JP4246430B2 - 遮水シート、遮水シートの施工方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば廃棄物処分場等で廃棄物から生じる汚水等の浸出水が処分場から周辺に漏水することを防止するための遮水シート及びこのような遮水シートの敷設方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
廃棄物処分場は、地面を掘り下げ、或いはコンクリート壁よりなる揚壁を構築するなどして設けられた凹面を備えており、その底から廃棄物を順次埋め立てるようになっている。
廃棄物処分場では、凹面内に投棄された廃棄物から生じる浸出水の周辺への漏水を防止することが極めて重要であり、そのために様々な技術が用いられている。浸出水の漏水防止のために最も汎用されているのが、凹面の表面全体に遮水シートを敷設することである。合成樹脂シートやゴムシートよりなる、高い遮水性能を有する遮水シートを凹面の全体に敷設することによって、浸出水の漏水を防止するのである。
【0003】
廃棄物処分場、特に海上に構築される廃棄物処分場の凹面の面積は非常に大きく、その全面を1枚の遮水シートで覆うことは困難である。そのために、通常は複数の遮水シートを接続して凹面を覆うようにする。遮水シートの間は、浸出水が漏水しないように接続される。
【0004】
遮水シート間を接続する方法には種々あるが、その一つに、オス部を有する接続部材とメス部を有する接続部材とを用いた方法がある。これは、2つの遮水シートの一方の接続部分にメス部を有する接続部材を設けるとともに、他方の接続部分にオス部を有する接続部材を設けておき、これらの2つの接続部材を嵌合することにより、2つの遮水シートを接続するようにしている。
通常、遮水シートに用いられる膜基材は矩形の長尺材であり、接続部材は、矩形の短尺方向の対向する2辺(以下、「側縁部」という)に設けられる。接続部材は、ある程度の厚みと硬度をもつ。そのために遮水シートは、長尺方向へ折り曲げることが困難である。
【0005】
凹面の傾斜している縁部に敷設される遮水シートは、長尺方向に対向する2辺のうちの一方の辺(以下、「一端部」という)が凹面の縁部より外側に固定され、他方の辺(以下、「他端部」という)が凹面内に配されて、遮水シートに皺が寄らないように敷設される。凹面の縁部には、例えば、海上の廃棄物処分場の場合には、揚壁が形成されている。遮水シートの一端部は、この揚壁の上または揚壁の外側で固定される。
つまり長尺方向が凹面の縁部から底面の方向に延びるように、遮水シートは敷設される。遮水シートは、前述の通り、接続部材により長尺方向へ折り曲げることが困難であるために、凹面の縁部より外側への一端部の固定は手間のかかる作業となる。
【0006】
また、海上の廃棄物処分場では、構築の手順として、遮水シートを、凹面となる海底に沈めた後に廃棄物が投棄されることになる凹面内部から海水を抜く作業を行う。遮水シートの接続作業は、海面に遮水シートを浮かべた状態、或いは海底に遮水シートを沈めた状態で行うために、手間がかかり、また作業員の安全性も低い。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の問題に鑑み、凹面に敷設しやすい遮水シートを提供することを課題とする。
また、本発明は他に、遮水シートを廃棄物処分場等の凹面に容易に敷設する施工方法を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
以上の課題を解決する本発明の遮水シートは、廃棄物が埋め立てられる凹面の傾斜している縁部に敷設されて、前記廃棄物により発生する浸出水の、前記凹面からの漏水を防止するための遮水シートであって、遮水性をもち、前記凹面の縁部より外側に一端部が固定されるとともに、前記凹面に前記一端部に対向する他端部が位置するように配される略矩形の膜基材を備えており、この膜基材の、前記凹面の前記縁部より外側に敷設される部分が、可撓性を有するように構成されている。
膜基材の縁部より外側に敷設される部分、つまり膜基材の一端部を自由に折り曲げることができるようになっている。そのために、一端部の固定が容易に行えるようになる。
【0009】
前記膜基材は、好適には長尺材である。
そして、例えば、前記膜基材の2つの側縁部のうち前記凹面の前記縁部より外側に敷設される部分を除いた部分、或いは前記凹面の前記浸出水が漏水する可能性がある部分に敷設される前記膜基材の2つの側縁部には、他の遮水シートが接続可能な接続部材が設けられる。接続部材を膜基材の側縁部にこのように設けると、膜基材の一部分の可撓性を保ちながら他の遮水シートが容易に接続可能となる。
遮水シートが海上に構築される廃棄物処分場の凹面に敷設されるような場合には、膜基材に海水の比重より重い比重をもつ材質を用いたり、或いは膜基材の面上に所定の間隔で海水の比重より重い比重をもつ重りを設けるようにしてもよい。また、膜基材の前記他端部に重りを設けるようにしてもよい。このような構成にすると、凹面内の海水面から遮水シートが自然に沈むようになり、容易に他端部を凹面に配することができるようになる。
【0010】
本発明の他の遮水シートは、廃棄物が埋め立てられる凹面の傾斜している縁部に敷設されて、この凹面からの、前記廃棄物により発生する浸出水の漏水を防止するための遮水シートであって、遮水性をもち、所定の起重機の所定部位に係止されて前記起重機により吊り下げられるように一端部に係止部が設けられている略矩形の膜基材を備えている。このような構成にすると、膜基材を起重機により吊り下げた状態で、他の遮水シートが接続可能となる。
遮水シートの接続は、熱熔着や接着剤を用いて行ってもよいが、前記一端部に垂直な前記膜基材の2つの側縁部に、他の遮水シートが接続可能な接続部材をさらに備えることにより容易に行えるようになる。接続部材は、例えば、前記膜基材が前記起重機により吊り下げられた状態で、他の遮水シートの接続部材が、前記一端部側または前記一端部に対向する他端部側から、嵌通されるように構成されるようにする。
【0011】
これらの遮水シートに用いられる前記接続部材は、例えば、前記膜基材の前記2つの側縁部の一方に設けられる部材がメス部材、他方に設けられる部材がオス部材、を少なくとも含んで、前記メス部材及び前記オス部材が嵌合するように構成されており、一の遮水シートに設けられた接続部材のメス部材に他の遮水シートに設けられた接続部材のオス部材を嵌合した際に、このメス部材とオス部材とでできる空間に、この空間を埋めるような部材が充填されるように構成される。膨潤部材により、2つの接続部材間の隙間が埋められるので、漏水の恐れがなくなる。なお、空間を埋めるような部材としては、水分を吸収して膨張する膨張部材や、液状ゴム、セメント、砂とセメントとベトナイトの混合物等の流動体を用いることができる。
【0012】
他の接続部材の例として、以下のようなものがある。この接続部材は、前記膜基材の側縁部のうち、前記凹面の前記縁部より外側に敷設される部分を除いた部分に設けられて、2つの前記膜基材の側縁部を接続するための接続部材であり、一部が前記膜基材の面から突出するように、前記膜基材の前記側縁部に取り付けられる係止部材と、2つの前記膜基材のそれぞれに取り付けられた前記係止部材の前記一部を挟持することにより2つの前記係止部材を接続する挟持部材と、を備える。前記係止部材の前記一部には、前記挟持部材が、前記一部が突出する方向に抜けないように係止するための係止部が設けられている。
このような接続部材の前記挟持部材と、前記係止部材の前記一部との間に生じる空間には、この空間を埋めるような部材を充填するようにしてもよい。
【0013】
また、他の接続部材の例として、以下のようなものがある。この接続部材は、前記膜基材の側縁部のうち、前記凹面の前記縁部より外側に敷設される部分を除いた部分に設けられて、2つの前記膜基材の側縁部を接続するための接続部材であり、一方の面に2つの前記膜基材の一方の側縁部が接続されるとともに、他方の面に2つの前記膜基材の他方の側縁部が接続される板状部材を備えている。
また、前記接続部材は、前記板状部材を覆うためのカバー部材をさらに備えており、このカバー部材と前記板状部材との間の空間には、この空間を埋めるような部材を充填するようにしてもよい。
【0014】
本発明の遮水シートの施工方法は、以下のようである。この方法は、遮水性があり略矩形の長尺材である遮水シートを、凹面の傾斜している縁部に敷設する方法であって、複数の前記遮水シートの各々の一端部を支持して順次1つずつ吊り上げて、先に吊り上げた遮水シートに後から吊り上げる遮水シートを接続する段階と、接続された複数の前記遮水シートを前記一端部に対向する他端部の方向へ牽引して、前記他端部を前記凹面に位置するように配するとともに、前記一端部を前記凹部の縁部より外側に固定する段階と、を含む。
複数の遮水シートを吊り下げた状態で互いに接続するので、従来の海上の廃棄物処分場に遮水シートを敷設する際の、海上或いは海中での接続作業に比較して、作業が容易になり、また、作業員の安全性が格段に向上する。
また、前記凹面が海上に構築される廃棄物処分場であり、その内側に海水がある場合に、前記遮水シートの前記他端部に重りを設けると、この重りの重さで前記遮水シートの前記他端部を沈めることにより、容易に前記他端部を前記凹面に位置するように配することができるようになる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して詳細に説明する。
【0016】
図1乃至図3は、本発明の遮水シートを、海上の廃棄物処分場に敷設する手順を説明するための図である。
図1は複数の遮水シート1を接続する際の説明図であり、図2は接続した遮水シート1を海面上に浮かべる際の説明図、図3は、海面上に浮かべた遮水シート1を廃棄物処分場となる凹面に敷設する際の説明図である。なお、それぞれの図で点線Xは、海面の位置を表している。
護岸2は、海上の所定の範囲を囲うように構築されており、護岸2で囲われた範囲が廃棄物処分場となる。廃棄処分場となる海域の海底(底面)および護岸2の斜面により、廃棄物処分場は凹面となっており、この凹面の全体を覆うように、遮水シート1が敷設されることになる。遮水シート1を敷設後に、廃棄物が凹面に投棄され、凹面が、底面から順次埋め立てられるようになっている。
【0017】
図1において、複数の遮水シート1は、廃棄物処分場の護岸2上に設けられたクレーン3により吊り下げられている。吊り下げられた状態で、複数の遮水シート1は、隣接する他の遮水シート1と接続されている。遮水シート1は、例えば、船などで海上に運んでおき、そこからクレーン3で引っ張り上げるようにして吊り下げるようにする。
【0018】
遮水シート1は、例えば図4に示すような構成となっている。つまり、遮水シート1は、遮水性をもつ膜基材11と、膜基材11の両側縁部に設けられる接続部材12と、ウエイト13と、フック14と、を含んで構成される。
膜基材11は、矩形の長尺材であり、その長尺方向が鉛直方向となるようにクレーン3に吊り下げられる。クレーン3に吊り上げられやすくするために、クレーン3に対向する辺にフック14が設けられる。
クレーン3は、フック14を自分のフック31に引っ掛けて、遮水シート1を吊り上げる。そのために、膜基材11のフック14が取り付けられる部分は、遮水シート1が吊り上げられた際に破損しないように補強しておくことが好ましい。
また、遮水シート1は、長尺方向が凹面の縁部から凹面の底部方向へ向かうようにして凹面に敷設される。この際、フック14が設けられた辺が一端部として凹面の縁部に固定され、一端部に対向する辺が他端部として凹面内に配される。膜基材11には、例えば、長尺方向に20メートル、短尺方向に5メートルの高密度ポリエチレン(HDPE)、サーモプラスチックオレフィン(TPO)、軟質ポリプロピレンアロイ(FPA)等を用いることができる。
この実施形態では、遮水シート1を海上の廃棄物処分場に敷設するので、膜基材11に比重が海水より重い材質を用いて、海中に沈むようにしてもよい。また、膜基材11の比重が海水より重くない場合でも、膜基材11の面上に所定の間隔で海水の比重より重い比重をもつ重りを設けておき、この重りの重みで膜基材11が海中に沈むようにしてもよい。
【0019】
接続部材12は、短尺方向に対向する2つの側縁部に設けられており、クレーン3に吊り下げられた状態で、隣接する他の遮水シート1が接続可能である。接続部材12は、一端部から所定の距離を離して他端部まで設けられる。
接続部材12は、例えば図5に示すような断面形状である。図5は、図4に示す遮水シート1の2点破線A−A’による断面図である。接続部材12、12’は、膜基材11を挟んで対称な形をしており、同じ型枠で形成することが可能である。接続部材12は、取付部材121、支持片122、係止片123を含んで構成されている。取付部材121は、膜基材11に接着剤などにより取り付けられる平板である。支持片122は、取付部材121に対して垂直に取り付けられており、その先端に、取付部材121に対して平行になるように係止片123が取り付けられる。
【0020】
このような接続部材12は、図6に示すようにして他の遮水シート1’の接続部材12’に接続される。図6(a)は、2つの遮水シート1、1’の接続部材12、12’を対峙させた図である。この状態から、図6(b)に示すように接続部材12に接続部材12’を嵌合する。つまり、接続部材12の取付部材121、支持片122及び係止片123により構成されるメス部材に、他の接続部材12’の支持片122’及び係止片123’により構成されるオス部材が嵌合される。これにより、遮水シート1、1’が接続される。
接続部材12に接続部材12’を嵌合させるには、接続部材12、12’が比較的柔らかい素材である場合には図6(a)の状態から、接続部材12’を接続部材12にそのまま嵌合するようにすればよい。
接続部材12,12’がある程度の硬度をもつ場合には、互いの係止片123、123’が破損する可能性があるために、例えば、図1のように遮水シート1が吊り下げられるときに、先に吊り下げている遮水シート1の接続部材12の下から、後から吊り下げる遮水シート1’の接続部材12’を嵌通させて吊り上げることにより、接続部材12に接続部材12’を嵌合するようにすればよい。
接続部材12、12’を嵌め合わせることにより係止片123、123’と支持片122、122’とでできる空間に、水分を吸収して膨張する膨潤部材15を充填する。これにより、接続部材12、12’間の気密性が高くなり、浸出水が、遮水シート1、1’の間から漏水することを防ぎながら、遮水シート1、1’の接続を強固なものとすることができる。なお、液状ゴム、セメント、砂とセメントとベトナイトの混合物等の流動体を膨潤部材15の代わりに用いても、接続部材12、12’の間の気密性が高くなり、漏水を防ぐことができる。
【0021】
図7は、接続部材12の他の例を説明するための図である。
図7に示す接続部材12は、膜基材11の側縁部に取り付けられる係止部材の一例となるL型部材124と、2つのL型部材124、124’の一部を狭持することにより接続するための挟持部材125とを備える。L型部材124は、一辺部124aが膜基材11の面から突出するように他辺部124bが膜基材11に取り付けられる。一辺部124aの先端には、係止部124cが設けられる。
【0022】
2つの遮水シート1、1’のそれぞれの膜基材11、11’に取り付けられるL型部材124、124’は、それぞれの一辺部124a、124a’が対向するように配置される。そして一辺部124a、124a’を狭持するように挟持部材125を設ける。挟持部材125は、L型部材124、124’のそれぞれの一辺部124a、124a’に設けられている係止部124c、124c’により、一辺部124a、124a’が突出する方向には抜けないようになっている。挟持部材125とL型部材124、124’とでできる空間には、液状ゴムやセメントなどの封入材126が、L型部材124、124’を固定するために封入される。なお挟持部材125には、HDPE、TPO、FPAなどを用いると遮水性が保たれてよい。
このような挟持部材125は、図1に示すように遮水シート1が吊り下げられた状態で、その上方又は下方から、L型部材124、124’の一辺部124a、124a’に嵌通させて取り付けることができる。
【0023】
図8は、接続部材12の他の例を説明するための図である。
図8に示す接続部材12は、H型部材127と、H型部材127に膜基材11の側縁部を接続するための接合部材128と、カバー部材130とを備える。図8(a)に示すように、H型部材127の連結板129の一方の面には膜基材11の側縁部、他方の面には膜基材11’の側縁部が、接続される。膜基材11、11’は接着剤などで連結板129に接続するようにしてもよいが、この例では、ボルト及びナットのような接合部材128を用いている。
連結板129に膜基材11、11’を接続するだけでも遮水性を保ちつつ遮水シート1、1’を接続できるが、図8(b)に示すように、さらに、カバー部材130によりH型部材127の連結板129を覆い、図7と同様の封入材126をカバー部材130とH型部材127との間にできる空間に封入して、H型部材127と膜基材11との接続部分が外部からの影響により破損しないようにしてもよい。カバー部材130は、図7の挟持部材125と同様の材質でできており、連結板129を覆ったときに、H型部材127の連結板129につづく板部分により係止されて、連結板129の面の延びる方向には抜けなくなっている。カバー部材130、封入材126を用いることにより、接続部分の遮水性が向上する。
【0024】
また本実施形態のような接続部材12を用いずに、遮水シート1、1’を、熱熔着させたり、或いは接着剤を用いて接続するようにしてもよい。
【0025】
図4の説明に戻り、ウエイト13は、膜基材11の他端部に設けられる。ウエイト13は、例えばL型鋼であり、遮水シート1を海底に沈める際の重りとして用いられる。また、遮水シート1が海底に沈んだ後は、遮水シート1の他端部を凹面の底面に固定するための重りとしてもよい。
【0026】
図1の説明に戻り、護岸2は、例えば基礎捨石により築かれており、廃棄物処分場となる凹面の大きさ、形状を決める。護岸2上部の凹面側には、堤21が築かれる。
クレーン3は、護岸2上部に設けられており、遮水シート1を吊り上げるためのフック31が設けられている。
【0027】
図1のように、護岸2上に複数の遮水シート1が接続されて吊り下げられた状態から、図2に示すように、すべての遮水シート1を凹面内の海面上に、例えばクレーン船5により牽引する。この状態で、遮水シート1の護岸2側の一端部は、固定部材4により、凹面から見て堤21の外側に固定される。固定部材4は重りの役目をもち、遮水シート1が凹面の底面方向に引き込まれないように遮水シート1を固定する。また、遮水シート1が、堤21を越えた位置で固定部材4により固定されることで、堤21が無い場合と比較してより強固に固定される。
【0028】
遮水シート1の堤21を越えて固定されるまでの部位の側縁部には、接続部材12が取り付けられていない。そのために、接続部材12にある程度の厚みと硬度をもった部材を用いる場合でも遮水シート1の可撓性が保たれ、固定作業を容易に行うことができる。また、遮水シート1の可撓性が保たれるために遮水シート1は、凹面との間に余計な空間が生じないようになっており破損しづらくなる。
なお、遮水シート1の堤21を越えて固定されるまでの部位の側縁部は、隣接する他の遮水シート1との間を、例えば熱熔着させたり、或いは接着剤を用いて接続するようにしてもよい。これにより、遮水シート1は隣接する他の遮水シート1と側縁部のすべてで接続され、固定部材4による固定が容易になる。
なお、クレーン3は、図2では図示を省略しているが、護岸2上への遮水シート1の一端部の固定が終了すると、撤去してもよい。
【0029】
すべての遮水シート1の一端部が護岸2上に固定され、ウエイト13が設けられている他端部が凹面内の海面上に牽引されると、遮水シート1の他端部は、ウエイト13の重さで底面に沈むことになる。図3は、遮水シート1が、ウエイト13の重さで他端部が底面に沈んで配された状態を示す図である。遮水シート1の他端部は、底面に沈んだ後にウエイト13がそのまま重りとなって底面に固定される。このように、他端部の底面への固定が、ウエイト13により容易に行われる。
遮水シート1の膜基材11の比重が海水より重い場合、または膜基材の面上に所定の間隔で重りが設けられる場合は、それぞれ、膜基材の重さ、重りの重さにより、遮水シート1が底面に沈むようになる。
なお、ここでは凹面の底面に遮水シート1の他端部を固定しているが、膜基材11の長尺方向の長さと、側面の長さの関係によっては、他端部が側面に固定されるようになることはいうまでもない。
また、他端部をウエイト13により固定せず、ウエイト13を取り除いて他端部に接続部材12を取り付けてもよい。これにより他端部に、他の遮水シート1を取り付けるようにすることができる。
以上のようにして、遮水シート1が凹面の全面に敷設される。
【0030】
この後、凹面内の海水を抜くことにより、護岸2で仕切られた領域を、浸出水の漏水を防止した廃棄物処分場として利用することが可能となる。
遮水シート1の接続を、護岸2上にクレーン3で吊り下げて行うことにより、従来よりも容易、且つ安全に行うことができる。
接続部材12を、遮水シート1の護岸2に固定される部分の側縁部に用いないことにより、膜基材11の本来の可撓性を保ったまま固定作業が行えることになるので、容易に作業を進めることができる。また、遮水シート1と凹面との間に不要な空間ができることもなくなるので、遮水シート1が破損する危険性が低くなる。
なお、本実施形態は海上の廃棄物処分場についての説明を行ったが、陸上の廃棄物処分場についても、同様にして遮水シートの敷設が可能である。
【0031】
【発明の効果】
以上のような本発明により、遮水シートの敷設を容易に行うことができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】遮水シートを廃棄物処分場に敷設する手順を説明するための図。
【図2】遮水シートを廃棄物処分場に敷設する手順を説明するための図。
【図3】遮水シートを廃棄物処分場に敷設する手順を説明するための図。
【図4】遮水シートの詳細な説明図。
【図5】接続部材の説明図。
【図6】遮水シートの接続に関する説明図であり、図6(a)は2つの接続部材を対峙させた状態を示す図であり、図6(b)は2つの接続部材を。接続させた状態を示す図である。
【図7】接続部材の他の例示図。
【図8】接続部材の他の例示図であり、図8(a)はカバー部材無し、図8(b)はカバー部材有りの接続部材を示す。
【符号の説明】
1 遮水シート
11 膜基材
12 接続部材
121 取付部材
122 支持片
123 係止片
124 L型部材
124a 一辺部
124b 他辺部
124c 係止部
125 挟持部材
126 封入材
127 H型部材
128 接合部材
129 連結板
130 カバー部材
13 ウエイト
14 フック
15 膨潤部材
2 護岸
21 堤
3 クレーン
31 フック
4 固定部材
5 クレーン船
Claims (8)
- 廃棄物が埋め立てられる凹面の傾斜している縁部に敷設されて、前記廃棄物により発生する浸出水の前記凹面からの漏水を防止するための遮水シートであって、
遮水性をもち、前記凹面の縁部より外側に一端部が固定されるとともに、前記凹面に前記一端部に対向する他端部が位置するように配される矩形の膜基材と、
この膜基材の側縁部のうち、前記凹面の前記縁部より外側に敷設される部分を除いた部分或いは前記凹面の前記浸出水が漏水する可能性がある場所に敷設される部分で前記一端部から所定の距離を離して前記他端部まで設けられており、当該膜基材と他の遮水シートとを接続するための接続部材と、を備えており、
前記膜基材の、側縁部に接続部材が設けられる部分の可撓性が制限され、設けられていない部分の可撓性が制限されないように構成されており、
前記接続部材は、一方の面に2つの前記膜基材の一方の側縁部が接続されるとともに、他方の面に2つの前記膜基材の他方の側縁部が接続される板状部材と、前記板状部材を覆うためのカバー部材と、を備えており、前記カバー部材と前記板状部材との間の空間には、この空間を埋めるような部材が充填されるようになっている、
遮水シート。 - 前記膜基材は長尺材である、
請求項1記載の遮水シート。 - 前記膜基材は、海水の比重より重い比重をもつ材質により作られている、
請求項1記載の遮水シート。 - 前記膜基材は、面上に所定の間隔で海水の比重より重い比重をもつ重りが設けられている、
請求項1記載の遮水シート。 - 前記他端部には、重りが設けられている、
請求項1〜4のいずれかに記載の遮水シート。 - 前記膜基材の前記一端部に、所定の起重機の所定部位に係止されて前記起重機により吊り下げられるためのフックが設けられている、
請求項1記載の遮水シート。 - 前記空間を埋めるような部材は、水分を吸収して膨張する膨潤部材である、
請求項1記載の遮水シート。 - 前記空間を埋めるような部材は、液状ゴム、セメント、或いは砂とセメントとベトナイトの混合物による流動体である、
請求項1記載の遮水シート。
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