JP2007041412A - 光学素子保持体、光学装置、およびプロジェクタ - Google Patents

光学素子保持体、光学装置、およびプロジェクタ Download PDF

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Abstract

【課題】 光学素子の光透過領域を透過する光束を安定に維持できかつ、光学素子を効率的に冷却できる光学素子保持体を提供する。
【解決手段】光学素子保持体446は、光学素子の光透過領域を囲む環形状を有し内部に冷却液体を流通させる液体流通管4461と、液体流通管4461と熱伝達可能に接続され光透過領域に応じた開口部4462Aを有し光学素子の周縁部を熱伝達可能に支持する光学素子支持枠4462とを備える。液体流通管4461は、冷却液体の流通方向に略平行する平面にて分割形成された一対の液体流通部で構成される。一対の液体流通部は、熱伝導性を有する第1の樹脂組成物を溶融状態で第1の金型内に射出することで形成される。光学素子支持枠4462は、第2の金型内に一対の液体流通部を組み合わせた状態で収納し、一対の液体流通部の外側から熱伝導性を有する第2の樹脂組成物を溶融状態で第2の金型内に射出することで、一対の液体流通部に一体的に形成されている。
【選択図】 図11

Description

本発明は、光学素子保持体、光学装置、およびプロジェクタに関する。
従来、光源から射出された光束を画像情報に応じて変調する光変調素子と、光変調素子で変調された光束を拡大投射する投射光学装置とを備えるプロジェクタが知られている。
光変調素子としては、例えば、1対の基板間に液晶が密封封入されたアクティブマトリックス駆動方式の光変調素子(液晶パネル)が一般的に採用される。また、一般的に、光変調素子の光束入射側および光束射出側には、所定の偏光軸を有する光束を透過させる入射側偏光板および射出側偏光板がそれぞれ配置される。
上記のような光変調素子、入射側偏光板、および射出側偏光板等の光学素子を備えたプロジェクタでは、光源からの光束により、液晶層、ブラックマスク、および各種配線等による光吸収により光変調素子が温度上昇しやすく、また、偏光板にも熱が発生しやすい。
このため、上記のような光学素子を内部に有するプロジェクタにおいて、光学素子の温度上昇を緩和するために、冷却液体を用いた冷却装置を備えた構成が提案されている。
すなわち、特許文献1に記載の冷却装置は、光変調素子と光源側の偏光板とを離隔した状態でそれぞれ支持し、内部に冷却液体が充填される冷却室を備えている。また、この冷却室は、内部に冷却液体を流通可能なチューブ等によりラジエータおよび流体ポンプと連通接続されている。このため、内部の冷却液体は、チューブ等を介して冷却室〜ラジエータ〜流体ポンプ〜冷却室という流路を循環する。そして、このような構成により、光源から照射される光束により光変調素子および入射側偏光板等の光学素子における光透過領域に生じる熱を直接、冷却液体に放熱させている。
特開平1−159684号公報
しかしながら、特許文献1に記載の冷却装置では、冷却液体に光源から照射される光束が透過するため、以下のような問題が生じる恐れがある。
例えば、冷却液体に気泡や塵埃等が混入し、混入した気泡や塵埃等に光束が照射された場合には、光変調素子にて形成される光学像に気泡や塵埃等の像が入り込んでしまう。
また、例えば、冷却液体に温度差が生じた場合には、該冷却液体の屈折率の差等により、光変調素子にて形成される光学像に揺らぎが発生してしまう。
さらに、例えば、光源から照射される光束により冷却液体が劣化した場合には、光束の透過率が低下し、光変調素子にて形成される光学像に照度低下や色再現性の劣化が生じてしまう。
したがって、光学素子の光透過領域を透過する光束を安定に維持できかつ、光学素子を効率的に冷却できる構造が要望されている。
本発明の目的は、光学素子の光透過領域を透過する光束を安定に維持できかつ、光学素子を効率的に冷却できる光学素子保持体、光学装置、およびプロジェクタを提供することにある。
本発明の光学素子保持体は、入射した光束の光学特性を変換する光学素子を保持する光学素子保持体であって、前記光学素子の光透過領域を囲む環形状を有し内部に冷却液体を流通させる液体流通管と、前記液体流通管と熱伝達可能に接続され前記光透過領域に応じた開口部を有し前記光学素子の周縁部を熱伝達可能に支持する光学素子支持枠とを備え、前記液体流通管は、前記冷却液体の流通方向に略平行する平面にて分割形成された一対の液体流通部で構成され、前記一対の液体流通部は、熱伝導性を有する第1の樹脂組成物を溶融状態で第1の金型内に射出することで形成され、前記光学素子支持枠は、第2の金型内に前記一対の液体流通部を組み合わせた状態で収納し、前記一対の液体流通部の外側から熱伝導性を有する第2の樹脂組成物を溶融状態で前記第2の金型内に射出することで、前記一対の液体流通部に一体的に形成されていることを特徴とする。
ここで、第1の樹脂組成物および第2の樹脂組成物は、同一の樹脂組成物で構成してもよく、あるいは、異なる樹脂組成物で構成してもよい。
本発明では、光学素子保持体を構成する液体流通管は、光学素子の光透過領域を囲む環形状を有しているので、光学素子保持体を流通する冷却液体を光束が透過することがない。このため、例えば、光学素子として光変調素子を用い、光学素子保持体が光変調素子を保持する構成とした場合には、以下の効果がある。
例えば、冷却液体に気泡や塵埃等が混入した場合であっても、混入した気泡や塵埃等に光束が照射されないので、光変調素子にて形成される光学像に気泡や塵埃等の像が入り込むことがない。
また、例えば、冷却液体に温度差が生じた場合であっても、光変調素子にて形成される光学像に揺らぎが発生することもない。
さらに、例えば、冷却液体が劣化し、冷却液体が着色した場合であっても、光変調素子にて形成される光学像に照度低下や色再現性の劣化が生じることもない。
以上の効果は、光学素子として光変調素子以外の他の光学素子、例えば、偏光素子等を用いた場合でも略同様の効果を奏する。
また、光学素子保持体を構成する液体流通管および光学素子支持枠は、熱伝導性を有する材料から構成され一体的に形成されているので、光学素子にて生じた熱を、光学素子〜光学素子支持枠〜液体流通管〜冷却液体の熱伝達経路を辿って効果的に放熱させることができ、光学素子を効率的に冷却できる。
さらに、光学素子保持体は、例えば、以下に示すように製造される。
先ず、熱伝導性を有する第1の樹脂組成物を所定の温度で加熱して溶融状態とし、第1の金型内に溶融状態の第1の樹脂組成物を射出することで、冷却液体の流通方向に略並行する平面にて分割された一対の液体流通部をそれぞれ形成する。
この後、第2の金型内に一対の液体流通部を組み合わせた状態で収納する。この状態で、熱伝導性を有する第2の樹脂組成物を所定の温度で加熱して溶融状態とし、第2の金型内に一対の液体流通部の外側から溶融状態の第2の樹脂組成物を射出する。そして、一対の液体流通部および光学素子支持枠が一体化され、光学素子保持体が製造される。
上述したように液体流通管および光学素子支持枠が一体化されているので、例えば、液体流通管および光学素子支持枠を別体で形成し、液体流通管および光学素子支持枠を組み合わせることで光学素子保持体を製造する構成と比較して、液体流通管および光学素子支持枠間の熱抵抗を効果的に低減でき、光学素子に生じた熱を良好に冷却液体に伝達させることができ光学素子を効果的に冷却できる。また、上記構成と比較して、液体流通管および光学素子支持枠の製造誤差によるがたつきもない。このため、複数の光学素子保持体を製造した場合であっても、各光学素子保持体において、光学素子支持枠に対する液体流通管の配置位置のずれにより、光学素子の冷却効率に差が出ることもなく、冷却効率の安定した光学素子保持体を製造できる。
したがって、光学素子の光透過領域を透過する光束を安定に維持できかつ、光学素子を効率的に冷却でき、本発明の目的を達成できる。
本発明の光学素子保持体は、入射した光束の光学特性を変換する光学素子を保持する光学素子保持体であって、前記光学素子の光透過領域を囲む環形状を有し内部に冷却液体を流通させる液体流通管と、前記液体流通管と熱伝達可能に接続され前記光透過領域に応じた開口部を有し前記光学素子の周縁部を熱伝達可能に支持する光学素子支持枠とを備え、前記液体流通管は、金属製の管状部材に曲げ加工を施すことで前記環形状を有するように形成され、前記光学素子支持枠は、金型内に前記液体流通管を収納し、前記液体流通管の外側から熱伝導性を有する樹脂組成物を溶融状態で前記金型内に射出することで、前記液体流通管に一体的に形成されていることを特徴とする。
本発明では、光学素子保持体を構成する液体流通管は、光学素子の光透過領域を囲む環形状を有しているので、光学素子保持体を流通する冷却液体を光束が透過することがない。このため、例えば、光学素子として光変調素子を用い、光学素子保持体が光変調素子を保持する構成として場合には、以下の効果がある。
例えば、冷却液体に気泡や塵埃等が混入した場合であっても、混入した気泡や塵埃等に光束が照射されないので、光変調素子にて形成される光学像に気泡や塵埃等の像が入り込むことがない。
また、例えば、冷却液体に温度差が生じた場合であっても、光変調素子にて形成される光学像に揺らぎが発生することもない。
さらに、例えば、冷却液体が劣化し、冷却液体が着色した場合であっても、光変調素子にて形成される光学像に照度低下や色再現性の劣化が生じることもない。
以上の効果は、光学素子として光変調素子以外の他の光学素子、例えば、偏光素子等を用いた場合でも略同様の効果を奏する。
また、光学素子保持体を構成する液体流通管および光学素子支持枠は、熱伝導性を有する材料から構成され一体的に形成されているので、光学素子にて生じた熱を、光学素子〜光学素子支持枠〜液体流通管〜冷却液体の熱伝達経路を辿って効果的に放熱することができ、光学素子を効率的に冷却できる。
さらに、光学素子保持体は、例えば、以下に示すように製造される。
先ず、光学素子の光透過領域を囲む環形状を有するように、金属製の筒状部材に曲げ加工を施して液体流通管を形成する。
この後、金型内に液体流通管を収納する。この状態で、熱伝導性を有する樹脂組成物を所定の温度で加熱して溶融状態とし、金型内に液体流通管の外側から溶融状態の樹脂組成物を射出する。そして、液体流通管および光学素子支持枠が一体化され、光学素子保持体が製造される。
上述したように液体流通管および光学素子支持枠が一体化されているので、例えば、液体流通管および光学素子支持枠を別体で形成し、液体流通管および光学素子支持枠を組み合わせることで光学素子保持体を製造する構成と比較して、液体流通管および光学素子支持枠間の熱抵抗を効果的に低減でき、光学素子に生じた熱を良好に冷却液体に伝達させることができ光学素子を効果的に冷却できる。また、上記構成と比較して、液体流通管および光学素子支持枠の製造誤差によるガタツキもない。このため、複数の光学素子保持体を製造した場合であっても、各光学素子保持体において、光学素子支持枠に対する液体流通管の配置位置のずれにより、光学素子の冷却効率に差が出ることもなく、冷却効率の安定した光学素子保持体を製造できる。
したがって、光学素子の光透過領域を透過する光束を安定に維持できかつ、光学素子を効率的に冷却でき、本発明の目的を達成できる。
本発明の光学素子保持体では、前記光学素子は、入射した光束を画像情報に応じて変調する光変調素子であり、前記光学素子支持枠は、前記光変調素子の周縁部を熱伝達可能に支持することが好ましい。
本発明によれば、光変調素子を保持する部材として光学素子保持体を用いることで、光変調素子にて形成される光学像を安定に維持できかつ、光変調素子を効率的に冷却して光変調素子の熱劣化を防止できる。
本発明の光学素子保持体では、前記光変調素子は、一対の基板間に電気光学材料が密閉封入された構成を有し、前記一対の基板のうち少なくともいずれかの基板外面には、熱伝導性を有する透光性基板が配設され、前記光学素子支持枠は、前記光変調素子を支持した状態で前記透光性基板と熱伝達可能に接続することが好ましい。
本発明によれば、光学素子支持枠は、光変調素子を支持した状態で該光変調素子を構成する一対の基板外面に配設された熱伝導性を有する透光性基板と熱伝達可能に接続するので、光変調素子〜光学素子支持枠の熱伝達経路での放熱特性を向上させ、光変調素子を効果的に冷却できる。
本発明の光学素子保持体では、前記光学素子は、入射した光束のうち所定の偏光軸を有する光束を透過する偏光素子であり、前記光学素子支持枠は、前記偏光素子の周縁部を熱伝達可能に支持することが好ましい。
本発明によれば、偏光素子を保持する部材として光学素子保持体を用いることで、偏光素子を介して射出される直線偏光光束を安定に維持できかつ、偏光素子を効率的に冷却して偏光素子の熱劣化を防止できる。
本発明の光学素子保持体では、前記光学素子支持枠は、2つの前記光学素子を、互いに対向する端面側にてそれぞれ支持することが好ましい。
ここで、光学素子支持枠が支持する2つの光学素子は、同一の機能を有する光学素子として構成してもよく、あるいは、異なる機能を有する光学素子として構成してもよい。
本発明によれば、光学素子保持体が2つの光学素子を保持するので、例えば、プロジェクタ等の光学機器に搭載される複数の光学素子において、隣接配置する2つの光学素子を光学素子保持体が保持する構成とすれば、前記2つの光学素子を別々の光学素子保持体がそれぞれ支持する構成と比較して、部材の省略から光学機器の製造コストを低減できるとともに、光学機器の小型化も図れる。
本発明の光学素子保持体では、前記光学素子支持枠には、前記開口部内部と前記光学素子支持枠外部とを連通する連通部が形成されていることが好ましい。
ところで、上述したように光学素子支持枠が互いに対向する端面側にて2つの光学素子をそれぞれ支持する構成とした場合には、2つの光学素子により光学素子支持枠の開口部が閉塞され、所定の空間が形成されることとなる。そして、2つの光学素子に生じた熱により前記空間内の空気の温度が上昇して熱膨張した場合には、光学素子支持枠に対する2つの光学素子の支持状態が変更されて2つの光学素子の位置ずれが生じる恐れがある。
本発明によれば、光学素子支持枠には連通部が形成されているので、光学素子支持枠が互いに対向する端面側にて2つの光学素子をそれぞれ支持する構成とした場合であっても、開口部および2つの光学素子で囲まれる空間と光学素子支持枠外部とが連通部により連通される。このため、2つの光学素子に生じた熱により前記空間内の空気の温度が上昇して熱膨張しても、熱膨張した空気を、連通部を介して光学素子支持枠外部に逃がすことができ、光学素子支持枠に対する2つの光学素子の位置ずれを回避できる。
本発明の光学素子保持体では、前記光学素子は、入射した光束に対して傾斜配置され前記入射した光束を2種類の直線偏光光束に分離する複数の偏光分離膜、各偏光分離膜の間に交互に並行配置され前記偏光分離膜で分離されたいずれか一方の直線偏光光束を反射する複数の反射膜、前記複数の偏光分離膜および前記複数の反射膜が設けられる透光性部材、および、前記透光性部材の光束射出側に設けられ前記偏光分離膜で分離されたいずれか一方の直線偏光光束の偏光軸を他方の直線偏光光束の偏光軸に変換する複数の位相差板を含んで構成され、前記入射した光束を所定の直線偏光光束に変換する偏光変換素子であり、前記光学素子支持枠は、前記偏光変換素子の周縁部を熱伝達可能に支持することが好ましい。
本発明によれば、偏光変換素子を保持する部材として光学素子保持体を用いることで、偏光変換素子を介して射出される直線偏光光束を安定に維持できかつ、偏光変換素子を構成する偏光分離膜、反射膜、および位相差板を効率的に冷却して偏光分離膜、反射膜、および位相差板の熱劣化を防止できる。
本発明の光学素子保持体では、前記偏光変換素子は、前記複数の偏光分離膜、前記複数の反射膜、前記透光性部材、および前記複数の位相差板で構成される偏光変換素子本体と、前記偏光変換素子本体の光束入射側端面に一体的に配設される遮光部材を備え、前記遮光部材は、前記複数の偏光分離膜に応じた位置に形成され入射した光束を通過させる複数の開口部と、前記複数の反射膜に応じた位置に形成され入射した光束を遮断する複数の遮光部とを備え、熱伝導性材料から構成され、前記遮光部材の光束入射側端面に熱伝達可能に接続し、前記複数の遮光部に沿う蛇行形状を有し、内部に冷却液体を流通させる第2の液体流通管を備えていることが好ましい。
本発明によれば、第2の液体流通管が偏光変換素子を構成する遮光部材に熱伝達可能に接続しているので、偏光変換素子〜光学素子支持枠〜液体流通管〜冷却液体を辿る熱伝達経路の他、偏光変換素子〜第2の液体流通管〜冷却液体を辿る熱伝達経路を形成でき、偏光変換素子をより効果的に冷却できる。
また、第2の液体流通管は、遮光部材の複数の遮光部に沿う蛇行形状を有しているので、偏光変換素子の光透過領域(遮光部材の複数の開口部)に第2の液体流通管が平面的に干渉することなく、偏光変換素子を介して射出される直線偏光光束を安定に維持できる。
本発明の光学素子保持体では、前記光学素子外面および前記光学素子支持枠を跨ぐように配設され、前記光学素子外面および前記光学素子支持枠を熱伝達可能に接続する熱伝導性部材を備えていることが好ましい。
本発明によれば、熱伝導性部材が光学素子外面および光学素子支持枠を跨ぐように配設されているので、光学素子〜光学素子支持枠〜液体流通管〜冷却液体を辿る第1の熱伝達経路の他、光学素子〜熱伝導性部材〜光学素子支持枠〜液体流通管〜冷却液体を辿る第2の熱伝達経路を形成でき、光学素子をより効果的に冷却できる。
本発明の光学素子保持体では、前記熱伝導性部材の外面に熱伝達可能に接続し、前記光透過領域を囲む環形状を有し内部に冷却液体を流通させる第2の液体流通管を備えていることが好ましい。
本発明によれば、第2の液体流通管が熱伝導性部材の外面に熱伝達可能に接続しているので、第1の熱伝達経路および第2の熱伝達経路の他、光学素子〜熱伝導性部材〜第2の液体流通管〜冷却液体を辿る第3の熱伝達経路を形成でき、光学素子をより一層効果的に冷却できる。
本発明の光学装置は、入射した光束の光学特性を変換する光学素子を含んで構成される光学装置であって、上述した光学素子保持体と、前記光学素子保持体を構成する液体流通管と接続され、前記液体流通管内の冷却液体を外部に案内し、再度、前記液体流通管内に導く複数の液体循環部材と、前記複数の液体循環部材における前記冷却液体の流路中に配置され、前記冷却液体を前記複数の液体循環部材を介して前記液体流通管内に圧送し、前記冷却液体を強制的に循環させる液体圧送部とを備えていることを特徴とする。
本発明によれば、光学装置は、上述した光学素子保持体、複数の液体循環部材、および液体圧送部を備えているので、上述した光学素子保持体と同様の作用・効果を享受できる。
また、液体流通管内だけでなく、複数の液体循環部材および液体圧送部内にも冷却液体を封入することで、冷却液体の容量を大きくすることができ、光学素子〜冷却液体の熱交換能力を向上させることができる。
さらに、光学装置が液体圧送部を備えているので、光学素子により温められた液体流通管内の冷却液体を複数の液体循環部材を介して外部へと流出させ、また、外部の冷却液体を複数の液体循環部材を介して液体流通管内に流入させ、液体流通管内の冷却液体の入れ換えを確実に実施できる。したがって、光学素子と冷却液体との間で常に大きい温度差を確保し、冷却液体と光学素子との熱交換効率を向上させることができる。
本発明の光学装置では、前記液体循環部材は、樹脂チューブで構成され、前記樹脂チューブは、内径が肉厚の等倍以上でありかつ、硬度が50度(ASKER C)以下であることが好ましい。
ところで、光源から射出される光束の光軸に対して適切な位置に光学素子保持体(光学素子)を位置決めした状態で、複数の液体循環部材により、光学素子保持体および液体圧送部等を接続する場合には、液体循環部材の変形応力により、光学素子保持体(光学素子)が位置ずれを起こしやすい。特に、液体循環部材として樹脂チューブを用い、該樹脂チューブの内径が肉厚の等倍未満である場合や、樹脂チューブの硬度が50度(ASKER C)を超える場合等に、光学素子保持体(光学素子)の位置ずれが顕著に現れる。
本発明では、液体循環部材は、内径が肉厚の等倍以上でかつ、硬度が50度(ASKER C)以下の樹脂チューブで構成されているので、複数の液体循環部材により、光学素子保持体および液体圧送部等を接続しても、光学素子保持体への変形反力が小さく、光学素子保持体(光学素子)の位置ずれを回避できる。
また、液体循環部材を上述した構成とすることで、例えば、液体循環部材により光学素子保持体および液体圧送部等を接続した状態で、光源から射出される光束の光軸に対して適切な位置に光学素子保持体(光学素子)を位置決めする場合や、適切な位置から光学素子保持体(光学素子)が位置ずれを起こしている場合等でも、液体循環部材を容易に折り曲げ等することができるので、液体循環部材を折り曲げて光学素子保持体(光学素子)を適切な位置に位置決めすることもできる。
本発明の光学装置では、前記光学素子は、入射した光束を画像情報に応じて変調する光変調素子を含んで構成され、前記光変調素子は、波長領域の異なる複数の色光に対応してそれぞれ複数で構成され、前記複数の光変調素子をそれぞれ保持するための第1の前記光学素子保持体を複数備え、前記複数の液体循環部材のうち少なくともいずれかの液体循環部材は、前記複数の第1の光学素子保持体の各液体流通管を並列に接続することが好ましい。
本発明では、複数の光変調素子をそれぞれ保持するための複数の第1の光学素子保持体の各液体流通管は、液体循環部材により、各液体流通管を流通する冷却液体の各流路が並列となるように接続されている。このことにより、複数の第1の光学素子保持体の各液体流通管に、同一温度の冷却液体をそれぞれ流通させることができ、各光変調素子を均一に冷却できる。
本発明の光学装置では、前記光学素子は、入射した光束のうち所定の偏光軸を有する光束を透過する偏光素子を含んで構成され、前記偏光素子は、前記複数の色光に対応してそれぞれ複数で構成され、前記複数の偏光素子をそれぞれ保持するための第2の前記光学素子保持体を複数備え、前記複数の液体循環部材のうち少なくともいずれかの液体循環部材は、同一の色光を入射する前記光変調素子および前記偏光素子をそれぞれ保持する前記第1の光学素子保持体および前記第2の光学素子保持体の各液体流通管を直列に接続することが好ましい。
本発明では、同一の色光を入射する光変調素子および偏光素子をそれぞれ保持する第1の光学素子保持体および第2の光学素子保持体の各液体流通管は、液体循環部材により、各液体流通管を流通する冷却液体の各流路が直列となるように接続されている。また、直列に接続された第1の光学素子保持体および第2の光学素子保持体の各液体流通管の複数組は、液体循環部材により、複数組の前記各液体流通管を流通する冷却液体の各流路が並列となるように接続されている。このことにより、例えば、第1の光学素子保持体の各液体流通管、および第2の光学素子保持体の各液体流通管を、液体循環部材により、並列となるように接続した構成と比較して、液体圧送部等、複数の第1の光学素子保持体の各液体流通管、および複数の第2の光学素子保持体の各液体流通管を接続する液体循環部材の本数を低減し、液体循環部材を少ない本数で構成しながら各光変調素子の均一冷却および各偏光素子の均一冷却を良好に実施できる。
本発明の光学装置では、前記光学素子は、入射した光束を画像情報に応じて変調する光変調素子を含んで構成され、前記光変調素子は、波長領域の異なる複数の色光に対応してそれぞれ複数で構成され、前記複数の光変調素子をそれぞれ保持するための第1の前記光学素子保持体を複数備え、前記複数の液体循環部材のうち少なくともいずれかの液体循環部材は、前記複数の第1の光学素子保持体の各液体流通管を直列に接続することが好ましい。
本発明では、複数の光変調素子をそれぞれ保持するための複数の第1の光学素子保持体の各液体流通管は、液体循環部材により、各液体流通管を流通する冷却液体の各流路が直列となるように接続されている。このことにより、第1の光学素子保持体が複数で構成されている場合であっても、液体圧送部等および複数の第1の光学素子保持体の各液体流通管を接続する液体循環部材の本数を最低限の本数で構成でき、液体循環部材の引き回し作業(接続作業)を容易に実施できる。
本発明の光学装置では、前記光学素子は、入射した光束のうち所定の偏光軸を有する光束を透過する偏光素子を含んで構成され、前記偏光素子は、前記複数の色光に対応してそれぞれ複数で構成され、前記複数の偏光素子をそれぞれ保持するための第2の前記光学素子保持体を複数備え、前記複数の液体循環部材のうち少なくともいずれかの液体循環部材は、前記複数の第2の光学素子保持体の各液体流通管を直列に接続しかつ、直列に接続された前記複数の第1の光学素子保持体の各液体流通管と、直列に接続した前記複数の第2の光学素子保持体の各液体流通管とを並列に接続することが好ましい。
本発明では、複数の光変調素子をそれぞれ保持するための複数の第1の光学素子保持体の各液体流通管は、液体循環部材により、各液体流通管を流通する冷却液体の各流路が直列となるように接続されている。また、複数の偏光素子をそれぞれ保持するための複数の第2の光学素子保持体の各液体流通管は、液体循環部材により、各液体流通管を流通する冷却液体の各流路が直列となるように接続されている。さらに、直列に接続された第1の光学素子保持体の各液体流通管を流通する冷却液体の流路と、直列に接続された第2の光学素子保持体の各液体流通管を流通する冷却液体の流路とは、並列となっている。このことにより、例えば、複数の第1の光学素子保持体の各液体流通管、および複数の第2の光学素子保持体の各液体流通管を、液体循環部材により、直列となるように接続した構成と比較して、流路の上流側と下流側との間で生じる冷却液体の温度変化を最小限に抑え、流路の上流側と下流側との間での冷却効率の差を最小限に抑えることができる。
本発明の光学装置では、前記光学素子は、入射した光束のうち所定の偏光軸を有する光束を透過する偏光素子を含んで構成され、前記偏光素子は、前記複数の色光に対応してそれぞれ複数で構成され、前記複数の偏光素子をそれぞれ保持するための第2の前記光学素子保持体を複数備え、前記複数の液体循環部材のうち少なくともいずれかの液体循環部材は、同一の色光を入射する前記光変調素子および前記偏光素子をそれぞれ保持する前記第1の光学素子保持体および前記第2の光学素子保持体の各液体流通管が前記冷却液体の流路中で互いに隣接するように、前記複数の第1の光学素子保持体および前記複数の第2の光学素子保持体の各液体流通管を直列に接続することが好ましい。
本発明によれば、複数の光変調素子をそれぞれ保持するための複数の第1の光学素子保持体の各液体流通管、および複数の偏光素子をそれぞれ保持するための複数の第2の光学素子保持体の各液体流通管は、液体循環部材により、各液体流通管を流通する冷却液体の各流路が直列となるように接続されている。このことにより、第1の光学素子保持体および第2の光学素子保持体がそれぞれ複数で構成されている場合であっても、液体圧送部等、複数の第1の光学素子保持体の各液体流通管、および複数の第2の光学素子保持体の各液体流通管を接続する液体循環部材の本数を最低限の本数で構成でき、液体循環部材の引き回し作業を容易に実施できる。
また、同一の色光を入射する光変調素子および偏光素子は、プロジェクタ等の光学機器内において近接配置される。そして、同一の色光を入射する光変調素子および偏光素子をそれぞれ保持する第1の光学素子保持体および第2の光学素子保持体の各液体流通管が冷却液体の流路中で互いに隣接するように各液体流通管が接続されているので、液体循環部材の引き回し作業をさらに容易に実施できる。
本発明の光学装置では、前記光学素子は、入射した光束を画像情報に応じて変調する光変調素子と、入射した光束に対して傾斜配置され前記入射した光束を2種類の直線偏光光束に分離する複数の偏光分離膜、各偏光分離膜の間に交互に並行配置され前記偏光分離膜で分離されたいずれか一方の直線偏光光束を反射する複数の反射膜、前記複数の偏光分離膜および前記複数の反射膜が設けられる透光性部材、および、前記透光性部材の光束射出側に設けられ前記偏光分離膜で分離されたいずれか一方の直線偏光光束の偏光軸を他方の直線偏光光束の偏光軸に変換する複数の位相差板を備え、前記入射した光束を所定の直線偏光光束に変換する偏光変換素子とを含んで構成され、前記光変調素子は、波長領域の異なる複数の色光に対応してそれぞれ複数で構成され、前記複数の光変調素子をそれぞれ保持するための複数の第1の前記光学素子保持体と、前記偏光変換素子を保持するための第3の前記光学素子保持体とを備え、前記複数の液体循環部材のうち少なくともいずれかの液体循環部材は、前記複数の第1の光学素子保持体の各液体流通管、および前記第3の光学素子保持体の液体流通管を並列に接続することが好ましい。
ここで、液体循環部材による複数の第1の光学素子保持体の各液体流通管の接続方式は、いずれの接続方式でもよく、例えば、各液体流通管を流通する冷却液体の流路が並列となるように接続してもよく、各液体流通管を流通する冷却液体の流路が直列となるように接続してもよい。
本発明では、複数の光変調素子をそれぞれ保持するための複数の第1の光学素子保持体の各液体流通管を流通する冷却液体の流路と、偏光変換素子を保持するための第3の光学素子保持体の液体流通管を流通する冷却液体の流路とは、並列となっている。このことにより、複数の光変調素子側と偏光変換素子側に、同一温度の冷却液体をそれぞれ流通させることができ、複数の光変調素子にて温められた冷却液体が偏光変換素子側に流通されたり、逆に、偏光変換素子にて温められた冷却液体が複数の光変調素子側に流通されたりすることがなく、複数の光変調素子および偏光変換素子を良好に冷却できる。
本発明のプロジェクタは、光源装置と、上述した光学装置と、前記光学装置にて形成された光学像を拡大投射する投射光学装置とを備えていることを特徴とする。
本発明によれば、プロジェクタは、光源装置と、上述した光学装置、投射光学装置を備えているので、上述した光学装置と同様の作用・効果を享受できる。
また、プロジェクタは、光学素子を効率的に冷却できる光学装置を備えているので、光学素子の熱劣化を防止でき、該プロジェクタの高寿命化を図れる。
さらに、プロジェクタは、光学素子の光透過領域を透過する光束を安定に維持できる光学装置を備えているので、投射光学装置を介して良好な光学像を投射することができる。
以下、本発明の実施の一形態を図面に基づいて説明する。
〔1.外観構成〕
図1は、プロジェクタ1の外観を示す斜視図である。
プロジェクタ1は、光源から射出される光束を画像情報に応じて変調して光学像を形成し、形成した光学像をスクリーン(図示略)上に拡大投射するものである。このプロジェクタ1は、図1に示すように、略直方体状の外装筺体2、およびこの外装筺体2から一部が露出する投射光学装置としての投射レンズ3を備える。
投射レンズ3は、筒状の鏡筒内に複数のレンズが収納された組レンズとして構成され、プロジェクタ1の装置本体により画像情報に応じて変調された光学像を拡大投射する。
外装筺体2は、合成樹脂製の筺体であり、プロジェクタ1の装置本体を収納する。この外装筺体2は、図1に示すように、装置本体の上部部分を覆うアッパーケース21と、ロアーケース22とを備える。
アッパーケース21は、図1に示すように、外装筺体2の天面、側面の一部、背面の一部、および前面をそれぞれ形成する天面部21A、側面部21B,21C、背面部21D、前面部21Eを含んで構成される。
天面部21Aは、図1に示すように、平面視略矩形形状を有し、左右方向略中央部分が平面形状を有し、左右の両側面側が下方に傾斜した形状を有する。また、この天面部21Aは、図1に示すように、前方から見て右側部分の一部が右側に突出した形状を有する。
この天面部21Aにおいて、前方側であって、前方から見て右側部分には、図1に示すように、下方に向けて窪み底部分に開口部21A1が形成されている。そして、この開口部21A1は、投射レンズ3を操作可能としスクリーン(図示略)上に投射された投影画像のフォーカス調整およびズーム調整を実施するための各種回転つまみ3Aを露出させる。
また、この天面部21Aにおいて、開口部21A1の後方側には、図1に示すように、プロジェクタ1の起動・調整操作を実施するための操作パネル25が設けられている。操作パネル25の操作ボタン251を適宜押下すると、操作ボタン251内部に配置される図示しない回路基板に実装されたタクトスイッチと接触し、所望の操作が可能となる。
なお、前述した操作パネル25の回路基板は、制御基板(図示略)と電気的に接続され、操作ボタン251の押下に伴う操作信号は、制御基板に出力される。
さらに、この天面部21Aにおいて、前方側から見て操作パネル25の左側部分には、図1に示すように、プロジェクタ1外部に音声を出力するためのスピーカ孔26が形成されている。このスピーカ孔26の内側には、制御基板(図示略)により制御され、所定の音声を出力するスピーカが配置されている。
側面部21Bは、図1に示すように、天面部21Aにおける前方から見て右側の長辺方向端縁から略垂下し、天面部21Aと同様に、前方側の一部が右側に膨出した形状を有している。また、側面部21Cは、具体的な図示は省略するが、天面部21Aにおける前方から見て左側の長辺方向端縁から略垂下した部分である。
これら側面部21B,21Cのうち側面部21Bにおいて、前方側の膨出した部分には、図1に示すように、下端縁から上方側にかけて平面視略コ字状の切り欠き21B1が形成されている。
背面部21Dは、具体的な図示は省略するが、天面部21Aの短辺方向後方側端縁から略垂下した部分である。
前面部21Eは、図1に示すように、天面部21Aの短辺方向前方側端縁から略垂下した部分である。
この前面部21Eにおいて、前方から見て右側部分には、図1に示すように、平面視円形状の開口部21E1が形成されている。この開口部21E1は、図1に示すように、開口部21A1と接続し、投射レンズ3の先端部分を露出させる。
また、この前面部21Eにおいて、前方から見て開口部21E1の右側部分には、図1に示すように、平面視矩形状の開口部21E2が形成されている。そして、この開口部21E2は、装置本体を構成する後述するラジエータブロックの排気ダクトの排気口と接続する。
さらに、この前面部21Eにおいて、前方から見て開口部21E1の左側部分には、図1に示すように、平面視矩形状の開口部21E3が形成されている。そして、この開口部21E3には、図1に示すように、排気ユニット6を構成する後述する排気ファンから吐出された空気を所定方向に整流するルーバ27が取り付けられている。
ロアーケース22は、図1に示すように、外装筺体2の底面、側面の一部、および背面の一部をそれぞれ形成する底面部22A、側面部22B,22C(図2参照)、および背面部22D(図2参照)を含んで構成される。
底面部22Aは、具体的な図示は省略するが、略矩形状の平坦面で構成され、天面部21Aと同様に前方から見て右側部分の一部が右側に突出した形状を有する。そして、この底面部22Aには、机等の接地面に接地する複数の脚部が形成されている。
側面部22Bは、底面部22Aにおける前方から見て右側の長辺方向端縁から立設し、底面部22Aと同様に、前方側の一部が右側に膨出した形状を有している。また、側面部22Cは、底面部22Aにおける前方から見て左側の長辺方向端縁から立設した部分である。
これら側面部22B,22Cのうち側面部22Bにおいて、前方側の膨出した部分には、図1または図2に示すように、上端縁から下方側にかけて平面視略コ字状の切り欠き22B1が形成されている。アッパーケース21とロアーケース22とを組み立てた状態では、切り欠き21B1と切り欠き22B1とが接続し、平面視矩形状の開口部28が形成される。そして、この開口部28は、装置本体を構成する後述するラジエータブロックの吸気ダクトの吸気口と接続する。
背面部22Dは、底面部22Aの短辺方向後方側端縁から立設した部分である。
そして、背面部21D,22Dには、図示は省略するが、外部の電子機器からの画像信号、音声信号等を入力するための複数の接続端子や、外部からの電力供給を受けるためのインレットコネクタ等が配設されている。
〔2.内部構成〕
図2は、プロジェクタ1の内部構成を示す図である。
外装筺体2の内部には、図2に示すように、プロジェクタ1の装置本体が収容されている。この装置本体は、光学装置4と、電源ユニット5と、排気ユニット6等を含んで構成される。
なお、装置本体は、図示は省略するが、光学装置4、電源ユニット5、および排気ユニット6の他、光学装置4の上方側に配置されプロジェクタ1全体を制御する制御基板等を備えている。
〔3.光学装置の概略構成〕
図3および図4は、光学装置4の概略構成を示す斜視図である。具体的に、図3は、光学装置4を上方側から見た斜視図である。図4は、光学装置4を下方側から見た斜視図である。
図5は、光学装置4の光学系を模式的に示す平面図である。
光学装置4は、図2に示すように、外装筺体2の長手方向に沿って左右方向に延び、一方の端部が前方に延びる平面視略L字形状を有している。この光学装置4は、図3ないし図5に示すように、インテグレータ照明光学系41(図5)、色分離光学系42(図5)、リレー光学系43(図5)、光学装置本体44(図5)、光学部品用筐体45、液体圧送部46(図3または図4)と、ラジエータブロック47(図3または図4)と、第3の光学素子保持体としての偏光変換素子保持体48(図3または図4)と、複数の液体循環部材49(図3または図4)とを備える。なお、光学装置本体44、液体圧送部46、ラジエータブロック47、偏光変換素子保持体48、複数の液体循環部材49の詳細な構成については、後述する。
インテグレータ照明光学系41は、光学装置本体44を構成する後述する液晶パネルの画像形成領域を略均一に照明するための光学系である。このインテグレータ照明光学系41は、図5に示すように、光源装置411と、第1レンズアレイ412と、第2レンズアレイ413と、偏光変換素子414と、重畳レンズ415とを備える。
光源装置411は、放射状の光線を射出する光源ランプ416と、この光源ランプ416から射出された放射光を反射するリフレクタ417とを備える。光源ランプ416としては、ハロゲンランプやメタルハライドランプ、高圧水銀ランプが多用される。また、リフレクタ417としては、図5では、放物面鏡を採用しているが、これに限らず、楕円面鏡で構成し、光束射出側に該楕円面鏡により反射された光束を平行光とする平行化凹レンズを採用した構成としてもよい。
第1レンズアレイ412は、光軸方向から見て略矩形状の輪郭を有する小レンズがマトリクス状に配列された構成を有している。各小レンズは、光源装置411から射出される光束を、複数の部分光束に分割している。
第2レンズアレイ413は、第1レンズアレイ412と略同様な構成を有しており、小レンズがマトリクス状に配列された構成を有している。この第2レンズアレイ413は、重畳レンズ415とともに、第1レンズアレイ412の各小レンズの像を光学装置本体44の後述する液晶パネル上に結像させる機能を有している。
偏光変換素子414は、第2レンズアレイ413と重畳レンズ415との間に配置され、第2レンズアレイ413からの光を略1種類の偏光光束に変換するものである。この偏光変換素子414は、偏光変換素子本体4141(図17または図18参照)と、遮光部材4142(図18参照)とを備える。
偏光変換素子本体4141は、平板状の偏光変換素子アレイ4141A(図17または図18参照)と、この偏光変換素子アレイ4141Aの光束射出側に設置された位相差板4141B(図17または図18参照)とを備える。
偏光変換素子アレイ4141Aは、偏光方向がランダムな入射光束を2種類の直線偏光光束に分離して射出する。より具体的に、偏光変換素子アレイ4141Aは、図示は省略するが、入射光束に対して傾斜配置された複数の偏光分離膜と、各偏光分離膜の間に交互に並行配置された反射膜と、これらの偏光分離膜および反射膜の間に介在配置された板ガラスとを備える。
前記偏光分離膜は、ブリュースター角が略45°に設定された誘電体多層膜等で構成されている。そして、前記偏光分離膜は、入射光束において、偏光分離膜の入射面に対して平行な偏光軸を有する一方の直線偏光光束(S偏光光束)を反射し、このS偏光光束と直交する偏光軸を有する直線偏光光束(P偏光光束)を透過するものであり、入射光束を2種類の直線偏光光束に分離している。
前記反射膜は、例えば、高反射性を有するAl,Au,Ag,Cu,Cr等の単一金属材料や、これら複数種類の金属を含む合金等で構成され、前記偏光分離膜で反射された直線偏光光束(S偏光光束)を反射する。
前記板ガラスは、光束が内部を通過するものであり、通常、白板ガラス等から形成されている。
位相差板4141Bは、前記偏光分離膜を透過する直線偏光光束(P偏光光束)の偏光軸を90°回転させるものである。この位相差板4141Bは、偏光変換素子アレイ4141Aの光束射出側端面において、照明光軸に沿った方向で眺めた場合に、前記偏光分離膜に対応する位置に設けられている。
遮光部材4142は、ステンレス等の金属製の板状部材として構成され、偏光変換素子本体4141の光束入射側に配置される(図18参照)。
この遮光部材4142には、上下方向に延びる矩形状の開口部4142A(図18参照)が複数形成されている。これら開口部4142Aは、偏光変換素子本体4141と遮光部材4142とを組み合わせた状態で光束入射側から照明光軸に沿った方向に眺めた場合に、偏光変換素子本体4141の前記偏光分離膜に対応する位置(前記位相差板に対応する位置)に形成されている。換言すれば、遮光部材4142には、偏光変換素子本体4141と遮光部材4142とを組み合わせた状態で光束入射側から照明光軸に沿った方向に眺めた場合に、前記反射膜を遮蔽して、第2レンズアレイ413を介し前記反射膜に直接向う光束を遮蔽する遮光部4142B(図18参照)が形成されている。
ところで、偏光光束を変調するタイプの液晶パネルを用いたプロジェクタでは、1種類の偏光光束しか利用できないため、ランダムな偏光光束を発する光源装置411からの光の略半分を利用できない。このため、上述した偏光変換素子414を用いることで、光源装置411からの射出光を略1種類の偏光光束に変換し、光学装置本体44での光の利用効率を高めている。
色分離光学系42は、図5に示すように、2枚のダイクロイックミラー421,422と、反射ミラー423とを備え、ダイクロイックミラー421,422によりインテグレータ照明光学系41から射出された複数の部分光束を、赤、緑、青の3色の色光に分離する機能を有している。
リレー光学系43は、図5に示すように、入射側レンズ431、リレーレンズ433、および反射ミラー432,434を備え、色分離光学系42で分離された赤色光を光学装置本体44の後述する赤色光用の液晶パネルまで導く機能を有している。
この際、色分離光学系42のダイクロイックミラー421では、インテグレータ照明光学系41から射出された光束の青色光成分が反射するとともに、赤色光成分と緑色光成分とが透過する。ダイクロイックミラー421によって反射した青色光は、反射ミラー423で反射し、フィールドレンズ418を通って光学装置本体44の後述する青色光用の液晶パネルに達する。このフィールドレンズ418は、第2レンズアレイ413から射出された各部分光束をその中心軸(主光線)に対して平行な光束に変換する。他の緑色光用、赤色光用の液晶パネルの光入射側に設けられたフィールドレンズ418も同様である。
ダイクロイックミラー421を透過した赤色光と緑色光のうちで、緑色光はダイクロイックミラー422によって反射し、フィールドレンズ418を通って光学装置本体44の後述する緑色光用の液晶パネルに達する。一方、赤色光はダイクロイックミラー422を透過してリレー光学系43を通り、さらにフィールドレンズ418を通って光学装置本体44の後述する赤色光用の液晶パネルに達する。なお、赤色光にリレー光学系43が用いられているのは、赤色光の光路の長さが他の色光の光路の長さよりも長いため、光の発散等による光の利用効率の低下を防止するためである。すなわち、入射側レンズ431に入射した部分光束をそのまま、フィールドレンズ418に伝えるためである。
光学装置本体44は、図5に示すように、光変調素子としての3枚の液晶パネル441(赤色光用の液晶パネルを441R、緑色光用の液晶パネルを441G、青色光用の液晶パネルを441Bとする)と、この液晶パネル441の光束入射側および光束射出側に配置される偏光素子としての入射側偏光板442および射出側偏光板443と、クロスダイクロイックプリズム444とが一体的に形成されたものである。
液晶パネル441は、ガラスなどからなる一対の基板441C,441D(図12参照)に電気光学物質である液晶が密閉封入された構成を有している。一対の基板441C,441Dのうち、一方の基板441Cは、液晶を駆動するための駆動基板であり、互いに平行に配列形成される複数のデータ線と、複数のデータ線と直交する方向に配列形成される複数の走査線と、走査線およびデータ線の交差に対応してマトリクス状に配列形成される画素電極と、TFT(Thin Film Transistor)等のスイッチング素子とを有している。また、他の基板441Dは、基板441Cに対して所定間隔を空けて対向配置される対向基板であり、所定の電圧Vcomが印加される共通電極を有している。また、一対の基板441C,441Dには、図示しない制御基板と電気的に接続し、前記走査線、前記データ線、前記スイッチング素子、および前記共通電極等に所定の駆動信号を出力する回路基板としてのフレキシブルプリント基板441E(図6ないし図8参照)が接続されている。このフレキシブルプリント基板441Eを介して前記制御基板から駆動信号を入力することで、所定の前記画素電極と前記共通電極との間に電圧が印加され、該画素電極および共通電極間に介在する液晶の配向状態が制御され、入射側偏光板442から射出された偏光光束の偏光方向が変調される。さらに、一対の基板441C,441Dの外面には、熱伝導性を有する透光性基板としての一対の防塵ガラス441F1,441F2(図12参照)が貼り付けられている。この一対の防塵ガラス441F1,441F2により、液晶パネル441外面に塵埃が付着しても、塵埃がフォーカス位置からずれた状態となり、該塵埃が投射画像上の表示影となることがない。これら一対の防塵ガラス441F1,441F2としては、例えば、サファイア、水晶、YAG(Yttrium Aluminum Garnet)等の材料を採用できる。
そして、この液晶パネル441において、駆動基板441Cの外形形状は対向基板441Dの外形形状よりも大きく設定される(図12参照)。また、駆動基板441Cとこの駆動基板441Cに貼り付けられる防塵ガラス441F1の外形形状が略同一に設定される。さらに、対向基板441Dとこの対向基板441Dに貼り付けられる防塵ガラス441F2の外形形状が略同一に設定される。すなわち、この液晶パネル441は、光束入射側に向うにしたがって、外形形状が小さくなる段付状に形成されている。
入射側偏光板442は、偏光変換素子414で偏光方向が略一方向に揃えられた各色光が入射され、入射された光束のうち、偏光変換素子414で揃えられた光束の偏光軸と略同一方向の偏光光束のみ透過させ、その他の光束を吸収するものである。この入射側偏光板442は、例えば、サファイアガラスまたは水晶等の透光性基板上に偏光膜が貼付された構成を有している。
射出側偏光板443は、入射側偏光板442と略同様の構成であり、液晶パネル441から射出された光束のうち、入射側偏光板442における光束の透過軸と直交する偏光軸を有する光束のみ透過させ、その他の光束を吸収するものである。
クロスダイクロイックプリズム444は、射出側偏光板443から射出された色光毎に変調された光学像を合成してカラー画像を形成する光学素子である。このクロスダイクロイックプリズム444は、4つの直角プリズムを貼り合わせた平面視略正方形状をなし、直角プリズム同士を貼り合わせた界面には、2つの誘電体多層膜が形成されている。これら誘電体多層膜は、液晶パネル441R,441Bから射出され射出側偏光板443を介した色光を反射し、液晶パネル441Gから射出され射出側偏光板443を介した色光を透過する。このようにして、各液晶パネル441R,441G,441Bにて変調された各色光が合成されてカラー画像が形成される。
光学部品用筐体45は、図3ないし図5に示すように、内部に所定の照明光軸A(図5)が設定され、上述した光学部品41〜43、および光学装置本体44を照明光軸Aに対する所定位置に収納配置する。なお、本実施形態では、光学部品用筐体45は、熱伝導性を有する部材、例えば、金属製部材から構成されている。なお、光学部品用筺体45は、金属製部材に限らず、合成樹脂製の成形品としてもよい。この光学部品用筐体45は、図3または図4に示すように、光学部品41〜43、および光学装置本体44を収納する部品収納部材451と、部品収納部材451における上方側の開口部分を閉塞する蓋状部材452とで構成される。
このうち、部品収納部材451は、光学部品用筐体45の底面、前面、および側面をそれぞれ構成する。この部品収納部材451は、図3または図4に示すように、光源装置収納部4511と、部品収納部4512とが一体化されたものである。
光源装置収納部4511は、図4に示すように、下方側端面に開口部4511Aを有する容器状に形成され、開口部4511Aを介して内部に光源装置411を収納する部分である。
この光源装置収納部4511において、前方側の側面には、図3または図4に示すように、光源装置411内部の空気を外部に排出するための複数の排出孔4511Bが形成されている。
また、この光源装置収納部4511において、部品収納部4512との接続部分には、具体的な図示は省略するが、光源装置411から射出される光束が通過するように開口が形成されている。
部品収納部4512は、上方側端面に図示しない開口部を有する容器状に形成され、内部に上述した光学部品412〜415,418,421〜423,431〜434,44を収納する部分である。
この部品収納部4512において、内側面には、具体的な図示は省略するが、上述した光学部品412〜415,418,421〜423,431〜434を上方からスライド式に嵌め込むための複数の溝部が形成されている。
また、この部品収納部4512において、側面の正面部分には、図3に示すように、投射レンズ3を光学装置4に対して所定位置に設置するための投射レンズ設置部4512Aが形成されている。この投射レンズ設置部4512Aは、平面視略矩形状に形成され、平面視略中央部分には光学装置本体44のクロスダイクロイックプリズム444からの光束射出位置に対応して円形状の図示しない孔が形成されており、光学装置4にて形成されたカラー画像が前記孔を通して投射レンズ3にて拡大投射される。
さらに、この部品収納部4512において、底面には、図4に示すように、光学装置本体44の外形形状に対応した開口部4512Bが形成されている。また、この開口部4512Bの周縁部分には、光学装置本体44を所定位置に位置決めするための2つの位置決め突起4512Cと、前記光学装置本体を固定するための2つの固定用孔4512Dとが形成されている(図9参照)。
〔4.電源ユニットの構成〕
電源ユニット5は、図2に示すように、光学装置4のL字内側部分に配設され外部から供給された電力を各構成部材に供給するものである。この電源ユニット5は、図2に示すように、電源回路を備えた電源ブロック51と、ランプ駆動ブロック52とが積層配置されている。
電源ブロック51は、図示しない電源ケーブルを通して外部から供給された電力をランプ駆動ブロック52および制御基板等に供給する。この電源ブロック51は、具体的な図示は省略するが、入力される交流を所定の電圧に変換するトランスや該トランスからの出力を所定の電圧の直流に変換する変換回路等が片面に実装された回路基板と、この回路基板を覆う筒状部材とを備える。
ランプ駆動ブロック52は、具体的な図示は省略するが、前述した光源装置411に安定した電圧で電力を供給するための変換回路等が片面に実装された回路基板を備え、電源ブロック51から入力した商用交流電流は、このランプ駆動ブロック52によって整流、変換されて、直流電流や交流矩形波電流となって光源装置411に供給される。また、ランプ駆動ブロック52は、電源ブロック51と同様に、前記回路基板を覆う筒状部材を備えている。
〔5.排気ユニットの構成〕
排気ユニット6は、図2に示すように、光学装置4のL字内側部分に外装筺体2の側面部21C,22Cに沿うように配設され、外装筺体2内部の空気を外部に排出するものである。この排気ユニット6は、図2に示すように、排気ファン61と、排気ダクト62とを備える。
排気ファン61は、図2に示すように、空気の吸気方向と排気方向とが略同一となる軸流ファンで構成され、吸気面が光源装置収納部4511の排出孔4511Bと対向するように配置される。
排気ダクト62は、図2に示すように、排気ファン61の吐出面と接続し、排気ファン61から吐出された空気を外装筺体2の前面に形成された開口部21E3(図1)まで導くものである。
〔6.光学装置の詳細な構成〕
以下に、光学装置本体44、液体圧送部46、ラジエータブロック47、偏光変換素子保持体48、および複数の液体循環部材49の詳細な構成について説明する。
複数の液体循環部材49は、内部に冷却液体が対流可能に樹脂チューブ製の管状部材で構成され、複数の連結部491(図3または図4)により互いに接続され、冷却液体が循環可能に各部材44,46〜48を接続する。そして、循環する冷却液体により液晶パネル441、入射側偏光板442、射出側偏光板443、および偏光変換素子414に生じる熱を冷却する。
本実施形態では、液体循環部材49は、内径が肉厚の等倍以上でありかつ、硬度が50度(ASKER C)以下の樹脂チューブで構成している。この樹脂チューブの材料としては、例えば、ブチルゴムやシリコンゴム等を採用できる。なお、全ての液体循環部材49を前記樹脂チューブで構成しなくてもよく、少なくとも光学装置本体44と接続する(光変調素子保持体446および偏光板保持体447間の接続も含む)液体循環部材49を前記樹脂チューブで構成すればよい。
また、本実施形態では、冷却液体として、透明性の非揮発性液体であるエチレングリコールを採用する。冷却液体としては、エチレングリコールに限らず、その他の液体を採用してもよい。また、使用する冷却液体の全液量は、200ml以上であることが好ましい。このように使用する冷却液体の全液量を200ml以上とすることで、熱交換効率を向上させ、冷却対象の温度を効果的に低減させることができる。
以下では、各部材44,46〜48を、循環する冷却液体の流路に沿って液晶パネル441に対する上流側から順に説明する。
〔6-1.液体圧送部の構造〕
液体圧送部46は、図3または図4に示すように、投射レンズ3の側方に配設され、液体循環部材49を介して冷却液体を送入し、送入した冷却液体を外部に強制的に送出する。そして、液体圧送部46は、内部に冷却液体を送入するために液体循環部材49の一端と連通接続するとともに、外部に冷却液体を送出するために他の液体循環部材49の一端と連通接続している。
この液体圧送部46は、具体的な図示は省略するが、例えば、アルミニウム製の中空部材内に羽根車が配置された構成を有し、図示しない制御基板による制御の下、前記羽根車が回転することで、冷却液体を内部に強制的に送入し、送入した冷却液体を液体循環部材49を介して外部に強制的に送出する。
なお、液体圧送部46の構成としては、上述した羽根車を有する連続送出型の構成に限らず、ダイヤフラムを利用した間欠送出型等の他の構成を採用してもよい。
そして、液体圧送部46と連通接続した液体循環部材49の他端は、図4に示すように、複数の連結部491のうち第1連結部4911により他の2つの液体循環部材49の一端と接続する。このため、液体圧送部46から送出された冷却液体は、2つの液体循環部材49および第1連結部4911により、光学装置本体44側および偏光変換素子414側に分流される。
〔6-2.光学装置本体の構造〕
図6ないし図8は、光学装置本体44の概略構成を示す図である。具体的に、図6は、光学装置本体44を上方側から見た斜視図である。図7は、光学装置本体44を下方側から見た斜視図である。図8は、光学装置本体44の分解斜視図である。
光学装置本体44は、3つの液晶パネル441、3つの入射側偏光板442、3つの射出側偏光板443、およびクロスダイクロイックプリズム444の他、図6ないし図8に示すように、プリズム固定板445と、第1の光学素子保持体としての3つの光変調素子保持体446と、第2の光学素子保持体としての3つの偏光板保持体447と、支持部材448と、ピン状部材449とを備え、これら各部材が一体化されたものである。
〔6-2-1.プリズム固定板の構造〕
プリズム固定板445は、略直方体状を有し、上面にてクロスダイクロイックプリズム444と接続し、光学装置本体44全体を支持する。
このプリズム固定板445は、クロスダイクロイックプリズム444の外形形状よりも若干大きい外形形状を有する。このため、クロスダイクロイックプリズム444とプリズム固定板445とを接続した場合には、クロスダイクロイックプリズム444の側面よりもプリズム固定板445の側面の方が外側に突出することとなる。
また、具体的な図示は省略するが、プリズム固定板445の上面の略中央部分には、球状の膨出部が形成されている。そして、前記膨出部にクロスダイクロイックプリズム444の下面を当接させることで、プリズム固定板445に対するクロスダイクロイックプリズム444のあおり方向の位置調整が可能となる。
このプリズム固定板445において、底面の四隅部分には、図6ないし図8に示すように、該底面に沿って延出する腕部4451がそれぞれ形成されている。また、これら腕部4451の先端部分には、孔4452がそれぞれ形成されている。そして、4つの孔4452のうち、対角位置にある2つの孔4452が光学部品用筐体45に対して光学装置本体44を位置決めするための位置決め用孔4452Aであり、他の対角位置にある2つの孔4452が光学部品用筐体45に対して光学装置本体44を固定するための固定用孔4452Bである。
図9は、光学部品用筐体45に対する光学装置本体44の取付構造を示す図である。
そして、光学部品用筐体45に対して光学装置本体44を取り付ける際には、以下に示すように実施する。
すなわち、図9に示すように、光学部品用筐体45の下方側から該光学部品用筐体45に向けて光学装置本体44を移動し、光学部品用筐体45の底面に形成された開口部4512Bを介して光学装置本体44を内部に挿通する。この際、光学部品用筐体45における開口部4512B周縁に形成された2つの位置決め突起4512Cにプリズム固定板445の2つの位置決め用孔4452Aをそれぞれ嵌合させることで、光学部品用筐体45に対する所定位置に光学装置本体44が位置決めされる。この状態で、光学部品用筐体45における開口部4512B周縁に形成された2つの固定用孔4512D、およびプリズム固定板445の2つの固定用孔4452Bに固定ねじ4453をそれぞれ螺合することで、光学部品用筐体45に対して光学装置本体44が固定される。
〔6-2-2.光変調素子保持体の構造〕
図10および図11は、光変調素子保持体446の概略構成を示す斜視図である。具体的に、図10は、光変調素子保持体446を光束入射側から見た斜視図である。図11は、光変調素子保持体446を光束射出側から見た斜視図である。
図12は、液晶パネル441および入射側偏光板442が支持された状態で光変調素子保持体446を上下方向略中心位置を通る水平方向の平面で切断した断面図である。
3つの光変調素子保持体446は、3つの液晶パネル441および3つの入射側偏光板442をそれぞれ保持するとともに、内部に冷却液体が流入および流出し、該冷却液体により3つの液晶パネル441および3つの入射側偏光板442をそれぞれ冷却する。なお、各光変調素子保持体446は、同様の構成であり、以下では1つの光変調素子保持体446のみを説明する。この光変調素子保持体446は、図10ないし図12に示すように、液体流通管4461と、光学素子支持枠としての光変調素子支持枠4462と、熱伝導性部材としての熱伝導性シート4463(図12)とを備える。
図13および図14は、液体流通管4461の概略構成を示す図である。具体的に、図13は、液体流通管4461の斜視図である。図14は、液体流通管4461を構成する液体流通部4461Aを示す斜視図である。
液体流通管4461は、液晶パネル441の画像形成領域(光透過領域)を囲む環形状を有し、内部に冷却液体を流通させるものである。より具体的に、液体流通管4461は、図10ないし図13に示すように、液晶パネル441の画像形成領域を囲むように平面視矩形枠状に形成され、冷却液体を流入出させる各端部が下方側に平行して延出するように形成されている。
この液体流通管4461は、図14に示すように、前記矩形枠状の平面に沿って分割形成された一対の液体流通部4461A(図14では1つの液体流通部4461Aのみを図示している)で構成され、各液体流通部4461Aを一体化することで形成される。
光変調素子支持枠4462は、図10ないし図12に示すように、液晶パネル441の画像形成領域に応じた矩形状の開口部4462Aを有し、光束入射側および光束射出側にて入射側偏光板442および液晶パネル441の各周縁部を熱伝達可能にそれぞれ支持する平面視矩形状の枠体である。この光変調素子支持枠4462は、図12に示すように、液体流通管4461を覆うように液体流通管4461と一体化されたものであり、液体流通管4461と熱伝達可能に構成されている。
この光変調素子支持枠4462において、光束入射側端面には、図10に示すように、開口部4462A周縁部分に平面視矩形状の凹部4462Bが形成されている。この凹部4462Bは、図12に示すように、入射側偏光板442が嵌合固定される部分である。より具体的には、凹部4462Bに入射側偏光板442を構成する透光性基板が嵌合固定される。そして、凹部4462Bに入射側偏光板442が嵌合固定された状態では、光変調素子支持枠4462と入射側偏光板442とが熱伝達可能に接続する。
また、この凹部4462Bの上下側の左右方向略中央部分には、図10に示すように、凹部4462Bよりも深さ寸法の大きい連通部としての凹部4462Cが、凹部4462B内外に亘り、すなわち、光変調素子支持枠4462における枠内外に亘って形成されている。これら一対の凹部4462Cは、凹部4462Bに入射側偏光板442が嵌合固定された状態で、開口部4462Aと光変調素子支持枠4462外部とを連通する。
さらに、この凹部4462Bの底部分には、図10に示すように、複数の接着剤溜り用凹部4462B1が形成されている。このように複数の接着剤溜り用凹部4462B1を形成することで、凹部4462Bに接着剤を塗布した状態で入射側偏光板442を嵌合固定した場合には、凹部4462Bと入射側偏光板442との間に介在する接着剤が接着剤溜り用凹部4462B1に溜り、開口部4462A側に不要に流出することがない。
また、開口部4462Aは、図10に示すように、光束入射側に向うにしたがって次第に開口面積が大きくなるように形成されているので、接着剤が開口部4462A側に流出した場合であっても、流出した接着剤が液晶パネル441の画像形成領域と平面的に干渉しないように構成されている。
また、この光変調素子支持枠4462において、光束射出側端面には、図11に示すように、開口部4462A周縁部分に平面視矩形状の凹部4462C1が形成されている。
この凹部4462C1は、図12に示すように、光変調素子支持枠4462にて液晶パネル441が支持された状態で、液晶パネル441を構成する対向基板441Dおよび防塵ガラス441F2が嵌合固定される部分である。そして、凹部4462C1に対向基板441Dおよび防塵ガラス441F2が嵌合固定された状態では、光変調素子支持枠4462と防塵ガラス441F2とが熱伝達可能に接続する。
この凹部4462C1において、側壁部分には、図11に示すように、複数の係止突起4462C2が形成され、これら係止突起4462C2に対向基板441Dおよび防塵ガラス441F2の外周面が当接し、液晶パネル441が位置決めされて凹部4462C1に嵌合固定される。
また、この凹部4462C1において、四隅角部分は、図11に示すように、平面視略円弧形状となるように形成されている。そして、凹部4462C1に接着剤を塗布した状態で液晶パネル441を嵌合固定した場合には、凹部4462C1と液晶パネル441との間に介在する接着剤が係止突起4462C2により形成される液晶パネル441の外周面と凹部4462C1の側壁との隙間や、凹部4462C1の四隅角部分に溜り、液晶パネル441側に不要に流出することがない。また、四隅角部分は、平面視略円弧形状となるように形成されているので、液晶パネル441の固定時や、外部より衝撃が加わった時の液晶パネル441の四隅角部分の破損を防止することができる。
さらに、この光変調素子支持枠4462において、光束射出側端面には、図11に示すように、凹部4462C1周縁部分に凹部4462C1よりも深さ寸法の小さい凹部4462Dが形成されている。すなわち、光束射出側端面は、図12に示すように、凹部4462C1,4462Dにより、液晶パネル441における外周面の段付形状に対応した形状となっている。そして、光変調素子支持枠4462にて液晶パネル441が支持された状態では、図12に示すように、凹部4462Dに液晶パネル441を構成する駆動基板441Cおよび防塵ガラス441F1が固定される。
さらにまた、この光変調素子支持枠4462において、上方側端部角隅部分および下方側端部角隅部分には、図10または図11に示すように、支持部材448に光変調素子保持体446を取り付けるための4つの取付部4462Eが形成されている。また、各取付部4462Eには、図10または図11に示すように、光束入射側および光束射出側を貫通し、ピン状部材449を挿通可能とする挿通孔4462E1がそれぞれ形成されている。
また、下方側端部角隅部分に形成される2つの取付部4462Eは、図10または図11に示すように、液体流通管4461における下方側に延出する各端部側の基端部分と接続し、各端部を支持する部材としての機能も有する。
熱伝導性シート4463は、熱伝導性材料で形成され、折り曲げ可能なシート状部材であり、液晶パネル441の画像形成領域に対応して開口部4463A(図8または図12)を有する矩形枠形状を有する。そして、この熱伝導性シート4463は、図12に示すように、光変調素子支持枠4462の光束射出側端面、および、防塵ガラス441F1の光束射出側端面を跨ぐように貼り付けられる。この状態では、熱伝導性シート4463を介して、光変調素子支持枠4462と防塵ガラス441F1とが熱伝達可能に接続する。
この熱伝導性シート4463としては、熱伝導性材料で形成され、折り曲げ可能なシート状部材であればよく、例えば、グラファイトシートを採用できる。
以上説明した液体流通管4461および光変調素子支持枠4462は、以下に示すように製造される。
先ず、熱伝導性を有する第1の樹脂組成物を所定の温度で加熱して溶融状態とし、図示しない第1の金型を所定の温度に加熱しつつ、前記第1の金型内に溶融状態の前記第1の樹脂組成物を射出することで上述した一対の液体流通部4461Aをそれぞれ形成する。すなわち、一対の液体流通部4461Aを射出成型により形成する。
この後、図示しない第2の金型内に一対の液体流通部4461Aを組み合わせた状態(液体流通管4461となる状態)で収納する。この状態で、熱伝導性を有する第2の樹脂組成物を所定の温度で加熱して溶融状態とし、図示しない第2の金型を所定の温度に加熱しつつ、前記第2の金型内に一対の液体流通部4461Aの外側から溶融状態の前記第2の樹脂組成物を射出する。この際、前記第2の金型を所定の温度に加熱することで、一対の液体流通部4461Aの表面が溶融状態となり、一対の液体流通部4461Aが一体化しかつ、一対の液体流通部4461Aの表面に干渉するように一対の液体流通部4461Aと光変調素子支持枠4462とが一体的に形成される。
本実施形態では、前記第1の樹脂組成物および前記第2の樹脂組成物は、同一材料を採用する。すなわち、液体流通管4461および光変調素子支持枠4462は、所謂、二重成形により形成されている。
なお、前記第1の樹脂組成物および前記第2の樹脂組成物は、同一材料でなく異なる材料を用いても構わない。すなわち、このように前記第1の樹脂組成物および前記第2の樹脂組成物を異なる材料で構成した場合には、液体流通管4461および光変調素子支持枠4462は、所謂、二色成形により形成される。
前記第1の樹脂組成物および前記第2の樹脂組成物としては、例えば、PPS(Poly Phenylene Sulfide)、LCP(Liquid Crystal Polymer)、PC(Poly Carbonate)、PP(Poly Propylene)等のベース材料にフィラー材料としてシリカ、アルミナ、窒化アルミニウム、カーボン、酸化アルミニウム等のいずれか、若しくは複合させたものを混合させた樹脂等を採用できる。
そして、第1連結部4911に接続した光学装置本体44側の液体循環部材49の他端は、図4に示すように、複数の連結部491のうち第2連結部4912により他の3つの液体循環部材49の一端と接続する。このため、液体循環部材49および第1連結部4911により光学装置本体44側に分流された冷却液体は、3つの液体循環部材49および第2連結部4912により、3つの光変調素子保持体446毎に分流される。
そしてまた、第2連結部4912に接続した3つの液体循環部材49の各他端は、図4に示すように、3つの光変調素子保持体446を構成する各液体流通管4461における下方側に延出する一対の端部のうちの一方の端部とそれぞれ接続する。このため、3つの液体循環部材49および第2連結部4912により分流された冷却液体は、3つの光変調素子保持体446を構成する各液体流通管4461内部にそれぞれ流入し、他方の端部にそれぞれ接続された液体循環部材49を介して外部へとそれぞれ流出する。
〔6-2-3.偏光板保持体の構造〕
図15および図16は、偏光板保持体447の概略構成を示す斜視図である。具体的に、図15は、偏光板保持体447を光束入射側から見た斜視図である。図16は、偏光板保持体447を光束射出側から見た斜視図である。
3つの偏光板保持体447は、光束入射側にて3つの射出側偏光板443をそれぞれ保持するとともに、内部に冷却液体が流入および流出し、該冷却液体により3つの射出側偏光板443をそれぞれ冷却する。なお、各偏光板保持体447は、同様の構成であり、以下では1つの偏光板保持体447のみを説明する。この偏光板保持体447は、図15または図16に示すように、液体流通管4471と、光学素子支持枠としての偏光板支持枠4472とを備える。
なお、液体流通管4471は、上述した光変調素子保持体446を構成する液体流通管4461と略同様のものを採用できるため、詳細な説明は省略する。
偏光板支持枠4472は、図15または図16に示すように、射出側偏光板443の光透過領域に応じた矩形状の開口部4472Aを有し、光束入射側にて射出側偏光板443の周縁部を熱伝達可能に支持する平面視矩形状の枠体である。この偏光板支持枠4472は、上述した光変調素子支持枠4462と同様に、液体流通管4471を覆うように液体流通管4471と一体化されたものであり、液体流通管4471と熱伝達可能に構成されている。
この偏光板支持枠4472において、光束入射側端面には、図15に示すように、開口部4472A周縁部分に平面視矩形状の凹部4472Bが形成されている。この凹部4472Bは、射出側偏光板443が嵌合固定される部分である。より具体的には、凹部4472Bに射出側偏光板443を構成する透光性基板が嵌合固定される。そして、凹部4472Bに射出側偏光板443が嵌合固定された状態では、偏光板支持枠4472と射出側偏光板443とが熱伝達可能に接続する。
また、この凹部4472Bの上下側の左右方向略中央部分には、図15に示すように、凹部4472Bよりも深さ寸法の大きい凹部4472Cが、凹部4472B内外に亘り、すなわち、偏光板支持枠4472における枠内外に亘って形成されている。これら一対の凹部4472Cは、凹部4472Bに射出側偏光板443を嵌合固定した状態で、開口部4472Aと偏光板支持枠4472外部とを連通する。
さらに、この凹部4472Bの底部分には、図15に示すように、複数の接着剤溜り用凹部4472B1が形成されている。このように複数の接着剤溜り用凹部4472B1を形成することで、凹部4472Bに接着剤を塗布した状態で射出側偏光板443を嵌合固定した場合には、凹部4472Bと射出側偏光板443との間に介在する接着剤が接着剤溜り用凹部4472B1に溜り、開口部4472A側に不要に流出することがない。
また、開口部4472Aは、図15に示すように、光束入射側に向うにしたがって次第に開口面積が大きくなるように形成されているので、接着剤が開口部4472A側に流出した場合であっても、流出した接着剤が射出側偏光板443の光透過領域と平面的に干渉しないように構成されている。
また、この偏光板支持枠4472において、光束射出側端面には、図16に示すように、開口部4472A周縁部分に平面視矩形状の凹部4472Dが形成されている。この凹部4472Dは、他の光学素子が嵌合固定可能な部分であるが、本実施形態では、該凹部4472Dには何も固定されない。
また、この凹部4472Dの四隅位置近傍の略対角位置には、図16に示すように、上述した凹部4472Cと同様の機能を有する凹部4472Eが形成されている。
さらに、この凹部4472Dの底部分には、図16に示すように、上述した接着剤溜り用凹部4472B1と同様の機能を有する複数の接着剤溜り用凹部4472D1が形成されている。
さらに、この偏光板支持枠4472において、上方側端部の左右方向略中央部分には、図15または図16に示すように、上方側に突出し、偏光板支持枠4472を支持部材448に固定するための固定部4472Fが形成されている。
そして、この固定部4472Fの基端側には、図16に示すように、光束射出側に突出し、支持部材448の所定位置に偏光板支持枠4472を位置決めするための位置決め突起4472F1が形成されている。
また、この固定部4472Fの先端側には、図15または図16に示すように、光束入射側および光束射出側を貫通し、支持部材448に対して偏光板支持枠4472を固定するための固定用孔4472F2が形成されている。
さらにまた、この偏光板支持枠4472において、下方側端部の左右方向略中央部分には、図15または図16に示すように、下方側に突出し、固定部4472F(位置決め突起4472F1および固定用孔4472F2を含む)と同様の固定部4472G(位置決め突起4472G1および固定用孔4472G2を含む)が形成されている。
固定部4472Gは、図15または図16に示すように、液体流通管4471における下方側に延出する各端部側の基端部分を相互に接続し、各端部を支持する部材としての機能も有する。
以上説明した液体流通管4471および偏光板支持枠4472の製造方法は、上述した液体流通管4461および光変調素子支持枠4462の製造方法と略同様であるため、説明を省略する。
そして、3つの光変調素子保持体446を構成する各液体流通管4461における他方の端部にそれぞれ接続された各液体循環部材49の他端は、図4に示すように、3つの偏光板保持体447を構成する各液体流通管4471における下方側に延出する一対の端部のうちの一方の端部と接続する。このため、3つの光変調素子保持体446を構成する各液体流通部4461から流出した冷却液体は、3つの偏光板保持体447を構成する各液体流通管4471内部にそれぞれ流入し、他方の端部にそれぞれ接続された液体循環部材49を介して外部へとそれぞれ流出する。
〔6-2-4.支持部材の構造〕
支持部材448は、図8に示すように、略中央部分に液晶パネル441の画像形成領域に対応した矩形状の開口部4481を有する平面視矩形枠状の板体から構成され、光変調素子保持体446および偏光板保持体447を支持する部材である。
この支持部材448において、上方側端縁の左右方向略中央部分には、図8に示すように、上方側に突出し、偏光板保持体447を支持するための第1支持部4482が形成されている。
この第1支持部4482の基端部分には、図8に示すように、光束入射側および光束射出側を貫通し、偏光板保持体447を位置決めするための位置決め用孔4482Aが形成されている。
また、この第1支持部4482の先端部分には、図8に示すように、光束入射側および光束射出側を貫通し、偏光板保持体447を固定するための固定用孔4482Bが形成されている。
また、支持部材448の下方側端縁の左右方向略中央部分にも、図8に示すように、上述した第1支持部4482(位置決め用孔4482Aおよび固定用孔4482Bを含む)と同様の第1支持部4483(位置決め用孔4483Aおよび固定用孔4483Bを含む)が形成されている。
そして、偏光板保持体447の一対の位置決め突起4472F1,4472G1を支持部材448の一対の位置決め用孔4482A,4483Aに嵌合させることで、支持部材448の所定位置に偏光板保持体447が位置決めされる。この状態で、偏光板保持体447の一対の固定用孔4472F2,4472G2、および支持部材448の一対の固定用孔4482B,4483Bに一対の固定ねじ4484(図8)をそれぞれ螺合することとで、偏光板保持体447が支持部材448に固定される。
また、この支持部材448において、四隅角部分には、図8に示すように、ピン状部材449を介して光変調素子保持体446を支持する第2支持部4485がそれぞれ形成されている。
これら第2支持部4485は、図8に示すように、光束入射側に突出し、突出した先端部分が略90°曲折して入射光束に略直交する平面を有するように形成されている。そして、これら第2支持部4485は、前記平面にてピン状部材449を介して光変調素子保持体446を支持する。
そして、支持部材448は、上述したように光変調素子保持体446および偏光板保持体447を支持した状態で、板体の光束射出側端面をクロスダイクロイックプリズム444の光束入射側端面に対応するプリズム固定板445の側面に接着固定することで、光変調素子保持体446および偏光板保持体447がクロスダイクロイックプリズム444と一体化される。
〔6-2-5ピン状部材の構造〕
ピン状部材449は、図8に示すように、略柱状に形成され、支持部材448に対して光変調素子保持体446を取り付けるための部材である。
そして、ピン状部材449の外面に接着剤を塗布した状態で、該ピン状部材449をそれぞれ光変調素子保持体446の各挿通孔4462E1に挿通する。そして、ピン状部材449の端部を支持部材448の第2支持部4485の各平面に当接させる。このような状態にすることで、ピン状部材449の外周面と挿通孔4462E1の内周面とが接着剤により固定されかつ、ピン状部材449の端部と第2支持部4485の各平面とが接着剤により固定され、光変調素子保持体446と支持部材448とが一体化される。
このようなピン状部材449としては、例えば、透光性材料(例えば、アクリル樹脂等)にて形成することが好ましい。ピン状部材449を透光性材料にて形成することで、例えば、前記接着剤として紫外線硬化型接着剤を用いれば、上述した状態において、支持部材448に対して光変調素子保持体446を所定の位置に調整した後、ピン状部材449に紫外線を照射することで、ピン状部材449と挿通孔4462E1との間に介在する紫外線硬化型接着剤、およびピン状部材449と第2支持部4485の平面との間に介在する紫外線硬化型接着剤を硬化させることができ、支持部材448および光変調素子保持体446の一体化を簡単に実施できる。
そして、3つの偏光板保持体447を構成する各液体流通管4471における他方の端部にそれぞれ接続された各液体循環部材49の各他端は、図4に示すように、複数の連結部491のうち第3連結部4913により他の1つの液体循環部材49の一端と接続する。このため、3つの偏光板保持体447を構成する各液体流通管4471から流出した冷却液体は、液体循環部材49および第3連結部4913により、合流してラジエータブロック47側へと流出する。
〔6-3.偏光変換素子保持体の構造〕
図17および図18は、偏光変換素子保持体48の概略構成を示す図である。具体的に、図17は、偏光変換素子414が偏光変換素子保持体48に保持された状態を示す斜視図である。図18は、偏光変換素子414および偏光変換素子保持体48の分解斜視図である。
偏光変換素子保持体48は、偏光変換素子414を保持するとともに、内部に冷却液体が流入および流出し、該冷却液体により偏光変換素子414を冷却する。この偏光変換素子保持体48は、図17または図18に示すように、液体流通管481と、光学素子支持枠としての偏光変換素子支持枠482とを備える。
液体流通管481は、偏光変換素子414の光透過領域を囲む環形状を有し、内部に冷却液体を流通させるものである。より具体的に、液体流通管481は、偏光変換素子414の外周を囲むように平面視コ字状に形成され、図17または図18に示すように、冷却液体を流入出させる各端部が水平方向(光束射出側から見て右側)に平行して延出するように形成されている。
なお、液体流通管481は、上述した光変調素子保持体446を構成する液体流通管4461、および偏光板保持体447を構成する液体流通管4471と略同様に製造できる。
偏光変換素子支持枠482は、図17または図18に示すように、偏光変換素子414を構成する偏光変換素子本体4141の外形形状に応じた矩形状の開口部482Aを有し、偏光変換素子414を熱伝達可能に支持する平面視矩形状の枠体である。この偏光変換素子支持枠482は、図17または図18に示すように、液体流通管481を覆うように液体流通管481と一体化されたものであり、液体流通管481と熱伝達可能に構成されている。
この偏光変換素子支持枠482において、光束射出側端面は、図17または図18に示すように、略平面状となるように形成されている。なお、具体的な図示は省略するが、偏光変換素子支持枠482の光束入射側端面も同様に略平面状となるように形成されている。
そして、偏光変換素子支持枠482は、開口部482Aに偏光変換素子本体4141を嵌合させることで偏光変換素子本体4141を熱伝達可能に支持する。
ここで、この偏光変換素子支持枠482の厚み寸法は、偏光変換素子本体4141の厚み寸法と略同一となるように形成されている。このため、偏光変換素子支持枠482が偏光変換素子本体4141を支持した状態では、偏光変換素子支持枠482の光束入射側端面および光束射出側端面と、偏光変換素子本体4141の光束入射側端面および光束射出側端面とがそれぞれ略面一となる。
また、偏光変換素子支持枠482は、光束入射側端面にて偏光変換素子414を構成する遮光部材4142を支持する。偏光変換素子支持枠482の開口部482Aに偏光変換素子本体4141が嵌合された状態で、偏光変換素子支持枠482の光束入射側端面に遮光部材4142を貼り付けた場合には、偏光変換素子支持枠482の光束入射側端面、および偏光変換素子本体4141の光束入射側端面を跨るように遮光部材4142が設置される。すなわち、偏光変換素子本体4141の外周面が偏光変換素子支持枠482と熱伝達可能に接続するのみならず、遮光部材4142を介しても偏光変換素子本体4141と偏光変換素子支持枠482とが熱伝達可能に接続する。
そして、以上のように偏光変換素子414を保持した状態の偏光変換素子保持体48は、図3に示すように、光学部品用筐体45を構成する部品収納部4512の図示しない溝部に上方からスライド式に嵌め込まれて設置される。
以上説明した液体流通管481および偏光変換素子支持枠482の製造方法は、上述した液体流通管4461および光変調素子支持枠4462の製造方法や、上述した液体流通管4471および偏光板支持枠4472の製造方法と略同様であるため、説明を省略する。
そして、第1連結部4911に接続した偏光変換素子414側の液体循環部材49の他端は、図4に示すように、偏光変換素子保持体48を構成する液体流通管481における水平方向に延出した一対の端部のうちの一方の端部と接続する。このため、液体循環部材49および第1連結部4911により偏光変換素子414側に分流された冷却液体は、偏光変換素子保持体48を構成する液体流通管481内部に流入し、他方の端部に接続された液体循環部材49を介して外部へとそれぞれ流出する。
〔6-4.ラジエータブロックの構造〕
ラジエータブロック47は、外装筺体2における右前方側の膨出部分に設置され、光学装置本体44および偏光変換素子414にて温められた冷却液体の熱を放熱する部分である。このラジエータブロック47は、図3または図4に示すように、吸気ダクト471と、ラジエータ本体472と、吸気ファン473と、排気ダクト474とを備え、これら各部材が一体化したユニットとして構成されている。
吸気ダクト471は、プロジェクタ1外部の空気をラジエータブロック47内部に導入する略筒状部材で構成され、該筒状軸がプロジェクタ1の側面部21B,22Bに略直交するように配置され、図3または図4に示すように、一方の端部側に形成された吸気口4711が上述した開口部28に接続する。そして、吸気口4711には、水平方向に延びる複数の羽根板4711Aが形成されている。
ラジエータ本体472は、略直方体状の中空部材で構成される。また、このラジエータ本体472は、具体的な図示は省略するが、一端側(プロジェクタ1の後方側)の空間と他端側(プロジェクタ1の前方側)の空間とが冷却液体を流通可能とする複数の流路で連通した構造を有し、各流路の間を空気が流通可能に構成されている。本実施形態では、各流路間の隙間は、空気がプロジェクタ1の側面部21B,22Bに略直交する方向に流通可能となるように形成されている。
そして、第3連結部4913と接続した液体循環部材49の他端、および偏光変換素子保持体48を構成する液体流通管481における水平方向に延出した一対の端部のうちの他方の端部に接続された液体循環部材49の他端は、図3または図4に示すように、複数の連結部491のうち第4連結部4914により他の液体循環部材49の一端と接続する。このため、光学装置本体44からの冷却液体、および、偏光変換素子保持体48からの冷却液体は、合流してラジエータ本体472側へと流出する。
そしてまた、第4連結部4914と接続した液体循環部材49の他端は、図3に示すように、ラジエータ本体472の前記一端側の空間と連通接続する。このため、光学装置本体44からの冷却液体、および、偏光変換素子保持体48からの冷却液体は、合流した後、ラジエータ本体472の前記一端側の空間に一時的に蓄積される。また、前記一端側の空間に一時的に蓄積された冷却液体は、前記複数の流路を辿って、前記他端側の空間へと流通する。
そしてまた、ラジエータ本体472の前記他端側の空間は、図3に示すように、液体圧送部46内部に冷却液体を送入するために液体圧送部46と連通接続した液体循環部材49の他端と連通接続する。このため、前記他端側の空間へと流通した冷却液体は、液体圧送部46に強制的に送出される。
吸気ファン473は、シロッコファンで構成され、吸気口がプロジェクタ1の側面部21B,22Bと略平行となり、吐出口がプロジェクタ1の前方側に向くようにラジエータ本体472と接続する。そして、吸気ファン473は、駆動することで、開口部28を介してプロジェクタ1外部の空気を吸気ダクト471内部に導入させ、ラジエータ本体472における前記各流路間の隙間を介して吸入する。ラジエータ本体472における前記各流路間の隙間を介して空気を流通させることで、前記各流路を流通する冷却液体の熱が放熱される。
排気ダクト474は、吸気ファン473の吐出口から吐出された空気をプロジェクタ1外部に排出する略筒状部材で構成され、該筒状軸がプロジェクタ1の前面部21Eに略直交するように配置され、図3に示すように、一方の端部側に形成された吸気口(図示略)が吸気ファン473の吐出口に接続し、他方の端部側に形成された排気口4741が上述した開口部21E2と接続する。そして、排気口4741には、垂直方向に延びる複数の羽根板4741Aが形成されている。これら複数の羽根板4741Aは、図3に示すように、その板面が投射レンズ3の投射方向に対して傾斜し、排気流が投射レンズ3から離間するように形成されている。
そして、上述したラジエータブロック47は、開口部28〜吸気ダクト471〜ラジエータ本体472における各流路間の隙間〜吸気ファン473〜排気ダクト474〜開口部21E2を辿る空気の流路が外装筺体2内部のラジエータブロック47を除く他の空間に対して隔離された構造となっている。すなわち、開口部28からラジエータブロック47内部に導入された空気は、ラジエータブロック47を除く外装筺体2内部の他の空間に漏れず、開口部21E2を介してプロジェクタ1外部へと排出される。
図19は、冷却液体の流路を模式的に示す図である。
以下に、上述した光学装置4における冷却液体の流路をより明確に説明する。
液体圧送部46により圧送された冷却液体は、図19に示すように、第1連結部4911を介して、光学装置本体44側(3つの光変調素子保持体446および3つの偏光板保持体447側)と偏光変換素子414側(偏光変換素子保持体48側)の2つに分流される。すなわち、光学装置本体44(液晶パネル441、入射側偏光板442、および射出側偏光板443)側の冷却流路と、偏光変換素子414側の冷却流路とが並列となるように形成されている。
光学装置本体44側に流通した冷却液体は、図19に示すように、第2連結部4912を介して、R,G,Bの色光毎の3つの流路に分流され、3つの光変調素子保持体446を構成する各液体流通管4461内にそれぞれ流入する。この際、液晶パネル441および入射側偏光板442の熱が光変調素子支持枠4462、熱伝導性シート4463、および液体流通管4461を介して液体流通管4461内を流通する冷却液体に伝達され、液晶パネル441および入射側偏光板442が冷却される。
また、各液体流通管4461を介して外部に流通した冷却液体は、図19に示すように、3つの偏光板保持体447を構成する各液体流通管4471内にそれぞれ流入する。この際、射出側偏光板443の熱が偏光板支持枠4472および液体流通管4471を介して液体流通管4471内を流通する冷却液体に伝達され、射出側偏光板443が冷却される。
以上のように、R,G,Bの色光毎に、光変調素子保持体446の液体流通管4461、および偏光板保持体447の液体流通管4471は、各冷却流路が直列に接続されている。また、直列に接続された光変調素子保持体446および偏光板保持体447の3組は、各冷却流路が並列に接続されている。
各偏光板保持体447の液体流通管4471を介して外部に流通した冷却液体は、図19に示すように、第3連結部4913を介して合流し、第4連結部4914へと流通する。
一方、偏光変換素子414側に流通した冷却液体は、図19に示すように、偏光変換素子保持体48の液体流通管481内に流入する。この際、偏光変換素子414の熱が偏光変換素子支持枠482および液体流通管481を介して液体流通管481内を流通する冷却液体に伝達され、偏光変換素子414が冷却される。そして、液体流通管481を介して外部に流通した冷却液体は、第4連結部4914へと流通する。
光学装置本体44側および偏光変換素子414側から第4連結部4914へと流通する冷却液体は、図19に示すように、第4連結部4914を介して合流し、ラジエータブロック47へと流通する。この際、液晶パネル441、入射側偏光板442、射出側偏光板443、および偏光変換素子414により温められた冷却液体は、ラジエータブロック47を通過する際に、熱を放熱して冷却される。そして、ラジエータブロック47を介して冷却された冷却液体は、液体圧送部46により送入され、再度、上記同様に、流通する。
上述した本実施形態においては、第1の光学素子保持体としての光変調素子保持体446を構成する液体流通管4461は、光学素子としての液晶パネル441の画像形成領域(光透過領域)を囲む環形状を有している。なお、第2の光学素子保持体としての偏光板保持体447を構成する液体流通管4471、および偏光変換素子保持体48を構成する液体流通管481も同様である。このことにより、光源装置411から射出された光束が冷却液体を透過することがない。このため、例えば、光変調素子保持体446の構成によれば、以下の効果がある。
例えば、冷却液体に気泡や塵埃等が混入した場合であっても、混入した気泡や塵埃等に光束が照射されないので、液晶パネル441にて形成される光学像に気泡や塵埃等の像が入り込むことがない。
また、例えば、冷却液体に温度差が生じた場合であっても、液晶パネル441にて形成される光学像に揺らぎが発生することもない。
さらに、例えば、冷却液体が劣化し、冷却液体が着色した場合であっても、液晶パネル441にて形成される光学像に照度低下や色再現性の劣化が生じることもない。
なお、以上の効果は、偏光板保持体447の構成、偏光変換素子保持体48の構成によっても略同様の効果を奏する。
したがって、光学部品412〜415,418,421〜423,431〜434,441〜444の光透過領域を透過する光束を安定に維持でき、光学装置4により良好な光学像(カラー画像)を形成できる。また、光変調素子保持体446、偏光板保持体447、および偏光変換素子保持体48は、液晶パネル441、射出側偏光板443、および偏光変換素子414の光束入射側および/または光束射出側に冷却液体を充填しない構造であるので、冷却液体を封入するためのパッキン等を省略でき、冷却液体の漏れのない良好な液冷システムを実現できる。
また、光変調素子保持体446を構成する液体流通管4461および光変調素子支持枠4462は、熱伝導性を有する材料(第1の樹脂組成物および第2の樹脂組成物)から構成され一体的に形成されているので、液晶パネル441にて生じた熱を、液晶パネル441〜光変調素子支持枠4462〜液体流通管4461〜冷却液体の熱伝達経路を辿って効果的に放熱させることができ、液晶パネル441を効率的に冷却できる。
なお、偏光板保持体447および偏光変換素子保持体48も光変調素子保持体446と略同様の構成であり、射出側偏光板443および偏光変換素子414を効率的に冷却できる。
さらに、光変調素子保持体446は、二重成形により形成されているので、例えば、液体流通管および光変調素子支持枠を別体で形成し、液体流通管および光変調素子支持枠を組み合わせることで光変調素子保持体を製造する構成と比較して、液体流通管4461および光変調素子支持枠4462間の熱抵抗を効果的に低減でき、液晶パネル441に生じた熱を良好に冷却液体に伝達させることができ液晶パネル441を効果的に冷却できる。また、上記構成と比較して、製造誤差による液体流通管4461および光変調素子支持枠4462のガタツキもない。このため、複数の光変調素子保持体446を製造した場合であっても、各光変調素子保持体446において、光変調素子保持体4462に対する液体流通管4461の配置位置のずれにより、液晶パネル441の冷却効率に差が出ることもなく、冷却効率の安定した光変調素子保持体446を製造できる。
なお、偏光板保持体447および偏光変換素子保持体48も光変調素子保持体446と同様に、二重成形で形成されているので、上記略同様の効果を奏する。
ここで、光変調素子支持枠4462は、液晶パネル441を支持した状態で該液晶パネル441を構成する対向基板441Dの外面に配設された防塵ガラス441F2と熱伝達可能に接続するので、液晶パネル441〜光変調素子支持枠4462の熱伝達経路での放熱特性を向上させ、液晶パネル441を効果的に冷却できる。
また、熱伝導性シート4463が光変調素子支持枠4462の光束射出側端面、および、駆動基板441Cの外面に配設された防塵ガラス441F1の光束射出側端面を跨ぐように貼り付けられているので、液晶パネル441(防塵ガラス441F2)〜光変調素子支持枠4462〜液体流通管4461〜冷却液体を辿る熱伝達経路の他、液晶パネル441(防塵ガラス441F1)〜熱伝導性シート4463〜光変調素子支持枠4462〜液体流通管4461〜冷却液体を辿る熱伝達経路を形成でき、液晶パネル441をより効果的に冷却できる。
また、熱伝導性シート4463は、折り曲げ可能なシート状部材で構成されているので、光変調素子支持枠4462の光束射出側端面、および防塵ガラス441F1の光束射出側端面に段差があった場合であっても、各光束射出側端面に確実に熱伝導性シート4463を貼り付けることができかつ、貼り付け作業も容易に実施できる。
さらに、光変調素子支持枠4462は、光束射出側にて液晶パネル441を支持し、光束入射側にて入射側偏光板442を支持するので、例えば、隣接配置する液晶パネル441および入射側偏光板442を別々の光学素子保持体にて支持させる構成と比較して、部材の省略からプロジェクタ1の製造コストを低減できるとともに、プロジェクタ1の小型化も図れる。
ところで、光変調素子支持枠4462が互いに対向する端面側にて液晶パネル441および入射側偏光板442をそれぞれ支持した場合には、液晶パネル441および入射側偏光板442により光変調素子支持枠4462の開口部4462Aが閉塞され、所定の空間が形成されることとなる。そして、液晶パネル441および入射側偏光板442に生じた熱により前記空間内の空気の温度が上昇して熱膨張した場合には、光変調素子支持枠4462に対する液晶パネル441および入射側偏光板442の支持状態が変更されて液晶パネル441および入射側偏光板442の位置ずれが生じる恐れがある。
本実施形態では、光変調素子支持枠4462には凹部4462Cが形成されているので、光変調素子支持枠4462が互いに対向する端面側にて液晶パネル441および入射側偏光板442をそれぞれ支持した場合であっても、開口部4462A、液晶パネル441、および入射側偏光板442で囲まれる空間と光変調素子支持枠4462とが凹部4462Cにより連通される。このため、液晶パネル441および入射側偏光板442に生じた熱により前記空間内の空気の温度が上昇して熱膨張しても、熱膨張した空気を、凹部4462Cを介して光変調素子支持枠4462外部に逃がすことができ、光変調素子支持枠4462に対する液晶パネル441および入射側偏光板442の位置ずれを回避できる。
そして、光学装置4は、液体圧送部46、ラジエータブロック47、および複数の液体循環部材49を備えているので、各液体流通管4461,4471,481内だけでなく、これら各部材46,47,49内にも冷却液体を封入することで、冷却液体の容量を大きくすることができ、液晶パネル441、入射側偏光板442、射出側偏光板443、および偏光変換素子414と冷却液体との熱交換能力を向上させることができる。
また、光学装置4が液体圧送部46を備えているので、各光学素子441〜443,414により温められた各液体流通管4461,4471,481内の冷却液体を複数の液体循環部材49を介して外部へと流出させ、また、外部の冷却液体を複数の液体循環部材49を介して各液体流通管4461,4471,481内に流入させ、各液体流通管4461,4471,481内の冷却液体の入れ換えを確実に実施できる。したがって、各光学素子441〜443,414と冷却液体との間で常に大きい温度差を確保し、冷却液体と各光学素子441〜443,414との熱交換効率を向上させることができる。
ここで、光学装置本体44は、各液体流通管4461,4471における冷却液体が流入出する各端部が全て同一方向(下方向)に延出するように形成されている。また、光学装置本体44は、光学部品用筐体45の開口部4512Bを介して、光学部品用筐体45の下方側から光学部品用筐体45内部に着脱される。すなわち、光学装置本体44の各液体流通管4461,4471に対する液体循環部材49の着脱方向(上下方向)と、光学部品用筐体45に対する光学装置本体44の着脱方向(上下方向)とが同一方向に設定されている。このことにより、例えば、光学部品用筐体45に対して光学装置本体44を取り付けた後、光学部品用筐体45の姿勢を変えずに、光学装置本体44に対して液体循環部材49を取り付けることができ、組み立て作業を容易に実施できる。同様に、例えば、光学装置本体44から液体循環部材49を取り外した後、光学部品用筐体45の姿勢を変えずに、光学部品用筐体45から光学装置本体44を取り外すことができ、取り外し作業も容易に実施できる。
ところで、上述したように、光学部品用筐体45に対して光学装置本体44を取り付けた状態(光源装置411から射出される光束の光軸に対して適切な位置に光変調素子保持体446(液晶パネル441および入射側偏光板442)および偏光板保持体447(射出側偏光板443)を位置決めした状態)で、光学装置本体44に対して液体循環部材を取り付ける際には、液体循環部材の変形応力により、光変調素子保持体446(液晶パネル441および入射側偏光板442)および偏光板保持体447(射出側偏光板443)が位置ずれを起こしやすい。特に、液体循環部材として樹脂チューブを用い、該樹脂チューブの内径が肉厚の等倍未満である場合や、樹脂チューブの硬度が50度(ASKER C)を超える場合等に、光変調素子保持体446(液晶パネル441および入射側偏光板442)および偏光板保持体447(射出側偏光板443)の位置ずれが顕著に現れる。
本実施形態では、液体循環部材49は、内径が肉厚の等倍以上でありかつ、硬度が50度(ASKER C)以下の樹脂チューブで構成されているので、以下に示すように、液晶パネル441、入射側偏光板442、射出側偏光板443の位置ずれを抑制できる。
具体的に、画素ピッチが14μmの液晶パネル441を用い、上述したように取り付けた場合での位置ずれ量(画素ずれ量)を確認した。
比較例1では、液体循環部材として、内径寸法を1.4mm、肉厚寸法を1.5mm、硬度を50度(ASKER C)に設定した樹脂チューブを用いた。
比較例2では、液体循環部材として、内径寸法を5.0mm、肉厚寸法を1.1mm、硬度を60度(ASKER C)に設定した樹脂チューブを用いた。
実施例1では、液体循環部材として、内径寸法を1.4mm、肉厚寸法を0.5mm、硬度を50度(ASKER C)に設定した樹脂チューブを用いた。
実施例2では、液体循環部材として、内径寸法を1.4mm、肉厚寸法を1.0mm、硬度を50度(ASKER C)に設定した樹脂チューブを用いた。
結果としては、以下の表1に示す通りである。
Figure 2007041412
比較例1においては、表1に示すように、上述したように取り付けた場合、1/2画素の画素ずれ、すなわち、光変調素子保持体446(液晶パネル441)の位置が0.7μm程度ずれたことが確認された。
また、比較例2においては、表1に示すように、上述したように取り付けた場合、5画素の画素ずれ、すなわち、光変調素子保持体446(液晶パネル441)の位置が、70μm程度ずれたことが確認された。
これに対して、実施例1および実施例2においては、表1に示すように、上述したように取り付けた場合であっても、画素ずれ、すなわち、光変調素子保持体446(液晶パネル441)の位置ずれは確認されなかった。
以上のことにより、液体循環部材49として、内径が肉厚の等倍以上でありかつ、硬度が50度(ASKER C)以下の樹脂チューブで構成することで、光変調素子保持体446や偏光板保持体447への変形反力を小さくでき、上述したように取り付けた場合であっても、光変調素子保持体446や偏光板保持体447の位置ずれを回避できることが確認された。
また、液体循環部材49として上述した樹脂チューブを採用することで、例えば、液体循環部材49により各部材44,46〜48を接続した状態で、光源装置411から射出される光束の光軸に対して適切な位置に光変調素子保持体446(液晶パネル441および入射側偏光板442)や偏光板保持体447(射出側偏光板443)を位置決めする場合や、適切な位置から光変調素子保持体446(液晶パネル441および入射側偏光板442)や偏光板保持体447(射出側偏光板443)が位置ずれを起こしている場合等でも、液体循環部材49を容易に折り曲げ等することができるので、液体循環部材49を折り曲げて光変調素子保持体446(液晶パネル441および入射側偏光板442)や偏光板保持体447(射出側偏光板443)を適切な位置に位置決めすることもできる。
また、3つの光変調素子保持体446の各液体流通管4461は、液体循環部材49により、各液体流通管4461を流通する冷却液体の各冷却流路が並列となるように接続されている。このことにより、各液体流通管4461に同一温度の冷却液体をそれぞれ流通させることができ、R,G,B色光毎の液晶パネル441および入射側偏光板442の3組を均一に冷却できる。
さらに、R,G,Bの色光毎に、光変調素子保持体446の液体流通管4461、および偏光板保持体447の液体流通管4471は、各冷却流路が直列に接続されている。このことにより、例えば、各液体流通管4461および各液体流通管4471を、液体循環部材49により、並列となるように接続した構成と比較して、各部材44,46〜48を接続する液体循環部材49の本数を低減し、液体循環部材49を少ない本数で構成しながらR,G,B毎の液晶パネル441、入射側偏光板442、および射出側偏光板443の3組の均一冷却を良好に実施できる。
さらにまた、光学装置本体44(液晶パネル441、入射側偏光板442、および射出側偏光板443)側の冷却流路と、偏光変換素子414側の冷却流路とが並列となるように形成されている。このことにより、光学装置本体44側と偏光変換素子414側に、同一温度の冷却液体をそれぞれ流通させることができ、光学装置本体44にて温められた冷却液体が偏光変換素子414側に流通されたり、逆に、偏光変換素子414にて温められた冷却液体が光学装置本体44側に流通されたりすることがなく、光学装置本体44(液晶パネル441、入射側偏光板442、および射出側偏光板443)および偏光変換素子414を良好に冷却できる。
そして、プロジェクタ1は、液晶パネル441、入射側偏光板442、射出側偏光板443、および偏光変換素子414を効率的に冷却できる光学装置4を備えているので、各光学素子441〜443,414の熱劣化を防止でき、該プロジェクタ1の高寿命化を図れる。
また、プロジェクタ1は、各光学部品412〜415,418,421〜423,431〜434,441〜444の光透過領域を透過する光束を安定に維持できる光学装置4を備えているので、投射レンズ3を介して良好な光学像を投射することができる。
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明は、これらの実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の改良並びに設計の変更が可能である。
前記実施形態において、光学素子保持体としての光変調素子保持体446、偏光板保持体447、および偏光変換素子保持体48の製造方法は、前記実施形態で説明した製造方法に限らない。例えば、以下に示すように、製造しても構わない。
先ず、光学素子(液晶パネル441、入射側偏光板442、射出側偏光板443、および偏光変換素子414)の光透過領域を囲む環形状を有するように、金属製の筒状部材に曲げ加工を施して液体流通管を形成する。例えば、前記液体流通管の形状は、前記実施形態で説明した液体流通管4461,4471,481と同様の形状を採用できる。
この後、図示しない金型内に前記液体流通管を収納する。この状態で、熱伝導性を有する樹脂組成物を所定の温度で加熱して溶融状態とし、図示しない前記金型を所定の温度に加熱しつつ、前記金型内に前記液体流通管の外側から溶融状態の前記樹脂組成物を射出する。そして、前記液体流通管および光学素子支持枠が一体化され、光学素子保持体が製造される。例えば、前記光学素子支持枠の形状は、前記実施形態で説明した光学素子支持枠4462,4472,482と同様の形状を採用できる。
以上のように光学素子保持体を製造した場合であっても、前記実施形態と同様の効果を享受できる。
前記実施形態では、R,G,Bの色光毎に、光変調素子保持体446の液体流通管4461、および偏光板保持体447の液体流通管4471は、各冷却流路が直列に接続されている。また、直列に接続された光変調素子保持体446および偏光板保持体447の3組は、各冷却流路が並列に接続されている。本発明は、このような接続方式に限らない。
例えば、前記実施形態では、冷却液体の流路中の上流側に光変調素子保持体446が配設され、下流側に偏光板保持体447が配設されていたが、逆に、冷却液体の流路中の下流側に光変調素子保持体446を配設し、上流側に偏光板保持体447を配設する構成を採用してもよい。
また、例えば、以下に示す接続方式を採用してもよい。
図20および図21は、液体循環部材49による各光変調素子保持体446および各偏光板保持体447の他の接続方式の例を模式的に示す図である。
例えば、図20に示すように、3つの光変調素子保持体446の各液体流通管4461を液体循環部材49により直列となるように接続する。また、3つの偏光板保持体447の各液体流通管4471を液体循環部材49により直列となるように接続する。そして、直列に接続された各液体流通管4461を流通する冷却流路と、直列に接続された各液体流通管4471を流通する冷却流路とを並列に設定する。
このような構成では、前記実施形態と比較して、光学装置本体44周りの液体循環部材49の本数を低減でき(前記実施形態では9本に対して図20の例では8本)、液体循環部材49の引き回し作業(接続作業)を容易に実施できる。また、例えば、各液体流通管4461および各液体流通管4471を、液体循環部材49により、直列となるように接続した構成(図21)と比較して、流路の上流側と下流側との間で生じる冷却液体の温度変化を最小限に抑え、流路の上流側と流路の下流側との間での冷却効率の差を最小限に抑えることができる。
なお、図20に示す例では、冷却流路がB,G,Rの順に流通する構成を図示しているが、これに限らず、その他の順で流通する構成としても構わない。
また、例えば、図21に示すように、3つの光変調素子保持体446の各液体流通管4461、および3つの偏光板保持体447の各液体流通管4471を、液体循環部材により、直列となるように接続する。この際、同一の色光を入射する液晶パネル441および射出側偏光板443をそれぞれ保持する光変調素子保持体446および偏光板保持体447の各液体流通管4461,4471が冷却液体の流路中で互いに隣接するように各液体流通管4461,4471を接続する。
このような構成では、光学装置本体44周りの液体循環部材49の本数を最低限の本数で構成でき(図21の例では7本)、液体循環部材49の引き回し作業をさらに容易に実施できる。また、同一の色光を入射する液晶パネル441および射出側偏光板443は、光学部品用筐体45内において近接配置される。そして、隣接配置する液晶パネル441および射出側偏光板443をそれぞれ保持する光変調素子保持体446および偏光板保持体447を流路中で互いに隣接するように各液体流通管4461,4471が接続されているので、液体循環部材49の引き回し作業をさらに一層容易に実施できる。
なお、図21に示す例では、冷却流路がB,G,Rの順に流通する構成を図示しているが、これに限らず、その他の順で流通する構成としても構わない。
また、図21に示す例では、各色光毎に、冷却液体の流路中の上流側に光変調素子保持体446が配設され、下流側に偏光板保持体447が配設されていたが、逆に、冷却液体の流路中の下流側に光変調素子保持体446を配設し、上流側に偏光板保持体447を配設する構成としても構わない。
前記実施形態において、偏光変換素子保持体48の構成は、前記実施形態で説明した構成に限らない。
図22および図23は、偏光変換素子保持体48の変形例を示す図である。
例えば、図22に示すように、偏光変換素子本体4141(図17または図18)の光束射出側に熱伝導性部材としての透光性基板483を配設する。この透光性基板483としては、防塵ガラス441F1,441F2と同様に、例えば、サファイア、水晶、YAG等の材料を採用できる。
そして、透光性基板483を図22に示すように配設した場合には、偏光変換素子本体4141を構成する位相差板4141Bと偏光変換素子支持枠482とを熱伝達可能に接続する。
このような構成では、偏光変換素子414〜偏光変換素子支持枠482〜液体流通管481〜冷却液体を辿る第1の熱伝達経路の他、偏光変換素子414(位相差板4141B)〜透光性基板483〜偏光変換素子支持枠482〜液体流通管481〜冷却液体を辿る第2の熱伝達経路を形成でき、偏光変換素子414をより効率的に冷却できる(特に、位相差板4141Bを効率的に冷却できる)。
また、図示は省略するが、透光性基板483の光束射出側端面に熱伝達可能に接続し、偏光変換素子414の光透過領域を囲む環形状を有し内部に冷却液体を流通させる熱伝導性材料から構成される第2の液体流通管を配設する構成を採用してもよい。なお、前記第2の液体流通管としては、前記実施形態で説明した液体流通管4461,4471,481と異なり、例えば、金属製の筒状部材を曲げ加工を施すことにより形成されたものを採用できる。
このような構成では、前記第2の液体流通管が透光性基板483の外面に熱伝達可能に接続しているので、上述した第1の熱伝達経路および第2の熱伝達経路の他、偏光変換素子414〜透光性基板483〜前記第2の液体流通管〜冷却液体を辿る第3の熱伝達経路を形成でき、偏光変換素子414をより一層効果的に冷却できる。
なお、前記第2の液体流通管の接続方式は、特に限定されず、液体流通管481と直列に接続してもよく、液体流通管481と並列に接続してもよい。
同様に、前記実施形態において、上記同様の第2の液体流通管を、光変調素子保持体446における熱伝導性シート4463の光束射出側に熱伝達可能に接続した構成を採用してもよい。
このような構成では、液晶パネル441(防塵ガラス441F2)〜光変調素子支持枠4462〜液体流通管4461〜冷却液体を辿る第1の熱伝達経路、および液晶パネル441(防塵ガラス441F1)〜熱伝導性シート4463〜光変調素子支持枠4462〜液体流通管4461〜冷却液体を辿る第2の熱伝達経路の他、液晶パネル441(防塵ガラス441F1)〜熱伝導性シート4463〜前記第2の液体流通管〜冷却液体を辿る第3の熱伝達経路を形成でき、液晶パネル441をより一層効果的に冷却できる。
なお、前記第2の液体流通管の接続方式は、特に限定されず、液体流通管4461と直列に接続してもよく、液体流通管4461と並列に接続してもよい。
また、例えば、図23に示すように、遮光部材4142の光束入射側端面に熱伝達可能に接続し、複数の遮光部4142Bに沿う蛇行形状を有し、内部に冷却液体を流通させる熱伝導性材料から構成される第2の液体流通管484を配設する構成を採用してもよい。この第2の液体流通管484としては、前記第2の液体流通管と同様の方法で形成された構成を採用できる。
このような構成では、偏光変換素子414〜偏光変換素子支持枠482〜液体流通管481〜冷却液体を辿る熱伝達経路の他、偏光変換素子414(遮光部材4142)〜第2の液体流通管484〜冷却液体を辿る熱伝達経路を形成でき、偏光変換素子414をより効果的に冷却できる。
また、第2の液体流通管484は、遮光部材4142の複数の遮光部4142Bに沿う蛇行形状を有しているので、偏光変換素子414の光透過領域(遮光部材4142の複数の開口部4142A)に第2の液体流通管484が平面的に干渉することなく、偏光変換素子414を介して射出される直線偏光光束を安定に維持できる。
なお、第2の液体流通管484の接続方式は、特に限定されず、液体流通管481と直列に接続してもよく、液体流通管481と並列に接続してもよい。
また、図22および図23を併用した構成を採用しても構わない。
前記実施形態では、光学装置4を流通する冷却液体を冷却する放熱装置として、ラジエータブロック47を採用したが、これに限らない。
図24は、放熱装置の他の例を示す図である。
例えば、ラジエータブロック47の代わりに図24に示す放熱装置57を採用してもよい。
この放熱装置57は、図24に示すように、外装筐体2の天面部21Aの裏面に取り付けられ、外装筺体2の天面部21Aよりも若干小さい面積を有する熱伝導性を有する板体571と、板体571の板面と熱伝達可能に接続し板体571の板面上で蛇行形状を有するように配設され内部に冷却液体を流通させる熱伝導性材料から構成される液体流通管572とで構成される。
そして、光学装置4を流通する冷却液体の流路中に放熱装置57を配設することで、光学装置本体44や偏光変換素子414にて温められた冷却液体の熱は、液体流通管572から板体571へと伝達され、板体571から空気中に放熱される。ラジエータブロック47の代わりに放熱装置57を採用することで、吸気ファン473の駆動時の音がない分、プロジェクタの静音化を図れる。
なお、ラジエータブロック47および放熱装置57を併用した構成を採用しても構わない。
また、放熱装置57は、外装筺体2の天面部21Aの裏面に取り付ける構成に限らず、その配設位置は、特に限定されない。
前記実施形態において、各光学素子441〜443,414の冷却効率を向上させることを目的として、複数の液体循環部材49のうちいずれかの液体循環部材49の配設位置を以下に示すように配設しても構わない。
図25は、液体循環部材49の配設位置の他の例を示す図である。
例えば、図25に示すように、複数の液体循環部材49のうちいずれかの液体循環部材49を光源装置収納部4511および部品収納部4512の間で部品収納部材451と熱伝達可能に接続する。図25に示す例では、第1レンズアレイ412および第2レンズアレイ413の各配設位置間にいずれかの液体循環部材49を配設している。
このような構成では、光源装置411により温められ、光源装置収納部4511〜部品収納部4512の熱伝達経路を辿って伝達される熱を液体循環部材49にて冷却できる。すなわち、光源装置411から部品収納部4512に収納される光学部品412〜415,418,421〜423,431〜434,44に熱が伝達されることを防止できる。
前記実施形態において、ラジエータブロック47を省略した構成を採用しても構わない。このような構成を採用した場合でも、本発明の目的を十分に達成できる。
前記実施形態において、光学素子として液晶パネル441、入射側偏光板442、射出側偏光板443、偏光変換素子414を採用したが、これに限らず、入射光束により熱が生じる光学素子であれば、いずれの光学素子を採用しても構わない。
前記実施形態において、光学装置4を流通する冷却液体の流量は、いずれの位置でも略同一に設定していたが、これに限らず、冷却対象となる光学素子の発熱量に応じて、流量を異なるものとする構成を採用してもよい。例えば、偏光変換素子414の発熱量が光学装置本体44の発熱量よりも低い場合には、液体循環部材49の内径の変更等により、光学装置本体44側に流通する冷却液体の流量よりも、偏光変換素子414側に流通する冷却液体の流量が小さくなるように設定する。また、流量を異なるものとする構成としては、液体循環部材49の内径の変更に限らず、冷却液体の流路中に弁を設け、該弁の位置を変更することで流路を狭めたり拡げたりする構成を採用してもよい。
前記実施形態では、光学装置4が平面視略L字形状を有した構成を説明したが、これに限らず、例えば、平面視略U字形状を有した構成を採用してもよい。
前記実施形態では、3つの液晶パネル441を用いたプロジェクタ1の例のみを挙げたが、本発明は、1つの液晶パネルのみを用いたプロジェクタ、2つの液晶パネルのみを用いたプロジェクタ、あるいは、4つ以上の液晶パネルを用いたプロジェクタにも適用可能である。
前記実施形態では、光入射面と光射出面とが異なる透過型の液晶パネルを用いていたが、光入射面と光射出面とが同一となる反射型の液晶パネルを用いてもよい。
前記実施形態では、光変調素子として液晶パネルを用いていたが、マイクロミラーを用いたデバイスなど、液晶以外の光変調素子を用いてもよい。この場合は、光束入射側および光束射出側の偏光板は省略できる。
前記実施形態では、スクリーンを観察する方向から投射を行うフロントタイプのプロジェクタの例のみを挙げたが、本発明は、スクリーンを観察する方向とは反対側から投射を行うリアタイプのプロジェクタにも適用可能である。
本発明を実施するための最良の構成などは、以上の記載で開示されているため、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ、説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。
したがって、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部若しくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
本発明の光学素子保持体は、光学素子の光透過領域を透過する光束を安定に維持できかつ、光学素子を効率的に冷却できるため、液晶パネル、偏光板、および偏光変換素子を保持する部材として利用できる。
本実施形態におけるプロジェクタの外観を示す斜視図。 前記実施形態におけるプロジェクタの内部構成を示す図。 前記実施形態における光学装置の概略構成を示す斜視図。 前記実施形態における光学装置の概略構成を示す斜視図。 前記実施形態における光学装置の光学系を模式的に示す平面図。 前記実施形態における光学装置本体の概略構成を示す図。 前記実施形態における光学装置本体の概略構成を示す図。 前記実施形態における光学装置本体の概略構成を示す図。 前記実施形態における光学部品用筐体に対する光学装置本体の取付構造を示す図。 前記実施形態における光変調素子保持体の概略構成を示す斜視図。 前記実施形態における光変調素子保持体の概略構成を示す斜視図。 前記実施形態における液晶パネルおよび入射側偏光板が支持された状態で光変調素子保持体を上下方向略中心位置を通る水平方向の平面で切断した断面図。 前記実施形態における液体流通管の概略構成を示す図。 前記実施形態における液体流通管の概略構成を示す図。 前記実施形態における偏光板保持体の概略構成を示す斜視図。 前記実施形態における偏光板保持体の概略構成を示す斜視図。 前記実施形態における偏光変換素子保持体の概略構成を示す図。 前記実施形態における偏光変換素子保持体の概略構成を示す図。 前記実施形態における冷却液体の流路を模式的に示す図。 前記実施形態の変形例を示す図。 前記実施形態の変形例を示す図。 前記実施形態の変形例を示す図。 前記実施形態の変形例を示す図。 前記実施形態の変形例を示す図。 前記実施形態の変形例を示す図。
符号の説明
1・・・プロジェクタ、3・・・投射レンズ(投射光学装置)、4・・・光学装置、46・・・液体圧送部、48・・・偏光変換素子保持体(第3の光学素子保持体)、49・・・液体循環部材、411・・・光源装置、414・・・偏光変換素子(光学素子)、441・・・液晶パネル(光学素子)、441C,441D・・・一対の基板、441F1,441F2・・・防塵ガラス(透光性基板)、442・・・入射側偏光板(光学素子)、443・・・射出側偏光板(光学素子)、446・・・光変調素子保持体(第1の光学素子保持体)、447・・・偏光板保持体(第2の光学素子保持体)、481,4461,4471・・・液体流通管、482・・・偏光変換素子支持枠(光学素子支持枠)、482A,4462A,4472A・・・開口部、483・・・透光性基板(熱伝導性部材)、484・・・第2の液体流通管、4141・・・偏光変換素子本体、4141B・・・位相差板、4142・・・遮光部材、4142A・・・開口部、4142B・・・遮光部、4462・・・光変調素子支持枠(光学素子支持枠)、4461A・・・液体流通部、4462C・・・凹部(連通部)、4463・・・熱伝導性シート(熱伝導性部材)、4472・・・光変調素子支持枠(光学素子支持枠)。

Claims (20)

  1. 入射した光束の光学特性を変換する光学素子を保持する光学素子保持体であって、
    前記光学素子の光透過領域を囲む環形状を有し内部に冷却液体を流通させる液体流通管と、前記液体流通管と熱伝達可能に接続され前記光透過領域に応じた開口部を有し前記光学素子の周縁部を熱伝達可能に支持する光学素子支持枠とを備え、
    前記液体流通管は、前記冷却液体の流通方向に略平行する平面にて分割形成された一対の液体流通部で構成され、
    前記一対の液体流通部は、熱伝導性を有する第1の樹脂組成物を溶融状態で第1の金型内に射出することで形成され、
    前記光学素子支持枠は、第2の金型内に前記一対の液体流通部を組み合わせた状態で収納し、前記一対の液体流通部の外側から熱伝導性を有する第2の樹脂組成物を溶融状態で前記第2の金型内に射出することで、前記一対の液体流通部に一体的に形成されていることを特徴とする光学素子保持体。
  2. 入射した光束の光学特性を変換する光学素子を保持する光学素子保持体であって、
    前記光学素子の光透過領域を囲む環形状を有し内部に冷却液体を流通させる液体流通管と、前記液体流通管と熱伝達可能に接続され前記光透過領域に応じた開口部を有し前記光学素子の周縁部を熱伝達可能に支持する光学素子支持枠とを備え、
    前記液体流通管は、金属製の管状部材に曲げ加工を施すことで前記環形状を有するように形成され、
    前記光学素子支持枠は、金型内に前記液体流通管を収納し、前記液体流通管の外側から熱伝導性を有する樹脂組成物を溶融状態で前記金型内に射出することで、前記液体流通管に一体的に形成されていることを特徴とする光学素子保持体。
  3. 請求項1または請求項2に記載の光学素子保持体において、
    前記光学素子は、入射した光束を画像情報に応じて変調する光変調素子であり、
    前記光学素子支持枠は、前記光変調素子の周縁部を熱伝達可能に支持することを特徴とする光学素子保持体。
  4. 請求項3に記載の光学素子保持体において、
    前記光変調素子は、一対の基板間に電気光学材料が密閉封入された構成を有し、
    前記一対の基板のうち少なくともいずれかの基板外面には、熱伝導性を有する透光性基板が配設され、
    前記光学素子支持枠は、前記光変調素子を支持した状態で前記透光性基板と熱伝達可能に接続することを特徴とする光学素子保持体。
  5. 請求項1または請求項2に記載の光学素子保持体において、
    前記光学素子は、入射した光束のうち所定の偏光軸を有する光束を透過する偏光素子であり、
    前記光学素子支持枠は、前記偏光素子の周縁部を熱伝達可能に支持することを特徴とする光学素子保持体。
  6. 請求項1から請求項5のいずれかに記載の光学素子保持体において、
    前記光学素子支持枠は、2つの前記光学素子を、互いに対向する端面側にてそれぞれ支持することを特徴とする光学素子保持体。
  7. 請求項6に記載の光学素子保持体において、
    前記光学素子支持枠には、前記開口部内部と前記光学素子支持枠外部とを連通する連通部が形成されていることを特徴とする光学素子保持体。
  8. 請求項1または請求項2に記載の光学素子保持体において、
    前記光学素子は、入射した光束に対して傾斜配置され前記入射した光束を2種類の直線偏光光束に分離する複数の偏光分離膜、各偏光分離膜の間に交互に並行配置され前記偏光分離膜で分離されたいずれか一方の直線偏光光束を反射する複数の反射膜、前記複数の偏光分離膜および前記複数の反射膜が設けられる透光性部材、および、前記透光性部材の光束射出側に設けられ前記偏光分離膜で分離されたいずれか一方の直線偏光光束の偏光軸を他方の直線偏光光束の偏光軸に変換する複数の位相差板を含んで構成され、前記入射した光束を所定の直線偏光光束に変換する偏光変換素子であり、
    前記光学素子支持枠は、前記偏光変換素子の周縁部を熱伝達可能に支持することを特徴とする光学素子保持体。
  9. 請求項8に記載の光学素子保持体において、
    前記偏光変換素子は、前記複数の偏光分離膜、前記複数の反射膜、前記透光性部材、および前記複数の位相差板で構成される偏光変換素子本体と、前記偏光変換素子本体の光束入射側端面に一体的に配設される遮光部材を備え、
    前記遮光部材は、前記複数の偏光分離膜に応じた位置に形成され入射した光束を通過させる複数の開口部と、前記複数の反射膜に応じた位置に形成され入射した光束を遮断する複数の遮光部とを備え、
    熱伝導性材料から構成され、前記遮光部材の光束入射側端面に熱伝達可能に接続し、前記複数の遮光部に沿う蛇行形状を有し、内部に冷却液体を流通させる第2の液体流通管を備えていることを特徴とする光学素子保持体。
  10. 請求項1から請求項9のいずれかに記載の光学素子保持体において、
    前記光学素子外面および前記光学素子支持枠を跨ぐように配設され、前記光学素子外面および前記光学素子支持枠を熱伝達可能に接続する熱伝導性部材を備えていることを特徴とする光学素子保持体。
  11. 請求項10に記載の光学素子保持体において、
    前記熱伝導性部材の外面に熱伝達可能に接続し、前記光透過領域を囲む環形状を有し内部に冷却液体を流通させる第2の液体流通管を備えていることを特徴とする光学素子保持体。
  12. 入射した光束の光学特性を変換する光学素子を含んで構成される光学装置であって、
    請求項1から請求項11のいずれかに記載の光学素子保持体と、
    前記光学素子保持体を構成する液体流通管と接続され、前記液体流通管内の冷却液体を外部に案内し、再度、前記液体流通管内に導く複数の液体循環部材と、
    前記複数の液体循環部材における前記冷却液体の流路中に配置され、前記冷却液体を前記複数の液体循環部材を介して前記液体流通管内に圧送し、前記冷却液体を強制的に循環させる液体圧送部とを備えていることを特徴とする光学装置。
  13. 請求項12に記載の光学装置において、
    前記液体循環部材は、樹脂チューブで構成され、
    前記樹脂チューブは、内径が肉厚の等倍以上でありかつ、硬度が50度(ASKER C)以下であることを特徴とする光学装置。
  14. 請求項12または請求項13に記載の光学装置において、
    前記光学素子は、入射した光束を画像情報に応じて変調する光変調素子を含んで構成され、
    前記光変調素子は、波長領域の異なる複数の色光に対応してそれぞれ複数で構成され、
    前記複数の光変調素子をそれぞれ保持するための第1の前記光学素子保持体を複数備え、
    前記複数の液体循環部材のうち少なくともいずれかの液体循環部材は、前記複数の第1の光学素子保持体の各液体流通管を並列に接続することを特徴とする光学装置。
  15. 請求項14に記載の光学装置において、
    前記光学素子は、入射した光束のうち所定の偏光軸を有する光束を透過する偏光素子を含んで構成され、
    前記偏光素子は、前記複数の色光に対応してそれぞれ複数で構成され、
    前記複数の偏光素子をそれぞれ保持するための第2の前記光学素子保持体を複数備え、
    前記複数の液体循環部材のうち少なくともいずれかの液体循環部材は、同一の色光を入射する前記光変調素子および前記偏光素子をそれぞれ保持する前記第1の光学素子保持体および前記第2の光学素子保持体の各液体流通管を直列に接続することを特徴とする光学装置。
  16. 請求項12または請求項13に記載の光学装置において、
    前記光学素子は、入射した光束を画像情報に応じて変調する光変調素子を含んで構成され、
    前記光変調素子は、波長領域の異なる複数の色光に対応してそれぞれ複数で構成され、
    前記複数の光変調素子をそれぞれ保持するための第1の前記光学素子保持体を複数備え、
    前記複数の液体循環部材のうち少なくともいずれかの液体循環部材は、前記複数の第1の光学素子保持体の各液体流通管を直列に接続することを特徴とする光学装置。
  17. 請求項16に記載の光学装置において、
    前記光学素子は、入射した光束のうち所定の偏光軸を有する光束を透過する偏光素子を含んで構成され、
    前記偏光素子は、前記複数の色光に対応してそれぞれ複数で構成され、
    前記複数の偏光素子をそれぞれ保持するための第2の前記光学素子保持体を複数備え、
    前記複数の液体循環部材のうち少なくともいずれかの液体循環部材は、前記複数の第2の光学素子保持体の各液体流通管を直列に接続しかつ、直列に接続された前記複数の第1の光学素子保持体の各液体流通管と、直列に接続した前記複数の第2の光学素子保持体の各液体流通管とを並列に接続することを特徴とする光学装置。
  18. 請求項16に記載の光学装置において、
    前記光学素子は、入射した光束のうち所定の偏光軸を有する光束を透過する偏光素子を含んで構成され、
    前記偏光素子は、前記複数の色光に対応してそれぞれ複数で構成され、
    前記複数の偏光素子をそれぞれ保持するための第2の前記光学素子保持体を複数備え、
    前記複数の液体循環部材のうち少なくともいずれかの液体循環部材は、同一の色光を入射する前記光変調素子および前記偏光素子をそれぞれ保持する前記第1の光学素子保持体および前記第2の光学素子保持体の各液体流通管が前記冷却液体の流路中で互いに隣接するように、前記複数の第1の光学素子保持体および前記複数の第2の光学素子保持体の各液体流通管を直列に接続することを特徴とする光学装置。
  19. 請求項12から請求項18のいずれかに記載の光学装置において、
    前記光学素子は、入射した光束を画像情報に応じて変調する光変調素子と、入射した光束に対して傾斜配置され前記入射した光束を2種類の直線偏光光束に分離する複数の偏光分離膜、各偏光分離膜の間に交互に並行配置され前記偏光分離膜で分離されたいずれか一方の直線偏光光束を反射する複数の反射膜、前記複数の偏光分離膜および前記複数の反射膜が設けられる透光性部材、および、前記透光性部材の光束射出側に設けられ前記偏光分離膜で分離されたいずれか一方の直線偏光光束の偏光軸を他方の直線偏光光束の偏光軸に変換する複数の位相差板を備え、前記入射した光束を所定の直線偏光光束に変換する偏光変換素子とを含んで構成され、
    前記光変調素子は、波長領域の異なる複数の色光に対応してそれぞれ複数で構成され、
    前記複数の光変調素子をそれぞれ保持するための複数の第1の前記光学素子保持体と、前記偏光変換素子を保持するための第3の前記光学素子保持体とを備え、
    前記複数の液体循環部材のうち少なくともいずれかの液体循環部材は、前記複数の第1の光学素子保持体の各液体流通管と、前記第3の光学素子保持体の液体流通管とを並列に接続することを特徴とする光学装置。
  20. 光源装置と、請求項12から請求項19のいずれかに記載の光学装置と、前記光学装置にて形成された光学像を拡大投射する投射光学装置とを備えていることを特徴とするプロジェクタ。
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