技店の従業員が作業しやすい時間に設定手段により有用情報を報知することを設定して、設定結果を記憶しておくことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る遊技機を示す正面図である。
【図2】本発明の一実施の形態に係る遊技機の内部構造を示す背面図である。
【図3】本発明の一実施の形態に係る遊技機の遊技盤を拡大して示す正面図である。
【図4】本発明の一実施の形態に係る遊技機の遊技盤裏面側を拡大して示す背面図である。
【図5】本発明の一実施の形態に係る遊技機の回路構成全体を示すブロック図である。
【図6】本発明の一実施の形態に係る遊技機の有する主基板の回路構成を示すブロック図である。
【図7】本発明の一実施の形態に係る遊技機の有する払出制御基板の回路構成を示すブロック図である。
【図8】本発明の一実施の形態に係る遊技機の有する表示器制御基板の回路構成を示すブロック図である。
【図9】本発明の一実施の形態に係る遊技機の有するランプ制御基板の回路構成を示すブロック図である。
【図10】本発明の一実施の形態に係る遊技機の有する音声制御基板の回路構成を示すブロック図である。
【図11】本発明の一実施の形態に係る遊技機の有する発射制御基板の回路構成を示すブロック図である。
【図12】本発明の一実施の形態に係る遊技機の有する電源基板の回路構成を示すブロック図である。
【図13】リーチ図柄配置パターンが決定される決定確率と普図保留球数との関係を示すテーブルの説明図である。
【図14】営業開始前に遊技店側が行う、リーチ図柄配置パターンの設定処理の流れを示すフロー図である。
【図15】営業開始後に可変表示遊技において行われる図柄決定処理の流れを示すフロー図である。
【図16】本発明の一実施の形態に係る可変表示装置上で展開される表示遊技の一例であり、表示結果表示部に、確率変動大当たりが発生する特定表示結果を表示する場合を示した説明図である。
【図17】本発明の一実施の形態に係る可変表示装置上で展開される表示遊技の他の例であり、表示結果表示部に、外れの表示結果を表示する場合を示した説明図である。
【図18】本発明の一実施の形態に係る可変表示装置上で展開される表示遊技のさらに他の例であり、表示結果表示部に、外れの表示結果を表示する場合を示した説明図である。
【符号の説明】
1…遊技機本体
2…遊技盤
3…上受け皿
4…下受け皿
5…ハンドル
6…灰皿
7…上受け皿球抜きレバー
8…下受け皿球抜きレバー
9…貸出ボタン
10…返却ボタン
11…ガラス枠
12…度数表示部
15…風車
16…誘導レール
21…始動口
22a…右袖入賞口
22b…左袖入賞口
23a…右落し入賞口
23b…左落し入賞口
24…大入賞口
29…アウト口
100…主基板
101…ワンチップマイコン
102…CPU
103…ROM
104…RAM
105…NMI
106…I/Oポート
107…内部タイマー
108…クロック回路
109…クロック同期・遅延回路
110a、110b…ゲート回路
112a〜112g…ラッチ回路
113…アドレスデコード回路
114…バッファ
115…リセット
116…試射試験信号端子
121…始動口スイッチ
122a…右袖入賞口スイッチ
122b…左袖入賞口スイッチ
123a…右落し入賞口スイッチ
123b…左落し入賞口スイッチ
124…役物連続作動装置スイッチ
125…カウントスイッチ
126…普通図柄始動口
126a…右普通図柄表示装置作動ゲートスイッチ
126b…左普通図柄表示装置作動ゲートスイッチ
130…賞球検出スイッチ
130a…右賞球検出スイッチ
130b…左賞球検出スイッチ
131…シュート球切れスイッチ
132…ガラス枠開放検出スイッチ
133…オーバフロースイッチ
134…大入賞口ソレノイド
135…方向切換ソレノイド
136…電動役物ソレノイド
200…払出制御基板
201…ワンチップマイコン
202…カウンタ回路
203…CPU
204…ROM
205…RAM
206…NMI
207…I/Oポート
208…内部タイマー
209…クロック回路
210…クロック同期・遅延回路
211、212…ゲート回路
213…アドレスデコード回路
214、215…ラッチ回路
216…リセット
220…球貸し検出スイッチ
220a…右球貸し検出スイッチ
220b…左球貸し検出スイッチ
222…払出モータ
223…払出停止ソレノイド
224…経路切換ソレノイド
300…表示器制御基板
301…表示器制御CPU
302…表示器制御ROM
303…表示器制御RAM
304…画像制御IC
305…画像データROM
306…入出力インターフェース
307…試射試験信号端子
310…可変表示装置
310a…表示結果表示部
310b…演出表示部
400…ランプ制御基板
401…ランプ制御CPU
402…ランプ制御ROM
403…ランプ制御RAM
404…入出力インターフェース
405…ドライバー回路
420…特別図柄保留LED
422…遊技機状態ランプ
423…サイドケースランプ
424…遊技枠状態ランプ
425…センターLED
427…アタッカーLED
428…サイドLED
500…音声制御基板
501…音声制御CPU
502…音声制御ROM
503…音声制御RAM
504…音声制御IC
505…音声データROM
506…入出力インターフェース
507…アンプ回路
510…スピーカー
600…発射制御基板
601…発振回路
602…分周回路
603…モータ駆動信号制御回路
604…ドライバー回路
650…ハンドル部
651…タッチセンサ
652…発射停止スイッチ
653…発射モータ
700…電源基板
701…定電圧電源装置
702…バックアップ電源
703…電圧検出回路
704…シフトレジスタ
705…RAM初期化スイッチ
706…クロック回路
707…遅延回路
708…電圧検出回路
709…停電検出回路
800…枠用外部端子板
801…賞球タンク球有無スイッチ
850…盤用外部端子板
900…カードユニット接続基板
A〜I…釘
a…操作パネル基板
b…カードユニット
c…電源AC24V
Claims (1)
- 複数種類の識別情報が可変表示する可変表示遊技を表示する可変表示装置を有し、付設されたスイッチにより遊技球を検出した場合に遊技者に払い出す賞球数が割り当てられた入賞手段と、遊技店の従業員による角度調整により該入賞手段への遊技球の入賞頻度を変化させることが可能な遊技釘と、該入賞手段としての始動口への遊技球の入賞により始動条件が成立したことを条件に乱数を取得して、該乱数に基づき前記可変表示遊技の制御パターンに係る遊技状態演出データを決定する主基板と、該主基板から受信のみの一方向通信により該遊技状態演出データに対応する指示情報を受信して、該指示情報に基づき、前記可変表示装置の表示制御を行う表示器制御基板とを備え、前記遊技状態演出データに対応する指示情報に基づき実行した可変表示遊技の表示結果が予め定められた大当たりに該当する表示結果であった場合に、前記入賞手段としての大入賞口の扉が所定回数を上限として、遊技球が入賞し難い閉状態と遊技球が入賞し易い開状態とに可変動作する特別入賞状態が発生する遊技機において、
前記入賞手段とは異なり遊技者に払い出す賞球数が割り当てられていない普通図柄始動口を備え、
前記可変表示装置は、前記可変表示遊技の実行中に前記複数種類の識別情報のうち1つを除いて前記大当りに該当する表示結果を導出する可能性のあるリーチ表示態様を表示可能であり、
前記リーチ表示態様には、前記大当りの中でも更に有利な確率変動大当りへの期待感が増大する、予め定めた特定の識別情報の組合せから成る特定リーチ表示態様を含み、
前記主基板は、前記普通図柄始動口への遊技球を含む被検出物が入るのを検出する検出手段から該被検出物を検出したことを示す検出信号を入力する度に、普通図柄ゲームの実行権利回数を示す普図保留データを前記指示情報として前記表示器制御基板に出力するとともに、該普通図柄ゲームの表示結果に関わる乱数値を取得して、該乱数値に基づいて決定した該普通図柄ゲームの表示結果に関わる表示結果データを前記指示情報として前記表示器制御基板に出力する一方、該普通図柄ゲームの表示結果に関わる乱数値が当たりに該当する乱数値である場合、前記始動口としての普通電動入賞装置の開閉部材を、遊技球が入賞し難い閉状態から遊技球が入賞し易い開状態に変化するように制御を行い、
前記検出手段は、前記被検出物の検出に基づいて前記普通図柄ゲームを開始させるための役割のほかに、前記遊技店の従業員が前記検出手段に所定数以上の前記被検出物を検出させることで、前記遊技釘の角度調整によって、前記遊技球が前記入賞手段へ入賞し易くなっている可能性があることを遊技者に知らせるために、前記可変表示遊技の実行中に前記特定リーチ表示態様を表示させるための設定を行う設定手段としての機能も有し、
前記表示器制御基板は、
前記遊技機の電源が投入されてから所定時間内に、前記主基板から前記指示情報として前記所定数以上の被検出物に対応する普図保留データを受信した場合に、該受信した普図保留データに基づいて、複数種類のリーチ図柄配置パターンの中から前記特定リーチ表示態様に対応するリーチ図柄配置パターンを決定して記憶する受付手段と、
前記主基板から前記リーチ態様に関するコマンドのうち出現率の高いコマンドを受信し、かつ、前記遊技機の電源が投入されてから1回目の該出現率の高いコマンドの受信である場合に限り、前記受付手段が記憶するリーチ図柄配置パターンに基づいて、前記可変表示遊技の実行中に前記特定リーチ表示態様を表示することで、前記遊技釘の角度調整によって前記遊技球が前記入賞手段へ入賞し易くなっている可能性があることを遊技者に報知する有用情報報知手段とを有することを特徴とする遊技機。
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