JP4246856B2 - 制御装置の二重化切替方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、工業プラント等の制御装置の二重化切替方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、工業プラント等を制御する制御装置は、制御演算を行う複数の制御演算部と、外部との信号インタフェースを行う信号入出力部とから構成されている。制御演算部は、それぞれマイクロプロセッサを用いており、制御演算部で計算されたアナログ/デジタルデータをバスラインを通して信号入出力部へ送り、信号入出力部のアナログ出力部からはアナログ信号を、デジタル出力部からはデジタル信号を外部へ出力する。また、外部からのアナログ入力信号はアナログ入力部から、デジタル入力信号はデジタル入力部から、それぞれ取り込まれる。
【0003】
この種の制御装置では、信頼性を確保するため、制御演算部の二重化が行われる。従来は、一方が常用側、他方が待機側となり、互いに相手方の装置異常を検知し得るとともに、ステータス信号も検知できるようになっており、待機側は相手の装置異常を検知すると自己のステータスを常用に切り替え、相手方に代わり、外部との間でデータの授受を行う。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記した従来の二重化された制御装置では、切り替えの際に、短期間とはいえ、過渡状態として両方の制御演算部の常用/待機のモードが同じとなる可能性があった。そのため、もし両方とも常用となり、両装置がデータバスラインを通してデータの授受を行うと、両方の装置のデータがバスライン上で衝突する恐れがあるという問題があった。
【0005】
この発明は上記問題点に着目してなされたものであって、常用/待機のモード切り替え時に、データがバスライン上で衝突する恐れを回避する制御装置の二重化切替方法を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明の制御装置の二重化切替方法は、それぞれ外部バスに接続された制御演算部と信号入出力部とからなり、前記制御演算部、信号入出力部のうち少なくとも1以上が二重化され、二重化された部分同士が制御ラインによって互いに相手方の装置異常を検知するとともに、互いに相手方の常用/待機のステータスを検知し、二重化された部分のうち常用側が外部バスを介して外部と信号の授受を行う制御装置の二重化切替方法であって、二重化された部分が共に正常時に常用側と待機側を切り替える際に、常用側を外部バスに接続したままで待機側を外部バスから切り離し、その後、待機側はステータスを常用に切り替え、その旨を常用側に通知し、この通知で常用側はステータスを待機とするとともに自己を外部バスから切り離し、前待機側は相手方のステータスが変更されたことを検知して、自己を外部バスに接続するようにしている。
この二重化切替方法によれば、待機側を外部バスから切り離し、その後、常用とし、前常用側を待機にし、その後、前待機側を外部バスに接続するものであるから、切り替え時でもバスライン上に両方からデータ授受がなされることがなく、データの衝突が発生しない。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、実施の形態により、この発明をさらに詳細に説明する。図1は、この発明が実施される制御装置の構成を示すブロック図である。この制御装置は、制御演算部1、2と、信号入出力部3と、これらを接続するデータバスライン(外部バス)4とから構成される。
【0008】
制御演算部1は制御演算部1、1の2台で二重化されている。制御演算部1、1は、それぞれ制御ライン5によって、互いに相手方の装置異常を検知でき、また、制御ライン6によって互いに相手方の常用/待機のステータスを検知できるようになっている。
制御演算部2は二重化されていない。信号入出力部3はアナログ信号入力部7、アナログ信号出力部8、デジタル信号入力部9及びデジタル信号出力部10を備えている。各制御演算部1、1、2と信号入出力部3はデータバスライン4で接続されており、このデータバスライン4を通して外部からの入力信号を信号入出力部3より制御演算部1、1、2に送り、制御演算部1、1、2での演算結果を他の制御演算部や信号入出力部3より外部へ出力する。
【0009】
二重化された制御演算部1は、通常、制御演算部1A 、1B の一方が常用側として動作しており、他方が待機状態となっている。常用側のみが制御演算結果を外部へ出力している。また、制御演算部1A 、1B は相手方が常用で自己が待機状態の時に、制御ライン5を通して相手方の装置異常を検知すると、自分を常用側に切り替え、異常となった相手方の装置に代わって制御演算動作を継続する。
【0010】
また、制御演算部1A 、1B は、図2に示すように、外部データバスライン4と内部データバスライン12間に3ステートバッファ11を備えており、異常となった制御演算部では、自己の装置異常信号で外部データバスライン4への接続許可信号をOFFとして、外部データバスライン4との接続を遮断する。これにより、異常となった制御演算部がデータバスライン4に悪影響を及ぼさないようにしている。
【0011】
一方、二重化された両制御演算部1A 、1B が正常時に、手動操作で常用/待機を切り替える際に、両制御演算部の常用/待機のステータスが過渡的に重なることがありうる。今、図3に示すように、制御演算部1A が常用で、制御演算部1B が待機状態である時を想定する。この状態で時点t1 で制御演算部1B を手動で常用に切り替えるようにすると、両制御演算部1A 、1B が常用となる。そして、両制御演算部1A 、1B からデータが出力されるとデータ衝突が発生し、データの授受が正しく行われない可能性がある。
【0012】
ここでは、データの衝突を回避するために、制御演算部1のステータスを常用に切り替える前に、制御演算部1の、図2で示す外部バスライン4への接続許可信号をOFFする。これにより、制御演算部1を外部バスライン4から切り離し、その後、制御演算部1自身のステータスを常用側に切り替え、その旨を相手方の制御演算部1に通知する。制御演算部1がこれを受けて、常用から待機に切り替わる。制御演算部1は、この待機のステータス信号検知した後、時点tで制御演算部1の外部バスへの接続許可信号をONにし、データバスライン4に再接続する。こうすることで、バスライン上でのデータ衝突を全く起こさずに、常用/待機の切り替えができる。
【0013】
なお、上記実施形態の説明では制御演算部の二重化切替を説明したが、二重化された信号入出力部にも同様に適用できる。
【0014】
【発明の効果】
この発明によれば、二重化された部分が共に正常時に常用と待機の切り替えを行うのに、常用側を外部バスに接続したままで待機から常用とする側を外部バスラインから切り離し、その後、前待機側を待機から常用に切り替え、かつ相手側(常用側)を待機に切り替えるとともに外部バスから切り離し、前常用側が待機となってから前待機側を外部バスラインに再接続するものであるから、バスラインでのデータの衝突を回避でき、データ授受に支障をきたすことがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明が実施される制御装置の構成を示すブロック図である。
【図2】同制御装置の二重化された制御演算部の外部データバスラインとの切り離しを説明する回路図である。
【図3】同制御装置の二重化された制御演算部の常用/待機の切り替えを説明するためのタイムチャートである。
【符号の説明】
1(1A 、1B )、2 制御演算部
3 信号入出力部
4 外部データバスライン
5 装置異常信号ライン
6 ステータス信号ライン

Claims (2)

  1. それぞれ外部バスに接続された制御演算部と信号入出力部とからなり、前記制御演算部、信号入出力部のうち少なくとも1以上が二重化され、二重化された部分同士が制御ラインによって互いに相手方の装置異常を検知するとともに、互いに相手方の常用/待機のステータスを検知し、二重化された部分のうち常用側が外部バスを介して外部と信号の授受を行う制御装置の二重化切替方法であって、
    二重化された部分が共に正常時に常用側と待機側を切り替える際に、常用側を外部バスに接続したままで待機側を外部バスから切り離し、その後、待機側はステータスを常用に切り替え、その旨を常用側に通知し、この通知で常用側はステータスを待機とするとともに自己を外部バスから切り離し、前待機側は相手方のステータスが変更されたことを検知して、自己を外部バスに接続するようにしたことを特徴とする制御装置の二重化切替方法。
  2. 前記二重化された部分は、制御演算部であることを特徴とする請求項1記載の制御装置の二重化切替方法。
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