JP2000014372A - カルシウム強化飲料用分散剤、それを含有するカルシウム強化飲料および飲料用カルシウム強化剤 - Google Patents

カルシウム強化飲料用分散剤、それを含有するカルシウム強化飲料および飲料用カルシウム強化剤

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JP2000014372A
JP2000014372A JP10204417A JP20441798A JP2000014372A JP 2000014372 A JP2000014372 A JP 2000014372A JP 10204417 A JP10204417 A JP 10204417A JP 20441798 A JP20441798 A JP 20441798A JP 2000014372 A JP2000014372 A JP 2000014372A
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Hajime Murata
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 卵殻、貝殻等の炭酸カルシウムの微細化
粒状体を用いてカルシウム成分で強化された飲料であっ
て、カルシウム成分の沈澱の生成を長期にわたり防止し
た分散性良好で食感、風味等にも優れた高カルシウム強
化飲料を提供する。 【解決手段】 次の成分(A)および成分(B) (A)結晶セルロース (B)セルロールの水酸基にカルボキシアルキル基が導
入されてなるセルロース誘導体 を含有してなるカルシウム強化飲料用分散剤、微細化し
た炭酸カルシウム粒状体により高度にカルシウム強化さ
れた飲料に対し、前記分散剤を配合してなるカルシウム
強化飲料ならびに微細化した炭酸カルシウム粒状体に対
し、前記成分(A)および成分(B)を配合してなる飲
料用カルシウム強化剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カルシウム強化飲
料用分散剤、該分散剤を含有するカルシウム強化飲料お
よび飲料用カルシウム強化剤に関するものであり、詳し
くは、微細化された水難溶性カルシウム成分を添加した
飲料の分散安定性を保持するための新規な分散剤および
それを含有する高カルシウム強化コーヒー飲料、乳飲料
およびその他の飲料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】カルシウムは、骨、歯等の硬組織の形
成、体液のアルカリ性の保持、神経の興奮性の抑制、血
液の凝固作用の促進、心筋の収縮作用等人体の生命維持
および体内器官・組織の機能にとって極めて重要な役割
を果たすことが知られている。このようにカルシウムは
人体にとって不可欠の栄養素であるが、現在の食生活で
はその摂取量が著しく不足している。特に、青少年のカ
ルシウム摂取不足が顕著であり、カルシウム不足に由来
する歯・骨の脆弱化傾向が著しい。従って、その防止を
図り、さらに体力増進のためカルシウム成分の補強食材
が要求されている。
【0003】このような状況のもとで、カルシウム強化
飲料、特に、カルシウム成分を高度に添加した乳飲料に
対する需要が増加しており、従来、カルシウム成分とし
て水溶性の水酸化カルシウム、酸化カルシウム、乳酸カ
ルシウム、グリコン酸カルシウム等が用いられている
が、水溶性化合物を使用すると缶飲料またはレトルトパ
ック飲料の場合、加熱殺菌処理工程においてたん白凝固
物が生成するという問題がある。また、カルシウム成分
として水難溶性の炭酸カルシウムを用いた場合、前記の
如き加熱処理に伴なう問題は生じないが、比重が大きい
ことから沈澱を生成しやすいという弊害がある。従っ
て、カルシウム成分の沈澱の生成を防止するため炭酸カ
ルシウムを酸で可溶化した後アルカリ処理して得た微細
な炭酸カルシウムを用いるカルシウム強化乳飲料の製造
方法(特開平5−76279号公報参照。)、牛乳を主
体とし、それにカルシウム塩および/またはビタミンな
らびに結晶セルロースとカラヤガム等と可溶性デンプン
等とからなる混合物との複合体を添加してなる飲料(特
開昭56−117753号公報参照。)等が提案されて
いる。
【0004】しかしながら、前者の方法は酸を使用する
点で適用可能な飲料の範囲が制限され、また、後者の飲
料においてもカルシウム成分の分散安定性の保持の点で
改善すべき点が残されている。特に、コーヒー飲料のよ
うな香り、風味等嗜好性の高い飲料にとっては水溶性の
カルシウム成分を用いると風味等が消失し、コーヒー飲
料としての機能を欠如するから水難溶性の炭酸カルシウ
ムを使用せざるを得ないことから沈澱防止の対策が不可
欠となる。
【0005】飲料として保存中に沈澱が生成するような
現象が生ずることは外観上商品イメージの観点から問題
がある上に、飲用の際には容器をよく振ってから飲用す
る必要があることから商品価値を低減するものであるか
ら均質で分散安定性が良く保存性も良好な商品の開発が
不可欠である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の課題
は、飲料製造上の加熱処理によるたん白凝固物の生成ま
たは風味の消失等の難点を解消するため、水難溶性の炭
酸カルシウムを使用し、均質で分散安定性が良好でかつ
保存性にも優れたカルシウム強化飲料用分散剤、それを
含有するカルシウム強化飲料および飲料用カルシウム強
化剤を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者は、従
来のカルシウム強化飲料の開発状況に鑑み、鋭意研究を
重ねた結果、カルシウム成分、特に、炭酸カルシウム粒
状体等無機質の分散安定剤として結晶セルロースとカル
ボキシアルキルセルロースアルカリ金属塩との組合せを
用いることにより、前記課題を解決できることを見いだ
し、これらの知見に基づいて本発明の完成に到達した。
【0008】すなわち、本発明の第一は、カルシウム成
分を添加したカルシウム強化飲料に配合される分散剤で
あって、次の成分(A)および成分(B): (A)結晶セルロース (B)セルロールの水酸基にカルボキシアルキル基が導
入されてなるセルロース誘導体 を含有してなることを特徴とするカルシウム強化飲料用
分散剤に関するものである。
【0009】前記カルシウム強化飲料のカルシウム成分
は、微細化された水難溶性カルシウム成分が好ましい。
【0010】また、カルシウム強化飲料としては、コー
ヒー飲料、ミルクコーヒー飲料、紅茶飲料、ミルクティ
ー飲料、乳飲料および乳酸飲料等が好ましい。
【0011】さらに、前記成分(A)結晶セルロースと
成分(B)セルロース誘導体の割合は重量比で成分
(B)1部に対し成分(A)3部以上が好適であり、特
に、成分(B)1部に対し、成分(A)が9部〜50部
が好ましい。
【0012】本発明の第二は、微細化された水難溶性カ
ルシウム成分を添加したカルシウム強化飲料に対し、次
の成分(A)および成分(B): (A)結晶セルロース (B)セルロールの水酸基にカルボキシアルキル基が導
入されてなるセルロース誘導体 を含有する分散剤を、カルシウム強化飲料全重量基準
で、0.05重量%以上配合してなることを特徴とする
カルシウム強化飲料に関するものである。
【0013】前記微細化された水難溶性カルシウム成分
は、卵殻または貝殻から得られた炭酸カルシウム粒状体
が好ましい。
【0014】さらに、本発明の第三は、微細化された水
難溶性カルシウム成分と、次の成分(A)および成分
(B) (A)結晶セルロース (B)セルロールの水酸基にカルボキシアルキル基が導
入されてなるセルロース誘導体 を含有する分散剤とからなることを特徴とする飲料用カ
ルシウム強化剤に関するものである。
【0015】前記微細化された水難溶性カルシウム成分
と前記分散剤との割合が、該カルシウム成分をカルシウ
ム量として重量比で60〜75:40〜25の範囲が好
適である。
【0016】また、前記分散剤は重量比で成分(B)1
部に対し成分(A)3部以上、特に、9部〜50部とし
たものが好ましい。
【0017】
【発明の実施の形態】以下に、本発明について詳細に説
明する。本発明のカルシウム強化飲料用分散剤は、前記
成分(A)の結晶セルロースと成分(B)のセルロース
の水酸基にカルボキシアルキル基が導入されてなるセル
ロース誘導体とからなるものである。
【0018】成分(A)の結晶セルロースは、高純度の
精製パルプを一定の条件下において鉱酸で加水分解し微
結晶ミセル間の非結晶領域を洗浄除去した後、精製、乾
燥して得られる微粉末であり、電子顕微鏡観察によれば
棒状セルロース結晶体が網目構造を形成したものであ
る。このような結晶セルロースは市販品として旭化成工
業株式会社製「アビセル」(登録商標)FDタイプ等を
用いることができる。
【0019】前記成分(B)のセルロース誘導体はセル
ロースエーテルであり、セルロースの水酸基にカルボキ
シアルキル基が導入されたものである。カルボキシアル
キル基は、式−RCOOMで表され、式中、Rは炭素数
1〜10のアルキル基であり、アルキルとして炭素数1
〜5、特に、1〜3の短鎖のアルキル基が好ましい。カ
ルボキシアルキル基の具体例を例示すると、カルボキシ
メチル基、カルボキシエチル基、カルボキシプロピル
基、カルボキシブチル基、カルボキシペンチル基等を挙
げることができる。これらのなかでカルボキシメチル基
が特に好適である。セルロース誘導体は、セルロース単
位中に水酸基を3個有するので3個の水酸基全部をカル
ボキシアルキル基で置換したエーテル化度3のカルボキ
シアルキルセルロースを用いることができるが、本発明
においてはその1個にカルボキシアルキル基が導入され
たものでよく、エーテル化度(DS)で表示して0.5
以上のものがカルシウム成分の分散安定性の保持に優れ
た効果を奏することから好適である。前記式中、Mは金
属成分であり、特に限定されるものではないが、例え
ば、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属
を挙げることができ、これらのなかではナトリウムが好
ましい。
【0020】前記成分(B)のセルロース誘導体は、種
々の方法で製造することができるが、例えば、セルロー
スの苛性アルカリによるアセチル化工程およびアセチル
化工程で得られるアルカリセルロースのモノハロゲン酢
酸等によるエーテル化工程を経て得られる粗生成物を精
製した後常法により製造することができる。苛性アルカ
リとしては水酸化ナトリウム、モノハロゲン酢酸として
はモノクロル酢酸が好ましい。
【0021】本発明のカルシウム強化飲料用分散剤の成
分(B)セルロース誘導体としては、市販品を使用する
ことができ、例えば、ダイセル化学工業株式会社製「C
MCダイセル(登録商標)」を利用することができる。
【0022】本発明のカルシウム強化飲料用分散剤の前
記成分(A)の結晶性セルロースと成分(B)とセルロ
ース誘導体との割合は、飲料の種類により適宜決定する
ことができるが、通常、重量比で成分(B)1部に対
し、成分(A)3部以上の割合とすることが好ましい。
特に、コーヒー飲料、ミルクコーヒ飲料においては、成
分(B)1部に対し成分(A)9部〜55部とすること
が好ましい。成分(B)1部に対し、成分(A)が3部
に達しないと乳飲料においても沈澱の生成が生じやす
く、成分(A)を9部以上とすればいずれの飲料に対し
ても沈澱防止の効果が顕著である。
【0023】次に、本発明のカルシウム強化飲料および
カルシウム強化剤で用いられる水難溶性カルシウム成分
としては、特に限定されるものでないが、飲料の熱処理
工程を経る必要から炭酸カルシウムが好適である。炭酸
カルシウムとしては天然カルシウム、合成カルシウムの
いずれも用いることができるが、特に、卵殻、貝殻等を
原料とするカルシウム成分、すなわち、卵殻カルシウム
および貝殻カルシウムの焼成物または未焼成物を用いる
ことが好ましい。
【0024】このような炭酸カルシウムは、各飲料の風
味、香り等に影響を与えることがなくテクスチャーにお
いても優れた評価を得ている。
【0025】炭酸カルシウム成分の具体例としての卵殻
カルシウムは、その微細粒子が多孔性構造であり、体内
での吸収性および品質改良効果に優れている。卵殻の成
分の大部分のものはCaCO3 であり、通常、約40%
含有され、また、約2%のたん白質が含有される。ま
た、卵殻にはカルシウム成分のほかに、マグネシウム、
リン、ナトリウム、カリウム、鉄等の無機物質が2pp
m〜400ppm含有されている。
【0026】本発明のカルシウム強化飲料および飲料用
カルシウム強化剤に用いられる炭酸カルシウム成分は微
細化した微細粒状体が好適であり、微細粒状体として平
均粒径0.4μm以下、特に0.3μm以下に制御した
ものが分散剤の作用と相俟って分散安定性の改善にはさ
らに好適である。
【0027】前記のような粒径のものを製造するための
微細化処理は湿式微粉砕機を用いて常法で行なうことが
できる。微粉砕機としては、例えば、コボールミル(登
録商標)(神鋼パンテック社製)、アクアマイザー(登
録商標)(ホソカワミクロン社)またはマイノス(登録
商標)(奈良機械製作所)等の市販品を利用することが
できる。
【0028】また、カルシウム強化飲料においては、炭
酸カルシウムの含有量をカルシウム量として100pp
m〜500ppmまで、特に200ppm〜300pp
mとすることによりカルシウム成分添加の効果が達成さ
れる。しかも微細化しているため、飲料中の分散性も良
好であり、体内での吸収性もよい。従来のカルシウム強
化飲料においては、カルシウム量が精々約150ppm
以下のものしか製造できなかったが、カルシウム量20
0ppm以上の安定化されたカルシウム強化飲料が得ら
れることは本発明の特異性を示すものである。
【0029】本発明において、カルシウムで強化される
飲料としては、特に限定されるものではないが、コーヒ
ー、ミルクコーヒー、紅茶、ミルクティー、牛乳、乳酸
菌飲料等を挙げることができる。牛乳としては、原料乳
を清浄にした後、殺菌することにより得られる通常の市
乳および脱脂粉乳を主成分とした低脂肪乳等を用いるこ
とができる。コーヒー飲料としては、コーヒー入り清涼
飲料およびコーヒーを挙げることができ、また、ミルク
コーヒーは、コーヒーに前記に乳成分を添加したものが
用いられる。紅茶は、浸出液またはインスタント粉末に
砂糖、香料、酸味料等を加えたレモンティー、ブランデ
ィーティー等が、また、ミルクティーとしては、紅茶に
牛乳成分を加えたものが用いられる。さらに、カルピス
(登録商標)、ヨーグルト(登録商標)等の乳酸飲料そ
の他ビタミン入り薬用ドリンク等の飲料もカルシウム強
化の対象とすることができる。
【0030】本発明の好ましい実施の形態としては、 卵殻から得られる微細化された炭酸カルシウムが添加
された飲料に対し配合される分散剤であって、次の成分
(A)および成分(B) (A)結晶セルロース (B)セルロールの水酸基にカルボキシアルキル基が導
入されてなるセルロース誘導体 を含有してなる分散剤。
【0031】卵殻から得られる微細化された炭酸カル
シウムが添加された飲料に対し、次の成分(A)および
成分(B) (A)結晶セルロース (B)セルロールの水酸基にカルボキシアルキル基が導
入されてなるセルロース誘導体 を含有する分散剤をカルシウム強化飲料全重量基準で
0.1重量%〜3重量%配合してなるカルシウム強化飲
料、
【0032】卵殻から得られる微細化された炭酸カル
シウムが添加されたコーヒー飲料に対し、次の成分
(A)および成分(B) (A)結晶セルロース (B)セルロールの水酸基にカルボキシアルキル基が導
入されてなるセルロース誘導体 からなり、重量比で該成分(B)1部に対し成分(A)
9部以上の割合で含有する分散剤をカルシウム強化コー
ヒー飲料全重量基準で0.1重量%〜3重量%配合して
なるカルシウム強化飲料、
【0033】卵殻から得られる微細化された炭酸カル
シウムと、次の成分(A)および成分(B) (A)結晶セルロース (B)セルロールの水酸基にカルボキシアルキル基が導
入されてなるセルロース誘導体 とからなる飲料用カルシウム強化剤を提供することがで
きる。
【0034】
【実施例】以下、本発明を実施例および比較例に基づき
さらに具体的に説明する。もっとも、本発明は実施例等
により限定されるものではない。
【0035】なお、実施例等において用いた卵殻カルシ
ウム微粉末の粒径は、レーザー回折/散乱式粒度分布測
定装置により測定した。
【0036】実施例1卵殻微粉末懸濁液の調製 カルシウム成分として洗浄、剥膜処理した卵殻を乾燥、
粉砕して平均粒径7μmとし、さらに、湿式微粉砕機で
平均粒径0.3μmの粒状体に粉砕し固液比25%の卵
殻微粉末懸濁液を調製した。カルシウム強化剤の調製・カルシウム強化飲料の調製 精製したコーヒー飲料を10リットル調製し、これにコ
ーヒー飲料全重量基準で卵殻微粉末懸濁液をカルシウム
量として200ppm、成分(A)結晶セルロースを
0.3重量%および成分(B)カルボキシメチルセルロ
ースナトリウムを0.03重量%になるようにあらかじ
め均質に混合したもの(成分(B)1重量%部に対し成
分(A)10重量部の混合物)を添加した後混合し均質
化させたカルシウム強化飲料を得た。品質評価 得られた均質のコーヒー飲料を200ccの瓶に詰めて
密栓し加熱殺菌処理をした後、保冷、保存した。保存
は、各々、5℃保冷庫および40℃保温庫において行な
い、毎月その沈澱の有無を観察し、さらに、1ケ月毎に
6ケ月間、各々、沈澱の生成状況の観察を行ない、6ケ
月保存後の結果で判定した。観察は試飲パネラー6人に
より実施した。その結果、沈澱の生成はなく、味につい
ても分散剤を添加しないコントロール品と比較して差が
なく良好であった。
【0037】実施例2〜5 精製したコーヒー飲料の代わりにミルクコーヒー、紅
茶、ミルクティーおよび牛乳飲料を用いたこと以外すべ
て実施例1と同様にして均質化した各飲料を調製し、加
熱殺菌処理をした後、保冷、保存し、沈澱の有無を観察
した。各飲料について沈澱は生成せず、また、テクスチ
ャーについても良好であった。評価結果を表1に示す。
【0038】実施例6〜7 成分(A)結晶セルロースおよび成分(B)カルボキシ
メチルセルロースナトリウムの混合割合および添加量を
表1に示すように変更することにより調製した分散剤混
合物を用いたこと以外実施例5と同様にして卵殻カルシ
ウム強化牛乳を調製し、沈澱の生成状況およびテクスチ
ャーを評価した。評価結果を表1に示す。
【0039】比較例1〜10 分散剤の成分(A)結晶セルロースと成分(B)カルボ
キシメチルセルロースナトリウムを表2に示す割合と
し、同表の各飲料に配合したことを除き、実施例1と同
様にしてカルシウム強化飲料を調製した。各飲料の沈澱
生成の有無およびテクスチャーについて評価した。評価
結果を表2に示す。
【0040】
【表1】
【0041】
【表2】
【0042】前記の実施例および比較例の結果から、微
細化された炭酸カルシウム粒状体を用い200ppmの
カルシウムで高度に強化された飲料に対し、結晶セルロ
ースおよびカルボキシアルキルセルロースナトリウムを
併用することにより沈澱の生成を抑制し分散安定性にお
いて顕著な効果を奏することが分かった。特に、実施例
1と比較例1,4〜9との対比、実施例5〜7および比
較例10との対比により結晶セルロースとカルボキシア
ルキルセルロースナトリウムとの特定割合のものの効果
が顕著であることも明らかになった。
【0043】
【発明の効果】カルシウム強化飲料において、特に、微
細化された炭酸カルシウム粒状体を用いた場合に生じや
すい沈澱の生成を、次の成分(A)および成分(B) (A)結晶セルロース (B)セルロールの水酸基にカルボキシアルキル基が導
入されてなるセルロース誘導体 を含有する分散剤により効果的に抑制することが可能で
あり、長期にわたる分散安定性も確保することができる
ので200ppm〜500ppmの大量のカルシウムに
よる強化が可能であり、また、ザラツキ等の舌ざわりの
悪い食感もなく、風味、物性の劣化を生ずることもな
く、飲料の商品価値も著しく向上させることができる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A23L 1/03 A23L 1/03 4C076 1/304 1/304 4C086 2/62 2/38 B 2/38 P A61K 33/10 ABJ // A61K 33/10 ABJ 47/38 ACKZ 47/38 ACK A23L 2/00 L Fターム(参考) 4B001 AC03 AC44 AC46 DC01 EC53 4B017 LC02 LC03 LC10 LE03 LK01 LK13 LL04 4B018 LB07 LB08 LE05 MS02 4B027 FB13 FB24 FC05 FC06 FE06 FK01 FK04 FP85 FQ19 4B035 LC03 LC05 LC06 LE03 LG02 LG20 LK12 4C076 AA16 BB01 CC09 CC40 EE31F EE32F EE58 FF16 FF43 4C086 AA02 HA04 HA16 HA27 MA03 MA05 MA07 MA22 MA52 NA03 ZA31 ZA96

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カルシウム成分を添加したカルシウム
    強化飲料に配合される分散剤であって、次の成分(A)
    および成分(B): (A)結晶セルロース (B)セルロールの水酸基にカルボキシアルキル基が導
    入されてなるセルロース誘導体 を含有してなることを特徴とするカルシウム強化飲料用
    分散剤。
  2. 【請求項2】 前記カルシウム成分が微細化された水
    難溶性カルシウム成分である請求項1に記載のカルシウ
    ム強化飲料用分散剤。
  3. 【請求項3】 前記カルシウム強化飲料がコーヒー飲
    料、ミルクコーヒー飲料、紅茶飲料、ミルクティー飲
    料、乳飲料および乳酸飲料からなる群より選択されるカ
    ルシウム強化飲料用分散剤。
  4. 【請求項4】 前記成分(A)結晶セルロースと前記
    成分(B)セルロース誘導体の割合が重量比で成分
    (B)1部に対し成分(A)3部以上である請求項1な
    いし3のいずれかの1項に記載のカルシウム強化飲料用
    分散剤。
  5. 【請求項5】 前記成分(A)結晶セルロースと前記
    成分(B)セルロース誘導体の割合が重量比で成分
    (B)1部に対して成分(A)9部〜50部の範囲であ
    る請求項1ないし3のいずれかの1項に記載のカルシウ
    ム強化飲料用分散剤。
  6. 【請求項6】 微細化された水難溶性カルシウム成分
    を添加したカルシウム強化飲料に対し、次の成分(A)
    および成分(B): (A)結晶セルロース (B)セルロースの水酸基にカルボキシアルキル基が導
    入されてなるセルロース誘導体 を含有する分散剤を、カルシウム強化飲料全重量基準
    で、0.05重量%以上配合してなることを特徴とする
    カルシウム強化飲料。
  7. 【請求項7】 前記微細化された水難溶性カルシウム
    成分が卵殻または貝殻から得られた炭酸カルシウム粒状
    体である請求項6記載のカルシウム強化飲料。
  8. 【請求項8】 微細化された水難溶性カルシウム成分
    と、次の成分(A)および成分(B): (A)結晶セルロース (B)セルロースの水酸基にカルボキシアルキル基が導
    入されてなるセルロース誘導体 を含有する分散剤とからなること特徴とする飲料用カル
    シウム強化剤。
  9. 【請求項9】 前記微細化された水難溶性カルシウム
    成分が卵殻または貝殻から得られた炭酸カルシウム粒状
    体である請求項8記載の飲料用カルシウム強化剤。
  10. 【請求項10】 前記微細化された水難溶性カルシウム
    成分と前記分散剤との割合が前記カルシウム成分をカル
    シウム量として重量比で60〜75:40〜25である
    請求項8または9に記載の飲料用カルシウム強化剤。
  11. 【請求項11】 前記分散剤が重量比で成分(B)1部
    に対し成分(A)3部以上である請求項8ないし10の
    いずれかの1項に記載の飲料用カルシウム強化剤。
  12. 【請求項12】 前記分散剤が重量比で成分(B)1部
    に対し成分(A)9部〜50部である請求項8ないし1
    0のいずれかの1項に記載の飲料用カルシウム強化剤。
JP10204417A 1998-07-05 1998-07-05 カルシウム強化飲料用分散剤、それを含有するカルシウム強化飲料および飲料用カルシウム強化剤 Pending JP2000014372A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2005198574A (ja) * 2004-01-16 2005-07-28 Nippon Paper Chemicals Co Ltd 食品用分散安定剤
JP2016165240A (ja) * 2015-03-09 2016-09-15 サントリー食品インターナショナル株式会社 不溶性カルシウムを含有する高エネルギー飲料

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