JP4244908B2 - 光変調素子保持体、光学装置、およびプロジェクタ - Google Patents
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Description
このうち、光変調装置としては、例えば、一対の基板間に液晶等の電気光学材料が密閉封入されたアクティブマトリックス駆動方式の光変調素子が一般的に採用される。具体的に、この光変調素子を構成する一対の基板は、光束射出側に配置され、液晶に駆動電圧を印加するためのデータ線、走査線、スイッチング素子、画素電極等が形成された駆動基板と、光束入射側に配置され、共通電極、ブラックマスク等が形成された対向基板とで構成されている。
また、この光変調素子の光束入射側および光束射出側には所定の偏光軸を有する光束を透過させる入射側偏光板および射出側偏光板がそれぞれ配置される。
ここで、光源から射出された光束が光変調素子に照射された場合には、液晶層による光吸収とともに、駆動基板に形成されたデータ線および走査線や、対向基板に形成されたブラックマトリックス等による光吸収により、光変調素子の温度が上昇しやすい。また、光源から射出された光束、および光変調素子を透過した光束のうち、所定の偏光軸を有していない光束は、入射側偏光板および射出側偏光板によって吸収され、偏光板に熱が発生しやすい。
すなわち、特許文献1に記載の冷却装置は、対向する端面が開口された略直方体状の筐体から構成され、内部に冷却流体を充填する冷却室を備えている。そして、前記対向する端面のうち、一方の端面側に光変調素子を配置し、他方の端面側に入射側偏光板を配置し、これら光変調素子および入射側偏光板にて開口の対向する端面を閉塞し、冷却室を形成している。このような構成により、光源から照射される光束により光変調素子および入射側偏光板に生じる熱を直接、冷却流体に放熱させている。
また、冷却室内に封入された冷却流体の対流速度が遅いため、発熱した光学素子により冷却流体が温められやすく、光学素子と冷却流体との温度差が小さくなる。
したがって、特許文献1に記載の冷却装置では、冷却流体により光変調素子を効率的に冷却することが困難である、という問題がある。
本発明によれば、一対の枠状部材のうち少なくともいずれかの枠状部材は、流入口および流出口を有するので、例えば、冷却流体を流通可能な流体循環部材にて流入口および流出口を接続すれば、冷却流体を対流させることができ、冷却室内部での冷却流体の対流速度を速めることができる。また、このような構成であれば、従来のように冷却室内部に冷却流体が密閉封入される構成と比較して、光変調素子と熱交換を実施する冷却流体の容量を大きくでき、光変調素子と冷却流体との熱交換能力を向上させることができる。
したがって、光変調素子により冷却流体が温められて光変調素子と冷却流体との温度差が小さくなることがなく、冷却流体により光変調素子を効率的に冷却でき、本発明の目的を達成できる。
本発明によれば、冷却室が内部に形成される枠状部材は、光変調素子の光変調面と平面的に干渉しない位置にバッファ部が形成されているので、流入口を介して流入した冷却流体を一時的に蓄積し、光変調面に平行な方向および/または光変調面に直交する方向に整流できる。このため、冷却室内部の各位置での冷却流体の流速の均一化が図れ、光変調素子にて形成された光学像に筋状の像が含まれることなく、光変調素子にて形成された光学像を良好に維持できる。また、冷却室内部の各位置での冷却流体の流速の均一化が図れることにより、光変調素子の面内温度の均一化も図れ、局所的な過熱を回避し、光変調素子にて鮮明な光学像を形成できる。
さらに、冷却室内部に冷却室区画部を配置することで、流入口を介して流入した冷却流体を一時的に蓄積した後、冷却室区画部の光束入射側および光束射出側に整流できる。また、冷却室内部に冷却室区画部を配置することで、冷却室内における光変調素子と接触する冷却流体層の厚みを縮小でき、光変調素子と接触する冷却流体の対流速度を速めることができる。このため、光変調素子と冷却流体との温度差を維持し、冷却流体により光変調素子をさらに効率的に冷却できる。
また、冷却室区画部は、流入口側の側端部にテーパ部が形成されているので、該冷却室区画部の光束入射側および光束射出側に円滑に整流できる。このため、テーパ部を有しない冷却室区画部と比較して、光変調素子と接触する冷却流体の対流速度を良好に維持でき、冷却流体により光変調素子を効率的に冷却できる。
ところで、冷却流体が光変調面に直交し対向する面側から透光性基板側に向けてバッファ部に流入する構成とした場合には、バッファ部に流入した後、冷却室区画部にて透光性基板側に向かう冷却流体の流量が多くなる。このため、光変調素子側に向かう冷却流体の流量が少なくなり、その結果、光変調素子と接触する冷却流体の対流速度が遅くなり、光変調素子と冷却流体との温度差を維持しにくい。
本発明によれば、冷却室区画部のテーパ部が少なくとも対向する面側に斜面を有しているので、バッファ部にて一時的に冷却流体を蓄積した後、該斜面により光変調素子側により多くの冷却流体を案内できる。このため、上述したような冷却流体が光変調面に直交し対向する面側から透光性基板側に向けてバッファ部に流入する構成とした場合であっても、光変調素子側に向かう冷却流体の流量を所定量に維持でき、光変調素子と冷却流体との温度差を維持し、冷却流体により光変調素子を効率的に冷却できる。
ところで、冷却流体が光変調面に直交し対向する面側から透光性基板側に向けてバッファ部に流入する構成とした場合には、上述したように、光変調素子側に向かう冷却流体の流量が少なくなり、その結果、光変調素子と接触する冷却流体の対流速度が遅くなり、光変調素子と冷却流体との温度差を維持しにくい。
本発明によれば、冷却室区画部を、光変調素子との離間寸法が透光性基板との離間寸法よりも大きくなるように冷却室内部に配置することで、バッファ部にて一時的に冷却流体を蓄積した後、光変調素子側により多くの冷却流体を整流できる。このため、上述したような冷却流体が光変調面に直交し対向する面側から透光性基板側に向けてバッファ部に流入する構成とした場合であっても、光変調素子側に向かう冷却流体の流量を所定量に維持でき、光変調素子と冷却流体との温度差を維持し、冷却流体により光変調素子を効率的に冷却できる。
本発明では、冷却室区画部を構成する延出部は、テーパ部を有する側端部における流入口に対向する部分が流入口側に突出する凸曲面形状を有している。このことにより、流入口を介して流入した冷却流体を一時的に蓄積した後、延出部における側端部の凸曲面形状により、一部の冷却流体を延出部の側端部における流入口に対向する部分から離間する部分に向けて案内することができ、光変調素子の光変調面に平行な方向に整流できる。このため、延出部のテーパ部および前記凸曲面形状により、光変調面に平行な方向および直交する方向の双方に冷却流体を整流できる。したがって、冷却室区画部により、冷却室内部の各位置での冷却流体の流速のさらなる均一化が図れ、光変調素子にて形成された光学像をさらに良好に維持できる。また、冷却室内部の各位置での冷却流体の流速のさらなる均一化が図れることにより、光変調素子の面内温度のさらなる均一化も図れ、局所的な過熱を回避し、光変調素子にてさらに鮮明な光学像を形成できる。
ところで、冷却室区画部が延出部を有している場合には、延出部が枠状部材の凹部と平面的に干渉するため、冷却室区画部を冷却室内部に配置した状態では、区画部本体と光変調素子との離間寸法が区画部本体と透光性基板との離間寸法よりも必要以上に大きくなりやすい。このため、光変調素子側に向かう冷却流体の対流速度を所望の速度に制御することが難しく、光変調素子と冷却流体との温度差を維持しにくい。
本発明によれば、区画部本体が延出部に対して厚み寸法が大きく対向する面側に膨出する形状を有しているので、区画部本体と光変調素子との離間寸法、および区画部本体と透光性基板との離間寸法を、所定寸法に設定できる。このため、光変調素子側に向かう冷却流体の対流速度を所望の速度に制御でき、光変調素子と冷却流体との温度差を良好に維持できる。
本発明によれば、上述したように区画部本体が延出部に対して厚み寸法が大きく対向する面側に膨出する形状とした場合であっても、延出部を区画部本体側に向かうにしたがって次第に厚み寸法が大きくなる形状にすることで、延出部と区画部本体との異なる厚み寸法による段差部分を省略でき、光変調素子側に向かう冷却流体を段差部分に衝突させることがなく円滑に対流させることができる。このため、光変調素子側に向かう冷却流体の対流速度を所望の速度に容易に制御でき、光変調素子と冷却流体との温度差をさらに良好に維持できる。
本発明では、延出部は、対向する面側の端面における流入口に対向する部分が対向する面側に突出する凸曲面形状を有している。このことにより、流入口を介して流入した冷却流体を一時的に蓄積した後、延出部における対向する面側の端面の凸曲面形状により、一部の冷却流体を延出部における光変調素子に対向する面側の端面の流入口に対向する部分から離間する部分に向けて案内することができ、光変調素子の光変調面に平行な方向により円滑に整流できる。このため、延出部のテーパ部、延出部における側端部の凸曲面形状、および延出部における対向する面側の端面の凸曲面形状により、光変調面に平行な方向および直交する方向の双方に冷却流体をより円滑に整流できる。したがって、冷却室区画部により、冷却室内部の各位置での冷却流体の流速をさらに一層均一化でき、光変調素子にて形成された光学像をさらに一層良好に維持できる。また、冷却室内部の各位置での冷却流体の流速をさらに一層均一化できることにより、光変調素子の面内温度もさらに一層均一化でき、局所的な過熱を回避し、光変調素子にてさらに一層鮮明な光学像を形成できる。
ここで、光学変換素子としては、例えば、偏光板、位相差板、あるいは視野角補正板等を採用できる。
本発明によれば、冷却室区画部における複数の板状部材間のうち少なくともいずれかの間に少なくとも1つの光学変換素子が介装されるので、光変調素子のみならず、光源から射出された光束によって光学変換素子に生じる熱も、板状部材を介して冷却室区画部の光束入射側および光束射出側を対流する冷却流体に放熱できる。
また、光変調素子保持体に、光変調素子のみならず、周辺の光学変換素子を一体化させることができるため、これら光学素子の冷却性能向上に加えて小型化も可能となる。
ここで、光学変換素子としては、上記同様に、例えば、偏光板、位相差板、あるいは視野角補正板等を採用できる。
本発明によれば、冷却室区画部凹部に少なくとも1つの光学変換素子が嵌合され、少なくとも1つの光学変換素子を覆うように撥水膜で被覆されるので、光変調素子のみならず、光源から射出された光束によって光学変換素子に生じる熱も、撥水膜あるいは冷却室区画部を介して冷却室区画部の光束入射側および光束射出側を対流する冷却流体に放熱できる。
また、少なくとも1つの光学変換素子が冷却室区画部凹部に嵌合され撥水膜で被覆された状態であるので、撥水膜を介して冷却流体に熱を放熱しやすい構成となり、少なくとも1つの光学変換素子の冷却性能の向上が図れる。
さらに、少なくとも1つの光学変換素子が冷却室区画部凹部に嵌合され撥水膜で被覆された状態であるので、冷却室区画部と冷却流体との接触角を大きくして冷却流体の濡れ性を抑制できる。このため、冷却流体に含まれる気泡、塵埃等が撥水膜に付着しにくい構成となり、気泡、塵埃等が付着することで光変調素子にて形成した光学像に不要な像が含まれることを回避でき、光変調素子にて形成された光学像を良好に維持できる。
さらにまた、少なくとも1つの光学変換素子が冷却室区画部凹部に嵌合され撥水膜で被覆された状態であるので、光学変換素子の吸水劣化を抑制できる。
また、光変調素子保持体に、光変調素子のみならず、周辺の光学変換素子を一体化させることができるため、これら光学素子の冷却性能向上に加えて小型化も可能となる。
本発明によれば、バッファ部が凹部、透光性基板、冷却室区画部、および整流部を含んで構成されているので、流入口を介して流入した冷却流体を一時的に蓄積した後、該冷却流体を、整流部にて光変調素子の光変調面に平行な方向に整流できかつ、冷却室区画部にて光変調素子の光変調面に直交する方向に整流できる。このため、整流部および冷却室区画部の双方により、冷却室内部の各位置での冷却流体の流速をさらに一層均一化でき、光変調素子にて形成された光学像をさらに一層良好に維持できる。また、冷却室内部の各位置での冷却流体の流速をさらに一層均一化できることにより、光変調素子の面内温度もさらに一層均一化でき、局所的な過熱を回避し、光変調素子にてさらに一層鮮明な光学像を形成できる。
本発明によれば、冷却室区画部および整流部を上述したように形成することで、バッファ部に流入した冷却流体を、冷却室区画部の側端部よりも流入口側に配設される整流部にて一時的に堰き止めることができる。このため、冷却室区画部および整流部により、冷却室内部の各位置での冷却流体の流速をより効果的に均一化できる。
本発明によれば、光変調素子保持体は、整流部を備えているので、流入口を介して流入した冷却流体を一時的に蓄積した後、整流部により、光変調素子の光変調面と平行な方向に整流できる。このため、整流部により、光変調素子の光変調面に平行な面内で冷却流体の流速を効果的に均一化できる。
本発明によれば、整流部が整流面を有する複数の柱状部で構成されているので、流入口を介して流入した冷却流体を一時的に蓄積した後、該冷却流体を光変調素子の光変調面と平行な方向に簡単な構成で容易に整流できる。
本発明によれば、例えば、上述した整流部を、冷却室内部に配置した状態で透光性基板に近接するように形成しておけば、バッファ部に流入した冷却流体を、整流部にて一時的に堰き止めることができる。そして、一時的に堰き止めた冷却流体は、整流部における透光性基板側の端面に形成された複数の溝部を介して流通することとなる。このため、光変調素子の光変調面と平行な方向で流速が均一化した冷却流体をバッファ部から光変調面と平面的に干渉する領域へと効果的に流通させることができる。
本発明によれば、整流部を上述したように形成することで、流入口を介して流入した冷却流体を一時的に蓄積した後、該冷却流体を整流部における流入口に対向する部分から離間する部分に向けて案内することができ、光変調素子の光変調面と平行な方向に簡単な構成で容易に整流できる。
また、整流部を上述したように形成するとともに、上述した整流面を有する構成とすれば、冷却流体を光変調素子の光変調面と平行な方向に効果的に整流でき、冷却流体の流速の均一化を効果的に実施できる。
本発明では、整流部が凹部に対して着脱可能に構成され、すなわち、整流部と枠状部材とが別体で構成されている。このことにより、整流部と枠状部材とが一体的に形成された構成と比較して、種々の形状の整流部を形成できる。このため、光変調素子保持体の設計の自由度が向上する。
本発明によれば、整流部と枠状部材とが一体成形されているので、整流部と枠状部材とが別体の構成と比較して、整流部を設置する作業を省略でき、光変調素子保持体の組み立て作業を容易に実施できる。
また、金型を用いるので、金型を修正することで容易に整流部の形状を修正することが可能となる。また、整流部を複雑な形状とすることも可能となる。
本発明によれば、整流部に複数の孔が形成されているので、冷却流体が複数の孔を流通する際に、複数の孔にて冷却流体に含まれる気泡、塵埃等を捕捉することが可能となる。このため、冷却流体に含まれる気泡、塵埃等に光束が入射することにより形成される像が光変調素子にて形成された光学像に含まれることを回避でき、光変調素子にて形成された光学像を良好に維持できる。
本発明によれば、バッファ部が流入口側および流出口側の双方に形成されているので、例えば、冷却流体の流通方向を逆にした場合であっても、すなわち、流入口および流出口を逆の機能となるように設定した場合であっても、流出口側にバッファ部が形成されているので、流出口を介して流入した冷却流体を一時的に蓄積し、光変調面に平行な方向および/または光変調面に直交する方向に整流できる。このため、例えば、冷却流体の流通方向を逆にした場合であっても、冷却室内部の各位置での冷却流体の流速の均一化が図れ、光変調素子にて形成された光学像を良好に維持でき、また、光変調素子の面内温度の均一化も図れ光変調素子にて鮮明な光学像を形成できる。
本発明によれば、光学装置は、上述した光変調素子保持体、複数の流体循環部材、および流体圧送部を備えているので、上述した光変調素子保持体と同様の作用・効果を享受できる。
また、流体圧送部により冷却流体を強制的に循環させることができるので、冷却室内部の冷却流体を確実に対流させることができる。このため、光変調素子と冷却流体との間で常に大きい温度差を確保し、光変調素子の冷却効率の向上を図れる。
さらに、光変調素子保持体にバッファ部が形成されているので、流体圧送部にて圧送された冷却流体をバッファ部にて一時的に蓄積できる。このため、流体圧送部にて圧送された冷却流体の圧力が直接、冷却室内部に加わることがなく、すなわち、光変調素子および透光性基板に加わることがない。したがって、光変調素子に加わる圧力をバッファ部にて調圧でき、光変調素子に圧力が加わることによる画質の低下を防止できる。
ここで、光学変換素子としては、上記同様に、例えば、偏光板、位相差板、あるいは視野角補正板等を採用できる。
本発明によれば、光変調素子保持体を構成する透光性基板は、光学変換素子を構成する透光性基板であるので、光変調素子のみならず、光源から射出された光束によって光学変換膜に生じる熱も、冷却室を対流する冷却流体に放熱できる。
また、光変調素子保持体に、光変調素子のみならず、周辺の光学変換素子を一体化させることができるため、これら光学素子の冷却性能向上に加えて小型化も可能となる。
本発明によれば、プロジェクタは、光源装置、上述した光学装置、および投射光学装置を備えているので、上述した光学装置と同様の作用・効果を享受できる。
また、上述した光学装置を備えることで、光変調素子の熱劣化を防止でき、プロジェクタの高寿命化を図れる。
さらに、上述した光学装置を備えることで、光変調素子にて形成された光学像を良好に維持でき、投射光学装置にて鮮明な光学像を拡大投射できる。
以下、本発明の第1実施形態を図面に基づいて説明する。
〔プロジェクタの構成〕
図1は、プロジェクタ1の概略構成を模式的に示す図である。
プロジェクタ1は、光源から射出される光束を画像情報に応じて変調して光学像を形成し、形成した光学像をスクリーン上に拡大投射するものである。このプロジェクタ1は、外装ケース2と、冷却ユニット3と、光学ユニット4と、投射光学装置としての投射レンズ5とを備える。
なお、図1において、図示は省略するが、外装ケース2内において、冷却ユニット3、光学ユニット4、および投射レンズ5以外の空間には、電源ブロック、ランプ駆動回路等が配置されるものとする。
なお、外装ケース2は、合成樹脂製に限らず、その他の材料にて形成してもよく、例えば、金属等により構成してもよい。
また、図示は省略するが、この外装ケース2には、冷却ユニット3によりプロジェクタ1外部から冷却空気を内部に導入するための吸気口(例えば、図2に示す吸気口22)、およびプロジェクタ1内部で温められた空気を排出するための排気口が形成されている。
さらに、この外装ケース2には、図1に示すように、投射レンズ5の側方で外装ケース2の角部分に位置し、光学ユニット4の後述する光学装置のラジエータを他の部材と隔離する隔壁21が形成されている。
なお、この冷却ユニット3は、図示は省略するが、シロッコファン31および軸流ファン32の他、光学ユニット4の後述する光源装置、および図示しない電源ブロック、ランプ駆動回路等を冷却するための冷却ファンも有しているものとする。
投射レンズ5は、複数のレンズが組み合わされた組レンズとして構成される。そして、この投射レンズ5は、光学ユニット4にて形成された光学像(カラー画像)を図示しないスクリーン上に拡大投射する。
光学ユニット4は、図1に示すように、インテグレータ照明光学系41、色分離光学系42、リレー光学系43、光学装置44、および、これら光学部品41〜44を収納配置する光学部品用筐体45とを備える。
インテグレータ照明光学系41は、光学装置44を構成する後述する液晶パネルの光変調面(画像形成領域)を略均一に照明するための光学系である。このインテグレータ照明光学系41は、図1に示すように、光源装置411と、第1レンズアレイ412と、第2レンズアレイ413と、偏光変換素子414と、重畳レンズ415とを備える。
第1レンズアレイ412は、光軸方向から見て略矩形状の輪郭を有する小レンズがマトリクス状に配列された構成を有している。各小レンズは、光源装置411から射出される光束を、複数の部分光束に分割している。
第2レンズアレイ413は、第1レンズアレイ412と略同様な構成を有しており、小レンズがマトリクス状に配列された構成を有している。この第2レンズアレイ413は、重畳レンズ415とともに、第1レンズアレイ412の各小レンズの像を光学装置44の後述する液晶パネル上に結像させる機能を有している。
具体的に、偏光変換素子414によって略1種類の偏光光に変換された各部分光は、重畳レンズ415によって最終的に光学装置44の後述する液晶パネル上にほぼ重畳される。偏光光を変調するタイプの液晶パネルを用いたプロジェクタでは、1種類の偏光光しか利用できないため、ランダムな偏光光を発する光源装置411からの光の略半分を利用できない。このため、偏光変換素子414を用いることで、光源装置411からの射出光を略1種類の偏光光に変換し、光学装置44での光の利用効率を高めている。
リレー光学系43は、図1に示すように、入射側レンズ431、リレーレンズ433、および反射ミラー432,434を備え、色分離光学系42で分離された赤色光を光学装置44の後述する赤色光用の液晶パネルまで導く機能を有している。
なお、光学装置44は、具体的な構成は後述するが、液晶パネル441、入射側偏光板442、射出側偏光板443、およびクロスダイクロイックプリズム444以外に、メインタンク、流体圧送部、ラジエータ、流体循環部材、流体分岐部、光変調素子保持体、および中継タンクを備える。
入射側偏光板442は、偏光変換素子414で偏光方向が略一方向に揃えられた各色光が入射され、入射された光束のうち、偏光変換素子414で揃えられた光束の偏光軸と略同一方向の偏光光のみ透過させ、その他の光束を吸収するものである。この入射側偏光板442は、例えば、サファイアガラスまたは水晶等の透光性基板上に光学変換膜としての偏光膜が貼付された構成を有している。
射出側偏光板443は、入射側偏光板442と略同様の構成であり、液晶パネル441から射出された光束のうち、入射側偏光板442における光束の透過軸と直交する偏光軸を有する光束のみ透過させ、その他の光束を吸収するものである。
図3は、プロジェクタ1内の一部を下方側から見た斜視図である。
光学部品用筐体45は、例えば、金属製部材から構成され、図1に示すように、内部に所定の照明光軸Aが設定され、上述した光学部品41〜43、および光学装置44の後述する光学装置本体を照明光軸Aに対する所定位置に収納配置する。なお、光学部品用筐体45は、金属製部材に限らず、熱伝導性材料であればその他の材料にて構成してもよい。この光学部品用筐体45は、図2に示すように、光学部品41〜43、および光学装置44の後述する光学装置本体を収納する容器状の部品収納部材451と、部品収納部材451の開口部分を閉塞する図示しない蓋状部材とで構成される。
この部品収納部材451において、側面の内側面には、図2に示すように、上述した光学部品412〜415,418,421〜423,431〜434を上方からスライド式に嵌め込むための溝部451Aが形成されている。
また、側面の正面部分には、図2に示すように、投射レンズ5を光学ユニット4に対して所定位置に設置するための投射レンズ設置部451Bが形成されている。この投射レンズ設置部451Bは、平面視略矩形状に形成され、平面視略中央部分には光学装置44からの光束射出位置に対応して円形状の図示しない孔が形成されており、光学ユニット4にて形成されたカラー画像が前記孔を通して投射レンズ5にて拡大投射される。
また、この部品収納部材451において、底面には、図3に示すように、光学装置44の液晶パネル441位置に対応して形成された3つの孔451Cと、光学装置44の後述する流体分岐部の冷却流体流入部に対応して形成された孔451Dとが形成されている。ここで、冷却ユニット3のシロッコファン31によりプロジェクタ1外部から内部に導入された冷却空気は、シロッコファン31の吐出口31A(図3)から吐出され、図示しないダクトを介して前記孔451Cに導かれる。
図4は、光学装置44を下方側から見た斜視図である。
光学装置44は、図2ないし図4に示すように、液晶パネル441、入射側偏光板442、射出側偏光板443、およびクロスダイクロイックプリズム444が一体化された光学装置本体440と、メインタンク445と、流体圧送部446と、ラジエータ447と、複数の流体循環部材448とを備える。
複数の流体循環部材448は、内部に冷却流体が対流可能にアルミニウム製の管状部材で構成され、冷却流体が循環可能に各部材440,445〜447を接続する。そして、循環する冷却流体により光学装置本体440を構成する液晶パネル441、入射側偏光板442、および射出側偏光板443に生じる熱を冷却する。
なお、本実施形態では、冷却流体として、透明性の非揮発性液体であるエチレングリコールを採用する。冷却流体としては、エチレングリコールに限らず、その他の液体を採用してもよい。
以下では、各部材440,445〜447を、循環する冷却流体の流路に沿って液晶パネル441に対する上流側から順に説明する。
図5は、メインタンク445の構造を示す図である。具体的に、図5(A)は、メインタンク445を上方から見た平面図である。また、図5(B)は、図5(A)におけるA-A線の断面図である。
メインタンク445は、略円柱形状を有し、アルミニウム製の2つの容器状部材から構成され、2つの容器状部材の開口部分を互いに接続することで内部に冷却流体を一時的に蓄積する。これら容器状部材は、例えば、シール溶接またはゴム等の弾性部材を介在させることで接続される。
これら冷却流体流入部445Aおよび冷却流体流出部445Bは、流体循環部材448の管径寸法よりも小さい管径寸法を有する略筒状部材から構成され、メインタンク445の内外に突出するように配置されている。そして、冷却流体流入部445Aの外側に突出した一端には、流体循環部材448の一端が接続され、該流体循環部材448を介して外部からの冷却流体がメインタンク445内部に流入する。また、冷却流体流出部445Bの外側に突出した一端にも、流体循環部材448の一端が接続され、該流体循環部材448を介してメインタンク445内部の冷却流体が外部へと流出する。
また、冷却流体流入部445Aおよび冷却流体流出部445Bの内側に突出した他端は、図5(A)に示すように、メインタンク445の円柱軸に向けて延出し、平面的に視て略直交するようにそれぞれ配置されている。このような構成により、冷却流体流入部445Aを介してメインタンク445内部に流入した冷却流体が、冷却流体流出部445Bを介して直ぐに外部に流出することを回避でき、流入した冷却流体をメインタンク445内部の冷却流体と混合させ、冷却流体の温度の均一化を図っている。
そして、このメインタンク445は、図1または図2に示すように、光学部品用筐体45と外装ケース2の内側面とで形成される平面視三角形状の領域に配置される。この領域にメインタンク445を配置することで、外装ケース2内の収納効率の向上が図れ、プロジェクタ1が大型化することがない。
流体圧送部446は、メインタンク445内に蓄積された冷却流体を送入し、送入した冷却流体を外部に強制的に送出する。このため、流体圧送部446は、図4に示すように、メインタンク445の冷却流体流出部445Bに接続した流体循環部材448の他端と連通接続するとともに、外部に冷却流体を送出するために他の流体循環部材448の一端と連通接続している。
この流体圧送部446は、具体的な図示は省略するが、例えば、略直方体状のアルミニウム製の中空部材内に羽根車が配置された構成を有し、図示しない制御装置による制御の下、前記羽根車が回転することで、メインタンク445内に蓄積された冷却流体を流体循環部材448を介して強制的に送入し、送入した冷却流体を流体循環部材448を介して外部に強制的に送出する。このような構成では、流体圧送部446は、前記羽根車の回転軸方向の厚み寸法を小さくすることができ、プロジェクタ1内部の空きスペースに配置することが可能となる。本実施形態では、流体圧送部446は、図2または図3に示すように、投射レンズ5の下方に配置される。
なお、流体圧送部446の構成としては、上述した羽根車を有する連続送出型の構成に限らず、ダイヤフラムを利用した間欠送出型等の他の構成を採用してもよい。
光学装置本体440は、3つの液晶パネル441、3つの入射側偏光板442、3つの射出側偏光板443、およびクロスダイクロイックプリズム444の他、図2または図4に示すように、流体分岐部4401(図4)と、3つの光変調素子保持体4402と、3つの支持部材4403と、中継タンク4404(図2)とを備える。
図6は、流体分岐部4401の構造を示す図である。具体的に、図6(A)は、流体分岐部4401を上方から見た平面図である。また、図6(B)は、図6(A)におけるB-B線の断面図である。
流体分岐部4401は、略直方体状のアルミニウム製の中空部材で構成され、流体圧送部446から強制的に送出された冷却流体を送入し、送入した冷却流体を3つの光変調素子保持体4402毎に分岐して送出する。また、この流体分岐部4401は、クロスダイクロイックプリズム444の3つの光束入射側端面に交差する端面である下面に固定され、クロスダイクロイックプリズム444を支持するプリズム固定板としての機能も有する。
この流体分岐部4401において、底面の略中央部分には、図6(B)に示すように、流体圧送部446から圧送された冷却流体を内部に流入させる冷却流体流入部4401Aが形成されている。この冷却流体流入部4401Aは、メインタンク445の冷却流体流入部445Aと同様に、流体循環部材448の管径寸法よりも小さい管径寸法を有する略筒状部材から構成され、流体分岐部4401内外に突出するように配置されている。そして、冷却流体流入部4401Aの外側に突出した一端には、流体圧送部446に連通接続された流体循環部材448の他端が接続され、該流体循環部材448を介して流体圧送部446から圧送された冷却流体が流体分岐部4401内部に流入する。
また、底面の四隅部分には、図6(A)に示すように、該底面に沿って延出する腕部4401Bがそれぞれ形成されている。これら腕部4401Bの先端部分には、それぞれ孔4401B1が形成され、これら孔4401B1に図示しないねじを挿通し、光学部品用筐体45の部品収納部材451に螺合することで、光学装置本体440が部品収納部材451に固定される(図11参照)。この際、流体分岐部4401および光学部品用筐体45は、熱伝達可能に接続される。
これら冷却流体流出部4401Cは、冷却流体流入部4401Aと同様に、流体循環部材448の管径寸法よりも小さい管径寸法を有する略筒状部材から構成され、流体分岐部4401内外に突出するように配置されている。そして、各冷却流体流出部4401Cの外側に突出した一端には、それぞれ流体循環部材448の一端が接続され、該流体循環部材448を介して流体分岐部4401内部の冷却流体が分岐されて外部へと流出する。
さらに、この流体分岐部4401において、上面の略中央部分には、図6に示すように、球状の膨出部4401Dが形成されている。そして、この膨出部4401Dにクロスダイクロイックプリズム444の下面を当接させることで、流体分岐部4401に対するクロスダイクロイックプリズム444のあおり方向の位置調整が可能となる。
図7は、光変調素子保持体4402の概略構成を示す分解斜視図である。
3つの光変調素子保持体4402は、3つの液晶パネル441、3つの入射側偏光板442、および3つの射出側偏光板443をそれぞれ保持するとともに、内部に冷却流体が流入および流出し、該冷却流体により3つの液晶パネル441、3つの入射側偏光板442、および3つの射出側偏光板443をそれぞれ冷却する。なお、各光変調素子保持体4402は、同様の構成であり、以下では1つの光変調素子保持体4402のみを説明する。
光変調素子保持体4402は、図7に示すように、一対の枠状部材4405,4406と、4つの弾性部材4407と、一対の偏光板固定部材4408A,4408Bとを備える。
枠状部材4405は、略中央部分に液晶パネル441の光変調面に対応した矩形状の開口部4405Aを有する平面視略矩形状のアルミニウム製の枠体であり、枠状部材4406に対して光束入射側に配置され、液晶パネル441の光束入射側端面を支持するとともに、入射側偏光板442の光束射出側端面を支持する。
この枠状部材4405において、光束入射側端面には、図8に示すように、弾性部材4407の形状に対応して矩形枠状の凹部4405Bが形成され、この凹部4405Bにて弾性部材4407を介して入射側偏光板442を支持する。そして、枠状部材4405が入射側偏光板442の光束射出側端面を支持することで、弾性部材4407、および入射側偏光板442の光束射出側端面にて、開口部4405Aにおける光束入射側が閉塞される。また、この凹部4405Bの外周面には、複数の係止突起4405Cが形成され、これら係止突起4405Cに弾性部材4407の外側面が当接し、弾性部材4407が位置決めされて凹部4405Bに設置される。
また、開口部4405Aは、図8に示すように、光束射出側端面から光束入射側端面に向けて開口面積が大きくなるように、光束入射側の角部分が面取りされ、斜面4405A1を有している。
以上のように液晶パネル441および入射側偏光板442により開口部4405Aの光束入射側および光束射出側が閉塞されると、枠状部材4405内部に冷却流体を封入可能とする冷却室R1(図11参照)が形成される。
また、各凹部4405Fの底面には、整流部4405Gがそれぞれ立設されている。
これら整流部4405Gは、断面略直角三角形状を有する三角柱状の2つの柱状部4405G1でそれぞれ構成されている。これら柱状部4405G1は、図8に示すように、流入口4405Dを介して流入した冷却流体、流出口4405Eに向かう冷却流体を、液晶パネル441の光変調面に平行な方向に整流する整流面4405G2を有している。そして、これら柱状部4405G1は、図8に示すように、所定の間隔を空けて配置されるとともに、断面略直角三角形状の斜辺に相当する整流面4405G2が互いに前記部位の離間方向に拡がるように配置されている。
そして、入射側偏光板442により開口部4405Aの光束入射側が閉塞されると、冷却室R1内部において、液晶パネル441の光変調面に平面的に干渉しない位置に、入射側偏光板442の光束射出側端面、凹部4405F、および整流部4405Gにより、冷却流体を一時的に蓄積可能とするバッファ部Bf1(図11参照)が形成される。
さらに、この枠状部材4405において、左側端部角隅部分および右側端部角隅部分には、図8に示すように、枠状部材4406と接続するための接続部4405Iが形成されている。
さらにまた、この枠状部材4405において、左側端部略中央部分および右側端部略中央部分には、図8に示すように、偏光板固定部材4408Aが係合するフック4405Jが形成されている。
また、冷却室R2内部においても、冷却室R1内部と略同様に、液晶パネル441の光変調面に平面的に干渉しない位置に、射出側偏光板443の光束入射側端面、凹部4406F、および整流部4406Gにより、冷却流体を一時的に蓄積可能とするバッファ部Bf1(図11参照)が形成される。
なお、流体分岐部4401の冷却流体流出部4401Cと枠状部材4405,4406の各流入口4405D,4406Dとを接続する流体循環部材448は、図4に示すように、他端が2つに分岐した形状を有している。すなわち、流体分岐部4401の冷却流体流出部4401Cから流出した冷却流体は、流体循環部材448を介して2つに分岐され、各枠状部材4405,4406の各冷却室R1,R2(図11参照)に流入する。
また、枠状部材4405,4406の各接続部4405I,4406Iにねじ4405Kを螺合することで、液晶パネル441が弾性部材4407を介して枠状部材4405,4406間に挟持され、枠状部材4405,4406の各開口部4405A,4406Aの対向する面側が封止される。
なお、弾性部材4407は、水分透過量の少ないブチルゴムまたはフッ素ゴム等を使用してもよい。
支持部材4403は、略中央部分に図示しない開口が形成された平面視矩形枠状の板体から構成される。
この支持部材4403において、光束入射側端面には、光変調素子保持体4402の4つの挿通部4405Hに対応した位置に、板体から突出するピン状部材4403A(図11参照)が形成されている。
そして、この支持部材4403は、ピン状部材4403A(図11参照)を光変調素子保持体4402の4つの挿通部4405Hに挿通することで該光変調素子保持体4402を支持し、板体の光束射出側端面をクロスダイクロイックプリズム444の光束入射側端面に接着固定することで、光変調素子保持体4402がクロスダイクロイックプリズム444と一体化される。
図9は、中継タンク4404の構造を示す図である。具体的に、図9(A)は、中継タンク4404を上方から見た平面図である。また、図9(B)は、図9(A)におけるC-C線の断面図である。
中継タンク4404は、略円柱状のアルミニウム製の中空部材で構成され、クロスダイクロイックプリズム444の3つの光束入射側端面に交差する端面である上面に固定される。そして、この中継タンク4404は、各光変調素子保持体4402から送出された冷却流体を一括して送入し、送入した冷却流体を外部に送出する。
この中継タンク4404において、その上面には、図9に示すように、各光変調素子保持体4402の各枠状部材4405,4406から送出された冷却流体を内部に流入させる6つの冷却流体流入部4404Aが形成されている。これら冷却流体流入部4404Aは、流体循環部材448の管径寸法よりも小さい管径寸法を有する略筒状部材から構成され、中継タンク4404内外に突出するように配置されている。そして、各冷却流体流入部4404Aの外側に突出した端部には、3つの光変調素子保持体4402の各枠状部材4405,4406の流出口4405E,4406Eと接続された流体循環部材448の他端が接続され、該流体循環部材448を介して各光変調素子保持体4402から送出された冷却流体が一括して中継タンク4404内部に流入する。
図10は、ラジエータ447の構造、およびラジエータ447と軸流ファン32との配置関係を示す図である。具体的に、図10(A)は、ラジエータ447および軸流ファン32を上方から見た斜視図である。また、図10(B)は、ラジエータ447および軸流ファン32をラジエータ447側から見た平面図である。
ラジエータ447は、図1または図2に示すように、外装ケース2に形成された隔壁21内に配置され、光学装置本体440において各液晶パネル441、各入射側偏光板442、および各射出側偏光板443にて温められた冷却流体の熱を放熱する。このラジエータ447は、図10に示すように、固定部4471と、管状部材4472と、複数のフィン4473とを備える。
固定部4471は、例えば、金属等の熱伝導性部材から構成され、図10(B)に示すように、平面視略コ字形状を有し、対向するコ字状端縁に管状部材4472が挿通可能に構成されている。また、この固定部4471は、コ字状内側面にて複数の放熱フィン4473を支持する。この固定部4471のコ字状先端部分には、外側に延出する延出部4471Aが形成され、該延出部4471Aの孔4471A1を介して図示しないねじを外装ケース2に螺合することでラジエータ447が外装ケース2に固定される。
次に、液晶パネル441、入射側偏光板442、および射出側偏光板443の冷却構造を説明する。
図11は、液晶パネル441、入射側偏光板442、および射出側偏光板443の冷却構造を説明するための断面図である。
流体圧送部446が駆動することにより、メインタンク445内部の冷却流体が流体圧送部446を介して流体分岐部4401に圧送され、流体分岐部4401にて分岐されて各光変調素子保持体4402の各冷却室R1,R2内部に流入する。この際、各冷却室R1,R2内部に流入した冷却流体は、各バッファ部Bf1にて一時的に蓄積された後、整流部4405G,4406Gにて冷却室R1,R2内部に拡がるように整流される。
ここで、光源装置411から射出された光束により、液晶パネル441、入射側偏光板442、および射出側偏光板443に生じた熱は、光変調素子保持体4402の各枠状部材4405,4406の各冷却室R1,R2内の冷却流体に伝達される。
各冷却室R1,R2内の冷却流体に伝達された熱は、冷却流体の流れにしたがって冷却室R1,R2〜中継タンク4404〜ラジエータ447へと移動する。温められた冷却流体がラジエータ447の管状部材4472を通過する際、該冷却流体の熱は、管状部材4472〜複数の放熱フィン4473に伝達される。そして、軸流ファン32から吐出される冷却空気により、複数の放熱フィン4473に伝達された熱が冷却される。
そして、ラジエータ447にて冷却された冷却流体は、ラジエータ447〜メインタンク445〜流体圧送部446〜流体分岐部4401へと移動し、再度、冷却室R1,R2へと移動する。
また、冷却室R1,R2は、枠状部材4405,4406の各開口4405A,4406Aが液晶パネル441、入射側偏光板442、および射出側偏光板443にて閉塞されることで形成されているので、液晶パネル441のみならず、入射側偏光板442および射出側偏光板443に生じた熱も、冷却室R1,R2内に充填された冷却流体に直接、放熱できる。したがって、液晶パネル441、入射側偏光板442、および射出側偏光板443を効率的に冷却できる。
また、流入口4405D,4406Dを介して流入した冷却流体を一時的に蓄積した後、整流部4405G,4406Gにより、液晶パネル441の光変調面と平行な方向に整流できる。このため、整流部4405G,4406Gにより、液晶パネル441の光変調面に平行な面内での冷却流体の流速を効果的に均一化できる。
さらにまた、バッファ部Bf1が流入口4405D,4406D側のみならず、流出口4405E,4406E側にも形成されているので、例えば冷却流体の流通方向を逆にした場合であっても、すなわち、流入口4405D,4406Dおよび流出口4405E,4406Eを逆の機能となるように設定した場合であっても、流出口4405E,4406Eを介して流入した冷却流体を一時的に蓄積できかつ、光変調面に平行な方向に整流できる。このため、例えば冷却流体の流通方向を逆にした場合であっても、冷却室R1,R2内部の各位置での冷却流体の流速の均一化が図れ、液晶パネル441にて形成された光学像を良好に維持でき、また、液晶パネル441の面内温度の均一化も図れ液晶パネル441にて鮮明な光学像を形成できる。
また、光変調素子保持体4402にバッファ部Bf1が形成されているので、流体圧送部446にて圧送された冷却流体をバッファ部Bf1にて一時的に蓄積できる。このため、流体圧送部446にて圧送された冷却流体の圧力が直接、冷却室R1,R2内部に加わることがなく、すなわち、液晶パネル441、入射側偏光板442、および射出側偏光板443に加わることがない。したがって、液晶パネル441に加わる圧力をバッファ部Bf1にて調圧でき、液晶パネル441に圧力が加わることによる画質の低下を防止できる。また、同様に、入射側偏光板442および射出側偏光板443に圧力が加わることによる変形を回避し、偏光軸がずれることによる画質の低下を防止できる。
また、プロジェクタ1が上述した光学装置44を備えることで、液晶パネル441にて形成された光学像を良好に維持でき、投射レンズ5にて鮮明な光学像をスクリーン上に拡大投射できる。
次に、本発明の第2実施形態を図面に基づいて説明する。
以下の説明では、前記第1実施形態と同様の構造および同一部材には同一符号を付して、その詳細な説明は省略または簡略化する。
前記第1実施形態では、光学装置44を構成する光変調素子保持体4402には、一対の冷却室R1,R2が形成され、冷却流体を循環させることで、液晶パネル441、入射側偏光板442、および射出側偏光板443に生じる熱を放熱させている。
これに対して第2実施形態では、光学装置54を構成する光変調素子保持体5402には、1つの冷却室R3のみが形成され、冷却流体を循環させることで、液晶パネル441および射出側偏光板443に生じる熱を放熱させる。
また、入射側偏光板442は、前記第1実施形態では光学装置44として一体化されていたが、第2実施形態では、光学装置54として一体化されず、光学部品412〜415、418、421〜423、431〜434と同様に、光学部品用筐体45の部品収納部材451の溝部451Aにスライドさせることで光学部品用筐体45内に収納保持される。
この入射側偏光板442は、具体的な図示は省略するが、所定の偏光軸を有する光束を透過し、他の偏光軸を有する光束を反射する反射型偏光素子から構成されている。例えば、入射側偏光板442としては、ガラス等の透光性基板と、該透光性基板上に形成され、重合体を延伸形成した多数のフィルムが積層してなる多層構造フィルムとを備えた反射型偏光素子を採用できる。また、入射側偏光板442としては、上述した有機材料からなる反射型偏光素子に限らず、例えば、ガラス等の透光性基板と、該透光性基板上に形成され、金属等の導電性材料から構成され、透光性基板から突出しかつ、透光性基板の面内方向に延出する複数の突条部が縞状に並列配置された無機材料からなる反射型偏光素子を採用してもよい。
図13は、光学装置54を下方側から見た斜視図である。
光学装置54は、前記第1実施形態で説明したメインタンク445、流体圧送部446、ラジエータ447、および複数の流体循環部材448の他、光学装置本体540を備える。
光学装置本体540は、前記第1実施形態で説明した3つの液晶パネル441、3つの射出側偏光板443、クロスダイクロイックプリズム444、流体分岐部4401(図13)、および3つの支持部材4403の他、3つの光変調素子保持体5402と、中継タンク5404(図12)とを備え、これら各部材441,443,444,4401,4403,5402,5404が一体化されている。
3つの光変調素子保持体5402は、3つの液晶パネル441、および3つの射出側偏光板443をそれぞれ保持するとともに、内部に冷却流体が流入および流出し、該冷却流体により3つの液晶パネル441、および3つの射出側偏光板443をそれぞれ冷却する。なお、各光変調素子保持体5402は、同様の構成であり、以下では1つの光変調素子保持体5402のみを説明する。この光変調素子保持体5402は、前記第1実施形態で説明した光変調素子保持体4402と略同様な構成を有し、一対の枠状部材5405,5406と、2つの弾性部材4407と、偏光板固定部材4408Bとを備える。
枠状部材5405は、略中央部分に液晶パネル441の光変調面に対応した矩形状の開口部5405Aを有する平面視略矩形状の枠体であり、枠状部材5406に対して光束入射側に配置され、液晶パネル441を弾性部材4407を介して光束入射側から枠状部材5406に対して押圧固定する。
この枠状部材5405において、光束射出側端面には、図14に示すように、液晶パネル441の光束入射側端面を支持するための支持面5405Bが形成されている。
また、枠状部材5405において、上方側端部角隅部分および下方側端部角隅部分には、図14に示すように、支持部材4403のピン状部材4403A(図15参照)を挿通可能とする4つの挿通部5405Cが形成されている。
さらに、枠状部材5405において、左側端部角隅部分および右側端部角隅部分には、図14に示すように、枠状部材5406と接続するための接続部5405Dが形成されている。
また、枠状部材5406に対して偏光板固定部材4408Bを固定することで、射出側偏光板443が弾性部材4407を介して枠状部材5406に押圧され、枠状部材5406の開口部5406Aの光束射出側が封止される。
以上のように、枠状部材5406の開口部5406Aの光束入射側および光束射出側が閉塞されることで、枠状部材5406内部に冷却室R3(図15参照)が形成される。また、冷却室R3内部において、射出側偏光板443の光束入射側端面、凹部5406F、および整流部5406Gにより、液晶パネル441の光変調面に平面的に干渉しない位置に、冷却流体を一時的に蓄積可能とするバッファ部Bf1(図15参照)が形成される。
なお、上述したように、光変調素子保持体5402には、冷却室R3が1つのみ形成されるので、流体分岐部4401の冷却流体流出部4401Cと光変調素子保持体5402とを接続する流体循環部材448は、他端が分岐することなく、枠状部材5406の流入口5406Dに接続する。
図15は、液晶パネル441および射出側偏光板443の冷却構造を説明するための断面図である。
流体圧送部446が駆動することにより、メインタンク445内部の冷却流体が流体圧送部446を介して流体分岐部4401に圧送され、流体分岐部4401にて分岐されて各光変調素子保持体5402の各冷却室R3内部に流入する。この際、各冷却室R3内部に流入した冷却流体は、各バッファ部Bf1にて一時的に蓄積された後、整流部5406Gにて冷却室R3内部に拡がるように整流される。
ここで、光源装置411から射出された光束により、液晶パネル441および射出側偏光板443に生じた熱は、光変調素子保持体5402における枠状部材5406の冷却室R3内の冷却流体に伝達される。
冷却室R3内の冷却流体に伝達された熱は、冷却流体の流れにしたがって冷却室R3〜中継タンク5404〜ラジエータ447へと移動し、前記第1実施形態と同様に、ラジエータ447にて放熱される。
そして、ラジエータ447にて冷却された冷却流体は、ラジエータ447〜メインタンク445〜流体圧送部446〜流体分岐部4401へと移動し、再度、冷却室R3へと移動する。
また、冷却ユニット3のシロッコファン31により、前記第1実施形態と同様に、冷却空気が光変調素子保持体5402の外面、および光変調素子保持体5402と支持部材4403との間に流入し、下方から上方に向けて流通する。この際、冷却空気は、液晶パネル441の光束入射側端面および射出側偏光板443の光束射出側端面を冷却しながら流通する。
また、光変調素子保持体5402には、1つの冷却室R3のみが形成されるので、流体分岐部4401と光変調素子保持体5402、および光変調素子保持体5402と中継タンク5404とを接続する流体循環部材448の構成の簡素化も図れる。
次に、本発明の第3実施形態を図面に基づいて説明する。
以下の説明では、前記第1実施形態と同様の構造および同一部材には同一符号を付して、その詳細な説明は省略または簡略化する。
本実施形態は、光変調素子保持体4402において、冷却室R1,R2内に、各冷却室R1,R2をそれぞれ光束入射側および光束射出側の2つの領域に区画する冷却室区画部4400をそれぞれ配置する点が前記第1実施形態と異なるのみである。その他の構造は、前記第1実施形態と同様のものとする。
図17は、冷却室区画部4400の構造を示す図である。具体的に、図17(A)は、液晶パネル441の光束入射側に配置される冷却室区画部4400を光束射出側から見た図である。図17(B)は、図17(A)のD−D線の断面図である。図17(C)は、図17(A)のE−E線の断面図である。
2つの冷却室区画部4400は、図16に示すように、液晶パネル441と枠状部材4405,4406との間にそれぞれ配置される。
なお、2つの冷却室区画部4400は、同様の構成であり、以下では液晶パネル441と枠状部材4405との間に配置される冷却室区画部4400のみを説明する。
この冷却室区画部4400は、図17に示すように、区画部本体4400Aと、当接部4400Bとを備える。
この区画部本体4400Aにおいて、上下側端部には、図17(A)または図17(B)に示すように、光束入射側および光束射出側の角部分が面取りされた斜面4400A2を有するテーパ部4400A1が形成されている。すなわち、上下側端部は、テーパ部4400A1により、上下方向に向かうにしたがって断面積が小さくなる形状を有している。
また、この区画部本体4400Aにおいて、左右側端部には、図17(A)または図17(C)に示すように、光束射出側の角部分が面取りされた斜面4400A4を有するテーパ部4400A3が形成されている。すなわち、これらテーパ部4400A1,4400A3により、区画部本体4400Aの光束射出側端面は、平面視略中央部分が光束射出側に向けて膨出した形状となる。
以上説明した区画部本体4400Aおよび当接部4400Bは、ガラス等の透光性部材から構成され、成形加工により一体成形された成形品である。なお、これら区画部本体4400Aおよび当接部4400Bは、透光性を有する部材であれば特に限定されないが、10W/m・K以上の熱伝導率を有する透光性部材で構成することが好ましい。
なお、液晶パネル441の光束射出側に配置される冷却室区画部4400は、図16に示すように、液晶パネル441の光束入射側に配置される冷却室区画部4400と光軸方向の両端面が逆になるように配置される。
なお、具体的な図示を省略するが、枠状部材4405における光束射出側に形成された凹部4405Bの左右方向端部側には、凹部4405Bよりも光軸方向の厚み寸法が小さい凹部が形成されているものとする。そして、前記図示しない凹部は、冷却室区画部4400の当接部4400Bに対応した形状を有し、冷却室区画部4400が冷却室R1に配置される際には、前記図示しない凹部に冷却室区画部4400における当接部4400Bの光束入射側端面が当接する。また、光変調素子保持体4402を組み立てた状態では、当接部4400Bの光束射出側端面に、液晶パネル441と枠状部材4405との間に配置される弾性部材4407の左右方向端部が当接し、冷却室区画部4400が前記図示しない凹部に押圧固定される。
また、枠状部材4406にも同様に、前記図示しない凹部が形成されているものとする。
本実施形態では、これら隙間の光軸方向の寸法は、0.5mm〜2mmとなるように設定されている。なお、これら隙間の光軸方向の寸法は、0.5mm〜1mmとなるように設定することが好ましい。
また、冷却室R1内に冷却室区画部4400を配置した状態では、図19に示すように、入射側偏光板442の光束射出側端面、凹部4405F、整流部4405G、および冷却室区画部4400における区画部本体4400Aのテーパ部4400A1により、液晶パネル441の光変調面と平面的に干渉しない位置に、冷却流体を一時的に蓄積可能とするバッファ部Bf2が形成される。また、冷却室R2内も同様に、射出側偏光板443の光束入射側端面、凹部4406F、整流部4406G、および冷却室区画部4400における区画部本体4400Aのテーパ部4400A1により、液晶パネル441の光変調面と平面的に干渉しない位置に、バッファ部Bf2が形成される。
したがって、テーパ部4400A1を有しない冷却室区画部と比較して、液晶パネル441、入射側偏光板442、および射出側偏光板443とそれぞれ接触する冷却流体の対流速度を良好に維持して冷却流体による熱の輸送量を増加させることができ、冷却流体により液晶パネル441、入射側偏光板442、および射出側偏光板443を効率的に冷却できる。
また、流入口4405D,4406Dから流入する冷却流体が冷却室R1,R2内で失速することがないので、冷却室R1,R2内での発泡現象を抑制でき、液晶パネル441にて形成される光学像の画質の安定化を図れる。
さらに、冷却室R1,R2内を対流する冷却流体の対流速度を速めた状態で維持できるので、流体圧送部446を駆動する際の回転数を低く設定でき、流体圧送部446における駆動時の音を最小限に抑え、プロジェクタ1の低騒音化を図れる。また、流体圧送部446の駆動回転数を低く設定することにより、省電力化も実現できる。
ここで、当接部4400Bは、区画部本体4400Aの左右側端部の辺縁に沿ってそれぞれ形成されているので、枠状部材4405,4406に対して各冷却室区画部4400を確実に設置することができ、冷却室区画部4400の位置ずれを確実に防止できる。
次に、本発明の第4実施形態を図面に基づいて説明する。
以下の説明では、前記第1実施形態と同様の構造および同一部材には同一符号を付して、その詳細な説明は省略または簡略化する。
前記第1実施形態では、光学装置本体440を構成する光変調素子保持体4402は、2つの流入口4405D,4406D、および2つの流出口4405E,4406Eを有する。そして、流入口4405D,4406Dを介して各冷却室R1,R2内にそれぞれ冷却流体を流入させ、流出口4405E,4406Eを介して各冷却室R1,R2内の冷却流体をそれぞれ外部に流出させている。
これに対して第4実施形態では、光学装置本体640を構成する光変調素子保持体6402には、一対の冷却室R4,R5が形成され、これら冷却室R4,R5は光変調素子保持体6402内部にて連通接続されている。そして、光変調素子保持体6402は、1つの流入口6405D、および1つの流出口6406Dを有し、流入口6405Dを介して各冷却室R4,R5に冷却流体を流入させ、流出口6406Dを介して各冷却室R4,R5内に流通する冷却流体を外部に流出させる。光学装置本体640を除くその他の構成は、前記第1実施形態と同様のものとする。
図21は、光学装置本体640を下方から見た斜視図である。
光学装置本体640は、図20または図21に示すように、前記第1実施形態で説明した3つの液晶パネル441、3つの入射側偏光板442、3つの射出側偏光板443、クロスダイクロイックプリズム444、流体分岐部4401、および支持部材4403、および前記第2実施形態で説明した中継タンク5404の他、3つの光変調素子保持体6402を備える。
3つの光変調素子保持体6402は、前記第1実施形態で説明した光変調素子保持体4402と同様に、3つの液晶パネル441、3つの入射側偏光板442、および3つの射出側偏光板443をそれぞれ保持するとともに、内部に冷却流体が流入および流出し、該冷却流体により3つの液晶パネル441、3つの入射側偏光板442、および3つの射出側偏光板443をそれぞれ冷却する。なお、各光変調素子保持体6402は、同様の構成であり、以下では1つの光変調素子保持体6402のみを説明する。この光変調素子保持体6402は、図22に示すように、一対の枠状部材6405,6406と、4つの弾性部材6407と、一対の偏光板固定部材6408A,6408Bと、支持枠体6409と、2つの冷却室区画部6400とを備える。
枠状部材6405は、PPS(ポリフェニレンサルファイド)、またはGF(ガラスファイバ)を添加したPC(ポリカーボネート)等の樹脂材料を成形加工により形成した一体成形品で構成され、枠状部材6406に対して光束入射側に配置され、液晶パネル441の光束入射側を支持するとともに、入射側偏光板442の光束射出側を支持するものであり、その具体的な構造は、前記第1実施形態で説明した枠状部材4405の形状と略同様である。すなわち、この枠状部材6405は、図23に示すように、枠状部材4405の開口部4405A(斜面4405A1を含む)、光束入射側端面に形成された凹部4405B,4405F、整流部4405G(柱状部4405G1および整流面4405G2を含む)、および接続部4405Iと略同様の、開口部6405A(斜面6405A1を含む)、凹部6405B,6405F、整流部6405G(柱状部6405G1および整流面6405G2を含む)、および接続部6405Iを有している。
なお、本実施形態における凹部6405Fのうち、上方側に位置する凹部6405Fの上方側の側壁は、図23(B)に示すように、左右方向略中央部分が上方に向けて窪み凹となる曲面状に形成されている。また、下方側に位置する凹部6405Fの下方側の側壁も同様に、左右方向略中央部分が下方側に窪み凹となる曲面状に形成されている。
また、第1凹部6405C1における下方側の左右方向略中央部分には、図23に示すように、光束射出側端面および下方側の凹部6405Fを貫通する孔6405E1を有して光束射出側端面から略直交して突出し、枠状部材5406の後述する挿通孔に挿通される筒状部6405Eが形成されている。
また、第2凹部6405C2における略中央部分には、図23(A)または図23(B)に示すように、光束射出側端面および上方側の凹部6405Fを貫通し、枠状部材6406の後述する筒状部を挿通可能とする挿通孔6405Hが形成されている。
これら3つのフック6405Jは、左側端部および右側端部において、上下方向端部近傍、および上下方向略中央部分にそれぞれ形成され、上下方向略中央部分を中心として対称配置されている。
ここで、偏光板固定部材6408Aは、図22に示すように、前記第1実施形態で説明した偏光板固定部材4408Aと略同様の形状を有し、すなわち、偏光板固定部材4408Aの開口部4408A1、フック係合部4408A2と同様の、開口部6408A1およびフック係合部6408A2を有する。本実施形態におけるフック係合部6408A2は、図22に示すように、枠状部材6405のフック6405Jに対応して6つで構成される。
そして、液晶パネル441にて枠状部材6405における開口部6405Aの光束射出側を閉塞し、偏光板固定部材6408Aにて入射側偏光板442を枠状部材6405の凹部6405Bに弾性部材6407の後述する第1弾性部材を介して押圧固定し枠状部材6405における開口部6405Aの光束入射側を閉塞することで、枠状部材6405内部(開口部6405A内、および、凹部6405Bと入射側偏光板442との空隙)に冷却流体を封入可能とする冷却室R4(図28参照)が形成される。
なお、上述したように、光変調素子保持体6402には、流入口6405Dが1つのみ形成されるので、流体分岐部4401の冷却流体流出部4401Cと光変調素子保持体5402とを接続する流体循環部材448は、前記第2実施形態と同様に、他端が分岐することなく、流入口6405Dに接続する。
これら位置決め突起6405Lは、図23(B)に示すように、開口部6405A内側面の四隅位置近傍に位置し、断面略直角三角形を有する柱状に形成されている。そして、これら位置決め突起6405Lは、図23(B)に示すように、断面略直角三角形の斜辺に相当する端面が光束入射側に向き、上下方向中央部分に向けて光軸方向の厚み寸法が次第に小さくなるように配置されている。
枠状部材6406は、PPS(ポリフェニレンサルファイド)、またはGF(ガラスファイバ)を添加したPC(ポリカーボネート)等の樹脂材料を成形加工により形成した成形品で構成され、図示しないねじにより上述した枠状部材6405と接続し枠状部材6405との間に弾性部材6407および支持枠体6409を介して液晶パネル441を挟持するとともに、枠状部材6405と対向する面と反対の面側にて弾性部材6407を介して射出側偏光板443を支持するものであり、その具体的な構造は、前記第1実施形態で説明した枠状部材4406の形状と略同様である。すなわち、この枠状部材6406は、枠状部材4406の開口部4406A(斜面4406A1を含む)、光束射出側端面に形成された凹部4406B,4406F、整流部4406G(柱状部4406G1および整流面4406G2を含む)、および接続部4406Iと略同様の、開口部6406A(斜面6406A1を含む)、凹部6406B,6406F、整流部6406G(柱状部6406G1および整流面6406G2を含む)、および接続部6406Iを有している。
なお、本実施形態における凹部6406Fは、上述した枠状部材6405における凹部6405Fと同様の形状を有している。
また、第1凹部6406C1における上方側の左右方向略中央部分には、図24に示すように、上述した枠状部材6405の挿通孔6405Hに対応して、上方側に位置する凹部6406Fおよび光束入射側端面を貫通する孔6406E1を有し、光束入射側端面から略直交して突出する筒状部6406Eが形成されている。
さらに、第2凹部6406C2における略中央部分には、図24に示すように、下方側に位置する凹部6406Fおよび光束射出側端面を貫通し、上述した枠状部材6405における筒状部6405Eを挿通可能とする挿通孔6406Hが形成されている。
また、枠状部材6405と枠状部材6406とを組み合わせた状態では、枠状部材6406における筒状部6406Eが、液晶パネル441におけるフレキシブルプリント基板441Eの挿通孔441E1(図22)、支持枠体6409の後述する挿通孔、および弾性部材6407の後述する第2弾性部材の挿通孔を介して、枠状部材6405における挿通孔6405Hに挿通される。このため、枠状部材6405の光束入射側(冷却室R4)および枠状部材6406の光束射出側(後述する冷却室R5(図28参照))を筒状部6406Eの孔6406E1、および挿通孔6405Hを介して冷却流体が流通可能となる。
なお、筒状部6405Eの内径断面積と、筒状部6406Eの内径断面積とを略同一断面積とする構成に限らず、異なる内径断面積とする構成を採用してもよい。
ここで、偏光板固定部材6408Bは、図22に示すように、上述した偏光板固定部材6408Aと同様の形状を有し、開口部6408A1およびフック係合部6408A2と同様の、開口部6408B1およびフック係合部6408B2を有する。
そして、液晶パネル441にて枠状部材6406における開口部6406Aの光束入射側を閉塞し、偏光板固定部材6408Bにて射出側偏光板443を枠状部材6406の凹部6406Bに弾性部材6407の後述する第4弾性部材を介して押圧固定し枠状部材6406における開口部6406Aの光束射出側を閉塞することで、枠状部材6406内部(開口部6406A内、および、凹部6406Bと射出側偏光板443との空隙)に冷却流体を封入可能とする冷却室R5(図28参照)が形成される。
なお、流入口6405Dおよび流出口6406Dの内径断面積を、筒状部6405E,6406Eの内径断面積と略同一断面積とする構成に限らず、異なる断面積とする構成を採用してもよい。
また、枠状部材6406において、光束入射側端面には、図24(B)に示すように、筒状部6406Eの上方に位置し、光束入射側端面から略直交して突出する押圧部6406Mが形成されている。そして、枠状部材6405と枠状部材6406とを組み合わせた状態では、押圧部6406Mが、液晶パネル441におけるフレキシブルプリント基板441Eの挿通孔441E1(図22)に挿通され、その先端が支持枠体6409の後述する挿通孔の周縁に当接し、支持枠体6409を枠状部材6405側に押圧する。
さらに、枠状部材6406において、光束入射側端面の上方側端部および下方側端部には、図24(B)に示すように、支持枠体6409の後述する突出部に対応して、光束射出側に窪む2つの切り欠き6406Nがそれぞれ形成されている。そして、枠状部材6405と枠状部材6406とを組み合わせた状態では、4つの切り欠き6406Nを介して支持枠体6409の前記突出部が外側に突出する。
このうち、第1弾性部材6407A、および第4弾性部材6407Dは、図22に示すように、前記第1実施形態で説明した弾性部材4407と略同様に、略矩形枠形状を有している。また、これら第1弾性部材6407Aおよび第4弾性部材6407Dは、図22に示すように、一対の枠状部材6405,6406に対向する端面が平面状に形成され、入射側偏光板442および射出側偏光板443に対向する端面が曲面状に形成され、断面略半円形状を有している。そして、これら第1弾性部材6407A、および第4弾性部材6407Cは、枠状部材6405,6406の各凹部6405B,6406Bにそれぞれ設置される。
このうち、弾性部材6407B1において、内周端部には、図22に示すように、該弾性部材6407B1の厚み寸法よりも小さい厚み寸法を有する断面視略円形状の弾性部材6407B4が一体的に形成されている。また、弾性部材6407B1は、液晶パネル441に対向する端面が平面状に形成され、枠状部材6405に対向する端面が曲面状に形成され、断面略半円形状を有している。そして、弾性部材6407B1,6407B4は、枠状部材6405の第1凹部6405C1に弾性部材6407B1の前記曲面が対向するように配置され、支持枠体6409および液晶パネル441に跨るように設置される。
また、弾性部材6407B2は、その略中央部分に枠状部材6405の筒状部6405Eを挿通可能とする挿通孔6407B3が形成されている。この弾性部材6407B2も上述した弾性部材6407B1と同様に断面略半円形状を有する。そして、この弾性部材6407B2は、枠状部材6405の第2凹部6405C2に前記曲面が当接し、支持枠体6409に前記平面が当接するように設置される。
このうち、弾性部材6407C1において、内周端部には、図22に示すように、該弾性部材6407B1の厚み寸法よりも小さい厚み寸法を有する断面視略円形状の弾性部材6407C4が一体的に形成されている。また、弾性部材6407C1は、弾性部材6407B1と同様に、液晶パネル441に対向する端面が平面状に形成され、枠状部材6406に対向する端面が曲面状に形成され、断面略半円形状を有している。そして、弾性部材6407C1,6407C4は、枠状部材6406の第1凹部6406C1に弾性部材6407C1の前記曲面が対向するように配置され、支持枠体6409および液晶パネル441を跨るように設置される。
また、弾性部材6407C2は、その略中央部分に枠状部材6406の筒状部6406Eを挿通可能とする挿通孔6407C3が形成されている。この弾性部材6407C2も上述した弾性部材6407C1と同様に断面略半円形状を有する。そして、この弾性部材6407C2は、枠状部材6406の第2凹部6406C2に前記曲面が当接し、支持枠体6409に前記平面が当接するように設置される。
図26は、支持枠体6409に液晶パネル441を組み込んだ状態を示す図である。具体的に、図26(A)は、支持枠体6409を光束射出側から見た図である。図26(B)は、図26(A)におけるG−G線の断面図である。図26(C)は、支持枠体6409を光束入射側から見た図である。
支持枠体6409は、アルミニウム製の平面視略矩形状の板体から構成され、液晶パネル441を保持するとともに、該液晶パネル441を光源装置411から射出される光束の照明光軸Aに対する所定位置に位置決めするものである。この支持枠体6409は、図25または図26に示すように、支持枠体本体6409Aと、支持補助部6409Bとを備える。
この支持枠体本体6409Aにおいて、その略中央部分には、図25または図26に示すように、液晶パネル441の駆動基板441Cの外形寸法と略同一寸法を有する開口部6409A1が形成されている。
また、支持枠体本体6409Aにおいて、光束入射側端面には、図25または図26(C)に示すように、開口部6409A1周縁から光束入射側に膨出する膨出部6409A2が形成されている。
この膨出部6409A2において、その上方側端部は、図26(A)または図26(B)に示すように、開口部6409A1の内側、すなわち、下方側に延出形成されている。このため、開口部6409A1における内側面上方側には、図26(A)または図26(C)に示すように、段差部6409A3が形成される。そして、この段差部6409A3の底部は、図26(A)または図26(B)に示すように、液晶パネル441を支持枠体6409に組み込んだ状態では、液晶パネル441における駆動基板441Cの上方側端部と平面的に干渉する。すなわち、この段差部6409A3は、駆動基板441Cの光束入射側端面と当接し、液晶パネル441の面外方向の位置を規制する機能を有する。
また、開口部6409A1の内側面において、膨出部6409A2における上方側端部の膨出方向基端部分には、図26(A)に示すように、液晶パネル441のフレキシブルプリント基板441Eの幅寸法に応じて孔6409A4が形成されており、支持枠体6409に液晶パネル441が設置された状態では、該孔6409A4にフレキシブルプリント基板441Eが挿通される。
さらにまた、支持枠体本体6409Aにおいて、上方側端部角隅部分および下方側端部角隅部分には、図25または図26に示すように、上方向および下方向にそれぞれ延出し、光変調素子保持体6402が組み立てられた状態で一対の枠状部材6405,6406の側端部から平面的に突出する4つの突出部6409A7が形成されている。そして、これら突出部6409A7の先端部分には、図25または図26に示すように、支持部材4403のピン状部材4403Aを挿通可能とする取付孔6409A8がそれぞれ形成されている。
また、支持枠体本体6409Aにおいて、下方側端部略中央部分には、図25または図26に示すように、枠状部材6406の筒状部6406Eを挿通可能とする挿通孔6409A9が形成されている。
この支持補助部6409Bの左右両端部近傍には、図25または図26(C)に示すように、光束入射側端面および光束射出側端面を貫通し、支持枠体本体6409Aのピン6409A6を嵌合可能とする嵌合孔6409B1がそれぞれ形成されている。
また、支持補助部6409Bにおいて、その光束射出側端面の左右方向略中央部分には、図25に示すように、液晶パネル441のフレキシブルプリント基板441Eの幅寸法に対応した幅寸法を有し、光束入射側に窪む凹部6409B2が形成されている。
さらに、支持補助部6409Bにおいて、上方側端部略中央部分には、図25または図26(C)に示すように、上方に向けて延出し、枠状部材6405の筒状部6405Eを挿通可能とする挿通孔6409B3が形成されている。
先ず、支持枠体本体6409Aの光束射出側から、液晶パネル441のフレキシブルプリント基板441Eを開口部6409A1に挿通するとともに該開口部6409A1から孔6409A4を介して支持枠体本体6409Aの外部に突出させるように、液晶パネル441を開口部6409A1に設置する。この際、駆動基板441Cの光束入射側端面が段差部6409A3に当接し液晶パネル441の面外方向の位置が規制されるとともに、対向基板441Dの外側面が複数の突起部6409A5の先端に当接し液晶パネル441の面外方向の位置が規制され、支持枠体本体6409Aに対して液晶パネル441が位置決めされる。
ここで、支持枠体本体6409Aにおける膨出部6409A2の形成位置での厚み寸法は、図26(B)に示すように、液晶パネル441の厚み寸法と略同一となるように設定されている。また、光束射出側端面から段差部6409A3の底部までの寸法は、図26(B)に示すように、液晶パネル441の駆動基板441Cの厚み寸法と略同一となるように設定されている。このため、支持枠体本体6409Aに液晶パネル441を設置した状態では、図26(B)に示すように、支持枠体本体6409Aの光束射出側端面、および膨出部6409A2の光束入射側端面と、液晶パネル441の光束射出側端面および光束入射側端面とがそれぞれ略面一となる。
なお、この接着剤としては、前記隙間から流入してくる冷却流体を遮断する材質、例えば、ウレタンゴム等を混ぜ合わせたものが好ましい。また、紫外線硬化タイプや嫌気タイプの主剤をベースにすれば、組み立て作業性の向上が図れる。
具体的に、支持枠体本体6409Aのピン6409A6に支持補助部6409Bの嵌合孔6409B1を嵌合させるように、支持枠体本体6409Aに対して支持補助部6409Bを設置する。この際、支持枠体本体6409Aの孔6409A4を介して突出する液晶パネル441のフレキシブルプリント基板441Eは、支持補助部6409Bの凹部6409B2と支持枠体本体6409Aの光束入射側端面との間に形成される空間内に遊嵌配置される。
そして、支持枠体本体6409Aと支持補助部6409Bとの間の隙間に、支持枠体本体6409Aに対する液晶パネル441の位置決めの際に用いた接着剤と同様の接着剤を充填し、支持枠体本体6409Aに対して支持補助部6409Bを固定する。
ここで、支持補助部6409Bの厚み寸法は、図26(B)に示すように、支持枠体本体6409Aにおける膨出部6409A2の膨出方向の高さ寸法と略同一に設定されている。このため、支持枠体本体6409Aに対して支持補助部6409Bを取り付けた状態では、図26(B)に示すように、膨出部6409A2の光束入射側端面と、支持補助部6409Bの光束入射側端面とが略面一となる。
これら冷却室区画部6400において、上下側端部には、図22に示すように、液晶パネル441に対向する端面側の角部分のみが面取りされた斜面6400A1を有するテーパ部6400Aが形成されている。すなわち、上下側端部は、テーパ部6400Aにより、上下方向に向かうにしたがって断面積が小さくなる形状を有している。
そして、これら冷却室区画部6400は、光変調素子保持体6402を組み立てる際、上下側端部の斜面6400A1を枠状部材6405,6406の位置決め突起6405L,6406Lにそれぞれ当接することで、枠状部材6405,6406にそれぞれ位置決めされ、例えば、接着剤等により枠状部材6405,6406に対して固定される。
上述したように、冷却室R4内に各冷却室区画部6400を配置した状態では、前記第3実施形態と同様に、入射側偏光板442の光束射出側端面、凹部6405F、整流部6405G、および冷却室区画部6400の上下側端部により、液晶パネル441の光変調面と平面的に干渉しない位置に、冷却流体を一時的に蓄積可能とするバッファ部Bf2が形成される。また、冷却室R5内も同様に、射出側偏光板443の光束入射側端面、凹部6406F、整流部6406G、および冷却室区画部6400の上下側端部により、液晶パネル441の光変調面と平面的に干渉しない位置に、バッファ部Bf2が形成される。
なお、冷却室R5に配置される冷却室区画部6400も上記同様に、射出側偏光板443と冷却室区画部6400との離間寸法L1(図28参照)よりも、液晶パネル441と冷却室区画部6400との離間寸法L2(図28参照)が大きくなるように設定されている。
ここで、離間寸法L1は、0.3mm〜1.0mmとすることが好ましく、本実施形態では0.7mmに設定されている。また、離間寸法L2は、1.0mm〜2.0mmとすることが好ましく、本実施形態では1.4mmに設定されている。
また、本実施形態では、整流部6405G,6406Gと入射側偏光板442および射出側偏光板443との各離間寸法L3(図28参照)は、上述した離間寸法L1よりも小さくなるように設定されている。本実施形態では、各離間寸法L3が0.4mmに設定されている。
図27および図28は、液晶パネル441、入射側偏光板442、および射出側偏光板443の冷却構造を説明するための図である。具体的に、図27は、光変調素子保持体6402を光束入射側から見た図である。図28は、図27のH−H線の断面図である。
流体圧送部446が駆動することにより、メインタンク445内部の冷却流体が流体圧送部446を介して流体分岐部4401に圧送され、流体分岐部4401にて分岐されて各光変調素子保持体6402の各流入口6405Dを介して各光変調素子保持体6402内部へと流入する。
そして、各バッファ部Bf2に流入した冷却流体は、各バッファ部Bf2により一時的に蓄積された後、整流部6405G,6406Gにて液晶パネル441の光変調面に平行な方向に整流されるとともに、冷却室区画部6400における下方側端部に形成された斜面6400A1にて光束入射側および光束射出側に整流され冷却室区画部6400の光束入射側端面および光束射出側端面に沿って対流する。
冷却室R5内の冷却流体に伝達された熱は、図28に示すように、冷却流体の流れにしたがって、図28中、上方に向けて進み、枠状部材6406における上方側の凹部6406F(図24(A))の側壁、および上方側の整流部6406Gにより、左右方向略中央部分に案内され、流出口6406Dを介して冷却室R5外部へと移動する。
一方、冷却室R4内の冷却流体に伝達された熱は、図28に示すように、冷却流体の流れにしたがって、図28中、上方に向けて移動する。また、上方に向けて移動した熱は、冷却流体の流れにしたがって、枠状部材6405における上方側の凹部6405F(図23(B))の側壁、および上方側の整流部6405Gにより、左右方向略中央部分に案内される。そして、左右方向略中央部分へと案内された熱は、図28に示すように、冷却流体の流れにしたがって、挿通孔6405Hおよび筒状部6406Eの孔6406E1を介して、冷却室R5内に移動し、流出口6406Dを介して冷却室R5外部へと移動する。
そして、ラジエータ447にて冷却された冷却流体は、ラジエータ447〜メインタンク445〜流体圧送部446〜流体分岐部4401へと移動し、再度、冷却室R4,R5へと移動する。
また、冷却ユニット3のシロッコファン31により、前記第1実施形態と同様に、冷却空気が光変調素子保持体6402の外面、および光変調素子保持体6402と支持部材4403との間に流入し、下方から上方に向けて流通する。この際、冷却空気は、液晶パネル441の光束入射側端面および射出側偏光板443の光束射出側端面を冷却しながら流通する。
本実施形態では、冷却室区画部6400のテーパ部6400Aが液晶パネル441側に斜面6400A1を有しているので、各バッファ部Bf2にて一時的に冷却流体を蓄積した後、冷却室区画部6400の斜面6400A1により液晶パネル441側により多くの冷却流体を案内できる。このため、液晶パネル441側に向かう冷却流体の流量を所定量に維持でき、液晶パネル441と冷却流体との温度差を維持し、冷却流体により液晶パネル441を効率的に冷却できる。
さらにまた、上述した各離間寸法L1を小さくすることで、入射側偏光板442または射出側偏光板443と接触する各冷却流体層の対流速度を速めることができ、入射側偏光板442および射出側偏光板443を効果的に冷却できる。このため、入射側偏光板442および射出側偏光板443において、熱により光学歪みが生じることを回避でき、光学歪みによる光学像の色むら発生を効果的に抑制できる。
具体的に、液晶パネル441として0.7inchの液晶パネルを用い、離間寸法L1および離間寸法L2を所定の値に設定して、光学像に含まれる筋状の像の状態、および、光学像の色むらの状態を目視にて確認した。また、液晶パネル441の温度、および射出側偏光板443の温度を測定した。
実施例1では、離間寸法L1を0.9mm、離間寸法L2を1.2mmに設定した。
また、実施例2では、離間寸法L1を0.7mm、離間寸法L2を1.4mmに設定した。
結果としては、以下の表1に示す通りである。なお、表1中、「○」は、画質が良好である状態、または、温度の低減化が図れた状態を示している。また、「◎」は、画質がさらに良好である状態、また、温度のさらなる低減化が図れた状態を示している。
また、実施例2においては、表1に示すように、実施例1に対して光学像に含まれる筋状の像をさらに抑制できかつ、光学像の色むらもさらに抑制できた。また、液晶パネル441の温度は実施例1と同様であるが、射出側偏光板443の温度は、実施例1よりも低い結果となった。
以上のことにより、離間寸法L1を0.7mm、離間寸法L2を1.4mmに設定することで、光学像の画質の向上、射出側偏光板443の温度の低減化を効果的に図れることが確認された。
さらにまた、金型を用いることで各枠状部材6405,6406を形成するので、前記金型を修正することで容易に整流部6405G,6406Gの形状を修正することが可能となる。また、整流部6405G,6406Gを複雑な形状とすることも可能となる。
次に、本発明の第5実施形態を図面に基づいて説明する。
以下の説明では、前記第4実施形態と同様の構造および同一部材には同一符号を付して、その詳細な説明は省略または簡略化する。
図29および図30は、第5実施形態における整流部7405G,7406Gの形状を示す図である。具体的に、図29(A)は、第5実施形態における枠状部材6405を光束入射側から見た斜視図である。図29(B)は、第5実施形態における枠状部材6406を光束射出側から見た斜視図である。図30は、第5実施形態における光変調素子保持体6402の整流部7405G,7406G位置での縦断面図である。
本実施形態は、前記第4実施形態に対して、図29および図30に示すように、枠状部材6405,6406における整流部7405G,7406Gの形状が異なるのみである。整流部7405G,7406G以外の構造は、前記第4実施形態と同様である。
各整流部7405Gは、図29(A)に示すように、平面視略四角柱状の5つの柱状部7405G1でそれぞれ構成されている。5つの柱状部7405G1は、図29(A)に示すように、対向する側面が流入口6405Dを介して流入する冷却流体の流入方向、すなわち、枠状部材6405における下端部から上端部に向かう方向に沿いかつ、前記流入方向に直交する方向に所定の間隔を空けて並列配置されている。
5つの柱状部7405G1において、流入口6405D側(枠状部材6405における下端部側)の側面は、図29(A)に示すように、枠状部材6405における下端部側に向けて突出し、流入口6405Dを介して流入した冷却流体を液晶パネル441の光変調面に平行な方向に整流する整流面7405G2を有している。
また、整流部7406Gは、図29(B)および図30に示すように、上述した整流部7405Gと同様の配置および形状を有し、整流部7405Gの柱状部7405G1および整流面7405G2と同様の、柱状部7406G1および整流面7406G2を有する。
なお、整流部7405G,7406Gにおける各凹部6405F,6406Fから立設する方向の高さ寸法は、5つの柱状部7405G1,7406G1のうち中央に位置する最も大きい前記高さ寸法を有する柱状部7405G1,7406G1と入射側偏光板442および射出側偏光板443との離間寸法L3B(図30)が、前記離間寸法L1よりも小さければ、上述した寸法関係に限らない。
また、各整流部7405G,7406Gは、整流面7405G2,7406G2を有する構成であるので、5つの柱状部7405G1,7406G1の各高さ寸法の設定とともに、冷却流体を液晶パネル441の光変調面と平行な方向により効果的に整流でき、冷却流体の流速の均一化をより効果的に実施できる。
次に、本発明の第6実施形態を図面に基づいて説明する。
以下の説明では、前記第4実施形態と同様の構造および同一部材には同一符号を付して、その詳細な説明は省略または簡略化する。
図31および図32は、第6実施形態における整流部8405G,8406Gの形状を示す図である。具体的に、図31(A)は、第6実施形態における枠状部材6405を光束入射側から見た斜視図である。図31(B)は、第6実施形態における枠状部材6406を光束射出側から見た斜視図である。図32は、第6実施形態における光変調素子保持体6402の整流部8405G,8406G位置での縦断面図である。
本実施形態は、前記第5実施形態と同様に、前記第4実施形態に対して、図31および図32に示すように、枠状部材6405,6406における整流部8405G,8406Gの形状が異なるのみである。整流部8405G,8406G以外の構造は、前記第4実施形態と同様である。
各整流部8405Gは、図31(A)に示すように、平面視略四角柱状の5つの柱状部8405G1でそれぞれ構成されている。5つの柱状部8405G1は、図31(A)または図32に示すように、流入口6405Dを介して流入する冷却流体の流入方向、すなわち、枠状部材6405における下端部から上端部に向かう方向と直交する方向に互いに近接するように並列配置されている。
5つの柱状部8405G1において、流入口6405D側(枠状部材6405における下端部側)の側面は、図31(A)に示すように、前記第5実施形態で説明した柱状部7405G1と同様に、枠状部材6405における下端部側に向けて突出し、流入口6405Dを介して流入した冷却流体を液晶パネル441の光変調面に平行な方向に整流する整流面8405G2を有している。
また、5つの柱状部8405G1において、凹部6405Fから立設する方向の高さ寸法は、図32に示すように、同一となるように形成されている。
さらに、5つの柱状部8405G1において、入射側偏光板442側の端面には、図32に示すように、前記流入方向に沿って複数の溝部8405G3(本実施形態では、3つの溝部8405G3)がそれぞれ形成されている。なお、図32では、1つの柱状部8405G1の溝部8405G3のみに符号を付している。
また、整流部8406Gは、図31(B)および図32に示すように、上述した整流部8405Gと同様の配置および形状を有し、整流部8405Gの柱状部8405G1、整流面8405G2、および溝部8405G3と同様の、柱状部8406G1、整流面(図示省略)、および溝部8406G3を有する。
次に、本発明の第7実施形態を図面に基づいて説明する。
以下の説明では、前記第4実施形態と同様の構造および同一部材には同一符号を付して、その詳細な説明は省略または簡略化する。
図33は、第7実施形態における光変調素子保持体7402の概略構成を示す分解斜視図である。
本実施形態は、前記第4実施形態に対して、図33に示すように、2つの冷却室区画部7400の形状を変更している。また、これら冷却室区画部7400の形状の変更に伴い、枠状部材7405,7406の形状も変更している。2つの冷却室区画部7400および枠状部材7405,7406以外の光変調素子保持体7402の構成、および、光変調素子保持体7402以外の構成は、前記第4実施形態と同様である。
枠状部材7405,7406は、図34に示すように、前記第4実施形態で説明した枠状部材6405,6406と同様の構造を有し、異なる点は、整流部6405G,6406Gが省略されている点のみである。その他の構造は、前記第4実施形態で説明した枠状部材6405,6406と同様である。
なお、2つの冷却室区画部7400は、同様の形状であり、以下では液晶パネル441の光束入射側に配置される冷却室区画部7400のみを説明する。
この冷却室区画部7400は、図35に示すように、区画部本体7400Aと延出部7400Bとが一体成形された成形品で構成される。なお、冷却室区画部7400は、前記第3実施形態および前記第4実施形態で説明した冷却室区画部4400,6400と同様の材料を採用できる。
これら延出部7400Bにおいて、延出方向端部は、図35に示すように、区画部本体7400Aと同様に、液晶パネル441に対向する端面側の角部分のみが面取りされた斜面7400B2を有するテーパ部7400B1が形成されている。すなわち、これら延出部7400Bも区画部本体7400Aと同様に、テーパ部7400B1により、上下方向に向かうにしたがって断面積が小さくなる形状を有している。
また、これら延出部7400Bにおいて、延出方向端部は、図35に示すように、左右方向略中央部分(流出口6406Dまたは流入口6405Dに対向する部分)が上下方向(流出口6406D側または流入口6405D側)に突出する凸曲面形状を有している。なお、本実施形態では、上方側の凹部6405Fの形状と下方側の凹部6405Fの形状とが異なるため、上方側の延出部7400Bの形状と下方側の延出部7400Bの形状とを異なるように形成しているが、同一形状となるように形成しても構わない。
冷却室区画部7400が冷却室R4,R5に配置される際には、前記第4実施形態と同様に、区画部本体7400Aの上下側端部の斜面7400A2を枠状部材7405,7406の位置決め突起6405L,6406Lにそれぞれ当接することで枠状部材7405,7406に各冷却室区画部7400がそれぞれ位置決めされ、例えば、接着剤等により枠状部材7405,7406に対して各冷却室区画部7400を固定する。
そして、冷却室R4内に冷却室区画部7400を配置した状態では、図37に示すように、入射側偏光板442の光束射出側端面、凹部6405F、および冷却室区画部7400における延出部7400Bのテーパ部7400B1により、液晶パネル441の光変調面と平面的に干渉しない位置に、冷却流体を一時的に蓄積可能とするバッファ部Bf3が形成される。また、冷却室R5内も同様に、射出側偏光板443の光束入射側端面、凹部6406F、および冷却室区画部7400における延出部7400Bのテーパ部7400B1により、液晶パネル441の光変調面と平面的に干渉しない位置に、バッファ部Bf3が形成される。
なお、本実施形態では、前記第4実施形態と同様に、冷却室区画部7400を冷却室R4に配置した状態で、冷却室区画部7400と入射側偏光板442および射出側偏光板443との離間寸法L1(図37)よりも、液晶パネル441と冷却室区画部7400における区画部本体7400Aとの離間寸法L2(図37)が大きくなるように設定されている。ここで、離間寸法L1は、0.3mm〜1.0mmとすることが好ましく、本実施形態では、前記第4実施形態と同様に、0.7mmに設定されている。また、離間寸法L2は、1.0mm〜2.0mmとすることが好ましく、本実施形態では、前記第4実施形態と同様に、1.4mmに設定されている。
本実施形態では、区画部本体7400Aが延出部7400Bに対して厚み寸法が大きく区画部本体7400Aが液晶パネル441側に膨出する形状を有しているので、区画部本体7400Aと液晶パネル441との離間寸法L2、および冷却室区画部7400と入射側偏光板442および射出側偏光板443との離間寸法L1を、所定寸法に設定できる。このため、液晶パネル441側に向かう冷却流体の対流速度を所望の速度に制御でき、液晶パネル441と冷却流体との温度差を良好に維持できる。
次に、本発明の第8実施形態を図面に基づいて説明する。
以下の説明では、前記第7実施形態と同様の構造および同一部材には同一符号を付して、その詳細な説明は省略または簡略化する。
図38は、冷却室区画部8400の構造を示す図である。具体的に、図38(A)は、液晶パネル441の光束入射側に配置される冷却室区画部8400を光束射出側から見た図である。図38(B)は、図38(A)のL−L線の断面図である。図38(C)は、図38(A)のM−M線の断面図である。
本実施形態は、前記第7実施形態に対して、図38に示すように、2つの冷却室区画部8400の形状を変更している。2つの冷却室区画部8400以外の構成は、前記第7実施形態と同様である。
この冷却室区画部8400は、図38に示すように、前記第7実施形態で説明した区画部本体7400Aの他、延出部8400Bを備える。これら区画部本体7400Aおよび延出部8400Bは、前記第7実施形態と同様に、一体成形されたものである。また、冷却室区画部8400は、前記第3実施形態、前記第4実施形態、および前記第7実施形態で説明した冷却室区画部4400,6400,7400と同様の材料を採用できる。
すなわち、延出部8400Bは、図38に示すように、液晶パネル441と対向する端面における左右方向略中央部分(流出口6406Dまたは流入口6405Dに対向する部分)が液晶パネル441側に膨出する凸曲面形状を有している。
また、延出部8400Bは、図38に示すように、区画部本体7400A側に向かうにしたがって次第に厚み寸法が大きくなる形状を有している。そして、延出部8400Bにおける液晶パネル441と対向する端面は、区画部本体7400A側に向かうにしたがって区画部本体7400Aにおける液晶パネル441と対向する端面に次第に近接する形状となる。
次に、本発明の第9実施形態を図面に基づいて説明する。
以下の説明では、前記第3実施形態と同様の構造および同一部材には同一符号を付して、その詳細な説明は省略または簡略化する。
本実施形態は、各冷却室区画部9400がそれぞれ2体で構成され、該2体の部材間に光学変換素子としての入射側偏光板442および射出側偏光板443がそれぞれ介在配置されている点が前記第3実施形態と異なるのみである。その他の構造は、前記第3実施形態と同様のものとする。
2つの冷却室区画部9400は、図39に示すように、その外形形状は、前記第3実施形態で説明した冷却室区画部4400と同様である。すなわち、この冷却室区画部9400は、前記第4実施形態で説明した冷却室区画部4400の区画部本体4400A(テーパ部4400A1、斜面4400A2、テーパ部4400A3、および斜面4400A4を含む)および当接部4400Bと略同様の、区画部本体9400A(テーパ部9400A1、斜面9400A2、テーパ部9400A3、および斜面9400A4を含む)および当接部9400Bを備える。
このうち、第1区画部9400A5の光束入射側端面には、入射側偏光板442の外形形状に応じた凹部9400A7が形成されている。そして、この凹部9400A7により、第1区画部9400A5および第2区画部9400A6を組み合わせた状態では、第1区画部9400A5および第2区画部9400A6の間に空間が形成され、該空間に入射側偏光板442が配置される。なお、前記空間に入射側偏光板442を配置する際には、第1区画部9400A5および第2区画部9400A6の当接する端面に接着剤または水ガラス等を塗布し、外部から前記空間に冷却流体が流入することを防止している。
なお、液晶パネル441の光束射出側に配置される冷却室区画部9400も同様の構成であり、この冷却室区画部9400を構成する第1区画部9400A5および第2区画部9400A6にて形成される空間内には、射出側偏光板443が配置される。また、液晶パネル441の光束射出側に配置される冷却室区画部9400は、前記第3実施形態と同様に、液晶パネル441の光束入射側に配置される冷却室区画部9400と光軸方向の両端面が逆になるように配置される。
図40および図41に示すように、2つの冷却室区画部9400の配置状態は、前記第3実施形態で説明した2つの冷却室区画部4400の配置状態と同様であり、詳細な説明を省略する。
また、入射側偏光板442および射出側偏光板443が2つの冷却室区画部9400にそれぞれ配置されることにより、枠状部材4405の光束入射側、および枠状部材4406の光束射出側には、図40および図41に示すように、透光性基板4420,4430がそれぞれ配置される。
次に、本発明の第10実施形態を図面に基づいて説明する。
以下の説明では、前記第7実施形態と同様の構造および同一部材には同一符号を付して、その詳細な説明は省略または簡略化する。
本実施形態は、前記第9実施形態と同様に、各冷却室区画部10400がそれぞれ2体で構成され、該2体の部材間に光学変換素子としての入射側偏光板442および射出側偏光板443がそれぞれ介在配置されている点が前記第7実施形態と異なるのみである。その他の構造は、前記第7実施形態と同様のものとする。
2つの冷却室区画部10400は、図42に示すように、その外形形状は、前記第7実施形態で説明した冷却室区画部7400と同様である。すなわち、この冷却室区画部10400は、前記第7実施形態で説明した冷却室区画部7400の区画部本体7400A(テーパ部7400A1および斜面7400A2を含む)および延出部7400B(テーパ部7400B1および斜面7400B2を含む)と略同様の、区画部本体10400A(テーパ部10400A1および斜面10400A2を含む)および延出部10400B(テーパ部10400B1および斜面10400B2を含む)を備える。
このうち、第2区画部10400A4の光束射出側端面には、図42(B)、図42(C)に示すように、入射側偏光板442の外形形状に応じた冷却室区画部凹部10400A5が形成されている。
また、第1区画部10400A3の光束入射側端面には、図42(B)、図42(C)に示すように、冷却室区画部凹部10400A5に嵌合可能とする段差部10400A6が形成されている。
そして、冷却室区画部凹部10400A5に段差部10400A6を嵌合させて第1区画部10400A3および第2区画部10400A4を組み合わせた状態では、第1区画部10400A3および第2区画部10400A4の間に空間が形成され、該空間に入射側偏光板442が配置される。なお、前記空間に入射側偏光板442を配置する際には、第1区画部10400A3および第2区画部10400A4の当接する端面に接着剤または水ガラス等を塗布し、外部から前記空間に冷却流体が流入することを防止している。
なお、液晶パネル441の光束射出側に配置される冷却室区画部10400も同様の構成であり、この冷却室区画部10400を構成する第1区画部10400A3および第2区画部10400A4にて形成される空間内には、射出側偏光板443が配置される。
また、具体的な図示は省略するが、入射側偏光板442および射出側偏光板443が2つの冷却室区画部10400にそれぞれ配置されることにより、枠状部材6405の光束入射側、および枠状部材6406の光束射出側には、前記第9実施形態と同様に、透光性基板4420,4430がそれぞれ配置される。
次に、本発明の第11実施形態を図面に基づいて説明する。
以下の説明では、前記第10実施形態と同様の構造および同一部材には同一符号を付して、その詳細な説明は省略または簡略化する。
図43は、第11実施形態における冷却室区画部11400の構造を示す図である。具体的に、図43(A)は、液晶パネル441の光束入射側に配置される冷却室区画部11400を光束射出側から見た図である。図43(B)は、図43(A)のS−S線の断面図である。図43(C)は、図43(A)のT−T線の断面図である。
本実施形態は、前記第10実施形態に対して、図43に示すように、2つの冷却室区画部11400の構成を変更している。2つの冷却室区画部11400以外の構成は、前記第10実施形態と同様である。
この冷却室区画部11400は、図43に示すように、前記第10実施形態で説明した冷却室区画部10400において第1区画部10400A3を省略した構成であり、第2区画部10400A4および延出部10400Bの他、撥水膜11400Aを備える。
この撥水膜11400Aは、図43(A)に示すように、第2区画部10400A4および延出部10400Bにおける光束射出側端面(斜面10400A2、および斜面10400B2を除く)と平面形状が同一の形状を有する。
この撥水膜11400Aとしては、例えば、フッ化炭素水素や、シリコン樹脂等の材料を採用できる。
そして、冷却室区画部凹部10400A5に入射側偏光板442を配置した状態で、第2区画部10400A4、延出部10400B、および入射側偏光板442の光束射出側端面に撥水膜11400Aを例えば接着剤等にて貼り付けることで、外部から冷却室区画部凹部10400A5に冷却流体が流入することを防止している。
なお、液晶パネル441の光束射出側に配置される冷却室区画部11400も同様の構成であり、この冷却室区画部11400を構成する冷却室区画部凹部10400A5に射出側偏光板443が配置され、撥水膜11400Aにて被覆される。
また、入射側偏光板442または射出側偏光板443を覆うように撥水膜11400Aで被覆した構成とすることで、入射側偏光板442または射出側偏光板443の吸水劣化を抑制できる。
さらに、冷却室区画部11400が撥水膜11400Aを備えているので、冷却室区画部11400と冷却流体との接触角を大きくし、冷却流体の濡れ性を抑制できる。このため、冷却流体に気泡、塵埃等が含まれている場合であっても、これら気泡、塵埃等が冷却室区画部11400に付着しにくい構成となり、気泡、塵埃等が付着することで液晶パネル441にて形成した光学像に不要な像が含まれることを回避でき、液晶パネル441にて形成された光学像を良好に維持できる。
前記各実施形態において、ラジエータ447および流体圧送部446の配置位置は、前記各実施形態で説明した位置に限らず、例えば、投射レンズ5の左右側、上下側の位置に配置してもよい。
前記各実施形態において、ラジエータ447を冷却する軸流ファン32は、放熱フィン4473に冷却空気を吐出する構成であったが、これに限らず、放熱フィン4473近傍の温められた空気を吸入してプロジェクタ1外部に排出する構成としてもよい。
また、前記第2実施形態において、前記第1実施形態と略同様に、枠状部材5405の光束入射側を透光性部材にて封止し、一対の枠状部材5405,5406内部にそれぞれ冷却室を形成する構成としてもよい。このような構成では、液晶パネル441の光束入射側および光束射出側にそれぞれ冷却室が設けられることとなり、液晶パネル441の冷却効率をさらに向上できる。
例えば、図44に示す整流部1405G,1406Gは、前記第5実施形態で説明した整流部7405G,7406Gと略同様な形状を有する。すなわち、整流部1405Gは、図44に示すように、整流部7405Gの柱状部7405G1(整流面7405G2を含む)と同様の、柱状部1405G1(整流面1405G2を含む)を有する。そして、上方側の凹部6405Fおよび下方側の凹部6405Fに立設される各整流部1405Gは、図44(A)に示すように、9つの柱状部1405G1が、流入口6405Dを介して流入する冷却流体の流入方向、すなわち、枠状部材6405における下端部から上端部に向かう方向と直交する方向に2つの列を有し、前記冷却流体の流入方向に平面的に互いに干渉しないように配置されている。なお、各柱状部1405G1の凹部6406Fから立設する方向の高さ寸法は、同一となるように形成されている。
また、整流部1406Gは、図44(B)に示すように、上述した整流部1405Gと同様の配置および形状を有し、整流部1405Gの柱状部1405G1および整流面1405G2と同様の、柱状部1406G1および整流面1406G2を有する。
なお、図44では、1つの柱状部1405G1,1406G2の整流面1405G2,1406G2のみ符号を付している。
また、整流部2406Gは、図45(B)に示すように、上述した整流部2405Gと同様の配置および形状を有し、整流部2405Gの柱状部2405G1と同様の、柱状部2406G1を有する。
前記第5実施形態および前記第6実施形態において、整流部7405G,7406G,8405G,8406Gを構成する各柱状部7405G1,7406G1,8405G1,8406G1は、所定の間隔を空けて配設されていたが、これに限らず、隙間を空けないように配設する、すなわち、各柱状部7405G1,7406G1,8405G1,8406G1を一体化した構成を採用してもよい。
前記第4実施形態ないし前記第8実施形態、前記第10実施形態、および前記第11実施形態では、枠状部材6405,6406,7405,7406を、PPS(ポリフェニレンサルファイド)、またはGF(ガラスファイバ)を添加したPC(ポリカーボネート)等の樹脂材料を成形加工により形成した一体成形品で構成したが、これに限らず、アルミニウム、無酸素銅やジュラルミン等で構成してもよい。
ここで、前記第5実施形態において、流入口6405Dの形成位置を変更した場合には、整流部7405Gにおける5つの柱状部7405G1のうち形成位置が変更された流入口に対向する位置に配設される柱状部7405G1の光軸方向の高さ寸法を最も高くなるように形成し、前記流入口に対向する位置に配設される柱状部7405G1から離間するにしたがって、各柱状部7405G1における光軸方向の高さ寸法が次第に小さくなるように形成すればよい。また、流出口6406Dの形成位置を変更した場合も、整流部7406Gを上記同様に形成すればよい。
また、前記7実施形態、前記第8実施形態、前記第10実施形態、および前記第11実施形態において、流入口6405Dおよび流出口6406Dの形成位置を変更した場合には、冷却室区画部7400,8400,10400,11400における延出部7400B,8400B,10400Bの延出方向端部を、形成位置が変更された流入口または流出口に対向する部分が上下方向に突出する形状とすればよい。
さらに、前記第8実施形態では、冷却室区画部8400における延出部8400Bの液晶パネル441と対向する端面を、形成位置が変更された流入口または流出口に対向する部分が液晶パネル441側に膨出する形状とすればよい。
同様に、前記第4実施形態ないし前記第8実施形態、前記第10実施形態および前記第11実施形態における冷却室区画部6400,7400,8400,10400,11400を前記第2実施形態に採用してもよい。なお、冷却室区画部7400,8400,10400,11400を前記第2実施形態に採用する場合には、枠状部材5406の整流部5406Gを省略する。
前記第3実施形態および前記第9実施形態において、冷却室区画部4400,9400は、当接部4400B,9400Bを有していたが、これに限らない。区画部本体4400A,8404G1に形成された斜面4400A2,9400A2の傾斜角度に応じて流入口4405D,4406Dから流入する冷却流体の力によって冷却室区画部4400,9400を冷却室R1,R2内の所定位置に安定化させることが可能であるので、当接部4400B,9400Bを省略した構成としてもよい。また、当接部4400B,9400Bは、区画部本体4400A,9400Aの左右側端部の辺縁に沿って形成されていたが、左右側端部に少なくとも一対形成されていれば、その位置、およびその上下方向の長さは特に限定されない。
前記第3実施形態ないし前記第11実施形態において、冷却室区画部4400,6400,7400,8400,9400,10400,11400は、斜面4400A2,6400A1,7400A2,7400B2,9400A2,10400A2,10400B2が形成されていたが、これに限らない。上方側および下方側に向かうにしたがって断面積が縮小するテーパ状に形成されていればよく、平面状でなく、例えば、曲面状に形成されていてもよい。
前記第3実施形態および前記第9実施形態では、冷却室区画部4400,9400は、液晶パネル441と、枠状部材4405,4406との間にそれぞれ配置されていたが、これに限らず、冷却室内に配置される構成であれば、入射側偏光板442または透光性基板4420と枠状部材4405との間、枠状部材4406と射出側偏光板443または透光性基板4430との間に配置してもよい。
例えば、流体分岐部4401から各光変調素子保持体4402,5402,6402,7402に流通する流路中に弁を設け、該弁の位置を変更することで流路を狭めたり拡げたりする構成を採用してもよい。
また、例えば、流体分岐部4401と各光変調素子保持体4402,5402,6402,7402とを接続する各流体循環部材448を各液晶パネル441R,441G,441Bの発熱量に応じて異なる管径寸法とする構成を採用してもよい。
また、前記第9実施形態ないし前記第10実施形態では、区画部本体9400A,10400A,11400Aが2体で構成されていたが、これに限らず、例えば、2体以上で構成し、複数の部材間の少なくともいずれかに、偏光板、位相差板、視野角補正板等を介在配置する構成を採用してもよい。
さらに、前記第11実施形態では、各冷却室区画部11400には、冷却室区画部凹部10400A5に入射側偏光板442および射出側偏光板443がそれぞれ配置されていたが、これに限らず、これら偏光板、位相差板、視野角補正板等の少なくともいずれかを一括して配置してもよい。
前記各実施形態では、光学ユニット4が平面視略L字形状を有した構成を説明したが、これに限らず、例えば、平面視略U字形状を有した構成を採用してもよい。
前記各実施形態では、3つの液晶パネル441を用いたプロジェクタ1の例のみを挙げたが、本発明は、1つの液晶パネルのみを用いたプロジェクタ、2つの液晶パネルのみを用いたプロジェクタ、あるいは、4つ以上の液晶パネルを用いたプロジェクタにも適用可能である。
前記各実施形態では、光入射面と光射出面とが異なる透過型の液晶パネルを用いていたが、光入射面と光射出面とが同一となる反射型の液晶パネルを用いてもよい。
前記各実施形態では、光変調素子として液晶パネルを用いていたが、マイクロミラーを用いたデバイスなど、液晶以外の光変調素子を用いてもよい。この場合は、光束入射側および光束射出側の偏光板は省略できる。
前各記実施形態では、スクリーンを観察する方向から投写を行なうフロントタイプのプロジェクタの例のみを挙げたが、本発明は、スクリーンを観察する方向とは反対側から投写を行なうリアタイプのプロジェクタにも適用可能である。
したがって、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部若しくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
Claims (22)
- 光源から射出された光束を画像情報に応じて変調して光学像を形成する光変調素子を保持し、内部に冷却流体が封入される冷却室が形成され、前記冷却室内の冷却流体により前記光変調素子を冷却する光変調素子保持体であって、
前記光変調素子の光変調面に応じてそれぞれ開口が形成され前記光変調素子を挟持する一対の枠状部材と、前記一対の枠状部材における対向する面と反対の面のうち少なくともいずれかの面側に配置される透光性基板とを含んで構成され、
前記冷却室は、前記一対の枠状部材の前記開口における前記対向する面側が前記光変調素子にて、前記一対の枠状部材の前記開口における前記対向する面と反対の面側のうち少なくともいずれかの面側が前記透光性基板にて、それぞれ閉塞されることにより前記一対の枠状部材のうち少なくともいずれかの枠状部材の内部に形成され、
前記一対の枠状部材のうち少なくともいずれかの枠状部材には、前記光変調素子の光変調面と平面的に干渉しない位置に、前記冷却室に前記冷却流体を流入させる流入口と、前記冷却室内部の前記冷却流体を外部に流出させる流出口と、前記流入口を介して流入した前記冷却流体を一時的に蓄積し前記光変調面に平行な方向および/または前記光変調面に直交する方向に整流するバッファ部とが設けられ、
前記光変調素子の光変調面に応じた形状を有し透光性を有する板状部材から構成され前記冷却室内部に配置され前記冷却室を光束入射側および光束射出側の2つの領域に区画して前記流入口を介して流入した前記冷却流体を前記光変調面に直交する方向に整流する冷却室区画部を備え、
前記冷却室区画部は、前記冷却室内部に配置された状態で、前記流入口側の側端部に前記流入口側に向かうにしたがって断面積が縮小するテーパ部が形成され、
前記バッファ部は、前記冷却室が内部に形成される枠状部材における前記開口周縁に位置し前記光変調面に直交する方向に窪む凹部と、前記透光性基板と、前記冷却室区画部とを含んで構成されていることを特徴とする光変調素子保持体。 - 請求項1に記載の光変調素子保持体において、
前記テーパ部は、少なくとも前記対向する面側に斜面を有していることを特徴とする光変調素子保持体。 - 請求項1または請求項2に記載の光変調素子保持体において、
前記冷却室区画部は、前記光変調素子との離間寸法が前記透光性基板との離間寸法よりも大きくなるように前記冷却室内部に配置されていることを特徴とする光変調素子保持体。 - 請求項1から請求項3のいずれかに記載の光変調素子保持体において、
前記冷却室区画部は、前記冷却室内部に配置された状態で、前記光変調素子に対向する区画部本体と、前記テーパ部を有し前記区画部本体から前記凹部に平面的に干渉するように延出する延出部とで構成され、
前記延出部は、前記テーパ部を有する側端部における前記流入口に対向する部分が前記流入口側に突出する凸曲面形状を有していることを特徴とする光変調素子保持体。 - 請求項4に記載の光変調素子保持体において、
前記区画部本体は、前記延出部に対して厚み寸法が大きく前記対向する面側に膨出する形状を有していることを特徴とする光変調素子保持体。 - 請求項5に記載の光変調素子保持体において、
前記延出部は、前記区画部本体側に向かうにしたがって次第に厚み寸法が大きくなる形状を有していることを特徴とする光変調素子保持体。 - 請求項4から請求項6のいずれかに記載の光変調素子保持体において、
前記延出部は、前記冷却室内部に配置された状態で、前記対向する面側の端面における前記流入口に対向する部分が前記対向する面側に突出する凸曲面形状を有していることを特徴とする光変調素子保持体。 - 請求項1から請求項7のいずれかに記載の光変調素子保持体において、
前記冷却室区画部は、複数の板状部材を積層させることで形成され、
前記複数の板状部材間のうち少なくともいずれかの間には、入射した光束の光学特性を変換する少なくとも1つの光学変換素子が介装されることを特徴とする光変調素子保持体。 - 請求項1から請求項7のいずれかに記載の光変調素子保持体において、
前記冷却室区画部は、入射した光束の光学特性を変換する少なくとも1つの光学変換素子を嵌合可能とする冷却室区画部凹部を有し、前記冷却室区画部凹部に嵌合された前記少なくとも1つの光学変換素子を覆うように撥水膜で被覆されていることを特徴とする光変調素子保持体。 - 請求項1から請求項9のいずれかに記載の光変調素子保持体において、
前記バッファ部は、前記凹部、前記透光性基板、および前記冷却室区画部の他、前記凹部に配設され前記流入口を介して流入した前記冷却流体を前記光変調面に平行な方向で前記冷却室内部に拡げるように整流する整流部を含んで構成され、
前記冷却室区画部および前記整流部は、平面的に干渉しないように配置されていることを特徴とする光変調素子保持体。 - 請求項10に記載の光変調素子保持体において、
前記冷却室区画部および前記整流部は、前記冷却室区画部および前記透光性基板の離間寸法が前記整流部および前記透光性基板の離間寸法よりも大きくなるように形成されていることを特徴とする光変調素子保持体。 - 請求項1から請求項11のいずれかに記載の光変調素子保持体において、
前記バッファ部は、前記凹部と、前記透光性基板と、前記冷却室区画部と、前記凹部および前記透光性基板の間に配設され前記流入口を介して流入した前記冷却流体を前記光変調面に平行な方向で前記冷却室内部に拡げるように整流する整流部とを含んで構成されていることを特徴とする光変調素子保持体。 - 請求項12に記載の光変調素子保持体において、
前記整流部は、前記流入口を介して流入した前記冷却流体を前記光変調面に平行な方向で前記冷却室内部に拡げるように整流する整流面を有する複数の柱状部で構成されていることを特徴とする光変調素子保持体。 - 請求項12または請求項13に記載の光変調素子保持体において、
前記整流部は、前記流入口を介して流入した前記冷却流体の流入方向に直交する方向に延びるように配設され、前記透光性基板側の端面に前記冷却流体の流入方向に沿って複数の溝部を有していることを特徴とする光変調素子保持体。 - 請求項12または請求項13に記載の光変調素子保持体において、
前記整流部は、前記流入口を介して流入した前記冷却流体の流入方向に直交する方向に延びるように配設され、前記流入口に対向する部分から離間するにしたがって次第に前記光変調面に直交する方向の高さ寸法が小さくなるように形成されていることを特徴とする光変調素子保持体。 - 請求項12から請求項15のいずれかに記載の光変調素子保持体において、
前記整流部は、前記凹部に対して着脱可能に構成されていることを特徴とする光変調素子保持体。 - 請求項12から請求項15のいずれかに記載の光変調素子保持体において、
前記冷却室が内部に形成される枠状部材は、成形加工により形成された成形品であり、
前記整流部は、前記凹部に一体成形されていることを特徴とする光変調素子保持体。 - 請求項12から請求項17のいずれかに記載の光変調素子保持体において、
前記整流部には、前記冷却流体を流通可能とする複数の孔が形成されていることを特徴とする光変調素子保持体。 - 請求項1から請求項18のいずれかに記載の光変調素子保持体において、
前記バッファ部は、前記流入口側、および前記流出口側の双方に形成されていることを特徴とする光変調素子保持体。 - 光源から射出された光束を画像情報に応じて変調して光学像を形成する光変調素子を含んで構成される光学装置であって、
請求項1から請求項19のいずれかに記載の光変調素子保持体と、
前記光変調素子保持体の流入口および流出口と接続され、前記冷却流体を前記冷却室外部に案内し、再度、前記冷却室内部に導く複数の流体循環部材と、
前記複数の流体循環部材における前記冷却流体の流路中に配置され、前記冷却流体を前記複数の流体循環部材を介して前記光変調素子保持体に圧送し、前記冷却流体を強制的に循環させる流体圧送部とを備えていることを特徴とする光学装置。 - 請求項20に記載の光学装置において、
入射した光束の光学特性を変換する少なくとも1つの光学変換素子を備え、
前記光学変換素子は、透光性基板と、前記透光性基板上に形成され、入射した光束の光学特性を変換する光学変換膜とで構成され、
前記光変調素子保持体を構成する透光性基板は、前記光学変換素子を構成する透光性基板であることを特徴とする光学装置。 - 光源装置と、請求項20または請求項21に記載の光学装置と、前記光学装置にて形成された光学像を拡大投射する投射光学装置とを備えていることを特徴とするプロジェクタ。
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