JP4247653B2 - Dc−dcコンバータ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、DC−DCコンバータに関し、詳しくは入力直流電圧が過電圧状態となる場合にインバータ回路の作動を停止させて回路保護を行うDC−DCコンバータに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の二バッテリ型車両のDC−DCコンバータでは、DC−DCコンバータにより高圧バッテリから低圧バッテリへ電力を供給している。このDC−DCコンバータでは、充電用の発電機の出力電圧が過大となった場合などにおいて、高圧バッテリの電圧すなわちインバータ回路の入力直流電圧がインバータ回路のスイッチング素子の耐圧を超えて過大となり、インバータ回路のスイッチング素子に不具合が生じる可能性がある。
【0003】
このため、従来の二バッテリ型車両のDC−DCコンバータでは、インバータ回路の入力直流電圧が所定値を超えた場合にインバータ回路の上アーム側スイッチング素子及び下アーム側スイッチング素子の両方を遮断することにより、入力直流電圧をこれら両スイッチング素子の耐圧の和で負担してその耐圧破壊を阻止することが行われている。
【0004】
図13を参照して更に具体的に説明する。1は高圧バッテリ、2はDC−DCコンバータ、3は低圧バッテリ、4は高圧バッテリ管理用のECU(電池管理用電子制御装置)であり、DC−DCコンバータ2は、インバータ回路5、降圧トランス6、整流回路7、チョークコイル8、入力過電圧検出回路9、コントローラ10、入力側平滑コンデンサ11、出力側平滑コンデンサ12、低圧バッテリ3の電圧を定電圧化してコントローラ10に電源電圧として供給する定電圧回路13を有している。
【0005】
入力過電圧検出回路9は、インバータ回路5のスイッチング素子をオフしてその耐圧を確保するために、高圧バッテリ1の電圧が所定値を超えたかどうかを判定する回路であって、高圧バッテリ1の電圧を分圧する抵抗分圧回路91、所定のしきい値電圧を発生する定電圧回路(ツェナダイオードでもよい)92、抵抗分圧回路の出力分圧とこのしきい値電圧とを比較するコンパレータ93、コンパレータ93の出力を入出力絶縁可能に出力するフォトカプラ回路94、低圧バッテリ3の電圧から入出力絶縁された直流電源電圧を形成してコンパレータ93及びフォトカプラ回路94に電源電圧として印加する制御用電源電圧形成回路95を有している。制御用電源電圧形成回路95は、平滑コンデンサ951、整流ダイオード952、入出力絶縁分離用のトランス953、スイッチング素子954、スイッチング素子954のゲートに一定周期のパルス電圧を印加してスイッチング素子954を断続するパルス発生回路955を有している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のインバータ回路の入力過電圧保護方式は、上記したように複雑な入力過電圧検出回路が必要であるため、装置の大型化や消費電力及び製造工数の増大といった問題を有していた。
【0007】
本発明は上記問題点に鑑みなされたものであり、簡素な回路構成で入力過電圧保護が可能なDC−DCコンバータを提供することをその目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載のDC−DCコンバータは、高圧バッテリからの入力直流電圧を交流電圧に変換するインバータ回路と、前記交流電圧を変圧するトランスと、
前記トランスの出力電圧を整流する整流器と、前記整流回路の出力電圧を平滑して低圧バッテリに給電す平滑回路と、前記低圧バッテリ側から電源電力を給電されて前記インバータ回路のスイッチングを制御するコントローラとを備え、
前記コントローラは、前記インバータ回路へ入力する前記直流電圧が所定値以上となる場合に前記入力直流電圧が過電圧であると判定して前記インバータ回路の上アーム側スイッチング素子及び下アーム側スイッチング素子の両方をオフするDC−DCコンバータにおいて、
前記コントローラは、前記入力直流電圧が過電圧であるとの判定を前記整流器の入力電圧又は出力電圧に基づいて行うことを特徴としている。
【0009】
すなわち、本構成によれば、インバータ回路への入力過電圧を、トランスの二次側、特にトランスの二次コイルから平滑回路までのいずれかの部位の電圧に基づいて判定するので、低圧バッテリ側から電源電圧を印加される(低圧バッテリの負極電圧を基準とする電源電圧により作動する)コントローラに過電圧検出のための入力信号を入力する際に、従来のようにフォトカプラ(又はトランス)を用いる入出力絶縁回路を用いる必要がなく、更に、このフォトカプラ回路などの駆動のために入出力絶縁した制御電源電圧形成用のDC−DCコンバータを必要としないので、従来より極めて簡素な回路構成により上記入力過電圧を検出することができる。
【0010】
請求項1記載のDC−DCコンバータは更に、前記入力直流電圧を定期的にモニタするモニタ手段を有し、前記コントローラは、前記インバータ回路のスイッチング制御を開始するに前に、前記モニタ手段と交信することにより前記入力直流電圧が過電圧でないことを示すデータを受信した場合に、前記インバータ回路のスイッチングを開始することを特徴としている。
【0011】
本構成によれば、インバータ回路のすべてのスイッチング素子がオフされているDC−DCコンバータの停止状態において既に高圧バッテリの電圧(すなわちインバータ回路の入力直流電圧)が過大である場合でも、高圧バッテリの電圧をモニタするモニタ手段との交信によりインバータ回路の入力直流電圧が過大ではなく、インバータ回路のスイッチング素子をオンしてもよいことを判断することができる。
【0012】
その結果、DC−DCコンバータの停止状態においてインバータ回路の入力直流電圧が過大である場合にインバータ回路のスイッチング素子をオンせずに、スイッチング素子を過電圧破壊から保護することができる。
【0013】
これにより、互いに直列接続され、かつ、両方ともオフしている上アーム側スイッチング素子と下アーム側スイッチング素子との一方を初めてオンすることにより、他方のオフしているスイッチング素子の主電極間耐圧に入力直流電圧がすべて掛かって、インバータ回路のスイッチング素子の耐圧破壊が生じるのを防止することができる。
【0014】
なお、上記モニタ手段からの入力過電圧が許容レベルでないことを示す信号に基づいてインバータ回路のスイッチング素子の動作禁止を行うことも考えられるが、モニタ手段による高圧バッテリの電圧測定周期は比較的長いので、インバータ回路の動作開始時を除いてモニタ手段の出力信号による入力過電圧検出は動作遅れによる耐圧保護性能の低下を招くため、現実的ではない。
【0015】
請求項1記載のDC−DCコンバータは更に、前記コントローラが、前記過電圧検出による前記インバータ回路の全遮断後で前記インバータ回路のスイッチング制御の再開に先行して前記モニタ手段と交信することにより、前記入力直流電圧が過電圧でないことを示すデータを受信し、前記受信後に前記インバータ回路のスイッチングを再開することを特徴としている。
本構成によれば、過電圧検出によるインバータ回路の遮断した場合には、モニタ手段から入力直流電圧が過電圧でないことを示すデータを受信した後、インバータ回路のスイッチングを再開するので、入力直流電圧が適正範囲となるまではインバータ回路のスイッチング禁止を維持することができるので、回路規模の増大を抑止しつつ優れた入力過電圧保護性能を得ることができる。
請求項1記載のDC−DCコンバータは更に、前記モニタ手段が、前記インバータ回路に直流電圧を印加する車両用高圧バッテリを管理する電子制御装置からなることを特徴としている。
【0016】
本構成によれば、モニタ手段は、既存の車両用高圧バッテリの電圧を管理する電子制御装置からなるので、回路の増設が不要となる。なお、電子制御装置は、高圧バッテリの電圧や電流を検出することにより高圧バッテリ充電用の発電機の出力を制御することにより高圧バッテリのSOCを所定範囲に制御するためのコントローラであって、二バッテリ型車両には通常、常備されている。
【0017】
なお、高圧バッテリを車両用とするということは、低圧バッテリも車両用となり、DC−DCコンバータは車両用二バッテリ型電源装置における高圧バッテリから低圧バッテリへの電力給電用ということになる。
【0018】
この車両用二電源装置では、低圧バッテリは車両用電気負荷に所定値以上の消費電流を給電するのが通常であるため、インバータ回路のスイッチング素子は運転中はかならず動作するので、このために運転中は、トランスの二次側には必ず高圧バッテリの電圧にほぼ比例した交流電圧が出力されることになる。すなわち、上記車両用二電源装置では、通常時にはDC−DCコンバータのトランスの二次側においてトランスの二次側の交流電圧の振幅は高圧バッテリの電圧に比例すると考えてよいので、本発明の過電圧検出方式が可能となるものである。
【0019】
請求項2記載の構成は請求項1記載のDC−DCコンバータにおいて更に、前記コントローラは、読み込んだ前記整流器の入力電圧又は出力電圧に基づいて前記スイッチング素子の動作又は停止のモニタを行うことを特徴としている。
【0020】
本構成によれば、入力過電圧検出のために読み込む上記整流器の入力電圧又は出力電圧により更にスイッチング装置のモニタリング(実際にスイッチング素子が動作しているかどうか)を行うので、整流器の入力電圧又は出力電圧をコントローラに読み込むための配線や回路素子(逆流防止ダイオードや高周波バイパス用コンデンサや抵抗器など)を共用することができ、回路構成を簡素化することができる。もしくは、共通の回路構成で入力過電圧検出とスイッチング素子の動作モニタリングとを実施することができる。
【0021】
請求項3記載の構成は請求項1記載のDC−DCコンバータにおいて更に、前記コントローラは、前記過電圧検出による前記インバータ回路の遮断後、所定期間待機した後、前記スイッチング素子のスイッチングを再開することを特徴としている。
【0022】
本構成によれば、過電圧検出によるインバータ回路の遮断後、所定期間待機した後、スイッチング素子のスイッチングを再開するので、回路構成又は信号処理の複雑化を回避しつつインバータ回路の動作再開を行うことができる。
【0023】
請求項4記載の構成は請求項1記載のDC−DCコンバータにおいて更に、前記コントローラは、前記整流器の入力電圧又は出力電圧のピーク値又は定常値に基づいて前記過電圧の判定を行うことを特徴としている。なお、ここでいう、定常値とは、パルス状電圧の定常部分の振幅を言うものとする。
【0024】
すなわち、本構成では従来の高圧バッテリの直流電圧を検出するのではなく、トランスの二次コイル以降の交流電圧波形の振幅に基づいてインバータ回路への入力過電圧を検出するので、サンプリングタイミングの設定が簡単でなく、また、
各種の高周波ノイズ電圧(たとえばインバータ回路のスイッチングノイズ)などにより、検出精度の低下が生じるおそれがある。
【0025】
そこで、本構成では、整流器の入力電圧又は出力電圧のピーク値又は波高値を抽出する波形成形を行うことにより、これらの問題を改善する。これにより、整流器の入力電圧又は出力電圧による入力過電圧(インバータ回路への)を高精度におこなうことができる。
【0028】
請求項5記載の構成は請求項1記載のDC−DCコンバータにおいて更に、前記コントローラが、前記低圧バッテリの電圧をフィードバックし、前記インバータ回路のスイッチング素子をオンオフ制御して前記低圧バッテリの電圧を所定範囲に維持し、かつ、前記インバータ回路の各スイッチング素子が前記フィードバック制御によりすべてオフされている場合には、その後、前記低圧バッテリの電圧低下による前記インバータ回路のスイッチング制御の再開に先行して前記モニタ手段と交信することにより前記入力直流電圧が過電圧でないことを示すデータを受信し、前記受信後に前記インバータ回路のスイッチングを再開することを特徴としている。
【0029】
本構成によれば、なんらかの原因により、トランスの二次側にインバータ回路の入力直流電圧に比例した交流電圧振幅を発生できない場合でも、前記モニタ手段との通信により、入力電圧が過電圧か否かを判断することができるので、入力過電圧の検出不能という事態を回避することができる。
【0030】
【発明の実施の形態】
上記説明した本発明のDC−DCコンバータを車両用二電源装置に適用した好適な実施態様を図1を参照して説明する。ただし、図11に示す従来のDC−DCコンバータと主要機能が共通する構成要素には同一符号を付す場合もある。
【0031】
(全体構成)
1は高圧バッテリ、2はDC−DCコンバータ、3は低圧バッテリ、4は高圧バッテリ管理用のECU(電池管理用電子制御装置)であり、DC−DCコンバータ2は、インバータ回路5、降圧トランス6、整流回路7、チョークコイル8、波形成形回路90、コントローラ10、入力側平滑コンデンサ11、出力側平滑コンデンサ12、低圧バッテリ3の電圧を定電圧化してコントローラ10に電源電圧として供給する定電圧回路13を有している。
【0032】
DC−DCコンバータ2は、インバータ回路5、降圧トランス6、整流回路7、チョークコイル8、波形成形回路90、コントローラ10、入力側平滑コンデンサ11、出力側平滑コンデンサ12、低圧バッテリ3の電圧を定電圧化してコントローラ10に電源電圧として供給する定電圧回路13を有
している。
【0033】
インバータ回路5は一対の上アーム側MOSトランジスタ51、52と一対の下アーム側MOSトランジスタ53、54とを有する通常の単相インバータ回路であり、高圧バッテリ1の直流電圧を単相の交流電圧(略矩形波交流電圧)に変換する。トランス6はこの交流電圧を降圧する。トランス6の一対の二次コイルから出力される互いに180度位相が異なる交流電圧は、単相全波整流回路7を構成する一対のダイオード71、72により半波期間ごとに個別に整流され、チョークコイル8で平滑されて低圧バッテリ3に給電される。
【0034】
コントローラ10は、低圧バッテリ3から給電される電圧を所定の定電圧に変換する定電圧回路13より電源電圧を給電されるマイコン内蔵の制御装置であって、イグニッションスイッチのオンにより起動される。コントローラ10は、低圧バッテリ3の電圧と所定の目標電圧とを比較するコンパレータを内蔵しており、低圧バッテリ3の電圧が目標電圧よりも小さい場合にこのコンパレータは所定の基準電圧をアップし、低圧バッテリ3の電圧が目標電圧よりも小さい場合にこのコンパレータは所定の基準電圧をダウンする。この基準電圧と三角波電圧とがPWM電圧形成用コンパレータに入力されて、PWMパルス電圧が形成され、その結果、このPWM電圧形成用コンパレータは、低圧バッテリ3の電圧が目標電圧よりも小さい場合にこのPWMパルス電圧のデューティ比を増大し、低圧バッテリ3の電圧が目標電圧よりも大きい場合にこのPWMパルス電圧のデューティ比を減少する。このPWMパルス電圧は、インバータ回路の上アーム側MOSトランジスタ51と下アーム側MOSトランジスタ54とがオンする期間と、インバータ回路の上アーム側MOSトランジスタ52と下アーム側MOSトランジスタ53とがオンする期間とを決定する。これにより、インバータ回路5は低圧バッテリ3の電圧が一定となるようにその出力電流を制御される。
【0035】
電池管理コントローラ(ECU)4は、高圧バッテリ1の電圧、電流、温度を検出し、検出データに基づいて高圧バッテリ1のSOCを算出し、算出したSOCを図示しない車両制御用ECUに送信し、車両制御用ECUは、入力された高圧バッテリ1のSOCに基づいて、高圧バッテリ1のSOC制御及びそれを充電する発電機の制御を行う。また、電池管理コントローラ(ECU)4は、通信線14を通じて必要に応じてコントローラ10と定期的に又はコントローラ10の要求に応じて電池管理コントローラ(ECU)4に高圧バッテリ1の電圧を送信し、コントローラ10は同じくDC−DCコンバータ2の動作状態などを定期的に又は電池管理コントローラ(ECU)4の要請に応じて電池管理コントローラ(ECU)4に送信する。なお、電池管理コントローラ(ECU)4と上述の車両制御用ECUとを一体化してもよい。なお、電池管理コントローラ(ECU)4は、高圧バッテリ1の電圧検出に際して入出力絶縁方式の信号伝送方式を採用している。
【0036】
(波形成形回路90)
波形成形回路90は、互いに直列接続された逆流防止ダイオードD1、抵抗r1、r2と、抵抗r1と並列接続されたコンデンサC1、抵抗r2と並列接続されたコンデンサC2を有している。コンデンサC2は高周波ノイズバイパス機能を有している。波形成形回路90は、整流用ダイオード72のアノード電圧すなわちトランス6の一対の二次コイルの一方の出力電圧の正ピーク値をダイオードを通じてコンデンサC1にホールドさせ、コンデンサC1の充電電圧は抵抗r1、r2を通じてその後、緩やかに放電する。ただし、二次コイルの一方の出力電圧の高周波ノイズ電圧はコンデンサC2によりより速やかに放電される。その結果、高周波ノイズ電圧がある程度除去された定常値がコンデンサC2にホールドされる。
【0037】
コンデンサC1の端子電圧であるこの波形成形回路90の出力電圧Vsは、図2に示すインバータ全停止用のコンパレータ101に入力され、コンパレータ101は、波形成形回路90の出力電圧Vsと、予め設定されたしきい値電圧Vthとを比較し、波形成形回路90の出力電圧Vsがしきい値電圧Vthより大きくなった場合に、インバータ全停止信号を出力する。
コントローラ10はインバータ回路5の各MOSトランジスタ51〜54へのPWMゲート制御電圧をすべてローレベルとして、それらをオフさせる。なお、コンパレータ101はコントローラ10に内蔵されている。
【0038】
このようにすれば、高圧バッテリ1の電圧がインバータ回路のMOSトランジスタ51〜54の耐圧からみて危険水準を超えた場合に単純な波形成形回路90とコンパレータ101だけといった極めて単純な回路構成でコントローラ10によるインバータ回路5の駆動を全停止させて、インバータ回路の耐圧を各MOSトランジスタ個々の耐圧の2倍とすることにより、インバータ回路5の耐圧破壊を防止することができる。
【0039】
また、この実施例によれば、図13の従来方式のようなフォトカプラ回路や制御用電源電圧発生回路が不要となるので、回路構成の簡素化、小型化を実現し、経済性を向上することができる。
【0040】
なお、上記実施例では、インバータ回路5の入力過電圧への高速対応のためにアナログ回路処理としたが、デジタル回路又はソフトウエア処理してもよいことは勿論である。
【0041】
(コントローラ10による入力過電圧保護動作)
上記構成では、インバータ回路5の運転により、ダイオード72のアノード電圧の振幅が高圧バッテリ1の電圧に略比例する場合に有効であるが、DC−DCコンバータ2の作動開始時点又は運転中に低圧バッテリ3の電圧上昇によりインバータ回路5の各MOSトランジスタが全部遮断された(デューティ比=0%)場合には、高圧バッテリ1の電圧上昇を検出できないという問題がある。
【0042】
しかし、車両用二電源装置では、主として車両走行エネルギーの蓄電を行う高圧バッテリ1の電圧は、高圧バッテリ1の容量算出などのために電池管理コントローラ(ECU)4により所定時間ごとに計測されている。そこで、この実施例では、インバータ回路5が全停止した場合には、電池管理コントローラ(ECU)4が検出した高圧バッテリ1の直後の計測値を用いてそれが許容範囲である場合にのみ、インバータ回路5の運転を再開する制御方式を採用する。これにより、トランス7の二次側で入力過電圧を検出する際の唯一の問題点であるインバータ回路5の全停止時の入力過電圧検出不能という問題を回路規模の増大をほとんど必要とすることなく実用レベルで解決することができた。
【0043】
以下、図3に示すフローチャートを参照して以下に説明する。
【0044】
まず、イグニッションキーのオンによりコントローラ10に電源電圧が印加されると、内部初期化がなされると(S100)、電池管理コントローラ(ECU)4から高圧バッテリ1の電圧VHを読み込む(S102)。
【0045】
次に、電圧VHが所定のしきい値Vthより大きいかどうかを調べ(S104)、大きければ過電圧と判定してステップS102に戻り、大きくなければインバータ回路5の運転を許可して(S106)、インバータ回路5がPWMの一周期より長い期間にわたって全停止しているかどうかを調べる(S108)。全停止していれば、電池管理コントローラ(ECU)4にDC−DCコンバータ停止を報せて(S110)、ステップS102に戻り、ステップS108にてどれかのMOSトランジスタが動作中であれば、ステップS106に戻る。
【0046】
これにより、なんらかの原因でインバータ回路5が長期に渡って全停止状態となっていた場合には、インバータ回路5の運転再開の前に高圧バッテリ1の電圧をモニタして運転再開の安全性を確認することができる。
【0047】
また、波形成形回路90は、DC−DCコンバータ2の運転停止を検出する回路と共用することができる。なお、ステップS108において、インバータ回路5の全停止はコントローラ10の内部でも検出することができるが、波形成形回路90の出力信号Vsを図2よりも低いしきい値をもつ第二のコンパレータで比較した結果により検出してもよく、あるいは波形成形回路90の出力信号VsをA/D変換してコントローラ10の内部で同様の処理を行ってもよい。
【0048】
(変形態様)
変形態様を図4に示す。
【0049】
この変形態様では、インバータ回路5が長期にわたって全停止した場合(S108)には、一定時間待機後(S110)、ステップS106へリターンしてインバータ回路5の運転再開を許可する。
【0050】
このようにすれば、入力過電圧発生要因が車両モータ制御での回生動作におけるオーバーシュート等に限定される用途において、ECU4の許可を待つことなく、DC−DCコンバータ2を即座に再起動することができ、A/Cブロワ等の車両補機負荷への電源供給停止期間を短縮することができるという効果を奏する。
【0051】
(変形態様)
波形成形回路90の変形態様を図5〜図12に示す。
【0052】
図5は、図1の波形成形回路90において抵抗r2とコンデンサC2とを省略したものであり、純粋なピークホールド回路とした変形態様を示す。
【0053】
図6は、図1の波形成形回路90においてコンデンサC1を省略したものであり、トランス6から出力されるパルス電圧の高周波ノイズを除去した振幅(定常値という)を検出するものである。
【0054】
図7は、図5に示す波形成形回路を一対設け、一方をダイオード71のアノードに、他方をダイオード72のアノードに接続して交流半周期ごとに過電圧(又は全停止)の検出が可能としたものである。
【0055】
図8は、図7に示す波形成形回路において、コンデンサC1、C1’の電圧をダイオードD2、D2’を通じて抵抗rに放電するものである。このようにすれば、出力信号をOR回路方式により一本化することができる。
【0056】
図9は、図5に示すピークホールド型波形成形回路をダイオード71、72のカソード側に設けたものであり、交流半周期ごとに過電圧検出を行うことができ、かつ、出力信号を一本化することができる。
【0057】
図10は、図9に示すピークホールド型波形成形回路をエミッタ接地トランジスタT1を通じて接地したものである。
トランジスタT1は、コントローラ10が作動状態となった場合にのみコントローラ10によりオンされる。このようにすれば、DC−DCコンバータ2が停止しているにもかかわらず、低圧バッテリ3からダイオードD1、抵抗r1を通じてDC電流が流れるのを阻止することができる。
【0058】
図11は、図5に示すピークホールド型波形成形回路の出力電圧Vsを抵抗r1、r2の分圧により圧縮したものである。
【0059】
図12は、ダイオードD1’、コンデンサC1’、抵抗r1’からなるピークホールド回路により過電圧を検出し、ダイオードD1、コンデンサC1、抵抗r1、r2からなる定常値検出回路により、出力電圧0すなわちインバータ回路5の全停止を検出するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のDC−DCコンバータの一例を示す回路図である。
【図2】図1のコントローラに内蔵されるコンパレータを示す回路図である。
【図3】図1のコントローラの動作を示すフローチャートである。
【図4】図1のコントローラの他の動作を示すフローチャートである。
【図5】図1の波形成形回路の他例を示す回路図である。
【図6】図1の波形成形回路の他例を示す回路図である。
【図7】図1の波形成形回路の他例を示す回路図である。
【図8】図1の波形成形回路の他例を示す回路図である。
【図9】図1の波形成形回路の他例を示す回路図である。
【図10】図1の波形成形回路の他例を示す回路図である。
【図11】図1の波形成形回路の他例を示す回路図である。
【図12】図1の波形成形回路の他例を示す回路図である。
【図13】従来のDC−DCコンバータの一例を示す回路図である。
【符号の説明】
1 高圧バッテリ、2 DC−DCコンバータ、3 低圧バッテリ、4 高圧バッテリ管理用のECU、5 インバータ回路、6 降圧トランス、7 整流回路、8 チョークコイル、90 波形成形回路、10 コントローラ10
Claims (5)
- 高圧バッテリからの入力直流電圧を交流電圧に変換するインバータ回路と、
前記交流電圧を変圧するトランスと、
前記トランスの出力電圧を整流する整流器と、
前記整流回路の出力電圧を平滑して低圧バッテリに給電する平滑回路と、
前記低圧バッテリ側から電源電力を給電されて前記インバータ回路のスイッチングを制御するコントローラとを備え、
前記コントローラは、前記インバータ回路へ入力する前記直流電圧が所定値以上となる場合に前記入力直流電圧が過電圧であると判定して前記インバータ回路の上アーム側スイッチング素子及び下アーム側スイッチング素子の両方をオフするDC−DCコンバータにおいて、
前記インバータ回路の入力端に前記入力直流電圧を印加する前記高圧バッテリを管理する電子制御装置により構成されて前記入力直流電圧を定期的にモニタするモニタ手段を有し、
前記コントローラは、
前記入力直流電圧が過電圧であるとの判定を前記整流器の入力電圧又は出力電圧に基づいて行い、かつ、前記過電圧検出による前記インバータ回路の全遮断後で前記インバータ回路のスイッチング制御の再開に先行して前記モニタ手段と交信することにより前記入力直流電圧が過電圧でないことを示すデータを受信し、前記受信後に前記インバータ回路のスイッチングを再開することを特徴とするDC−DCコンバータ。 - 請求項1記載のDC−DCコンバータにおいて、
前記コントローラは、
読み込んだ前記整流器の入力電圧又は出力電圧に基づいて前記スイッチング素子の動作又は停止のモニタを行うことを特徴とするDC−DCコンバータ。 - 請求項1記載のDC−DCコンバータにおいて、
前記コントローラは、
前記過電圧検出による前記インバータ回路の遮断後、所定期間待機した後、前記スイッチング素子のスイッチングを再開することを特徴とするDC−DCコンバータ。 - 請求項1記載のDC−DCコンバータにおいて、
前記コントローラは、
前記整流器の入力電圧又は出力電圧のピーク値及び定常値の少なくとも一つに基づいて前記過電圧の判定を行うことを特徴とするDC−DCコンバータ。 - 請求項1記載のDC−DCコンバータにおいて、
前記コントローラは、
前記低圧バッテリの電圧或いは前記DC−DCコンバータの出力電圧をフィードバックし、前記インバータ回路のスイッチング素子をオンオフ制御して前記低圧バッテリの電圧を所定範囲に維持し、かつ、前記インバータ回路の各スイッチング素子が前記フィードバック制御によりすべてオフされている場合には、その後、前記低圧バッテリの電圧低下による前記インバータ回路のスイッチング制御の再開に先行して前記モニタ手段と交信することにより前記入力直流電圧が過電圧でないことを示すデータを受信し、前記受信後に前記インバータ回路のスイッチングを再開することを特徴とするDC−DCコンバータ。
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