JP2006330642A - 光学装置、およびプロジェクタ - Google Patents

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Abstract

【課題】 光変調素子を効率的に冷却できかつ、画像品質を良好に維持できる光学装置、およびプロジェクタを提供する。
【解決手段】光学装置本体440は、光変調素子保持体4402と、複数の流体循環部材448と、流通パイプ513,514を有する中継タンク5と、冷却流体を強制的に循環させる流体圧送部とを備える。中継タンク5の内部には、気泡蓄積部511Aと、中継タンク5内部を空間A1,A2に区画する仕切板511Bとが設けられている。仕切板511Bおよび流通パイプ513は、仕切板511Bにおける鉛直方向上端縁が流通パイプ513の導出側開口513Aの鉛直方向上端縁よりも鉛直方向上側に位置し、仕切板511Bにおける鉛直方向下端縁が導出側開口513Aの鉛直方向下端縁よりも鉛直方向下側に位置するように配置されている。
【選択図】 図5

Description

本発明は、光学装置、およびプロジェクタに関する。
従来、光源から射出された光束を画像情報に応じて変調して光学像を形成する複数の光変調素子と、各光変調素子で変調された光束を合成して射出する色合成光学装置と、色合成光学装置にて合成された光束を拡大投射する投射光学装置とを備えるプロジェクタが知られている。
このうち、光変調素子には、例えば、1対の基板間に液晶等の電気光学材料が密閉封入されたアクティブマトリックス駆動方式の液晶パネルが使用される。具体的には、この光変調素子を構成する1対の基板は、液晶に駆動電圧を印加するためのデータ線、走査線、スイッチング素子、画素電極等が形成され、光束射出側に配置された駆動基板と、光束入射側に配置され、共通電極、ブラックマスク等が形成された対向基板とで構成されている。
ここで、光源から射出された光束が光変調素子に照射された場合には、液晶層による光吸収とともに、駆動基板に形成されたデータ線および走査線や、対向基板に形成されたブラックマスク等による光吸収により、光変調素子の温度が上昇しやすい。
このため、光学装置では、光変調素子の温度上昇を緩和するために、冷却流体を用いて光変調素子を冷却する構成が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載の光学装置では、光変調素子保持体に冷却流体を密閉する冷却室を形成している。そして、この冷却室は、光変調素子に隣接し、光変調素子の光束透過面に対向して設けられているため、光変調素子の熱を冷却室内の冷却流体により冷却することができる。
また、光変調素子保持体の内部には、冷却室と連通する気泡溜め用サライが設けられている。そして、この気泡溜め用サライに冷却流体内に含まれる気泡やゴミ等が集められ、冷却流体を対流させることによる光路への気泡やゴミ等の侵入を防止し、光路中への気泡等の侵入による画像品質の劣化を防止している。
特開2003−195254号公報
しかしながら、特許文献1に記載の光学装置では、冷却室内に冷却流体が密閉封入されているので、発熱した光変調素子により冷却流体が温められやすく、温められた冷却流体が冷却室内に滞留してしまう。このため、光変調素子と冷却流体との温度差が小さくなり、光変調素子を効率的に冷却することが難しい、という問題がある。
また、気泡溜め用サライは、冷却室と連通するように光変調素子保持体内部に設けられているため、その配置位置が光変調素子の画像形成領域に近い位置となり、集められた気泡等が光路中に侵入してしまう虞がある。このため、画像品質を良好に維持することが難しい、という問題がある。
本発明の目的は、光変調素子を効率的に冷却できかつ、画像品質を良好に維持できる光学装置、およびプロジェクタを提供することにある。
本発明の光学装置は、光源から射出された光束を画像情報に応じて変調して光学像を形成する光変調素子を含んで構成される光学装置であって、内部に冷却流体が封入される冷却室が形成され、前記冷却室内の前記冷却流体に対して熱伝達可能に前記光変調素子を保持する光変調素子保持体と、前記冷却室と連通接続され、前記冷却流体を前記冷却室外部に案内し、再度前記冷却室内部に導く複数の流体循環部材と、前記複数の流体循環部材における前記冷却流体の流路中に配置され、前記冷却流体を内部に流入させる冷却流体流入部、および前記内部の冷却流体を外部に排出させる冷却流体排出部を有し、前記冷却流体を内部に蓄積する冷却流体蓄積部と、前記複数の流体循環部材における前記冷却流体の流路中に配置され、前記冷却流体を前記複数の流体循環部材を介して強制的に循環させる流体圧送部とを備え、前記冷却流体蓄積部の内部には、前記冷却流体に含まれ鉛直方向上側に向けて移動した気泡を蓄積する気泡蓄積部と、鉛直方向に直交する水平軸と交差するように延出し前記冷却流体蓄積部内部を前記冷却流体が前記冷却流体流入部から前記冷却流体排出部に流通可能に前記冷却流体の流入側から排出側にかけて複数の空間に区画する少なくとも1つの仕切板とが設けられ、前記仕切板および前記冷却流体流入部は、前記仕切板における鉛直方向上端縁が前記冷却流体流入部における前記冷却流体の導出側開口の鉛直方向上端縁よりも鉛直方向上側に位置し、前記仕切板における鉛直方向下端縁が前記導出側開口の鉛直方向下端縁よりも鉛直方向下側に位置するように配置されていることを特徴とする。
ここで、仕切板としては、鉛直方向上端縁が冷却流体流入部の導出側開口の鉛直方向上端縁よりも鉛直方向上側に位置しかつ、鉛直方向下端縁が冷却流体流入部の導出側開口の鉛直方向下端縁よりも鉛直方向下側に位置していれば、いずれの形状でもよく、例えば、以下の構成を採用できる。
例えば、仕切板において、鉛直方向上端縁および下端縁と交差する両端縁のみが冷却流体蓄積部内部に接続する。そして、仕切板における鉛直方向上端縁および下端縁の双方の端縁と冷却流体蓄積部内部との間に隙間が形成され、該隙間を介して冷却流体が冷却流体流入部から冷却流体排出部に流通する。
また、仕切板において、鉛直方向上端縁が冷却流体蓄積部内部に接続する。そして、仕切板における鉛直方向下端縁と冷却流体蓄積部内部との間に隙間が形成され、該隙間を介して冷却流体が冷却流体流入部から冷却流体排出部に流通する。
さらに、仕切板において、鉛直方向下端縁が冷却流体蓄積部内部に接続する。そして、仕切板における鉛直方向上端縁と冷却流体蓄積部内部との間に隙間が形成され、該隙間を介して冷却流体が冷却流体流入部から冷却流体排出部に流通する。
本発明によれば、光学装置が流体圧送部を備え、流体圧送部により冷却流体が強制的に循環されるので、冷却流体は、光変調素子保持体の冷却室内外に常に対流することとなる。このため、従来のように冷却室内に冷却流体を密封させておく場合と比較して、冷却流体が温められにくく、冷却流体と光変調素子との温度差を良好に維持して光変調素子を効率的に冷却できる。
また、仕切板および冷却流体流入部を上述したように配置することで、冷却流体蓄積部内部において、冷却流体流入部から冷却流体排出部に向かう冷却流体の流路を、仕切板を介して仕切板の鉛直方向上側および/または鉛直方向下側に向かう流路に変更することができる。ここで、冷却流体に含まれる気泡等は、浮力により鉛直方向上側に移動する。このため、仕切板による冷却流体の流路の変更に伴って、気泡等を仕切板の鉛直方向上側に移動させることが可能となり、気泡等が冷却流体排出部に取り込まれにくい構造を実現でき、気泡等を気泡蓄積部に良好に蓄積させることができる。したがって、冷却流体蓄積部内部にて冷却流体に含まれる気泡等を捕捉でき、光変調素子保持体の冷却室内の光路中に気泡等が侵入してしまうのを防止し、光変調素子にて形成される光学像の画像品質を良好に維持できる。
さらに、上述したように仕切板の鉛直方向上端縁および下端縁と交差する両端縁のみが冷却流体蓄積部内部に接続するように構成すれば、光学装置を所定の姿勢で設置した場合、および光学装置を所定の姿勢に対して上下が逆となる姿勢(以下、天地逆姿勢と記載する)で設置した場合の双方において、仕切板の鉛直方向上端縁と冷却流体蓄積部内部との間に隙間が形成される構成を実現できる。このため、光学装置を所定の姿勢で設置した場合、および天地逆姿勢で設置した場合の双方において、気泡等が冷却流体排出部に取り込まれにくい構造を実現できる。
本発明の光学装置では、前記仕切板および前記冷却流体排出部は、前記仕切板における鉛直方向上端縁が前記冷却流体排出部における前記冷却流体の導入側開口の鉛直方向上端縁よりも鉛直方向上側に位置し、前記仕切板における鉛直方向下端縁が前記導入側開口の鉛直方向下端縁よりも鉛直方向下側に位置するように配置されていることが好ましい。
ところで、仕切板の鉛直方向上端縁が冷却流体排出部の導入側開口の鉛直方向上端縁よりも鉛直方向下側に位置している場合には、冷却流体蓄積部内部において、仕切板により冷却流体の流路を変更した場合であっても、冷却流体に含まれる気泡等が冷却流体排出部に取り込まれる虞がある。
また、光学装置を所定の姿勢状態で設置した際に仕切板の鉛直方向下端縁が冷却流体排出部の鉛直方向下端縁よりも鉛直方向上側に位置している場合には、光学装置を天地逆姿勢で設置すると、仕切板の鉛直方向上端縁が冷却流体排出部の導入側開口の鉛直方向上端縁よりも鉛直方向下側に位置することとなる。このため、光学装置を天地逆姿勢で設置した際には、上記同様に、冷却流体に含まれる気泡等が冷却流体排出部に取り込まれる虞がある。
本発明によれば、仕切板における鉛直方向上端縁が冷却流体排出部の導入側開口の鉛直方向上端縁よりも鉛直方向上側に位置しているので、冷却流体に含まれる気泡等が冷却流体排出部に取り込まれることをより確実に防止できる。
また、仕切板における鉛直方向下端縁が冷却流体排出部の導入側開口の鉛直方向下端縁よりも鉛直方向下側に位置しているので、光学装置を天地逆姿勢で設置した際でも、仕切板における鉛直方向上端縁が冷却流体排出部の導入側開口の鉛直方向上端縁よりも鉛直方向上側に位置させることができる。このため、光学装置を天地逆姿勢で設置した場合でも、冷却流体に含まれる気泡等が冷却流体排出部に取り込まれることをより確実に防止できる。
本発明の光学装置では、前記仕切板は、複数設けられ、前記複数の仕切板の隣接する各仕切板のうち一方の仕切板は、鉛直方向下端縁が前記冷却流体蓄積部内部に接続し、前記隣接する各仕切板のうち他方の仕切板は、鉛直方向上端縁が前記冷却流体蓄積部内部に接続していることが好ましい。
本発明によれば、複数の仕切板の隣接する各仕切板を上述したように構成することで、冷却流体蓄積部内部において、冷却流体流入部から冷却流体排出部に向かう冷却流体の流路を複数の仕切板により鉛直方向に蛇行した流路に変更することができる。このような鉛直方向に蛇行した流路で冷却流体を流通させることで、冷却流体に含まれる気泡等を流路中で鉛直方向上側により確実に移動させることができる。このため、気泡等が冷却流体排出部に取り込まれることをより確実に防止できる。
本発明の光学装置では、前記仕切板は、鉛直方向上端縁または鉛直方向下端縁のうちいずれか一方が前記冷却流体蓄積部内部に接続し、前記接続部分には、隣接する前記空間を連通する連通孔が形成されていることが好ましい。
ところで、光学装置を所定の姿勢状態で設置した際に仕切板の鉛直方向下端縁が冷却流体蓄積部内部に接続している場合には、光学装置を天地逆姿勢で設置すると、仕切板の鉛直方向上端縁が冷却流体蓄積部内部に接続していることとなる。このように仕切板の鉛直方向上端縁が冷却流体蓄積部内部に接続している場合には、冷却流体蓄積部内部の鉛直方向上側に形成される気泡蓄積部が仕切板により各領域に区画されることとなる。このため、気泡蓄積部の区画された各領域のうち冷却流体流入部側の領域にのみ気泡等が蓄積されてしまう。すなわち、気泡蓄積部における気泡等を蓄積可能とする空間の体積が縮小されてしまうため、気泡等が蓄積され続けた場合に、仕切板の鉛直方向下端縁から他方の領域に気泡等が流出し、該流出した際に気泡等が冷却流体排出部に取り込まれる虞がある。
本発明によれば、仕切板の鉛直方向上端縁または下端縁と冷却流体蓄積部内部との接続部分には連通孔が形成されているので、連通孔を介して気泡蓄積部の前記各領域間を蓄積された気泡等が連通可能となり、気泡蓄積部における気泡等を蓄積可能とする空間の体積を縮小することがない。したがって、気泡蓄積部にて気泡等を良好に蓄積させることができる。
本発明の光学装置では、前記冷却流体流入部および前記冷却流体排出部は、前記冷却流体蓄積部における前記水平軸と交差する互いに対向する端面にそれぞれ配置されていることが好ましい。
本発明によれば、冷却流体流入部および冷却流体排出部を上述したように配置することで、仕切板を簡単な形状で構成でき、仕切板により冷却流体蓄積部内部を冷却流体の流入側から排出側にかけて複数の空間に良好に区画できる。
本発明の光学装置では、前記冷却流体流入部および前記冷却流体排出部は、前記冷却流体蓄積部における前記水平軸と交差する互いに対向する端面にそれぞれ配置されかつ、鉛直方向と略直交する同一の軸線上にそれぞれ配置され、前記冷却流体蓄積部は、前記軸線を回転軸として回転可能に構成されていることが好ましい。
ところで、冷却流体蓄積部が光学装置の所定位置に固定されている場合には、気泡蓄積部は、冷却流体蓄積部内部の鉛直方向上側に常に形成されることとなるため、光学装置を所定の姿勢で設置した状態と天地逆姿勢で設置した状態とで気泡蓄積部の位置が異なることとなる。このため、光学装置を所定の姿勢で設置した状態から天地逆姿勢で設置した状態に移行すると、気泡蓄積部の位置が移動し、気泡蓄積部の位置の移動とともに蓄積された気泡等も移動することとなる。このように光学装置の姿勢状態を変更した場合には、気泡等の移動の際に該気泡等が冷却流体排出部に取り込まれてしまう虞がある。
本発明によれば、冷却流体蓄積部は、鉛直方向と略直交する軸線を回転軸として回転可能に構成されているので、光学装置を所定の姿勢で設置した状態と天地逆姿勢で設置した状態とを移行させた場合であっても、該移行に連動して冷却流体蓄積部が回転することで、冷却流体蓄積部内部において、気泡蓄積部の位置は移動しない。このため、光学装置を所定の姿勢で設置した状態から天地逆姿勢で設置した状態に移行しても、気泡蓄積部の位置が移動しないため、気泡等が常に同一の気泡蓄積部に蓄積された状態となる。したがって、光学装置を所定の姿勢で設置した状態と天地逆姿勢で設置した状態とを移行させた際でも、気泡等が移動することがなく該気泡等が冷却流体排出部に取り込まれることがない。
本発明の光学装置では、前記光変調素子は、複数で構成され、前記光変調素子保持体は、前記複数の光変調素子に応じて複数設けられ、前記複数の光変調素子保持体を取り付ける複数の光束入射側端面を有し、前記複数の光変調素子で変調された各光束を合成する色合成光学装置を備え、前記冷却流体蓄積部は、蓄積した冷却流体を前記複数の光変調素子保持体の各冷却室に分岐して送出する送出側蓄積部と、前記各冷却室から排出された冷却流体を一括して送入する送入側蓄積部とを備え、前記送出側蓄積部および前記送入側蓄積部は、前記色合成光学装置の複数の光束入射側端面と交差する各端面にそれぞれ配設されていることが好ましい。
本発明によれば、送出側蓄積部および送入側蓄積部が色合成光学装置の複数の光束入射側端面と交差する各端面にそれぞれ配設されているので、光学装置における余スペースに冷却流体蓄積部を配設でき、光学装置の大型化を抑制できる。
また、送出側蓄積部および送入側蓄積部を上述したように配設することで、冷却室内部において、冷却流体を鉛直方向下側から鉛直方向上側に流通させることが可能となる。このため、冷却室内部において、光変調素子から冷却流体に放熱された熱の移動方向と、冷却流体の流通方向とを同一に設定でき、熱が冷却室内部において滞留することを防止できる。したがって、冷却流体と光変調素子の温度差を良好に維持でき、光変調素子を効率的に冷却できる。
さらに、各光変調素子の発熱量が異なる場合には、各光変調素子保持体に形成された各冷却室から排出された温度の異なる冷却流体は、一括して送入側蓄積部に導入されることで、温度が均一化される。また、送出側蓄積部に蓄積された冷却流体は、分岐されて各光変調素子保持体に形成された各冷却室に導入されるので、各光変調素子を均一に冷却できる。
本発明のプロジェクタは、光源装置と、上述した光学装置と、前記光学装置にて形成された光学像を拡大投射する投射光学装置とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、プロジェクタは、上述した光学装置を備えているので、上述した光学装置と同様の作用・効果を享受できる。
また、光変調素子を効率的に冷却できるため、プロジェクタの高寿命化が図れる。
さらに、光変調素子にて形成された光学像の画像品質を良好に維持できるため、プロジェクタにて鮮明な投影画像を常に形成できる。
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態を図面に基づいて説明する。
〔プロジェクタの構成〕
図1は、プロジェクタ1の概略構成を模式的に示す図である。
プロジェクタ1は、光源から射出される光束を画像情報に応じて変調して光学像を形成し、形成した光学像をスクリーン上に拡大投射するものである。このプロジェクタ1は、外装ケース2と、冷却ユニット3と、光学ユニット4と、投射レンズLとを備える。
なお、図1において、図示は省略するが、外装ケース2内において、冷却ユニット3、光学ユニット4、および投射レンズL以外の空間には、電源ブロック、ランプ駆動回路、制御装置等が配置されるものとする。
外装ケース2は、合成樹脂等から構成され、冷却ユニット3、光学ユニット4、投射レンズLを内部に収納配置する全体略直方体状に形成されている。図示は省略するが、この外装ケース2には、冷却ユニット3によりプロジェクタ1外部から冷却空気を内部に導入するための吸気口およびプロジェクタ1内部で温められた空気を排出するための排気口が形成されている。
さらに、この外装ケース2には、図1に示すように、投射レンズLの側方で外装ケース2の角部分に位置し、光学ユニット4の後述する光学装置のラジエータを他の部材と隔離する隔壁21が形成されている。
冷却ユニット3は、プロジェクタ1内部に形成される冷却流路に冷却空気を送り込み、プロジェクタ1内で発生する熱を冷却する。この冷却ユニット3は、投射レンズLの側方に位置し、外装ケース2に形成された図示しない吸気口からプロジェクタ1外部の冷却空気を内部に導入するシロッコファン31と、外装ケース2に形成された隔壁21内部に位置し、外装ケース2に形成された吸気口からプロジェクタ1外部の冷却空気を内部に導入して光学ユニット4の後述するラジエータに冷却空気を吹き付ける軸流ファン32とを備える。
なお、この冷却ユニット3は、図示は省略するが、シロッコファン31および軸流ファン32の他、光学ユニット4の後述する光源装置、および図示しない電源ブロック、ランプ駆動回路等を冷却するための冷却ファンも有しているものとする。
光学ユニット4は、光源から射出された光束を、光学的に処理して画像情報に対応して光学像(カラー画像)を形成するユニットである。この光学ユニット4は、図1に示すように、外装ケース2の背面に沿って延出するとともに、外装ケース2の側面に沿って延出する平面視略L字形状を有している。なお、この光学ユニット4の詳細な構成については、後述する。
投射レンズLは、複数のレンズが組み合わされた組レンズとして構成される。そして、この投射レンズLは、光学ユニット4にて形成された光学像(カラー画像)を図示しないスクリーン上に拡大投射する。
〔光学ユニットの詳細な構成〕
光学ユニット4は、図1に示すように、インテグレータ照明光学系41と、色分離光学系42と、リレー光学系43と、光学装置44と、これら光学部品41〜44を収納配置する光学部品用筐体45とを備える。
インテグレータ照明光学系41は、光学装置44を構成する後述する液晶パネルの画像形成領域を略均一に照明するための光学系である。このインテグレータ照明光学系41は、図1に示すように、光源装置411と、第1レンズアレイ412と、第2レンズアレイ413と、偏光変換素子414と、重畳レンズ415とを備える。
光源装置411は、放射状の光線を射出する光源ランプ416と、この光源ランプ416から射出された放射光を反射するリフレクタ417とを備える。光源ランプ416としては、ハロゲンランプやメタルハライドランプ、高圧水銀ランプが多用される。また、リフレクタ417としては、図1では、放物面鏡を採用しているが、これに限らず、楕円面鏡で構成し、光束射出側に該楕円面鏡により反射された光束を平行光とする平行化凹レンズを採用した構成としてもよい。
第1レンズアレイ412は、光軸方向から見て略矩形状の輪郭を有する小レンズがマトリクス状に配列された構成を有している。各小レンズは、光源装置411から射出される光束を、複数の部分光束に分割している。
第2レンズアレイ413は、第1レンズアレイ412と略同様な構成を有しており、小レンズがマトリクス状に配列された構成を有している。この第2レンズアレイ413は、重畳レンズ415とともに、第1レンズアレイ412の各小レンズの像を光学装置44の後述する液晶パネル上に結像させる機能を有している。
偏光変換素子414は、第2レンズアレイ413と重畳レンズ415との間に配置され、第2レンズアレイ413からの光を略1種類の偏光光に変換するものである。
具体的に、偏光変換素子414によって略1種類の偏光光に変換された各部分光は、重畳レンズ415によって最終的に光学装置44の後述する液晶パネル上にほぼ重畳される。偏光光を変調するタイプの液晶パネルを用いたプロジェクタでは、1種類の偏光光しか利用できないため、ランダムな偏光光を発する光源装置411からの光の略半分を利用できない。このため、偏光変換素子414を用いることで、光源装置411からの射出光を略1種類の偏光光に変換し、光学装置44での光の利用効率を高めている。
色分離光学系42は、図1に示すように、2枚のダイクロイックミラー421,422と、反射ミラー423とを備え、ダイクロイックミラー421,422によりインテグレータ照明光学系41から射出された複数の部分光束を、赤、緑、青の3色の色光に分離する機能を有している。
リレー光学系43は、図1に示すように、入射側レンズ431と、リレーレンズ433と、反射ミラー432,434とを備え、色分離光学系42で分離された赤色光を光学装置44の後述する赤色光用の液晶パネルまで導く機能を有している。
この際、色分離光学系42のダイクロイックミラー421では、インテグレータ照明光学系41から射出された光束の青色光成分が反射するとともに、赤色光成分と緑色光成分とが透過する。ダイクロイックミラー421によって反射した青色光は、反射ミラー423で反射し、フィールドレンズ418を通って光学装置44の後述する青色光用の液晶パネルに達する。このフィールドレンズ418は、第2レンズアレイ413から射出された各部分光束をその中心軸(主光線)に対して平行な光束に変換する。他の緑色光用、赤色光用の液晶パネルの光入射側に設けられたフィールドレンズ418も同様である。
ダイクロイックミラー421を透過した赤色光と緑色光のうちで、緑色光はダイクロイックミラー422によって反射し、フィールドレンズ418を通って光学装置44の後述する緑色光用の液晶パネルに達する。一方、赤色光はダイクロイックミラー422を透過してリレー光学系43を通り、さらにフィールドレンズ418を通って光学装置44の後述する赤色光用の液晶パネルに達する。なお、赤色光にリレー光学系43が用いられているのは、赤色光の光路の長さが他の色光の光路の長さよりも長いため、光の発散等による光の利用効率の低下を防止するためである。すなわち、入射側レンズ431に入射した部分光束をそのまま、フィールドレンズ418に伝えるためである。本実施形態においては赤色光の光路の長さが長いのでこのような構成とされているが青色光の光路の長さを長くする構成も考えられる。
光学装置44は、図1に示すように、光変調素子としての3枚の液晶パネル441(赤色光用の液晶パネルを441R、緑色光用の液晶パネルを441G、青色光用の液晶パネルを441Bとする)と、この液晶パネル441の光束入射側および光束射出側に配置される入射側偏光板442および射出側偏光板443と、色合成光学装置としてのクロスダイクロイックプリズム444とが一体的に形成されたものである。
なお、光学装置44は、具体的な構成は後述するが、液晶パネル441、入射側偏光板442、射出側偏光板443、およびクロスダイクロイックプリズム444以外に、メインタンク、流体圧送部、ラジエータ、流体循環部材、冷却流体蓄積部、および光変調素子保持体を備える。
液晶パネル441は、ガラス等からなる1対の基板441C,441D(図3、図4参照)に電気光学物質である液晶が密閉封入された構成を有している。このうち、基板441Cは、液晶を駆動するための駆動基板であり、互いに平行に配列形成される複数のデータ線と、複数のデータ線と直交する方向に配列形成される複数の走査線と、走査線およびデータ線の交差に対応してマトリクス状に配列形成される画素電極と、TFT等のスイッチング素子とを有している。また、基板441Dは、基板441Cに対して所定間隔を空けて対向配置される対向基板であり、所定の電圧が印加される共通電極を有している。そして、これら基板441C,441Dには、図示しない制御装置と電気的に接続し、前記走査線、前記データ線、前記スイッチング素子、および前記共通電極等に所定の駆動信号を出力するフレキシブルプリント基板441E(図3、図4参照)が接続されている。このフレキシブルプリント基板441Eを介して前記制御装置から駆動信号を入力することで、所定の前記画素電極と前記共通電極との間に電圧が印加され、該画素電極および共通電極間に介在する液晶の配向状態が制御されて、入射側偏光板442から射出された偏光光束の偏光方向が変調される。
入射側偏光板442は、偏光変換素子414で偏光方向が略一方向に揃えられた各色光が入射され、入射された光束のうち、偏光変換素子414で揃えられた光束の偏光軸と略同一方向の偏光光のみ透過させ、その他の光束を吸収するものである。この入射側偏光板442は、サファイアガラスまたは水晶等の透光性基板442A(図3参照)上に偏光膜(図示略)が貼付された構成を有している。
射出側偏光板443は、入射側偏光板442と同様に透光性基板443Aおよび光学変換膜としての偏光膜443B(図3参照)を有し、液晶パネル441から射出された光束のうち、入射側偏光板442における光束の透過軸と直交する偏光軸を有する光束のみ透過させ、その他の光束を吸収するものである。
クロスダイクロイックプリズム444は、射出側偏光板443から射出された色光毎に変調された光学像を合成してカラー画像を形成する光学素子である。このクロスダイクロイックプリズム444は、4つの直角プリズムを貼り合わせた平面視略正方形状をなし、直角プリズム同士を貼り合わせた界面には、2つの誘電体多層膜が形成されている。これら誘電体多層膜は、液晶パネル441R,441Bから射出され射出側偏光板443を介した色光を反射し、液晶パネル441Gから射出され射出側偏光板443を介した色光を透過する。このようにして、各液晶パネル441R,441G,441Bにて変調された各色光が合成されてカラー画像が形成される。
〔光学装置の構成〕
図2は、光学装置本体440の概略構成を示す斜視図である。
光学装置44は、図1または図2に示すように、液晶パネル441、入射側偏光板442、射出側偏光板443、およびクロスダイクロイックプリズム444が一体化された光学装置本体440と、メインタンク445(図1)と、流体圧送部(図示略)と、ラジエータ447(図1)と、複数の流体循環部材448(図2)とを備える。光学装置本体440は、図2に示すように、3つの液晶パネル441、3つの入射側偏光板442、3つの射出側偏光板443、およびクロスダイクロイックプリズム444と、3つの光変調素子保持体4402と、複数の流体循環部材448と、冷却流体蓄積部としての一対の中継タンク5とを基本構成として備える。
本実施形態の光学装置44は、メインタンク445内の冷却流体を、流体圧送部により送出し、複数の流体循環部材448および中継タンク5を介して、液晶パネル441等に送り、液晶パネル441等を冷却する構造となっている。
複数の流体循環部材448は、内部に冷却流体が対流可能にアルミニウム製の管状部材で構成され、冷却流体を循環可能に光学装置本体440、メインタンク445、流体圧送部、中継タンク5、およびラジエータ447を接続する。
なお、本実施形態では、冷却流体として、透明性の非揮発性液体であるエチレングリコールを採用する。冷却流体としては、エチレングリコールに限らず、その他の液体を採用してもよい。
ラジエータ447は、外装ケース2に形成された隔壁21内に配置され、光学装置本体440において各液晶パネル441等にて温められた冷却流体の熱を放熱する。
メインタンク445は、略円柱形状であり、図示しないが、アルミニウム製の2つの容器状部材から構成され、2つの容器状部材の開口部分を互いに接続することで内部に冷却流体を一時的に蓄積する。このメインタンク445には、冷却流体を内部に流入させる冷却流体流入部(図示略)および内部の冷却流体を外部に排出させる冷却流体排出部(図示略)が形成されており、それぞれに流体循環部材448が接続されている。
このメインタンク445は、図1に示すように、光学部品用筐体45と外装ケース2の内側面とで形成される平面視三角形状の領域に配置される。この領域にメインタンク445を配置することで、外装ケース2内の収納効率の向上が図れ、プロジェクタ1が大型化することがない。
流体圧送部は、メインタンク445、および中継タンク5(後述する中継タンク52)の流路間に配設され、流体循環部材448を介してメインタンク445および中継タンク52を接続し、前記制御装置による制御の下、メインタンク445内の冷却流体を複数の流体循環部材448を介して中継タンク52に送入し、冷却流体を強制的に循環させるものである。この流体圧送部としては、例えば、略直方体状のアルミニウム製の中空部材内に羽根車が配置され、前記制御装置による制御の下、前記羽根車が回転することで、冷却流体を強制的に循環させる構成を採用できる。このような構成では、流体圧送部は、羽根車の回転軸方向の厚み寸法が小さくなり、プロジェクタ1内部の空きスペースに配置可能となる。
〔光変調素子保持体の構造〕
図3は、光変調素子保持体4402の概略構成を示す分解斜視図である。
図4は、光変調素子保持体4402の断面図である。なお、図4中の矢印は、冷却流体の循環方向を示すものである。
3つの光変調素子保持体4402は、3つの液晶パネル441、3つの入射側偏光板442、および3つの射出側偏光板443をそれぞれ保持する。また、この光変調素子保持体4402内部には、冷却流体が流入し、該冷却流体により3つの液晶パネル441、3つの入射側偏光板442、および3つの射出側偏光板443がそれぞれ冷却される。
光変調素子保持体4402は、一対の枠状部材4405,4406と、4つの弾性部材4407(4407A〜4407D)と、一対の偏光板固定部材4408A,4408Bと、中間枠体4409とを備える。
偏光板固定部材4408A,4408Bは、入射側偏光板442および射出側偏光板443を、第1弾性部材4407Aおよび第4弾性部材4407Dを介して枠状部材4405,4406にそれぞれ押圧固定するものである。これら偏光板固定部材4408A,4408Bは、略中央部分に開口部4408A1,4408B1が形成された平面視略矩形枠体で構成され、開口部4408A1,4408B1周縁部分にて、入射側偏光板442および射出側偏光板443を枠状部材4405,4406に対してそれぞれ押圧する。また、これら偏光板固定部材4408A,4408Bには、左右側端縁にそれぞれフック係合部4408A2,4408B2が形成され、フック係合部4408A2,4408B2を枠状部材4405,4406の各フック4405H,4406Lに係合させることで、枠状部材4405,4406に対して、入射側偏光板442および射出側偏光板443を押圧した状態で、偏光板固定部材4408A,4408Bが固定される。
弾性部材4407は、入射側偏光板442および枠状部材4405の間に介在配置される第1弾性部材4407Aと、枠状部材4405および中間枠体4409の間に介在配置される第2弾性部材4407Bと、液晶パネル441および枠状部材4406の間に介在配置される第3弾性部材4407Cと、枠状部材4406および射出側偏光板443の間に介在配置される第4弾性部材4407Dとを備える。
このうち、第1弾性部材4407A、および第4弾性部材4407Dは、略矩形枠状に形成され、後述する枠状部材4405,4406の各凹部4405E,4406Bに設置される。
また、第2弾性部材4407Bは、略矩形枠状に形成されるとともに、上方側左右方向略中央部分に挿通孔4407B1が形成される。この第2弾性部材4407Bは、後述する枠状部材4405の凹部4405Bに設置される。
さらに、第3弾性部材4407Cは、略矩形枠状に形成されるとともに、下方側左右方向略中央部分に挿通孔4407C1が形成されている。この第3弾性部材4407Cは、後述する枠状部材4406の凹部4406Fに設置される。
これら弾性部材4407としては、弾性を有するシリコンゴムを採用でき、さらに、両面あるいは片面に表層の架橋密度を上げる表面処理を施したものが好ましい。このように、端面に表面処理を施すことにより、弾性部材4407を各凹部4405B,4405E,4406B,4406Gに設置する作業を容易に実施できる。
なお、弾性部材4407は、シリコンゴムに限らず、水分透過量の少ないブチルゴムまたはフッ素ゴムを使用してもよい。
枠状部材4405は、液晶パネル441の光束入射側と、入射側偏光板442の光束射出側との間に配置され、液晶パネル441の光束入射側を支持するとともに入射側偏光板442の光束射出側を支持する。
この枠状部材4405は、略中央部分に液晶パネル441の画像形成領域に対応した矩形状の開口部4405Aを有する平面視略矩形状のアルミニウム製の枠体である。
この枠状部材4405の光束射出側端面には、図3または図4に示すように、第2弾性部材4407Bが嵌め込まれる凹部4405Bが形成されている。
この凹部4405Bに第2弾性部材4407Bを嵌めこみ、中間枠体4409に保持された液晶パネル441を開口部4405Aに対向させることで、開口部4405Aの光束射出側が閉塞される。
図4に示すように、この枠状部材4405の下方側左右方向略中央部分には、光束射出側端面および光束入射側端面を貫通する孔4405Jが形成されている。さらには、枠状部材4405には、この孔4405Jと連通し、光束射出側に向かって突出した筒状部4405Cが形成されている。
また、枠状部材4405の下部には、下方に突出した筒状部4405Iが形成されている。この筒状部4405Iは、流体循環部材448と接続されるものである。
筒状部4405Cは、この筒状部4405Iに対して略直交するように配置され、連通接続している。そして、この筒状部4405Cの内側面の一部は、前記筒状部4405Iの中心軸と交差するように延出し、該内側面の一部には前記筒状部4405Iを介して流入した冷却流体を、枠状部材4405の光束入射側および光束射出側に分流する突出部4405C2が形成されている。
また、凹部4405Bにおける上方側の左右方向略中央部分には、光束射出側端面および光束入射側端面を貫通し、枠状部材4406の後述する筒状部4406Dを挿通可能とする挿通孔4405Dが形成されている。
さらに、枠状部材4405の光束入射側端面には、第1弾性部材4407Aに対応した凹部4405Eが形成されている。この凹部4405Eに第1弾性部材4407Aを嵌め込み、入射側偏光板442を第1弾性部材4407Aに当接させて、枠状部材4405と偏光板固定部材4408Aとで挟持することで、入射側偏光板442が保持されることとなる。
また、枠状部材4405の光束入射側端面には、凹部4405Eよりも深い凹部4405Fが形成されている。
以上のような構成の枠状部材4405では、凹部4405Bにて第2弾性部材4407Bおよび中間枠体4409を介して液晶パネル441の光束入射側端面を支持することで、開口部4405Aの光束射出側が閉塞される。また、枠状部材4405に対して偏光板固定部材4408Aを固定することで、入射側偏光板442が第1弾性部材4407Aを介して枠状部材4405に押圧され、枠状部材4405の開口部4405Aの光束入射側が封止される。そして、枠状部材4405の開口部4405Aの光束入射側および光束射出側が閉塞されることで、枠状部材4405内部に冷却流体を封入可能とする第1冷却室R1(図4)が形成される。
第1冷却室R1は、液晶パネル441の画像形成領域に対向したものであり、入射側偏光板442および液晶パネル441により形成されたものであるため、これらの熱が第1冷却室R1内の冷却流体に熱伝達可能となっている。
枠状部材4406は、光束入射側端面で第3弾性部材4407Cを介して液晶パネル441を保持するとともに、光束射出側端面で第4弾性部材4407Dを介して射出側偏光板443を保持するものである。
この枠状部材4406は、上述した枠状部材4405と略同様に、略中央部分に液晶パネル441の画像形成領域に対応した矩形状の開口部4406Aを有する平面視略矩形状のアルミニウム製の枠体である。
この枠状部材4406において、光束射出側端面には、第4弾性部材4407Dの形状に対応して矩形枠状の凹部4406Bが形成され、この凹部4406Bにて第4弾性部材4407Dを介して射出側偏光板443を支持する。そして、枠状部材4406が射出側偏光板443の光束入射側端面を支持することで、射出側偏光板443の光束入射側端面にて、開口部4406Aにおける光束射出側が閉塞される。
さらに、枠状部材4406の凹部4406Bの内側には、凹部4406Bよりも深い凹部4406Eが形成されている。この凹部4406Eに連通するように、枠状部材4406には、上方に突出した筒状部4406Iが形成されている。
また、この筒状部4406Iに連通するように枠状部材4406の光束入射側端面には、枠状部材4405側に突出した筒状部4406Dが形成されている。
筒状部4406Dは、この筒状部4406Iに対して略直交するように配置され、連通接続している。
なお、光束入射側端面には、第3弾性部材4407Cに対応した形状の凹部4406Fが形成されており、この凹部4406Fに第3弾性部材4407Cを嵌め込み、さらに、枠状部材4405により液晶パネル441を押圧することで、枠状部材4406の開口部4406Aが閉鎖される。
すなわち、枠状部材4406では、光束入射側端面に液晶パネル441を押圧するとともに、光束射出側端面に射出側偏光板443を押圧することで、開口部4406Aが閉鎖され、枠状部材4406内部に冷却流体が封入される第2冷却室R2(図4)が形成される。
第2冷却室R2は、液晶パネル441の画像形成領域に対向したものであり、射出側偏光板443および液晶パネル441により形成されたものであるため、これらの熱は第2冷却室R2内の冷却流体に熱伝達可能となっている。
さらに、このような枠状部材4406には、枠状部材4405の筒状部4405Cを送入するための孔4406Cが形成されている。この孔4406Cは、第2冷却室R2に連通するように形成されている。
以上のような枠状部材4405,4406には、それぞれねじ孔が形成されており、このねじ孔にねじを螺合することで、枠状部材4405,4406が組み合わされる。
枠状部材4406と枠状部材4405とを組み合わせた状態では、枠状部材4406における筒状部4406Dが、中間枠体4409の後述する挿通孔4409D、第2弾性部材4407Bの挿通孔4407B1を介して、枠状部材4405における挿通孔4405Dに挿通される。
また、枠状部材4406と枠状部材4405とを組み合わせた状態では、枠状部材4405の筒状部4405Cが中間枠体4409の挿通孔4409D、第3弾性部材4407Cの挿通孔4407C1を介して枠状部材4406の孔4406Cに挿入される。
中間枠体4409は、アルミニウム製の平面視略矩形状の板体から構成され、液晶パネル441を保持するとともに、該液晶パネル441を枠状部材4405,4406の所定位置に位置決めするものである。
この中間枠体4409において、その略中央部分には、液晶パネル441の対向基板441Dを嵌合可能な矩形状の開口部4409Aが形成され、液晶パネル441の対向基板441Dを開口部4409Aに嵌合させることで、中間枠体4409に対して液晶パネル441が位置決めされる。
また、この中間枠体4409において、下方側端部の左右方向略中央部分、および上方側端部の光束射出側から見て左側角隅部分には、枠状部材4406の筒状部4406D、枠状部材4405の筒状部4405Cをそれぞれ挿通可能とする2つの挿通孔4409Dが形成されている。これら挿通孔4409Dは、枠状部材4405,4406に対する中間枠体4409の位置決め用の孔としての機能を有し、予め、中間枠体4409に対して液晶パネル441を位置決め固定した状態で、中間枠体4409の2つの挿通孔4409Dに枠状部材4406の筒状部4406D、枠状部材4405の筒状部4405Cをそれぞれ挿通することで、枠状部材4406,4405に対して中間枠体4409が位置決めされ、すなわち、液晶パネル441が枠状部材4406,4405の所定位置に位置決めされる。
〔中継タンクの構造〕
図5は、中継タンク5の構造を示す断面図である。なお、図5では、プロジェクタ1が通常の姿勢状態(プロジェクタ1の底面が机等の接地面に接地された状態)に設置した場合での断面図である。
一対の中継タンク5は、図2または図5に示すように、クロスダイクロイックプリズム444の光束入射側端面と交差する上下端面にそれぞれ対向配置されている。ここで、クロスダイクロイックプリズム444の上面に配置される中継タンク5を中継タンク51、クロスダイクロイックプリズム444の下面に配置される中継タンク5を中継タンク52とする。
送入側蓄積部としての中継タンク51は、図5に示すように、冷却流体を一時的に蓄積するタンク本体511と、タンク本体511をクロスダイクロイックプリズム444に固定する固定部材512と、タンク本体511内部に冷却流体を流入させる冷却流体流入部としての流通パイプ513と、タンク本体511内部の冷却流体を外部に排出させる冷却流体排出部としての流通パイプ514とを備える。
固定部材512は、中空の略直方体形状であり、断面略コ字形状の本体部512Aと、本体部512Aの開口を閉塞する蓋部512Bとを備える。そして、固定部材512は、内部の所定位置にタンク本体511を固定するとともに、中継タンク51全体をクロスダイクロイックプリズム444の上面に固定する。
タンク本体511は、略直方体状のアルミニウム製の中空部材で構成され、流通パイプ513を介して内部に流入した冷却流体を一時的に蓄積する。
このタンク本体511において、その内部には、図5に示すように、冷却流体を一時的に蓄積した状態で、鉛直方向(図5中、上下方向)上側に、冷却流体に含まれる気泡やゴミ等を蓄積する気泡蓄積部511Aが形成される。
また、このタンク本体511において、その内部には、図5に示すように、タンク本体511内部を冷却流体が流通パイプ513から流通パイプ514に流通可能に冷却流体の流入側および排出側の各空間A1,A2に区画する仕切板511Bが設けられている。
この仕切板511Bは、図5に示すように、タンク本体511における鉛直方向と略直交する水平軸(図5中、左右方向)に略直交するように延出し、タンク本体511内部の底面から鉛直方向上側に向けて立設している。なお、図示は省略するが、仕切板511Bにおける鉛直方向上端縁と交差する両側端部もタンク本体511内部に接続されている。
流通パイプ513,514は、図5に示すように、固定部材512およびタンク本体511における鉛直方向と略直交する水平軸と交差する互いに対向する端面をそれぞれ貫通するように設けられ、タンク本体511の内部、および固定部材512の外部に突出するように形成されている。また、これら流通パイプ513,514は、各筒状軸が鉛直方向に直交する所定の軸線上に一致するように、すなわち、同軸上に配置されている。ここで、上述した仕切板511Bは、図5に示すように、その鉛直方向上端縁が流通パイプ513におけるタンク本体511内部に突出した先端部分の冷却流体を導出する導出側開口513Aの鉛直方向上端縁、および流通パイプ514におけるタンク本体511内部に突出した先端部分の冷却流体を導入する導入側開口514Aの鉛直方向上端縁よりも鉛直方向上側に位置するように形成されている。
そして、流通パイプ513において、固定部材512の外部に突出した端部には、図5に示すように、流体循環部材448が接続され、該流体循環部材448を介して、3つの光変調素子保持体4402の各筒状部4406Iと冷却流体を流通可能に接続している。
また、流通パイプ514において、固定部材512の外部に突出した端部には、図5に示すように、流体循環部材448が接続され、該流体循環部材448を介してラジエータ447と冷却流体を流通可能に接続している。
送出側蓄積部としての中継タンク52は、中継タンク51と同様の構成であり、タンク本体511(気泡蓄積部511A、仕切板511B、空間A1,A2を含む)、固定部材512(本体部512Aおよび蓋部512Bを含む)、および一対の流通パイプ513,514と同様の、タンク本体521(気泡蓄積部521Aおよび仕切板521Bを含む)、固定部材522(本体部522Aおよび蓋部522Bを含む)、および一対の流通パイプ523,524を備える。そして、中継タンク52は、固定部材522により、クロスダイクロイックプリズム444の下面に固定される。
ここで、流通パイプ523において、固定部材522の外部に突出した端部には、図5に示すように、流体循環部材448が接続され、該流体循環部材448を介して、流体圧送部と冷却流体を流通可能に接続している。
また、流通パイプ524において、固定部材522の外部に突出した端部には、図5に示すように、流体循環部材448が接続され、該流体循環部材448を介して3つの光変調素子保持体4402の各筒状部4405Iと冷却流体を流通可能に接続している。
〔冷却流体の循環流路〕
次に、上述した光学装置44における冷却流体の循環流路について説明する。
なお、以下では、プロジェクタ1が通常の姿勢状態の場合を例に説明する。
メインタンク445に蓄積された冷却流体は、流体圧送部が駆動することにより、流体圧送部を介して排出され、図5に示すように、流体循環部材448を通り、中継タンク52の流通パイプ523を介してタンク本体521内部の空間A1に導入される。空間A1に導入された冷却流体は、図5に示すように、仕切板521Bにより鉛直方向上側に流路が変更され、仕切板521Bの鉛直方向上端縁とタンク本体521内部の上面との隙間を介して空間A2に導入される。空間A2に導入された冷却流体は、図5に示すように、流通パイプ524を介してタンク本体521外部に排出される。
中継タンク52から排出された冷却流体は、流体循環部材448により分流されて、各光変調素子保持体4402の各筒状部4405Iを介して各光変調素子保持体4402内部に導入される。光変調素子保持体4402内部に導入された冷却流体は、図4に示すように、突出部4405C2により、枠状部材4405の光束入射側および光束射出側に分流される。そして、枠状部材4405の光束入射側に分流された冷却流体は、図4に示すように、第1冷却室R1内に導入され、入射側偏光板442および液晶パネル441を冷却して、枠状部材4406の筒状部4406Dおよび筒状部4406Iを介して外部に排出される。
一方、枠状部材4405の光束射出側に分流された冷却流体は、図4に示すように、筒状部4405Cを介して第2冷却室R2内に導入される。第2冷却室R2内の冷却流体は、図4に示すように、液晶パネル441および射出側偏光板443を冷却した後、枠状部材4406の筒状部4406Iを介して外部に排出される。
筒状部4406Iから排出された冷却流体は、流体循環部材448により合流して、図5に示すように、中継タンク51の流通パイプ513を介してタンク本体511内部の空間A1に導入される。空間A1に導入された冷却流体は、図5に示すように、仕切板511Bにより鉛直方向上側に流路が変更され、仕切板511Bの鉛直方向上端縁とタンク本体511内部の上面との隙間を介して空間A2に導入される。空間A2に導入された冷却流体は、図5に示すように、流通パイプ514を介してタンク本体511外部に排出される。
中継タンク51から排出された冷却流体は、流体循環部材448を通って、ラジエータ447に導入される。そして、液晶パネル441、入射側偏光板442、および射出側偏光板443により温められた熱がラジエータ447により放熱される。そして、冷却流体は、ラジエータ447を介して、再度、メインタンク445に戻る。
すなわち、冷却流体は、メインタンク445、流体圧送部、中継タンク52、各光変調素子保持体4402、中継タンク51、およびラジエータ447の順に循環する。
上述した第1実施形態においては、光学装置本体440が流体圧送部を備え、流体圧送部により冷却流体が強制的に循環されるので、冷却流体は、光変調素子保持体4402の冷却室R1,R2内外に常に対流することとなる。このため、従来のように冷却室内に冷却流体を密封させておく場合と比較して、冷却流体が温められにくく、冷却流体と液晶パネル441との温度差を良好に維持して液晶パネル441を効率的に冷却できる。
ここで、冷却室R1,R2は、液晶パネル441のみならず、入射側偏光板442および射出側偏光板443にて閉塞されるので、入射側偏光板442および射出側偏光板443も効率的に冷却できる。
そして、液晶パネル441、入射側偏光板442、および射出側偏光板443を効率的に冷却できるため、プロジェクタ1の高寿命化が図れる。
また、タンク本体511,521内部に仕切板511B,521Bが設けられ、仕切板511B,521Bの鉛直方向上端縁が流通パイプ513,523の導出側開口513A,523Aの鉛直方向上端縁よりも鉛直方向上側に位置しかつ、仕切板511B,521Bの鉛直方向下端縁がタンク本体511,521内部の底面に接続している。このことにより、タンク本体511,521内部において、流通パイプ513,523から流通パイプ514,524に向かう冷却流体の流路を、仕切板511B,521Bを介して仕切板511B,521Bの鉛直方向上側に向かう流路に変更することができる。ここで、冷却流体に含まれる気泡等は、浮力により鉛直方向上側に移動する。このため、仕切板511B,521Bによる冷却流体の流路の変更に伴って、気泡等を仕切板511B,521Bの鉛直方向上側に移動させることができ、気泡等が流通パイプ514,524に取り込まれにくい構造を実現でき、気泡等を気泡蓄積部511A,521Aに良好に蓄積させることができる。したがって、タンク本体511,521内部にて冷却流体に含まれる気泡等を捕捉でき、光変調素子保持体4402の冷却室R1,R2内の光路中に気泡等が侵入してしまうのを防止し、液晶パネル441、入射側偏光板442、および射出側偏光板443にて形成される光学像の画像品質を良好に維持できる。
そして、液晶パネル441、入射側偏光板442、および射出側偏光板443にて形成される光学像の画像品質を良好に維持できるため、プロジェクタ1にて鮮明な投影画像を常に形成できる。
ここで、中継タンク51,52がクロスダイクロイックプリズム444の上下面にそれぞれ配設されているので、光学装置本体440における余スペースに中継タンク5を配設でき、光学装置本体440の大型化を抑制できる。
また、中継タンク51,52を上述したように配設することで、プロジェクタ1を通常の姿勢状態で設置した場合に、冷却室R1,R2内部において、冷却流体を鉛直方向下側から鉛直方向上側に流通させることができる。このため、冷却室R1,R2内部において、液晶パネル441、入射側偏光板442、および射出側偏光板443から冷却流体に放熱された熱の移動方向と、冷却流体の流通方向とを同一に設定でき、熱が冷却室R1,R2内部において滞留することを防止できる。したがって、冷却流体と液晶パネル441、入射側偏光板442、および射出側偏光板443との温度差を良好に維持でき、液晶パネル441、入射側偏光板442、および射出側偏光板443を効率的に冷却できる。
さらに、各液晶パネル441、各入射側偏光板442、および各射出側偏光板443の発熱量がR,G,B毎に異なる場合には、各光変調素子保持体4402に形成された各冷却室R1,R2から排出された温度の異なる冷却流体は、一括して中継タンク51に導入されることで、温度が均一化される。また、中継タンク52に蓄積された冷却流体は、分岐されて各光変調素子保持体4402に形成された各冷却室R1,R2に導入されるので、各液晶パネル441、各入射側偏光板442、および各射出側偏光板443をR,G,B毎に均一に冷却できる。
さらにまた、光変調素子保持体4402と流体圧送部との流路間に、中継タンク52が配設されているので、冷却流体に含まれる気泡等が流体圧送部内に混入することを回避し、気泡等による流体圧送部の不具合も防止できる。
ところで、仕切板511B,521Bの鉛直方向上端縁が流通パイプ514,524の導入側開口514A,524Aの鉛直方向上端縁よりも鉛直方向下側に位置している場合には、タンク本体511,521内部において、仕切板511B,521Bにより冷却流体の流路を変更した場合であっても、冷却流体に含まれる気泡等が流通パイプ514,524に取り込まれる虞がある。
本実施形態では、仕切板511B,521Bにおける鉛直方向上端縁が流通パイプ514,524の導入側開口514A,524Aの鉛直方向上端縁よりも鉛直方向上側に位置しているので、冷却流体に含まれる気泡等が流通パイプ514,524に取り込まれることをより確実に防止できる。
また、流通パイプ513,514および流通パイプ523,524は、タンク本体511,521における鉛直方向と直交する水平軸と交差する互いに対向する端面にそれぞれ配置されているので、仕切板511B,521Bを簡単な形状で構成でき、仕切板511B,521Bによりタンク本体511,521内部を冷却流体の流入側および排出側の2つの空間A1,A2に良好に区画できる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態を図面に基づいて説明する。
なお、以下の説明では、既に説明した部分と同一の部分については、同一符号を付してその説明を省略する。
本実施形態は、一対の中継タンクにおいて、前記第1実施形態に対して、各仕切板におけるタンク本体511,521から立設した基端部分に空間A1,A2間を連通する連通孔をそれぞれ形成した点が異なるのみである。その他の構成は、前記第1実施形態と同様のものである。
図6は、第2実施形態における仕切板611Bの形状を示す図である。具体的に、図6は、プロジェクタ1を通常の姿勢状態に設置した場合で、流通パイプ513,514の筒状軸方向から仕切板611Bを見た図である。なお、本実施形態では、一対の中継タンク6の構成は略同様であるため、図6では、前記第1実施形態で説明した中継タンク51に対応する中継タンク61のみを図示し、他の中継タンクについては、図示および説明を省略する。また、図6では、中継タンク61において、固定部材512についても図示を省略している。
中継タンク61を構成するタンク本体511内部に設けられた仕切板611Bには、図6に示すように、仕切板611Bの鉛直方向下側とタンク本体511との接続部分に連通孔611Cが形成されている。
連通孔611Cは、図6に示すように、仕切板611Bにおける左右略中央部分に位置し、平面視略半円状に形成されている。
なお、本実施形態における冷却流体の循環流路は、前記第1実施形態で説明した冷却流体の循環流路と同様であるため、説明を省略する。
上述した第2実施形態では、前記第1実施形態と同様の効果の他、以下の効果がある。
図7および図8は、第2実施形態の効果を説明するための図である。具体的に、図7および図8は、プロジェクタ1を天吊りの姿勢状態(プロジェクタ1の底面が天井等の接地面に接地した状態)に設置した場合での中継タンク51(図7)、中継タンク61(図8)を示す断面図である。なお、上述したように、一対の中継タンク5,6は同様の構成であるため、図7および図8では、図6と同様に、中継タンク51および中継タンク61のみを図示し、他の中継タンクについては図示および説明を省略する。
図7に示すように、プロジェクタ1を天吊りの姿勢状態に設置すると、仕切板511Bの鉛直方向上端縁がタンク本体511内部に接続していることとなる。このように仕切板511Bの鉛直方向上端縁がタンク本体511内部に接続している場合には、タンク本体511内部の鉛直方向上側に形成される気泡蓄積部511Aが仕切板511Bにより各領域B1,B2に区画されることとなる。このため、各領域B1,B2のうち流通パイプ513側の領域B1にのみ気泡等が蓄積されてしまう。すなわち、気泡蓄積部511Aにおける気泡等を蓄積可能とする空間の体積が縮小されてしまうため、気泡等が蓄積され続けた場合に、仕切板511Bの鉛直方向下端縁から領域B2に向けて気泡等が流出し、該流出した際に気泡等が流通パイプ514に取り込まれる虞がある。
本実施形態では、仕切板611Bには連通孔611Cが形成されているので、図8に示すように、プロジェクタ1を天吊りの姿勢状態に設置した場合であっても、連通孔611Cを介して気泡蓄積部511Aの各領域B1,B2間を蓄積された気泡等が連通可能となり、気泡蓄積部511Aにおける気泡等を蓄積可能とする空間の体積を縮小することがない。したがって、気泡蓄積部511Aにて気泡等を良好に蓄積させることができる。
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態を図面に基づいて説明する。
なお、以下の説明では、既に説明した部分と同一の部分については、同一符号を付してその説明を省略する。
本実施形態は、一対の中継タンクにおいて、前記第1実施形態に対して、仕切板を2つでそれぞれ構成した点が異なるのみである。その他の構成は、前記第1実施形態と同様のものである。
図9は、第3実施形態における中継タンク71の構造を示す断面図である。具体的に、図9は、図5と同様に、プロジェクタ1を通常の姿勢状態に設置した場合で、流通パイプ513,514の各筒状軸と略直交する方向から中継タンク71を見た断面図である。なお、本実施形態では、一対の中継タンク7の構成は、略同様であるため、図9では、前記第1実施形態で説明した中継タンク51に対応する中継タンク71のみを図示し、他の中継タンクについては、図示および説明を省略する。
中継タンク71を構成するタンク本体511内部に設けられた仕切板は、図9に示すように、第1仕切板711B1および第2仕切板711B2で構成される。そして、タンク本体511内部は、図9に示すように、第1仕切板711B1および第2仕切板711B2により、3つの空間A3,A4,A5に区画される。
第1仕切板711B1は、図9に示すように、タンク本体511における鉛直方向と略直交する水平軸(図9中、左右方向)に略直交するように延出し、タンク本体511内部の底面から鉛直方向上側に向けて立設している。なお、図示は省略するが、第1仕切板711B1における鉛直方向上端縁と交差する両側端部もタンク本体511内部に接続されている。そして、第1仕切板711B1は、図9に示すように、その鉛直方向上端縁が流通パイプ513におけるタンク本体511内部に突出した先端部分の導出側開口513Aの鉛直方向上端縁よりも鉛直方向上側に位置するように形成されている。
第2仕切板711B2は、図9に示すように、第1仕切板711B1と略平行するように延出し、タンク本体511内部の上面から鉛直方向下側に向けて立設している。なお、図示は省略するが、第2仕切板711B2における鉛直方向下端縁と交差する両側端部もタンク本体511内部に接続されている。そして、第2仕切板711B2は、図9に示すように、その鉛直方向下端縁が流通パイプ514におけるタンク本体511内部に突出した先端部分の導入側開口514Aの鉛直方向下端縁よりも鉛直方向下側に位置するように形成されている。
なお、本実施形態における冷却流体の循環流路は、前記第1実施形態で説明した冷却流体の循環流路と同様であるため、説明を省略する。
上述した第3実施形態では、前記第1実施形態と同様の効果の他、以下の効果がある。
タンク本体511内部において、仕切板を第1仕切板711B1および第2仕切板711B2の2つで構成しているので、図9に示すように、流通パイプ513から流通パイプ514に向かう冷却流体の流路を第1仕切板711B1および第2仕切板711B2により鉛直方向に蛇行した流路に変更することができる。このような鉛直方向に蛇行した流路で冷却流体を流通させることで、冷却流体に含まれる気泡等を流路中で鉛直方向上側により確実に移動させることができる。このため、気泡等が流通パイプ514に取り込まれることをより確実に防止できる。
[第4実施形態]
次に、本発明の第4実施形態を図面に基づいて説明する。
なお、以下の説明では、既に説明した部分と同一の部分については、同一符号を付してその説明を省略する。
前記第1実施形態では、中継タンク51,52を構成するタンク本体511,521は、固定部材512,522にそれぞれ固定されている。
これに対して第4実施形態では、一対の中継タンク51を構成する各タンク本体は、一対の流通パイプにそれぞれ回転可能に軸支されている。一対の中継タンク以外の構成は、前記第1実施形態と同様のものである。
図10は、第4実施形態における中継タンク81の構造を示す断面図である。具体的に、図10は、図5および図9と同様に、流通パイプ813,814の各筒状軸と略直交する方向から中継タンク81を見た断面図である。なお、本実施形態では、一対の中継タンク8の構成は、略同様であるため、図10では、前記第1実施形態で説明した中継タンク51に対応する中継タンク81のみを図示し、他の中継タンクについては図示および説明を省略する。
中継タンク81は、図10に示すように、前記第1実施形態で説明したタンク本体511(気泡蓄積部511Aおよび仕切板511Bを含む)、固定部材512(本体部512Aおよび蓋部512Bを含む)、および一対の流通パイプ513,514(導出側開口513Aおよび導入側開口514Aを含む)と略同様のタンク本体811、固定部材812、および一対の流通パイプ813,814の他、一対の回動部材815を備える。
タンク本体811の側端面には、図10に示すように、一対の流通パイプ813,814を貫通させるとともに、一対の回動部材815を構成する後述する接続部材を設置するための一対の開口部811Dが同軸上に形成されている。
同様に、固定部材812を構成する本体部512Aの側端面には、図10に示すように、一対の流通パイプ813,814を貫通させるとともに、一対の回動部材815を構成する後述するボールベアリングを設置するための一対の開口部812A1が形成されている。
一対の流通パイプ813,814の外周面には、図10に示すように、一対の回動部材815を構成するOリングを設置するための凹部813B,814Bが形成されている。
一対の回動部材815は、固定部材812および一対の流通パイプ813,814とタンク本体811との間に配設され、固定部材812および一対の流通パイプ813,814に対してタンク本体811を回動可能とする部材である。この回動部材815は、図10に示すように、ボールベアリング8151と、接続部材8152と、Oリング8153とを備える。
ボールベアリング8151は、略筒状に構成され、相互に回転自在に構成される外輪部8151Aおよび内輪部8151Bを備える。そして、外輪部8151Aは、図10に示すように、固定部材812の開口部812A1の内周面に固定されている。
接続部材8152は、流通パイプ813,814を内部に挿通可能とする筒状部材で構成され、その外周面にて内輪部8151Bの内周面、およびタンク本体811の開口部811Dの内周面を接続する。
Oリング8153は、弾性部材で構成され、凹部813B,814Bに設置される。そして、Oリング8153は、中継タンク81を組み立てた状態で、流通パイプ813,814と接続部材8152との隙間を閉塞し、タンク本体811内部の冷却流体が外部に漏れることを防止する。
以上のような中継タンク81の構成において、タンク本体811の重心位置は、流通パイプ813,814の軸線上に対してずれた位置に形成されている。
そして、プロジェクタ1を通常の姿勢状態に設置した状態から天吊りの姿勢状態に設置した場合には、ボールベアリング8151の外輪部8151Aに対して内輪部8151Bが回転し、接続部材8152の内周面がOリング8153の外周面上を摺動してタンク本体811が前記軸線を回転軸として回転する。すなわち、タンク本体811は、その重心位置が常に前記軸線よりも鉛直方向下側に位置するように、固定部材812および一対の流通パイプ813,814に対して回転する。
なお、本実施形態における冷却流体の循環流路は、前記第1実施形態で説明した冷却流体の循環流路と同様であるため、説明を省略する。
上述した第4実施形態においては、前記第1実施形態と同様の効果の他、以下の効果がある。
ところで、前記第1実施形態で説明したようにタンク本体511,521が固定部材512,522に固定されている場合には、気泡蓄積部511A,521Aは、タンク本体511,521内部の鉛直方向上側に常に形成されることとなるため、タンク本体511,521内部において、プロジェクタ1を通常の姿勢状態に設置した状態と天吊りの姿勢状態に設置した状態とで気泡蓄積部511A,521Aの位置が異なることとなる。このため、例えば、プロジェクタ1を通常の姿勢状態に設置した状態から天吊りの姿勢状態に設置した状態に移行すると、気泡蓄積部511A,521Aの位置が移動し、気泡蓄積部511A,521Aの位置の移動とともに蓄積された気泡等も移動することとなる。このようにプロジェクタ1の姿勢状態を変更した場合には、気泡等の移動の際に該気泡等が流通パイプ514,524に取り込まれる虞がある。
本実施形態では、プロジェクタ1を通常の姿勢状態に設置した状態と天吊りの姿勢状態に設置した状態とを移行させた場合であっても、該移行に連動してタンク本体811が回動部材815を介して流通パイプ813,814に対して回転することで、タンク本体811内部において、気泡蓄積部511Aの位置は移動しない。このため、プロジェクタ1を通常の姿勢状態に設置した状態と天吊りの姿勢状態に設置した状態とを移行しても、気泡等が常に同一の気泡蓄積部511Aに蓄積された状態となる。したがって、プロジェクタ1を通常の姿勢状態に設置した状態と天吊りの姿勢状態に設置した状態とを移行させた際でも、気泡等が移動することがなく該気泡等が流通パイプ814に取り込まれることがない。
また、プロジェクタ1の姿勢状態に応じてタンク本体811が回転するので、プロジェクタ1の姿勢状態を変更した場合であっても、気泡蓄積部511Aと仕切板511Bの位置関係が変わらないこととなる。このため、前記第2実施形態で説明した連通孔611Cを仕切板511Bに形成する必要がなく、仕切板511Bの形状を簡素化できる。
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
前記各実施形態において、仕切板511B,521B,611B,711B1,711B2としては、鉛直方向上端縁が流通パイプ513,523の導出側開口513A,523Aの鉛直方向上端縁よりも鉛直方向上側に位置しかつ、鉛直方向下端縁が流通パイプ513,523,813の導出側開口513A,523Aの鉛直方向下端縁よりも鉛直方向下側に位置していれば、いずれの形状でもよく、例えば、以下の構成を採用できる。
例えば、仕切板において、鉛直方向上端縁および下端縁と交差する両側端縁のみがタンク本体511,521,811内部に接続する。そして、仕切板における鉛直方向上端縁および下端縁の双方の端縁とタンク本体511,521,811内部との間に隙間が形成され、該隙間を介して冷却流体が流通パイプ513,523,813から流通パイプ514,524,814に流通する。このように構成すれば、プロジェクタ1を通常の姿勢状態に設置した場合、および天吊りの姿勢状態に設置した場合の双方において、仕切板の鉛直方向上端縁とタンク本体511,521,811との間に隙間が形成される構成を実現できる。このため、プロジェクタ1を通常の姿勢状態に設置した場合、および天吊りの姿勢状態に設置した場合の双方において、気泡等が流通パイプ514,524,814に取り込まれにくい構造を実現できる。
前記第1実施形態ないし前記第3実施形態では、一対の流通パイプ513,514および一対の流通パイプ523,524は、タンク本体511,521における鉛直方向と交差する互いに対向する端面に各筒状軸が同軸上に位置するようにそれぞれ配置されていたが、これに限らない。例えば、一対の流通パイプ513,514および一対の流通パイプ523,524を、タンク本体511,521における同一の端面に配置したり、互いに対向しない端面にそれぞれ配置する構成を採用してもよい。また、例えば、一対の流通パイプ513,514および一対の流通パイプ523,524を、タンク本体511,521における互いに対向する端面に各筒状軸が異なる軸線上に位置するようにそれぞれ配置する構成を採用してもよい。
前記各実施形態では、仕切板511B,521B,611B,711B1,711B2は、鉛直方向と直交する水平軸に略直交するように延出していたが、これに限らず、水平軸と交差するように延出していればよい。すなわち、仕切板の板面が水平軸に対して傾斜するように構成しても構わない。
前記各実施形態では、流通パイプ513,514,523,524,813,814がタンク本体511,521,811内部に突出した形状を有していたが、これに限らず、タンク本体511,521,811内部に突出していない形状を採用してもよい。
前記第2実施形態において、連通孔611Cの形状は前記第2実施形態で説明した形状に限らず、その他の形状を採用してもよい。
前記第2実施形態では、連通孔611Cは、仕切板611Bに形成されていたが、これに限らず、仕切板611Bの鉛直方向下側とタンク本体511内部との接続部分であれば、タンク本体511内部に形成しても構わない。
前記第3実施形態では、仕切板を2つで構成していたが、これに限らず、3つ以上で構成しても構わない。このように仕切板を3つ以上で構成した場合には、隣接する各仕切板のうち一方の仕切板の鉛直方向下端縁がタンク本体511内部に接続し、隣接する各仕切板のうち他方の仕切板の鉛直方向上端縁がタンク本体511内部に接続していればよい。
前記第3実施形態において、仕切板711B1,711B2に前記第2実施形態で説明したような連通孔611Cを形成した構成を採用してもよい。
前記第4実施形態において、回動部材815の構成は前記第4実施形態で説明した構成に限らず、その他の構成を採用してもよい。
前記第4実施形態において、タンク本体811内部の仕切板511Bを、前記第3実施形態と同様に複数で構成しても構わない。
前記各実施形態において、光変調素子保持体4402の構成は、前記各実施形態で説明した構成に限らない。すなわち、光変調素子保持体は、内部に冷却流体が封入される冷却室が形成され、光変調素子としての液晶パネル441を冷却流体に熱伝達可能に保持する構成であれば、いずれの構成を採用してもよい。例えば、前記各実施形態では、光変調素子保持体4402は、2つの冷却室R1,R2を有していたが、1つのみの冷却室を有する構成としても構わない。
前記各実施形態において、冷却流体蓄積部としての中継タンク5,6,7,8は、クロスダイクロイックプリズム444の上下面に配設されていたが、これに限らず、その他の位置に配設しても構わない。例えば、メインタンク445を本発明に係る冷却流体蓄積部として構成してもよい。
前記各実施形態では、光学装置44において、メインタンク445およびラジエータ447を備えた構成を説明したが、これに限らず、これらメインタンク445およびラジエータ447のうち少なくともいずれかを省略した構成を採用してもよい。
前記各実施形態では、光学ユニット4が平面視略L字形状を有した構成を説明したが、これに限らず、例えば、平面視略U字形状を有した構成を採用してもよい。
前記各実施形態では、3つの液晶パネル441を用いたプロジェクタ1の例のみを挙げたが、本発明は、1つの液晶パネルのみを用いたプロジェクタ、2つの液晶パネルのみを用いたプロジェクタ、あるいは、4つ以上の液晶パネルを用いたプロジェクタにも適用可能である。
前記各実施形態では、光入射面と光射出面とが異なる透過型の液晶パネルを用いていたが、光入射面と光射出面とが同一となる反射型の液晶パネルを用いてもよい。
前記各実施形態では、光変調素子として液晶パネルを用いていたが、マイクロミラーを用いたデバイスなど、液晶以外の光変調素子を用いてもよい。この場合は、光束入射側および光束射出側の偏光板は省略できる。
前記各実施形態では、スクリーンを観察する方向から投射を行うフロントタイプのプロジェクタの例のみを挙げたが、本発明は、スクリーンを観察する方向とは反対側から投射を行うリアタイプのプロジェクタにも適用可能である。
本発明を実施するための最良の構成などは、以上の記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ、説明されているが、本発明の技術的思想及び目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。
したがって、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
本発明の光学装置は、光変調素子を効率的に冷却できかつ、画像品質を良好に維持できるため、プレゼンテーションやホームシアターに用いられるプロジェクタの光学装置として有用である。
第1実施形態におけるプロジェクタの概略構成を模式的に示す図。 前記実施形態における光学装置本体の概略構成を示す斜視図。 前記実施形態における光変調素子保持体の概略構成を示す分解斜視図。 前記実施形態における光変調素子保持体の断面図。 前記実施形態における中継タンクの構造を示す断面図。 第2実施形態における仕切板の形状を示す図。 前記実施形態における効果を説明するための図。 前記実施形態における効果を説明するための図。 第3実施形態における中継タンクの構造を示す断面図。 第4実施形態における中継タンクの構造を示す断面図。
符号の説明
1・・・プロジェクタ、5,6,7,8・・・中継タンク(冷却流体蓄積部)、44・・・光学装置、51,61,71,81・・・中継タンク(送入側蓄積部)、52・・・中継タンク(送出側蓄積部)、411・・・光源装置、441・・・液晶パネル(光変調素子)、444・・・クロスダイクロイックプリズム(色合成光学装置)、448・・・流体循環部材、511A,521A・・・気泡蓄積部、511B,521B,611B,711B1,711B2・・・仕切板、513,523,813・・・流通パイプ(冷却流体流入部)、513A,523A・・・導出側開口、514,523,814・・・流通パイプ(冷却流体排出部)、514A,524A・・・導入側開口、4402・・・光変調素子保持体、L・・・投射レンズ、A1,A2,A3,A4,A5・・・空間、R1,R2・・・冷却室。

Claims (8)

  1. 光源から射出された光束を画像情報に応じて変調して光学像を形成する光変調素子を含んで構成される光学装置であって、
    内部に冷却流体が封入される冷却室が形成され、前記冷却室内の前記冷却流体に対して熱伝達可能に前記光変調素子を保持する光変調素子保持体と、
    前記冷却室と連通接続され、前記冷却流体を前記冷却室外部に案内し、再度前記冷却室内部に導く複数の流体循環部材と、
    前記複数の流体循環部材における前記冷却流体の流路中に配置され、前記冷却流体を内部に流入させる冷却流体流入部、および前記内部の冷却流体を外部に排出させる冷却流体排出部を有し、前記冷却流体を内部に蓄積する冷却流体蓄積部と、
    前記複数の流体循環部材における前記冷却流体の流路中に配置され、前記冷却流体を前記複数の流体循環部材を介して強制的に循環させる流体圧送部とを備え、
    前記冷却流体蓄積部の内部には、前記冷却流体に含まれ鉛直方向上側に向けて移動した気泡を蓄積する気泡蓄積部と、鉛直方向に直交する水平軸と交差するように延出し前記冷却流体蓄積部内部を前記冷却流体が前記冷却流体流入部から前記冷却流体排出部に流通可能に前記冷却流体の流入側から排出側にかけて複数の空間に区画する少なくとも1つの仕切板とが設けられ、
    前記仕切板および前記冷却流体流入部は、前記仕切板における鉛直方向上端縁が前記冷却流体流入部における前記冷却流体の導出側開口の鉛直方向上端縁よりも鉛直方向上側に位置し、前記仕切板における鉛直方向下端縁が前記導出側開口の鉛直方向下端縁よりも鉛直方向下側に位置するように配置されていることを特徴とする光学装置。
  2. 請求項1に記載の光学装置において、
    前記仕切板および前記冷却流体排出部は、前記仕切板における鉛直方向上端縁が前記冷却流体排出部における前記冷却流体の導入側開口の鉛直方向上端縁よりも鉛直方向上側に位置し、前記仕切板における鉛直方向下端縁が前記導入側開口の鉛直方向下端縁よりも鉛直方向下側に位置するように配置されていることを特徴とする光学装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の光学装置において、
    前記仕切板は、複数設けられ、
    前記複数の仕切板の隣接する各仕切板のうち一方の仕切板は、鉛直方向下端縁が前記冷却流体蓄積部内部に接続し、
    前記隣接する各仕切板のうち他方の仕切板は、鉛直方向上端縁が前記冷却流体蓄積部内部に接続していることを特徴とする光学装置。
  4. 請求項1から請求項3のいずれかに記載の光学装置において、
    前記仕切板は、鉛直方向上端縁または鉛直方向下端縁のうちいずれか一方が前記冷却流体蓄積部内部に接続し、
    前記接続部分には、隣接する前記空間を連通する連通孔が形成されていることを特徴とする光学装置。
  5. 請求項1から請求項4のいずれかに記載の光学装置において、
    前記冷却流体流入部および前記冷却流体排出部は、前記冷却流体蓄積部における前記水平軸と交差する互いに対向する端面にそれぞれ配置されていることを特徴とする光学装置。
  6. 請求項1から請求項4のいずれかに記載の光学装置において、
    前記冷却流体流入部および前記冷却流体排出部は、前記冷却流体蓄積部における前記水平軸と交差する互いに対向する端面にそれぞれ配置されかつ、鉛直方向と略直交する同一の軸線上にそれぞれ配置され、
    前記冷却流体蓄積部は、前記軸線を回転軸として回転可能に構成されていることを特徴とする光学装置。
  7. 請求項1から請求項6のいずれかに記載の光学装置において、
    前記光変調素子は、複数で構成され、
    前記光変調素子保持体は、前記複数の光変調素子に応じて複数設けられ、
    前記複数の光変調素子保持体を取り付ける複数の光束入射側端面を有し、前記複数の光変調素子で変調された各光束を合成する色合成光学装置を備え、
    前記冷却流体蓄積部は、蓄積した冷却流体を前記複数の光変調素子保持体の各冷却室に分岐して送出する送出側蓄積部と、前記各冷却室から排出された冷却流体を一括して送入する送入側蓄積部とを備え、
    前記送出側蓄積部および前記送入側蓄積部は、前記色合成光学装置の複数の光束入射側端面と交差する各端面にそれぞれ配設されていることを特徴とする光学装置。
  8. 光源装置と、請求項1から請求項7のいずれかに記載の光学装置と、前記光学装置にて形成された光学像を拡大投射する投射光学装置とを備えることを特徴とするプロジェクタ。
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