JP2003268368A - 紫外線発光体および紫外線発光体用酸化亜鉛粒子 - Google Patents

紫外線発光体および紫外線発光体用酸化亜鉛粒子

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 常温下で紫外線光で励起した場合に紫外線領
域の短波長発光をし得る酸化亜鉛粒子を用いてなる発光
体、および、常温下で紫外線光で励起した場合に可視光
の発光を含まず紫外線領域の短波長発光のみを選択的に
可能とする紫外線発光体用酸化亜鉛粒子を提供する。 【解決手段】 本発明の紫外線発光体は、常温下におい
て紫外線光で励起したときに紫外線領域に発光スペクト
ルのピークトップを有し、かつ、アルカリ金属元素およ
び/またはハロゲン元素を実質的に含有しない酸化亜鉛
粒子を用いてなることを特徴とする。本発明の紫外線発
光体用酸化亜鉛粒子は、常温下において紫外線光で励起
したときに紫外線領域に発光スペクトルのピークトップ
を有するが波長0.4〜0.6μm域には発光スペクト
ルのピークトップを有さず、かつ、アルカリ金属元素お
よび/またはハロゲン元素を実質的に含有しないことを
特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、紫外線発光体およ
び紫外線発光体用酸化亜鉛粒子に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、酸化亜鉛粒子は、加硫促進助
剤等のゴム用添加剤、紫外線吸収剤、各種塗料、印刷イ
ンキ、絵の具、ガラス、触媒、医薬品、顔料、フェライ
ト等の原料等に用いられ実用化されており、これら用途
に応じて、乾式法あるいは湿式法により製造されてい
る。一方、酸化亜鉛粒子は、亜鉛と酸素の比を制御した
り、異種金属を固溶化させることによって、青色〜緑色
の蛍光体となることが知られている。また、酸化亜鉛
は、その励起子結合エネルギーの高さゆえ、常温下で、
青色〜紫外域の短波長発光をし得る材料として期待さ
れ、このような短波長発光デバイスは、光メモリーの高
密度化、蛍光体励起用光源、医療応用、環境センサー等
の様々な分野から次世代光情報技術に不可欠なデバイス
として強く要望されていた。さらに、特にこの波長域の
LEDは、長寿命、高効率、低消費電力、小型軽量等の
半導体発光デバイスの特徴を生かして、液晶ディスプレ
イ等の表示素子や蛍光灯等の照明用デバイスとしても強
く期待されていた。しかしながら、これまで実際そのよ
うな特性をもった酸化亜鉛は得られていなかった。
【0003】ところが、近年における単結晶成長技術の
発達によって、特定の方法(MBE法)による特殊な酸
化亜鉛膜の形成が可能となり、薄膜という条件下に限っ
ては、常温下での紫外線領域の発光ならびに誘導放出す
るものが確認された。しかし、上記種々の用途のみなら
ず各種用途での利用価値の高い、粒子状の酸化亜鉛であ
って、常温下で紫外線励起した場合に、酸化亜鉛粒子の
みで上述のような紫外線領域の短波長発光のみを選択的
に可能とし得るもの(紫外線領域のみに発光スペクトル
のピークトップを有するもの)は無かった。また、常温
下で紫外線励起した場合に、紫外線領域の短波長発光を
し得る(紫外線領域に発光スペクトルのピークトップを
有する)酸化亜鉛粒子を用いてなる発光体であって、発
光体自体も紫外線領域の短波長発光をし得る(紫外線領
域に発光スペクトルのピークトップを有する)発光体は
これまで全く提案されていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明の解決
しようとする課題は、常温下で紫外線光で励起した場合
に、紫外線領域の短波長発光をし得る(紫外線領域に発
光スペクトルのピークトップを有する)酸化亜鉛粒子を
用いてなる発光体、および、常温下で紫外線光で励起し
た場合に、可視光の発光を含まず紫外線領域の短波長発
光のみを選択的に可能とする(可視光領域には発光スペ
クトルのピークトップを有さずに紫外線領域のみに発光
スペクトルのピークトップを有する)紫外線発光体用酸
化亜鉛粒子を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決するため鋭意検討を行った。その結果、従来公知の
酸化亜鉛においてよく知られている、いわゆるグリーン
発光(青色〜緑色の発光)は、不純物の存在や酸素欠陥
によるものではないか、また、酸化亜鉛粒子の表面に
は、通常、表面水酸基や配位不飽和な亜鉛原子が存在
し、該粒子表面が粒子内部とはエネルギー準位の異なる
表面準位を形成し得るため、無輻射遷移やグリーン発光
の原因となっているのではないかと推測した。かかる知
見に基づき、本発明者は、酸化亜鉛粒子の組成、結晶
性、表面準位等について上記推測にかかる問題を解消す
るように制御された粒子およびその合成法など検討する
ことにより、上記課題を解決し得る酸化亜鉛粒子を得た
ことを確認して、本発明を完成するに至った。
【0006】また、これまでに全く考えられていなかっ
た新規な紫外線発光体として、常温下で紫外線励起によ
り紫外線領域の短波長発光をし得る酸化亜鉛粒子を用い
てなる紫外線発光体を得、その紫外線領域の発光特性等
を確認して、本発明を完成するに至った。すなわち、本
発明にかかる紫外線発光は、常温下において紫外線光で
励起したときに紫外線領域に発光スペクトルのピークト
ップを有し、かつ、アルカリ金属元素および/またはハ
ロゲン元素を実質的に含有しない酸化亜鉛粒子を用いて
なることを特徴とする。
【0007】また、本発明にかかる紫外線発光体用酸化
亜鉛粒子は、常温下において紫外線光で励起したときに
紫外線領域に発光スペクトルのピークトップを有するが
波長0.4〜0.6μm域には発光スペクトルのピーク
トップを有さず、かつ、アルカリ金属元素および/また
はハロゲン元素を実質的に含有しないことを特徴とす
る。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明にかかる紫外線発光
体および紫外線発光体用酸化亜鉛粒子について詳しく説
明するが、本発明の範囲はこれらの説明に拘束されるこ
とはなく、以下の例示以外についても、本発明の趣旨を
損なわない範囲で適宜実施し得る。 〔紫外線発光体用酸化亜鉛粒子〕本発明にかかる紫外線
発光体用酸化亜鉛粒子(以下、本発明の紫外線発光体用
酸化亜鉛粒子、または、本発明の酸化亜鉛粒子と称する
ことがある。)は、常温下で、紫外線光で励起したとき
に、紫外線領域に発光(蛍光)スペクトルのピークトッ
プを有するが、可視光領域(具体的には、波長0.4〜
0.6μm域)には発光(蛍光)スペクトルのピークト
ップを有しない酸化亜鉛粒子であり、かつ、アルカリ金
属元素および/またはハロゲン元素を実質的に含有しな
い酸化亜鉛粒子である。なお、ピークトップとは、発光
スペクトル全体において単一ピークしかない場合のピー
クや、ピークが複数ある場合の最大ピーク等を指してい
うものではなく、単一でも複数でも発光のピークと判断
できるものは全て含むものとする。
【0009】また、上記アルカリ金属元素とは、周期律
表IA元素であるLi、Na、K、Rb、Cs、Frか
らなる群より選ばれる少なくとも1種を意味し、上記ハ
ロゲン元素とは、周期律表VIIB族元素であるF、C
l、Br、Iのハロゲン元素からなる群より選ばれる少
なくとも1種を意味する。これらの元素を粒子表面また
は内部に含有する酸化亜鉛粒子は、本発明の酸化亜鉛粒
子から除くが、その理由としては、これらの元素は、発
光体素子を構成する他の材料の電子物性等に悪影響を与
えることがあり好ましくないということが挙げられる。
【0010】また、実質的に含有しないとは、たとえ含
有していても、酸化亜鉛粒子の発光特性に悪影響を与え
ない範囲で含有するという意味である。励起源となり得
る上記紫外線光としては、紫外線領域の波長光を発光す
る光源であれば、特に限定はされないが、具体的には、
例えば、ヘリウム−カドミウムレーザー(He−Cdレ
ーザー)、キセノンアークランプ、紫外線ランプなどで
波長360nm以下の発光波長を有し得る短波長紫外線
発光体が好ましく、その他、CRTやFEDで励起源と
して使用される加速電子線、電界発光などで用いられる
励起源も好ましく使用できる。
【0011】詳しくは、例えば、本発明の紫外線発光体
用酸化亜鉛粒子は、常温下(300K)の温度下で、石
英ガラス基板上に試料となる粒子状酸化亜鉛(酸化亜鉛
粒子)を配置し、配置した酸化亜鉛粒子に紫外線光(波
長340nm)を照射した、という条件のもとで、基板
からの発光スペクトル以外に紫外線発光(UV発光)の
ピークトップのみを確認することのできる酸化亜鉛粒子
をいうとする。あるいは、石英ガラス製の分光分析セル
に酸化亜鉛粒子の溶媒分散体を入れ、紫外線光(波長3
40nm)を照射したという条件の下で、セルおよび溶
媒からの発光スペクトル以外に、紫外線発光のピークト
ップのみを確認することのできる酸化亜鉛粒子をいうと
する。
【0012】本発明の酸化亜鉛粒子においては、常温
(300K)の下で確認することのできる紫外線発光
(UV発光)のピークトップの位置(エネルギー)は、
400nm未満(3.1eV超)であり、好ましくは3
79nm以下(3.27eV以上)、より好ましくは3
77nm以下(3.29eV以上)である。また、低温
(液体窒素温度:77K)下で確認することのできる紫
外線発光(UV発光)のピークトップの位置(エネルギ
ー)は、400nm未満(3.1eV超)であり、好ま
しくは372nm以下(3.33eV以上)、より好ま
しくは370nm以下(3.35eV以上)である。
【0013】本発明の酸化亜鉛粒子は、常温下で紫外線
光により励起した場合の発光スペクトルが、可視光領
域、特に、波長0.4〜0.6μm域には、発光ピーク
トップを有しない酸化亜鉛粒子であるが、400nm以
上の波長域全てにおいて発光スペクトルのピークトップ
を全く有しないものであることが好ましい。また、より
好ましくは、液体窒素温度77Kにおいて紫外線光によ
り励起した場合の発光スペクトルが、可視光領域、特
に、波長0.4〜0.6μm域には、発光ピークトップ
を有しないことであり、さらにより好ましくは、温度4
Kにおいて紫外線光により励起した場合の発光スペクト
ルが、可視光領域、特に、波長0.4〜0.6μm域に
は、発光ピークトップを有しないことである。
【0014】本発明の酸化亜鉛粒子は、特に限定はされ
ないが、常温下で紫外線光により励起した場合の発光ス
ペクトルが、実質的に単一のピークからなることが好ま
しく、LOフォノン放出を伴う発光ピークなどのピーク
を有しないことが好ましい。また、より好ましくは、液
体窒素温度77Kにおいて紫外線光により励起した場合
の発光スペクトルが、実質的に単一のピークからなるこ
とであり、さらにより好ましくは、温度4Kにおいて紫
外線光により励起した場合の発光スペクトルが、実質的
に単一のピークからなることである。本発明の酸化亜鉛
粒子は、特に限定はされないが、常温(300K)の下
で確認できる波長400nm未満の発光ピークは、半値
幅が50nm以下であることが好ましく、より好ましく
は30nm以下、さらにより好ましくは20nm以下で
ある。
【0015】また、低温(77K)の下で確認できる波
長400nm未満の発光ピークは、半値幅が30nm以
下であることが好ましく、より好ましくは20nm以
下、さらにより好ましくは10nm以下である。また、
低温(4K)の下で確認できる波長400nm未満の発
光ピークは、半値幅が20nm以下であることが好まし
く、より好ましくは10nm以下、さらにより好ましく
は5nm以下である。本発明の酸化亜鉛粒子は、特に限
定はされないが、波長400nm未満の発光ピークの温
度消光の程度が小さいことが好ましい。つまり、極低温
における励起子による波長400nm未満の発光ピーク
の発光強度およびピークのシャープさが、常温において
も可能な限り保持されることが好ましい。
【0016】具体的には、本発明の酸化亜鉛粒子は、7
7Kにおける波長400nm未満の発光ピークの発光強
度(I(77K))と、300Kにおける波長400n
m未満の発光ピークの発光強度(I(300K))との
比が、 I(300K)/I(77K)>0.1 を満足することが好ましい。上記発光強度の比I(30
0K)/I(77K)は、より好ましくは0.3以上で
ある。また、4Kにおける波長400nm未満の発光ピ
ークの発光強度(I(4K))と、300Kにおける波
長400nm未満の発光ピークの発光強度(I(300
K))との比が、 I(300K)/I(4K)>0.002 を満足することが好ましい。上記発光強度の比I(30
0K)/I(4K)は、より好ましくは0.01以上で
ある。
【0017】なお、上記発光強度の比(発光強度比)を
算出するにあたって、発光強度とは、発光スペクトルの
ピークトップの高さ(a.u.)とそのピークの半値幅
(nm)との積で求まる値である。本発明の酸化亜鉛粒
子は、温度4K〜100Kにおいて、紫外線光により励
起した場合に、発光スペクトルのピークトップの位置
が、常に、より高エネルギー側にあることが好ましく、
具体的には、3.1〜3.44eVの範囲内にあること
が好ましく、より好ましくは3.32eV以上、さらに
より好ましくは3.35eV以上である。
【0018】本発明の酸化亜鉛粒子は、X線回折学的に
酸化亜鉛結晶性を示す酸化亜鉛粒子であることが好まし
い。この酸化亜鉛粒子に対して、粉末X線回折を行い、
シェラー(Scherrer)法(コーシー(Cauc
hy)関数近似)を用いて各格子面に対して垂直方向の
結晶子の大きさDs(hkl)を求めた場合、発光強度
が高い点で、Ds(002)/Ds(100)>1.0
を満足することが好ましく、より好ましくはDs(00
2)/Ds(100)>2.0、さらにより好ましくは
Ds(002)/Ds(100)>3.0、特に好まし
くはDs(002)/Ds(100)>5.0である。
【0019】また、この酸化亜鉛粒子に対して、粉末X
線回折を行い、シェラー(Scherrer)法(コー
シー(Cauchy)関数近似)により測定したミラー
指数(110)面に垂直な方向の結晶子径Ds(11
0)が、50nm未満であることが好ましく、より好ま
しくは20nm未満、さらにより好ましくは10nm未
満である。また、本発明の酸化亜鉛粒子は、酸化亜鉛結
晶の結晶化度が高いことが好ましく、具体的には、90
%以上であることが好ましく、より好ましくは95%以
上である。
【0020】本発明にかかる酸化亜鉛粒子の結晶子形状
は、特に限定されるわけではなく、例えば、球状、楕円
球状、立方体状、直方体状、多面体状、ピラミッド状、
針状、柱状、棒状、筒状、りん片状、(六角)板状等の
薄片状や、過飽和度の高い条件下で結晶の稜や角が優先
的に伸びて生成した樹枝状、骸晶状などを挙げることが
できるが、なかでも、紫外線の発光効率が高い点や、2
次凝集が見られない発光体が得られやすい点で、非球状
であることが好ましい。特に、柱状や針状が好ましく、
なかでも柱状がより好ましい。また、柱状には、その両
端部のうち少なくとも一端部が円錐状または角錐状など
のような突出した形状になっている形態や、一端部が平
面状で他端部が上記突出した形状の形態等も含まれる。
格子面(002)面に垂直な方向に、選択的に成長した
形態が好ましい。すなわち、C軸に平行な結晶面(11
0)面や(100)面の、(002)面に対する表面積
比が大きい粒子が好ましい。ここで、格子面(002)
の形状は任意であり、たとえば、円(粒子の形態は、円
柱状になる)、六角形等の多角形(六角形の場合は、粒
子の形状は六角柱状)であってもよい。
【0021】本発明の酸化亜鉛粒子は、優れた分散性を
有し、2次凝集するものでないことが好ましい、すなわ
ち、結晶子1個で(単結晶体として)分散していること
が好ましい。また、基体(基材)上や基体(基材)中で
2次凝集せずに酸化亜鉛粒子が分散していることが好ま
しい。本発明の酸化亜鉛粒子は、酸化亜鉛結晶性を損な
わない範囲で有機基を含有してもよい。こここでいう有
機基は、酸化亜鉛粒子空気中で10℃/minで昇温し
たときに、200℃以下の温度では脱離しないものをい
い、具体的には、カルボン酸(残)基やアルコキシ基な
どを挙げられる。
【0022】上記カルボン酸(残)基は、−COO−基
を意味し、具体的には、カルボキシル基(−COO
H)、カルボキシレート基(−COO−)、加水分解に
よってカルボキシル基および/またはカルボキシレート
基を生成するエステル基等であることが好ましい。カル
ボン酸(残)基は、吸着および/または化学結合等して
酸化亜鉛粒子の表面に存在することによって、酸化亜鉛
粒子の2次凝集が抑えられ、その分散性が向上する。カ
ルボン酸(残)基としては、飽和脂肪酸(残)基が好ま
しい。上記アルコキシ基としては、脂肪族アルコール、
グリコールエーテルに由来するアルコキシ基が好まし
い。これらのアルコキシ基は、吸着および/または化学
結合等して酸化亜鉛粒子の表面に存在することによっ
て、酸化亜鉛粒子の2次凝集が抑えられ、その分散性が
向上する。
【0023】カルボン酸(残)基の含有量またはアルコ
キシ基の含有量は、好ましくは酸化亜鉛に対し、0.1
〜10重量%であることが好ましく、より好ましくは
0.5〜5重量%である。また、酸化亜鉛粒子は、炭酸
基を含有してもよく、その含有量は、酸化亜鉛に対する
重量比で10%以下、好ましくは3%以下である。本発
明の酸化亜鉛粒子は、発光体における基体(基材)上ま
たは基体(基材)中における分散性を向上する目的で、
後述の製造方法で詳述する表面処理剤で処理されている
ものであってもよい。
【0024】上記本発明の紫外線発光体用酸化亜鉛粒子
を容易に得させる方法として、次のような製造方法を挙
げることができる。すなわち、本発明の紫外線発光体用
酸化亜鉛粒子は、カルボン酸亜鉛塩とアルコールとを含
む混合物を加熱することにより、酸化亜鉛結晶の生成反
応を行い、得ることができる。上記カルボン酸亜鉛塩と
しては、具体的には、分子内にカルボキシル基を少なく
とも1つ有する化合物であり、例えば、飽和モノカルボ
ン酸、不飽和モノカルボン酸、飽和多価カルボン酸、不
飽和多価カルボン酸などの鎖式カルボン酸;環式飽和カ
ルボン酸、芳香族モノカルボン酸、芳香族不飽和多価カ
ルボン酸などの芳香族カルボン酸;分子内にヒドロキシ
ル基、アミノ基、ニトロ基、アルコキシ基、スルホン
基、シアノ基、ハロゲン原子等の官能基または原子団を
有する化合物などの亜鉛塩;などを好ましく用いること
ができるが、特にこれらに限定はされるわけではない。
なかでも、下記一般式(I): Zn(O)p(OCOR)x(OH)y(OR’)z (I) (ただし、Rは、水素原子、アルキル基、シクロアルキ
ル基、アリール基およびアラルキル基から選ばれた少な
くとも1種;R’は、アルキル基、シクロアルキル基、
アリール基およびアラルキル基から選ばれた少なくとも
1種;p、x、yおよびzは、p=(2−x−y−z)
/2、x+y+z≦2、0<x≦2、0≦y<2、0≦
z<2を満たす。)で示される化合物のようにカルボン
酸残基の一部が水酸基で置換されたものや、後述のカル
ボキシル基含有化合物の亜鉛塩や、塩基性酢酸塩、など
好ましく挙げることができる。なお、上記カルボン酸亜
鉛塩は、結晶水を含むカルボン酸亜鉛塩の水和物であっ
てもよいが、無水物であることが好ましい。また、上記
カルボン酸亜鉛塩は、溶解性に富むものが好ましい。こ
れらカルボン酸亜鉛塩は1種のみ用いても2種以上併用
してもよい。
【0025】上記カルボキシル基含有化合物としては、
特に限定はされないが、具体的には、分子内にカルボキ
シル基を少なくとも1つ有する化合物であり、例えば、
ギ酸、酢酸、プロピオン酸、イソ酪酸、カプロン酸、カ
プリル酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルチミン酸、
ステアリン酸等の飽和脂肪酸(飽和モノカルボン酸)、
アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、オレイン酸、
リノレン酸等の不飽和脂肪酸(不飽和モノカルボン
酸)、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、ス
ベリン酸、β,β−ジメチルグルタル酸等の飽和多価カ
ルボン酸、マレイン酸、フマル酸等の不飽和多価カルボ
ン酸等の鎖式カルボン酸類、シクロヘキサンカルボン酸
等の環式飽和カルボン酸類、安息香酸、フェニル酢酸、
トルイル酸等の芳香族モノカルボン酸、フタル酸、イソ
フタル酸、テレフタル酸、ピロメリット酸、トリメリッ
ト酸等の不飽和多価カルボン酸等の芳香族カルボン酸
類、無水酢酸、無水マレイン酸、ピロメリット酸無水物
等のカルボン酸無水物、トリフルオロ酢酸、o−クロロ
安息香酸、o−ニトロ安息香酸、 アントラニル酸、p
−アミノ安息香酸、アニス酸(p−メトキシ安息香
酸)、トルイル酸、乳酸、サリチル酸(o−ヒドロキシ
安息香酸)等の分子内にカルボキシル基以外のヒドロキ
シル基、アミノ基、ニトロ基、アルコキシ基、スルホン
酸基、シアノ基、ハロゲン原子等の官能基または原子団
を有する化合物、アクリル酸ホモポリマー、アクリル酸
−メタクリル酸メチル共重合体等、重合体原料として上
記不飽和カルボン酸を少なくとも1つ有する重合体を挙
げることができる。
【0026】上記アルコールとしては、特に限定はされ
ないが、具体的には、例えば、脂肪族1価アルコール
(メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、
n−ブタノール、t−ブチルアルコール、ステアリルア
ルコール等)、脂肪族不飽和1価アルコール(アリルア
ルコール、プロパギルアルコール等)、脂環式1価アル
コール(シクロペンタノール、シクロヘキサノール
等)、芳香族1価アルコール(ベンジルアルコール、シ
ンナミルアルコール、メチルフェニルカルビトール
等)、フェノール類(複素環式1価アルコール(フルフ
リルアルコール等)等の1価アルコール類;アルキレン
グリコール(エチレングリコール、プロピレングリコー
ル、トリメチレングリコール、1,4−ブタンジオー
ル、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオ
ール、1,8−オクタンジオール、1,10−デカンジ
オール、ピナコール、ジエチレングリコール、トリエチ
レングリコール等)、芳香環を有する脂肪族グリコール
類(ヒドロベンゾイン、ベンズピナコール、フタリルア
ルコール等)、脂環式グリコール類(シクロペンタン−
1,2−ジオール、シクロヘキサン−1,2−ジオー
ル、シクロヘキサン−1,4−ジオール等)、ポリオキ
シアルキレングリコール(ポリエチレングリコール、ポ
リプロピレングリコール等)等のグリコール類;プロピ
レングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコ
ールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ
メチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチル
エーテル、3−メチル−3−メトキシブタノール、エチ
レングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコー
ルモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメ
チルエーテル、エチレングリコールモノアセテート等の
上記グリコール類のモノエーテルおよびモノエステル等
の誘導体;ヒドロキノン、レゾルシン、2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等の芳香族ジオー
ルおよびこれらのモノエーテルおよびモノエステル;グ
リセリン等の3価アルコールおよびこれらのモノエーテ
ル、モノエステル、ジエーテルおよびジエステル等を挙
げることができる。これらアルコールは1種のみ用いて
も2種以上併用してもよい。
【0027】上記カルボン酸亜鉛塩とアルコールとを含
む混合物については、特に限定はないが、アルコールの
量を、上記カルボン酸亜鉛塩の亜鉛換算原子数に対して
モル比で2〜1000とすることが好ましい。上記混合
物はさらに反応溶媒等を含むものであってもよい。反応
溶媒の使用量については、特に限定はないが、具体的に
は、全てのカルボン酸亜鉛塩とアルコールと反応溶媒と
の合計量に対して、全てのカルボン酸亜鉛塩の合計濃度
が0.1〜50重量%となるようにすることが好まし
い。これによって、酸化亜鉛粒子を経済的に得ることが
できる。
【0028】上記反応溶媒としては、水以外の溶媒、す
なわち、非水溶媒が好ましい。非水溶媒としては、例え
ば、炭化水素、各種ハロゲン化炭化水素、アルコール、
エーテルおよびアセタール、ケトンおよびアルデヒド、
エステル、多価アルコール類のすべての水酸基の活性水
素がアルキル基やアセトキシ基で置換された誘導体化合
物、カルボン酸およびその無水物、シリコーン油、鉱物
油等を挙げることができる。本発明の酸化亜鉛粒子を得
る場合は、上記混合物中に、アミンやアンモニア等の含
窒素化合物を含まないことが好ましく、より紫外線発光
性に優れた酸化亜鉛粒子を得ることができる。
【0029】本発明の酸化亜鉛粒子は、前述したよう
に、カルボン亜鉛酸塩とアルコールとを含む混合物を加
熱すること、すなわちカルボン亜鉛酸塩とアルコールと
を加熱接触させること、により得ることができるが、結
晶性の高い酸化亜鉛粒子を得るためには、加熱の温度
は、100〜300℃であることが好ましい。加熱は、
常圧下、加圧下、減圧下のいずれの圧力下で行ってもよ
く、反応溶媒等の沸点が反応温度よりも低い場合は、耐
圧反応装置を用いて行えばよい。通常、反応温度、反応
時の気相圧は、溶媒の臨界点以下で行うが、超臨界条件
で行うこともできる。
【0030】本発明の酸化亜鉛粒子を得る場合、上記混
合物に含まれる水分が少ない方が、得られる酸化亜鉛粒
子の欠陥が少なくなるため好ましい。具体的には、上記
混合物がカルボン酸亜鉛塩中の亜鉛原子に対してモル比
で2未満のわずかな水分しか含有しないことが好まし
く、水分がモル比で1未満であるとさらに好ましく、
0.5未満であると特に好ましい。本発明の酸化亜鉛粒
子を得る場合に、カルボン酸亜鉛塩およびアルコール等
を混合して混合物を得る操作と、その加熱とを行うにあ
たっては、方法としては、特に限定はされないが、具体
的には、例えば、1)カルボン酸亜鉛塩とアルコールと
を含む混合物を得ておいて昇温し加熱する方法、2)加
熱されたアルコールに、カルボン酸亜鉛塩を添加し混合
する方法、3)反応溶媒とカルボン酸亜鉛塩とを加熱し
ておき、これにアルコールを添加し混合する方法、4)
カルボン酸亜鉛塩およびアルコール等の各成分を別々に
加熱しておいて、それぞれを添加し混合する方法、など
を挙げることができる。
【0031】本発明の酸化亜鉛粒子を得るにあたって
は、上述のようにカルボン酸亜鉛塩とアルコールとを含
む混合物を加熱し反応させた後、熟成反応させることが
好ましい。熟成させることにより、結晶性に優れ、紫外
線発光性に優れた酸化亜鉛粒子を得ることができる。熟
成反応では、上記混合物の加熱反応の温度と同等の温度
またはそれ以上の温度で加熱し、熟成させることが好ま
しい。また、上記熟成反応終了時において、得られた反
応物中の水分量が、亜鉛原子に対してモル比で1以下で
あることが好ましく、より好ましくは0.1以下であ
る。
【0032】本発明の酸化亜鉛粒子を得るにあたって
は、上述のようにカルボン酸亜鉛塩とアルコールとを含
む混合物を加熱し反応させた後、あるいは熟成反応を行
った場合は該熟成反応の後、カルボキシル基、アミノ
基、4級アンモニア基、アミド基、イミド結合基、アル
コール性またはフェノール性水酸基、カルボン酸エステ
ル結合基、ウレタン基、ウレイド基、ウレイレン基、イ
ソシアナート基、エポキシ基、リン酸基、金属(アルカ
リ金属を除く)水酸基、金属(アルカリ金属を除く)ア
ルコキシ基、スルホン酸基、チオール基、チオカルボン
酸基からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む原子
団を1個または2個以上有する化合物を添加することが
好ましい。これにより単結晶分散性に優れた酸化亜鉛粒
子とすることができる。また、上記化合物は分子量10
00以下であることが好ましい。
【0033】本発明の紫外線発光体用酸化亜鉛粒子は、
後述する本発明にかかる発光体の材料以外に、従来公知
の酸化亜鉛粒子と同様に、紫外線吸収機能に優れ、屈折
率が高く、超微粒子であり、形状異方性を有する、など
の特徴を活かして、化粧品、紫外線吸収膜、高屈折率
膜、反射防止膜の原料や、フィルムの滑り防止材などの
用途にも用いることができる。 〔紫外線発光体〕本発明にかかる紫外線発光体(以下、
本発明の紫外線発光体、または、本発明の発光体と称す
ることがある。)は、常温下において紫外線光で励起し
たときに紫外線領域に発光スペクトルのピークトップを
有し、かつ、アルカリ金属元素および/またはハロゲン
元素を実質的に含有しない酸化亜鉛粒子を用いてなる紫
外線発光体である。なお、ピークトップとは、発光スペ
クトル全体において単一ピークしかない場合のピーク
や、ピークが複数ある場合の最大ピーク等を指していう
ものではなく、単一でも複数でも発光のピークと判断で
きるものは全て含むものとする。
【0034】また、上記アルカリ金属元素とは、周期律
表IA元素であるLi、Na、K、Rb、Cs、Frか
らなる群より選ばれる少なくとも1種を意味し、上記ハ
ロゲン元素とは、周期律表VIIB族元素であるF、C
l、Br、Iのハロゲン元素からなる群より選ばれる少
なくとも1種を意味する。これらの元素を粒子表面また
は内部に含有する酸化亜鉛粒子は、本発明の酸化亜鉛粒
子から除くが、その理由としては、これらの元素は、発
光体素子を構成する他の材料の電子物性等に悪影響を与
えることがあり好ましくないということが挙げられる。
【0035】また、実質的に含有しないとは、たとえ含
有していても、酸化亜鉛粒子の発光特性に悪影響を与え
ない範囲で含有するという意味である。本発明の紫外線
発光体に用いられる酸化亜鉛粒子としては、常温下で紫
外線光で励起した場合に、少なくとも紫外線領域に発光
スペクトルのピークトップを有するものであればよく、
合わせて可視光領域に発光スペクトルのピークトップを
有するものであってもよい。例えば、フランス法により
得られた酸化亜鉛粒子や、上記本発明にかかる酸化亜鉛
粒子などを好ましく挙げることができるが、より好まし
くは、常温下で紫外線光で励起した場合に、波長0.4
〜0.6μm域に発光スペクトルのピークトップを有し
ないもの、すなわち、常温下で紫外線光で励起した場合
に、紫外線領域のみに発光スペクトルのピークトップを
有するものがより好ましい。具体的には、上記本発明に
かかる酸化亜鉛粒子を用いることが特に好ましい。
【0036】本発明の紫外線発光体に用いる酸化亜鉛粒
子は、粉末X線回折を行い、シェラー(Scherre
r)法(コーシー(Cauchy)関数近似)により測
定したミラー指数(110)面に垂直な方向の結晶子径
Ds(110)が、100nm未満であることが好まし
く、より好ましくは50nm未満、さらにより好ましく
は20nm未満、特に好ましくは10nm未満である。
また、上記本発明の紫外線発光体用酸化亜鉛粒子の説明
において詳述した結晶子構造(Ds(002)/Ds
(100)比)、結晶化度、結晶子形状、分散性、なら
びに、有機基の有無およびその種類などの点で好ましい
酸化亜鉛粒子を用いることが好ましいが、特に限定され
るものではない。
【0037】励起源となり得る上記紫外線光としては、
紫外線領域の波長光を発光する発光源であれば、特に限
定はされないが、具体的には、例えば、ヘリウム−カド
ミウムレーザー(He−Cdレーザー)、キセノンアー
クランプ、紫外線ランプなどで波長360nm以下の発
光波長を有し得る短波長紫外線発光体が好ましく、その
他、CRTやFEDで励起源として使用される加速電子
線、電界発光などで用いられる励起源も好ましく使用で
きる。本発明の紫外線発光体は、少なくとも上記酸化亜
鉛粒子を用いてなるものであればよく、該酸化亜鉛粒子
のみからなる形態であってもよいが、好ましくは透明な
基体(基材)(アルカリハライドを除く)上に配置され
てなる形態や、該基体(基材)(アルカリハライドを除
く)中に分散含有されてなる形態等が好ましい。なお、
酸化亜鉛粒子が、シリカやアクリル樹脂中に分散してな
る膜がガラス上に形成されてなる発光体の場合は、後者
の形態に含まれると考えることができる。
【0038】上記基体としては、特に限定はされない
が、紫外線領域の波長の透過率が高いものが好ましく、
具体的には、分光測光機(島津製作所社製、製品名:自
記分光光度計UV−3100)で測定した場合の透過率
が80%以上ものが好ましい。上記基体の形態として
は、液状であっても固体状であってもよく限定はされな
いが、固体状であることが好ましい。固体状の基体とし
ては、特に限定はされないが、例えば、石英、パイレッ
クス(登録商標)ガラス、テンパックスガラス等の結晶
性または非品質ガラス;酸化物、窒化物、酸窒化物等の
セラミクス;アクリル樹脂、フッソ樹脂、ポリエステル
樹脂、シリコン樹脂、アクリルシリコン樹脂なとの有機
高分子樹脂または有機一無機複合樹脂などが挙げられ
る。なかでも、酸化亜鉛のバンドギャップエネルギー
(3.44eV、波長360nm)よりバンドギャップ
エネルギーの高い基体が好ましく、例えば、石英、アル
ミナ(サファイア)、マグネシア、イットリアなどが挙
げられる。
【0039】上記基体が液状の場合は、酸化亜鉛粒子を
分散させることのできる溶媒を用いればよく、特に限定
はされない。酸化亜鉛粒子を分散させた後、分散体を紫
外線透過率の高い固体セル中に保持させるなどして発光
体とすることが好ましい。酸化亜鉛粒子を分散させるに
あたっては、適宜分散剤を使用することもできる。上述
のように固体セルを用いる場合は、該セルの材質は上記
固体状の基体と同様の材質であることが好ましい。上記
酸化亜鉛粒子を分散させることのできる溶媒としては、
特に限定はされないが、具体的には、例えば、脂肪族1
価アルコール(メタノール、エタノール、イソプロピル
アルコール、n−ブタノール、t−ブチルアルコール、
ステアリルアルコール等)、脂肪族不飽和1価アルコー
ル(アリルアルコール、クロチルアルコール、プロパギ
ルアルコール等)、脂環式1価アルコール(シクロペン
タノール、シクロヘキサノール等)、芳香族1価アルコ
ール(ベンジルアルコール、シンナミルアルコール、メ
チルフェニルカルビトール等)、フェノール類(エチル
フェノール、オクチルフェノール、カテコール、キシレ
ノール、グアヤコール、p−クミルフェノール、クレゾ
ール、m−クレゾール、o−クレゾール、p−クレゾー
ル、ドデシルフェノール、ナフトール、ノニルフェノー
ル、フェノール、ベンジルフェノール、p−メトキシエ
チルフェノール等)、複素環式1価アルコール(フルフ
リルアルコール等)等の1価アルコール類;アルキレン
グリコール(エチレングリコール、プロピレングリコー
ル、トリメチレングリコール、1,4−ブタンジオー
ル、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオ
ール、1,8−オクタンジオール、1,10−デカンジ
オール、ピナコール、ジエチレングリコール、トリエチ
レングリコール等)、芳香環を有する脂肪族グリコール
類(ヒドロベンゾイン、ベンズピナコール、フタリルア
ルコール等)、脂環式グリコール類(シクロペンタン−
1,2−ジオール、シクロヘキサン−1,2−ジオー
ル、シクロヘキサン−1,4−ジオール等)、ポリオキ
シアルキレングリコール(ポリエチレングリコール、ポ
リプロピレングリコール等)等のグリコール類;プロピ
レングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコ
ールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ
メチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチル
エーテル、3−メチル−3−メトキシブタノール、エチ
レングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコー
ルモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメ
チルエーテル、エチレングリコールモノアセテート等の
上記グリコール類のモノエーテルおよびモノエステル等
の誘導体;ヒドロキノン、レゾルシン、2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等の芳香族ジオー
ルおよびこれらのモノエーテルおよびモノエステル;グ
リセリン等の3価アルコールおよびこれらのモノエーテ
ル、モノエステル、ジエーテルおよびジエステル等を挙
げることができる。また、エチルベンゼン、オクタン、
キシレン類、シクロヘキサン、シクロヘキシルベンゼ
ン、ジメチルナフタレン、スチレン、ソルベントナフ
サ、デカリン、デカン、テトラリン、ドデシルベンゼ
ン、トルエン、メチルシクロヘキサン、メチルシクロペ
ンタン、流動パラフィン等の炭化水素;各種ハロゲン化
炭化水素;アニソール、エピクロロヒドリン、エポキシ
ブタン、クラウンエーテル類、ジイソアミルエーテル、
ジエチルアセタート、ジオキサン、ジグリシジルエーテ
ル、ジフェニルエーテル、ジブチルエーテル、ジベンジ
ルエーテル、ジメチルエーテル、メチル−t−ブチルエ
ーテル等のエーテルおよびアセタール;アセチルアセト
ン、アセトアルデヒド、アセトフェノン、アセトン、イ
ソホロン、エチル−n−ブチルケトン、ジアセトンアル
コール、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ジ−
n−プロピルケトン、ホロン、メシチルオキシド、メチ
ル−n−アミルケトン、メチルイソブチルケトン、メチ
ルエチルケトン、メチルシクロヘキサノン、メチル−n
−ヘプチルケトン等のケトンおよびアルデヒド;アジピ
ン酸ジエチル、アセチルクエン酸トリエチル、アセト酢
酸エチル、アビエチン酸メチル、安息香酸ベンジル、安
息香酸メチル、イソ吉草酸イソアミル、イソ吉草酸エチ
ル、ギ酸プロピル、クエン酸トリブチル、ケイ皮酸メチ
ル、酢酸2−エチルヘキシル、酢酸シクロヘキシル、酢
酸n−ブチル、酢酸ベンジル、酢酸メチル、酢酸メチル
シクロヘキシル、サリチル酸ベンジル、サリチル酸メチ
ル、シュウ酸ジブチル、酒石酸ジエチル、ステアリン酸
エチル、ステアリン酸ブチル、セバシン酸ジオクチル、
セバシン酸ジブチル、炭酸ジフェニル、炭酸ジメチル、
乳酸ブチル、乳酸メチル、フタル酸ジオクチル、フタル
酸ジメチル、γ−ブチロラクトン、プロピオン酸ブチ
ル、プロピオン酸ベンジル、プロピオン酸メチル、ホウ
酸エステル類、マレイン酸ジオクチル、マロン酸ジメチ
ル、酪酸イソアミル、酪酸メチル、リン酸エステル類等
のエステル;エチレンカーボナート、エチレングリコー
ルジアセタート、エチレングリコールジエチルエーテ
ル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、エチレ
ングリコールジブチルエーテル、エチレングリコールジ
メチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテ
ルアセタート、エチレングリコールモノブチルエーテル
アセタート、ジエチレングリコールエチルメチルエーテ
ル、ジエチレングリコールジアセタート、ジエチレング
リコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブ
チルエーテル、ジエチレングリコールジベンゾエート、
ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレング
リコールモノエチルエーテルアセタート、ジエチレング
リコールモノブチルエーテルアセタート、トリエチレン
グリコールジ−2−エチルブチラート、トリエチレング
リコールジメチルエーテル、ポリエチレングリコール脂
肪酸ジエステル、両末端に水酸基を有しないポリ(オキ
シエチレン−オキシプロピレン)誘導体等の多価アルコ
ール類のすべての水酸基の活性水素がアルキル基やアセ
トキシ基で置換された誘導体化合物;カルボン酸および
その無水物や、シリコーン油、鉱物油等も同様に挙げる
ことができる。
【0040】上記基体が固体状の場合は、酸化亜鉛粒子
が固体マトリクス中に分散されてなるものが好ましく、
酸化亜鉛粒子を分散させてなる膜がさらに別の基体上に
形成されてなるものや、酸化亜鉛粒子を分散させてなる
シート状のもの(単独)でもよく、特に限定はされな
い。上記酸化亜鉛粒子を分散させてなる膜は、好ましく
は、通常、酸化亜鉛粒子とバインダーとを含む塗料を塗
布して得られる。バインダーとしては、特に限定はされ
ないが、具体的には、例えば、アクリル樹脂、ポリエス
テル樹脂、フッソ樹脂など従来公知の有機樹脂バインダ
ー;アルカリケイ酸塩、シリコンアルコキシド等の有機
金属化合物の(部分)加水分解縮合物;ポリシラザンな
どの無機樹脂バインダー;アクリルシリコン等の有機無
機複合バインダー;などが使用できる。また、上記酸化
亜鉛粒子を分散させてなるシートは、特に限定はされな
いが、具体的には、酸化亜鉛粒子を溶融混練等の方法で
樹脂中に分散させてシート状に成形してなるものが好ま
しい。
【0041】本発明の紫外線発光体は、その発光特性
は、上記特定の酸化亜鉛粒子と同様であることが好まし
い。本発明の紫外線発光体は、紫外線励起により上記の
紫外線発光をするフォトルミネッセンス素子に限らず、
励起源が紫外線以外の、例えば、電子線(カソードルミ
ネッセンス素子)、電界印加によるキャリア注入(キャ
リア注入発光素子)を励起源とする、各種の励起機構に
よる紫外線発光体としても応用できるものである。ま
た、本発明の紫外線発光体は、発光波長が有用なRGB
蛍光体の励起波長にマッチしていることから、蛍光体の
2次励起源(波長変換体)としての使用も可能である。
【0042】本発明の紫外線発光体は、例えば、DVD
のピックアップ用半導体レーザー、バーコードスキャナ
ー等の光記録材料分野、光増幅器の励起光源用半導体レ
ーザーなどの光情報伝送分野、などにおける、短波長光
源材料としてフォトルミネッセンス素子、カソードルミ
ネッセンス素子、キャリア注入発光素子などの形態で応
用できる。また、波長変換体としては、PDP、FE
D、蛍光灯の励起源の波長変換体としても有用である。
本発明の紫外線発光体がフォトルミネッセンス素子の場
合は、上記特定の酸化亜鉛粒子を基体となる紫外線透過
性を有するマトリックス基板中に分散させたもの、上記
特定の酸化亜鉛粒子を基体上に存在させたもの、およ
び、上記特定の酸化亜鉛粒子を蛍光体層の励起光入射側
に配置したものなどであればよく、励起源として所望の
波長光を照射し得る光源などを用いればよい。フォト−
フォトデバイスとしての各種装置として用いることがで
き、例えば、光ポンピングレーザーなどとして利用する
ことができる。
【0043】本発明の紫外線発光体が波長変換素子の場
合は、上記特定の酸化亜鉛粒子を基体となる紫外線透過
性を有するマトリックス基板中に分散させたもの、上記
特定の酸化亜鉛粒子を基体上に存在させたもの、およ
び、上記特定の酸化亜鉛粒子を蛍光体層の励起光入射側
に配置したものなどであればよい。波長変換素子として
は、好ましくは、上述の従来の短波長光源を直接に励起
源として用いるよりも、本発明の発光体を励起光変換体
として用いることにより、蛍光体の発光効率が高くなる
場合に特に有効であり、例えば、本発明の発光体の発光
ピークトップ位置の3.1〜3.44eVに励起スペク
トルを有する蛍光体を励起する場合に用いることができ
る。このようなRGB蛍光体としては、例えば、Zn
O:Cu,Al緑色蛍光体、Y22S:Eu3+赤色蛍光
体、(Sr,Ca,Ba,Mg)10(PO46Cl2
Eu2+青色蛍光体等が挙げられる。蛍光灯におけるHg
からの紫外線(253.7nm)の変換素子、PDP用
のキセノン共鳴線(147nm)の変換素子として利用
することができる。
【0044】本発明の紫外線発光体がカソードルミネッ
センス素子の場合は、上記特定の酸化亜鉛粒子を基体と
なる紫外線透過性を有するマトリックス基板中に分散さ
せたもの、上記特定の酸化亜鉛粒子を基体上に存在させ
たもの、および、上記特定の酸化亜鉛粒子を蛍光体層の
励起光入射側に配置したものなどであればよく、励起源
として加速電子線を放射し得るものなどを用いればよ
い。加速電子線を放射することで紫外線を発光させるこ
とができ、例えば、蛍光灯における紫外線発光源とし
て、水銀の代替材料として使用することもできる。本発
明の紫外線発光体がキャリア注入発光素子の場合は、上
記特定の酸化亜鉛粒子を、基体となるp型半導体の基板
(裏面に電極形成してなる基板)上に配しさらに酸化亜
鉛粒子表面に透明電極を備えたものなどであればよく、
励起源として上記電極から電圧を印加できるものなどを
用いればよい。また、酸化亜鉛粒子は、上記基板上に連
続体として配されても不連続体として配されてもよい。
上述の光記録材料分野や光情報伝送分野などにおける紫
外線発光レーザーダイオードとして利用することが期待
される。
【0045】
〔ZnO微粒子の調製〕
−調製例1− 撹拌機、温度計、留出ガス出口、添加口、窒素ガス導入
口を備えた、外部より加熱し得る耐圧ハステロイ製反応
器からなる反応装置を用意した。
【0046】添加口よりメタノール384部、酢酸亜鉛
220部を順次添加し、撹拌することによって混合物
(1)を得た。反応器内の気相部を窒素ガスでパージし
た後、密閉状態で混合物(1)を撹拌しながら昇温し、
液温150℃、気相部圧1.3MPa(ゲージ圧)に達
してから150℃±10℃で1時間加熱保持した。加熱
終了後、冷却し、白色の微粒子濃度16重量%の反応液
(1)を得た。得られた酸化亜鉛粒子の反応液(1)
を、冷却器に直結した留出口、撹拌機、滴下槽に直結し
た滴下口を備えた、熱媒により外部加熱可能なステンレ
ス製反応器に仕込み、撹拌しながら加熱昇温し、反応液
の溶媒を留去することにより、粒子濃度20wt%まで
濃縮した濃縮液を得た。濃縮液をさらに加熱しながら滴
下口よりキシレンをフィードし、濃縮液中の溶媒をキシ
レンに置換することによって、酸化亜鉛粒子が12重量
%で分散してなるキシレン分散体(1)を得た。なお、
該酸化亜鉛粒子濃度は、キシレン分散体をアルミカップ
に秤量し、120℃で1時間真空乾燥したときの不揮発
分重量を測定することによって求めた。
【0047】得られたキシレン分散体(1)中の酸化亜
鉛粒子に関して、以下(1)〜(3)に示す方法および
基準により解析した結果を表2および表3に示す。 (1)キシレン分散体(1)を70℃で24時間、真空
乾燥器で乾燥することによって、粒子粉末(1)を得
た。 (2)得られた粒子粉末(1)に関し、X線回折(XR
D)測定によって、結晶化度、結晶子径を求めた。同時
に、異種金属含有の有無、ハロゲン含有の有無、ならび
に、有機基およびその結合量を求めた。 結晶化度、結晶子径Ds(hkl) 粉末(1)の粉末X線回折測定により評価した。
【0048】結晶子径については、シェラー法(Cau
chy関数近似による)によって得られる各回折面(h
kl)に対して垂直な方向の結晶子径Ds(hkl)
と、ウィルソン解析による結晶子径とを測定した。 異種金属含有の有無 粉末試料の蛍光X線分析により測定した。 ハロゲン含有の有無 粉末試料の蛍光X線分析により測定した。 含有有機基の有無(カルボン酸基の有無およびその種
類、ならびに、その結合量(wt%/ZnO)) 粉末試料を120℃で1時間真空乾燥した後、TG−D
TA解析とイオンクロマト法により求めた。
【0049】(3)また、TEM像とXRD測定結果よ
り、微粒子形状については、キシレン分散体(1)中の
酸化亜鉛粒子は、面指数(002)面からなる多角形の
底面を有し、該底面に垂直な結晶軸(C軸)方向に異方
成長したピストル弾状の超微粒子であること、また、キ
シレン分散体(1)中の酸化亜鉛粒子の分散性について
は、各粒子は単結晶からなる1次粒子が2次凝集なく分
散したものであること、が確認された。結晶性は、粒子
粉末(1)の粉末X線回折測定により得られた回折パタ
ーンより評価した。なお、表3では、上記分散状態は、
下記基準による評価で示した。
【0050】 ○:全ての粒子が1次粒子(単結晶)の状態で2次凝集
なく分散。 △:一部の粒子が2次凝集しているが、その他は1次粒
子(単結晶)の状態で分散。 −調製例2〜4− 調製例1と同様の反応装置および操作により、表1に示
す混合物原料を用いて混合物(2)〜(4)を得、これ
ら混合物(2)〜(4)を、表1に示す加熱温度および
加熱時間にする以外は調製例1と同様の操作により、反
応液(2)〜(4)を得た。
【0051】そしてこれら反応液(2)〜(4)を調製
例1と同様の操作により、それぞれ酸化亜鉛粒子が12
重量%の濃度で分散してなるキシレン分散体(2)〜
(4)を得た。該酸化亜鉛粒子濃度は、調製例1と同様
の方法により測定した。得られたキシレン分散体(2)
〜(4)中の酸化亜鉛粒子に関して、調製例1と同様に
解析した結果を表2および表3に示す。
【0052】
【表1】
【0053】
【表2】
【0054】
【表3】
【0055】〔酸化亜鉛粒子の発光特性の評価〕 −実施例1− 調製例1で得られたキシレン分散体(1)を、分光分析
用石英ガラスセル中に封入することによって、キシレン
溶媒中に分散する評価試料(1)を得た。また、キシレ
ン分散体(1)に、さらに分散剤プラクセルFM4A
(ダイセル化学工業(株)製)を酸化亜鉛粒子に対して
10重量%添加して得られた液を、分光分析用石英ガラ
スセル中に封入することによって、キシレン溶媒中に分
散する評価試料(2)を得た。
【0056】得られた評価試料(1)および(2)につ
いて、下記評価方法(A)によって評価した。その結
果、評価試料(1)および(2)において、吸収ピーク
波長はそれぞれ365nm(光子エネルギー3.40e
V)、369nm(3.36eV)と異なるが、発光ピ
ーク波長はいずれの試料も378nm(光子エネルギー
3.28eV)、半値幅が12nm(0.13eV)の
紫外線の発光を示すものであった。波長0.4〜0.6
μm域には、発光スペクトルは観測されなかった。ま
た、以下の測定結果を図1および図2として示す。
【0057】室温(300K)における試料(1)の吸
収スペクトルおよび発光スペクトルを図1に示す。室温
(300K)における試料(2)の吸収スペクトルおよ
び発光スペクトルを図2に示す。 《評価方法A》評価試料を、底面の内寸が10×10m
mの石英ガラス製の分光分析セルに入れ、その吸収スペ
クトルを自記分光光度計V−570(日本分光(株)
製)により測定し、その発光および発光励起スペクトル
を分光蛍光光度計FP−6500(日本分光(株)製)
により測定した。なお、励起波長340nmでは、発光
スペクトルにおけるキシレンおよび容器の蛍光は、酸化
亜鉛の蛍光強度に比べて無視できる。
【0058】−比較例1− 市販の酸化亜鉛粒子粉末(フランス法により得られたZ
nO粒子)12部を、キシレン88部に混合し、さらに
分散剤プラクセルFM4A(ダイセル化学工業(株)
製)を1.2部混合することによりキシレン分散体(c
1)を調製した。得られたキシレン分散体(c1)を、
実施例1と同様に、分光分析用石英ガラスセル中に封入
することによって、キシレン溶媒中に分散する評価試料
(c1)を得た。得られた評価試料(c1)について、
上記評価方法(A)によって評価した。
【0059】その結果、波長380nm(3.265e
V)にピークトップを有する紫外線発光ピークととも
に、505nm(2.45eV)にピークトップを有す
る可視光発光ピークを示した。 〔微粒子分散膜試料の評価〕 −実施例2− キシレン分散体(1)45部、分散剤プラクセルFM4
A(ダイセル化学工業(株)製)0.5部、ポリシラザ
ン溶液(固形分20重量%)452部、硬化触媒、およ
び、希釈溶媒としてのキシレンを混合し、全量を603
部となるようにして分散処理することによって、ZnO
粒子濃度が0.9重量%のコーティング剤(1)を得
た。コーティング剤(1)を厚さ2mm、50×50m
m角のパイレックス(登録商標)ガラス(以下、基板
(1)と称する。)の片面にスピンコーターにより塗布
し、乾燥、硬化することによって、シリカ膜中にZnO
微粒子が分散した塗膜が形成されたガラスからなる試料
板(1)を得た。
【0060】得られた試料板(1)について、下記評価
方法(B)によって評価した。その結果、試料板(1)
は、300〜370nmの光で励起され、340nm光
で励起した場合、ピーク波長が377nm(光子エネル
ギー=3.29eV)、半値幅が15nm(エネルギ
ー:0.13eV)の紫外線の発光を示すものであっ
た。試料板(1)および試料板(1)の膜は、低温(4
K)から常温(300K)にいたるまで、単一のピーク
からなる紫外線発光スペクトルを示した。また、波長
0.4〜0.6μm域には、発光スペクトルは観測され
なかった。
【0061】常温(300K)および低温(4K)にお
いて測定した発光スペクトルの、発光ピーク位置(エネ
ルギー、波長)、発光ピーク半値幅、および、発光強度
比(〔300Kでの発光強度〕/〔4Kでの発光強
度〕)を表4に示す。
【0062】
【表4】
【0063】また、以下の測定結果を図3〜7として示
す。室温(300K)における試料板(1)の吸収およ
び発光スペクトル(発光スペクトルは波長340nmの
励起光で励起した場合の結果であり、吸収および発光ス
ペクトルはいずれも基板(1)からの発光および吸収ス
ペクトルを差し引いている)を図3に示す。なお、吸収
スペクトルにはZnO粒子による光散乱の効果が含まれ
ている。室温(300K)における励起光の波長を27
0〜380nmの範囲で10nmおきに変えた場合の試
料板(1)の発光スペクトル(基板(1)の発光スペク
トルを含む)を図4に示す。なお、340nmにピーク
波長を持つ発光は基板(1)によるものである。
【0064】励起光の波長を325nmとし、低温(4
K)および常温(300K)の各温度における、基板
(1)の発光スペクトルをさしひいた試料板(1)発光
スペクトルおよび基板(1)の発光スペクトルを図5に
示す。なお、試料板(1)の4Kにおける発光スペクト
ルは、1/600に縮小して示している。低温(4K)
〜常温(300K)の温度範囲における、各温度での試
料板(1)の発光ピーク波長(エネルギーで表示)の変
化を図6に示す。低温(4K)〜常温(300K)の温
度範囲における、各温度での試料板(1)発光強度の変
化を図7に示す。なお、I0は4Kにおける発光強度で
あり、各測定温度での発光強度IのI0に対する比(I
/I0)を対数で示している。 《評価方法B》室温における、吸収、発光および励起ス
ペクトルに関する評価方法は、評価方法Aと同様であ
る。なお、ガラス基板の吸収については、試料膜のない
ガラス基板を同時に測定して差し引いてある。4K〜室
温にいたる温度変化測定においては、試料板をオプチス
タットCF−V(オックスフォード社製)の冷却部にイ
ンジウムを挟んで取り付け、真空引きの後、液体ヘリウ
ムを導入して、温度可変の吸収、発光スペクトルの測定
を行った。吸収スペクトルの測定の光源はタングステン
ヨウ素ランプを用い、発光スペクトルの光源はHe−C
dレーザーIK5651R−G(金門電気(株)製)の
325nmの発振線を用いた。スペクトルの測定は、単
分散分光器SpectraPro−500(アクトンリ
サーチ社製)(焦点距離50cm、回折格子300本/
mm)と、CCDカメラLN/CCD−1340/10
0(プリンストンインスツルメンツ社製)とを用いて測
定した。また、ガラス基板の発光については、325n
m励起の室温では問題となるので、試料膜の無いガラス
基板を同時に測定して差し引いてある。
【0065】−実施例3− キシレン分散体(1)83部、分散剤プラクセルFM4
A(ダイセル化学工業(株)製)を1部、ポリシラザン
溶液(固形分20重量%)417部、硬化触媒、およ
び、希釈溶媒としてのキシレンを混合し、全量が909
部となるように分散処理することによって、ZnO粒子
濃度が1.1重量%のコーティング剤(2)を得た。コ
ーティング剤(2)を、厚さ1.1mm、50×50m
m角のテンパックスガラスからなる基板(2)の片面
に、スピンコーターにより塗布し、乾燥、硬化すること
によって、シリカ膜中にZnO微粒子が分散した塗膜が
形成されたガラスからなる試料板(2)を得た。
【0066】試料板(2)について、実施例2と同様に
して、低温(77K)および常温(300K)における
各温度での発光特性を評価した。その結果を表5〜7に
示す。結果として、試料板(2)については、紫外線域
に単一ピークからなる紫外線発光が確認された。また、
波長0.4〜0.6μm域には、発光スペクトルは観測
されなかった。 −実施例4〜6− キシレン分散体(1)の代わりにキシレン分散体(2)
〜(4)を用いる以外は、実施例3と同様にして、コー
ティング剤(3)〜(5)を得た。
【0067】コーティング剤(3)〜(5)を、実施例
3と同様に、基板(2)の片面に、スピンコーターによ
り塗布し、乾燥、硬化することによって、シリカ膜中に
ZnO微粒子が分散した塗膜が形成されたガラスからな
る試料板(3)〜(5)を得た。試料板(3)〜(5)
について、実施例3と同様にして、低温(77K)およ
び常温(300K)における各温度での発光特性を評価
した。その結果を表5〜7に示す。結果として、試料板
(3)〜(5)については、紫外線域に単一ピークから
なる紫外線発光が確認された。また、波長0.4〜0.
6μm域には、発光スペクトルは観測されなかった。
【0068】−実施例7− 市販の酸化亜鉛粒子粉末(フランス法により得られたZ
nO粒子)25部を、キシレン75部に混合し、さら
に、分散剤プラクセルFM4A(ダイセル化学工業
(株)製)2.5部を混合することによりキシレン分散
体(5)を調製した。キシレン分散体(1)の代わりに
キシレン分散体(5)を用いる以外は、実施例3と同様
にして、コーティング剤(6)を得た。コーティング剤
(6)を、実施例3と同様に、基板(2)の片面に、ス
ピンコーターにより塗布し、乾燥、硬化することによっ
て、シリカ膜中にZnO微粒子が分散した塗膜が形成さ
れたガラスからなる試料板(6)を得た。
【0069】試料板(6)について、実施例3と同様に
して、低温(77K)および常温(300K)における
各温度での発光特性を評価した。その結果を表5〜7に
示す。結果として、試料板(6)は、常温(300K)
および低温(77K)において、紫外線領域に発光を有
するとともに、波長505nm(2.45eV)にピー
クトップを有する可視光発光を示すものであった。
【0070】
【表5】
【0071】
【表6】
【0072】
【表7】
【0073】
【発明の効果】本発明によれば、常温下で紫外線光で励
起した場合に、紫外線領域の短波長発光をし得る(紫外
線領域に発光スペクトルのピークトップを有する)酸化
亜鉛粒子を用いてなる発光体を提供することができ、例
えば、フォトルミネッセンス素子、波長変換素子、キャ
リア注入発光素子、カソードルミネッセンス素子などの
各種発光素子に好適に用いることができる。また、本発
明によれば、常温下で紫外線光で励起した場合に、可視
光の発光を含まず紫外線領域の短波長発光のみを選択的
に可能とし得る(可視光領域には発光スペクトルのピー
クトップを有さずに紫外線領域のみに発光スペクトルの
ピークトップを有する)酸化亜鉛粒子を提供することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】室温(300K)における試料(1)の吸収お
よび発光スペクトルを示す。
【図2】室温(300K)における試料(2)の吸収お
よび発光スペクトルを示す。
【図3】室温(300K)における試料板(1)の吸収
および発光スペクトルを示す。
【図4】(a) 室温(300K)における励起光の波
長を340〜380nmの範囲で10nmおきに変えた
場合の試料板(1)の発光スペクトルを示す。 (b) 室温(300K)における励起光の波長を27
0〜330nmの範囲で10nmおきに変えた場合の試
料板(1)の発光スペクトルを示す。
【図5】(a) 常温(300K)における試料板
(1)発光スペクトルおよび基板(1)の発光スペクト
ルを示す。 (b) 低温(4K)における試料板(1)発光スペク
トルおよび基板(1)の発光スペクトルを示す。
【図6】低温(4K)〜常温(300K)における試料
板(1)の発光ピーク波長(エネルギーで表示)の変化
を示す。
【図7】低温(4K)〜常温(300K)における試料
板(1)発光強度の変化を示す。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】常温下において紫外線光で励起したときに
    紫外線領域に発光スペクトルのピークトップを有し、か
    つ、アルカリ金属元素および/またはハロゲン元素を実
    質的に含有しない酸化亜鉛粒子を用いてなる、紫外線発
    光体。
  2. 【請求項2】前記酸化亜鉛粒子が、常温下、紫外線光で
    励起したときに波長0.4〜0.6μm域に発光スペク
    トルのピークトップを有しない、請求項1に記載の紫外
    線発光体。
  3. 【請求項3】前記酸化亜鉛粒子は、粉末X線回折を用い
    てシェラー法(コーシー関数近似)により測定したミラ
    ー指数(110)面に垂直な方向の結晶子径Ds(11
    0)が100nm未満である、請求項1または2に記載
    の紫外線発光体。
  4. 【請求項4】常温下において紫外線光で励起したときに
    紫外線領域に発光スペクトルのピークトップを有するが
    波長0.4〜0.6μm域には発光スペクトルのピーク
    トップを有さず、かつ、アルカリ金属元素および/また
    はハロゲン元素を実質的に含有しない、紫外線発光体用
    酸化亜鉛粒子。
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