JP4248224B2 - 酸化亜鉛薄膜 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種半導体機能に優れた酸化亜鉛薄膜に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、酸化亜鉛薄膜は、可視光に対する透過性に優れるワイドギャップ半導体としての透明導電膜、短波長発光体膜など機能性薄膜として注目されており、透明導電膜用途では一部実用化されている。
近年、酸化亜鉛膜に磁性イオンである遷移金属イオンをドープすることによりキャリア誘起強磁性を示すことが、理論的に実証され(非特許文献1参照)、希薄磁性半導体や強磁性体の創製を目指した研究が活発に行われている。例えば、特定の遷移金属イオンをZnO中に含有させてなる強磁性体およびその調製方法が提案されている(特許文献1参照)。しかし、この技術によれば、高濃度に遷移金属イオンをドープする必要があり、着色が避けられないという問題があった。また、特定の製法(分子線エピタキシー法)で得られたCoドープZnOが常温でも磁気円二色性を示すことが知られている。しかし、このような酸化亜鉛薄膜または遷移金属をドープした酸化亜鉛薄膜は、実際にキャリア誘起強磁性として実用に供するには、性能面、生産性の点で充分とは言えないものであった。
【0003】
これまでに、酸化亜鉛系薄膜において、その結晶構造を特定した報告も種々されているが(特許文献2、特許文献3参照)、前述した機能性薄膜として好適な酸化亜鉛薄膜の結晶構造は、見出されていない。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−139015号公報
【0005】
【特許文献2】
特開平11−79891号公報
【0006】
【特許文献3】
特開2000−339961号公報
【0007】
【非特許文献1】
「まてりあ」第39巻、第9号、p751−755(2000)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明の解決しようとする課題は、例えば、希薄磁性半導体膜、透明導電膜、発光体膜などの半導体機能に優れた酸化亜鉛薄膜を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者は上記課題を解決するべく、鋭意検討を行った。その結果、これまでにない特定の結晶構造、すなわち格子面(002)と格子面(101)の回折強度比および/または格子面(100)と格子面(101)の回折強度比が特定範囲であるX線回析パターンの酸化亜鉛薄膜が、磁性イオンである遷移金属を含有しなくても常温において優れた磁気円二色性を示し、さらに、特定量の有機基を酸化亜鉛に結合して存在させることにより、磁気円二色性がさらに向上すること、を見出した。しかも、前記特定の結晶構造の酸化亜鉛薄膜は、常温下、紫外線で容易に励起されて紫外線発光を示すことを見出した。本発明はこれらの知見により完成されたものである。
【0010】
すなわち、本発明にかかる酸化亜鉛薄膜は、酸化亜鉛を主成分とする薄膜であって、そのX線回折パターンが、格子面(002)と格子面(101)の回折強度比I(002)/I(101)≧0.5であるか、および/または、格子面(100)と格子面(101)の回折強度比I(100)/I(101)≧0.8である、ことを特徴とする。
また、本発明にかかる酸化亜鉛薄膜は、酸化亜鉛を主成分とする薄膜であって、常温で磁気円二色性を示す、ことを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明にかかる酸化亜鉛薄膜について、詳しく説明するが、本発明の範囲はこれらの説明に拘束されることはなく、以下の例示以外についても、本発明の趣旨を損なわない範囲で適宜変更実施し得る。
本発明の酸化亜鉛薄膜は、酸化亜鉛を主成分とする薄膜であり、X線回折学的に酸化亜鉛結晶性を示すものである。
本発明の酸化亜鉛薄膜は、そのX線回折パターンが、格子面(002)と格子面(101)の回折強度比I(002)/I(101)≧0.5であるか、および/または、格子面(100)と格子面(101)の回折強度比I(100)/I(101)≧0.8である、ことを特徴とするものである。本発明の酸化亜鉛薄膜は、このように、格子面(002)と格子面(101)の回折強度比もしくは格子面(100)と格子面(101)の回折強度比が高く、従来にない結晶子構造からなる酸化亜鉛薄膜であると言える。これにより、後述する磁気円二色性を示すものとなり、優れた半導体機能を発揮するのである。なお、本発明におけるX線回折パターンは、入射角0.5°で測定されるものとする。
【0012】
また、本発明の酸化亜鉛薄膜は、常温で磁気円二色性を示すことを特徴とするものである。ここで、磁気円二色性(MCD特性)を示すとは、膜の厚み方向に磁場を印加した状態で紫外線を照射したときに、光吸収端波長付近における、右回り円偏光に対する透過率(Tr)と、左回り円偏光に対する透過率(Tl)とが異なる、ことである。このように本発明の酸化亜鉛薄膜は、磁性イオンである遷移金属を含有しなくても常温において優れたMCD特性を示すことにより、例えば、キャリア誘起強磁性、光キャリア誘起強磁性などの磁性半導体機能を有する希薄磁性半導体膜、およびこれらの好ましい母体結晶膜等として好適に用いることができる。
【0013】
本発明の酸化亜鉛薄膜は、常温におけるMCD強度が10mdeg/cm・Oe以上であることが好ましく、さらに好ましくは50mdeg/cm・Oe以上、さらに好ましくは100mdeg/cm・Oe以上であるのがよい。
なお、前記MCD強度は、下記式により求められるものと定義される。
MCD強度(mdeg/cm・Oe)=[ΔT/T]/[L・H]
但し、上記式において、Lは被着体の膜厚(cm)であり、Hは印加磁場(Oe)であり、Tは、磁場を印加した状態での波長λにおける右回り偏光に対する透過率(Tr)と左回り偏光に対する透過率(Tl)との平均値であり、△Tは、前記透過率(Tr)と透過率(Tl)との差の絶対値である。なお、波長λは、通常、320nm(E=3.20eV)〜400nm(E=3.70eV)の範囲内で膜の分光透過率曲線に応じて選択されるが、好ましくは370nm(E=3.35eV)とするのがよい。
【0014】
本発明の酸化亜鉛薄膜は、薄膜中、膜厚に対して垂直な膜面1m2 あたりに含まれるZnO量が、好ましくは2g以下であっても、より好ましくは1g以下であっても、さらに好ましくは0.5g以下であっても、前記回析パターンを示し、常温において磁気円二色性を示すことができる。
本発明の酸化亜鉛薄膜は、炭素原子を有する有機基が酸化亜鉛に結合して存在するものであり、膜中に存在する炭素原子の合計量が膜中の全Zn量に対して0.01〜10原子%となっていることが好ましい。より好ましくは、膜中に存在する炭素原子の合計量が膜中の全Zn量に対して0.1〜5原子%となっているのがよい。これにより、前記回析パターンを示し、磁気円二色性をさらに向上させることができる。
【0015】
なお、本発明の酸化亜鉛薄膜における炭素含有量(膜中の全Zn量に対する膜中に存在する炭素原子の合計量)は、通常、有機基を有さない酸化物膜でも空気中に置いておくだけでその表面に炭酸ガスや有機汚染物質が吸着してしまうことを考慮し、この影響を除外するため、膜内部の炭素含有量と規定する。すなわち、膜の表面をアルゴンによりエッチングし、シリカ換算のエッチング速度で換算した深さが30nmとなる深さにおける炭素と亜鉛との比から決定される値を、本発明で言う酸化亜鉛薄膜の炭素含有量とする。
前記有機基としては、カルボキシル基またはアルコキシ基が好ましく挙げられる。特に、カルボキシル基としては、酢酸、α−ヒドロキシカルボン酸、β−ヒドロキシカルボン酸などのカルボン酸由来のカルボキシル基が好ましく、アルコキシ基としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,2−ブタンジオール等のβ−ジオールまたはこれらと炭素数4以上のアルコールとから得られるモノアルキルエーテル類などのアルコール由来のアルコキシ基が好ましい。なお、これら有機基は、後述する酸化亜鉛薄膜の製造方法において原料として用いることのできるカルボン酸亜鉛や亜鉛アルコキシ基含有化合物やアルコールやカルボキシル基含有化合物、もしくはこれら以外の原料によって導入することができる。
【0016】
本発明の酸化亜鉛薄膜は、膜中の金属含有成分が亜鉛以外の金属元素をも有するものであってもよいし、膜中の金属含有成分が酸化亜鉛のみからなるものであってもよい。
前記膜中の金属含有成分が亜鉛以外の金属元素をも有する場合(ドープされている場合)は、該金属元素が、遷移金属元素から選ばれる少なくとも1種、および/または、3価の原子価を有する金属元素から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。膜中に遷移金属元素を有すると、MCD強度が高くなり、光キャリア誘起強磁性を示すようになる。遷移金属元素の具体例としては、Fe,Co、Ni、Mn、Cu等が好ましく挙げられ、特に、これらの2価金属イオンが好ましい。遷移金属元素を有する場合の好ましいドープ量は、M/Zn=1〜30原子%である。他方、膜中に3価の原子価を有する金属元素を有すると、伝導帯電子密度が向上し、導電性膜となる。3価の原子価を有する金属元素の具体例としては、金属イオン自身の光吸収による着色がなく、透明導電膜となりうる点から、B、Al、Ga、In、Tl等が最も好ましく挙げられる。このほか、遷移金属イオンの3価の金属イオンも好ましい。3価の原子価を有する金属元素を有する場合の好ましいドープ量は、M/Zn=0.01〜3原子%である。さらに、膜中に遷移金属元素と3価の原子価を有する金属元素との両方を有すると、キャリア誘起強磁性を示すようになる。
【0017】
なお、膜中の金属含有成分として亜鉛以外の金属元素をも含有させるには、例えば、後述する製造方法における亜鉛化合物(亜鉛カルボン酸塩もしくは亜鉛アルコキシ基含有化合物)として、亜鉛とともに他の金属元素をも含む化合物を用いるようにすればよい。
本発明の薄膜は、酸化亜鉛を主成分とする膜形成成分が切れ目なく連続的に広がって存在している形態(以下、連続層と称することがある。)であってもよいし、前記膜形成成分が、例えば基材表面上に不連続的に存在している形態(以下、不連続層と称することがある。)であってもよい。不連続層では、膜形成成分が基材表面に部分的に存在しているが、それらの大きさ、面積、厚みおよび形状等において特に限定されることはない。具体的には、例えば、前記膜形成成分が基材表面に微細なドット状で存在している形態や、いわゆる海島構造のように存在している形態や、縞模様状に存在している形態や、これら形態を合わせた形態等が挙げられる。
【0018】
本発明における薄膜中に存在する酸化亜鉛の構造としては、特に限定はされないが、具体的には、例えば、所望の大きさの空間を有する多孔質構造や、マクロ的に見てこのような多孔質構造ではない一体的な密実構造(すなわち実質的に緻密な構造)を挙げることができる。また、上記いずれの構造においても、マクロ的に見て、1次粒子としての酸化亜鉛が集合してなる構造であっても、2次粒子化した酸化亜鉛が集合してなる構造であっても、さらに大きく粒子化した酸化亜鉛が集合してなる構造であっても、これら形態が混在してなる構造であってもよく、特に限定はされるわけではない。このような酸化亜鉛の各種構造は、前記不連続層においては、部分的に存在している個々の層のすべてが備えている必要は無く、一部の層のみが備えるものであってもよい。特に、本発明の酸化亜鉛薄膜を、透明導電膜や(光)キャリア誘起強磁性膜などに利用する場合には、マクロ的に連続した密実構造が好ましい。なお、前記1次粒子としての酸化亜鉛、2次粒子化した酸化亜鉛、および、さらに大きく粒子化した酸化亜鉛の形状としては、特に限定はされないが、具体的には、例えば、球状、楕円球状、立方体状、直方体状、多面体状、ピラミッド状、柱状、チューブ状、りん片状、(六角)板状等の薄片状などが挙げられる
本発明における前記酸化亜鉛は、結晶性であればよく、単結晶からなるものであっても、多結晶体からなるものであってもよく、特に限定はされない。
【0019】
前記酸化亜鉛の結晶子の配向性については、特に限定はなく、例えば、結晶子の結晶軸方向が垂直に配向していても、特定の角度をもって配向していてもよいし、また、全ての結晶子の配向性が揃っていても、ランダムであっても、一部が同じ配向性で残りがランダムであってもよいが、結晶子の配向性は揃っている方が好ましい。また、前記酸化亜鉛の結晶子の形状としては、例えば、球状、楕円球状、立方体状、直方体状、多面体状、ピラミッド状、柱状、チューブ状、りん片状、(六角)板状等の薄片状や、過飽和度の高い条件下で結晶の稜や角が優先的に伸びて生成した樹枝状、骸晶状などが挙げられ、特に制限されるものではない。また、前記酸化亜鉛の結晶子の大きさについても、特に限定はされないが、通常、各結晶子の結晶軸方向の大きさが、1nm〜100nmであることが好ましい。
【0020】
本発明の酸化亜鉛薄膜の厚み(垂直方向の厚み)は、特に限定はされないが、通常、1nm〜1000μmであることが好ましく、より好ましくは10nm〜1μmである。
本発明の酸化亜鉛薄膜は結晶品質が高いために、好ましい形態においては、常温下、波長280nmの光で励起したときに、紫外線域にピークを有する発光が観測され、好ましくは紫外線域にのみピークトップを有する発光スペクトルを示す。このように、紫外線発光特性をも示す場合、本発明の酸化亜鉛薄膜は、例えば、紫外線LED等の用途に好適に用いることができる。なお、本発明では、400nm以下の波長の光を紫外線とし、前記紫外線域とは、波長350〜400nmの光の波長域のことをさす。
【0021】
本発明の酸化亜鉛薄膜は、部分的に断裂した構造となることがあるが、酸化亜鉛系超微粒子を分散含有させることにより、透明性を損なわずに断裂構造のない長期連続構造の薄膜とすることができる。該超微粒子の粒子径としては、少量で断裂構造を解消できる点から、微細であることが好ましく、例えば、粉末X線回析で測定した結晶子径(ウィルソン径)が100nm以下、好ましくは30nm以下、さらに好ましくは15nm以下であるのがよい。この場合の酸化亜鉛としては、不純物元素を含まないもの、遷移金属元素を含むもの、3価または4価の原子価をとりうる金属元素をドープしたもの、のいずれであってもよい。
【0022】
本発明の酸化亜鉛薄膜は、透明導電性薄膜とする場合、導電性超微粒子を含有するものであることが好ましい。これにより、透明性を損なわずに、高いキャリア生成部位(微粒子)と電子易動度の高い部位(酸化亜鉛膜部)との分担型膜となり、優れた導電性を発揮することできる。導電性超微粒子としては、例えば、InやAl等の3価または4価の原子価をとりうる金属元素をドープした酸化亜鉛、Sn(IV)やTi(IV)等の4価の原子価をとりうる金属元素またはフッ素をドープした酸化インジウム、Sb(V)やP(V)等の5価の原子価をとりうる金属元素またはフッ素をドープした酸化スズ(IV)などのドープ型酸化物系導電性超微粒子;Ag、Cu、Pt、Pd等の金属系超微粒子;SiCや金属硫化物等の半導体化合物系導電性超微粒子;等が好ましく挙げられる。該超微粒子の粒子径としては、透明性に優れる点から、100nm以下であるのが好ましく、より好ましくは30nm以下、さらに好ましくは20nm以下であるのがよい。なお、前記ドープ型酸化物系導電性超微粒子におけるドープ量は、前述した酸化亜鉛薄膜における3価の原子価を有する金属元素のドープ量よりも高いことが好ましい。
【0023】
本発明の酸化亜鉛薄膜の製造方法は、特に限定されないが、例えば、亜鉛カルボン酸塩とアルコール、または、亜鉛アルコキシ基含有化合物とカルボキシル基含有化合物を出発原料として、酸化亜鉛を生成させ、該生成した酸化亜鉛を基板上に膜として定着させ生成させる方法が好ましい。以下、該製造方法について、詳しく説明する。
前記亜鉛カルボン酸塩としては、具体的には、分子内に、カルボキシル基の水素原子が、亜鉛原子で置換された構造を少なくとも有する化合物であればよい。なお、亜鉛カルボン酸塩は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0024】
前記亜鉛カルボン酸塩の具体例としては、例えば、飽和モノカルボン酸、不飽和モノカルボン酸、飽和多価カルボン酸、不飽和多価カルボン酸などの鎖式カルボン酸と亜鉛原子からなる塩;環式飽和カルボン酸と亜鉛原子からなる塩;芳香族モノカルボン酸、芳香族不飽和多価カルボン酸などの芳香族カルボン酸と亜鉛原子からなる塩;さらに前記各種カルボン酸の分子内にヒドロキシル基、アミノ基、ニトロ基、アルコキシ基、スルホン基、シアノ基、ハロゲン原子等の官能基または原子団を有する化合物と亜鉛原子からなる塩;等が挙げられる。これらの中でも特に、酢酸亜鉛、乳酸亜鉛等のヒドロキシカルボン酸亜鉛が好適である。酢酸亜鉛とヒドロキシカルボン酸亜鉛を併用することも好ましく、その配合比率は、酢酸亜鉛100モルに対してヒドロキシカルボン酸亜鉛を0.1〜10モルとするのが好ましく、1〜5モルとするのが特に好ましい。なお、前記亜鉛カルボン酸塩は、結晶水を含む水和物であってもよいが、無水物であることが好ましい。
【0025】
前記アルコールとしては、例えば、脂肪族1価アルコール(メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、t−ブチルアルコール、ステアリルアルコール等)、脂肪族不飽和1価アルコール(アリルアルコール、クロチルアルコール、プロパギルアルコール等)、脂環式1価アルコール(シクロペンタノール、シクロヘキサノール等)、芳香族1価アルコール(ベンジルアルコール、シンナミルアルコール、メチルフェニルカルビトール等)、フェノール類(エチルフェノール、オクチルフェノール、カテコール、キシレノール、グアヤコール、p−クミルフェノール、クレゾール、m−クレゾール、o−クレゾール、p−クレゾール、ドデシルフェノール、ナフトール、ノニルフェノール、フェノール、ベンジルフェノール、p−メトキシエチルフェノール等)、複素環式1価アルコール(フルフリルアルコール等)等の1価アルコール類;アルキレングリコール(エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,10−デカンジオール、ピナコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール等)、脂環式グリコール(シクロペンタン−1,2−ジオール、シクロヘキサン−1,2−ジオール、シクロヘキサン−1,4−ジオール等)、および、ポリオキシアルキレングリコール(ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等)等のグリコール類;プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、3−メチル−3−メトキシブタノール、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノアセテート等の上記グリコール類のモノエーテルまたはモノエステル等の誘導体;グリセリンやトリメチロールエタン等の3価アルコール、エリスリトールやペンタエリスリトール等の4価アルコール、リピトールやキシリトール等の5価アルコール、ソルビトール等の6価アルコール等の3価以上の多価アルコール、ヒドロベンゾイン、ベンズピナコール、フタリルアルコール等の多価芳香族アルコール、カテコール、レゾルシン、ヒドロキノン等の2価フェノールや、ピロガロール、フロログルシン等の3価フェノール等の多価フェノール、および、これらのモノエーテルまたはモノエステル誘導体等の多価アルコール類、ならびに、これら多価アルコール類におけるOH基の一部(1〜(n−1)個(ただし、nは1分子当たりのOH基の数))がエステル結合またはエーテル結合となった誘導体;等を挙げることができる。アルコール性水酸基に関して、3級、さらには2級、特に1級の水酸基を有するアルコールが、より低い温度状態で亜鉛酸化物が得られるため、好ましい。同様の理由で、脂肪族アルコールも好ましい。なお、アルコールは、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0026】
前記亜鉛カルボン酸塩とアルコールとを出発原料とする場合、その使用量の割合については、特に限定はないが、アルコールの総モル数が、亜鉛カルボン酸塩の有するZnの総モル数に対して、2〜100となるようにすることが好ましい。
前記亜鉛アルコキシ基含有化合物としては、特に限定はされないが、例えば、下記一般式(1):
Zn(ORa)n-mRb m (1)
(但し、Raは、水素原子、置換されていてもよいアルキル基、シクロアルキル基、アシル基、アラルキル基、アリール基から選ばれた少なくとも1種;Rbは、水素原子、置換されていてもよいアルキル基、シクロアルキル基、アシル基、アラルキル基、アリール基、不飽和脂肪族残基、および、ORa基以外の官能基を含む有機基から選ばれた少なくとも1種;nはZn原子の価数;mは0〜n−1の範囲の整数である。)
で示される化合物、またはこの化合物を(部分)加水分解・縮合してなる縮合物を挙げることができる。なお、亜鉛アルコキシ基含有化合物は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0027】
一般式(1)中、Raとしては、水素原子および/またはアルコキシアルキル基などの置換されていてもよいアルキル基が好ましく、より好ましくは置換されていてもよいアルキル基である。また、Rbとしては、置換されていてもよいアルキル基、シクロアルキル基、アシル基、アラルキル基、アリール基、不飽和脂肪族残基、および、β−ジケトン化合物等のORa基以外の官能基を含む有機基から選ばれた少なくとも1種であるものが好ましい。また、mは、0であることが好ましい。
前記亜鉛アルコキシ基含有化合物は、前述したもの以外であってもよく、亜鉛単一のアルコキシ基含有化合物の他、亜鉛とそれ以外の金属原子のヘテロ金属アルコキシ基含有化合物であってもよい。なお、ヘテロ金属アルコキシ基含有化合物とは、2個以上の異なる金属原子を有し、アルコキシ基や酸素原子を介したり、金属−金属結合等によって結ばれた金属アルコキシ基含有化合物のことである。
【0028】
前記カルボキシル基含有化合物としては、具体的には、分子内に、カルボキシル基を少なくとも有する化合物であればよい。なお、カルボキシル基含有化合物は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記カルボキシル基含有化合物の具体例としては、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、イソ酪酸、カプロン酸、カプリル酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルチミン酸、ステアリン酸等の飽和脂肪酸(飽和モノカルボン酸)、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、オレイン酸、リノレン酸等の不飽和脂肪酸(不飽和モノカルボン酸)、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、スベリン酸、β,β−ジメチルグルタル酸等の飽和多価カルボン酸、マレイン酸、フマル酸等の不飽和多価カルボン酸などの鎖式カルボン酸類;シクロヘキサンカルボン酸等の環式飽和カルボン酸類;安息香酸、フェニル酢酸、トルイル酸等の芳香族モノカルボン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ピロメリット酸、トリメリット酸等の不飽和多価カルボン酸等の芳香族カルボン酸類;無水酢酸、無水マレイン酸、ピロメリット酸無水物等のカルボン酸無水物;トリフルオロ酢酸、o−クロロ安息香酸、o−ニトロ安息香酸、アントラニル酸、p−アミノ安息香酸、アニス酸(p−メトキシ安息香酸)、トルイル酸、乳酸、サリチル酸(o−ヒドロキシ安息香酸)等の分子内にカルボキシル基以外のヒドロキシル基、アミノ基、ニトロ基、アルコキシ基、スルホン酸基、シアノ基、ハロゲン原子等の官能基または原子団を有する化合物;アクリル酸ホモポリマー、アクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体等の上記不飽和カルボン酸の(共)重合体;等を挙げることができる。これらのカルボキシル基含有化合物のうち特に、酢酸;乳酸等のα−ヒドロキシルカルボン酸;β−ヒドロキシルカルボン酸が好ましい。また、カルボキシル基含有化合物が液体の場合は、後述するように反応溶媒としても用いることもできる。
【0029】
前記亜鉛アルコキシ基含有化合物とカルボキシル基含有化合物とを出発原料Sとする場合、その使用量の割合については、特に限定はないが、カルボキシル基含有化合物の有するカルボキシル基の総モル数が、亜鉛アルコキシ基含有化合物の総モル数に対して2〜10倍モルとなるようにすることが好ましい。
前記製造方法においては、前記出発原料の混合系を高温状態にすることにより、酸化亜鉛が生成する。ここで、混合系とは、前記出発原料を必須とする原料を混合してなる混合物、および/または、前記出発原料を必須とする原料から得られる予備反応物を意味するものである。なお、前記混合系は、その一部が予備反応物であり、その他が混合物となっていてもよい。
【0030】
前記予備反応物は、前記亜鉛カルボン酸塩とアルコールとの反応による反応物、または前記亜鉛アルコキシ基含有化合物とカルボキシル基含有化合物との反応による反応物として、酸化亜鉛が生成されるまでの任意の段階の状態(酸化亜鉛の生成が認められる前の状態)の反応中間体であり、生成される酸化亜鉛に対する前駆体(酸化亜鉛前駆体)である。すなわち、予備反応物は、前述した各原料のいずれでもなく、生成される酸化亜鉛でもない、酸化亜鉛前駆体である。このような予備反応物は、例えば、各原料を混合するだけで直ちに得られるか、各原料の混合物を緩やかな高温状態(酸化亜鉛が得られる温度よりも低い温度である状態)にすることにより得られる。
【0031】
前記混合系は、ペースト状、懸濁液状、溶液状などの流動性のある液状であることが好ましく、必要に応じて、出発原料として反応溶媒をも用いるようにしてもよい。具体的には、各原料の一部または全部を混合するにあたり、あるいは、これら原料からなる混合系を高温状態にするにあたり、さらに反応溶媒を加えた上で行うようにすればよい。
前記反応溶媒をも用いる場合、その使用量については、特に限定はないが、経済的に酸化亜鉛を得ることを考慮すると、亜鉛化合物(亜鉛カルボン酸塩または亜鉛アルコキシ基含有化合物)の使用量が、該反応溶媒を含めた全重量に対して0.1〜50重量%となるようにすることが好ましい。
【0032】
前記反応溶媒としては、水以外の溶媒、すなわち、非水溶媒が好ましい。非水溶媒としては、例えば、エチルベンゼン、オクタン、キシレン類、シクロヘキサン、シクロヘキシルベンゼン、ジメチルナフタレン、スチレン、ソルベントナフサ、デカリン、デカン、テトラリン、ドデシルベンゼン、トルエン、メチルシクロヘキサン、メチルシクロペンタン、流動パラフィン等の炭化水素系溶媒;各種ハロゲン化炭化水素系溶媒;組み合わせAにおいて前述したアルコール等のアルコール(フェノール類や、多価アルコールおよびその誘導体で水酸基を有する化合物なども含む)系溶媒;アニソール、エピクロロヒドリン、エポキシブタン、クラウンエーテル類、ジイソアミルエーテル、ジエチルアセタート、ジオキサン、ジグリシジルエーテル、ジフェニルエーテル、ジブチルエーテル、ジベンジルエーテル、ジメチルエーテル、メチル−t−ブチルエーテル等のエーテルもしくはアセタール系溶媒;アセチルアセトン、アセトアルデヒド、アセトフェノン、アセトン、イソホロン、エチル−n−ブチルケトン、ジアセトンアルコール、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ジ−n−プロピルケトン、ホロン、メシチルオキシド、メチル−n−アミルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、メチルシクロヘキサノン、メチル−n−ヘプチルケトン等のケトンもしくはアルデヒド系溶媒;アジピン酸ジエチル、アセチルクエン酸トリエチル、アセト酢酸エチル、アビエチン酸メチル、安息香酸ベンジル、安息香酸メチル、イソ吉草酸イソアミル、イソ吉草酸エチル、ギ酸プロピル、クエン酸トリブチル、ケイ皮酸メチル、酢酸2−エチルヘキシル、酢酸シクロヘキシル、酢酸n−ブチル、酢酸ベンジル、酢酸メチル、酢酸メチルシクロヘキシル、サリチル酸ベンジル、サリチル酸メチル、シュウ酸ジブチル、酒石酸ジエチル、ステアリン酸エチル、ステアリン酸ブチル、セバシン酸ジオクチル、セバシン酸ジブチル、炭酸ジフェニル、炭酸ジメチル、乳酸ブチル、乳酸メチル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジメチル、γ−ブチロラクトン、プロピオン酸ブチル、プロピオン酸ベンジル、プロピオン酸メチル、ホウ酸エステル類、マレイン酸ジオクチル、マロン酸ジメチル、酪酸イソアミル、酪酸メチル、リン酸エステル類等のエステル系溶媒;エチレンカーボナート、エチレングリコールジアセタート、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセタート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセタート、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールジアセタート、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジベンゾエート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセタート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセタート、トリエチレングリコールジ−2−エチルブチラート、トリエチレングリコールジメチルエーテル、ポリエチレングリコール脂肪酸ジエステル、両末端に水酸基を有しないポリ(オキシエチレン−オキシプロピレン)誘導体等の多価アルコール類のすべての水酸基の活性水素がアルキル基やアセトキシ基で置換された誘導体化合物;カルボン酸およびその無水物;シリコーン油、鉱物油;等を挙げることができる。特に、出発原料として亜鉛カルボン酸塩とアルコールとの組み合わせを採用する場合には、必須の出発原料であるアルコールとして用いられるアルコールを溶媒とすることが好ましい。
【0033】
前記製造方法において、特に好ましい形態としては、酸化亜鉛を生成させる際に、a)α−ヒドロキシカルボン酸および/またはβ−ヒドロキシカルボン酸、b)βジオール、c)βジオールと炭素数4以上のアルコールとから得られるモノアルキルエーテル類、から選ばれる少なくとも1種を、原料として用いる亜鉛化合物(亜鉛カルボン酸もしくは亜鉛アルコキシ化合物)中の亜鉛原子に対して、0.001倍モル以上、好ましくは0.01倍モル以上存在させる形態が挙げられる。特に、前記a)を選択する場合は、亜鉛化合物中の亜鉛原子に対して0.001〜0.1倍モル、特に0.01〜0.05倍モル、前記b)を選択する場合は、亜鉛化合物中の亜鉛原子に対して0.1〜5倍モル、特に0.5〜2.5倍モル、前記c)を選択する場合は、亜鉛化合物中の亜鉛原子に対して1〜20倍モルとするのがよい。また、前記βジオールとしては、具体的には、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,2−ブタンジオールが好ましく挙げられる。なお、これらa)〜c)は、前述した反応溶媒として存在していてもよいし、出発原料のいずれかとして存在していてもよいし、反応溶媒および出発原料とは別に別途添加して存在させるようにしてもよい。
【0034】
前記製造方法において、酸化亜鉛を生成させる際には、前記混合系に含まれる水分は少ない方が、得られる酸化亜鉛の欠陥が少なくなるため好ましい。具体的には、亜鉛カルボン酸塩とアルコールとの組み合わせを原料とする場合には、前記混合系中の水分/亜鉛カルボン酸塩中の亜鉛原子(モル比)が4未満のわずかな水分しか含有しないことが好ましく、前記モル比が1未満であるとさらに好ましく、0.5未満であると特に好ましい。一方、亜鉛アルコキシ基含有化合物とカルボキシル基含有化合物との組み合わせを原料とする場合には、前記混合系中の水分/亜鉛アルコキシ基含有化合物中の亜鉛原子(モル比)が1未満のわずかな水分しか含有しないことが好ましく、前記モル比が0.2未満であるとさらに好ましく、0.1未満であると特に好ましい。
【0035】
前記混合系を高温状態にするとは、前記混合系の温度を常温よりも高い温度(酸化亜鉛が生成する温度)にまで昇温することである。高温状態の温度(酸化亜鉛が生成する温度)は、通常50℃以上であり、結晶性の高い酸化亜鉛を得るためには、100℃以上が好ましい。また、その上限は、得られる薄膜のMCD特性を考慮すると、200℃以下とすることが好ましく、150℃以下とすることがより好ましい。
前記混合系を高温状態にする際の具体的な昇温手段(予備反応物を得る場合に緩やかな高温状態にする際の昇温手段も含む)としては、ヒーター、温風や熱風による加熱が一般的であるが、これに制限されるものではなく、例えば、紫外線照射による加熱などの手段を採用することもできる。
【0036】
前記製造方法における好ましい形態としては、酸化亜鉛の生成を加圧下での加熱により行わせるのがよい。具体的には、例えば、ゲージ圧で0.1MPa以上の圧とすることが好ましい。
前記製造方法において、前記混合系(前記混合物および/または前記予備反応物)を得る際の混合と、前記混合系を高温状態にする際の昇温(予備反応物を各原料の混合と、さらに緩やかな高温状態にすることとで得る場合において、緩やかな高温状態にする際の昇温も含む)とは、別々に行っても、同時(一部同時も含む)に行ってもよく、特に限定はされない。具体的には、例えば、1)各原料を混合した後、該混合物を所定温度に昇温する、2)アルコールもしくはカルボキシル基含有化合物を所定温度に昇温しておき、該温度を維持しながら、これにその他の原料を混合する、3)反応溶媒と亜鉛カルボン酸塩もしくは亜鉛アルコキシ基含有化合物とを混合して所定温度に昇温しておき、該温度を維持しながら、これにその他の原料を混合する、4)各原料を別々に所定温度に昇温しておいた後、これらを混合する、等が好ましく挙げられる。
【0037】
前記製造方法においては、生成する酸化亜鉛を基材の表面に膜として定着させて、薄膜を得るようにする。具体的には、前記混合系を基材に接触させ、この接触系を高温状態にすることにより、酸化亜鉛を生成させるようにする方法(以下、「方法I」とする)、前記混合系を高温状態にしながらか、または、高温状態にしておいて前記基材の表面に塗布するようにする方法(以下、「方法II」とする)、などによって容易に得ることができる。前記方法Iによる場合、さらに詳しくは、前記接触系を高温状態にすることを、前記混合系を前記基材の表面に塗布しておいて前記基材を高温状態にする方法(以下、「方法I−1」とする)、前記基材を前記混合系に漬けておいて高温状態にする方法(以下、「方法I−2」とする)のいずれかで行うようにすればよい。方法I−1と方法IIとは、前記混合系を基材の表面に塗布する方法であり、方法I−1では塗布後に、方法IIでは塗布前もしくは塗布中に、混合系を高温状態にすることにより、基材の表面に酸化亜鉛を定着させ薄膜を得る方法である。一方、方法I−2は、前記混合系に基材を浸漬した状態で該混合系を高温状態にすることにより、基材の表面に酸化亜鉛を析出させ成長させて、基材表面に酸化亜鉛を定着させ薄膜を得る方法である。以下、方法I−1と方法IIとを塗布法として、方法I−2を浸漬法として、それぞれ説明する。
【0038】
前記塗布法において、方法I−1では前記混合系の基材へ塗布後に、方法IIでは前記混合系の基材へ塗布前もしくは塗布中に、混合系を高温状態にするものであり、混合系を得る際の混合、高温状態とする際の昇温、および基材への塗布のタイミングについては、特に制限はない。但し、前記混合系が予備反応物を含む場合、予備反応物は常温で長時間溶解状態で存在し難い場合があるため、予備反応物を得たあとは、速やかに該混合系を基材に塗布することが好ましい。また、方法IIと方法I−1を組み合わせる形態も好ましく、塗布前または塗布中に昇温した混合系を基材に塗布した後、さらに該基材を昇温することが好ましい。
【0039】
方法IIのうち、前記混合系の基材へ塗布中に、混合系を高温状態にする形態の具体例としては、例えば、混合系を、基材の塗布部分に直結する加熱されたパイプに通して加熱し、塗布する形態や、混合系を、ロールコーターのパン中で加熱し、加熱された状態のまま基材に塗布する形態、などが挙げられるが、特にこれらに限定はされない。方法IIのうち、前記混合系の基材へ塗布前に、混合系を高温状態にする形態の具体例としては、例えば、混合系を、(耐圧)回分式反応装置などを用いて加熱しておき、基材に塗布する形態、などが挙げられるが、特に限定されるわけではない。
【0040】
前記塗布法を採用する場合であって前記混合系に反応溶媒を含む場合には、反応溶媒として、常圧における沸点が酸化亜鉛の生成する温度(高温状態にする際の温度)よりも高い反応溶媒を選択することが好ましい。これにより、酸化亜鉛含有率が高い薄膜が容易に得られる。また、この場合、反応溶媒の含有量は、混合系中の亜鉛に対するモル比で、等モル以上であることが好ましく、より好ましくは2倍モル以上である。また、前記塗布法を採用する場合であって前記混合系に反応溶媒を含む場合には、反応溶媒として、水と共沸し得る非水溶媒を選択することが好ましい。これにより、緻密な酸化亜鉛層を、より低温で容易に形成することができる。この場合、反応溶媒の含有量は、混合系中の亜鉛に対するモル比で、等モル以上であること好ましく、より好ましくは2倍モル以上、さらに好ましくは5倍以上である。なお、塗布法においては、加熱により、酸化亜鉛層が形成されるとともに、反応溶媒等を揮発させ除去させることができる。
【0041】
前記塗布法において、混合系を基材に塗布する際の方法としては、特に制限はなく、具体的には、例えば、バーコーター法、ロールコーター法、ナイフコーター法、ダイコーター法、スピンコート法、ディッピング法などの従来公知の方法を採用すればよい。
前記塗布法において、高温状態とする際には、基材のみを昇温してもよいし、塗布面のみを昇温するようにしてもよいし、基材および塗布面の両方を昇温してもよく、特に限定はされない。
前記塗布法において、方法IIと方法I−1を組み合わせる形態を採用する場合、塗布前または塗布中に高温状態とする際の温度は、予備反応物を生成させる程度の温度が好ましく、具体的には、50℃以上でかつ塗布後に高温状態とする際の温度以下であることが好ましい。
【0042】
前記塗布法においては、高温状態にする際の昇温時間は、特に限定されるわけではなく、具体的には、10秒〜1時間が好ましいが、結晶性を高めたり基材との密着性を高めるなどといった目的で、さらに昇温して熟成させてもよい。熟成の際の温度や時間、昇温手段については、特に限定はなく、適宜選択すればよい。
前記塗布法は、連続層、特に、表面の平滑性が高くかつ緻密な連続層の酸化亜鉛層を得る場合に好適である。
前記浸漬法においては、酸化亜鉛の生成が完全に終わるまでに、好ましくは酸化亜鉛の生成反応を開始させるまでに、基材を前記混合系に漬けておけばよく、混合系を得る際の混合、高温状態とする際の昇温、および基材の浸漬のタイミングについては、特に制限はない。但し、前記混合系が予備反応物を含む場合、予備反応物は常温で長時間溶解状態で存在し難い傾向があるため、予備反応物を得たあとは、速やかに該混合系に基材を浸漬することが好ましい。
【0043】
前記浸漬法においては、通常用いられている装置を使用することができるが、基材を固定する機能を備えたものが好ましい。例えば、基板(基材)ホルダーを設置してなる回分式反応装置を使用することができる。撹拌の有無や、撹拌条件は特に限定されず、適宜選択すればよい。
前記浸漬法において、高温状態にする際には、基材を漬けている状態で混合系全体を昇温するようにしてもよいし、基材を漬けている状態で基材のみを選択的に昇温するようにしてもよいが、基材のみを選択的に昇温する方が、基材表面での反応が選択的に起こりやすく、基材表面に密着性の高い酸化亜鉛層が形成されやすいため好ましい。
【0044】
前記浸漬法は、不連続層や多孔質構造を有する連続層の酸化亜鉛層を得る場合に好適である。但し、高温状態にする際の温度や原料の種類によって、膜のマクロな構造(連続層か不連続層か、または、緻密性に優れているか多孔質であるか、など)や、結晶構造(結晶子の大きさや形状など)を制御することができる。
前記基材としては、その材質は、特に限定されるわけではなく、具体的には、例えば、酸化物、窒化物、炭化物などのセラミックス、ガラス等の無機物;PET、PBT、PENなどのポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエーテルサルフォン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリイミド樹脂、アモルファスポリオレフィン樹脂、ポリアリレート樹脂、アラミド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、(メタ)アクリル樹脂、PVC樹脂、PVDC樹脂、PVA樹脂、EVOH樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、PTFE、PVF、PGF、ETFEなどのフッ素樹脂、エポキシ樹脂、ポリオレフィン樹脂等の各種樹脂や、これら各種樹脂にアルミ、アルミナ、シリカなどを蒸着した加工品等の有機物;各種金属類;等が好ましく挙げられる。また、その形態は、具体的には、例えば、フィルム状、シート状、板状、繊維状、積層体状などが挙げられるが、特に限定はされない。また、前記基材は、機能的には、特に限定はされず、具体的には、光学的には透明、不透明;電気的には絶縁体、導電体、p型またはn型の半導体あるいは誘電体;磁気的には磁性体、非磁性体;など目的に応じて選択される。
【0045】
本発明の酸化亜鉛薄膜は、例えば、(光)キャリア誘起強磁性体等の(希薄)磁性半導体機能膜、透明導電膜、帯電防止膜、発光体膜、紫外線吸収膜、高屈折率膜、反射防止膜、赤外線反射・吸収膜、熱線反射・吸収膜、太陽電池用電子伝導膜、圧電薄膜、光弾性波素子膜などとして、また、これら膜をPET等の高分子フィルムやシート、ガラス等の基材上に形成してなる機能性フィルム、機能性シート、機能性ガラスとして、表示素子、記録・記憶素子、情報伝送等の光電子材料分野、省エネ・環境分野などの各種産業分野において有用である。
【0046】
【実施例】
以下に、実施例により、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。なお、以下では、便宜上、「重量部」を単に「部」と記すことがある。
下記実施例で得られた被着体の分析は、以下のようにして行った。
(薄膜X線回折による膜の結晶性の評価)
装置としてRigakuRAD−rX(薄膜測定用アタッチメント使用)を用い、出力は55kV,180mAとし、X線入射角0.5度(必要に応じて0.5〜0.2度の範囲で設定)に固定して2θは3〜100°の範囲、走査速度2θとして2°/分の条件で走査して、被着体について、薄膜X線回折測定を行い、得られたX線回折パターンより判定、評価した。
【0047】
(膜の組成解析)
被着体における膜の組成(金属成分の種類、含有比、酸化物含有量、有機基の有無、同定、定量)は、被着体について、ESCA測定(装置;Shimadzu,KratosAXIS-His(島津製作所製))、GC−MS分析装置に直桔した昇温脱離分析、イオンクロマト分析、元素分析、TG−DTAの各種分析を行うことによって判定、評価した。なお、被着体のままで分析を充分に行うことができない場合は、基板から膜を剥離して、剥離した膜について分析した。
(膜厚)
被着体をガラスカッターで垂直に切断し、その切断面をSEMにて観察し、SEM像によって膜厚を測定した。
【0048】
(磁気円二色性)
常温にて、磁場(15kOe)を被着体の膜の面に垂直方向(厚み方向)に印加し、磁場を印加した状態で、被着体に、右回り偏光、左回り偏光を周期的に交互に照射(波長範囲320〜400nm)して透過率TrおよびTlを測定した。なお、測定には下記の装置および測定条件を用いた。
装置:円二色性分散計J−720W(日本分光社製)
測定条件:バンド幅2mm、測定範囲320〜400nm、データ取り込み間隔0.2nm、走査速度50nm/分
そして、波長370nmにおける値を代表値として、波長370nmにおけるTr(370)とTl(370)との差の絶対値をΔTとし、波長370nmにおけるTr(370)とTl(370)の平均値をTとして、下記式によりMCD強度を求め、下記の基準で評価した。
【0049】
MCD強度(mdeg/cm・Oe)=[ΔT(370)/T(370)]/[L・H]
ここで、[ΔT(370)/T(370)](単位mdeg)
L:被着体の膜厚(単位cm)
H:印加磁場(単位Oe)
ランクA;MCD強度≧100
ランクB;50≦MCD強度<100
ランクC;10≦MCD強度<50
ランクD;MCD強度<10
(炭素含有量)
Shimadzu,KratosAXIS-His(島津製作所製)によりESCA測定を行い、Znのピーク強度とCのピーク強度より炭素含有量(C/Zn(原子%))を求めた。但し、ESCA測定を行うにあたり、被着体の表面をアルゴンによりエッチングし、シリカ換算のエッチング速度で換算した深さが30nmである深さにおける測定値に基づき、酸化亜鉛薄膜の炭素含有量を計算した。
【0050】
(膜の透明性)
被着体のヘイズ値を濁度計(日本電色工業(株)製「NDH−1001 DP」)を用いて測定し、得られた値から基板のヘイズ値を差し引いた値を膜のヘイズ値とし、下記の基準で評価した。
ランクA;膜のヘイズ値≦3%
ランクB;膜のヘイズ値>3%
(紫外線発光特性)
装置として蛍光分光光度計FP750(日本分光社製)を用い、励起光波長280nm、励起バンド幅20nm、蛍光バンド幅3nm、データ取り込み間隔0.5nm、走査速度50nm/分の条件で、常温にて、発光スペクトルを測定した。
【0051】
(分光特性)
積分球付属装置(島津製作所製「ISR−3100」)を試料室に取り付けた磁気分光光度計(島津製作所製「UV−3100」)を用いて、波長範囲300〜800nmにおける分光透過率を測定し、評価した。
(実施例1)
攪拌機、温度計、窒素ガスパージ口(入口と出口)を備えた、外部より加熱し得る耐圧ガラス製反応器に、酢酸亜鉛15部、メタノール125部、乳酸0.15部からなる混合物を仕込み、反応器内を窒素パージした後、該混合物を常温(19℃)より110℃にまで昇温して1分間該温度を維持した。その後、常温まで冷却し、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル125部を添加して、透明溶液を得た。
【0052】
次に、得られた透明溶液を、ガラス基板にバーコーターで塗布した後、150℃の乾燥機中で10分間加熱し、基板上に酸化亜鉛薄膜が付着した被着体を得た。
得られた被着体の分析を行ったところ、薄膜X線回折においてZnOに帰属される回折ピークが確認され、膜中にZnO結晶を含んでいることが確認できた。また、その回析パターンは、回析強度比I(002)/I(101)が1.25、回析強度比I(100)/I(101)が1.25であった。被着体に付着した酸化亜鉛薄膜は常温で磁気円二色性を示し、そのMCD強度はランクBであった。また、被着体に付着した酸化亜鉛薄膜中の炭素含有量はC/Zn=4原子%であった。さらに、該被着体は、常温で382nmにピークトップを有する紫外線発光が観測されるものであった。
(実施例2)
実施例1で得られた被着体を加熱炉に入れて空気中で昇温し、400℃で10分間保持した後、冷却したところ、得られた被着体に付着した酸化亜鉛薄膜のMCD強度はランクCであった。また、被着体に付着した酸化亜鉛薄膜中の炭素含有量はC/Zn=0.1原子%であった。
【0053】
(実施例3)
実施例1と同様の反応器に、酢酸亜鉛30部、メタノール100部、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル100部、乳酸0.3部からなる混合物を仕込み、反応器内を窒素パージした後、該混合物を常温(19℃)より110℃にまで昇温して10分間該温度を維持した。その後、常温まで冷却して、透明溶液を得た。
次に、得られた透明溶液を、石英ガラス基板にバーコーターで塗布した後、150℃の乾燥機中で30分間加熱し、基板上に酸化亜鉛薄膜が付着した被着体を得た。
【0054】
得られた被着体の分析を行ったところ、薄膜X線回折においてZnOに帰属される回折ピークが確認され、膜中にZnO結晶を含んでいることが確認できた。また、その回析パターンは、回析強度比I(002)/I(101)が0.56、回析強度比I(100)/I(101)が0.92であった。また、該被着体に付着した酸化亜鉛薄膜は常温で磁気円二色性を示し、そのMCD強度はランクBであった。また、被着体に付着した酸化亜鉛薄膜中の炭素含有量はC/Zn=4原子%であった。
(実施例4)
実施例1と同様の反応器に、酢酸亜鉛15部、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル250部、エチレングリコール5.1部からなる混合物を仕込み、以下実施例1と同様にして、透明溶液を得た。
【0055】
次に、得られた透明溶液を、石英ガラス基板にバーコーターで塗布した後、120℃の乾燥機中で30分間加熱し、基板上に酸化亜鉛薄膜が付着した被着体を得た。
得られた被着体の分析を行ったところ、薄膜X線回折において図1に示すようにZnOに帰属される回折ピークが確認され、膜中にZnO結晶を含んでいることが確認できた。また、その回析パターンは、回析強度比I(002)/I(101)が0.80、回析強度比I(100)/I(101)が0.94であった。また、該被着体に付着した酸化亜鉛薄膜は常温で磁気円二色性を示し、そのMCD強度はランクAであった。また、被着体に付着した酸化亜鉛薄膜中の炭素含有量はC/Zn=5原子%であった。なお、被着体に付着した膜中の炭素のESCA分析におけるピーク位置およびピーク強度比の解析より、膜中に存在する有機基はアセトキシ基であると判断された。
【0056】
以上の実施例1〜4で得られた被着体に付着した酸化亜鉛薄膜はいずれも、透明性はランクAであり、分光透過率測定による可視光透過率は85%以上であり、380nm付近に紫外線吸収端(吸収が開始する波長を吸収端とする)を有し、これ以下の波長の紫外線を吸収する膜であることが確認された。
【0057】
【発明の効果】
本発明の酸化亜鉛薄膜は、磁性イオンである遷移金属を含有しなくても常温において優れたMCD特性を示すことができ、例えば、キャリアー誘起強磁性、光キャリアー誘起強磁性などの磁性半導体機能を有する希薄磁性半導体膜等として好適に用いることができる。さらに、本発明の酸化亜鉛薄膜は、常温で紫外線によって容易に励起されて紫外線発光を示しうるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例4で得られた被着体の薄膜X線回折パターンである。
Claims (5)
- 亜鉛カルボン酸塩とアルコールとを出発原料とする酸化亜鉛前駆体を基材に塗布する工程を含んで得られる、酸化亜鉛を主成分とする薄膜であって、
そのX線回折パターンが、格子面(002)と格子面(101)の回折強度比I(002)/I(101)≧0.5であるか、および/または、格子面(100)と格子面(101)の回折強度比I(100)/I(101)≧0.8であり、
炭素原子を有する有機基が酸化亜鉛に結合して存在することにより、膜中に存在する炭素原子の合計量が膜中の全Zn量に対して0.01〜10原子%となっている、
ことを特徴とする酸化亜鉛薄膜。 - 亜鉛カルボン酸塩とアルコールとを出発原料とする酸化亜鉛前駆体を基材に塗布する工程を含んで得られる、酸化亜鉛を主成分とする薄膜であって、
常温で磁気円二色性を示し、
炭素原子を有する有機基が酸化亜鉛に結合して存在することにより、膜中に存在する炭素原子の合計量が膜中の全Zn量に対して0.01〜10原子%となっている、
ことを特徴とする酸化亜鉛薄膜。 - 前記酸化亜鉛前駆体が、α−ヒドロキシカルボン酸、β−ヒドロキシカルボン酸および / またはβジオールをさらに含む、請求項1または2に記載の酸化亜鉛薄膜。
- 常温下、波長280nmの光で励起したときに、紫外線域にピークを有する発光が観測される、請求項1から3までのいずれかに記載の酸化亜鉛薄膜。
- 亜鉛カルボン酸塩とアルコールとを出発原料とする酸化亜鉛前駆体を基材に接触または塗布する工程を含み、該酸化亜鉛前駆体がα−ヒドロキシカルボン酸、β−ヒドロキシカルボン酸および / またはβジオールをさらに含む、酸化亜鉛薄膜の製造方法。
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