JP4247208B2 - 有機高分子抵抗体架橋物、サーミスタ素子並びにサーミスタ素体及びサーミスタ素子の製造方法 - Google Patents

有機高分子抵抗体架橋物、サーミスタ素子並びにサーミスタ素体及びサーミスタ素子の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、PTC(Positive Temperature Coefficient:正温度係数)特性を有する有機高分子抵抗体、サーミスタ素体、サーミスタ素子及びそれらの製造方法に関する。
結晶性高分子のマトリックスに、導電性フィラーを分散させた有機高分子抵抗体がPTC特性を有することが知られている。この特性は、結晶性高分子がある所定の温度で相転移を起こして結晶質から非晶質に変化する際、急激な体積膨張を示し、その中に分散された導電性フィラー同士の間隔が押し広げられて導電経路が切断されるために生じるものと考えられている。この特性を利用して、有機高分子抵抗体は、電子回路の過電流保護素子等のPTCサーミスタ(以下、「サーミスタ素子」という場合もある)に用いるサーミスタ素体として活用することができる。
このようなサーミスタ素子は、例えば、ポリエチレンなどの結晶性高分子と、金属粉、カーボンブラック、導電性セラミック粉などの導電性フィラーとを含む混合物を混練したものを成形し、この成形体の両面に電極を形成した後、放射線などの照射により結晶性高分子を架橋させて作製したものが知られている(例えば、特許文献1を参照)。
特開平8−120182号公報
しかしながら、上記従来のサーミスタ素子は、高温での熱履歴を受けたときに、その抵抗温度特性が変化して、非動作時における抵抗値(室温抵抗値)が上昇するなどサーミスタとしての機能が損なわれる場合がある。より具体的には、電子回路の過電流保護素子の場合、動作時の高温に繰り返し晒されるとサーミスタの抵抗値が上昇して、回路に損傷を与えない小電流で動作してしまう問題が発生することがある。そのため、上記従来のサーミスタ素子は、高温での熱履歴に対するPTC特性の耐久性が十分とはいえず、実用に供するには未だ不十分である。
そこで、本発明は、上記事情にかんがみてなされたものであり、高温に繰り返し又は長期間晒された場合であっても、優れたPTC特性を十分維持できるサーミスタ素子、かかるサーミスタ素子を得るための有機高分子抵抗体及びサーミスタ素体並びにそれらの製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、結晶性高分子と、導電性フィラーと、分子量が1000以上でありアルキルラジカルを捕捉可能なラジカル捕捉剤とを含み、ラジカル捕捉剤が、結晶性高分子の非晶部に偏って存在する有機高分子抵抗体、を放射線の照射により架橋してなる有機高分子抵抗体架橋物を提供する。
なお、本発明で用いるアルキルラジカルを捕捉可能なラジカル捕捉剤とは、アルキルラジカル(R・)を捕捉できるラジカル捕捉剤であり、ROO・やRO・などの酸化物のラジカルのみを捕捉する、いわゆる一次酸化防止剤とは区別されるものである。また、本明細書でいうアルキルラジカルには、結晶性高分子の炭化水素鎖に生じるポリマーラジカルも含まれる。
また、本発明において、上記ラジカル捕捉剤が「結晶性高分子の非晶部に偏って存在する」とは、結晶性高分子の非晶部中のラジカル捕捉剤の濃度が、結晶部におけるそれよりも大きいことを意味する。
本発明の有機高分子抵抗体架橋物によれば、上記構成を有することにより、高温に繰り返し又は長期間晒された場合であっても優れたPTC特性を十分維持できるサーミスタ素子を実現することが可能となる。
従来の有機高分子抵抗体を用いるサーミスタ素子が熱履歴に対するPTC特性の耐久性に劣る要因については、本発明者らは以下のとおり考えている。すなわち、サーミスタ素子の温度が結晶性高分子の融点付近の温度になると結晶性高分子の結晶成長や結晶部の再配列が進行し、結晶状態が大きく変化することで、導電性フィラーの接触が切断されて抵抗値が増加したり抵抗温度特性が変化したりすると本発明者らは考えている。なお、本発明者らの検討によれば、所定の熱履歴(約100℃、1000時間)を与えた際に抵抗値の増加及び抵抗温度特性の変化がみられたサーミスタ素子について、その素体をDSC測定することにより、上述の結晶状態の変化が確認されており、また、結晶性高分子の融解ピークがシフトすることも確認されている。
なお、有機高分子抵抗体の架橋密度を上げることにより結晶状態の変化を抑制する方法が考えられるが、本発明者らの検討によれば、単に照射する放射線の線量を大きくしても熱履歴に対するPTC特性の耐久性を十分に向上させることができないことが判明している。その要因としては、過度の放射線照射によって結晶性高分子の非晶部が劣化する或いは過度に架橋されることにより物性が脆くなることが推察される。また、従来の有機高分子抵抗体に放射線を照射すると、結晶性高分子の結晶部よりも非晶部が優先的に架橋されるので、有機高分子抵抗体の物性が好ましくない方向、すなわち抵抗値が上昇したり抵抗温度特性が低下したりする方向に変化してしまう虞がある。
上述のことから、サーミスタ素子のPTC特性を損なわずに熱履歴に対するPTC特性の耐久性を向上させる上では、結晶性高分子の非晶部の劣化及び架橋を十分防止しつつ結晶部を十分に架橋させることが重要であるとの結論を得た。そして、このような観点から、サーミスタ素体となる有機高分子抵抗体について検討した結果、上記のような本発明の完成に至った。
すなわち、上記有機高分子抵抗体は、アルキルラジカルを捕捉可能なラジカル捕捉剤が結晶性高分子の非晶部に偏って存在することにより、放射線が照射されたときの非晶部に発生するアルキルラジカル濃度を十分低減することができる。これにより、結晶性高分子の非晶部の架橋及び劣化を十分抑制しつつ結晶部の架橋を十分に進行させることが可能となり、熱履歴を受けることによる結晶成長及び結晶部の再配列を十分に抑制できる。したがって、上記有機高分子抵抗体に放射線を十分照射させてサーミスタ素体とすれば、高温に繰り返し又は長期間晒された場合でも優れたPTC特性を十分維持することが可能なサーミスタ素子が実現可能となる。
上記有機高分子抵抗体において、導電性フィラーの一次粒子の平均粒径が0.01〜10μmであることが好ましい。
また、上記有機高分子抵抗体は、上記ラジカル捕捉剤として、下記一般式(1)で示される構造を有する化合物を含むことが好ましい。
Figure 0004247208
また、上記ラジカル捕捉剤として、下記一般式(2)で示される構造を有し且つエチレン性二重結合を有する化合物を含むことが好ましい。
Figure 0004247208

これらのラジカル捕捉剤は、結晶性高分子の非晶部において、放射線照射によって発生するアルキルラジカル(R・)を有効に捕捉することができ、結晶性高分子の非晶部の劣化及び架橋をより確実に抑制できる。したがって、上記のラジカル捕捉剤を用いることにより、高温に繰り返し又は長期間晒された場合であっても優れたPTC特性を十分維持できるサーミスタ素子がより有効に実現可能となる。
上記有機高分子抵抗体において、上記ラジカル捕捉剤の分子量が1000以上であることが必要である。このようなラジカル捕捉剤を含むことにより、結晶性高分子の非晶部の架橋及び劣化を十分抑制しつつ結晶部の架橋を十分に進行させることがより確実にできる。また、上記の効果を得るために必要なラジカル捕捉剤を少なくすることができるので、有機高分子抵抗体からラジカル捕捉剤が滲み出すことを防止しやすくなる。
なお、上記の効果が得られる要因としては、ラジカル捕捉剤の分子量が大きくなるにしたがい、ラジカル捕捉剤が結晶性高分子の結晶部よりも非晶部により一層多く存在するようになることが考えられる。
また本発明は、互いに対向する一対の電極と、一対の電極の間に配置されたサーミスタ素体とを備えるサーミスタ素子であって、サーミスタ素体が、上記本発明の有機高分子抵抗体架橋物から構成されているサーミスタ素子を提供するものである。

かかるサーミスタ素子によれば、サーミスタ素体が結晶性高分子の非晶部の架橋及び劣化は十分に抑制されながら結晶部は十分に架橋されているので、高温に繰り返し又は長期間晒された場合であっても優れたPTC特性を十分維持することができる。
また、本発明は、結晶性高分子と、導電性フィラーと、分子量が1000以上でありアルキルラジカルを捕捉可能なラジカル捕捉剤とを少なくとも含む混合物を調製する混合物調製工程と、混合物を成形し成形体を得る成形工程と、成形体に対して前記結晶性高分子を架橋させ得る放射線を照射する放射線照射工程とを備えるサーミスタ素体の製造方法を提供する。
また、本発明は、互いに対向する一対の電極と、一対の電極の間に配置されたサーミスタ素体とを備えるサーミスタ素子の製造方法であって、結晶性高分子と、導電性フィラーと、分子量が1000以上でありアルキルラジカルを捕捉可能なラジカル捕捉剤とを少なくとも含む混合物を調製する混合物調製工程と、混合物を成形し成形体を得る成形工程と、成形体を挟んで対向するように、一対の電極を形成させる電極形成工程と、電極形成工程を経た成形体に対して結晶性高分子を架橋させ得る放射線を照射する放射線照射工程とを備えるサーミスタ素子の製造方法を提供する。
本発明よれば、高温に繰り返し又は長期間晒された場合であっても、優れたPTC特性を十分維持できるサーミスタ素子、かかるサーミスタ素子を得るための有機高分子抵抗体及びサーミスタ素体並びにそれらの製造方法を提供することができる。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明において、同一または相当要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。また、各図面の寸法比率は、必ずしも実際の寸法比率とは一致していない。
(サーミスタ素子)
図1は、本発明のサーミスタ素子の好適な一実施形態を示す模式断面図である。図1に示すように、本実施形態に係るサーミスタ素子10は、平板状のサーミスタ素体1と、サーミスタ素体1の両面を挟み込む2枚の電極2及び3とを有する。そして、電極2及び3にはそれぞれ外部電極端子4が接続されている。
サーミスタ素体1は、本発明の有機高分子抵抗体から構成され、且つ、所定の放射線が照射されることによって架橋されている。
(有機高分子抵抗体)
まず、本実施形態に係る有機高分子抵抗体について説明する。本実施形態に係る有機高分子抵抗体は、結晶性高分子と、導電性フィラーと、アルキルラジカルを捕捉可能なラジカル捕捉剤とを含み、ラジカル捕捉剤が、結晶性高分子の非晶部に偏って存在するものであり、好ましくは、結晶性高分子と、導電性フィラーと、アルキルラジカルを捕捉可能なラジカル捕捉剤とを混練したものである。
結晶性高分子としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系結晶性高分子、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、フッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン共重合体などのフッ素樹脂、ポリエチレンオキサイド(PEO)などのポリアルキレンオキシド、ポリスチレン、t−4−ポリブタジエン、ポリエチレンアクリレート、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、ポリエステル、ポリアミド、ポリエーテル、ポリカプロラクタム、フッ素化エチレン−プロピレン共重合体、塩素化ポリエチレン、クロロスルホン化エチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリフェニレンオキシド、ポリスルホンなどが挙げられる。
本実施形態においては、上記の高分子のうち、高密度ポリエチレンを用いることが好ましい。高密度ポリエチレンは高結晶性を有することからサーミスタ素子の抵抗温度特性の抵抗変化率をより大きくすることが可能となり、定格電圧をより高い範囲までカバーできるサーミスタ素子をより確実に得ることができる。高密度ポリエチレンとしては、例えば、数十気圧以下の中・低圧下、遷移金属触媒を用いて配位アニオン重合で製造されたものを使用できる。商業的に入手可能な高密度ポリエチレンとしては、例えば、商品名「ハイゼックス2100JP」(三井石油化学製)、商品名「Marlex6003」(フィリップス社製)、商品名「ノバテックHY540」(日本ポリケム製)等が挙げられる。
本実施形態で用いられる高密度ポリエチレンは、好ましくは重量平均分子量が10000〜1000000、より好ましくは100000〜500000の範囲にある。
また、高密度ポリエチレンの密度は、好ましくは0.940〜0.965g/cm、より好ましくは0.950〜0.960g/cmの範囲にある。
また、高密度ポリエチレンのメルトフローレート(MFR;ASTM D1238、190℃、荷重2.16kg)は、好ましくは0.4〜40g/10分、より好ましくは0.5〜10g/10分の範囲である。
また、本実施形態においては、低温動作用への適用の観点から、結晶性高分子として、メタロセン触媒を用いて製造された直鎖状の低密度ポリエチレンを用いることもできる。
メタロセン系触媒を用いた重合反応により製造された直鎖状の低密度ポリエチレンは、従来のチーグラー・ナッタ触媒を用いて製造されたものより分子量分布が狭くなるという特徴を有する。ここで、「メタロセン系触媒」とは、ビス(シクロペンタジニエル)金属錯体系の触媒であり、下記一般式(I)で表現される化合物を示す。
M(CXY …(I)
上記式(I)中、Mは4配位中心となる金属又はその金属イオンを示し、X及びYは同一であっても異なっていてもよく、ハロゲン又はハロゲン化物イオンを示す。Mとしては、Ti、Zr、Hf、V、Nb又はTaが好ましく、Zrがより好ましい。X及びYとしては、Clが好ましい。また、一般式(I)で表現される化合物は1種類を単独で使用してもよく、2種類以上を任意に組み合せて使用してもよい。
直鎖状の低密度ポリエチレンは、上記式(I)のメタロセン系触媒を用いて、公知の低密度ポリエチレン製造技術により製造することができる。原料のモノマーとしては、エチレンの他に、ブテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1をコモノマーとして使用してもよい。
また、下記一般式(II)及び一般式(III)で表される化合物をメタロセン系触媒とともに使用してもよい。
Figure 0004247208


Figure 0004247208


上記式(II)中、R、R、R、R及びRは、同一であっても異なっていてもよく、それぞれ炭素数1〜3のアルキル基を示し、nは2〜20の整数を示す。R、R、R、R及びRとしてはメチル基が好ましい。上記式(III)中、R、R及びRは、同一であっても異なっていてもよく、それぞれ炭素数1〜3のアルキル基を示し、mは2〜20の整数を示す。R、R及びRとしてはメチル基が好ましい。
商業的に入手可能な上記低密度ポリエチレンとしては、例えば、商品名「エボリュー2520」(三井化学社製)等が挙げられる。
本実施形態で用いられる直鎖状低密度ポリエチレンは、好ましくは重量平均分子量が50000〜500000、より好ましくは80000〜300000の範囲にある。
また、直鎖状低密度ポリエチレンの密度は、好ましくは0.900〜0.940g/cm、より好ましくは0.910〜0.930g/cmの範囲にある。
また、直鎖状低密度ポリエチレンのメルトフローレート(MFR;ASTM D1238、190℃、荷重2.16kg)は、好ましくは0.05〜20g/10分、より好ましくは0.1〜10g/10分の範囲である。
本実施形態で用いられる直鎖状低密度ポリエチレンの分子量分布は、狭いことが好ましく、分子量分布の尺度であるMw/Mnは6以下、さらに好ましくは4以下である。Mwは重量平均分子量、Mnは数平均分子量で、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)法で測定される。また、直鎖状低密度ポリエチレンの長鎖分岐数は、主鎖の炭素数に対して、5/1000炭素数以下、さらに1/1000炭素数以下が好ましい。長鎖分岐数は、13C−NMR法で測定される。
本実施形態に係る有機高分子抵抗体が含む導電性フィラーとしては、例えば、カーボンブラック、グラファイト、各形状の金属粒子若しくはセラミック系導電性粒子を用いることができる。これらは1種類を単独で、あるいは2種類以上を組み合わせて用いられる。
これらのなかで、特に過電流保護素子のように、十分に低い室温抵抗値と十分な抵抗変化率の双方が求められる用途に有機高分子抵抗体を使用する場合、導電性金属粒子を用いることが好ましい。この導電性金属粒子を用いると最終的に得られるサーミスタの抵抗値をより低くすることができる。そのような観点から、導電性金属粒子としては、銅、アルミニウム、ニッケル、タングステン、モリブデン、銀、亜鉛若しくはコバルト等が用いられるが、特に、銀若しくはニッケルを用いると好ましい。さらにその形状としては、球状、フレーク状若しくは棒状等が挙げられるが、表面にスパイク状の突起を有するものが好ましい。このような導電性金属粒子は、その一つ一つの粒子(一次粒子)が個別に存在する粉体であってもよいが、それらの一次粒子が鎖状に連なりフィラメント状の二次粒子を形成していることがより好ましい。その材質はニッケルを主成分とすると好ましく、比表面積が0.4〜2.5m/gであって、見かけ密度が0.2〜1.0g/cm程度であるとより好ましい。ここで、「比表面積」とは、BET一点法に基づく窒素ガス吸着法により求められる比表面積を示す。
このような導電性粒子は下記式(IV)で表される化合物の分解反応により得られる粒子であることが好ましい。なお、式(IV)中、Mは、Ni、Fe及びCuからなる群より選択される少なくとも1種の元素であると好ましく、Niであるとより好ましい。
M(CO) …(IV)
すなわち、M(CO) → M + 4COの反応の進行により生成する粒子であることが好ましい。M(CO)の分解反応により生成した金属粉は、反応条件により、粒子サイズや粒子形状を、上述した好ましい範囲に制御することができる。
一次粒子の平均粒径は、好ましくは0.01〜10μm、より好ましくは0.5〜4.0μm程度である。これらのうち、一次粒子の平均粒径は1.0〜4.0μmが最も好ましい。この平均粒径はフィッシュー・サブシーブ法で測定したものである。
このような導電性粒子としては、より具体的には、フィラメント状ニッケルパウダ[商品名:INCO Type 255、270、277、287ニッケルパウダ(インコ社製)、商品名:INCO Type 210ニッケルパウダ(インコ社製)等]を挙げることができる。
有機高分子抵抗体中の導電性フィラーの含有量は、結晶性高分子に対して10体積%〜50体積%が好ましく、20体積%〜40体積%がより好ましく、25体積%〜35体積%が特に好ましい。
アルキルラジカルを捕捉可能なラジカル捕捉剤としては、例えば、下記一般式(1)で示される構造を有するヒンダードアミン系化合物、及び、下記一般式(2)で示される構造を有し、且つ、エチレン性二重結合を有するフェノール系化合物が挙げられる。
Figure 0004247208


Figure 0004247208

より具体的には、上記ヒンダードアミン系化合物として、例えば、ビス−(2,2,6,6−テトラメチル)−4−ピペリジニルセパケート、ビス−[N−メチル−2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニルセパケート、ビス−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−2−(3,5−tert−ブチル−4−ハイドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロネート、テトラキス(2,2,6,6−テトラ−メチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタ−メチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、(ミックスト2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル/トリデシル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、(ミックスト1,2,2,6,6−ペンタ−メチル−4−ピペリジル/トリデシル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ミックスト1,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル/β,β,β’,β’−テトラメチル−3,9−[2,4,8,10−テトラオクスアスピロ(5,5)ウンデカン]ジエチル−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ポリ[6−1,1,3,3−(テトラメチルブチル)イミノ−1,3,5−トリアジ/−2,4−ジイル][(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ]ヘキサメチレン(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノール、及び、コハク酸ジメチル−1−(2−ヒドロキシエチル)4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物などが挙げられる。さらに、商業的に入手可能なものとして、例えば、LA63−P(商品名、旭電化社製)等が挙げられる。
また、上記フェノール系化合物としては、商業的に入手可能なものとして、例えば、スミライザーGM(商品名、住友化学社製)等が挙げられる。
なお、上記のフェノール系化合物は、エチレン性二重結合がアルキルラジカル(R・)を有効に捕捉できるとともに、上記一般式(2)で示される構造を有することにより結晶性高分子の非晶部に偏在し易くなるので、結晶性高分子の結晶部をより有効に架橋させることできる。
有機高分子抵抗体中の上記ラジカル捕捉剤の含有量は、結晶性高分子100質量部に対して0.001〜5質量部が好ましく、0.01〜1質量部がより好ましい。上記ラジカル捕捉剤の含有量が、0.001質量部より少ないと本発明の効果が得られにくく、一方、5質量部を超えると架橋不足をおこし、抵抗温度特性不良の問題が生じやすくなる。
本実施形態に係る有機高分子抵抗体は、低分子有機化合物を更に含むことが好ましい。低分子有機化合物を含むことにより、サーミスタ素子10の温度変化に伴う抵抗変化が鋭くなり、また、動作温度の調節がより容易となる。
低分子有機化合物としては、分子量1000程度までの結晶性物質であれば特に制限はないが、20〜30℃において固体であるものが好ましい。
このような低分子有機化合物としては、(1)ワックス(具体的にはパラフィンワックスやマイクロクリスタリンワックス等の石油系ワックスをはじめとする植物系ワックス、動物系ワックス、鉱物系ワックスのような天然ワックス等)、(2)油脂(具体的には脂肪又は固体脂と称されるもの)などが挙げられる。
ワックスや油脂の成分は、炭化水素(具体的には、炭素数22以上のアルカン系の直鎖炭化水素等)、脂肪酸(具体的には、炭素数22以上のアルカン系の直鎖炭化水素の脂肪酸等)、脂肪酸エステル(具体的には、炭素数20以上の飽和脂肪酸とメチルアルコール等の低級アルコールとから得られる飽和脂肪酸のメチルエステル等)、脂肪酸アミド(具体的には、炭素数10以下の飽和脂肪酸第1アミドやオレイン酸アミド、エルカ酸アミドなどの不飽和脂肪酸アミド等)、脂肪族アミン(具体的には、炭素数16以上の脂肪族第1アミン)、高級アルコール(具体的には、炭素数16以上のn−アルキルアルコール)などから選択されるものであるが、これら自体を低分子有機化合物として用いることができる。これらは1種のみを用いても2種以上を併用してもよい。
特に、トリップ動作温度が100℃以下であるようなサーミスタを作製するためには、融点mp40〜100℃の低分子有機化合物を使用することが好ましい。
より具体的には、例えば、(1)パラフィンワックス[例えば、テトラコサンC2450;融点(mp)49〜52℃、ヘキサトリアコンタンC3674;mp73℃、商品名:HNP−10(日本精蝋社製);mp75℃、商品名:HNP−3(日本精蝋社製);mp66℃等]、(2)マイクロクリスタリンワックス[例えば、商品名:Hi−Mic−1080(日本精蝋社製);mp83℃、商品名:Hi−Mic−1045(日本精蝋社製);mp70℃、商品名:Hi−Mic2045(日本精蝋社製);mp64℃、商品名:Hi−Mic3090(日本精蝋社製);mp89℃、商品名:セラッタ104(日本石油精製社製);mp96℃、商品名:155マイクロワックス(日本石油精製社製);mp70℃等]、(3)脂肪酸[例えば、ベヘン酸(日本精化社製);mp81℃、ステアリン酸(日本精化社製);mp72℃、パルミチン酸(日本精化社製);mp64℃等]、(4)脂肪酸エステル[例えば、アラキン酸メチルエステル(東京化成社製);mp48℃等]、(5)脂肪酸アミド[例えば、オレイン酸アミド(日本精化社製);mp76℃等]がある。これらの低分子有機化合物は、トリップ動作温度等によって1種あるいは2種以上を選択して用いることができる。
低分子有機化合物の含有量は、結晶性高分子の含有量に対して、体積基準で5〜50%とすることが好ましい。低分子有機化合物の含有量が体積基準で5%未満になると、抵抗変化率が十分に得られ難くなる傾向にある。低分子有機化合物の含有量が体積基準で50%を越えると、低分子有機化合物が溶融する際にサーミスタ素体1が大きく変形する他、導電性フィラーとの混練が困難になる傾向にある。
また、本実施形態の有機高分子抵抗体には、本発明の特性を損なうものでなければ各種添加剤を混入してもよい。例えば、結晶性高分子の熱劣化を防止するために酸化防止剤を混入することもでき、フェノール類、有機イオウ類、フォスファイト類(有機リン系)などが用いられる。
また、良熱導電性添加物として、特開昭57−12061号公報に記載されている窒化ケイ素、シリカ、アルミナ、粘土(雲母、タルク等)、特公平7−77161号公報に記載されているシリコン、炭化ケイ素、窒化ケイ素、ベリリア、セレン、特開平5−217711号公報に記載されている無機窒化物、酸化マグネシウム等を添加してもよい。
耐久性向上のために、特開平5−226112号公報に記載されている酸化チタン、酸化鉄、酸化亜鉛、シリカ、酸化マグネシウム、アルミナ、酸化クロム、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、水酸化カルシウム、酸化鉛、特開平6−68963号公報に記載されている高比誘電率の無機固体、具体的には、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、ニオブ酸カリウム等を添加してもよい。
耐電圧改善のために、特開平4−74383号公報に記載されている炭化ホウ素等を添加してもよい。
強度改善のために、特開平5−74603号公報に記載されている水和チタン酸アルカリ、特開平8−17563号公報に記載されている酸化チタン、酸化鉄、酸化亜鉛、シリカ等を添加してもよい。
結晶核剤として、特公昭59−10553号公報に記載されているハロゲン化アルカリ、メラミン樹脂、特開平6−76511号公報に記載されている安息香酸、ジベンジリデンソルビトール、安息香酸金属塩、特開平7−6864号公報に記載されているタルク、ゼオライト、ジベンジリデンソルビトール、特開平7−263127号公報に記載されているソルビトール誘導体(ゲル化剤)、アスファルト、さらには、リン酸ビス(4−t−ブチルフェニル)ナトリウム等を添加してもよい。
ア−ク調節制御剤としては、特公平4−28744号公報に記載されているアルミナ、マグネシア水和物、特開昭61−250058号公報に記載されている金属水和物、炭化ケイ素等を添加してもよい。
金属害防止剤として、特開平7−6864号公報に記載されているイルガノックスMD1024(チバガイギー製)等を添加してもよい。
また、難燃剤として、特開昭61−239581号公報に記載されている三酸化二アンチモン、水酸化アルミニウム、特開平5−74603号公報に記載されている水酸化マグネシウム、さらには、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)等のハロゲンを含有する有機化合物(重合体を含む)、リン酸アンモニウム等のリン系化合物等を添加してもよい。
これら以外にも、硫化亜鉛、塩基性炭酸マグネシウム、酸化アルミニウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、アルミノシリケート粘土(雲母、タルク、カオリナイト、モンモリロナイト等)、ガラス粉、ガラスフレーク、ガラス繊維、硫酸カルシウム等を添加してもよい。
これらの添加剤は、結晶性高分子、ラジカル捕捉剤および導電性フィラーの合計重量の25重量%以下であることが好ましい。
サーミスタ素体1は、上述の有機高分子抵抗体から構成され、且つ、所定の放射線が照射されることによって架橋されている。なお、所定の放射線とは、物体から放射される粒子線及び電磁波のうち、粒子線及びγ線をいうものとする。このような放射線には、α線、β線、γ線、電子線等が含まれる。これらの放射線照射によって上記結晶性高分子が架橋される。
放射線の照射量は、ラジカル捕捉剤の量によっても依存するが、本実施形態においては、10kGy〜1000kGyが好ましく、50kGy〜500kGyがより好ましい。50kGyより少ないと架橋不足となり、1000kGyを超えると、結晶性高分子の劣化が問題となり、またコスト的にも不利となる。
電極2及び電極3は、サーミスタの電極として機能する金属材料で形成されている。電極2及び電極3を構成する材料としては、ニッケル、銀、金、銅、アルミニウム等の金属、又はそれらの合金からなることが好ましい。更には、素子の低抵抗化と比較的低コストという点でNiが好ましい。また、その厚さは1〜100μmであることが好ましく、サーミスタの軽量化の点からは、1〜50μmであることがより好ましい。
外部電極端子4は、それぞれ電極2及び電極3から外部に電荷を放出又は注入することが可能な電気伝導性を有していれば、その形状や材質について特に限定されない。
次に、上述したサーミスタ素子10の製造方法の好適な一例について説明する。
<混練物(混合物)調製工程>
はじめに、結晶性高分子に、ラジカル捕捉剤と、あらかじめ乾燥処理を施した導電性フィラーとを加え、例えばミル等の撹拌手段を用いて撹拌混合することにより、混練物を調製する。このとき、撹拌混合とともに熱処理(溶融混練)を行ってもよい。熱処理の温度は、結晶性高分子の融点以上の温度であることが好ましく、結晶性高分子の融点又は軟化点に対して5〜40℃以上高い温度であることがより好ましい。
この混練の作業は、公知の混練技術を使用すればよく、ニーダ、押し出し機、ミル、ディスパー等の撹拌手段で、例えば、10〜120分程度行えばよい。具体的には、例えば、ラボプラストミル(東洋精機製作所社製)などを用いることができる。
低分子有機化合物を含ませる場合は、あらかじめ結晶性高分子と低分子有機化合物とを溶融混合するか、溶媒中で溶解し混合しておくことが好ましい。
なお、必要に応じて混練物を更に粉砕処理し、粉砕物を再び混練しても良い。混練においては、結晶性高分子の熱劣化を防止する目的で酸化防止剤を含有してもよい。酸化防止剤としては、例えば、フェノール類、有機イオウ類、フォスファイト類等が用いられる。
<成形工程>
得られた混錬物を、公知の熱圧着機もしくは加圧ローラ等を用いて所定の厚さ(例えば0.8mm)のシート形状にプレス成型し、シート状の成形体(有機高分子抵抗体)を作製する。
<電極形成工程>
次に、2枚の電極板を用意する。ここで、電極板としては、通常の有機質PTCサーミスタの電極材料に用いられるものであれば、特に限定されることなく採用でき、例えばニッケルなどの金属板や金属箔を挙げることができる。その厚みは25〜200μm程度である。電極板の形状は特に限定されない(例えば柄の付いたもの等)。
続いて、これらを電極板、シート状の成形体(有機高分子抵抗体)及び電極板の順に位置合わせを行いながら積層し、公知の熱圧着機若しくは加圧ローラを用いて熱圧着する。なお、上記の熱圧着の際、互いに密着しやすくするために、その熱圧着の事前処理として、電極板の接合予定面、電極板の接合予定面、及びシート状の成形体の接合予定面に粗化処理を施してもよい。粗化処理は公知の方法を用いることができる。例えば、ニッケル箔や銅箔の場合は、電気めっき処理を用いることができる。その他の材料である場合についても、エッチング処理、プラズマ処理、サンドブラスト処理等を行うことで表面を粗化することができる。また、このような粗化処理以外にも、シランカップリング処理や、紫外線による表面改質、プラズマ処理などの方法を用いて各部材の密着性を高めることも可能である。
<打ち抜き工程>
電極形成工程によって得られた電極に挟まれたシート状の有機高分子抵抗体を、所定の面積(例えば9mm×3.5mm)を有する角型に打ち抜く。
<放射線照射工程>
次に、電子線等を有機高分子抵抗体中に照射することにより架橋を行う。これにより、電極間には、高温に繰り返し又は長期間晒された場合であっても優れたPTC特性を十分維持できるサーミスタ素体が作製される。放射線の照射量は、有機高分子抵抗体中のラジカル捕捉剤の量によっても依存するが、本実施形態においては、10kGy〜1000kGyが好ましく、50kGy〜500kGyがより好ましい。50kGyより少ないと架橋不足となり、1000kGyを超えると、結晶性高分子の劣化が問題となり、またコスト的にも不利となる。
<外部電極端子接合工程>
上記放射線照射工程により作製されたサーミスタ素体1を挟んだ電極2、3の表面にそれぞれ外部電極端子4を接合することにより、サーミスタ素子10を作製することができる。この外部電極端子の接合方法としては、通常のサーミスタの製造方法において用いられるものであれば特に限定されることなく用いることができる。
以上、本発明のサーミスタ素子の製造方法の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
例えば、放射線照射工程を電極形成工程の前に行ってもよい。すなわち、電極が設けられていない有機高分子抵抗体の成形体に対して電子線等を照射し、架橋を行ってもよい。
以下、実施例及び比較例を挙げ、本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
結晶性高分子として直鎖状低密度ポリエチレン(三井化学社製、商品名「エボリュー2520」、MFR=1.7g/10分)、導電性フィラーとしてフィラメント状ニッケルパウダ(INCO社製、Type210ニッケルパウダ、吸油量9.0g/100g、平均粒径0.5〜1.0μm、見掛け密度0.8g/cm、比表面積1.5〜2.5m/g)、及び、低分子有機化合物としてパラフィンワックス(Baker Petrolite社製、商品名「Poly Wax655」、融点99℃)を体積比44:28:30の割合で混合し、更にラジカル捕捉剤(旭電化製、商品名「LA63−P」)を、直鎖状低密度ポリエチレン100質量部に対して0.3質量部の割合で添加して混合物を得た。続いて、この混合物をラボプラストミル中、150℃で30分間混練した。
次に、得られた混練物を熱プレス機により厚さ0.5mmのシート状に成形し、有機高分子抵抗体を得た。続いて、このシート状有機高分子抵抗体の両面を、表面が粗面化処理された厚さ30μmのニッケル箔で挟み、熱プレス機により150℃でシート状物とニッケル箔とを熱圧着し、全体で10cm×10cm×1mmの大きさを有する成形体を得た。そして、この成形体の片面に2MeVの加速電圧有する電子線を500kGyの照射量で照射した後、3mm×6mmの角型に切断し、電極/サーミスタ素体/電極の構成を有する積層体を得た。これに、Ni製のリード端子(外部電極端子)をはんだ付けして、実施例1のサーミスタ素子を得た。
(実施例2)
結晶性高分子として直鎖状低密度ポリエチレン(三井化学社製、商品名「エボリュー2520」、MFR=1.7g/10分)、導電性フィラーとしてフィラメント状ニッケルパウダ(INCO社製、Type210ニッケルパウダ、吸油量9.0g/100g、平均粒径0.5〜1.0μm、見掛け密度0.8g/cm、比表面積1.5〜2.5m/g)、及び、低分子有機化合物としてパラフィンワックス(Baker Petrolite社製、商品名「Poly Wax655」、融点99℃)を体積比44:28:30の割合で混合し、更にラジカル捕捉剤(住友化学社製、商品名「スミライザーGM」)を、直鎖状低密度ポリエチレン100質量部に対して0.3質量部の割合で添加して混合物を得た。続いて、この混合物をラボプラストミル中、150℃で60分間混練した。
次に、得られた混練物を熱プレス機により厚さ0.5mmのシート状に成形し、有機高分子抵抗体を得た。続いて、このシート状有機高分子抵抗体の両面を、表面が粗面化処理された厚さ30μmのニッケル箔で挟み、熱プレス機により150℃でシート状物とニッケル箔とを熱圧着し、全体で10cm×10cm×1mmの大きさを有する成形体を得た。そして、この成形体の片面に2MeVの加速電圧有する電子線を500kGyの照射量で照射した後、3mm×6mmの角型に切断し、電極/サーミスタ素体/電極の構成を有する積層体を得た。これに、Ni製のリード端子(外部電極端子)をはんだ付けして、実施例2のサーミスタ素子を得た。
(実施例3)
結晶性高分子として高密度ポリエチレン(日本ポリケム社製、商品名「ノバテックHY540」、MFR=1.0g/10分)、導電性フィラーとしてフィラメント状ニッケルパウダ(INCO社製、Type210ニッケルパウダ、吸油量9.0g/100g、平均粒径0.5〜1.0μm、見掛け密度0.8g/cm、比表面積1.5〜2.5m/g)、及び、低分子有機化合物としてパラフィンワックス(Baker Petrolite社製、商品名「Poly Wax655」、融点99℃)を体積比44:28:30の割合で混合し、更にラジカル捕捉剤(旭電化製、商品名「LA63−P」)を、高密度ポリエチレン100質量部に対して0.3質量部の割合で添加して混合物を得た。続いて、この混合物をラボプラストミル中、150℃で30分間混練した。
次に、得られた混練物を熱プレス機により厚さ0.5mmのシート状に成形し、有機高分子抵抗体を得た。続いて、このシート状有機高分子抵抗体の両面を、表面が粗面化処理された厚さ30μmのニッケル箔で挟み、熱プレス機により150℃でシート状物とニッケル箔とを熱圧着し、全体で10cm×10cm×1mmの大きさを有する成形体を得た。そして、この成形体の片面に2MeVの加速電圧有する電子線を500kGyの照射量で照射した後、3mm×6mmの角型に切断し、電極/サーミスタ素体/電極の構成を有する積層体を得た。これに、Ni製のリード端子(外部電極端子)をはんだ付けして、実施例3のサーミスタ素子を得た。
(実施例4)
結晶性高分子として高密度ポリエチレン(日本ポリケム社製、商品名「エボリュー2520」、MFR=1.0g/10分)、導電性フィラーとしてフィラメント状ニッケルパウダ(INCO社製、Type210ニッケルパウダ、吸油量9.0g/100g、平均粒径0.5〜1.0μm、見掛け密度0.8g/cm、比表面積1.5〜2.5m/g)、及び、低分子有機化合物としてパラフィンワックス(Baker Petrolite社製、商品名「Poly Wax655」、融点99℃)を体積比44:28:30の割合で混合し、更にラジカル捕捉剤(住友化学社製、商品名「スミライザーGM」)を、直鎖状低密度ポリエチレン100質量部に対して0.3質量部の割合で添加して混合物を得た。続いて、この混合物をラボプラストミル中、150℃で60分間混練した。
次に、得られた混練物を熱プレス機により厚さ0.5mmのシート状に成形し、有機高分子抵抗体を得た。続いて、このシート状有機高分子抵抗体の両面を、表面が粗面化処理された厚さ30μmのニッケル箔で挟み、熱プレス機により150℃でシート状物とニッケル箔とを熱圧着し、全体で10cm×10cm×1mmの大きさを有する成形体を得た。そして、この成形体の片面に2MeVの加速電圧有する電子線を500kGyの照射量で照射した後、3mm×6mmの角型に切断し、電極/サーミスタ素体/電極の構成を有する積層体を得た。これに、Ni製のリード端子(外部電極端子)をはんだ付けして、実施例4のサーミスタ素子を得た。
(比較例1)
結晶性高分子として直鎖状低密度ポリエチレン(三井化学社製、商品名「エボリュー2520」、MFR=1.7g/10分)、導電性フィラーとしてフィラメント状ニッケルパウダ(INCO社製、Type210ニッケルパウダ、吸油量9.0g/100g、平均粒径0.5〜1.0μm、見掛け密度0.8g/cm、比表面積1.5〜2.5m/g)、及び、低分子有機化合物としてパラフィンワックス(Baker Petrolite社製、商品名「Poly Wax655」、融点99℃)を体積比44:28:30の割合で混合して混合物を得た。続いて、この混合物をラボプラストミル中、150℃で60分間混練した。
次に、得られた混練物を熱プレス機により厚さ0.5mmのシート状に成形し、有機高分子抵抗体を得た。続いて、このシート状有機高分子抵抗体の両面を、表面が粗面化処理された厚さ30μmのニッケル箔で挟み、熱プレス機により150℃でシート状物とニッケル箔とを熱圧着し、全体で10cm×10cm×1mmの大きさを有する成形体を得た。そして、この成形体の片面に2MeVの加速電圧有する電子線を500kGyの照射量で照射した後、3mm×6mmの角型に切断し、電極/サーミスタ素体/電極の構成を有する積層体を得た。これに、Ni製のリード端子(外部電極端子)をはんだ付けして、比較例1のサーミスタ素子を得た。
(比較例2)
結晶性高分子として直鎖状低密度ポリエチレン(三井化学社製、商品名「エボリュー2520」、MFR=1.7g/10分)、導電性フィラーとしてフィラメント状ニッケルパウダ(INCO社製、Type210ニッケルパウダ、吸油量9.0g/100g、平均粒径0.5〜1.0μm、見掛け密度0.8g/cm、比表面積1.5〜2.5m/g)、及び、低分子有機化合物としてパラフィンワックス(Baker Petrolite社製、商品名「Poly Wax655」、融点99℃)を体積比44:28:30の割合で混合し、更に一次酸化防止剤としてジブチルヒドロキシトルエン(BHT)を、直鎖状低密度ポリエチレン100質量部に対して0.3質量部の割合で添加して混合物を得た。続いて、この混合物をラボプラストミル中、150℃で60分間混練した。
次に、得られた混練物を熱プレス機により厚さ0.5mmのシート状に成形し、有機高分子抵抗体を得た。続いて、このシート状有機高分子抵抗体の両面を、表面が粗面化処理された厚さ30μmのニッケル箔で挟み、熱プレス機により150℃でシート状物とニッケル箔とを熱圧着し、全体で10cm×10cm×1mmの大きさを有する成形体を得た。そして、この成形体の片面に2MeVの加速電圧有する電子線を500kGyの照射量で照射した後、3mm×6mmの角型に切断し、電極/サーミスタ素体/電極の構成を有する積層体を得た。これに、Ni製のリード端子(外部電極端子)をはんだ付けして、比較例2のサーミスタ素子を得た。
(比較例3)
結晶性高分子として高密度ポリエチレン(日本ポリケム社製、商品名「ノバテックHY540」、MFR=1.0g/10分)、導電性フィラーとしてフィラメント状ニッケルパウダ(INCO社製、Type210ニッケルパウダ、吸油量9.0g/100g、平均粒径0.5〜1.0μm、見掛け密度0.8g/cm、比表面積1.5〜2.5m/g)、及び、低分子有機化合物としてパラフィンワックス(Baker Petrolite社製、商品名「Poly Wax655」、融点99℃)を体積比44:28:30の割合で混合して混合物を得た。続いて、この混合物をラボプラストミル中、150℃で60分間混練した。
次に、得られた混練物を熱プレス機により厚さ0.5mmのシート状に成形し、有機高分子抵抗体を得た。続いて、このシート状有機高分子抵抗体の両面を、表面が粗面化処理された厚さ30μmのニッケル箔で挟み、熱プレス機により150℃でシート状物とニッケル箔とを熱圧着し、全体で10cm×10cm×1mmの大きさを有する成形体を得た。そして、この成形体の片面に2MeVの加速電圧有する電子線を500kGyの照射量で照射した後、3mm×6mmの角型に切断し、電極/サーミスタ素体/電極の構成を有する積層体を得た。これに、Ni製のリード端子(外部電極端子)をはんだ付けして、比較例3のサーミスタ素子を得た。
(比較例4)
結晶性高分子として高密度ポリエチレン(日本ポリケム社製、商品名「ノバテックHY540」、MFR=1.0g/10分)、導電性フィラーとしてフィラメント状ニッケルパウダ(INCO社製、Type210ニッケルパウダ、吸油量9.0g/100g、平均粒径0.5〜1.0μm、見掛け密度0.8g/cm、比表面積1.5〜2.5m/g)、及び、低分子有機化合物としてパラフィンワックス(Baker Petrolite社製、商品名「Poly Wax655」、融点99℃)を体積比44:28:30の割合で混合し、更に一次酸化防止剤としてジブチルヒドロキシトルエン(BHT)を、直鎖状低密度ポリエチレン100質量部に対して0.3質量部の割合で添加して混合物を得た。続いて、この混合物をラボプラストミル中、150℃で30分間混練した。
次に、得られた混練物を熱プレス機により厚さ0.5mmのシート状に成形し、有機高分子抵抗体を得た。続いて、このシート状有機高分子抵抗体の両面を、表面が粗面化処理された厚さ30μmのニッケル箔で挟み、熱プレス機により150℃でシート状物とニッケル箔とを熱圧着し、全体で10cm×10cm×1mmの大きさを有する成形体を得た。そして、この成形体の片面に2MeVの加速電圧有する電子線を500kGyの照射量で照射した後、3mm×6mmの角型に切断し、電極/サーミスタ素体/電極の構成を有する積層体を得た。これに、Ni製のリード端子(外部電極端子)をはんだ付けして、比較例4のサーミスタ素子を得た。
実施例1〜4及び比較例1〜4のサーミスタ素体について、作製直後の初期抵抗値、及び、サーミスタ素体を70℃で500時間保存した後の抵抗値をそれぞれ測定した。得られた結果を表1に示す。
Figure 0004247208

表1に示すように、本発明に係る実施例1〜4のサーミスタ素子は、比較例1〜4のサーミスタ素子に比べて熱履歴による抵抗値の上昇が極めて抑制されており、優れたPTC特性を十分維持できることが確認された。
本発明のサーミスタの好適な一実施形態を示す模式断面図である。
符号の説明
1…サーミスタ素体、2,3…電極、4…外部電極端子、10…サーミスタ素子。

Claims (6)

  1. 結晶性高分子と、導電性フィラーと、分子量が1000以上でありアルキルラジカルを捕捉可能なラジカル捕捉剤と、を含み、前記ラジカル捕捉剤が、前記結晶性高分子の非晶部に偏って存在する、有機高分子抵抗体、を放射線の照射により架橋してなる、有機高分子抵抗体架橋物。
  2. 前記有機高分子抵抗体が、前記ラジカル捕捉剤として、下記一般式(1)で示される構造を有する化合物を含む、請求項1に記載の有機高分子抵抗体架橋物。
    Figure 0004247208
  3. 前記有機高分子抵抗体が、前記ラジカル捕捉剤として、下記一般式(2)で示される構造を有し且つエチレン性二重結合を有する化合物を含む、請求項1又は2に記載の有機高分子抵抗体架橋物。
    Figure 0004247208
  4. 互いに対向する一対の電極と、前記一対の電極の間に配置されたサーミスタ素体と、を備えるサーミスタ素子であって、
    前記サーミスタ素体が、請求項1〜のうちのいずれか1項に記載の有機高分子抵抗体架橋物から構成されている、サーミスタ素子。
  5. 結晶性高分子と、導電性フィラーと、分子量が1000以上でありアルキルラジカルを捕捉可能なラジカル捕捉剤とを少なくとも含む混合物を調製する混合物調製工程と、
    前記混合物を成形し成形体を得る成形工程と、
    前記成形体に対して前記結晶性高分子を架橋させ得る放射線を照射する放射線照射工程と、
    を備える、サーミスタ素体の製造方法。
  6. 互いに対向する一対の電極と、前記一対の電極の間に配置されたサーミスタ素体と、を備えるサーミスタ素子の製造方法であって、
    結晶性高分子と、導電性フィラーと、分子量が1000以上でありアルキルラジカルを捕捉可能なラジカル捕捉剤とを少なくとも含む混合物を調製する混合物調製工程と、
    前記混合物を成形し成形体を得る成形工程と、
    前記成形体を挟んで対向するように、一対の電極を形成させる電極形成工程と、
    前記電極形成工程を経た成形体に対して前記結晶性高分子を架橋させ得る放射線を照射する放射線照射工程と、
    を備える、サーミスタ素子の製造方法。
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