JP4245821B2 - カルシウムおよびマグネシウム溶液及びそれを含有する飲食品並びにそれらの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、カルシウムおよびマグネシウムを強化した飲食品およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
カルシウムおよびマグネシウムは人体にとって必須のミネラルである。近年、骨粗鬆症の増加等によりカルシウムの摂取については留意されるようになってきた。一方、マグネシウムについては、欠乏すると心疾患、不整脈等を引き起こすにも関わらずあまり留意されてこなかった。しかしながら、最近になってカルシウム摂取量に対して相対的にマグネシウムが不足すると虚血性の心疾患等種々の疾病が誘発されることが判明し、カルシウムとマグネシウムのバランス良い摂取が重要視されるようになってきた。
【0003】
カルシウムとマグネシウムは生体内での明らかな相互作用が指摘されており、カルシウムの細胞内外での移動はすべて「マグネシウムの関与する酵素」によって営まれているため、その摂取バランスが重要である。現在、カルシウムとマグネシウムの重量摂取比としては、2:1が推奨されている。第6次改訂の日本人の栄養所要量によれば、カルシウムは、男性700mg、女性600mgとやや引き上げられ、マグネシウムは男性310mg、女性250mgと項目が新たに設定されている(数字はいずれも18〜29才を対象とする)。
【0004】
カルシウムまたはマグネシウム強化に用いる製剤としては、ドロマイト、卵殻粉末、貝殻粉末、サンゴ粉末、骨粉等の天然素材や炭酸カルシウム、塩化カルシウム、有機酸カルシウム、炭酸マグネシウム、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム等の化学合成品が知られているが、これらのカルシウム剤及び/又はマグネシウム剤は水に対する溶解性が低いこと、または呈味性に悪影響を与えること等の問題点がある。
【0005】
特開平4−234960号公報には、水難溶性または水不溶性カルシウム塩を特定条件下でオキシ酸(主としてクエン酸)と反応させ、可溶化する方法が開示されている。特開昭56−97248号公報には、クエン酸カルシウム単独より飛躍的に水への溶解度を上昇させたクエン酸カルシウム・リンゴ酸カルシウム複合体の製造方法が開示されている。特開平4−234960号には、水難溶性または水不溶性カルシウム塩と反応して水難溶性または水不溶性カルシウムオキシ酸を生じ得るオキシ酸溶液中で、前記カルシウムオキシ酸塩を生じない範囲で前記カルシウムを溶解してなるオキシ酸カルシウム溶液が添加されたカルシウム強化食品が開示されている。特開平9−121811号公報及び特開平9−98738号公報には、水難溶性または水不溶性のカルシウム塩を、乳酸とリンゴ酸又は乳酸とクエン酸を併用して可溶化する方法が開示されている。これらは、カルシウムの可溶化に関する方法であり、水難溶性カルシウムとマグネシウム塩を共に可溶化することについては開示されていない。
【0006】
特開平11−299454号公報には、水難溶性のカルシウム・マグネシウムの炭酸塩であるドロマイトを有機酸で可溶化する方法が開示されており、具体的にはリンゴ酸とクエン酸の組合せが好ましいことが開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は水難溶性または水不溶性のカルシウムと水難溶性または水不溶性のマグネシウム塩を可溶化した溶液を飲食品に添加して得られ、カルシウムとマグネシウムの溶解状態が保持され、または苦みの抑制された状態のカルシウムおよびマグネシウム溶液および該溶液を添加しカルシウムとマグネシウムを強化した飲食品並びにそれらの製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、下記(1)〜(26)に関する。
(1) ドロマイトと、α−オキシモノカルボン酸もしくはその塩またはそれらの水溶液およびオキシポリカルボン酸もしくはその塩またはそれらの水溶液とを混合することで得られるドロマイト溶液。
【0009】
(2) 溶液が、長期間保存してもドロマイトが溶解しており水難溶性または水不溶性の塩の白濁または沈殿が生じない溶液である前記(1)記載の溶液。
【0010】
(3) 溶液が、苦みの軽減されている溶液である前記(1)または(2)記載の溶液。
【0011】
(4) 水難溶性または水不溶性のカルシウム塩と水難溶性または水不溶性のマグネシウム塩との混合物と、α−オキシモノカルボン酸もしくはその塩またはそれらの水溶液およびオキシポリカルボン酸もしくはその塩またはそれらの水溶液とを混合することで得られるカルシウムおよびマグネシウム溶液。
【0012】
(5) 溶液が、長期間保存しても水難溶性または水不溶性のカルシウム塩と水難溶性または水不溶性のマグネシウム塩が溶解しており水難溶性または水不溶性の塩の白濁または沈殿が生じない溶液である前記(4)記載の溶液。
【0013】
(6) 溶液が、苦みの軽減されている溶液である前記(4)または(5)記載の溶液。
【0014】
(7) α−オキシモノカルボン酸が、乳酸またはグルコン酸である前記(1)〜(6)のいずれかに記載の溶液。
【0015】
(8) オキシポリカルボン酸が、クエン酸またはリンゴ酸である前記(1)〜(7)のいずれかに記載の溶液。
【0016】
(9) 溶液が、カルシウム1モルに対しマグネシウムが0.1〜10モルが溶解している溶液である前記(1)〜(8)のいずれかに記載の溶液。
【0017】
(10) カルシウム1モルに対し、α−オキシモノカルボン酸またはその塩が、1.2〜24モル、オキシポリカルボン酸またはその塩が0.04〜16モルからなる前記(1)〜(9)のいずれかに記載の溶液。
【0018】
(11) 溶液のpHが2〜7である前記(1)〜(10)のいずれかに記載の溶液。
【0019】
(12) 前記(1)〜(11)のいずれかの溶液を添加されたカルシウムおよびマグネシウムが強化された飲食品。
【0020】
(13) 飲食品が、液状またはゲル状である前記(12)記載の飲食品。
【0021】
(14) 前記(1)〜(11)のいずれかの溶液を、飲食品に添加することを特徴とするカルシウムおよびマグネシウムが強化された飲食品の製造方法。
【0022】
(15) 飲食品が、液状またはゲル状である前記(14)記載の製造方法。
【0023】
(16) ドロマイトを、α−オキシモノカルボン酸もしくはその塩またはそれらの水溶液およびオキシポリカルボン酸もしくはその塩またはそれら水溶液に混合することを特徴とするドロマイト溶液の製造方法。
【0024】
(17) 溶液が、長期間保存してもドロマイトが溶解しており水難溶性または水不溶性の塩の白濁または沈殿が生じない溶液である前記(16)記載の製造方法。
【0025】
(18) 溶液が、苦みの軽減されている溶液である前記(16)または(17)記載の製造方法。
【0026】
(19) 水難溶性または水不溶性のカルシウム塩と水難溶性または水不溶性のマグネシウム塩との混合物と、α−オキシモノカルボン酸もしくはその塩またはそれらの水溶液およびオキシポリカルボン酸もしくはその塩またはそれらの水溶液とを混合することを特徴とするカルシウムおよびマグネシウムの溶液の製造方法。
【0027】
(20) 溶液が、長期間保存しても水難溶性または水不溶性のカルシウム塩と水難溶性または水不溶性のマグネシウム塩が溶解しており水難溶性または水不溶性の塩の白濁または沈殿が生じない溶液である前記(19)記載の製造方法。
【0028】
(21) 溶液が、苦みの軽減されている溶液である前記(19)または(20)記載の製造方法。
【0029】
(22) α−オキシモノカルボン酸が、乳酸またはグルコン酸である前記(16)〜(21)のいずれかに記載の溶液の製造方法。
【0030】
(23) オキシポリカルボン酸が、クエン酸またはリンゴ酸である前記(16)〜(22)のいずれかに記載の溶液の製造方法。
【0031】
(24) 溶液が、カルシウム1モルに対しマグネシウムが0.1〜10モルが溶解している溶液である前記(16)〜(23)のいずれかに記載の溶液の製造方法。
【0032】
(25) カルシウム1モルに対し、α−オキシモノカルボン酸またはその塩が、1.2〜24モル、オキシポリカルボン酸またはその塩が0.04〜16モルからなる前記(16)〜(24)のいずれかに記載の溶液の製造方法。
【0033】
(26) 溶液のpHが2〜7である前記(16)〜(25)のいずれかに記載の溶液の製造方法。
【0034】
本発明に用いるドロマイト(苦灰石または白雲石ともいう)は、石灰層の堆積岩から採取される炭酸カルシウム・炭酸マグネシウム[CaMg(CO3)2]を主成分とする鉱石である。ドロマイトを細粒化したものは、例えば協和醗酵工業株式会社、明治製菓株式会社、三共フーズ株式会社から粉末として市販されており、本発明のドロマイトとして使用できる。
【0035】
また、本発明に用いる水難溶性または水不溶性カルシウム塩と水難溶性または水不溶性のマグネシウム塩の混合物の混合比は、水難溶性または水不溶性のカルシウム塩と水難溶性または水不溶性のマグネシウム塩とを含む比率であれば特に制限がないが、カルシウム1モルに対しマグネシウム0.1〜10モル、好ましくは、カルシウム1モルに対してマグネシウム0.5〜5モル、特に好ましくはカルシウム1モルに対してマグネシウム0.75〜1.25モルである。
【0036】
水難溶性または水不溶性カルシウム塩としては、卵殻、貝殻、珊瑚等の炭酸カルシウムを主成分とする天然物、それらの粉末および精製物あるいは化学合成した炭酸カルシウム等があげられる。水難溶性または水不溶性マグネシウム塩としては、炭酸マグネシウム、珊瑚等の天然物由来の炭酸マグネシウム等があげられる。
【0037】
ドロマイト並びに水難溶性もしくは水不溶性のカルシウム塩およびマグネシウム塩は、小片のままでも使用できるが、細粒化されたものを使用するのが好ましい。粒径は、1mm以下が好ましく、100μm以下がより好ましく、10μm以下が特に好ましい。
【0038】
細粒化は、例えば粉砕は乾式粉砕法および湿式粉砕法で行うことができるが、湿式粉砕法が好ましく用いられる。乾式粉砕に用いる粉砕機としては、例えばジェットミル、振動ミル、ボールミル等があげられる。乾式粉砕で得られるドロマイトまたは水難溶性もしくは水不溶性のカルシウム塩およびマグネシウム塩の微粒子は、さらに加熱処理してもよい。湿式粉砕は、例えば乾式粉砕等により粗粉砕されたドロマイトまたは水難溶性もしくは水不溶性のカルシウム塩およびマグネシウム塩を水に1〜50重量%、好ましくは、5〜30重量%となるように添加したものを用いて処理する。
【0039】
湿式粉砕に用いるドロマイトの平均粒径としては特に制限はないが、好ましくは1〜500μm、より好ましくは1〜100μmである。湿式粉砕方法は特に制限されないが、例えば湿式粉砕機を用いる粉砕方法があげられる。湿式粉砕機とは粉砕室中でガラスビーズ、アルミナビーズ、ジルコニアビーズ、チタニアビーズ等のメディアを回転ディスクまたはローターを回転させ、該粉砕室に供給される被粉砕物スラリーを粉砕する機器であり、一般にビーズミル、サンドミル、ダイノーミル、コボールミル等があげられる。ビーズ径は、0.1〜5mmφが好ましい。温度条件は特に制限が無いが、50℃以下が好ましく、30℃以下がより好ましい。
【0040】
α−オキシモノカルボン酸としては、カルボキシル基を一つとヒドロキシ基を一つ以上分子内に有する炭化水素化合物であれば特に制限がなく、例えば乳酸、グルコン酸等があげられる。オキシポリカルボン酸としては、カルボキシル基を二つ以上とヒドロキシ基を一つ以上分子内に有する炭化水素化合物であれば特に制限が無く、例えばクエン酸、リンゴ酸、酒石酸、イソクエン酸等があげられる。α−オキシモノカルボン酸塩の塩およびオキシポリカルボン酸塩の塩としては、例えば、ナトリウム、カリウム等があげられる。
【0041】
ドロマイト溶液中のα−オキシモノカルボン酸またはその塩とオキシカルボン酸またはその塩のモル比は、ドロマイトを溶解させるモル比であれば特に制限はないが、ドロマイト1モルに対し、α−オキシモノカルボン酸またはその塩が1.2〜24.0モル、オキシポリカルボン酸またはその塩が0.04〜16.0モルの比率であることが好ましい。
【0042】
カルシウムおよびマグネシウム溶液中のα−オキシモノカルボン酸またはその塩とオキシカルボン酸またはその塩のモル比は、水難溶性または水不溶性のカルシウム塩と水難溶性または水不溶性のマグネシウム塩との混合物を溶解させるモル比であれば特に制限はないが、カルシウムまたはマグネシウム1モルに対し、α−オキシモノカルボン酸またはその塩が1.2〜24.0モル、オキシポリカルボン酸またはその塩が0.04〜16.0モルの比率であることが好ましい。
【0043】
ドロマイト溶液、並びにカルシウムおよびマグネシウム溶液中のカルシウム濃度としては、特に制限はないが、200mg/100ml以上が好ましく、300mg/100ml以上がより好ましく、400mg/100ml以上が特に好ましい。
ドロマイト溶液、並びにカルシウムおよびマグネシウム溶液中のマグネシウム濃度としては、特に制限はないが、20〜2000mg/100mlが好ましく、30〜3000mg/100mlがより好ましく、40〜4000mg/100mlが特に好ましい。
【0044】
これら溶液のpHとしては、特に制限が無いがpH2〜7が好ましく、pH3〜6がより好ましい。pHの調整をするに際しては、例えばアジピン酸、酢酸、フマール酸、シュウ酸、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、グルコン酸等の有機酸、塩酸、硫酸等の鉱酸、アンモニア等の有機アルカリ剤、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウムの無機アルカリ剤等を使用することができる。
【0045】
本発明の飲食品は、上記のドロマイト溶液またはカルシウムおよびマグネシウム溶液を、通常の飲食品に添加して製造することができる。飲食品中のカルシウム濃度としては、特に制限がないが、200mg/100ml以上が好ましく、300mg/100ml以上がより好ましく、400mg/100ml以上が特に好ましい。また飲食品中のマグネシウム濃度としては特に制限がないが、20〜2000mg/100mが好ましく、30〜3000mg/100mlがより好ましく、40〜4000mg/100mlが特に好ましい。
【0046】
飲食品としては特に制限がないが、液状またはゲル状の飲食品が好ましく、具体的には、例えばポーションゼリー等のゼリー食品、エンガード(協和発酵工業社製)等の嚥下補助食品、清涼飲料、健康飲料、スポーツ飲料、牛乳、乳飲料、豆乳、コーヒー、各種お茶等の飲料等をあげることができ、酸性飲料が好ましい。飲食品のpHとしては、特に制限が無いがpH2〜7が好ましく、pH3〜6がより好ましい。pHの調整をするに際しては、例えばアジピン酸、酢酸、フマール酸、シュウ酸、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、グルコン酸等の有機酸、塩酸、硫酸等の鉱酸、アンモニア等の有機アルカリ剤、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウムの無機アルカリ剤等を使用することができる。これら飲食品には、必要に応じて、例えば果汁、甘味料、フレーバー等を添加することができる。
【0047】
本発明のドロマイト溶液またはカルシウムおよびマグネシウム溶液は、前述のドロマイトまたは水難溶性もしくは水不溶性のカルシウム塩および水難溶性もしくは水不溶性のマグネシウム塩の混合物に、α−オキシモノカルボン酸もしくはその塩またはそれらの水溶液およびオキシポリカルボン酸もしくはその塩またはそれら水溶液を添加することにより得ることができる。添加を50〜100℃で行うことが溶解時間を短縮できるので好ましい。また前述のドロマイトおよび水難溶性または水不溶性のカルシウム塩と水難溶性または水不溶性のマグネシウム塩は、前述の方法等で粉砕されたものを使用するのが好ましい。
【0048】
ドロマイトまたは水難溶性または水不溶性のカルシウム塩と水難溶性または水不溶性のマグネシウム塩との混合物を、α−オキシモノカルボン酸もしくはその塩またはそれらの水溶液およびオキシポリカルボン酸もしくはその塩またはそれらの水溶液に混合する方法は特に制限はないが、ドロマイトまたは水難溶性もしくは水不溶性のカルシウム塩と水難溶性もしくは水不溶性のマグネシウム塩の混合物をまずα−オキシモノカルボン酸もしくはその塩またはそれらの水溶液で溶解した後、オキシポリカルボン酸もしくはその塩またはそれらの水溶液を添加するのが好ましい。
【0049】
また、ドロマイトと、α−オキシモノカルボン酸もしくはその塩またはそれらの水溶液およびオキシポリカルボン酸もしくはその塩またはそれらの水溶液とを混合することで得られるドロマイト溶液、あるいは水難溶性または水不溶性のカルシウム塩と水難溶性または水不溶性のマグネシウム塩との混合物と、α−オキシモノカルボン酸もしくはその塩またはそれらの水溶液およびオキシポリカルボン酸もしくはその塩またはそれらの水溶液とを混合することで得られるカルシウムおよびマグネシウム溶液を添加されたカルシウムとマグネシウムが強化された飲食品の製造に際しては、前述のドロマイト溶液またはカルシウムおよびマグネシウム溶液を食品に添加して製造することもできるが、以下の方法で製造することもできる。
【0050】
即ち、ドロマイト、あるいは水難溶性または水不溶性のカルシウム塩と水難溶性または水不溶性のマグネシウム塩との混合物を、前述のα−オキシモノカルボン酸もしくはその塩またはそれらの水溶液で溶解した得られた溶液と、前述のオキシポリカルボン酸もしくはその塩またはそれらの水溶液とを飲食品に添加して製造することもできる。
【0051】
本発明のα−オキシモノカルボン酸もしくはその塩またはそれらの水溶液およびオキシポリカルボン酸もしくはその塩またはそれらの水溶液を併用する方法により、水難溶性または水不溶性のオキシ酸カルシウム塩またはオキシ酸マグネシウム塩が生成し得ないドロマイト溶液またはカルシウムおよびマグネシウム溶液を製造することができる。
【0052】
また本発明のα−オキシモノカルボン酸もしくはその塩またはそれらの水溶液およびオキシポリカルボン酸もしくはその塩またはそれらの水溶液を併用する方法により、α−オキシモノカルボン酸、オキシポリカルボン酸またはマグネシウムの有する苦み等好ましくない味質を低減または改善することができる。
また、本発明のα−オキシモノカルボン酸もしくはその塩またはそれらの水溶液およびオキシポリカルボン酸もしくはその塩またはそれらの水溶液を併用する方法により、カルシウムおよびマグネシウムが析出や沈殿を形成することなく長期に渡り安定的に可溶化状態を保持することができる。
【0053】
また、本発明のα−オキシモノカルボン酸もしくはその塩またはそれらの水溶液およびオキシポリカルボン酸もしくはその塩またはそれらの水溶液を併用する方法により、ドロマイトあるいは水難溶性または水不溶性のカルシウム塩と水難溶性または水不溶性のマグネシウム塩が溶解しており水不溶性の塩の白濁または沈殿が生じておらずかつ苦みの軽減されたドロマイト溶液あるいはカルシウムおよびマグネシウム溶液を製造することができる。
【0054】
以下に本発明の実施例を示す。
【0055】
【実施例】
実施例1
ドロマイトFM(協和発酵工業社製)2.5gを約50mlの水に懸濁した。これに50%グルコン酸を21.2g加え、70℃に加温し、約30分間攪拌してドロマイトを可溶化した。ついでクエン酸を0.78g加え、70℃で約1時間撹拌した後室温に戻した後、水を加え全量を100mlとした。この溶液をカルシウム濃度として200mg/100ml(マグネシウム濃度として109mg/100ml)となるように水で希釈した後、濾紙濾過(アドバンテック東洋社製 No.5C)して、カルシウムおよびマグネシウムを含有する水溶液を得た。
【0056】
実施例2
ドロマイトFM(協和発酵工業社製)2.5gを約50mlの水に懸濁した。これに50%グルコン酸を19g加え、70℃に加温し、約30分間攪拌してドロマイトを可溶化した。ついでクエン酸を1.235g加え、70℃で約1時間撹拌した後室温に戻した後、水を加え全量を100mlとした。この溶液をカルシウム濃度として200mg/100ml(マグネシウム濃度として109mg/100ml)となるように水で希釈した後、濾紙濾過(アドバンテック東洋社製 No.5C)して、カルシウムおよびマグネシウムを含有する水溶液を得た。
【0057】
比較例1
ドロマイトFM(協和発酵工業社製)2.5gを約50mlの水に懸濁した。これに50%グルコン酸を26.4g加え、70℃に加温し、約60分間攪拌してドロマイトを可溶化した。室温に戻した後、水を加え全量を100mlとした。この溶液をカルシウム濃度として200mg/100ml(マグネシウム濃度として109mg/100ml)となるように水で希釈した後、濾紙濾過(アドバンテック東洋社製 No.5C)して、カルシウムおよびマグネシウムを含有する水溶液を得た。
【0058】
実施例3
ドロマイトFM(協和発酵工業社製)2.5gを約50mlの水に懸濁した。これに50%グルコン酸を21g加え、70℃に加温し、約30分間攪拌してドロマイトを可溶化した。ついでリンゴ酸を1.325g加え、70℃で約1時間撹拌した後室温に戻した後、水を加え全量を100mlとした。この溶液をカルシウム濃度として330mg/100ml(マグネシウム濃度として180mg/100ml)となるように水で希釈した後、濾紙濾過(アドバンテック東洋社製 No.5C)して、カルシウムおよびマグネシウムを含有する水溶液を得た。
【0059】
実施例4
ドロマイトFM(協和発酵工業社製)2.5gを約50mlの水に懸濁した。これに50%グルコン酸を19g加え、70℃に加温し、約30分間攪拌してドロマイトを可溶化した。ついでリンゴ酸を1.8g加え、70℃で約1時間撹拌した後室温に戻した後、水を加え全量を100mlとした。この溶液をカルシウム濃度として330mg/100ml(マグネシウム濃度として180mg/100ml)となるように水で希釈した後、濾紙濾過(アドバンテック東洋社製 No.5C)して、カルシウムおよびマグネシウムを含有する水溶液を得た。
【0060】
実施例5
ドロマイトFM(協和発酵工業社製)2.5gを約50mlの水に懸濁した。これに50%グルコン酸を17g加え、70℃に加温し、約30分間攪拌してドロマイトを可溶化した。ついでリンゴ酸を2.2g加え、70℃で約1時間撹拌した後室温に戻した後、水を加え全量を100mlとした。この溶液をカルシウム濃度として330mg/100ml(マグネシウム濃度として180mg/100ml)となるように水で希釈した後、濾紙濾過(アドバンテック東洋社製 No.5C)して、カルシウムおよびマグネシウムを含有する水溶液を得た。
【0061】
実施例6
ドロマイトFM(協和発酵工業社製)2.5gを約50mlの水に懸濁した。これに50%グルコン酸を14g加え、70℃に加温し、約30分間攪拌してドロマイトを可溶化した。ついでリンゴ酸を2.45g加え、70℃で約1時間撹拌した後室温に戻した後、水を加え全量を100mlとした。この溶液をカルシウム濃度として330mg/100ml(マグネシウム濃度として180mg/100ml)となるように水で希釈した後、濾紙濾過(アドバンテック東洋社製No.5C)して、カルシウムおよびマグネシウムを含有する水溶液を得た。
【0062】
実施例7
ドロマイトFM(協和発酵工業社製)2.5gを約50mlの水に懸濁した。これに50%グルコン酸を12g加え、70℃に加温し、約30分間攪拌してドロマイトを可溶化した。ついでリンゴ酸を3.275g加え、70℃で約1時間撹拌した後室温に戻した後、水を加え全量を100mlとした。この溶液をカルシウム濃度として330mg/100ml(マグネシウム濃度として180mg/100ml)となるように水で希釈した後、濾紙濾過(アドバンテック東洋社製 No.5C)して、カルシウムおよびマグネシウムを含有する水溶液を得た。
【0063】
実施例8
ドロマイトFM(協和発酵工業社製)2.5gを約50mlの水に懸濁した。これに50%グルコン酸を10g加え、70℃に加温し、約30分間攪拌してドロマイトを可溶化した。ついでリンゴ酸を3.7g加え、70℃で約1時間撹拌した後室温に戻した後、水を加え全量を100mlとした。この溶液をカルシウム濃度として330mg/100ml(マグネシウム濃度として180mg/100ml)となるように水で希釈した後、濾紙濾過(アドバンテック東洋社製 No.5C)して、カルシウムおよびマグネシウムを含有する水溶液を得た。
【0064】
比較例2
ドロマイトFM(協和発酵工業社製)2.5gを約50mlの水に懸濁した。これに50%グルコン酸を26.4g加え、70℃に加温し、約60分間攪拌してドロマイトを可溶化した後、水を加え全量を100mlとした。この溶液をカルシウム濃度として330mg/100ml(マグネシウム濃度として180mg/100ml)となるように水で希釈した後、濾紙濾過(アドバンテック東洋社製 No.5C)して、カルシウムおよびマグネシウムを含有する水溶液を得た。
【0065】
実施例9
ドロマイトFM(協和発酵工業社製)2.5gを約50mlの水に懸濁した。これに90%乳酸を7g加え、70℃に加温し、約30分間攪拌してドロマイトを可溶化した。ついでリンゴ酸を0.7g加え、70℃で約1時間撹拌した後室温に戻した後、水を加え全量を100mlとした。この溶液をカルシウム濃度として500mg/100ml(マグネシウム濃度として273mg/100ml)となるように水で希釈した後、濾紙濾過(アドバンテック東洋社製 No.5C)し、カルシウムおよびマグネシウムを含有する水溶液を得た。
【0066】
実施例10
ドロマイトFM(協和発酵工業社製)2.5gを約50mlの水に懸濁した。これに90%乳酸を6g加え、70℃に加温し、約30分間攪拌してドロマイトを可溶化した。ついでリンゴ酸を1.45g加え、70℃で約1時間撹拌した後室温に戻した後、水を加え全量を100mlとした。この溶液をカルシウム濃度として500mg/100ml(マグネシウム濃度として273mg/100ml)となるように水で希釈した後、濾紙濾過(アドバンテック東洋社製 No.5C)して、カルシウムおよびマグネシウムを含有する水溶液を得た。
【0067】
実施例11
ドロマイトFM(協和発酵工業社製)2.5gを約50mlの水に懸濁した。これに90%乳酸を5g加え、70℃に加温し、約30分間攪拌してドロマイトを可溶化した。ついでリンゴ酸を2.1g加え、70℃で約1時間撹拌した後室温に戻した後、水を加え全量を100mlとした。この溶液をカルシウム濃度として500mg/100ml(マグネシウム濃度として273mg/100ml)となるように水で希釈した後、濾紙濾過(アドバンテック東洋社製 No.5C)して、カルシウムおよびマグネシウムを含有する水溶液を得た。
【0068】
実施例12
ドロマイトFM(協和発酵工業社製)2.5gを約50mlの水に懸濁した。これに90%乳酸を7g加え、70℃に加温し、約30分間攪拌してドロマイトを可溶化した。ついでクエン酸を0.7g加え、70℃で約1時間撹拌した後室温に戻した後、水を加え全量を100mlとした。この溶液をカルシウム濃度として500mg/100ml(マグネシウム濃度として273mg/100ml)となるように水で希釈した後、濾紙濾過(アドバンテック東洋社製 No.5C)して、カルシウムおよびマグネシウムを含有する水溶液を得た。
【0069】
比較例3
ドロマイトFM(協和発酵工業社製)2.5gを約50mlの水に懸濁した。これに90%乳酸を8.25g加え、70℃に加温し、約60分間攪拌してドロマイトを可溶化した後、水を加え全量を100mlとした。この溶液をカルシウム濃度として500mg/100ml(マグネシウム濃度として273mg/100ml)となるように水で希釈した後、濾紙濾過(アドバンテック東洋社製 No.5C)して、カルシウムおよびマグネシウムを含有する水溶液を得た。
【0070】
比較例4
ドロマイトFM(協和発酵工業社製)2.5gを約50mlの水に懸濁した。これにクエン酸12.5g加え、70℃に加温し、約60分間攪拌してドロマイトを可溶化した後、水を加え全量を100mlとした。この溶液をカルシウム濃度として500mg/100ml(マグネシウム濃度として273mg/100ml)となるように水で希釈した後、濾紙濾過(アドバンテック東洋社製 No.5C)して、カルシウムおよびマグネシウムを含有する水溶液を得た。
【0071】
比較例5
ドロマイトFM(協和発酵工業社製)2.5gを約50mlの水に懸濁した。これにリンゴ酸7.5g加え、70℃に加温し、約60分間攪拌してドロマイトを可溶化した後、水を加え全量を100mlとした。この溶液をカルシウム濃度として500mg/100ml(マグネシウム濃度として273mg/100ml)となるように水で希釈した後、濾紙濾過(アドバンテック東洋社製 No.5C)して、カルシウムおよびマグネシウムを含有する水溶液を得た。
【0072】
試験例1
実施例1〜12および比較例1〜5で得られた溶液を5℃に1ヶ月保存した後、溶液を観察した結果を第1表に示す。
【0073】
【表1】
【0074】
第1表に示すように、α−オキシモノカルボン酸単独または、オキシポリカルボン酸単独(比較例1〜5)では、白濁または沈殿物が認められるのに対し、α−オキシモノカルボン酸とオキシポリカルボン酸の併用により、白濁または沈殿物が生成するのを防止することができた。
【0075】
試験例2
実施例1〜12および比較例1〜5の溶液の味質を調査した結果を第2表に示す。
【0076】
【表2】
【0077】
第2表に示すように、α−オキシモノカルボン酸単独または、オキシポリカルボン酸単独(比較例1〜5)では、苦みが認められるが、α−オキシモノカルボン酸とオキシポリカルボン酸の併用により、該苦みを抑制することができた。
【0078】
実施例13
70℃に加温した約700mlの水に、ドロマイトFM(協和発酵工業社製)を25g分散し、市販の90%乳酸83gを添加して70℃を保持しながら約1時間攪拌して溶解した。水を添加し全量で1Lとし、濾紙濾過(アドバンテック東洋社製 No.5C)し、ドロマイト2.5%乳酸可溶化液を調製した(pH3.9)。これをベース溶液として、以下の配合でオレンジ味の飲料を調製した。
【0079】
ベース溶液 40ml
クエン酸 0.2g
ブドウ糖果糖液糖 15g
乳清発酵液T−2 3g
バレンシアオレンジフレーバー 0.1ml
(上記を混合し水で100mLに調整)
【0080】
実施例14
実施例13で製造したベース溶液を用い、以下の配合でオレンジ味の飲料を調製した。
【0081】
ベース溶液 40ml
リンゴ酸 0.2g
ブドウ糖果糖液糖 15g
乳清発酵液T−2 3g
バレンシアオレンジフレーバー 0.1ml
(上記を混合し水で100mLに調整)
【0082】
比較例6
実施例13で製造したベース溶液を用い、以下の配合でオレンジ味の飲料を調製した。
【0083】
ベース溶液 40ml
ブドウ糖果糖液糖 15g
乳清発酵液T−2 3g
バレンシアオレンジフレーバー 0.1ml
(上記を混合し水で100mLに調整)
【0084】
実施例15
70℃に加温した約700mlの水に、ドロマイトFM(協和発酵工業社製)を25g分散し、市販の50%グルコン酸264gを添加して70℃を保持しながら約1時間攪拌して溶解した。水を加え全量で1Lとし、濾紙濾過(アドバンテック東洋社製 No.5C)し、ドロマイト2.5%グルコン酸可溶化液を調製した(pH3.9)。これをベース溶液として、以下の配合でオレンジ味の飲料を調製した。
【0085】
ベース溶液 40ml
リンゴ酸 0.2g
ブドウ糖果糖液糖 15g
乳清発酵液T−2 3g
バレンシアオレンジフレーバー 0.1ml
(上記を混合し水で100mLに調整)
【0086】
実施例16
実施例15で製造したベース溶液を用いて、以下の配合でオレンジ味の飲料を調製した。
【0087】
ベース溶液 40ml
クエン酸 0.2g
ブドウ糖果糖液糖 15g
乳清発酵液T−2 3g
バレンシアオレンジフレーバー 0.1ml
(上記を混合し水で100mLに調整)
【0088】
比較例7
実施例15で製造したベース溶液を用いて、以下の配合でオレンジ味の飲料を調製した。
【0089】
ベース溶液 40ml
ブドウ糖果糖液糖 15g
乳清発酵液T−2 3g
バレンシアオレンジフレーバー 0.1ml
(上記を混合し水で100mLに調整)
【0090】
試験例3
実施例13〜16及び試験例6〜7で製造した飲料の味覚試験をした結果を第3表に示す。
【0091】
【表3】
【0092】
第3表に示すように、比較例6と比較例7は後味に顕著な苦味(エグミのようなもの)が感じられたが、実施例13〜16については後味の苦味が明らかに低減されていた。
【0093】
実施例17 グルコン酸とクエン酸で可溶化したドロマイトを含有する清涼飲料ドロマイトFM(協和発酵工業社製)2.5gを水50mLに加え70℃に加温した後、50%グルコン酸を21.2gを加え30分間攪拌した。次いでクエン酸0.78gを加え、70℃にて1時間攪拌してドロマイトを溶解させた。濾過助剤による濾過を行った後、100mLに調整してドロマイト可溶化液を得た。得られた溶液のpHは、3.9であった。このドロマイト溶液を使用して下記の組成の清涼飲料を製造した。
【0094】
ドロマイト溶液 40mL
ブドウ糖果糖液糖 9g
プラムエキストラクト 10g
コクヨカラメル色素 0.1g
梅酒エッセンス 0.1mL
ウメフレーバー 0.1mL
(上記を混合し水で100mLに調整)
【0095】
実施例18 グルコン酸とリンゴ酸で可溶化したドロマイトを含有する清涼飲料ドロマイトFM(協和発酵工業社製)2.5gを水50mLに加え70℃に加温した後、50%グルコン酸を17.0gを加え30分間攪拌した。次いでリンゴ酸2.2gを加え、70℃にて1時間攪拌してドロマイトを溶解させた。濾過助剤による濾過を行った後、100mLに調整してドロマイト可溶化液を得た。得られた溶液のpHは、3.9であった。このドロマイト溶液を使用して下記の組成の清涼飲料を製造した。
【0096】
ドロマイト溶液 40mL
ブドウ糖果糖液糖 9g
プラムエキストラクト 10g
コクヨカラメル色素 0.1g
梅酒エッセンス 0.1mL
ウメフレーバー 0.1mL
(上記を混合し水で100mLに調整)
【0097】
実施例19 乳酸とクエン酸で可溶化したドロマイトを含有する清涼飲料
ドロマイトFM(協和発酵工業社製)2.5gを水50mLに加え70℃に加温した後、90%乳酸を7.0gを加え30分間攪拌した。次いでクエン酸0.7gを加え、70℃にて1時間攪拌してドロマイトを溶解させた。濾過助剤による濾過を行った後、100mLに調整してドロマイト可溶化液を得た。得られた溶液のpHは、3.9であった。このドロマイト溶液を使用して下記の組成の清涼飲料を製造した。
【0098】
ドロマイト溶液 40mL
ブドウ糖果糖液糖 9g
乳清発酵液T−2 3g
バレンシアオレンジフレーバー 0.1mL
(上記を混合し水で100mLに調整)
【0099】
実施例20 乳酸とリンゴ酸で可溶化したドロマイトを含有する清涼飲料
ドロマイトFM(協和発酵工業社製)2.5gを水50mLに加え70℃に加温した後、90%乳酸を6.0gを加え30分間攪拌した。次いでリンゴ酸1.45gを加え、70℃にて1時間攪拌してドロマイトを溶解させた。濾過助剤による濾過を行った後、100mLに調整してドロマイト可溶化液を得た。得られた溶液のpHは、3.9であった。このドロマイト溶液を使用して下記の組成の清涼飲料を製造した。
【0100】
ドロマイト溶液 40mL
ブドウ糖果糖液糖 15g
乳清発酵液T−2 3g
バレンシアオレンジフレーバー 0.1mL
(上記を混合し水で100mLに調整)
【0101】
【発明の効果】
本発明によれば、α−オキシモノカルボン酸もしくはその塩またはそれらの水溶液およびオキシポリカルボン酸もしくはその塩またはそれらの水溶液を併用することにより、ドロマイト溶液またはカルシウムおよびマグネシウム溶液を製造することができる。
【0102】
該溶液は苦み等が軽減されており、該溶液中のカルシウムおよびマグネシウムを長期に渡り安定的に可溶化状態に保持することができる。
Claims (24)
- ドロマイトと、乳酸もしくはその塩またはそれらの水溶液およびオキシポリカルボン酸もしくはその塩またはそれらの水溶液とを混合することで得られるドロマイト溶液。
- 溶液が、長期間保存してもドロマイトが溶解しており水難溶性または水不溶性の塩の白濁または沈殿が生じない溶液である請求項1記載の溶液。
- 溶液が、苦みの軽減されている溶液である請求項1または2記載の溶液。
- 水難溶性または水不溶性のカルシウム塩と水難溶性または水不溶性のマグネシウム塩との混合物と、乳酸もしくはその塩またはそれらの水溶液およびオキシポリカルボン酸もしくはその塩またはそれらの水溶液とを混合することで得られるカルシウムおよびマグネシウム溶液。
- 溶液が、長期間保存しても水難溶性または水不溶性のカルシウム塩と水難溶性または水不溶性のマグネシウム塩が溶解しており水難溶性または水不溶性の塩の白濁または沈殿が生じない溶液である請求項4記載の溶液。
- 溶液が、苦みの軽減されている溶液である請求項4または5記載の溶液。
- オキシポリカルボン酸が、クエン酸またはリンゴ酸である請求項1〜6のいずれかに記載の溶液。
- 溶液が、カルシウム1モルに対しマグネシウムが0.1〜10モルが溶解している溶液である請求項1〜7のいずれかに記載の溶液。
- カルシウム1モルに対し、乳酸またはその塩が、1.2〜24モル、オキシポリカルボン酸またはその塩が0.04〜16モルからなる請求項1〜8のいずれかに記載の溶液。
- 溶液のpHが2〜7である請求項1〜9のいずれかに記載の溶液。
- 請求項1〜10のいずれかの溶液を添加されたカルシウムおよびマグネシウムが強化された飲食品。
- 飲食品が、液状またはゲル状である請求項11記載の飲食品。
- 請求項1〜10のいずれかの溶液を、飲食品に添加することを特徴とするカルシウムおよびマグネシウムが強化された飲食品の製造方法。
- 飲食品が、液状またはゲル状である請求項13記載の製造方法。
- ドロマイトを、乳酸もしくはその塩またはそれらの水溶液およびオキシポリカルボン酸もしくはその塩またはそれら水溶液に混合することを特徴とするドロマイト溶液の製造方法。
- 溶液が、長期間保存してもドロマイトが溶解しており水難溶性または水不溶性の塩の白濁または沈殿が生じない溶液である請求項15記載の製造方法。
- 溶液が、苦みの軽減されている溶液である請求項15または16記載の製造方法。
- 水難溶性または水不溶性のカルシウム塩と水難溶性または水不溶性のマグネシウム塩との混合物を、乳酸もしくはその塩またはそれらの水溶液およびオキシポリカルボン酸もしくはその塩またはそれらの水溶液とを混合することを特徴とするカルシウムおよびマグネシウムの溶液の製造方法。
- 溶液が、長期間保存しても水難溶性または水不溶性のカルシウム塩と水難溶性または水不溶性のマグネシウム塩が溶解しており水難溶性または水不溶性の塩の白濁または沈殿が生じない溶液である請求項18記載の製造方法。
- 溶液が、苦みの軽減されている溶液である請求項18または19記載の製造方法。
- オキシポリカルボン酸が、クエン酸またはリンゴ酸である請求項15〜20のいずれかに記載の溶液の製造方法。
- 溶液が、カルシウム1モルに対しマグネシウムが0.1〜10モルが溶解している溶液である請求項15〜21のいずれかに記載の溶液の製造方法。
- カルシウム1モルに対し、乳酸またはその塩が、1.2〜24モル、オキシポリカルボン酸またはその塩が0.04〜16モルからなる請求項15〜22のいずれかに記載の溶液の製造方法。
- 溶液のpHが2〜7である請求項15〜23のいずれかに記載の溶液の製造方法。
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