JP4246831B2 - 半導体集積回路装置のデータ判別方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、多値メモリのデータ読み出しに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、1つのメモリセルが記憶するデータ準位数nは“n=2”であったが、近年、記憶容量を大規模化する技術として、データ準位数nを“n≧3”にする多値メモリが注目されている。
【0003】
例えばデータ準位数nを“n=4”とすると、1つのメモリセルに、“00”、“01”、“10”、“11”の2ビットデータを記憶させることができる。従来のデータ準位数nが“n=2”のメモリでは、2ビットデータを記憶するために、2つのメモリセルが必要である。
【0004】
このようにデータ準位数nが“n=4”とされた多値メモリは、メモリセルの集積数が、データ準位数nが“n=2”のメモリと同じ場合でも、その記憶容量は2倍になる。このように多値メモリは、記憶容量の大規模化に有用な技術である。
【0005】
データ準位数nを“n≧3”にする理論は、次の通りである。
【0006】
例えばEEPROMのメモリセルにおいて、そのデータ準位数nを“n≧3”にする場合には、メモリセルがとり得るしきい値電圧を、3種類以上にすれば良い。
【0007】
例えばデータ準位数nを“n=4”にするには、図23(A)に示すように、メモリセルがとり得るしきい値電圧Vthを、“Vth00”、“Vth01”、“Vth10”、“Vth11”の4種類にすれば良い。しきい値電圧Vthを4種類にするためには、メモリセルの浮遊ゲートに蓄積される電荷の量を、4段階に分ければ良い。
【0008】
同様に、データ準位数“8”にするには、図23(B)に示すように、メモリセルがとり得るしきい値電圧Vthを、“Vth000”、“Vth001”、“Vth010”、“Vth011”、“Vth100”、“Vth101”、“Vth110”、“Vth111”の8種類にすれば良い。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、多値EEPROMは、3種類以上の複数のしきい値電圧を判別し、多ビットデータに変換するために、データ読み出しを、“データ準位数n−1”回、繰り返さなければならない。
【0010】
例えば4種類のしきい値電圧“Vth00”、“Vth01”、“Vth10”、“Vth11”を判別し、“00”、“01”、“10”、“11”の2ビットデータに変換するためには、図24(A)に示すように、以下の3回のデータ読み出しを行うことが必要となる。
【0011】
第1回読み出し:
ソース電位を0Vとし、メモリセルのゲート電位を“Vth11”と“Vth10”との間の読み出し電圧Vtc1としてデータを読み出す。メモリセルが“オン”(Vtc1>Vth)すれば、データ“11”が確定する。なお、メモリセルが“オフ”すれば、データ“10”、“01”、“00”のいずれかである。
【0012】
第2回読み出し:
ソース電位を0Vとし、メモリセルのゲート電位を“Vth10”と“Vth01”との間の読み出し電圧Vtc2としてデータを読み出す。メモリセルが“オン”(Vtc2>Vth)すれば、データ“10”が確定する。なお、メモリセルが“オフ”すれば、データ“01”、“00”のいずれかである。
【0013】
第3回読み出し:
ソース電位を0Vとし、メモリセルのゲート電位を“Vth01”と“Vth00”との間の読み出し電圧Vtc3としてデータを読み出す。メモリセルが“オン”(Vtc3>Vth)すれば、データ“01”が確定する。また、メモリセルが“オフ”すれば、データ“00”が確定する。
【0014】
同様に、8種類のしきい値電圧“Vth000”、…、“Vth111”を、“000”、…、“111”の3ビットデータに変換するためには、図24(B)に示すように、7回のデータ読み出しを行わなければならない。
【0015】
このように多値EEPROMは、従来のEEPROMに比べて記憶容量を大規模化し易くなる利点があるが、データ読み出しに要する時間はかえって長くなってしまう、という事情がある。
【0016】
この発明は、n値(nは4以上の整数)のデータを記憶するメモリセルを具備する半導体集積回路装置において、上記メモリセルからのデータ読み出しに要する時間を短くできる半導体集積回路装置のデータ判別方法を提供する。
【0017】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る半導体集積回路装置のデータ判別方法の一態様は、メモリセルのソース電位を第1のソース電位に設定し、前記メモリセルのゲート電位を第1の読み出し電位に設定し、多値データの第1のビットデータが“0”であるか“1”であるかを判別し、前記第1のビットデータが“0”であるとき、前記メモリセルのソース電位を前記第1のソース電位に設定し、前記メモリセルのゲート電位を前記第1の読み出し電位とは異なる第2の読み出し電位に設定し、前記多値データの第2のビットデータが“0”であるか“1”であるかを判別し、前記第1のビットデータが“1”であるとき、前記メモリセルのソース電位を前記第1のソース電位とは異なる第2のソース電位に設定し、前記メモリセルのゲート電位を前記第2の読み出し電位に設定し、前記多値データの第2のビットデータが“0”であるか“1”であるかを判別する。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0030】
実施の形態の説明にあたり、この明細書では、2ビット以上のデータを最上位ビットから順にbit data 1、bit data 2、…、と定義する。具体的には、2ビットデータは最上位ビットをbit data 1、最下位ビットをbit data 2と定義する(図2(A)参照)。同様に3ビットデータは、最上位ビットから順にbit data 1、bit data 2、最下位ビットをbit data 3と定義する(図2(B)参照)。
【0031】
[第1の実施形態]
図1(A)はこの発明の第1の実施形態に係る4値データ読み出し方法を示す流れ図、図1(B)は従来の4値データ読み出し方法を示す流れ図、図1(C)は4値データを記憶するメモリセルのしきい値電圧の分布を示す分布図である。まず、4値データを記憶するメモリセルのしきい値電圧Vthの分布を説明する。
【0032】
図1(C)に示すように、4値データを記憶するメモリセルでは、しきい値電圧Vthの分布が4段階に分けられている。低い順に説明すると、
第1段階: しきい値電圧Vth11をピークとした分布、
第2段階: しきい値電圧Vth10をピークとした分布、
第3段階: しきい値電圧Vth01をピークとした分布、
第4段階: しきい値電圧Vth00をピークとした分布、
である。これら4つの段階のしきい値電圧Vthの分布は、それぞれ2ビットデータ“11”、“10”、“01”、“00”に対応する。
【0033】
第1段階は最もしきい値電圧Vthが低くなる分布であり、一般的なフラッシュメモリにおけるデータを消去した状態(浮遊ゲートの電子が最も少ない)に相当する。第2〜第4段階はそれぞれデータを書き込んだ状態であり、順に浮遊ゲートに注入された電子の量が多くされている。
【0034】
従来では、4つの段階のしきい値電圧の分布を持つメモリセルのデータを、図1(B)に示すように“3”回のデータ読み出しによって、2ビットデータに変換していた。なお、図1(B)については、従来の技術の欄において、図24(A)を参照して説明した通りである。
【0035】
これに対し、第1の実施形態に係る4値データ読み出し方法では、4つの段階のしきい値電圧の分布を持つメモリセルのデータを、図1(A)に示すように“2”回のデータ読み出しによって、2ビットデータに変換できる。以下、図1(A)を参照して説明すると、
第1回読み出し:
ソース電位Vsを0Vとし、メモリセルのゲート電位を“Vth10”と“Vth01”との間の読み出し電圧Vtc2としてデータを読み出す。メモリセルが“オン”(Vtc2>Vth)すれば、データ“11”、“10”のいずれかである。即ち、2ビットデータのいずれか一方、この第1の実施形態ではbit data 1が“1”であることが確定する。また、メモリセルが“オフ”すれば、データ“01”、“00”のいずれかである。即ちbit data 1が“0”であることが確定する。
【0036】
第2回読み出し:
第2回読み出しに先立ち、メモリセルのソース電位Vsを、第1回読み出し結果に基いて変更する。即ち、bit data 1が“1”ならば、ソース電位を“0V”から正の電位Vmに変更する。正の電位Vmのレベルは、この発明に係るデータ読み出しを実現するために、次の値に設定される。
【0037】
図3(A)、(B)はそれぞれ正の電位Vmの設定を説明するための図である。
【0038】
図3(A)に示すように、ソース電位Vsを“0V”としたとき、しきい値電圧Vthが“Vtc1”となるメモリセルを考える。メモリセルは、基本的にMOSFETである。このため、ソース電位Vsを“0V”より高い正の電位とすれば、通常のMOSFETと同様に、基板バイアス効果によってしきい値電圧Vthは正の方向にシフトする。
【0039】
この現象を利用して、図3(B)に示すように、しきい値電圧Vthがソース電位Vsが“0V”のときの“Vtc1”から“Vtc3”にシフトされるように、正の電位Vmを設定する。
【0040】
このように正の電位Vmの値を決め、bit data 1に応じて、メモリセル毎にソース電位Vsを個別に設定する。
【0041】
なお、bit data 1が“0”ならば、ソース電位は“0V”のままで変更しない。
【0042】
ソース電位Vsを個別に設定した状態で、ゲート電位を“Vth01”と“Vth00”との間の読み出し電圧Vtc3としてデータを読み出す。メモリセルが“オン”(Vtc3>Vth)すれば、データ“01”、“11”のいずれかである。即ち、2ビットのデータの他方、この第1の実施形態ではbit data 2が“1”であることが確定する。また、メモリセルが“オフ”すれば、データ“00”、“10”のいずれかである。即ちbit data 2が“0”であることが確定する。
【0043】
上記第1の実施形態によれば、第1回読み出しでbit data 1が確定し、“1”ならばソース電位Vsを“0V”から“Vm”に変更する。これにより、ソース電位が“0V”のときに“Vth11”であったしきい値電圧を“Vth01”にシフトできる。同時にソース電位が“0V”のときに“Vth10”であったしきい値電圧についても“Vth00”にシフトできる。
【0044】
よって、“01”、“00”の群、“11”、“10”の群のどちらについても、ゲート電位をVtc3で共通とした第2回読み出しで、bit data 2を確定させることができる。
【0045】
この結果、2回のデータ読み出しによって、1つのメモリセルが記憶している4値データを、2ビットデータに変換することができる。よって、4値データを判別する時、3回のデータ読み出しを要していた従来に比べて、2回のデータ読み出しで判別することができる。
【0046】
なお、上記の事項を代数で表すと、“n値のデータを判別する時、この第1の実施形態では、n値のデータをm(mは、log2n≦mを満たす最も小さい整数)以上、n−1未満の読み出しで判別できる”となる。
【0047】
このように第1の実施形態に係る4値データ読み出し方法によれば、データ読み出し回数を減らせるので、データ読み出しに要する時間を短くすることができる。
【0048】
図4は、第1の実施形態に係る4値データ読み出しが適用されたNAND型EEPROMの一構成例を示す構成図である。
【0049】
図4に示すように、NAND型EEPROMは、メモリセルアレイ1と、メモリセルアレイ1のローを選択するロー選択回路2と、メモリセルアレイ1からデータを読み出す、およびメモリセルアレイ1にデータを書き込むデータ線系回路3とを有する。
【0050】
メモリセルアレイ1には、NANDセル4が形成されている。NANDセル4は、互いに直列接続されたメモリセルMC1〜MC8と、メモリセルMC1とビット線BL(BLk、BLk+1)との間に直列接続された選択トランジスタST1と、メモリセルMC8とソース線SL(SLk、SLk+1)との間に直列接続された選択トランジスタST2とを含む。
【0051】
メモリセルMC1〜MC8は、そのゲートと基板との間に電荷を蓄積するための浮遊ゲートFGを有するしきい値可変型のMOSFETであり、そのゲートはワード線WL1〜WL8に接続されている。ワード線WL1〜WL8は、ロー選択回路2のワード線駆動回路5−1〜5−8に接続されている。ワード線駆動回路5−1〜5−8は、図示せぬローアドレス信号にしたがって、ワード線WL1〜WL8の中から、データを読み書きする一本のワード線WLを選択する。
【0052】
選択トランジスタST1、ST2は、通常のMOSFETであり、そのゲートは選択ゲート線SG1、SG2に接続されている。選択ゲート線SG1、SG2は、ロー選択回路2の選択ゲート線駆動回路6−1、6−2に接続されている。選択ゲート線駆動回路6−1、6−2は、図示せぬローアドレス信号にしたがって、選択ゲート線SG1、SG2によって挟まれたブロック(図4では1つのブロックのみ図示)の中から、データを読み書きする一つを選択する。
【0053】
データ線系回路3は、ビット線BL(BLk、BLk+1)を充放電する充放電回路7(7k、7k+1)と、ビット線BL(BLk、BLk+1)に読み出されたデータを判別するデータ判別回路8(8k、8k+1)と、ソース線SL(SLk、SLk+1)を駆動するソース線駆動回路9(9k、9k+1)とを含む。
【0054】
図5はデータ判別回路8kの回路図である。なお、図5は、データ判別回路8kを示しているが、データ判別回路8k+1も同様の回路である。
【0055】
図5に示すように、データ判別回路8kは、bit data 1を判別し、判別したbit data 1をラッチするセンスアンプ兼データラッチ回路10−1と、bit data 2を判別し、判別したbit data 2をラッチするセンスアンプ兼データラッチ回路10−2と、接続/分離信号φ1に応答して、ビット線BLkとセンスアンプ兼データラッチ回路10−1とを接続/分離する接続/分離回路11−1と、接続/分離信号φ2に応答して、ビット線BLkとセンスアンプ兼データラッチ回路10−2とを接続/分離する接続/分離回路11−2とを有している。
【0056】
センスアンプ兼データラッチ回路10−1は、正相ノードN1と、逆相ノード /N1とを有する。正相ノードN1には、ビット線BLkの電位が、接続/分離回路11−1を介して伝えられる。逆相ノード /N1には、参照電位Vrefが伝えられる。センスアンプ兼データラッチ回路10−1は、正相ノードN1の電位と、逆相ノード /N1の電位とを比較して増幅/ラッチする。増幅/ラッチされた正相ノードN1の電位、逆相ノード /N1の電位は、bit data 1を示す相補信号である。
【0057】
同様に、センスアンプ兼データラッチ回路10−2は、正相ノードN2と、逆相ノード /N2とを有する。正相ノードN2には、ビット線BLkの電位が、接続/分離回路11−2を介して伝えられる。逆相ノード /N2には、上記参照電位Vrefが伝えられる。センスアンプ兼データラッチ回路10−2は、正相ノードN2の電位と、逆相ノード /N2の電位とを比較して増幅/ラッチする。増幅/ラッチされた正相ノードN2の電位、逆相ノード /N2の電位は、bit data 2を示す相補信号である。
【0058】
この実施形態では、ソース線SL(SLk、SLk+1)を0V(Vss)として、bit data 1を判別した後、このbit data 1の判別結果に応じて、ソース線SL(SLk、SLk+1)を0V(Vss)か、正の電位Vmかのいずれかとして、bit data 2を判別する。bit data 2の判別の際、ソース線SL(Slk、SLk+1)の電位を切り換えるか否かは、センスアンプ兼データラッチ回路10−1の正相ノードN1(もしくは逆相ノード /N1)の電位に基づいて決定される。
【0059】
次に、その動作を説明する。なお、以下の動作説明はビット線BLkに着目し、ワード線WL3が選択された場合を想定する。
【0060】
図6は、図4に示すNAND型EEPROMの動作を示す動作波形図、図7(A)、(B)はそれぞれbit data 1読み出し時、bit data 2読み出し時におけるしきい値電圧の様子を示す図である。
【0061】
図6に示すように、まず、時刻t0において、ビット線BLkを電位Vpcにプリチャージする。
【0062】
次に、時刻t1において、一時的に信号φ1、φ2を“H”レベルとし、正相ノードN1、N2をそれぞれ、電位Vpcにプリチャージする。
【0063】
次に、時刻t2において、ソース線SLkの電位を0Vとした状態で、選択ゲート線SG1、SG2を電位Vread、選択ワード線WL3を電位Vtc2、非選択ワード線WL1、WL2、WL4〜WL8を電位Vreadとする。これにより、ビット線BLkの電位が、メモリセルMC3のしきい値電圧に応じて変化する。
【0064】
即ち、図7(A)に示すように、メモリセルMC3のしきい値電圧が電位Vtc2よりも高ければ、メモリセルMC3はオフし、ビット線BLkの電位は電位Vpcから実質的に変化しない。また、メモリセルMC3のしきい値電圧が電位Vtc2よりも低ければ、メモリセルMC3はオンし、ビット線BLkの電位は電位Vpcから低下する。
【0065】
次に、時刻t3において、一時的に信号φ1を“H”レベルとし、正相ノードN1に、ビット線BLkの電位を転送する。
【0066】
次に、時刻t4において、正相ノードN1の電位と、逆相ノード /N1の電位Vrefの電位とを比較/増幅する。正相ノードN1の電位が逆相ノード /N1の電位Vrefよりも高ければ、bit data 1が“0”であることが確定し、反対に低ければ、bit data 1が“1”であることが確定する。bit data 1の“0”、“1”が確定したことを受けて、ソース線SLkの電位を変化させる。即ち、bit data 1が“0”の時、ソース線SLkは0Vのまま、bit data 1が“1”の時、ソース線SLkは正の電位Vmとする。
【0067】
また、この実施形態においては、信号φ1が“H”レベルから“L”レベルになった後、選択ゲート線SG1、SG2、選択ワード線WL3、非選択ワード線WL1、WL2、WL4〜WL8を全て0Vとする。
【0068】
次に、時刻t5において、ソース線SLkを0V、または正の電位Vmとした状態で、選択ゲート線SG1、SG2を電位Vread、選択ワード線WL3を電位Vtc3、非選択ワード線WL1、WL2、WL4〜WL8を電位Vreadとする。これにより、ビット線BLkの電位が、メモリセルMC3のしきい値電圧に応じて変化する。
【0069】
即ち、図7(B)に示すように、メモリセルMC3のしきい値電圧が電位Vtc3よりも高ければ、メモリセルMC3はオフし、ビット線BLkの電位は電位Vpcから実質的に変化しない。また、メモリセルMC3のしきい値電圧が電位Vtc3よりも低ければ、メモリセルMC3はオンし、ビット線BLkの電位は電位Vpcから低下する。
【0070】
次に、時刻t6において、一時的に信号φ2を“H”レベルとし、正相ノードN2に、ビット線BLkの電位を転送する。
【0071】
次に、時刻t7において、正相ノードN2の電位と、逆相ノード /N2の電位Vrefの電位とを比較/増幅する。正相ノードN2の電位が逆相ノード /N2の電位Vrefよりも高ければ、bit data 2が“0”であることが確定し、正相ノードN1の電位が電位Vrefよりも低ければ、bit data 2が“1”であることが確定する。
【0072】
このように図4に示すNAND型EEPROMであると、2回のデータ読み出しによって、1つのメモリセルが記憶している4値データを、2ビットデータに変換することができる。
【0073】
[第2の実施形態]
次に、この発明を8値のEEPROMに適用した例を、第2の実施形態として説明する。
【0074】
図8(A)はこの発明の第2の実施形態に係る8値データ読み出し方法を示す流れ図、図8(B)は従来の8値データ読み出し方法を示す流れ図、図8(C)は8値のデータを記憶するメモリセルのしきい値電圧の分布を示す図である。
【0075】
図8(C)に示すように、8値のデータを記憶するメモリセルでは、しきい値電圧Vthの分布が8段階に分かれている。低い順に説明すると、
第1段階: しきい値電圧Vth111をピークとした分布、
第2段階: しきい値電圧Vth110をピークとした分布、
第3段階: しきい値電圧Vth101をピークとした分布、
第4段階: しきい値電圧Vth100をピークとした分布、
第5段階: しきい値電圧Vth011をピークとした分布、
第6段階: しきい値電圧Vth010をピークとした分布、
第7段階: しきい値電圧Vth001をピークとした分布、
第8段階: しきい値電圧Vth000をピークとした分布、
である。これら8つの段階のしきい値電圧Vthの分布は、それぞれ3ビットデータ“111”、“110”、“101”、“100”、“011”、“010”、“001”、“000”に対応する。
【0076】
第1段階は最もしきい値電圧Vthが低くなる分布であり、一般的なフラッシュメモリにおけるデータを消去した状態(浮遊ゲートの電子が最も少ない)に相当する。第2〜第8段階はそれぞれデータを書き込んだ状態であり、順に浮遊ゲートに注入された電子の量が多くされている。
【0077】
従来では、8つの段階のしきい値電圧の分布を持つメモリセルのデータを、図8(B)に示すように、7回のデータ読み出しによって、3ビットデータに変換していた。
【0078】
これに対し、第3の実施形態に係るデータ読み出し方法では、8つの段階のしきい値電圧の分布を持つメモリセルのデータを、図8(A)に示すように、3回のデータ読み出しによって、3ビットデータに変換できる。以下、説明すると、図8(A)に示すように、
第1回読み出し:
ソース電位Vsを0Vとし、メモリセルのゲート電位を“Vth100”と“Vth011”との間の読み出し電圧Vtc4としてデータを読み出す。メモリセルが“オン”(Vtc4>Vth)すれば、データ“111”、“110”、“101”、“100”のいずれかである。即ち、3ビットデータの1つ、この第2の実施形態ではbit data 1が“1”であることが確定する。また、メモリセルが“オフ”すれば、データ“011”、“010”、“001”、“000”のいずれかである。即ちbit data 1が“0”であることが確定する。
【0079】
第2回読み出し:
第2回読み出しに先立ち、メモリセルのソース電位Vsを、第1回読み出し結果に基いて変更する。即ち、bit data 1が“1”ならば、ソース電位を“0V”から正の電位Vm1に変更する。正の電位Vm1のレベルは、次の値に設定される。
【0080】
図9(A)は正の電位Vm1の設定値を説明するための図である。
【0081】
図9(A)に示すように、ソース電位Vsが“0V”のとき、しきい値電圧Vthが“Vtc2”となるメモリセルを考える。このメモリセルのしきい値電圧Vthが、“Vtc2”から“Vtc6”にシフトされるように、正の電位Vm1は設定される。
【0082】
このように正の電位Vm1の値を決め、bit data 1に応じて、メモリセル毎にソース電位Vsを個別に設定する。
【0083】
なお、bit data 1が“0”ならば、ソース電位は“0V”のままで変更しない。
【0084】
ソース電位Vsを個別に設定した状態で、ゲート電位を読み出し電圧Vtc6としてデータを読み出す。メモリセルが“オン”(Vtc6>Vth)すれば、データ“011”、“010”、“111”、“110”のいずれかである。即ち、3ビットのデータの2つめ、この第1の実施形態ではbit data 2が“1”であることが確定する。また、メモリセルが“オフ”すれば、データ“000”、“001”、“100”、“101”のいずれかである。即ちbit data 2が“0”であることが確定する。
【0085】
第3回読み出し:
第3回読み出しに先立ち、メモリセルのソース電位Vsを、第2回読み出し結果に基いて変更する。即ち、bit data 2が“1”ならば、第1回目読み出し時のソース電位Vsに、さらに正の電位Vm2を加算する。正の電位Vm2のレベルは、次の値に設定される。
【0086】
図9(B)は正の電位Vm2の設定値を説明するための図である。
【0087】
図9(B)に示すように、ソース電位Vsが“0V”および“Vm”のとき、しきい値電圧Vthが“Vtc5”となるメモリセルを考える。このメモリセルのしきい値電圧Vthが、“Vtc5”から“Vtc7”にシフトされるように、正の電位Vm2は設定される。
【0088】
このように正の電位Vm2の値を決め、bit data 2に応じて、メモリセル毎にソース電位Vsを個別に設定する。
【0089】
なお、bit data 2が“0”ならば、ソース電位は“0V”または“Vm”のままで変更しない。
【0090】
ソース電位Vsを個別に設定した状態で、ゲート電位を読み出し電圧Vtc7としてデータを読み出す。メモリセルが“オン”(Vtc7>Vth)すれば、データ“001”、“011”、“101”、“111”のいずれかである。即ち、3ビットのデータの3つめ、この第1の実施形態ではbit data 3が“1”であることが確定する。また、メモリセルが“オフ”すれば、データ“000”、“010”、“100”、“110”のいずれかである。即ちbit data 3が“0”であることが確定する。
【0091】
この結果、3回のデータ読み出しによって、1つのメモリセルが記憶している8値データを、3ビットデータに変換することができる。よって、8値データを判別する時、7回のデータ読み出しを要していた従来に比べて、3回のデータ読み出しで判別することができる。
【0092】
図10はこの発明の第2の実施形態に係る8値データ読み出し方法が適用されたNAND型EEPROMの一構成例を示す構成図である。
【0093】
図10に示すように、第2の実施形態が適用されたEEPROMが、図4に示すEEPROMと異なるところは、データ線系回路3’の構成である。具体的には、ソース線駆動回路9’(9’k、9’k+1)が、bit data 1に応じてソース電位Vsを0V(Vss)か正の電位Vm1かのいずれかに切り換えるとともに、bit data 2に応じて、ソース電位Vsにさらに正の電位Vm2を加算することである。
【0094】
図11はデータ判別回路8’kの回路図である。なお、図11は、データ判別回路8’kを示しているが、データ判別回路8’k+1も同様の回路である。
【0095】
図11に示すように、データ判別回路8’kは、センスアンプ兼データラッチ回路10−1〜10−3と、接続/分離回路11−1〜11−3とを有している。接続/分離回路11−1〜11−3はそれぞれ、接続/分離信号φ1、φ2、φ3に応答して、ビット線BLkとセンスアンプ兼データラッチ回路10−1〜10−3とを接続/分離する。
【0096】
センスアンプ兼データラッチ回路10−1は、正相ノードN1と、逆相ノード /N1とを有する。正相ノードN1には、ビット線BLkの電位が、接続/分離回路11−1を介して伝えられる。逆相ノード /N1には、参照電位Vrefが伝えられる。センスアンプ兼データラッチ回路10−1は、正相ノードN1の電位と、逆相ノード /N1の電位とを比較して増幅/ラッチする。増幅/ラッチされた正相ノードN1の電位、逆相ノード /N1の電位は、bit data 1を示す相補信号である。
【0097】
同様に、センスアンプ兼データラッチ回路10−2は、正相ノードN2と、逆相ノード /N2とを有する。正相ノードN2には、ビット線BLkの電位が、接続/分離回路11−2を介して伝えられる。逆相ノード /N2には、上記参照電位Vrefが伝えられる。センスアンプ兼データラッチ回路10−2は、正相ノードN2の電位と、逆相ノード /N2の電位とを比較して増幅/ラッチする。増幅/ラッチされた正相ノードN2の電位、逆相ノード /N2の電位は、bit data 2を示す相補信号である。
【0098】
同様に、センスアンプ兼データラッチ回路10−3は、正相ノードN3と、逆相ノード /N3とを有する。正相ノードN3には、ビット線BLkの電位が、接続/分離回路11−3を介して伝えられる。逆相ノード /N3には、上記参照電位Vrefが伝えられる。センスアンプ兼データラッチ回路10−3は、正相ノードN3の電位と、逆相ノード /N3の電位とを比較して増幅/ラッチする。増幅/ラッチされた正相ノードN3の電位、逆相ノード /N3の電位は、bit data 3を示す相補信号である。
【0099】
この実施形態では、ソース線SL(SLk、SLk+1)を0V(Vss)として、bit data 1を判別した後、このbit data 1の判別結果に応じて、ソース線SL(SLk、SLk+1)を0V(Vss)か、正の電位Vm1かのいずれかとしてbit data 2を判別する。さらにソース線SL(SLk、SLk+1)を0Vか、正の電位Vm1かのいずれかとして、bit data 2を判別した後、このbit data 2の判別結果に基づいて、ソース線SL(SLk、SLk+1)に正の電位Vm2をさらに加算してbit data 3を判別する。
【0100】
bit data 2の判別の際、ソース線SL(Slk、SLk+1)の電位を切り換えるか否かは、センスアンプ兼データラッチ回路10−1の正相ノードN1(もしくは逆相ノード /N1)の電位に基づいて決定される。
【0101】
また、bit data 3の判別の際、ソース線SL(Slk、SLk+1)の電位に正の電位Vm2を加算するか否かは、センスアンプ兼データラッチ回路10−2の正相ノードN2(もしくは逆相ノード /N2)の電位に基づいて決定される。次に、その動作を説明する。なお、以下の動作説明はビット線BLkに着目し、ワード線WL3が選択された場合を想定する。
【0102】
図12は図10に示すNAND型EEPROMの動作波形図、図13(A)、(B)、(C)はそれぞれbit data 1読み出し時、bit data 2読み出し時、bit data 3読み出し時におけるしきい値電圧の様子を示す図である。
【0103】
図12に示すように、まず、時刻t0において、ビット線BLkを電位Vpcにプリチャージする。
【0104】
次に、時刻t1において、一時的に信号φ1、φ2、φ3を“H”レベルとし、正相ノードN1、N2、N3をそれぞれ、電位Vpcにプリチャージする。
【0105】
次に、時刻t2において、ソース線SLkの電位を0Vとした状態で、選択ゲート線SG1、SG2を電位Vread、選択ワード線WL3を電位Vtc4、非選択ワード線WL1、WL2、WL4〜WL8を電位Vreadとする。これにより、ビット線BLkの電位が、メモリセルMC3のしきい値電圧に応じて変化する。
【0106】
即ち、図13(A)に示すように、メモリセルMC3のしきい値電圧が電位Vtc4よりも高ければ、メモリセルMC3はオフし、ビット線BLkの電位は電位Vpcから実質的に変化しない。また、メモリセルMC3のしきい値電圧が電位Vtc4よりも低ければ、メモリセルMC3はオンし、ビット線BLkの電位は電位Vpcから低下する。
【0107】
次に、時刻t3において、一時的に信号φ1を“H”レベルとし、正相ノードN1に、ビット線BLkの電位を転送する。
【0108】
次に、時刻t4において、正相ノードN1の電位と、逆相ノード /N1の電位Vrefの電位とを比較/増幅する。正相ノードN1の電位が逆相ノード /N1の電位Vrefよりも高ければ、bit data 1が“0”であることが確定し、反対に低ければ、bit data 1が“1”であることが確定する。bit data 1の“0”、“1”が確定したことを受けて、ソース線SLkの電位を変化させる。即ち、bit data 1が“0”の時、ソース線SLkは0Vのまま、bit data 1が“1”の時、ソース線SLkは正の電位Vm1とする。
【0109】
また、この実施形態においては、信号φ1が“H”レベルから“L”レベルになった後、選択ゲート線SG1、SG2、選択ワード線WL3、非選択ワード線WL1、WL2、WL4〜WL8を全て0Vとする。
【0110】
次に、時刻t5において、ソース線SLkの電位を0V、またはVm1とした状態で、選択ゲート線SG1、SG2を電位Vread、選択ワード線WL3を電位Vtc6、非選択ワード線WL1、WL2、WL4〜WL8を電位Vreadとする。これにより、ビット線BLkの電位が、メモリセルMC3のしきい値電圧に応じて変化する。
【0111】
即ち、図13(B)に示すように、メモリセルMC3のしきい値電圧が電位Vtc6よりも高ければ、メモリセルMC3はオフし、ビット線BLkの電位は電位Vpcから実質的に変化しない。また、メモリセルMC3のしきい値電圧が電位Vtc6よりも低ければ、メモリセルMC3はオンし、ビット線BLkの電位は電位Vpcから低下する。
【0112】
次に、時刻t6において、一時的に信号φ2を“H”レベルとし、正相ノードN2に、ビット線BLkの電位を転送する。
【0113】
次に、時刻t7において、正相ノードN2の電位と、逆相ノード /N2の電位Vrefの電位とを比較/増幅する。正相ノードN2の電位が逆相ノード /N2の電位Vrefよりも高ければ、bit data 2が“0”であることが確定し、正相ノードN2の電位が電位Vrefよりも低ければ、bit data 2が“1”であることが確定する。bit data 2の“0”、“1”が確定したことを受けて、ソース線SLkの電位を変化させる。即ち、bit data 2が“0”の時、ソース線SLkは0V、またはVm1のまま、bit data 2が“1”の時、ソース線SLkにはさらに正の電位Vm2が加算される。
【0114】
また、この実施形態においては、信号φ2が“H”レベルから“L”レベルになった後、選択ゲート線SG1、SG2、選択ワード線WL3、非選択ワード線WL1、WL2、WL4〜WL8を全て0Vとする。
【0115】
次に、時刻t8において、ソース線SLkの電位を0V、Vm1、Vm2、またはVm1+Vm2とした状態で、選択ゲート線SG1、SG2を電位Vread、選択ワード線WL3を電位Vtc7、非選択ワード線WL1、WL2、WL4〜WL8を電位Vreadとする。これにより、ビット線BLkの電位が、メモリセルMC3のしきい値電圧に応じて変化する。
【0116】
即ち、図13(C)に示すように、メモリセルMC3のしきい値電圧が電位Vtc7よりも高ければ、メモリセルMC3はオフし、ビット線BLkの電位は電位Vpcから実質的に変化しない。また、メモリセルMC3のしきい値電圧が電位Vtc7よりも低ければ、メモリセルMC3はオンし、ビット線BLkの電位は電位Vpcから低下する。
【0117】
次に、時刻t9において、一時的に信号φ3を“H”レベルとし、正相ノードN3に、ビット線BLkの電位を転送する。
【0118】
次に、時刻t10において、正相ノードN3の電位と、逆相ノード /N3の電位Vrefの電位とを比較/増幅する。正相ノードN3の電位が逆相ノード /N2の電位Vrefよりも高ければ、bit data 3が“0”であることが確定し、正相ノードN3の電位が電位Vrefよりも低ければ、bit data 3が“1”であることが確定する。
【0119】
このように図10に示すNAND型EEPROMであると、3回のデータ読み出しによって、1つのメモリセルが記憶している8値データを、3ビットデータに変換することができる。
【0120】
[第3の実施形態]
多値データの読み出し方式には、2つの基本的な方式がある。
【0121】
一つは、従来の技術の欄でも説明したように、ビット線BLを“H”レベルにプリチャージし、プリチャージされたビット線がメモリセルMCがオンかオフかに応じ、ビット線BLがディスチャージされたか否かを検知する方式である(以下、ビット線ディスチャージ方式という)。
【0122】
もう一つは、共通線CLを“H”レベル、ビット線BLを“L”レベルからフローティングにした状態で、メモリセルMCをオンさせる。そして、ビット線BLの充電レベルがメモリセルMCのしきい値電圧に応じて変わることを利用して、基準電位をn−1回切り換えてビット線BLがどの電位レベルまで充電されたかを検知する方式である(以下、しきい値電圧検出方式という)。
【0123】
第1、第2の実施形態で利用した基板バイアス効果によるしきい値電圧のシフトは、MOSFETのソース、ドレインのいずれか低電位の端子の電位を変化させることで発生する。第1、第2の実施形態は、メモリセルのソースの電位を個別に設定したのに対し、第3の実施形態は、メモリセルのドレイン電位に相当するビット線電位を個別に設定するデータ読み出しに関する。
【0124】
図14はこの発明の第3の実施形態に係る4値データ読み出し方法を示す流れ図である。
【0125】
図14に示すように、
第1回読み出し:
ビット線電位VBLを0Vからフローティングとした状態で、メモリセルのゲート電位を“Vth10”と“Vth01”との間の読み出し電圧Vtc2としてデータを読み出す。メモリセルが“オン”(Vtc2>Vth)すれば、データ“11”、“10”のいずれかである。即ち、2ビットデータのいずれか一方、この第3の実施形態ではbit data 1が“1”であることが確定する。また、メモリセルが“オフ”すれば、データ“01”、“00”のいずれかである。即ちbit data 1が“0”であることが確定する。
【0126】
第2回読み出し:
第2回読み出しに先立ち、ビット線電位VBLを、第1回読み出し結果に基いて変更する。即ち、bit data 1が“1”ならば、ビット線電位VBLを、正の電位Vmからフローティングにする。また、bit data 1が“0”ならば、ビット線電位VBLは、第1回読み出しと同様0Vからフローティングとする。
【0127】
また、ビット線BLの電位VBLを、正の電位Vmからフローティングとした場合には、基準電位Vrefには、正の電位Vmが加算される。
【0128】
このようにビット線電位VBLを個別に設定した状態で、ゲート電位を“Vth01”と“Vth00”との間の読み出し電圧Vtc3としてデータを読み出す。メモリセルが“オン”(Vtc3>Vth)すれば、データ“01”、“11”のいずれかである。即ち、2ビットのデータの他方、この第3の実施形態ではbit data 2が“1”であることが確定する。また、メモリセルが“オフ”すれば、データ“00”、“10”のいずれかである。即ちbit data 2が“0”であることが確定する。
【0129】
上記第3の実施形態によれば、第1の実施形態と同様に、第1回読み出しでbit data 1が確定し、“1”ならばビット線電位VBLを、正の電位Vmからフローティングとなるように変更する。さらに基準電位Vrefに、正の電位Vmを加算する。これにより、ゲート電位をVtc3で共通とした第2回読み出しで、bit data 2を確定させることができる。
【0130】
この結果、第1の実施形態と同様に、2回のデータ読み出しによって、1つのメモリセルが記憶している4値データを、2ビットデータに変換することができる。
【0131】
このような第3の実施形態によれば、基準電位をn−1回切り換え、比較/増幅をn−1回行う従来のしきい値電圧検出方式に比べて、比較/増幅回数をm(mは、log2n≦mを満たす最も小さい整数)以上、n−1未満に減らすことができる。よって、データ読み出しからデータ確定までに要する時間を短縮しやすくなる、という効果を得ることができる。
【0132】
図15はこの発明の第3の実施形態に係る4値データ読み出し方法が適用されたNAND型EEPROMの一構成例を示す構成図である。
【0133】
図15に示すように、第3の実施形態に係る4値データ読み出し方法が適用されたNAND型EEPROMのデータ線系回路33は、ビット線BL(BLk、BLk+1)を充放電する充放電回路37(37k、37k+1)と、ビット線BL(BLk、BLk+1)に読み出されたデータを判別するデータ判別回路38(38k、38k+1)と、各NANDセル4で共通の共通線CLを駆動する共通線駆動回路39と、基準電位(参照電位)スイッチ40(40k、40k+1)とを含む。
【0134】
図16はデータ判別回路38kの回路図である。なお、図16は、データ判別回路38kを示しているが、データ判別回路38k+1も同様の回路である。
【0135】
図16に示すように、データ判別回路38kは、第1の実施形態のデータ判別回路8kとほぼ同様の構成である。異なるところは、bit data 1を、ビット線BL(BLk、BLk+1)の電位を0Vからフローティングとして判別した後、このbit data 1の判別結果に応じて、ビット線BL(BLk、BLk+1)の電位を0Vからフローティング、あるいは正の電位Vmからフローティングとしてbit data 2を判別すること、および基準電位Vrefに正の電位Vmを加算することである。
【0136】
bit data 2の判別の際、基準電位とビット線BL(BLk、BLk+1)の電位を切り換えるか否かは、センスアンプ兼データラッチ回路10−1の正相ノードN1(もしくは逆相ノード /N1)の電位に基づいて決定される。
【0137】
次に、その動作を説明する。なお、以下の動作説明はビット線BLkに着目し、ワード線WL3が選択された場合を想定する。
【0138】
図17は図15に示すNAND型EEPROMの動作波形図である。
【0139】
図17に示すように、まず、時刻t0において、ビット線BLkを0Vにプリチャージする。
【0140】
次に、時刻t1において、一時的に信号φ1、φ2を“H”レベルとし、正相ノードN1、N2をそれぞれ、0Vにプリチャージする。
【0141】
次に、時刻t2において、ビット線BLkの電位を0Vからフローティング、共通線CLの電位をVdとした状態で、選択ゲート線SG1、SG2を電位Vread、選択ワード線WL3を電位Vtc2、非選択ワード線WL1、WL2、WL4〜WL8を電位Vreadとする。これにより、ビット線BLkの電位が、メモリセルMC3のしきい値電圧に応じて変化する。即ち、メモリセルMC3のしきい値電圧が電位Vtc2よりも高ければ、メモリセルMC3はオフし、ビット線BLkの電位は0Vから実質的に変化しない。また、メモリセルMC3のしきい値電圧が電位Vtc2よりも低ければ、メモリセルMC3はオンし、ビット線BLkの電位は0Vから、メモリセルのしきい値電圧に応じて、“Vtc2−Vth10”、“Vtc2−Vth11”のいずれかに上昇する。
【0142】
次に、時刻t3において、一時的に信号φ1を“H”レベルとし、正相ノードN1に、ビット線BLkの電位を転送する。
【0143】
次に、時刻t4において、正相ノードN1の電位と、逆相ノード /N1の電位Vrefの電位とを比較/増幅する。正相ノードN1の電位が逆相ノード /N1の電位Vrefよりも高ければ、bit data 1が“1”であることが確定し、反対に低ければ、bit data 1が“0”であることが確定する。bit data 1の“0”、“1”が確定したことを受けて、ビット線BLkの電位、および参照電位Vrefを変化させる。即ち、bit data 1が“0”の時、ビット線BLkは0V、bit data 1が“1”の時、ビット線BLkは正の電位Vmとする。また、bit data 1が“1”の時、基準電位Vrefには正の電位Vmが加算される。
【0144】
また、この実施形態においては、信号φ1が“H”レベルから“L”レベルになった後、選択ゲート線SG1、SG2、選択ワード線WL3、非選択ワード線WL1、WL2、WL4〜WL8を全て0Vとする。
【0145】
次に、時刻t5において、ビット線BLkを0Vからフローティング、または正の電位Vmからフローティング、共通線CLをVdとした状態で、選択ゲート線SG1、SG2を電位Vread、選択ワード線WL3を電位Vtc3、非選択ワード線WL1、WL2、WL4〜WL8を電位Vreadとする。これにより、ビット線BLkの電位が、メモリセルMC3のしきい値電圧に応じて変化する。即ち、メモリセルMC3のしきい値電圧が電位Vtc3よりも高ければ、メモリセルMC3はオフし、ビット線BLkの電位は0V、または正の電位Vmから実質的に変化しない。また、メモリセルMC3のしきい値電圧が電位Vtc3よりも低ければ、メモリセルMC3はオンし、ビット線BLkの電位は、“Vtc3−Vth01”分、上昇する。
【0146】
次に、時刻t6において、一時的に信号φ2を“H”レベルとし、正相ノードN2に、ビット線BLkの電位を転送する。
【0147】
次に、時刻t7において、正相ノードN2の電位と、逆相ノード /N2の電位Vref、またはVref+Vmの電位とを比較/増幅する。正相ノードN2の電位が逆相ノード /N2の電位Vref、または電位Vref+Vmよりも高ければ、bit data 2が“1”であることが確定し、正相ノードN1の電位が電位Vref、または電位Vref+Vmよりも低ければ、bit data 2が“0”であることが確定する。
【0148】
このように図15に示すNAND型EEPROMであると、2回のデータ読み出し、2回の比較/増幅によって、1つのメモリセルが記憶している4値データを、2ビットのデータに変換することができる。
【0149】
[第4の実施形態]
図18はこの発明の第4の実施形態に係る8値データ読み出し方法を示す流れ図である。
【0150】
図18に示すように、
第1回読み出し:
ビット線電位VBLを0Vからフローティングとした状態で、メモリセルのゲート電位を“Vth011”と“Vth100”との間の読み出し電圧Vtc4としてデータを読み出す。メモリセルが“オン”(Vtc4>Vth)すれば、データ“100”、“101”、“110”、“111”のいずれかである。即ち、3ビットデータの1つ、この第4の実施形態ではbit data 1が“1”であることが確定する。また、メモリセルが“オフ”すれば、データ“000”、“001”、“010”、“011”のいずれかである。即ちbit data 1が“0”であることが確定する。
【0151】
第2回読み出し:
第2回読み出しに先立ち、ビット線電位VBLを、第1回読み出し結果に基いて変更する。即ち、bit data 1が“1”ならば、ビット線電位VBLを、正の電位Vm1からフローティングにする。また、bit data 1が“0”ならば、ビット線電位VBLは、第1回読み出しと同様0Vからフローティングとする。また、bit data 1が“1”ならば、基準電位Vrefに正の電位Vm1を加算する。
【0152】
このようにビット線電位VBLと基準電位Vrefとを、第1回読み出し結果に基づいて個別に設定した状態で、ゲート電位を“Vth010”と“Vth001”との間の読み出し電圧Vtc6としてデータを読み出す。メモリセルが“オン”(Vtc6>Vth)すれば、データ“010”、“011”、“110”、“111”のいずれかである。即ち、3ビットのデータの2つめ、この第4の実施形態ではbit data 2が“1”であることが確定する。また、メモリセルが“オフ”すれば、データ“000”、“001”、“100”、“101”のいずれかである。即ちbit data 2が“0”であることが確定する。
【0153】
第3回読み出し:
第3回読み出しに先立ち、ビット線電位VBLを、第2回読み出し結果に基いて変更する。即ち、bit data 2が“1”ならば、ビット線電位VBLに、正の電位Vm2を加算してからフローティングにする。また、bit data 2が“0”ならば、ビット線電位VBLは、第2回読み出しと同様の電位0V、または正の電位Vm1からフローティングとする。また、bit data 2が“1”ならば、基準電位Vref、またはVref+Vm1に、正の電位Vm2を加算する。
【0154】
このようにビット線電位VBLと基準電位Vrefとを個別に設定した状態で、ゲート電位を“Vth001”と“Vth000”との間の読み出し電圧Vtc7としてデータを読み出す。メモリセルが“オン”(Vtc7>Vth)すれば、データ“001”、“011”、“101”、“111”のいずれかである。即ち、3ビットのデータの3つめ、この第4の実施形態ではbit data 3が“1”であることが確定する。また、メモリセルが“オフ”すれば、データ“000”、“010”、“100”、“110”のいずれかである。即ちbit data 3が“0”であることが確定する。
【0155】
上記第4の実施形態によれば、第2の実施形態と同様に、第1回読み出しでbit data 1が確定し、“1”ならばビット線電位VBLを、正の電位Vm1からフローティングとなるように変更する。さらに基準電位Vrefに、正の電位Vm1を加算する。これにより、bit data 2を、ゲート電位をVtc6で共通とした第2回読み出しでbit data 2を確定させることができる。さらに第2回読み出しでbit data 2が“1”ならば、ビット線電位VBLに、正の電位Vm2を加算した電位からフローティングとなるように変更する。さらに基準電位Vref、Vref+Vm1に、正の電位Vm2を加算する。これにより、bit data 3を、ゲート電位をVtc7で共通とした第3回読み出しでbit data 3を確定させることができる。
【0156】
この結果、第2の実施形態と同様に、3回のデータ読み出し、3回の比較/増幅によって、1つのメモリセルが記憶している8値データを、3ビットのデータに変換することができる。
【0157】
また、第4の実施形態によれば、第3の実施形態と同様に、基準電位をn−1回切り換え、比較/増幅をn−1回行う従来のしきい値電圧検出方式に比べて、比較/増幅回数をm(mは、log2n≦mを満たす最も小さい整数)以上、n−1未満に減らすことができる。よって、基準電位をn−1回切り換える多値データ読み出し方法に比べて、データ読み出しからデータ確定までに要する時間を短縮しやすくなる、という効果を得ることができる。
【0158】
図19はこの発明の第4の実施形態に係る8値データ読み出し方法が適用されたNAND型EEPROMの一構成例を示す構成図である。
【0159】
図19に示すように、第4の実施形態が適用されたEEPROMが、図15に示すEEPROMと異なるところは、データ線系回路33’の構成である。具体的には、ビット線充放電回路37’(37’k、37’k+1)が、bit data 1に応じてビット線の電位VBLを0Vか正の電位Vm1に切り換えるとともに、bit data 2に応じて、ビット線の電位VBLに、さらに正の電位Vm2を加算する点、また、基準電位スイッチ40’kの接続が、bit data 1、bit data 2に応じて制御可能とされている点である。
【0160】
図20は図19に示すデータ判別回路38’kの回路図である。なお、図20には、データ判別回路38’kを示しているが、データ判別回路38’k+1も同様の回路である。
【0161】
図20に示すように、データ判別回路38’kは、第2の実施形態のデータ判別回路8’kとほぼ同様の構成である。異なるところは、bit data 1を、ビット線BL(BLk、BLk+1)を0Vからフローティングとして判別した後、このbit data 1の判別結果に応じて、ビット線BL(BLk、BLk+1)を0Vからフローティング、あるいは正の電位Vm1からフローティングとしてbit data 2を判別すること、および基準電位Vrefに正の電位Vm1を加算することである。
【0162】
さらにbit data 2の判別結果に応じて、ビット線BL(BLk、BLk+1)を0Vからフローティング、あるいは正の電位Vm2からフローティング、あるいは正の電位Vm1からフローティング、あるいは正の電位Vm1+Vm2からフローティングとしてbit data 2を判別すること、および基準電位Vref、あるいはVref+Vm1に正の電位Vm2を加算し、基準電位Vref、Vref+Vm2、Vref+Vm1、Vref+Vm1+Vm2のいずれかとすることである。
【0163】
bit data 2の判別の際、ビット線BL(BLk、BLk+1)の電位を切り換えるか否か、および基準電位Vref、Vref+Vm1を切り換えるか否かは、センスアンプ兼データラッチ回路10−1の正相ノードN1(もしくは逆相ノード /N1)の電位に基づいて決定される。
【0164】
また、bit data 3の判別の際、ビット線BL(BLk、BLk+1)の電位を切り換えるか否か、および基準電位Vrefを切り換えるか否かは、センスアンプ兼データラッチ回路10−2の正相ノードN2(もしくは逆相ノード /N2)の電位に基づいて決定される。
【0165】
次に、その動作を説明する。なお、以下の動作説明はビット線BLkに着目し、ワード線WL3が選択された場合を想定する。
【0166】
図21は図19に示すNAND型EEPROMの動作波形図である。
【0167】
図21に示すように、まず、時刻t0において、ビット線BLkを0Vにプリチャージする。
【0168】
次に、時刻t1において、一時的に信号φ1、φ2、φ3を“H”レベルとし、正相ノードN1、N2、N3をそれぞれ、0Vにプリチャージする。
【0169】
次に、時刻t2において、ビット線BLkの電位を0Vからフローティング、共通線CLの電位をVdとした状態で、選択ゲート線SG1、SG2を電位Vread、選択ワード線WL3を電位Vtc4、非選択ワード線WL1、WL2、WL4〜WL8を電位Vreadとする。これにより、ビット線BLkの電位が、メモリセルMC3のしきい値電圧に応じて変化する。即ち、メモリセルMC3のしきい値電圧が電位Vtc4よりも高ければ、メモリセルMC3はオフし、ビット線BLkの電位は0Vから実質的に変化しない。また、メモリセルMC3のしきい値電圧が電位Vtc4よりも低ければ、メモリセルMC3はオンし、ビット線BLkの電位は0Vから、メモリセルのしきい値電圧に応じて、“Vtc4−Vth100”、“Vtc4−Vth101”、“Vtc4−Vth110”、“Vtc4−Vth111”のいずれかに上昇する。
【0170】
次に、時刻t3において、一時的に信号φ1を“H”レベルとし、正相ノードN1に、ビット線BLkの電位を転送する。
【0171】
次に、時刻t4において、正相ノードN1の電位と、逆相ノード /N1の電位Vrefの電位とを比較/増幅する。正相ノードN1の電位が逆相ノード /N1の電位Vrefよりも高ければ、bit data 1が“1”であることが確定し、反対に低ければ、bit data 1が“0”であることが確定する。bit data 1の“0”、“1”が確定したことを受けて、ビット線BLkの電位を変化させる。即ち、bit data 1が“0”の時、ビット線BLkは0V、bit data 1が“1”の時、ビット線BLkは正の電位Vm1とする。また、bit data 1が“1”の時、基準電位Vrefには正の電位Vm1が加算される。
【0172】
また、この実施形態においては、信号φ1が“H”レベルから“L”レベルになった後、選択ゲート線SG1、SG2、選択ワード線WL3、非選択ワード線WL1、WL2、WL4〜WL8を全て0Vとする。
【0173】
次に、時刻t5において、ビット線BLkを0Vからフローティング、または正の電位Vm1からフローティング、共通線CLをVdとした状態で、選択ゲート線SG1、SG2を電位Vread、選択ワード線WL3を電位Vtc6、非選択ワード線WL1、WL2、WL4〜WL8を電位Vreadとする。これにより、ビット線BLkの電位が、メモリセルMC3のしきい値電圧に応じて変化する。即ち、メモリセルMC3のしきい値電圧が電位Vtc6よりも高ければ、メモリセルMC3はオフし、ビット線BLkの電位は0V、または正の電位Vm1から実質的に変化しない。また、メモリセルMC3のしきい値電圧が電位Vtc6よりも低ければ、メモリセルMC3はオンし、ビット線BLkの電位は、“Vtc6−Vth010”、または“Vtc6−Vth011”分、上昇する。
【0174】
次に、時刻t6において、一時的に信号φ2を“H”レベルとし、正相ノードN2に、ビット線BLkの電位を転送する。
【0175】
次に、時刻t7において、正相ノードN2の電位と、逆相ノード /N2の電位Vrefの電位とを比較/増幅する。正相ノードN2の電位が逆相ノード /N2の電位Vref、または電位Vref+Vm1よりも高ければ、bit data 2が“1”であることが確定し、正相ノードN2の電位が電位Vref、または電位Vref+Vm1よりも低ければ、bit data 2が“0”であることが確定する。bit data 2の“0”、“1”が確定したことを受けて、ビット線BLkの電位、および参照電位Vrefを変化させる。即ち、bit data 2が“0”の時、ビット線BLkは0V、または正の電位Vm1、bit data 1が“1”の時、ビット線BLkに正の電位Vm2を加算するとともに、基準電位Vrefに正の電位Vm2を加算する。
【0176】
また、この実施形態においては、信号φ2が“H”レベルから“L”レベルになった後、選択ゲート線SG1、SG2、選択ワード線WL3、非選択ワード線WL1、WL2、WL4〜WL8を全て0Vとする。
【0177】
次に、時刻t8において、ビット線BLkを0Vからフローティング、または正の電位Vm2からフローティング、または正の電位Vm1からフローティング、または正の電位Vm1+Vm2からフローティング、共通線CLをVdとした状態で、選択ゲート線SG1、SG2を電位Vread、選択ワード線WL3を電位Vtc7、非選択ワード線WL1、WL2、WL4〜WL8を電位Vreadとする。これにより、ビット線BLkの電位が、メモリセルMC3のしきい値電圧に応じて変化する。即ち、メモリセルMC3のしきい値電圧が電位Vtc7よりも高ければ、メモリセルMC3はオフし、ビット線BLkの電位は0V、正の電位Vm2、正の電位Vm1、正の電位Vm1+Vm2から実質的に変化しない。また、メモリセルMC3のしきい値電圧が電位Vtc7よりも低ければ、メモリセルMC3はオンし、ビット線BLkの電位は、“Vtc7−Vth001”分、上昇する。
【0178】
次に、時刻t9において、一時的に信号φ3を“H”レベルとし、正相ノードN3に、ビット線BLkの電位を転送する。
【0179】
次に、時刻t10において、正相ノードN3の電位と、逆相ノード /N3の電位Vrefの電位とを比較/増幅する。正相ノードN3の電位が逆相ノード /N3の電位Vref、または電位Vref+Vm2、または電位Vref+Vm1、または電位Vref+Vm1+Vm2よりも高ければ、bit data 3が“1”であることが確定し、正相ノードN3の電位が逆相ノード /N3の電位Vref、または電位Vref+Vm2、または電位Vref+Vm1、または電位Vref+Vm1+Vm2よりも低ければ、bit data 2が“0”であることが確定する。
【0180】
このように図19に示すNAND型EEPROMであると、3回のデータ読み出し、3回の比較/増幅によって、1つのメモリセルが記憶している8値データを、3ビットのデータに変換することができる。
【0181】
図22はデータ準位数とデータ読み出し回数との関係を示す図である。
【0182】
図22に示すように、第1〜第4の実施形態によれば、データ準位数nの判別に必要なデータ読み出し回数が、従来のn−1回から、m(mは、log2n≦mを満たす最も小さい整数)以上、n−1回に減らすことができる。このようにデータ読み出し回数が減らせることによって、データ読み出しに要する時間を短縮することができる。
【0183】
以上、この発明を第1〜第4の実施形態を参照して説明したが、この発明は、第1〜第4の実施形態に限られるものではなく、その主旨を逸脱しない範囲で様々に変形できることはもちろんである。
【0184】
例えば第1〜第4の実施形態ではNAND型EEPROMを例示したが、この発明はNAND型EEPROMでなくとも、NOR型、DINOR型、AND型など、他のEEPROMにも適用することができる。
【0185】
また、特に第2、第4の実施形態では、第3回読み出し時にソース線、あるいはビット線に供給される電位を、第2回読み出し時にソース線、あるいはビット線に供給される正の電位Vm1に、正の電位Vm2を加算して得た。これは、正の電位Vm2を加算しなくても、正の電位Vm1とVm2とをほぼ加算した値の電位を別に用意しておき、これをスイッチングによりソース線、またはビット線に供給するようにすることも可能である。
【0186】
同様に、第3、第4の実施形態では、基準電位Vrefに、正の電位Vm、または正の電位Vm1、または正の電位Vm2を加算して変更するようにしたが、第2の実施形態では2種類の基準電位、第4の実施形態では4種類の基準電位をそれぞれ用意しておき、これをスイッチングにより、センスアンプ兼ラッチ回路10(10−1〜10−3)に供給するようにしても良い。
【0187】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、n値(nは4以上の整数)のデータを記憶するメモリセルを具備する半導体集積回路装置において、上記メモリセルからのデータ読み出しに要する時間を短くできる半導体集積回路装置のデータ判別方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(A)はこの発明の第1の実施形態に係る多値データ読み出し方法を示す流れ図、図1(B)は従来の多値データ読み出し方法を示す流れ図、図1(C)はメモリセルのしきい値電圧の分布を示す図。
【図2】図2(A)は2ビットデータを示す図、図2(B)は3ビットデータを示す図。
【図3】図3(A)、(B)はそれぞれ正の電位Vmの設定値を説明するための図。
【図4】図4はこの発明の第1の実施形態に係る多値データ読み出し方法が適用されたNAND型EEPROMの構成図。
【図5】図5は図4に示すデータ判別回路の回路図。
【図6】図6は図4に示すNAND型EEPROMの動作波形図。
【図7】図7(A)、(B)はそれぞれbit data 1読み出し時、bit data 2読み出し時におけるしきい値電圧の様子を示す図。
【図8】図8(A)はこの発明の第2の実施形態に係る多値データ読み出し方法を示す流れ図、図8(B)は従来の多値データ読み出し方法を示す流れ図、図8(C)はメモリセルのしきい値電圧の分布を示す図。
【図9】図9(A)は正の電位Vm1の設定値を説明するための図、図9(B)は正の電位Vm2の設定値を説明するための図。
【図10】図10はこの発明の第2の実施形態に係る多値データ読み出し方法が適用されたNAND型EEPROMの構成図。
【図11】図11は図10に示すデータ判別回路の回路図。
【図12】図12は図10に示すNAND型EEPROMの動作波形図。
【図13】図13(A)、(B)、(C)はそれぞれbit data 1読み出し時、bit data 2読み出し時、bit data 3読み出し時におけるしきい値電圧の様子を示す図。
【図14】図14はこの発明の第3の実施形態に係る多値データ読み出し方法を示す流れ図。
【図15】図15はこの発明の第3の実施形態に係る多値データ読み出し方法が適用されたNAND型EEPROMの構成図。
【図16】図16は図15に示すデータ判別回路の回路図。
【図17】図17は図15に示すNAND型EEPROMの動作波形図。
【図18】図18はこの発明の第4の実施形態に係る多値データ読み出し方法を示す流れ図。
【図19】図19はこの発明の第4の実施形態に係る多値データ読み出し方法が適用されたNAND型EEPROMの構成図。
【図20】図20は図19に示すデータ判別回路の回路図。
【図21】図21は図19に示すNAND型EEPROMの動作波形図。
【図22】図22はデータ準位数とデータ読み出し回数との関係を示す図。
【図23】図23(A)はデータ準位数が4のメモリセルのしきい値電圧の分布を示す図、図23(B)はデータ準位数が8のメモリセルのしきい値電圧の分布を示す図。
【図24】図24(A)はデータ準位数が4のときの従来のデータ読み出し方法を示す流れ図、図24(B)はデータ準位数が8のときの従来のデータ読み出し方法を示す流れ図。
【符号の説明】
1…メモリセルアレイ、
2…ロー系選択駆動回路、
3…データ線系回路、
4…NANDセル、
5−1〜5−8…ワード線駆動回路、
6−1、6−2…選択ゲート線駆動回路、
7k、7k+1、7’k、7’k+1…ビット線充放電回路、
8k、8k+1、8’k、8’k+1…データ判別回路、
9k、9k+1、9’k、9’k+1…ソース線駆動回路、
10−1〜10−3…センスアンプ兼ラッチ回路、
11−1〜11−3…分離/接続回路、
37k、37k+1、37’k、37’k+1…ビット線充放電回路、
38k、38k+1、38’k、38’k+1…データ判別回路、
39…共通線駆動回路、
40k、40k+1、40’k、40’k+1…基準電位(参照電位)スイッチ。
Claims (2)
- メモリセルのソース電位を第1のソース電位に設定し、前記メモリセルのゲート電位を第1の読み出し電位に設定し、多値データの第1のビットデータが“0”であるか“1”であるかを判別し、
前記第1のビットデータが“0”であるとき、前記メモリセルのソース電位を前記第1のソース電位に設定し、前記メモリセルのゲート電位を前記第1の読み出し電位とは異なる第2の読み出し電位に設定し、前記多値データの第2のビットデータが“0”であるか“1”であるかを判別し、
前記第1のビットデータが“1”であるとき、前記メモリセルのソース電位を前記第1のソース電位とは異なる第2のソース電位に設定し、前記メモリセルのゲート電位を前記第2の読み出し電位に設定し、前記多値データの第2のビットデータが“0”であるか“1”であるかを判別することを特徴とする半導体集積回路装置のデータ判別方法。 - メモリセルのソース電位を第1のソース電位に設定し、前記メモリセルのゲート電位を第1の読み出し電位に設定し、多値データの第1のビットデータが“0”であるか“1”であるかを判別し、
前記第1のビットデータが“0”であるとき、前記メモリセルのソース電位を前記第1のソース電位に設定し、前記メモリセルのゲート電位を前記第1の読み出し電位とは異なる第2の読み出し電位に設定し、前記多値データの第2のビットデータが“0”であるか“1”であるかを判別し、
前記第1のビットデータが“1”であるとき、前記メモリセルのソース電位を前記第1のソース電位とは異なる第2のソース電位に設定し、前記メモリセルのゲート電位を前記第2の読み出し電位に設定し、前記多値データの第2のビットデータが“0”であるか“1”であるかを判別し、
前記第1、第2のビットデータの双方が“0”であるとき、前記メモリセルのソース電位を前記第1のソース電位に設定し、前記メモリセルのゲート電位を前記第1、第2の読み出し電位とは異なる第3の読み出し電位に設定し、前記多値データの第3のビットデータが“0”であるか“1”であるかを判別し、
前記第1のビットデータが“0”、前記第2のビットデータが“1”であるとき、前記メモリセルのソース電位を前記第1のソース電位と前記第2のソース電位との間にある第3のソース電位に設定し、前記メモリセルのゲート電位を前記第3の読み出し電位に設定し、前記多値データの第3のビットデータが“0”であるか“1”であるかを判別し、
前記第1のビットデータが“1”、前記第2のビットデータが“0”であるとき、前記メモリセルのソース電位を前記第2のソース電位に設定し、前記メモリセルのゲート電位を前記第3の読み出し電位に設定し、前記多値データの第3のビットデータが“0”であるか“1”であるかを判別し、
前記第1、第2のビットデータの双方が“1”であるとき、前記メモリセルのソース電位を前記第2のソース電位に前記第3のソース電位を加算した第4のソース電位に設定し、前記メモリセルのゲート電位を前記第3の読み出し電位に設定し、前記多値データの第3のビットデータが“0”であるか“1”であるかを判別することを特徴とする半導体集積回路装置のデータ判別方法。
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