JP2005241863A - 光変調素子保持体、光学装置、およびプロジェクタ - Google Patents

光変調素子保持体、光学装置、およびプロジェクタ Download PDF

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Abstract

【課題】 冷却流体により光変調素子を効率的に冷却できる光変調素子保持体、光学装置、およびプロジェクタを提供する。
【解決手段】光変調素子保持体4402は、液晶パネル441を挟持する一対の枠状部材4405,4406と、一対の枠状部材4405,4406の外面にそれぞれ配置される透光性基板442A,443Aとを有する。一対の枠状部材4405,4406の内部には、冷却流体を封入可能とする冷却室がそれぞれ形成される。また、一対の枠状部材4405,4406には、各冷却室を連通接続する分流口および合流口が、流入口4405Iから分流口を介して流出口4406Iに向かう冷却流体の流路の長さと、流入口4405Iから合流口を介して流出口4406Iに向かう冷却流体の流路の長さとが略同一となる位置にそれぞれ形成されている。
【選択図】 図8

Description

本発明は、光変調素子保持体、光学装置、およびプロジェクタに関する。
従来、光源から射出された光束を画像情報に応じて変調して光学像を形成する複数の光変調装置と、各光変調装置で変調された光束を合成して射出する色合成光学装置と、色合成光学装置にて合成された光束を拡大投射する投射光学装置とを備えるプロジェクタが知られている。
このうち、光変調装置としては、例えば、一対の基板間に液晶等の電気光学材料が密閉封入されたアクティブマトリックス駆動方式の光変調素子が一般的に採用される。具体的に、この光変調素子を構成する一対の基板は、光束射出側に配置され、液晶に駆動電圧を印加するためのデータ線、走査線、スイッチング素子、画素電極等が形成された駆動基板と、光束入射側に配置され、共通電極、ブラックマトリックス等が形成された対向基板とで構成されている。
また、この光変調素子の光束入射側および光束射出側には所定の偏光軸を有する光束を透過させる入射側偏光板および射出側偏光板がそれぞれ配置される。
ここで、光源から射出された光束が光変調素子に照射された場合には、液晶層による光吸収とともに、駆動基板に形成されたデータ線および走査線や、対向基板に形成されたブラックマトリックス等による光吸収により、光変調素子の温度が上昇しやすい。また、光源から射出された光束、および光変調素子を透過した光束のうち、所定の偏光軸を有していない光束は、入射側偏光板および射出側偏光板によって吸収され、偏光板に熱が発生しやすい。
このため、このような光学素子を内部に有するプロジェクタは、光学素子の温度上昇を緩和するために、冷却流体を用いた冷却装置を備えた構成が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
すなわち、特許文献1に記載の冷却装置は、対向する端面が開口された略直方体状の筐体から構成され、前記開口をガラス板によりそれぞれ閉塞することで内部に冷却流体を密閉封入する冷却室が形成されている。そして、この冷却室内には、上述した光変調素子、入射側偏光板、および射出側偏光板が所定の間隔で離間配置され、冷却流体内に浸漬されている。このような構成により、光源から照射される光束により光変調素子、入射側偏光板、および射出側偏光板に生じる熱を直接、冷却流体に放熱させている。
特開平1−302386号公報
しかしながら、特許文献1に記載の冷却装置では、冷却室内に冷却流体が密閉封入されるので、発熱した光変調素子および偏光板により冷却流体が温められやすく、温められた冷却流体が冷却室内に滞留してしまう。
したがって、光変調素子と冷却流体との温度差が小さくなり、光変調素子を効率的に冷却することが困難である、という問題がある。
本発明の目的は、冷却流体により光変調素子を効率的に冷却できる光変調素子保持体、光学装置、およびプロジェクタを提供することにある。
本発明の光変調素子保持体は、光源から射出された光束を画像情報に応じて変調して光学像を形成する光変調素子を保持し、内部に冷却流体が封入される冷却室が形成され、前記冷却室内の冷却流体により前記光変調素子を冷却する光変調素子保持体であって、前記光変調素子の画像形成領域に応じてそれぞれ開口が形成され前記光変調素子を挟持する一対の枠状部材と、前記一対の枠状部材における対向する面と反対の面側にそれぞれ配置される透光性基板とを含んで構成され、前記冷却室は、前記一対の枠状部材の前記開口における前記対向する面側、および前記対向する面と反対の面側が前記光変調素子および前記透光性基板にてそれぞれ閉塞されることにより前記一対の枠状部材の双方の内部にそれぞれ形成され、前記一対の枠状部材のうちいずれか一方の枠状部材は、該一方の枠状部材における前記冷却室に前記冷却流体を流入させる流入口を有し、他方の枠状部材は、該他方の枠状部材における前記冷却室内部の前記冷却流体を外部に流出させる流出口を有し、前記一対の枠状部材には、前記各冷却室を連通接続し前記流入口を介して内部に流入した冷却流体を前記各冷却室に分流する分流口と、前記各冷却室を連通接続し前記一方の枠状部材における前記冷却室内を流通する冷却流体を前記他方の枠状部材における前記冷却室内に流入させる合流口とが形成され、前記分流口および前記合流口は、前記流入口から前記分流口を介して前記流出口に向かう前記冷却流体の流路の長さと、前記流入口から前記合流口を介して前記流出口に向かう前記冷却流体の流路長とが略同一となる位置にそれぞれ形成されていることを特徴とする。
ここで、流入口および流出口の数は、特に限定されず、少なくとも1つずつ形成されていればよい。また、分流口および合流口の数も同様に、特に限定されず、少なくとも1つずつ形成されていればよい。
本発明によれば、一対の枠状部材は流入口および流出口を有するので、例えば、冷却流体を流通可能な流体循環部材にて流入口および流出口を接続すれば、冷却流体を対流させることが容易となり、光変調素子により温められた冷却流体が冷却室内に滞留することを回避できる。
また、一対の枠状部材には、内部にそれぞれ冷却室が形成され、各冷却室が分流口および合流口によりそれぞれ連通接続されるので、流入口から内部に流入した冷却流体を分流口により各冷却室に分流することができ、また、合流口により各冷却室を流通する冷却流体を合流させて流出口を介して外部に送出させることができる。このため、光変調素子の光束入射側および光束射出側を略同一の温度である冷却流体により冷却でき、光変調素子における光束入射側および光束射出側の温度の均一化を図れる。
さらに、流入口から分流口を介して流出口に向かう冷却流体の流路の長さと、流入口から合流口を介して流出口に向かう冷却流体の流路の長さとが略同一となる位置に分流口および合流口がそれぞれ形成されている。このことにより、光変調素子の光束入射側および光束射出側の各冷却室を流通する冷却流体の各流路の長さを略同一に設定でき、光束入射側および光束射出側のいずれかの冷却室内部に冷却流体が滞留することを回避でき、光変調素子における光束入射側および光束射出側の温度の均一化をさらに図れる。
したがって、光変調素子により冷却流体が温められて光変調素子と冷却流体との温度差が小さくなることがなく、冷却流体により光変調素子を効率的に冷却でき、本発明の目的を達成できる。
また、開口が光変調素子の画像形成領域に応じて設けられているので、各冷却室を流通する冷却流体は、光変調素子の画像形成領域に接触する。このことにより、光変調素子の画像形成領域内の温度分布が均一化され、局所的な過熱を回避し、光変調素子にて鮮明な光学像を形成できる。
さらに、分流口および合流口を形成することで、流入口および流出口を各冷却室に応じて2つずつ設けなくてもよく、光変調素子保持体に各1つのみの流入口および流出口を設ける構成を採用できる。このことにより、流入口および流出口を各冷却室に応じて2つずつ設ける構成に比較して、流入口および流出口を接続する流体循環部材の引き回し本数を低減できる。したがって、流入口および流出口への流体循環部材の接続作業を容易に実施できるとともに、光変調素子保持体周りのスペース効率の向上が図れる。
本発明の光変調素子保持体では、前記一対の枠状部材を組み合わせた状態で前記流入口を前記他方の枠状部材に対して投影させた場合、前記投影された前記流入口と前記流出口とが前記他方の枠状部材における対向する側端部の対向位置にそれぞれ配置されることが好ましい。
本発明によれば、他方の枠状部材に対して投影された流入口と流出口とが他方の枠状部材における対向する側端部の対向位置にそれぞれ配置されるので、各冷却室内における冷却流体の流通方向を一方向に設定でき、各冷却室内における冷却流体の流通を円滑に実施でき、冷却流体の対流速度を速めることができる。したがって、光変調素子と各冷却室内の冷却流体との温度差を維持し、冷却流体により光変調素子をさらに効率的に冷却できる。
本発明の光変調素子保持体では、前記分流口および前記合流口は、前記一対の枠状部材を組み合わせた状態で互いに嵌合して連通接続する筒状部および筒状部嵌合孔でそれぞれ構成され、前記筒状部および前記筒状部嵌合孔は、前記各冷却室内部とそれぞれ連通接続していることが好ましい。
ここで、分流口および合流口としては、以下の形成位置を採用できる。
例えば、流入口を有する枠状部材に分流口の筒状部、および合流口の筒状部を形成する。そして、流出口を有する枠状部材に分流口の筒状部嵌合孔、および合流口の筒状部嵌合孔を形成する。
また、例えば、流入口を有する枠状部材に分流口の筒状部嵌合孔、および合流口の筒状部嵌合孔を形成する。そして、流出口を有する枠状部材に分流口の筒状部、および合流口の筒状部を形成する。
さらに、例えば、流入口を有する枠状部材に分流口の筒状部、および合流口の筒状部嵌合孔を形成する。そして、流出口を有する枠状部材に分流口の筒状部嵌合孔、および合流口の筒状部を形成する。
さらにまた、例えば、流入口を有する枠状部材に分流口の筒状部嵌合孔、および合流口の筒状部を形成する。そして、流出口を有する枠状部材に分流口の筒状部、および合流口の筒状部嵌合孔を形成する。
本発明によれば、分流口および合流口は、筒状部および筒状部嵌合孔でそれぞれ構成されているので、各枠状部材を組み立てる際に、各筒状部嵌合孔に対して各筒状部をそれぞれ嵌合させることで、各冷却室を容易に連通接続できる。
また、例えば、各枠状部材にそれぞれ筒状部を設け、各筒状部を接続することで分流口または合流口を形成する構成と比較して、分流口または合流口を流通する冷却流体の漏れを簡単な構成で容易に防止できる。
本発明の光変調素子保持体では、前記分流口の筒状部は、前記流入口を有する枠状部材に形成され、その軸方向が前記流入口を介して流通する冷却流体の流通方向と交差するように前記流入口と接続し、前記合流口の筒状部は、前記流出口を有する枠状部材に形成され、その軸方向が前記流出口を介して流通する冷却流体の流通方向と交差するように前記流出口と接続していることが好ましい。
本発明によれば、分流口の筒状部、および合流口の筒状部は、流入口および流出口とそれぞれ接続しているので、流入口を介して流入した冷却流体を分流口にて良好に各冷却室に分流するとともに、各冷却室を流通する冷却流体を良好に合流させかつ、流出口を介して外部に流出させる構造を実現できる。したがって、光変調素子の光束入射側および光束射出側を良好に冷却できる。
本発明の光変調素子保持体では、前記分流口の筒状部は、その内側面の一部が前記流入口を介して流通する冷却流体の流通方向と交差するように前記流入口と接続し、前記内側面の一部には、前記流入口を介して流入した前記冷却流体を前記各冷却室に分流する突出部が形成されていることが好ましい。
本発明によれば、分流口は、その内側面の一部が流入口を介して流通する冷却流体の流通方向と交差するように流入口と接続し、内側面の一部に突出部が形成されているので、流入口から流入した冷却流体を各冷却室の双方に確実に流入させ、光変調素子の光束入射側および光束射出側の双方を冷却流体にて確実に冷却できる。
また、例えば、光変調素子の光束入射側および光束射出側の発熱量が異なる場合には、突出部を分流口の内側面の一部における所定の位置に形成することで、発熱量の多い側に多くの冷却流体を流入させることが可能となり、光変調素子の光束入射側および光束射出側を効率的に冷却できる。
本発明の光変調素子保持体では、前記光変調素子を嵌合可能としその内側面が前記光変調素子の外形位置基準面である開口を有し、前記光変調素子を支持した状態で前記一対の枠状部材に挟持される支持枠体と、前記光変調素子の画像形成領域に応じてそれぞれ開口が形成され、前記一対の枠状部材および前記光変調素子の間にそれぞれ介在配置される弾性部材とを備え、前記支持枠体には、前記筒状部を挿通可能とする筒状部挿通孔が形成され、前記一対の枠状部材のうちいずれか一方の枠状部材には、他方の枠状部材に向けて突出し、当該光変調素子保持体を組み立てた状態で、その先端が前記支持枠体の前記筒状部挿通孔の周縁に当接し前記支持枠体を前記他方の枠状部材に向けて押圧する押圧部が形成されていることが好ましい。
ここで、筒状部挿通孔は、分流口の筒状部、および合流口の筒状部のうち少なくともいずれかの筒状部に対応して形成されていればよい。
本発明では、支持枠体にて光変調素子の外形位置が規制され、支持枠体の筒状部挿通孔に一対の枠状部材に形成された筒状部を挿通させることで一対の枠状部材に対する支持枠体の位置が規制される。このことにより、光変調素子保持体に対する光変調素子の位置決め精度を向上できるとともに、長期間使用した場合であっても、光変調素子保持体に対して光変調素子が外周方向、厚み方向および傾き方向に移動することがなく、光変調素子保持体に対して光変調素子が位置ずれを起こす虞もない。
また、光変調素子保持体を組み立てた状態で、一対の枠状部材のうちいずれか一方の枠状部材における押圧部により支持枠体の筒状部挿通孔周縁が他方の枠状部材に押圧されるので、一対の枠状部材における筒状部および筒状部嵌合孔の接続部分における封止状態を強化でき、該接続部分から冷却流体が漏れることを防止できる。
さらに、予め光変調素子を支持枠体に支持させた状態で光変調素子保持体内に組み込むことで、裸状態の光変調素子を取り扱うことがなく、光変調素子の取り扱い時に他の部材に衝突して該光変調素子が破損する虞もない。
さらにまた、このような構成では、光変調素子保持体の組み立てを簡単な構造で容易に実施できる。
本発明の光変調素子保持体では、前記分流口および前記合流口は、それぞれの内径断面積が略同一となるように形成されていることが好ましい。
本発明によれば、分流口および合流口の各内径断面積を略同一に設定することで、分流口および合流口を介して各冷却室を流通する冷却流体の流路抵抗を略同一のものとすることができ、冷却流体の流通を円滑に実施できる。
本発明の光学装置は、光源から射出された光束を画像情報に応じて変調して光学像を形成する光変調素子を含んで構成される光学装置であって、上述した光変調素子保持体と、前記光変調素子保持体の流入口および流出口と接続され、前記冷却流体を前記冷却室外部に案内し、再度、前記冷却室内部に導く複数の流体循環部材とを備えていることを特徴とする。
本発明によれば、光学装置は、上述した光変調素子保持体と、複数の流体循環部材とを備えているので、上述した光変調素子保持体と同様の作用・効果を享受できる。
また、光変調素子保持体の各冷却室内だけでなく、複数の流体循環部材にも冷却流体を封入することで、冷却流体の容量を大きくすることができ、光変調素子と冷却流体との熱交換能力を向上させることができる。
本発明の光学装置では、前記光変調素子は、複数の信号線、前記複数の信号線に接続された複数のスイッチング素子、および前記複数のスイッチング素子に接続された複数の画素電極を有する駆動基板と、前記駆動基板に対向配置され共通電極を有する対向基板と、前記複数の信号線および前記共通電極と電気的に接続され前記駆動基板および前記対向基板間から延出する回路基板とを含んで構成され、前記光変調素子保持体を構成する分流口および合流口は、前記一対の枠状部材を組み合わせた状態で互いに嵌合して連通接続する筒状部および筒状部嵌合孔でそれぞれ構成され、前記筒状部および前記筒状部嵌合孔は、前記各冷却室内部とそれぞれ連通接続し、前記分流口または前記合流口は、前記回路基板と平面的に干渉する位置に形成され、前記回路基板には、前記分流口の筒状部または前記合流口の筒状部を挿通可能とする挿通孔が形成されていることが好ましい。
ここで、本発明の光変調素子はアクティブマトリクス駆動方式を採用でき、スイッチング素子としては、TFT素子(Thin Film Transistor)等の3端子素子、MIM(Metal Insulator Metal)等の2端子素子を採用できる。
本発明によれば、回路基板には挿通孔が形成されているので、光変調素子保持体に光変調素子を組み込んだ際に回路基板を避ける位置に、分流口または合流口を形成する必要がない。このため、光変調素子保持体において、分流口または合流口の設計の自由度が向上する。また、回路基板を避ける位置に、分流口または合流口を形成する構成と比較して、光変調素子保持体の小型化を図れる。
本発明の光学装置では、前記光変調素子保持体は、前記光変調素子を嵌合可能としその内側面が前記光変調素子の外形位置基準面である開口を有し前記光変調素子を支持した状態で前記一対の枠状部材に挟持される支持枠体と、前記光変調素子の画像形成領域に応じてそれぞれ開口が形成され前記一対の枠状部材および前記光変調素子の間にそれぞれ介在配置される弾性部材とを備え、前記支持枠体には、前記筒状部を挿通可能とする筒状部挿通孔が形成され、前記一対の枠状部材のうちいずれか一方の枠状部材には、他方の枠状部材に向けて突出し、当該光変調素子保持体を組み立てた状態で前記回路基板の前記挿通孔に挿通され、その先端が前記支持枠体の筒状部挿通孔の周縁に当接し前記支持枠体を前記他方の枠状部材に向けて押圧する押圧部が形成されていることが好ましい。
本発明によれば、回路基板には挿通孔が形成されているので、分流口または合流口とともに、一対の枠状部材のうちいずれか一方の枠状部材における押圧部も挿通することができる。このため、分流口または合流口における筒状部および筒状部嵌合孔の接続部分における封止状態を強化でき、該接続部分から冷却流体が漏れることを防止できる。
本発明の光学装置では、入射した光束の光学特性を変換する少なくとも1つの光学変換素子を備え、前記光学変換素子は、透光性基板と、前記透光性基板上に形成され、入射した光束の光学特性を変換する光学変換膜とで構成され、前記光変調素子保持体を構成する透光性基板のうち少なくともいずれかの透光性基板は、前記光学変換素子を構成する透光性基板であることが好ましい。
ここで、光学変換素子としては、例えば、偏光板、位相差板、あるいは視野角補正板等を採用できる。
本発明によれば、光変調素子保持体を構成する透光性基板のうち少なくともいずれかの透光性基板は、光学変換素子を構成する透光性基板であるので、光変調素子のみならず、光源から射出された光束によって光学変換膜に生じる熱も、透光性基板を介して冷却室を対流する冷却流体に放熱できる。
本発明の光学装置では、前記光変調素子は、複数で構成され、前記光変調素子保持体は、前記複数の光変調素子に対応して複数で構成され、前記複数の光変調素子保持体が取り付けられる複数の光束入射側端面を有し前記複数の光変調素子にて変調された各色光を合成する色合成光学装置と、前記複数の光束入射側端面に交差する端面のうちいずれか一方の端面に取り付けられ内部の冷却流体を前記複数の光変調素子保持体毎に分岐して送出する流体分岐部と、前記複数の光束入射側端面に交差する端面のうちいずれか他方の端面に取り付けられ前記複数の光変調素子保持体から送出される冷却流体を一括して送入する冷却流体中継部とを備えていることが好ましい。
本発明によれば、光学装置を構成する流体分岐部は、内部の冷却流体を複数の光変調素子保持体毎に分岐して送出するので、各光変調素子保持体の冷却室に流入する冷却流体の温度が偏ることなく、略同一の温度である冷却流体にて各光変調素子を冷却できる。
また、光変調素子保持体の各冷却室内、および複数の流体循環部材だけでなく、流体分岐部および冷却流体中継部内部にも冷却流体を封入することで、冷却流体の容量を大きくすることができ、光変調素子と冷却流体との熱交換能力を向上させることができる。
さらに、流体分岐部および冷却流体中継部は、色合成光学装置において、複数の光束入射側端面と交差する端面にそれぞれ取り付けられるので、光変調素子が複数で構成されている場合であっても、光学装置をコンパクトにでき、光学装置の小型化を図れる。
本発明のプロジェクタは、光源装置と、上述した光学装置と、前記光学装置にて形成された光学像を拡大投射する投射光学装置とを備えていることを特徴とする。
本発明によれば、プロジェクタは、光源装置、上述した光学装置、および投写光学装置を備えているので、上述した光学装置と同様の作用・効果を享受できる。
また、上述した光学装置を備えることで、光変調素子の熱劣化を防止でき、プロジェクタの高寿命化を図れる。
以下、本発明の一実施の形態を図面に基づいて説明する。
〔プロジェクタの構成〕
図1は、プロジェクタ1の概略構成を模式的に示す図である。
プロジェクタ1は、光源から射出される光束を画像情報に応じて変調して光学像を形成し、形成した光学像をスクリーン上に拡大投射するものである。このプロジェクタ1は、外装ケース2と、冷却ユニット3と、光学ユニット4と、投射光学装置としての投射レンズ5とを備える。
なお、図1において、図示は省略するが、外装ケース2内において、冷却ユニット3、光学ユニット4、および投射レンズ5以外の空間には、電源ブロック、ランプ駆動回路等が配置されるものとする。
外装ケース2は、合成樹脂等から構成され、冷却ユニット3、光学ユニット4、および投射レンズ5を内部に収納配置する全体略直方体状に形成されている。この外装ケース2は、図示は省略するが、プロジェクタ1の天面、前面、背面、および側面をそれぞれ構成するアッパーケースと、プロジェクタ1の底面、前面、側面、および背面をそれぞれ構成するロアーケースとで構成され、前記アッパーケースおよび前記ロアーケースは互いにねじ等で固定されている。
なお、外装ケース2は、合成樹脂製に限らず、その他の材料にて形成してもよく、例えば、金属等により構成してもよい。
また、図示は省略するが、この外装ケース2には、冷却ユニット3によりプロジェクタ1外部から冷却空気を内部に導入するための吸気口(例えば、図2に示す吸気口22)、およびプロジェクタ1内部で温められた空気を排出するための排気口が形成されている。
さらに、この外装ケース2には、図1に示すように、投射レンズ5の側方で外装ケース2の角部分に位置し、光学ユニット4の後述する光学装置のラジエータを他の部材と隔離する隔壁21が形成されている。
冷却ユニット3は、プロジェクタ1内部に形成される冷却流路に冷却空気を送り込み、プロジェクタ1内で発生する熱を冷却する。この冷却ユニット3は、投射レンズ5の側方に位置し、外装ケース2に形成された図示しない吸気口からプロジェクタ1外部の冷却空気を内部に導入して光学ユニット4の後述する光学装置の液晶パネルに冷却空気を吹き付けるシロッコファン31と、外装ケース2に形成された隔壁21内部に位置し、外装ケース2に形成された吸気口22(図2参照)からプロジェクタ1外部の冷却空気を内部に導入して光学ユニット4の後述するラジエータに冷却空気を吹き付ける軸流ファン32とを備える。
なお、この冷却ユニット3は、図示は省略するが、シロッコファン31および軸流ファン32の他、光学ユニット4の後述する光源装置、および図示しない電源ブロック、ランプ駆動回路等を冷却するための冷却ファンも有しているものとする。
光学ユニット4は、光源から射出された光束を、光学的に処理して画像情報に対応して光学像(カラー画像)を形成するユニットである。この光学ユニット4は、図1に示すように、外装ケース2の背面に沿って延出するとともに、外装ケース2の側面に沿って延出する平面視略L字形状を有している。なお、この光学ユニット4の詳細な構成については、後述する。
投射レンズ5は、複数のレンズが組み合わされた組レンズとして構成される。そして、この投射レンズ5は、光学ユニット4にて形成された光学像(カラー画像)を図示しないスクリーン上に拡大投射する。
〔光学ユニットの詳細な構成〕
光学ユニット4は、図1に示すように、インテグレータ照明光学系41と、色分離光学系42と、リレー光学系43と、光学装置44と、光学部品41〜43および光学装置44の後述する光学装置本体を収納配置する光学部品用筐体45とを備える。
インテグレータ照明光学系41は、光学装置44を構成する後述する液晶パネルの画像形成領域を略均一に照明するための光学系である。このインテグレータ照明光学系41は、図1に示すように、光源装置411と、第1レンズアレイ412と、第2レンズアレイ413と、偏光変換素子414と、重畳レンズ415とを備える。
光源装置411は、放射状の光線を射出する光源ランプ416と、この光源ランプ416から射出された放射光を反射するリフレクタ417とを備える。光源ランプ416としては、ハロゲンランプやメタルハライドランプ、高圧水銀ランプが多用される。また、リフレクタ417としては、図1では、放物面鏡を採用しているが、これに限らず、楕円面鏡で構成し、光束射出側に該楕円面鏡により反射された光束を平行光とする平行化凹レンズを採用した構成としてもよい。
第1レンズアレイ412は、光軸方向から見て略矩形状の輪郭を有する小レンズがマトリクス状に配列された構成を有している。各小レンズは、光源装置411から射出される光束を、複数の部分光束に分割している。
第2レンズアレイ413は、第1レンズアレイ412と略同様な構成を有しており、小レンズがマトリクス状に配列された構成を有している。この第2レンズアレイ413は、重畳レンズ415とともに、第1レンズアレイ412の各小レンズの像を光学装置44の後述する液晶パネル上に結像させる機能を有している。
偏光変換素子414は、第2レンズアレイ413と重畳レンズ415との間に配置され、第2レンズアレイ413からの光を略1種類の偏光光に変換するものである。
具体的に、偏光変換素子414によって略1種類の偏光光に変換された各部分光は、重畳レンズ415によって最終的に光学装置44の後述する液晶パネル上にほぼ重畳される。偏光光を変調するタイプの液晶パネルを用いたプロジェクタでは、1種類の偏光光しか利用できないため、ランダムな偏光光を発する光源装置411からの光の略半分を利用できない。このため、偏光変換素子414を用いることで、光源装置411からの射出光を略1種類の偏光光に変換し、光学装置44での光の利用効率を高めている。
色分離光学系42は、図1に示すように、2枚のダイクロイックミラー421,422と、反射ミラー423とを備え、ダイクロイックミラー421,422によりインテグレータ照明光学系41から射出された複数の部分光束を、赤、緑、青の3色の色光に分離する機能を有している。
リレー光学系43は、図1に示すように、入射側レンズ431、リレーレンズ433、および反射ミラー432,434を備え、色分離光学系42で分離された赤色光を光学装置44の後述する赤色光用の液晶パネルまで導く機能を有している。
この際、色分離光学系42のダイクロイックミラー421では、インテグレータ照明光学系41から射出された光束の青色光成分が反射するとともに、赤色光成分と緑色光成分とが透過する。ダイクロイックミラー421によって反射した青色光は、反射ミラー423で反射し、フィールドレンズ418を通って光学装置44の後述する青色光用の液晶パネルに達する。このフィールドレンズ418は、第2レンズアレイ413から射出された各部分光束をその中心軸(主光線)に対して平行な光束に変換する。他の緑色光用、赤色光用の液晶パネルの光入射側に設けられたフィールドレンズ418も同様である。
ダイクロイックミラー421を透過した赤色光と緑色光のうちで、緑色光はダイクロイックミラー422によって反射し、フィールドレンズ418を通って光学装置44の後述する緑色光用の液晶パネルに達する。一方、赤色光はダイクロイックミラー422を透過してリレー光学系43を通り、さらにフィールドレンズ418を通って光学装置44の後述する赤色光用の液晶パネルに達する。なお、赤色光にリレー光学系43が用いられているのは、赤色光の光路の長さが他の色光の光路長さよりも長いため、光の発散等による光の利用効率の低下を防止するためである。すなわち、入射側レンズ431に入射した部分光束をそのまま、フィールドレンズ418に伝えるためである。本実施形態においては赤色光の光路長が長いのでこのような構成とされているが青色光の光路長を長くする構成も考えられる。
光学装置44は、図1に示すように、光変調素子としての3枚の液晶パネル441(赤色光用の液晶パネルを441R、緑色光用の液晶パネルを441G、青色光用の液晶パネルを441Bとする)と、この液晶パネル441の光束入射側および光束射出側に配置される光学変換素子としての入射側偏光板442および射出側偏光板443と、色合成光学装置としてのクロスダイクロイックプリズム444とが一体的に形成されたものである。
なお、光学装置44は、具体的な構成は後述するが、液晶パネル441、入射側偏光板442、射出側偏光板443、およびクロスダイクロイックプリズム444以外に、メインタンク、流体圧送部、ラジエータ、流体循環部材、流体分岐部、光変調素子保持体、および中継タンクを備える。
液晶パネル441は、ガラスなどからなる一対の基板441C,441D(図8参照)に電気光学物質である液晶が密閉封入された構成を有している。このうち、基板441C(図8参照)は、液晶を駆動するための駆動基板であり、互いに平行に配列形成される複数のデータ線と、複数のデータ線と直交する方向に配列形成される複数の走査線と、走査線およびデータ線の交差に対応してマトリクス状に配列形成される画素電極と、TFT等のスイッチング素子とを有している。また、基板441D(図8参照)は、基板441Cに対して所定間隔を空けて対向配置される対向基板であり、所定の電圧Vcomが印加される共通電極を有している。そして、これら基板441C,441Dには、図示しない制御装置と電気的に接続し、前記走査線、前記データ線、前記スイッチング素子、および前記共通電極等に所定の駆動信号を出力するフレキシブルプリント基板441E(図8参照)が接続されている。このフレキシブルプリント基板441E(図8参照)を介して前記制御装置から駆動信号を入力することで、所定の前記画素電極と前記共通電極との間に電圧が印加され、該画素電極および共通電極間に介在する液晶の配向状態が制御され、入射側偏光板442から射出された偏光光束の偏光方向が変調される。
このフレキシブルプリント基板441E(図8参照)において、下端側の幅方向略中央部分には、挿通孔441E1が形成されている。そして、この挿通孔441E1には、光学装置を構成する後述する光変調素子保持体の筒状部が挿通される。
入射側偏光板442は、偏光変換素子414で偏光方向が略一方向に揃えられた各色光が入射され、入射された光束のうち、偏光変換素子414で揃えられた光束の偏光軸と略同一方向の偏光光のみ透過させ、その他の光束を吸収するものである。この入射側偏光板442は、サファイアガラスまたは水晶等の透光性基板442A(図8参照)上に光学変換膜としての偏光膜(図示省略)が貼付された構成を有している。
射出側偏光板443は、入射側偏光板442と同様に透光性基板443Aおよび光学変換膜としての偏光膜443B(図8参照)を有し、液晶パネル441から射出された光束のうち、入射側偏光板442における光束の透過軸と直交する偏光軸を有する光束のみ透過させ、その他の光束を吸収するものである。
クロスダイクロイックプリズム444は、射出側偏光板443から射出された色光毎に変調された光学像を合成してカラー画像を形成する光学素子である。このクロスダイクロイックプリズム444は、4つの直角プリズムを貼り合わせた平面視略正方形状をなし、直角プリズム同士を貼り合わせた界面には、2つの誘電体多層膜が形成されている。これら誘電体多層膜は、液晶パネル441R,441Bから射出され射出側偏光板443を介した色光を反射し、液晶パネル441Gから射出され射出側偏光板443を介した色光を透過する。このようにして、各液晶パネル441R,441G,441Bにて変調された各色光が合成されてカラー画像が形成される。
図2は、プロジェクタ1内の一部を上方側から見た斜視図である。なお、図2において、光学部品用筐体45内の光学部品は、説明を簡略化するために、光学装置44の後述する光学装置本体のみを図示し、その他の光学部品41〜43は省略している。
図3は、プロジェクタ1内の一部を下方側から見た斜視図である。
光学部品用筐体45は、例えば、金属製部材から構成され、図1に示すように、内部に所定の照明光軸Aが設定され、上述した光学部品41〜43、および光学装置44の後述する光学装置本体を照明光軸Aに対する所定位置に収納配置する。なお、光学部品用筐体45は、金属製部材に限らず、その他の材料にて構成してもよく、特に熱伝導性材料で構成することが好ましい。この光学部品用筐体45は、図2に示すように、光学部品41〜43、および光学装置44の後述する光学装置本体を収納する容器状の部品収納部材451と、部品収納部材451の開口部分を閉塞する図示しない蓋状部材とで構成される。
このうち、部品収納部材451は、光学部品用筐体45の底面、前面、および側面をそれぞれ構成する。
この部品収納部材451において、側面の内側面には、図2に示すように、上述した光学部品412〜415,418,421〜423,431〜434を上方からスライド式に嵌め込むための溝部451Aが形成されている。
また、側面の正面部分には、図2に示すように、投射レンズ5を光学ユニット4に対して所定位置に設置するための投射レンズ設置部451Bが形成されている。この投射レンズ設置部451Bは、平面視略矩形状に形成され、平面視略中央部分には光学装置44からの光束射出位置に対応して円形状の図示しない孔が形成されており、光学ユニット4にて形成されたカラー画像が前記孔を通して投射レンズ5にて拡大投射される。
また、この部品収納部材451において、底面には、図3に示すように、光学装置44の液晶パネル441位置に対応して形成された3つの孔451Cと、光学装置44の後述する流体分岐部の冷却流体流入部に対応して形成された孔451Dとが形成されている。ここで、冷却ユニット3のシロッコファン31によりプロジェクタ1外部から内部に導入された冷却空気は、シロッコファン31の吐出口31A(図3)から吐出され、図示しないダクトを介して前記孔451Cに導かれる。
〔光学装置の構成〕
光学装置44は、図2または図3に示すように、液晶パネル441、入射側偏光板442、射出側偏光板443、およびクロスダイクロイックプリズム444が一体化された光学装置本体440(図2)と、メインタンク445と、流体圧送部446と、ラジエータ447と、複数の流体循環部材448とを備える。
複数の流体循環部材448は、内部に冷却流体が対流可能にアルミニウム製の管状部材で構成され、冷却流体が循環可能に各部材440,445〜447を接続する。そして、循環する冷却流体により光学装置本体440を構成する液晶パネル441、入射側偏光板442、および射出側偏光板443に生じる熱を冷却する。
なお、本実施形態では、冷却流体として、透明性の非揮発性液体であるエチレングリコールを採用する。冷却流体としては、エチレングリコールに限らず、その他の液体を採用してもよい。
以下では、各部材440,445〜447を、循環する冷却流体の流路に沿って液晶パネル441に対する上流側から順に説明する。
〔メインタンクの構造〕
図4は、メインタンク445の構造を示す図である。具体的に、図4(A)は、メインタンク445を上方から見た平面図である。また、図4(B)は、図4(A)におけるA-A線の断面図である。
メインタンク445は、略円柱形状を有し、アルミニウム製の2つの容器状部材から構成され、2つの容器状部材の開口部分を互いに接続することで内部に冷却流体を一時的に蓄積する。これら容器状部材は、例えば、シール溶接またはゴム等の弾性部材を介在させることで接続される。
このメインタンク445において、円柱軸方向略中央部分には、図4(B)に示すように、冷却流体を内部に流入させる冷却流体流入部445Aおよび内部の冷却流体を外部に流出させる冷却流体流出部445Bが形成されている。
これら冷却流体流入部445Aおよび冷却流体流出部445Bは、流体循環部材448の管径寸法よりも小さい管径寸法を有する略筒状部材から構成され、メインタンク445の内外に突出するように配置されている。そして、冷却流体流入部445Aの外側に突出した一端には、流体循環部材448の一端が接続され、該流体循環部材448を介して外部からの冷却流体がメインタンク445内部に流入する。また、冷却流体流出部445Bの外側に突出した一端にも、流体循環部材448の一端が接続され、該流体循環部材448を介してメインタンク445内部の冷却流体が外部へと流出する。
また、冷却流体流入部445Aおよび冷却流体流出部445Bの内側に突出した他端は、図4(A)に示すように、メインタンク445の円柱軸に向けて延出し、平面的に視て略直交するようにそれぞれ配置されている。このように、冷却流体流入部445Aおよび冷却流体流出部445Bを平面的に視て略直交するようにそれぞれ配置することで、冷却流体流入部445Aを介してメインタンク445内部に流入した冷却流体が、冷却流体流出部445Bを介して直ぐに外部に流出することを回避でき、流入した冷却流体をメインタンク445内部の冷却流体と混合させ、冷却流体の温度の均一化を図っている。
また、このメインタンク445の外周面において、円柱軸方向略中央部分には、図4(A)に示すように、2つの容器状部材のそれぞれに3つの固定部445Cが形成され、該固定部445Cにねじ445D(図2、図3)を挿通し、外装ケース2の底面に螺合することで、2つの容器状部材が互いに密接して接続されるとともに、メインタンク445が外装ケース2に固定される。
そして、このメインタンク445は、図1または図2に示すように、光学部品用筐体45と外装ケース2の内側面とで形成される平面視三角形状の領域に配置される。この領域にメインタンク445を配置することで、外装ケース2内の収納効率の向上が図れ、プロジェクタ1が大型化することがない。
〔流体圧送部の構造〕
流体圧送部446は、メインタンク445内に蓄積された冷却流体を送入し、送入した冷却流体を外部に強制的に送出する。このため、流体圧送部446は、図3に示すように、メインタンク445の冷却流体流出部445Bに接続した流体循環部材448の他端と連通接続するとともに、外部に冷却流体を送出するために他の流体循環部材448の一端と連通接続している。
この流体圧送部446は、具体的な図示は省略するが、例えば、略直方体状のアルミニウム製の中空部材内に羽根車が配置された構成を有し、図示しない制御装置による制御の下、前記羽根車が回転することで、メインタンク445内に蓄積された冷却流体を流体循環部材448を介して強制的に送入し、送入した冷却流体を流体循環部材448を介して外部に強制的に送出する。このような構成では、流体圧送部446は、前記羽根車の回転軸方向の厚み寸法を小さくすることができ、プロジェクタ1内部の空きスペースに配置することが可能となり、プロジェクタ1内部の収納効率の向上を図れ、プロジェクタ1が大型化することがない。本実施形態では、流体圧送部446は、図2または図3に示すように、投射レンズ5の下方に配置される。
〔光学装置本体の構造〕
図5および図6は、光学装置本体440の概略構成を示す図である。具体的に、図5は、光学装置本体440を上方側から見た斜視図である。また、図6は、光学装置本体440を下方側から見た斜視図である。
光学装置本体440は、3つの液晶パネル441、3つの入射側偏光板442、3つの射出側偏光板443、およびクロスダイクロイックプリズム444の他、図5および図6に示すように、流体分岐部4401と、3つの光変調素子保持体4402と、3つの支持部材4403と、冷却流体中継部としての中継タンク4404(図5)とを備える。
〔流体分岐部の構造〕
図7は、流体分岐部4401の構造を示す図である。具体的に、図7(A)は、流体分岐部4401を上方から見た平面図である。また、図7(B)は、図7(A)におけるB-B線の断面図である。
流体分岐部4401は、略直方体状のアルミニウム製の中空部材で構成され、流体圧送部446から強制的に送出された冷却流体を送入し、送入した冷却流体を3つの光変調素子保持体4402毎に分岐して送出する。また、この流体分岐部4401は、クロスダイクロイックプリズム444の3つの光束入射側端面に交差する端面である下面に固定され、クロスダイクロイックプリズム444を支持するプリズム固定板としての機能も有する。
この流体分岐部4401において、底面の略中央部分には、図7(B)に示すように、流体圧送部446から圧送された冷却流体を内部に流入させる冷却流体流入部4401Aが形成されている。この冷却流体流入部4401Aは、メインタンク445の冷却流体流入部445Aと同様に、流体循環部材448の管径寸法よりも小さい管径寸法を有する略筒状部材から構成され、流体分岐部4401内外に突出するように配置されている。そして、冷却流体流入部4401Aの外側に突出した一端には、流体圧送部446に連通接続された流体循環部材448の他端が接続され、該流体循環部材448を介して流体圧送部446から圧送された冷却流体が流体分岐部4401内部に流入する。
また、底面の四隅部分には、図7(A)に示すように、該底面に沿って延出する腕部4401Bがそれぞれ形成されている。これら腕部4401Bの先端部分には、それぞれ孔4401B1が形成され、これら孔4401B1に図示しないねじを挿通し、光学部品用筐体45の部品収納部材451に螺合することで、光学装置本体440が部品収納部材451に固定される。この際、流体分岐部4401および光学部品用筐体45は、熱伝達可能に接続される。このように、流体分岐部4401が光学部品用筐体45に熱伝達可能に接続されることで、循環する冷却流体〜流体分岐部4401〜光学部品用筐体45への熱伝達経路を確保し、冷却流体の冷却効率を向上させ、ひいては、冷却流体による液晶パネル441、入射側偏光板442、および射出側偏光板443の冷却効率の向上を図れる。また、シロッコファン31の送風を光学部品用筐体45の底面に沿って流せば、循環する冷却流体の放熱面積を増加でき、さらに、冷却効率が高められる。
また、この流体分岐部4401において、クロスダイクロイックプリズム444の光束入射側端面に対応する3つの側面には、図7(A)に示すように、送入された冷却流体を3つの光変調素子保持体4402毎に分岐して流出させる冷却流体流出部4401Cが形成されている。
これら冷却流体流出部4401Cは、冷却流体流入部4401Aと同様に、流体循環部材448の管径寸法よりも小さい管径寸法を有する略筒状部材から構成され、流体分岐部4401内外に突出するように配置されている。そして、各冷却流体流出部4401Cの外側に突出した一端には、それぞれ流体循環部材448の一端が接続され、該流体循環部材448を介して流体分岐部4401内部の冷却流体が分岐されて外部へと流出する。
さらに、この流体分岐部4401において、上面の略中央部分には、図7に示すように、球状の膨出部4401Dが形成されている。そして、この膨出部4401Dにクロスダイクロイックプリズム444の下面を当接させることで、流体分岐部4401に対するクロスダイクロイックプリズム444のあおり方向の位置調整が可能となる。
〔光変調素子保持体の構造〕
図8は、光変調素子保持体4402の概略構成を示す分解斜視図である。
3つの光変調素子保持体4402は、3つの液晶パネル441、3つの入射側偏光板442、および3つの射出側偏光板443をそれぞれ保持するとともに、内部に冷却流体が流入および流出し、該冷却流体により3つの液晶パネル441、3つの入射側偏光板442、および3つの射出側偏光板443をそれぞれ冷却する。なお、各光変調素子保持体4402は、同様の構成であり、以下では1つの光変調素子保持体4402のみを説明する。
光変調素子保持体4402は、図8に示すように、一対の枠状部材4405,4406と、4つの弾性部材4407と、一対の偏光板固定部材4408A,4408Bと、支持枠体としての中間枠体4409とを備える。
図9は、枠状部材4405の概略構成を示す図である。具体的に、図9(A)は、枠状部材4405を光束射出側から見た斜視図である。また、図9(B)は、枠状部材4405を光束入射側から見た斜視図である。
枠状部材4405は、略中央部分に液晶パネル441の画像形成領域に対応した矩形状の開口部4405Aを有する平面視略矩形状のアルミニウム製の枠体であり、枠状部材4406に対して光束入射側に配置され、液晶パネル441の光束入射側を支持するとともに、入射側偏光板442の光束射出側を支持する。
この枠状部材4405において、光束射出側端面には、図9(A)に示すように、弾性部材4407の後述する第2弾性部材の形状に対応した形状を有する凹部4405Bが形成され、この凹部4405Bにて前記第2弾性部材および中間枠体4409を介して液晶パネル441の光束入射側端面を支持する。そして、枠状部材4405が液晶パネル441の光束入射側端面を支持することで、前記第2弾性部材、中間枠体4409、および液晶パネル441の光束入射側端面にて、開口部4405Aの光束射出側が閉塞される。
この凹部4405Bにおける下方側の左右方向略中央部分には、図9(A)または図9(B)に示すように、光束射出側端面および光束入射側端面を貫通する孔4405C1を有して光束射出側端面から略直交して突出し、枠状部材4406の後述する挿通孔に挿通される筒状部4405Cが形成されている。
筒状部4405Cは、後述する流入口に対して略直交するように連通接続している。そして、この筒状部4405Cの内側面の一部は、前記流入口の中心軸と交差するように延出し、該内側面の一部には前記流入口を介して流入した冷却流体を、枠状部材4405の光束入射側および光束射出側に分流する突出部4405C2(図14参照)が形成されている。
突出部4405C2(図14参照)は、略三角柱形状を有し、その軸方向が枠状部材4405の光束入射側端面および光束射出側端面と平行するように形成されている。すなわち、三角柱状の3つの側面のうち、1つの側面が筒状部4405Cの内壁に接続し、他の2つの側面が光束入射側および光束射出側にそれぞれ向くように形成されている。そして、このような突出部4405C2(図14参照)により、後述する流入口を介して流入した冷却流体が前記2つの側面に案内されて枠状部材4405の光束入射側および光束射出側に分流される。
また、凹部4405Bにおける上方側の左右方向略中央部分には、図9(A)または図9(B)に示すように、光束射出側端面および光束入射側端面を貫通し、枠状部材4406の後述する筒状部を挿通可能とする筒状部嵌合孔としての挿通孔4405Dが形成されている。
また、この枠状部材4405において、光束入射側端面には、図9(B)に示すように、弾性部材4407の後述する第1弾性部材の形状に対応して矩形枠状の凹部4405Eが形成され、この凹部4405Eにて前記第1弾性部材を介して入射側偏光板442を支持する。そして、枠状部材4405が入射側偏光板442の光束射出側端面を支持することで、前記第1弾性部材、および入射側偏光板442の光束射出側端面にて、開口部4405Aにおける光束入射側が閉塞される。
また、開口部4405Aは、図9(B)に示すように、光束射出側端面から光束入射側端面に向けて開口面積が大きくなるように、光束入射側の角部分が面取りされ、斜面4405A1を有している。
さらに、この光束入射側端面には、図9(B)に示すように、開口部4405Aの上下側端部周縁に、凹部4405Eよりも深さ寸法の大きい凹部4405Fが筒状部4405Cの孔4405C1および挿通孔4405Dと接続するようにそれぞれ形成されている。
これら凹部4405Fのうち、上方側に位置する凹部4405Fの上方側の側壁は、左右方向略中央部分が上方側に窪み凹となるように曲面状に形成されている。また、下方側に位置する凹部4405Fの下方側の側壁も同様に、左右方向略中央部分が下方側に窪み凹となるように曲面状に形成されている。
以上のように、液晶パネル441および入射側偏光板442により開口部4405Aの光束入射側および光束射出側が閉塞されると、枠状部材4405内部(開口部4405A内、および、凹部4405Fと入射側偏光板442との空隙)に冷却流体を封入可能とする冷却室R1(図14参照)が形成される。
さらに、この枠状部材4405において、左側端部角隅部分および右側端部角隅部分には、図9に示すように、枠状部材4406と接続するための接続部4405Gが形成されている。
さらにまた、この枠状部材4405において、左側端部略中央部分および右側端部略中央部分には、図9に示すように、偏光板固定部材4408Aが係合するフック4405Hが形成されている。
また、この枠状部材4405において、その下方側端部略中央部分には、図9に示すように、下方側に位置する凹部4405Fの下方側の側壁に貫通し、外部からの冷却流体を内部に流入させる流入口4405Iが形成されている。この流入口4405Iは、流体循環部材448の管径寸法よりも小さい管径寸法を有する略筒状部材から構成され、枠状部材4405の外側に突出するように形成されている。そして、流入口4405Iの突出した端部には、流体分岐部4401の冷却流体流出部4401Cに接続された流体循環部材448の他端が接続され、該流体循環部材448を介して流体分岐部4401から流出した冷却流体が内部に流入する。
図10は、枠状部材4406の概略構成を示す図である。具体的に、図10(A)は、枠状部材4406を光束射出側から見た斜視図である。また、図10(B)は、枠状部材4406を光束入射側から見た斜視図である。
枠状部材4406は、上述した枠状部材4405と略同様に、略中央部分に液晶パネル441の画像形成領域に対応した矩形状の開口部4406Aを有する平面視略矩形状のアルミニウム製の枠体である。そして、この枠状部材4406は、上述した枠状部材4405との間に、弾性部材4407および中間枠体4409を介して液晶パネル441を挟持するとともに、枠状部材4405と対向する面と反対の面側にて弾性部材4407を介して射出側偏光板443を支持する。
この枠状部材4406において、光束射出側端面には、図10(A)に示すように、弾性部材4407の後述する第4弾性部材の形状に対応して矩形枠状の凹部4406Bが形成され、この凹部4406Bにて前記第4弾性部材を介して射出側偏光板443を支持する。そして、枠状部材4406が射出側偏光板443の光束入射側端面を支持することで、前記第4弾性部材、および射出側偏光板443の光束入射側端面にて、開口部4406Aにおける光束射出側が閉塞される。
この凹部4406Bにおける下方側の左右方向略中央部分には、図10(A)または図10(B)に示すように、光束射出側端面および光束入射側端面を貫通し、上述した枠状部材4405における筒状部4405Cを挿通可能とする筒状部嵌合孔としての挿通孔4406Cが形成されている。そして、枠状部材4406と枠状部材4405とを組み合わせた状態では、枠状部材4405における筒状部4405Cが、中間枠体4409の後述する挿通孔、および弾性部材4407の後述する第3弾性部材の挿通孔を介して、枠状部材4406における挿通孔4406Cに挿通される。このため、流入口4405Iを介して枠状部材4405内部に流入した冷却流体は、筒状部4405Cの突出部4405C2に分流され、筒状部4405Cの孔4405C1および挿通孔4406Cを介して枠状部材4405の光束入射側(冷却室R1(図14参照))および枠状部材4406の光束射出側(後述する冷却室R2(図14参照))に流通する。
すなわち、筒状部4405Cおよび挿通孔4406Cが、本発明に係る分流口に相当する。
また、開口部4406Aは、図10(A)に示すように、枠状部材4405における開口部4405Aと同様に、光束入射側端面から光束射出側端面に向けて開口面積が大きくなるように、光束射出側の角部分が面取りされ、斜面4406A1を有している。
さらに、光束射出側端面には、図10(A)に示すように、開口部4406Aの上下側端部周縁に、凹部4406Bよりも深さ寸法の大きい凹部4406Eが挿通孔4406C、および後述する筒状部の孔と接続するようにそれぞれ形成されている。
なお、凹部4406Eの形状は、上述した枠状部材4405における凹部4405Fの形状と略同様であり、説明を省略する。
また、この枠状部材4406において、光束入射側端面には、図10(B)に示すように、弾性部材4407の後述する第3弾性部材の形状に対応した形状を有する凹部4406Gが形成され、この凹部4406Gにて前記第3弾性部材を介して液晶パネル441の光束射出側端面を支持する。そして、枠状部材4406が液晶パネル441の光束射出側端面を支持することで、前記第3弾性部材、および液晶パネル441の光束射出側端面にて、開口部4406Aにおける光束入射側が閉塞される。
この凹部4406Gにおける上方側の左右方向略中央部分には、図10(A)または図10(B)に示すように、上述した枠状部材4405における挿通孔4405Dに対応して、光束射出側端面および光束入射側端面を貫通する孔4406D1を有し、光束入射側端面から略直交して突出する筒状部4406Dが形成されている。そして、枠状部材4406と枠状部材4405とを組み合わせた状態では、枠状部材4406における筒状部4406Dが、液晶パネル441におけるフレキシブルプリント基板441Eの挿通孔441E1、中間枠体4409の後述する挿通孔、および弾性部材4407の後述する第2弾性部材の挿通孔を介して、枠状部材4405における挿通孔4405Dに挿通される。このため、枠状部材4405の光束入射側(冷却室R1(図14参照))および枠状部材4406の光束射出側(後述する冷却室R2(図14参照))を筒状部4406Dの孔4406D1、および挿通孔4405Dを介して冷却流体が流通可能となる。
すなわち、筒状部4406Dおよび挿通孔4405Dが、本発明に係る合流口に相当する。
ここで、筒状部4405C,4406Dの内径は、例えば、1mm〜5mmが好ましく、2mm〜3mmがさらに好ましい。本実施形態では、筒状部4405Cの内径断面積と、筒状部4406Dの内径断面積とは、略同一断面積で構成されている。また、挿通孔4406C,4405Dの内径は、それぞれ筒状部4405C,4406Dを嵌合可能な寸法に設定されている。
なお、筒状部4405Cの内径断面積と、筒状部4406Dの内径断面積とを略同一断面積とする構成に限らず、異なる内径断面積とする構成を採用してもよい。
以上のように、液晶パネル441および射出側偏光板443により開口部4406Aの光束入射側および光束射出側が閉塞されると、枠状部材4406内部(開口部4406A内、および、凹部4406Eと射出側偏光板443との空隙)に冷却流体を封入可能とする冷却室R2(図14参照)が形成される。
また、光束入射側端面には、図10(B)に示すように、筒状部4406Dの上方に位置し、光束入射側端面から略直交して突出する押圧部4406Hが形成されている。そして、枠状部材4406と枠状部材4405とを組み合わせた状態では、押圧部4406Hが、液晶パネル441におけるフレキシブルプリント基板441Eの挿通孔441E1に挿通され、その先端が中間枠体4409の後述する筒状部挿通孔の周縁に当接し、中間枠体4409を枠状部材4405側に押圧する。
さらに、この枠状部材4406において、その上方側端部略中央部分には、図10に示すように、上方側に位置する凹部4406Eの上方側の側壁に貫通するとともに筒状部4406Dと略直交して連通接続し、冷却室R1,R2(図14参照)内部の冷却流体を外部に流出させる流出口4406Iが形成されている。すなわち、一対の枠状部材4405,4406を組み合わせた状態で流入口4405Iを枠状部材4406に対して投影させた場合、投影された流入口4405Iと流出口4406Iとが枠状部材4406における上下側端部の対向位置にそれぞれ配置されることとなる。この流出口4406Iは、流入口4405Iと同様に、流体循環部材448の管径寸法よりも小さい管径寸法を有する略筒状部材から構成され、枠状部材4406の外側に突出するように形成されている。そして、流出口4406Iの突出した端部には、流体循環部材448が接続され、流入口4405Iを介して冷却室R1(図14参照)内に流入し、さらに挿通孔4405Dおよび筒状部4406Dの孔4406D1を介して冷却室R2(図14参照)へと流入した冷却流体、および、流入口4405Iを介して流入し、さらに筒状部4405Cの突出部4405C2により分流されて冷却室R2(図14参照)内に流入した冷却流体が該流体循環部材448を介して外部に流出される。
以上のような構成により、流入口4405I〜冷却室R1〜挿通孔4405Dおよび筒状部4406Dの孔4406D1〜流出口4406Iを流通する冷却流体の流路の長さと、流入口4405I〜筒状部4405Cの孔4405C1および挿通孔4406C〜冷却室R2〜流出口4406Iを流通する冷却流体の流路の長さとが略同一となるように設定されている。
本実施形態では、流入口4405Iおよび流出口4406Iの内径断面積は、筒状部4405C,4406Dの内径断面積と略同一断面積となるように設定されている。このような構成とすることで、光変調素子保持体4402内での冷却流体の流路抵抗を略同一とすることができ、冷却流体の対流速度を速めることが可能となる。
なお、流入口4405Iおよび流出口4406Iの内径断面積を、筒状部4405C,4406Dの内径断面積と略同一断面積とする構成に限らず、異なる断面積とする構成を採用してもよい。
また、この枠状部材4406において、上方側角隅部分および下方側角隅部分には、図10に示すように、支持部材4403の後述するピン状部材を挿通可能とする4つの挿通部4406Jが形成されている。
さらに、この枠状部材4406において、左側端部角隅部分および右側端部角隅部分には、図10に示すように、枠状部材4405と接続するための接続部4406Kが形成されている。そして、枠状部材4405,4406の各接続部4405G,4406Kにねじ4406M(図8)を螺合することで、液晶パネル441が中間枠体4409、弾性部材4407の後述する第2弾性部材および第3弾性部材を介して枠状部材4405,4406間に挟持され、枠状部材4405,4406の各開口部4405A,4406Aの対向する面側が封止される。
さらにまた、この枠状部材4406において、左側端部略中央部分および右側端部略中央部分には、図10に示すように、偏光板固定部材4408Bが係合するフック4406Lが形成されている。
弾性部材4407は、図8に示すように、入射側偏光板442および枠状部材4405の間に介在配置される第1弾性部材4407Aと、枠状部材4405および液晶パネル441の間に介在配置される第2弾性部材4407Bと、液晶パネル441および枠状部材4406の間に介在配置される第3弾性部材4407Cと、枠状部材4406および射出側偏光板443の間に介在配置される第4弾性部材4407Dとで構成される。
このうち、第1弾性部材4407A、および第4弾性部材4407Dは、図8に示すように、略矩形枠状に形成され、枠状部材4405,4406の各凹部4405E,4406Bにそれぞれ設置される。
また、第2弾性部材4407B、および第3弾性部材4407Cは、図8に示すように、略矩形枠状に形成されるとともに、上方側端部の左右方向略中央部分、および下方側端部の左右方向略中央部分に枠状部材4406の筒状部4406D、および枠状部材4405の筒状部4405Cを挿通可能とする挿通孔4407B1,4407C1がそれぞれ形成され、枠状部材4405の凹部4405B,枠状部材4406の凹部4406Gにそれぞれ設置される。
そして、これら弾性部材4407は、枠状部材4405,4406の各冷却室R1,R2(図14参照)を封止し、入射側偏光板442および枠状部材4405、枠状部材4405および液晶パネル441、液晶パネル441および枠状部材4406、枠状部材4406および射出側偏光板443の間から冷却流体が漏れることを防止するとともに、筒状部4405C,4406Dおよび挿通孔4406C,4405Dの接続部分から液晶パネル441側に冷却流体が漏れることも防止している。
これら弾性部材4407としては、弾性を有するシリコンゴムを採用でき、さらに、両面あるいは片面に表層の架橋密度を上げる表面処理を施したものが好ましい。例えば、このような弾性部材4407としては、サーコンGR−dシリーズ(冨士高分子工業の商標)を採用できる。このように、端面に表面処理を施すことにより、弾性部材4407を各凹部4405B,4405E,4406B,4406Gに設置する作業を容易に実施できる。
なお、弾性部材4407は、シリコンゴムに限らず、水分透過量の少ないブチルゴムまたはフッ素ゴムを使用してもよい。
偏光板固定部材4408A,4408Bは、入射側偏光板442および射出側偏光板443を、第1弾性部材4407Aおよび第4弾性部材4407Dを介して枠状部材4405,4406の各凹部4405E,4406Bにそれぞれ押圧固定する。これら偏光板固定部材4408A,4408Bは、図8に示すように、略中央部分に開口部4408A1,4408B1が形成された平面視略矩形枠体で構成され、開口部4408A1,4408B1周縁部分にて、入射側偏光板442および射出側偏光板443を枠状部材4405,4406に対してそれぞれ押圧する。また、これら偏光板固定部材4408A,4408Bには、左右側端縁にそれぞれフック係合部4408A2,4408B2が形成され、フック係合部4408A2,4408B2を枠状部材4405,4406の各フック4405H,4406Lに係合させることで、枠状部材4405,4406に対して偏光板固定部材4408A,4408Bが入射側偏光板442および射出側偏光板443を押圧した状態で固定される。
中間枠体4409は、アルミニウム製の平面視略矩形状の板体から構成され、液晶パネル441を保持するとともに、該液晶パネル441を枠状部材4405,4406の所定位置に位置決めするものである。
この中間枠体4409において、その略中央部分には、図8に示すように、液晶パネル441の対向基板441Dを嵌合可能な矩形状の開口部4409Aが形成され、液晶パネル441の対向基板441Dを開口部4409Aに嵌合させることで、中間枠体4409に対して液晶パネル441が位置決めされる。
また、開口部4409Aの周縁には、開口部4409Aに対向基板441Dを嵌合させた状態で駆動基板441Cを遊嵌状態で配置させるための段差部4409Bが形成されている。ここで、この段差部4409Bと中間枠体4409の光束入射側端面との間の寸法は、対向基板441Dの厚み寸法よりも小さく設定されており、開口部4409Aに対向基板441Dを嵌合させ、対向基板441Dの光束入射側端面と中間枠体4409の光束入射側端面とを略面一とした際には、段差部4409Bと駆動基板441Cとの間に隙間4409C(図14参照)が形成される。そして、この隙間4409C(図14参照)に、伸び率の高い接着剤を充填させることで、液晶パネル441が中間枠体4409に対して位置決め固定される。
さらに、この段差部4409Bの上方側は、中間枠体4409の上方側端縁にかけて延出形成され、中間枠体4409に液晶パネル441を位置決め固定した状態では、該液晶パネル441のフレキシブルプリント基板441Eが折り曲げられることなく、上方側の段差部4409Bに配置される。
また、この中間枠体4409において、上方側端部の左右方向略中央部分、および下方側端部の左右方向略中央部分には、図8に示すように、枠状部材4406の筒状部4406D、および枠状部材4405の筒状部4405Cを挿通可能とする筒状部挿通孔4409Dがそれぞれ形成されている。これら筒状部挿通孔4409Dは、枠状部材4405,4406に対する中間枠体4409の位置決め用の孔としての機能を有し、予め、中間枠体4409に対して液晶パネル441を位置決め固定した状態で、中間枠体4409の2つの筒状部挿通孔4409Dに枠状部材4405の筒状部4405C、および枠状部材4406の筒状部4406Dをそれぞれ挿通することで、枠状部材4405,4406に対して中間枠体4409が位置決めされ、すなわち、液晶パネル441が枠状部材4406の所定位置に位置決めされる。
支持部材4403は、略中央部分に図示しない開口が形成された平面視矩形枠状の板体から構成される。
この支持部材4403において、光束入射側端面には、図5または図6に示すように、光変調素子保持体4402の4つの挿通部4406Jに対応した位置に、板体から突出するピン状部材4403Aが形成されている。
そして、支持部材4403は、ピン状部材4403Aを光変調素子保持体4402の4つの挿通部4406Jに挿通することで該光変調素子保持体4402を支持し、板体の光束射出側端面をクロスダイクロイックプリズム444の光束入射側端面に接着固定することで、光変調素子保持体4402をクロスダイクロイックプリズム444に一体化する。
図11は、中継タンク4404の構造を示す図である。具体的に、図11(A)は、中継タンク4404を上方から見た平面図である。また、図11(B)は、図11(A)におけるC−C線の断面図である。
中継タンク4404は、略円柱状のアルミニウム製の中空部材で構成され、クロスダイクロイックプリズム444の3つの光束入射側端面に交差する端面である上面に固定される。そして、この中継タンク4404は、各光変調素子保持体4402から送出された冷却流体を一括して送入し、送入した冷却流体を外部に送出する。
この中継タンク4404において、その上面には、図11に示すように、各光変調素子保持体4402から送出された冷却流体を内部に流入させる3つの冷却流体流入部4404Aが形成されている。これら冷却流体流入部4404Aは、流体循環部材448の管径寸法よりも小さい管径寸法を有する略筒状部材から構成され、中継タンク4404内外に突出するように配置されている。そして、各冷却流体流入部4404Aの外側に突出した端部には、3つの光変調素子保持体4402の各流出口4406Iと接続された流体循環部材448の他端が接続され、該流体循環部材448を介して各光変調素子保持体4402から送出された冷却流体が一括して中継タンク4404内部に流入する。
また、この中継タンク4404において、外側面の下方側には、図11に示すように、送入された冷却流体を外部に流出させる冷却流体流出部4404Bが形成されている。この冷却流体流出部4404Bは、冷却流体流入部4404Aと同様に、流体循環部材448の管径寸法よりも小さい管径寸法を有する略筒状部材から構成され、中継タンク4404内外に突出するように配置されている。そして、冷却流体流出部4404Bの外側に突出した端部には、流体循環部材448の一端が接続され、該流体循環部材448を介して中継タンク4404内部の冷却流体が外部へと流出する。
図12は、ラジエータ447の構造、およびラジエータ447と軸流ファン32との配置関係を示す図である。具体的に、図12(A)は、ラジエータ447および軸流ファン32を上方から見た斜視図である。また、図12(B)は、ラジエータ447および軸流ファン32をラジエータ447側から見た平面図である。
ラジエータ447は、図1または図2に示すように、外装ケース2に形成された隔壁21内に配置され、光学装置本体440において各液晶パネル441、各入射側偏光板442、および各射出側偏光板443にて温められた冷却流体の熱を放熱する。このラジエータ447は、図12に示すように、固定部4471と、管状部材4472と、複数のフィン4473とを備える。
固定部4471は、例えば、金属等の熱伝導性部材から構成され、図12(B)に示すように、平面視略コ字形状を有し、対向するコ字状端縁に管状部材4472が挿通可能に構成されている。また、この固定部4471は、コ字状内側面にて複数の放熱フィン4473を支持する。この固定部4471のコ字状先端部分には、外側に延出する延出部4471Aが形成され、該延出部4471Aの孔4471A1を介して図示しないねじを外装ケース2に螺合することでラジエータ447が外装ケース2に固定される。
管状部材4472は、アルミニウムから構成され、図12(B)に示すように、固定部4471の一方のコ字状先端端縁から他方のコ字状先端端縁に向けて延出し、この延出方向先端部分が略90°屈曲して下方側に延出し、さらにこの延出方向先端部分が略90°屈曲して固定部4471の他方のコ字状先端端縁から一方のコ字状先端端縁に向けて延出する平面視略コ字形状を有し、固定部4471および放熱フィン4473と熱伝達可能に接続する。また、この管状部材4472は、流体循環部材448の管径寸法よりも小さい管径寸法を有し、図12(B)に示す上方側の一端が、光学装置本体440における中継タンク4404の冷却流体流出部4404Bと接続した流体循環部材448の他端と接続する。また、図12(B)に示す下方側の他端が、メインタンク445の冷却流体流入部445Aと接続した流体循環部材448の他端と接続する。したがって、中継タンク4404から流出した冷却流体が流体循環部材448を介して管状部材4472を通り、管状部材4472を通った冷却流体が流体循環部材448を介してメインタンク445内に流入する。
放熱フィン4473は、例えば、金属等の熱伝導性部材からなる板体で構成され、管状部材4472を挿通可能に構成されている。そして、複数の放熱フィン4473は、管状部材4472の挿通方向と直交する方向に延びるようにそれぞれ形成され、管状部材4472の挿通方向に沿って並列配置している。このような複数の放熱フィン4473の配置状態では、図12に示すように、軸流ファン32から吐出される冷却空気は、複数の放熱フィン4473の間を通り抜けることになる。
以上説明したように、冷却流体は、複数の流体循環部材448を介して、メインタンク445〜流体圧送部446〜流体分岐部4401〜各光変調素子保持体4402〜中継タンク4404〜ラジエータ447〜メインタンク445という流路を循環する。
次に、液晶パネル441、入射側偏光板442、および射出側偏光板443の冷却構造を説明する。
図13および図14は、液晶パネル441、入射側偏光板442、および射出側偏光板443の冷却構造を説明するための図である。具体的に、図13は、光変調素子保持体4402を光束射出側から見た平面図である。図14は、図13におけるD−D線の断面図である。
流体圧送部446が駆動することにより、流体循環部材448を介して、メインタンク445内の冷却流体が流体圧送部446内に送入されるとともに、流体圧送部446から流体分岐部4401に送出される。
そして、流体分岐部4401内に送入された冷却流体は、流体分岐部4401の各冷却流体流出部4401Cから流出し、流体循環部材448を介して、図13または図14に示すように、各光変調素子保持体4402の各流入口4405Iから各光変調素子保持体4402内部へと流入する。
各光変調素子保持体4402内部に流入した冷却流体は、図14に示すように、筒状部4405Cの突出部4405C2にて分流され、冷却室R1および冷却室R2に流入する。
ここで、光源装置411から射出された光束により、液晶パネル441、入射側偏光板442、および射出側偏光板443に生じた熱は、各冷却室R1,R2内の冷却流体に伝達される。
冷却室R2内の冷却流体に伝達された熱は、図14に示すように、冷却流体の流れにしたがって、図14中、上方に向けて進み、枠状部材4406における上方側の凹部4406E(図10(A))の側壁により、左右方向略中央部分に案内され、流出口4406Iを介して冷却室R2外部へと移動する。
一方、冷却室R1内の冷却流体に伝達された熱は、図14に示すように、冷却流体の流れにしたがって、図14中、上方に向けて移動する。また、上方に向けて移動した熱は、冷却流体の流れにしたがって、枠状部材4405における上方側の凹部4405F(図9(B))の側壁により、左右方向略中央部分に案内される。そして、左右方向略中央部分へと案内された熱は、図14に示すように、冷却流体の流れにしたがって、挿通孔4405Dおよび筒状部4406Dの孔4406D1を介して、冷却室R2内に移動し、流出口4406Iを介して冷却室R2外部へと移動する。
冷却室R1,R2から流出口4406Iを介して光変調素子保持体4402外部へと移動した熱は、冷却流体の流れにしたがって、中継タンク4404〜ラジエータ447へと移動する。温められた冷却流体がラジエータ447の管状部材4472を通過する際、該冷却流体の熱は、管状部材4472〜複数の放熱フィン4473に伝達される。そして、軸流ファン32から吐出される冷却空気により、複数の放熱フィン4473に伝達された熱が冷却される。
そして、ラジエータ447にて冷却された冷却流体は、ラジエータ447〜メインタンク445〜流体圧送部446〜流体分岐部4401へと移動し、再度、冷却室R1,R2へと移動する。
また、冷却ユニット3のシロッコファン31によりプロジェクタ1外部から内部に導入された冷却空気は、光学部品用筐体45の底面に形成された孔451Cを介して光学部品用筐体45内に導入される。光学部品用筐体45内に導入された冷却空気は、光変調素子保持体4402の外面、および光変調素子保持体4402と支持部材4403との間に流入し、下方から上方に向けて流通する。この際、冷却空気は、入射側偏光板442の光束入射側端面および射出側偏光板443の光束射出側端面を冷却しながら流通する。
上述した本実施形態においては、光変調素子保持体4402を構成する一対の枠状部材4405,4406は、その内部にそれぞれ冷却室R1,R2を有し、流入口4405Iを介して流入した冷却流体を筒状部4405Cおよび挿通孔4406Cにて各冷却室R1,R2に分流し、各冷却室R1,R2内の冷却流体を筒状部4406Dおよび挿通孔4405Dにて合流させ、流出口4406Iを介して外部に流出させる。このことにより、複数の流体循環部材448にて流入口4405Iおよび流出口4406Iを接続することで、各冷却室R1,R2内の冷却流体を容易に対流させることができ、液晶パネル441により温められた冷却流体が冷却室R1,R2内に滞留することを回避できる。
また、各冷却室R1,R2は、筒状部4405C,4406Dおよび挿通孔4406C,4405Dにより連通接続されるので、液晶パネル441の光束入射側および光束射出側を略同一の温度である冷却流体により冷却でき、液晶パネル441における光束入射側および光束射出側の温度の均一化を図れる。
さらに、筒状部4405C,4406Dおよび挿通孔4406C,4405Dは、流入口4405I〜冷却室R1〜挿通孔4405Dおよび筒状部4406D〜流出口4406Iを流通する冷却流体の流路の長さと、流入口4405I〜筒状部4405Cおよび挿通孔4406C〜冷却室R2〜流出口4406Iを流通する冷却流体の流路の長さとが略同一となる位置にそれぞれ形成されているので、液晶パネル441の光束入射側および光束射出側の各冷却室R1,R2を流通する冷却流体の各流路の長さを略同一に設定でき、冷却室R1,R2のいずれかの冷却室に冷却流体が滞留することを回避でき、液晶パネル441の光束入射側および光束射出側の温度の均一化をさらに図れる。
さらにまた、開口部4405A,4406Aが液晶パネル441の画像形成領域に応じて設けられているので、冷却室R1,R2に充填された冷却流体は、液晶パネル441の画像形成領域に接触する。このことにより、液晶パネル441の画像形成領域内の温度分布が均一化され、局所的な過熱を回避し、液晶パネル441にて鮮明な光学像を形成できる。また、開口部4405A,4406A周縁には、対向する面側に向けて開口面積を小さくする斜面4405A1,4406A1が形成されているので、各冷却室R1,R2内の冷却流体を斜面4405A1,4406A1に沿って流通させることができ、対向する面側に配置される液晶パネル441に効率的に冷却流体を流通させることができる。
ここで、枠状部材4406に対して投影された流入口4405Iと流出口4406Iとが枠状部材4406における上下側端部の対向位置にそれぞれ配置されるので、各冷却室R1,R2内全体に亘って冷却流体を流通させることができるとともに、各冷却室R1,R2内における冷却流体の流通を円滑に実施でき、冷却流体の対流速度を速めることができる。また、熱の移動方向と冷却流体の対流方向とを同一方向とすることができ、温められた冷却流体が冷却室R1,R2内部に滞留することを回避し、液晶パネル441の冷却効率の向上をさらに図れる。
また、筒状部4405C,4406Dは、流入口4405Iおよび流出口4406Iと略直交するようにそれぞれ接続しているので、流入口4405Iを介して流入した冷却流体を筒状部4405Cにて良好に各冷却室R1,R2に分流するとともに、各冷却室R1,R2を流通する冷却流体を良好に合流させかつ、流出口4406Iを介して外部に流出させることができる。このため、液晶パネル441の光束入射側および光束射出側をさらに良好に冷却できる。
さらに、筒状部4405Cには突出部4405C2が形成されているので、流入口4405Iから流入した冷却流体を各冷却室R1,R2の双方に確実に流入させることができ、液晶パネル441の光束入射側および光束射出側の双方を冷却流体にて確実に冷却できる。
さらにまた、筒状部4405Cの内径断面積、および筒状部4406Dの内径断面積が略同一断面積となるように設定されているので、筒状部4405C,4406Dを介して各冷却室R1,R2を流通する冷却流体の流路抵抗を略同一のものとすることができ、冷却流体の流通を円滑に実施できる。
そして、筒状部4405C,4406Dおよび挿通孔4406C,4405Dを形成することで、流入口4405Iおよび流出口4406Iを各冷却室R1,R2に応じて2つずつ設けなくてもよく、光変調素子保持体4402に各1つのみの流入口4405Iおよび流出口4406Iを設ける構成を採用できる。このことにより、流入口4405Iおよび流出口4406Iを各冷却室R1,R2に応じて2つずつ設ける構成と比較して、流入口4405Iおよび流出口4406Iを接続する流体循環部材448の引き回し本数を低減できる。
したがって、流入口4405Iおよび流出口4406Iへの流体循環部材448の接続作業を容易に実施できる。また、接続箇所を削減することで、冷却流体が漏れる箇所も低減できる。さらに、光変調素子保持体4402周りのスペース効率の向上が図れる。さらにまた、流体循環部材448を光変調素子保持体4402に接続した状態で流体循環部材448による光変調素子保持体4402に対する反力を低減でき、クロスダイクロイックプリズム444に対する各光変調素子保持体4402の相互の位置ずれを回避し、各液晶パネル441間の画素ずれを抑制できる。
また、各冷却室R1,R2を連通接続する構造として、筒状部4405C,4406Dおよび挿通孔4406C,4405Dを採用しているので、各枠状部材4405,4406を組み立てる際に、挿通孔4406C,4405Dに筒状部4405C,4406Dを挿通することで、各冷却室R1,R2を容易に連通接続できる。例えば、枠状部材4405,4406の双方にそれぞれ前記筒状部4405C,4406Dと略同様の筒状部を設け、枠状部材4405,4406を組み立てる際に、前記各筒状部を接続することで各冷却室R1、R2を連通接続する構造と比較して、筒状部4405C,4406Dおよび挿通孔4406C,4405Dを介して流通する冷却流体の漏れを簡単な構造で容易に防止できる。
そしてまた、光変調素子保持体4402は、中間枠体4409にて液晶パネル441の外形位置を規制し、中間枠体4409の2つの筒状部挿通孔4409Dに各枠状部材4405,4406の筒状部4405C,4406Dをそれぞれ挿通することで各枠状部材4405,4406に対する中間枠体4409の位置を規制している。このことにより、光変調素子保持体4402に対して液晶パネル441が位置ずれを起こす虞もない。
また、光変調素子保持体4402を組み立てた状態では、枠状部材4406における押圧部4406Hが、フレキシブルプリント基板441Eの挿通孔441E1を介して中間枠体4409の上方側の筒状部挿通孔4409Dの周縁に当接し、中間枠体4409を枠状部材4405に対して押圧する。このことにより、各枠状部材4405,4406における筒状部4406Dおよび挿通孔4405Dの接続部分における封止状態を強化でき、該接続部分から冷却流体が漏れることを防止できる。
さらに、予め液晶パネル441を中間枠体4409に位置決め固定した状態で、枠状部材4405,4406に組み込むことで、裸状態の液晶パネル441を取り扱うことがなく、液晶パネル441の取り扱い時に他の部材に衝突して液晶パネル441が破損する虞もない。
そしてさらに、フレキシブルプリント基板441Eには挿通孔441E1が形成されているので、各枠状部材4405,4406を組み立てた状態では、筒状部4406Dを挿通孔441E1に挿通することができる。したがって、光変調素子保持体4402に液晶パネル441を組み込んだ際にフレキシブルプリント基板441Eを避ける位置に、筒状部4406Dおよび挿通孔4405Dを形成する必要がなく、光変調素子保持体4402において、各冷却室R1,R2を連通接続する構造の設計の自由度が向上する。また、筒状部4406Dおよび挿通孔4405Dを、フレキシブルプリント基板441Eを避ける位置に形成した構成と比較して、光変調素子保持体4402の小型化を図れる。
また、光学装置44は、光変調素子保持体4402の他、メインタンク445、流体圧送部446、ラジエータ447、複数の流体循環部材448、流体分岐部4401、および中継タンク4404、を備えているので、冷却室R1,R2内だけでなく、メインタンク445、流体圧送部446、ラジエータ447、複数の流体循環部材448、流体分岐部4401、および中継タンク4404内にも冷却流体を封入することで、冷却流体の容量を大きくすることができ、液晶パネル441と冷却流体との熱交換能力を向上させることができる。
さらに、各冷却室R1,R2は、液晶パネル441と、入射側偏光板442および射出側偏光板443の透光性基板442A,443Aとで開口部4405A,4406Aの光束入射側および光束射出側をそれぞれ閉塞することで形成されるので、液晶パネル441のみならず、入射側偏光板442の偏光膜、および射出側偏光板443の偏光膜443Bに生じた熱も、透光性基板442A,443Aを介して冷却室R1,R2を対流する冷却流体に放熱でき、入射側偏光板442および射出側偏光板443も効率的に冷却できる。
さらにまた、流体分岐部4401は、内部の冷却流体を3つの光変調素子保持体4402毎に分岐して送出するので、各光変調素子保持体4402の冷却室R1,R2に流入する冷却流体の温度が偏ることなく、略同一の温度である冷却流体にて3つの液晶パネル441を冷却できる。また、流体分岐部4401および中継タンク4404は、クロスダイクロイックプリズム444の下面および上面にそれぞれ取り付けられているので、光学装置本体440をコンパクトにでき、光学装置本体440の小型化を図れる。
また、メインタンク445、流体圧送部446、複数の流体循環部材448、流体分岐部4401、一対の枠状部材4405,4406、中継タンク4404、およびラジエータ447における管状部材4472は、耐食性を有するアルミニウムで構成されていることにより、長期間、冷却流体と接触した場合でも化学反応を生じることを防止することができる。すなわち、化学反応による反応性物質による冷却流体の着色等を回避し、冷却室R1,R2内を通過する光束の光学特性が変更されることを防止できる。
そして、プロジェクタ1は、上述した光学装置44を備えることで、液晶パネル441の熱劣化を防止でき、プロジェクタ1の高寿命化を図れる。
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明は、これらの実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の改良並びに設計の変更が可能である。
前記実施形態において、流入口4405Iおよび流出口4406Iは、前記実施形態で説明した形成位置および数に限らず、その他の形成位置、および数を採用してもよい。
例えば、流入口4405Iを枠状部材4406に形成し、流出口4406Iを枠状部材4405に形成する構成を採用してもよい。
また、例えば、冷却流体の流通方向を逆にし、流入口4405Iおよび流出口4406Iをそれぞれ流出口および流入口としてそれぞれ機能させる構成を採用してもよい。
さらに、流入口4405Iを枠状部材4406に対して投影した場合、投影された流入口4405Iと流出口4406Iとが枠状部材4406の上下側端部にそれぞれ配置されていたが、いずれの側端部にそれぞれ配置されてもよく、例えば、左右側端部にそれぞれ配置される構成を採用してもよい。
さらにまた、投影された流入口4405Iと流出口4406Iとが枠状部材4405Iの上下側端部の対向位置にそれぞれ配置されていたが、対向位置に限らず、例えば、上下側端部における枠状部材4406の対角線上にそれぞれ配置される構成を採用してもよい。
また、流入口4405Iおよび流出口4406Iは、光変調素子保持体4402において、各1つずつ形成する構成に限らず、各2つ以上形成する構成を採用してもよい。
前記実施形態において、筒状部4405Cおよび挿通孔4406Cで構成される分流口、および、筒状部4406Dおよび挿通孔4405Dで構成される合流口は、前記実施形態で説明した形成位置、および数に限らず、その他の形成位置、および数を採用してもよい。これら分流口および合流口は、流入口4405I〜分流口〜流出口4406Iを流通する冷却流体の流路の長さと、流入口4405I〜合流口〜流出口4406Iを流通する冷却流体の流路の長さとが略同一になる位置にそれぞれ配置されれば、いずれの位置に形成してもよい。
また、前記実施形態では、枠状部材4405に筒状部4405Cおよび挿通孔4405Dがそれぞれ形成され、枠状部材4406に挿通孔4406Cおよび筒状部4406Dがそれぞれ形成されていたが、これに限らない。
例えば、枠状部材4405に、挿通孔4406Cおよび筒状部4406Dと同様の挿通孔および筒状部をそれぞれ形成する。そして、枠状部材4406に、筒状部4405Cおよび挿通孔4405Dと同様の筒状部および挿通孔を形成してもよい。
また、例えば、枠状部材4405に、筒状部4405Cと、筒状部4406Dと同様の筒状部を形成する。そして、枠状部材4406に、挿通孔4406Cと、挿通孔4405Dと同様の挿通孔を形成する。
さらに、例えば、枠状部材4405に、挿通孔4405Dと、挿通孔4406Cと同様の挿通孔を形成する。そして、枠状部材4406に、筒状部4406Dと、筒状部4405Cと同様の筒状部を形成する。
前記実施形態では、光学装置44において、メインタンク445、流体圧送部446、およびラジエータ447を備えた構成を説明したが、これに限らず、これらメインタンク445、流体圧送部446、およびラジエータ447のうち少なくともいずれかを省略した構成も本発明の目的を十分に達成できる。
前記実施形態では、一対の枠状部材4405,4406の外面に入射側偏光板442および射出側偏光板443を配置し、該入射側偏光板442および射出側偏光板443の透光性基板442A,443Aにて各冷却室R1,R2を閉塞していたが、これに限らず、偏光膜が貼り付けられていないガラス等の透光性基板で各冷却室R1,R2を閉塞してもよい。この際、入射側偏光板および射出側偏光板としては、前記実施形態で説明した吸収型偏光板ではなく、所定の偏光軸を有する光束を透過し、その他の偏光軸を有する光束を反射する反射型偏光板とすれば、入射側偏光板および射出側偏光板を冷却流体にて冷却しなくても、光源から射出される光束による温度上昇を抑制できる。
また、光学変換素子として入射側偏光板442および射出側偏光板443を採用し、これら入射側偏光板442および射出側偏光板443を冷却流体にて冷却する構成を採用したが、これに限らず、光学変換素子としては、位相差板、あるいは視野角補正板を採用し、これらの光学変換素子を冷却流体にて冷却する構成を採用してもよい。
前記実施形態において、突出部4405C2の形成位置は、前記流入口の中心軸と交差する位置に限らず、冷却流体による冷却対象となる液晶パネル441、入射側偏光板442、および射出側偏光板443の発熱量の大きさに応じた位置に形成すればよい。例えば、液晶パネル441の対向基板441Dおよび入射側偏光板442の発熱量が、液晶パネル441の駆動基板441Cおよび射出側偏光板443の発熱量に比較して大きい場合には、突出部4405C2を、前記流入口の中心軸と交差する位置から光束射出側に所定距離ずらした位置に形成すればよい。逆に、液晶パネル441の駆動基板441Cおよび射出側偏光板443の発熱量が、液晶パネル441の対向基板441Dおよび入射側偏光板442の発熱量に比較して大きい場合には、突出部4405C2を、前記流入口の中心軸と交差する位置から光束入射側に所定距離ずらした位置に形成すればよい。
また、突出部4405C2の形状は、略三角柱状の形状に限らず、前記流入口から流入した冷却流体を光束入射側および光束射出側に分流可能な形状であれば、その他の形状であってもかまわない。例えば、前記2つの側面が内部側に窪み、前記側面が断面略凹形状となる構成、または、前記2つの側面が外側に膨出し、突出部が断面略半球状となる構成等を採用してもよい。
前記実施形態において、冷却流体と接触する部材である、流体循環部材448、メインタンク445、流体圧送部446、ラジエータ447の管状部材4472、枠状部材4405,4406、流体分岐部4401、および中継タンク4404は、アルミニウム製の部材から構成したが、これに限らない。耐食性を有する材料であれば、アルミニウムに限らず、他の材料にて構成してもよく、例えば、無酸素銅やジュラルミンにて構成してもよい。また、流体循環部材448としては、光変調素子保持体4402への変形反力が小さく画素ずれを抑制する硬度の低いブチルゴムまたはフッ素ゴム等を使用してもよい。
前記実施形態では、各光変調素子保持体4402に流入する冷却流体の流量は、略同一に設定されていたが、これに限らず、各光変調素子保持体4402に流入する冷却流体の流量を異なるものとする構成を採用してもよい。
例えば、流体分岐部4401から各光変調素子保持体4402に流通する流路中に弁を設け、該弁の位置を変更することで流路を狭めたり拡げたりする構成を採用してもよい。
また、例えば、流体分岐部4401と各光変調素子保持体4402とを接続する各流体循環部材448を異なる管径寸法とする構成を採用してもよい。
前記実施形態では、シロッコファン31の送風によって、光変調素子保持体4402の外面ならびに光学部品用筐体45の底面を冷却していたが、これに限らず、シロッコファン31を省略しても本発明の目的を十分に達成できる。このような構成では、低騒音化に寄与できる。
前記実施形態では、光学ユニット4が平面視略L字形状を有した構成を説明したが、これに限らず、例えば、平面視略U字形状を有した構成を採用してもよい。
前記実施形態では、3つの液晶パネル441を用いたプロジェクタ1の例のみを挙げたが、本発明は、1つの液晶パネルのみを用いたプロジェクタ、2つの液晶パネルのみを用いたプロジェクタ、あるいは、4つ以上の液晶パネルを用いたプロジェクタにも適用可能である。
前記実施形態では、光入射面と光射出面とが異なる透過型の液晶パネルを用いていたが、光入射面と光射出面とが同一となる反射型の液晶パネルを用いてもよい。
前記実施形態では、光変調素子として液晶パネルを用いていたが、マイクロミラーを用いたデバイスなど、液晶以外の光変調素子を用いてもよい。この場合は、光束入射側および光束射出側の偏光板は省略できる。
前記実施形態では、スクリーンを観察する方向から投写を行なうフロントタイプのプロジェクタの例のみを挙げたが、本発明は、スクリーンを観察する方向とは反対側から投写を行なうリアタイプのプロジェクタにも適用可能である。
本発明を実施するための最良の構成などは、以上の記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ、説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。
したがって、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部若しくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
本発明の光変調素子保持体は、冷却流体により光変調素子を効率的に冷却できるため、ホームシアターやプレゼンテーションで利用されるプロジェクタの光変調素子保持体として有用である。
本実施形態におけるプロジェクタの概略構成を模式的に示す図。 前記実施形態におけるプロジェクタ内の一部を上方側から見た斜視図。 前記実施形態におけるプロジェクタ内の一部を下方側から見た斜視図。 前記実施形態におけるメインタンクの構造を示す図。 前記実施形態における光学装置本体の概略構成を示す図。 前記実施形態における光学装置本体の概略構成を示す図。 前記実施形態における流体分岐部の構造を示す図。 前記実施形態における光変調素子保持体の概略構成を示す分解斜視図。 前記実施形態における枠状部材の概略構成を示す図。 前記実施形態における枠状部材の概略構成を示す図。 前記実施形態における中継タンクの構造を示す図。 前記実施形態におけるラジエータの構造、およびラジエータと軸流ファンとの配置関係を示す図。 前記実施形態における液晶パネル、入射側偏光板、および射出側偏光板の冷却構造を説明するための図。 前記実施形態における液晶パネル、入射側偏光板、および射出側偏光板の冷却構造を説明するための図。
符号の説明
1・・・プロジェクタ、5・・・投射レンズ(投射光学装置)、44・・・光学装置、411・・・光源装置、441,441R,441G,441B・・・液晶パネル(光変調素子)、441C・・・駆動基板、441D・・・対向基板、441E・・・フレキシブルプリント基板(回路基板)、441E1・・・挿通孔、442・・・入射側偏光板(光学変換素子)、442A・・・透光性基板、443・・・射出側偏光板(光学変換素子)、443A・・・透光性基板、443B・・・偏光膜(光学変換膜)、444・・・クロスダイクロイックプリズム(色合成光学装置)、448・・・流体循環部材、4401・・・流体分岐部、4402・・・光変調素子保持体、4404・・・中継タンク(冷却流体中継部)、4405,4406・・・枠状部材、4405A,4406A・・・開口、4405C,4406D・・・筒状部、4405D,4406C・・・挿通孔(筒状部嵌合孔)、4405I・・・流入口、4406C2・・・突出部、4406H・・・押圧部、4406I・・・流出口、4407・・・弾性部材、4409・・・中間枠体(支持枠体)、4409A・・・開口、4409D・・・筒状部挿通孔、R1,R2・・・冷却室。

Claims (13)

  1. 光源から射出された光束を画像情報に応じて変調して光学像を形成する光変調素子を保持し、内部に冷却流体が封入される冷却室が形成され、前記冷却室内の冷却流体により前記光変調素子を冷却する光変調素子保持体であって、
    前記光変調素子の画像形成領域に応じてそれぞれ開口が形成され前記光変調素子を挟持する一対の枠状部材と、前記一対の枠状部材における対向する面と反対の面側にそれぞれ配置される透光性基板とを含んで構成され、
    前記冷却室は、前記一対の枠状部材の前記開口における前記対向する面側、および前記対向する面と反対の面側が前記光変調素子および前記透光性基板にてそれぞれ閉塞されることにより前記一対の枠状部材の双方の内部にそれぞれ形成され、
    前記一対の枠状部材のうちいずれか一方の枠状部材は、該一方の枠状部材における前記冷却室に前記冷却流体を流入させる流入口を有し、他方の枠状部材は、該他方の枠状部材における前記冷却室内部の前記冷却流体を外部に流出させる流出口を有し、
    前記一対の枠状部材には、前記各冷却室を連通接続し前記流入口を介して内部に流入した冷却流体を前記各冷却室に分流する分流口と、前記各冷却室を連通接続し前記一方の枠状部材における前記冷却室内を流通する冷却流体を前記他方の枠状部材における前記冷却室内に流入させる合流口とが形成され、
    前記分流口および前記合流口は、前記流入口から前記分流口を介して前記流出口に向かう前記冷却流体の流路の長さと、前記流入口から前記合流口を介して前記流出口に向かう前記冷却流体の流路の長さとが略同一となる位置にそれぞれ形成されていることを特徴とする光変調素子保持体。
  2. 請求項1に記載の光変調素子保持体において、
    前記一対の枠状部材を組み合わせた状態で前記流入口を前記他方の枠状部材に対して投影させた場合、前記投影された前記流入口と前記流出口とが前記他方の枠状部材における対向する側端部の対向位置にそれぞれ配置されることを特徴とする光変調素子保持体。
  3. 請求項1または請求項2に記載の光変調素子保持体において、
    前記分流口および前記合流口は、前記一対の枠状部材を組み合わせた状態で互いに嵌合して連通接続する筒状部および筒状部嵌合孔でそれぞれ構成され、
    前記筒状部および前記筒状部嵌合孔は、前記各冷却室内部とそれぞれ連通接続していることを特徴とする光変調素子保持体。
  4. 請求項3に記載の光変調素子保持体において、
    前記分流口の筒状部は、前記流入口を有する枠状部材に形成され、その軸方向が前記流入口を介して流通する冷却流体の流通方向と交差するように前記流入口と接続し、
    前記合流口の筒状部は、前記流出口を有する枠状部材に形成され、その軸方向が前記流出口を介して流通する冷却流体の流通方向と交差するように前記流出口と接続していることを特徴とする光変調素子保持体。
  5. 請求項3または請求項4に記載の光変調素子保持体において、
    前記分流口の筒状部は、その内側面の一部が前記流入口を介して流通する冷却流体の流通方向と交差するように前記流入口と接続し、
    前記内側面の一部には、前記流入口を介して流入した前記冷却流体を前記各冷却室に分流する突出部が形成されていることを特徴とする光変調素子保持体。
  6. 請求項3から請求項5のいずれかに記載の光変調素子保持体において、
    前記光変調素子を嵌合可能としその内側面が前記光変調素子の外形位置基準面である開口を有し、前記光変調素子を支持した状態で前記一対の枠状部材に挟持される支持枠体と、
    前記光変調素子の画像形成領域に応じてそれぞれ開口が形成され、前記一対の枠状部材および前記光変調素子の間にそれぞれ介在配置される弾性部材とを備え、
    前記支持枠体には、前記筒状部を挿通可能とする筒状部挿通孔が形成され、
    前記一対の枠状部材のうちいずれか一方の枠状部材には、他方の枠状部材に向けて突出し、当該光変調素子保持体を組み立てた状態で、その先端が前記支持枠体の前記筒状部挿通孔の周縁に当接し前記支持枠体を前記他方の枠状部材に向けて押圧する押圧部が形成されていることを特徴とする光変調素子保持体。
  7. 請求項1から請求項6のいずれかに記載の光変調素子保持体において、
    前記分流口および前記合流口は、それぞれの内径断面積が略同一となるように形成されていることを特徴とする光変調素子保持体。
  8. 光源から射出された光束を画像情報に応じて変調して光学像を形成する光変調素子を含んで構成される光学装置であって、
    請求項1から請求項7のいずれかに記載の光変調素子保持体と、
    前記光変調素子保持体の流入口および流出口と接続され、前記冷却流体を前記冷却室外部に案内し、再度、前記冷却室内部に導く複数の流体循環部材とを備えていることを特徴とする光学装置。
  9. 請求項8に記載の光学装置において、
    前記光変調素子は、複数の信号線、前記複数の信号線に接続された複数のスイッチング素子、および前記複数のスイッチング素子に接続された複数の画素電極を有する駆動基板と、前記駆動基板に対向配置され共通電極を有する対向基板と、前記複数の信号線および前記共通電極と電気的に接続され前記駆動基板および前記対向基板間から延出する回路基板とを含んで構成され、
    前記光変調素子保持体を構成する分流口および合流口は、前記一対の枠状部材を組み合わせた状態で互いに嵌合して連通接続する筒状部および筒状部嵌合孔でそれぞれ構成され、
    前記筒状部および前記筒状部嵌合孔は、前記各冷却室内部とそれぞれ連通接続し、
    前記分流口または前記合流口は、前記回路基板と平面的に干渉する位置に形成され、
    前記回路基板には、前記分流口の筒状部または前記合流口の筒状部を挿通可能とする挿通孔が形成されていることを特徴とする光学装置。
  10. 請求項9に記載の光学装置において、
    前記光変調素子保持体は、前記光変調素子を嵌合可能としその内側面が前記光変調素子の外形位置基準面である開口を有し前記光変調素子を支持した状態で前記一対の枠状部材に挟持される支持枠体と、前記光変調素子の画像形成領域に応じてそれぞれ開口が形成され前記一対の枠状部材および前記光変調素子の間にそれぞれ介在配置される弾性部材とを備え、
    前記支持枠体には、前記筒状部を挿通可能とする筒状部挿通孔が形成され、
    前記一対の枠状部材のうちいずれか一方の枠状部材には、他方の枠状部材に向けて突出し、当該光変調素子保持体を組み立てた状態で前記回路基板の前記挿通孔に挿通され、その先端が前記支持枠体の筒状部挿通孔の周縁に当接し前記支持枠体を前記他方の枠状部材に向けて押圧する押圧部が形成されていることを特徴とする光学装置。
  11. 請求項8から請求項10のいずれかに記載の光学装置において、
    入射した光束の光学特性を変換する少なくとも1つの光学変換素子を備え、
    前記光学変換素子は、透光性基板と、前記透光性基板上に形成され、入射した光束の光学特性を変換する光学変換膜とで構成され、
    前記光変調素子保持体を構成する透光性基板のうち少なくともいずれかの透光性基板は、前記光学変換素子を構成する透光性基板であることを特徴とする光学装置。
  12. 請求項8から請求項11のいずれかに記載の光学装置において、
    前記光変調素子は、複数で構成され、
    前記光変調素子保持体は、前記複数の光変調素子に対応して複数で構成され、
    前記複数の光変調素子保持体が取り付けられる複数の光束入射側端面を有し前記複数の光変調素子にて変調された各色光を合成する色合成光学装置と、前記複数の光束入射側端面に交差する端面のうちいずれか一方の端面に取り付けられ内部の冷却流体を前記複数の光変調素子保持体毎に分岐して送出する流体分岐部と、前記複数の光束入射側端面に交差する端面のうちいずれか他方の端面に取り付けられ前記複数の光変調素子保持体から送出される冷却流体を一括して送入する冷却流体中継部とを備えていることを特徴とする光学装置。
  13. 光源装置と、請求項8から請求項12のいずれかに記載の光学装置と、前記光学装置にて形成された光学像を拡大投射する投射光学装置とを備えていることを特徴とするプロジェクタ。
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