JP3992005B2 - 光学装置、およびプロジェクタ - Google Patents
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Description
このうち、光変調装置としては、例えば、一対の基板間に液晶等の電気光学材料が密閉封入されたアクティブマトリックス駆動方式の光変調素子が一般的に採用される。具体的に、この光変調素子を構成する一対の基板は、液晶に駆動電圧を印加するためのデータ線、走査線、スイッチング素子、画素電極等が形成された駆動基板と、共通電極、ブラックマスク等が形成された対向基板とで構成されている。
また、この光変調素子の光束入射側および光束射出側には所定の偏光軸を有する光束を透過させる入射側偏光板および射出側偏光板がそれぞれ配置される。
ここで、光源から射出された光束が光変調素子に照射された場合には、液晶層による光吸収とともに、駆動基板に形成されたデータ線および走査線や、対向基板に形成されたブラックマトリックス等による光吸収により、光変調素子の温度が上昇しやすい。また、光源から射出された光束、および光変調素子を透過した光束のうち、所定の偏光軸を有していない光束は、偏光板によって吸収され、偏光板に熱が発生しやすい。
すなわち、特許文献1に記載の冷却装置は、光変調素子と偏光板とを離隔した状態でそれぞれ支持し、内部に冷却流体が充填される冷却室を備えている。また、この冷却室は、内部に冷却流体を流通可能なチューブ等によりラジエータおよび流体ポンプと連通接続されている。このため、内部の冷却流体は、チューブ等を介して冷却室〜ラジエータ〜流体ポンプ〜冷却室という流路を循環する。そして、このような構成により、光源から照射される光束により光変調素子および偏光板に生じる熱を直接冷却流体に放熱させている。
また、例えば、光学素子の冷却効率を向上させるために、冷却流体の容量を大きくする構成、すなわち、冷却装置に冷却流体を一時的に蓄積可能なタンクを具備させる構成とした場合には、冷却装置のサイズがさらに増大してしまい、その取り扱い性がさらに悪くなる。
特に、光変調素子を複数で構成した場合には、上述した問題が顕著となる。
また、光変調素子保持体は、色合成光学装置の光束入射側端面に直接取り付けられる構成の他、他の部材を介して取り付けられる構成を採用してもよい。
本発明では、複数の光変調素子保持体は、色合成光学装置の複数の光束入射側端面に対して取り付けられる。また、流体分岐部および流体圧送部は、色合成光学装置における複数の光束入射側端面に交差する端面のうちいずれか一方の端面に積層配置される。また、流体送入部は、色合成光学装置における複数の光束入射側端面に交差する端面のうちいずれか一方の端面に取り付けられる。このことにより、光学装置を構成する、複数の光変調素子、複数の光変調素子保持体、複数の流体循環部材、流体分岐部、流体送入部、および流体圧送部を、色合成光学装置の周囲にコンパクトにまとめることができ、光変調素子が複数で構成されている場合であっても、光学装置の小型化を図れ、光学装置の取り扱い性を良好にすることができる。
また、流体分岐部および流体送入部が内部にて一時的に冷却流体を蓄積可能な構成であるので、これら流体分岐部および流体送入部をタンクとして機能させることも可能となる。このため、タンクとしての機能を有する部材を別途設けなくても冷却流体の容量を十分に確保できかつ、小型化が図れる光学装置を構成できる。
さらにまた、各冷却室の上流側および下流側に、流体分岐部および流体送入部が配置されているので、各冷却室を対流する冷却流体の対流速度を速め、光変調素子と冷却流体との温度差を維持して、冷却流体により光変調素子をさらに効率的に冷却できる。
したがって、冷却流体により光変調素子を効率的に冷却できかつ、光変調素子が複数で構成されている場合であっても光学装置の小型化を図れ、本発明の目的を達成できる。
本発明によれば、流体分岐部および流体圧送部は、流体分岐部が色合成光学装置側に位置するように積層配置されるので、流体分岐部と、色合成光学装置の複数の光束入射側端面に対して取り付けられる各光変調素子保持体との冷却流体の流路を短く設定でき、流体分岐部から分岐して送出される冷却流体を円滑に各光変調素子保持体の各冷却室に流入させることができる。
本発明によれば、流体分岐部および流体圧送部は、流体圧送部が色合成光学装置側に位置するように積層配置されるので、例えば、流体圧送部および流体分岐部を一体化し、流体分岐部に色合成光学装置を支持する支持部材としての機能を具備させれば、光学装置を例えば光学部品を所定位置に収納配置する光学部品用筐体内に収納し、流体分岐部を光学部品用筐体の底面に取り付けることで、全ての光学装置を前記光学部品用筐体内部に収納することができる。したがって、光学装置の取り扱い性をさらに良好にすることができる。
ここで、放熱部としては、例えば、複数の流体循環部材を流通する冷却流体と熱伝達可能に接続される複数の放熱フィンを備え、流体循環部材を流通する冷却流体の熱を前記複数の放熱フィンに放熱する、いわゆるラジエータを採用できる。また、ラジエータに限らず、複数の流体循環部材を流通する冷却流体と熱伝達可能に接続され、ペルチェ効果を利用したペルチェモジュールを採用してもよい。
本発明によれば、光学装置が放熱部を備えているので、流体送入部から流体圧送部に向かう冷却流体を冷却でき、流体分岐部に蓄積される冷却流体の温度の低減を図れる。したがって、流体分岐部から各光変調素子保持体の冷却室に流通する温度の低減した冷却流体により各光変調素子をさらに効率的に冷却できる。
本発明によれば、流体分岐部および流体圧送部が熱伝導性材料から構成され、互いに熱伝達可能に接続しているので、流体分岐部内、および流体圧送部内の冷却流体の熱を流体分岐部および流体圧送部の外壁に放熱させることができる。また、例えば光学部品を所定位置に収納配置する光学部品用筐体を熱伝導性材料で構成し、光学装置を前記光学部品用筐体内に収納した際、流体分岐部および流体圧送部のうち少なくともいずれかを光学部品用筐体に熱伝達可能に接続すれば、流体分岐部および流体圧送部の外壁に伝達された熱を光学部品用筐体に放熱させることができる。
ここで、反射型偏光素子としては、有機材料から構成される反射型偏光素子、または、無機材料から構成される反射型偏光素子等が例示できる。
本発明では、反射型偏光素子は、所定の偏光軸以外の偏光軸を有する光束を反射するので、所定の偏光軸以外の偏光軸を有する光束を吸収する吸収型偏光素子と比較して、熱が生じにくく、反射型偏光素子自体の温度の低減を図れる。このため、従来のように冷却室内の冷却流体に光変調素子のみならず偏光板を接触させ、偏光板をも冷却する構造とする必要がなく、すなわち、光変調素子保持体にて光変調素子のみならず偏光板を保持させる構成を採用する必要がない。したがって、光変調素子保持体における冷却室内の冷却流体の温度を偏光板にて上昇させることなく、光変調素子を効率的に冷却できる。
また、反射型偏光素子は、他の偏光軸を有する光束を光変調素子の画像形成領域を避ける方向に反射するので、光学装置内に迷光が生じることなく、光変調素子にて形成される光学像を安定に維持でき、良好な光学像を形成できる。
本発明によれば、反射型偏光素子は、複数のプリズムと、反射型偏光膜とを備える。そして、複数のプリズムのうち入射側プリズムは、反射型偏光膜にて反射された光束を全反射面にて反射させ、光変調素子の画像形成領域を避ける方向に射出するので、簡単な構成で、光学装置内に迷光が生じることを回避できる。
本発明によれば、プロジェクタは、光源装置、上述した光学装置、および投射光学装置を備えているので、上述した光学装置と同様の作用・効果を享受できる。
また、プロジェクタは、光変調素子を効率的に冷却できる光学装置を備えているので、光変調素子の熱劣化を防止でき、プロジェクタの高寿命化を図れる。
本発明では、プロジェクタが熱伝導性材料からなる光学部品用筐体を備える。また、流体分岐部および流体圧送部のうち少なくともいずれか一方が熱伝導性材料から構成される。そして、光学装置を光学部品用筐体に収納した際、流体分岐部および流体圧送部のうち少なくともいずれか一方が光学部品用筐体に熱伝達可能に接続する。このことにより、循環する冷却流体〜流体分岐部および流体圧送部のうち少なくともいずれか一方〜光学部品用筐体への熱伝達経路を確保し、冷却流体の冷却効率を向上させることができる。このため、光学部品用筐体にラジエータとしての機能も持たせることができ、ラジエータとしての機能を有する部材を別途設けなくても冷却流体の冷却効率の向上を十分に図れる。
以下、本発明の第1実施形態を図面に基づいて説明する。
〔プロジェクタの構成〕
図1は、プロジェクタ1の概略構成を模式的に示す図である。
プロジェクタ1は、光源から射出される光束を画像情報に応じて変調して光学像を形成し、形成した光学像をスクリーン上に拡大投射するものである。このプロジェクタ1は、外装ケース2と、冷却ユニット3と、光学ユニット4と、投射光学装置としての投射レンズ5とを備える。
なお、図1において、図示は省略するが、外装ケース2内において、冷却ユニット3、光学ユニット4、および投射レンズ5以外の空間には、電源ブロック、ランプ駆動回路等が配置されるものとする。
なお、外装ケース2は、合成樹脂製に限らず、その他の材料にて形成してもよく、例えば、金属等により構成してもよい。
また、図示は省略するが、この外装ケース2には、冷却ユニット3によりプロジェクタ1外部から冷却空気を内部に導入するための吸気口、およびプロジェクタ1内部で温められた空気を排出するための排気口が形成されている。
なお、この冷却ユニット3は、図示は省略するが、シロッコファン31の他、光学ユニット4の後述する光源装置、および図示しない電源ブロック、ランプ駆動回路等を冷却するための冷却ファンも有しているものとする。
投射レンズ5は、複数のレンズが組み合わされた組レンズとして構成される。そして、この投射レンズ5は、光学ユニット4にて形成された光学像(カラー画像)を図示しないスクリーン上に拡大投射する。
光学ユニット4は、図1に示すように、インテグレータ照明光学系41と、色分離光学系42と、リレー光学系43と、光学装置44と、これら光学部品41〜44を収納配置する光学部品用筐体45とを備える。
インテグレータ照明光学系41は、光学装置44を構成する後述する液晶パネルの画像形成領域を略均一に照明するための光学系である。このインテグレータ照明光学系41は、図1に示すように、光源装置411と、第1レンズアレイ412と、第2レンズアレイ413と、偏光変換素子414と、重畳レンズ415とを備える。
第1レンズアレイ412は、光軸方向から見て略矩形状の輪郭を有する小レンズがマトリクス状に配列された構成を有している。各小レンズは、光源装置411から射出される光束を、複数の部分光束に分割している。
第2レンズアレイ413は、第1レンズアレイ412と略同様な構成を有しており、小レンズがマトリクス状に配列された構成を有している。この第2レンズアレイ413は、重畳レンズ415とともに、第1レンズアレイ412の各小レンズの像を光学装置44の後述する液晶パネル上に結像させる機能を有している。
具体的に、偏光変換素子414によって略1種類の偏光光に変換された各部分光は、重畳レンズ415によって最終的に光学装置44の後述する液晶パネル上にほぼ重畳される。偏光光を変調するタイプの液晶パネルを用いたプロジェクタでは、1種類の偏光光しか利用できないため、ランダムな偏光光を発する光源装置411からの光の略半分を利用できない。このため、偏光変換素子414を用いることで、光源装置411からの射出光を略1種類の偏光光に変換し、光学装置44での光の利用効率を高めている。
リレー光学系43は、図1に示すように、入射側レンズ431、リレーレンズ433、および反射ミラー432,434を備え、色分離光学系42で分離された赤色光を光学装置44の後述する赤色光用の液晶パネルまで導く機能を有している。
なお、光学装置44は、具体的な構成は後述するが、液晶パネル441、射出側偏光板443、およびクロスダイクロイックプリズム444以外に、流体圧送部、流体循環部材、流体分岐部、光変調素子保持体、支持部材、および流体送入部を備える。
入射側偏光板442は、偏光変換素子414で偏光方向が略一方向に揃えられた各色光が入射され、入射された光束のうち、偏光変換素子414で揃えられた光束の偏光軸と略同一方向の偏光光のみ透過させ、その他の光束を吸収するものである。この入射側偏光板442は、具体的な図示は省略するが、サファイアガラスまたは水晶等の透光性基板上に偏光膜が貼付された構成を有している。
このうち、部品収納部材は、光学部品用筐体45の底面、前面、および側面をそれぞれ構成する。
この部品収納部材において、底面には、光学装置44の液晶パネル441位置に対応して形成された図示しない3つの孔が形成されている。そして、冷却ユニット3のシロッコファン31によりプロジェクタ1外部から内部に導入された冷却空気は、シロッコファン31から吐出され、前記3つの孔を介して光学装置44の3つの液晶パネル441へと流通する。
図2および図3は、光学装置44の概略構成を示す図である。具体的に、図2は、光学装置44を上方側から見た斜視図である。図3は、光学装置44を下方側から見た斜視図である。
光学装置44は、図2または図3に示すように、3つの液晶パネル441と、3つの射出側偏光板443と、クロスダイクロイックプリズム444と、流体圧送部445と、流体分岐部446と、光変調素子保持体447と、支持部材448と、流体送入部449と、複数の流体循環部材440とを備える。
液晶パネル441は、ガラスなどからなる一対の基板441C,441D(図6参照)に電気光学物質である液晶が密閉封入された構成を有している。このうち、基板441C(図6参照)は、液晶を駆動するための駆動基板であり、互いに平行に配列形成される複数のデータ線と、複数のデータ線と直交する方向に配列形成される複数の走査線と、走査線およびデータ線の交差に対応してマトリクス状に配列形成される画素電極と、TFT等のスイッチング素子とを有している。また、基板441D(図6参照)は、基板441C(図6参照)に対して所定間隔を空けて対向配置される対向基板であり、所定の電圧Vcomが印加される共通電極を有している。また、これら基板441C,441D(図6参照)には、図示しない制御装置と電気的に接続し、前記走査線、前記データ線、前記スイッチング素子、および前記共通電極等に所定の駆動信号を出力するフレキシブルプリント基板441E(図6参照)が接続されている。このフレキシブルプリント基板441E(図6参照)を介して前記制御装置から駆動信号を入力することで、所定の前記画素電極と前記共通電極との間に電圧が印加され、該画素電極および共通電極間に介在する液晶の配向状態が制御され、入射側偏光板442から射出された偏光光束の偏光方向が変調される。
図4は、射出側偏光板443の構造を模式的に示す図である。具体的に、図4は、射出側偏光板443を側方から見た図である。
射出側偏光板443は、液晶パネル441から射出された光束のうち、入射側偏光板442における光束の透過軸と直交する偏光軸を有する光束のみ透過させ、その他の偏光軸を有する光束を反射する反射型偏光素子で構成されている。そして、3つの射出側偏光板443は、所定の厚み寸法を有する略直方体形状を有し、光束射出側端面がクロスダイクロイックプリズム444の各光束入射側端面にそれぞれ接着固定される。
この射出側偏光板443は、図4に示すように、2つの直角プリズム443Aと、これら直角プリズム443Aの界面に形成された反射型偏光膜443Bとを備える。このうち、反射型偏光膜443Bとしては、例えば、重合体を延伸形成した多数のフィルムを積層した多層構造フィルムを採用できる。
そして、この射出側偏光板443に入射した光束Lのうち、所定の偏光軸を有する光束L1は、図4に示すように、反射型偏光膜443Bを透過して、クロスダイクロイックプリズム444に入射する。
また、図4に示すように、射出側偏光板443に入射した光束Lのうち、他の偏光軸を有する光束L2は、反射型偏光膜443Bにて反射し、さらに、直角プリズム443Aの光束入射側端面にて全反射して、上方に向けて射出される。
クロスダイクロイックプリズム444は、射出側偏光板443から射出された色光毎に変調された光学像を合成してカラー画像を形成する光学素子である。このクロスダイクロイックプリズム444は、4つの直角プリズムを貼り合わせた平面視略正方形状をなし、直角プリズム同士を貼り合わせた界面には、2つの誘電体多層膜が形成されている。これら誘電体多層膜は、液晶パネル441R,441Bから射出され射出側偏光板443を介した色光を反射し、液晶パネル441Gから射出され射出側偏光板443を介した色光を透過する。このようにして、各液晶パネル441R,441G,441Bにて変調された各色光が合成されてカラー画像が形成される。
複数の流体循環部材440は、内部に冷却流体が対流可能にアルミニウム製の管状部材で構成され、冷却流体が循環可能に各部材445〜447,449を接続する。そして、循環する冷却流体により液晶パネル441に生じる熱を冷却する。
なお、本実施形態では、冷却流体として、透明性の非揮発性液体であるエチレングリコールを採用する。冷却流体としては、エチレングリコールに限らず、その他の液体を採用してもよい。
流体圧送部445は、外部から冷却流体を送入し、送入した冷却流体を外部に強制的に送出する。このため、流体圧送部445は、図2または図3に示すように、2つの流体循環部材440の一端とそれぞれ連通接続している。
この流体圧送部445は、具体的な図示は省略するが、例えば、略直方体状のアルミニウム製の中空部材内に羽根車が配置された構成を有し、図示しない制御装置による制御の下、前記羽根車が回転することで、外部の冷却流体を流体循環部材440を介して強制的に送入し、送入した冷却流体を流体循環部材440を介して外部に強制的に送出する。このような構成では、流体圧送部445は、前記羽根車の回転軸方向の厚み寸法を小さくすることができ、プロジェクタ1内部の空きスペースに配置することが可能となる。本実施形態では、具体的には後述するが、クロスダイクロイックプリズム444の下方側に配置される。
図5は、流体分岐部446の構造を示す図である。具体的に、図5(A)は、流体分岐部446を上方から見た平面図である。また、図5(B)は、図5(A)におけるA−A線の断面図である。
流体分岐部446は、略直方体状のアルミニウム製の中空部材で構成され、流体圧送部445から強制的に送出された冷却流体を送入し、送入した冷却流体を3つの光変調素子保持体447毎に分岐して送出する。また、この流体分岐部446は、クロスダイクロイックプリズム444の3つの光束入射側端面に交差する端面である下面に固定され、クロスダイクロイックプリズム444を支持するプリズム固定板としての機能も有する。
この流体分岐部446において、クロスダイクロイックプリズム444の光束射出側端面に対応する端面には、図5に示すように、流体圧送部445から圧送された冷却流体を内部に流入させる冷却流体流入部4461が形成されている。この冷却流体流入部4461は、流体循環部材440の管径寸法よりも小さい管径寸法を有する略筒状部材から構成され、流体分岐部446内外に突出するように配置されている。そして、冷却流体流入部4461の外側に突出した一端には、図2または図3に示すように、流体圧送部445に連通接続された2つの流体循環部材440のうちの一方の流体循環部材440の他端が接続され、該流体循環部材440を介して流体圧送部445から圧送された冷却流体が流体分岐部446内部に流入する。
これら冷却流体流出部4463は、冷却流体流入部4461と同様に、流体循環部材440の管径寸法よりも小さい管径寸法を有する略筒状部材から構成され、流体分岐部446内外に突出するように配置されている。そして、各冷却流体流出部4463の外側に突出した一端には、それぞれ流体循環部材440の一端が接続され、該流体循環部材440を介して流体分岐部446内部の冷却流体が分岐されて外部へと流出する。
さらに、この流体分岐部446において、上面の略中央部分には、図5に示すように、球状の膨出部4464が形成されている。そして、この膨出部4464にクロスダイクロイックプリズム444の下面を当接させることで、流体分岐部446に対するクロスダイクロイックプリズム444のあおり方向の位置調整が可能となる。
図6は、光変調素子保持体447の概略構成を示す分解斜視図である。
3つの光変調素子保持体447は、3つの液晶パネル441をそれぞれ保持するとともに、内部に冷却流体が流入および流出し、該冷却流体により3つの液晶パネル441をそれぞれ冷却する。なお、各光変調素子保持体447は、同様の構成であり、以下では1つの光変調素子保持体447のみを説明する。
光変調素子保持体447は、一対の枠状部材4471,4472と、2つの弾性部材4473と、透光性基板4474と、透光性基板固定部材4475とを備える。
枠状部材4471は、略中央部分に液晶パネル441の画像形成領域に対応して矩形状の開口部4471Aを有する平面視略矩形状の枠体であり、枠状部材4472に対して光束入射側に配置され、液晶パネル441を弾性部材4473を介して光束入射側から枠状部材4472に対して押圧固定する。
この枠状部材4471において、光束射出側端面には、図6に示すように、液晶パネル441の光束入射側端面を支持するための支持面4471Bが形成されている。
また、枠状部材4471において、上方側端部角隅部分および下方側端部角隅部分には、図6に示すように、支持部材448の後述するピン状部材を挿通可能とする4つの挿通部4471Cが形成されている。
さらに、枠状部材4471において、左側端部角隅部分および右側端部角隅部分には、図6に示すように、枠状部材4472と接続するための接続部4471Dが形成されている。
枠状部材4472は、略中央部分に液晶パネル441の画像形成領域に対応した矩形状の開口4472Aを有する平面視略矩形状のアルミニウム製の枠体であり、上述した枠状部材4471との間に、弾性部材4473を介して液晶パネル441を挟持するとともに、枠状部材4471と対向する面と反対の面側にて弾性部材4473を介して透光性基板4474を支持するものである。
この枠状部材4472において、光束射出側端面には、図7に示すように、弾性部材4473の形状に対応して矩形枠状の凹部4472Bが形成され、この凹部4472Bにて弾性部材4473を介して透光性基板4474を支持する。そして、枠状部材4472が透光性基板4474を支持することで、弾性部材4473、および透光性基板4474の光束入射側端面にて、開口4472Aにおける光束射出側端面が閉塞される。また、この凹部4472Bの外周面には、複数の係止突起4472Cが形成され、これら係止突起4472Cに弾性部材4473の外側面が当接し、弾性部材4473が位置決めされて凹部4472Bに設置される。
以上のように、液晶パネル441および透光性基板4474により開口4472Aの光束入射側および光束射出側が閉塞されると、枠状部材4472内部に冷却流体を封入可能とする冷却室R1(図9参照)が形成される。
また、凹部4472Fの底面には、2つの整流部4472Gが立設されている。これら整流部4472Gは、断面略直角三角形状であり、所定の間隔を空けて配置されるとともに、直角三角形状の斜辺が互いに前記部位の離間方向に拡がるように配置されている。
そして、枠状部材4471,4472の各接続部4471D,4472Hにねじ4476(図6)を螺合することで、液晶パネル441が弾性部材4473を介して枠状部材4471,4472間に挟持され、枠状部材4472の開口4472Aにおける光束入射側が封止される。
さらに、この枠状部材4472において、左側端部略中央部分および右側端部略中央部分には、図6または図7に示すように、透光性基板固定部材4475が係合するフック4472Iが形成されている。
なお、弾性部材4473は、水分透過量の少ないブチルゴムまたはフッ素ゴム等を使用してもよい。
透光性基板固定部材4475は、透光性基板4474を、弾性部材4473を介して枠状部材4472の凹部4472Bに押圧固定する。この透光性基板固定部材4475は、略中央部分に開口部4475Aが形成された平面視略矩形枠体で構成され、開口部4475A周縁部分にて、透光性基板4474を枠状部材4472に対して押圧する。また、透光性基板固定部材4475には、左右側端縁にそれぞれフック係合部4475Bが形成され、フック係合部4475Bを枠状部材4472のフック4472Iに係合させることで、枠状部材4472に対して透光性基板固定部材4475が透光性基板4474を押圧した状態で固定される。
支持部材448は、略中央部分に図示しない開口が形成された平面視略矩形枠状の板体から構成され、光変調素子保持体447を支持し、該光変調素子保持体447とクロスダイクロイックプリズム444とを一体化するものである。この支持部材448としては、例えば、アルミニウムから構成し、表面にブラックアルマイト処理を施したものを採用できる。なお、この支持部材448としては、光変調素子保持体447の構成材料であるアルミニウムと、クロスダイクロイックプリズム444の構成材料の略中間の熱膨張係数を有する鉄系材料から構成してもよい。
この支持部材448において、光束入射側端面には、図2または図3に示すように、光変調素子保持体447の4つの挿通部4471Cに対応した位置に、板体から突出するピン状部材4481が形成されている。
また、この支持部材448において、上方側端部には、図2または図3に示すように、光束射出側に向けて湾曲する湾曲部4482が形成されている。
そして、この支持部材448は、ピン状部材4481を光変調素子保持体447の4つの挿通部4471Cに挿通することで該光変調素子保持体447を支持し、板体の光束射出側端面をクロスダイクロイックプリズム444に固定された射出側偏光板443の光束入射側端面に接着固定することで、光変調素子保持体447がクロスダイクロイックプリズム444と一体化される。
このように光変調素子保持体447をクロスダイクロイックプリズム444に対して固定することで、支持部材448の湾曲部4482が射出側偏光板443の上方を覆うように配置される(図9参照)。
図8は、流体送入部449の概略構成を示す図である。具体的に、図8(A)は、流体送入部449を上方から見た平面図である。図8(B)は、図8(A)におけるB−B線の断面図である。
流体送入部449は、略円柱状のアルミニウム製の中空部材で構成され、クロスダイクロイックプリズム444の3つの光束入射側端面に交差する端面である上面に固定される。そして、この流体送入部449は、各光変調素子保持体447から送出された冷却流体を一括して送入し、送入した冷却流体を外部に送出する。
この流体送入部449において、その上面には、図8に示すように、3つの光変調素子保持体447の各枠状部材4472から送出された冷却流体を内部に流入させる3つの冷却流体流入部4491が形成されている。これら冷却流体流入部4491は、流体循環部材440の管径寸法よりも小さい管径寸法を有する略筒状部材から構成され、流体送入部449内外に突出するように配置されている。そして、各冷却流体流入部4491の外側に突出した端部には、図2に示すように、3つの光変調素子保持体447の各枠状部材4472の各流出口4472Eと接続された流体循環部材440の他端がそれぞれ接続され、該流体循環部材440を介して各光変調素子保持体447から送出された冷却流体が一括して流体送入部449内部に流入する。
次に、液晶パネル441の冷却構造を説明する。
図9は、液晶パネル441の冷却構造を説明するための断面図である。
流体圧送部445が駆動することにより、流体循環部材440を介して、流体送入部449内の冷却流体が流体圧送部445内に送入されるとともに、図9に示すように、流体圧送部445から流体分岐部446に送出される。
ここで、光源装置411から射出された光束により、液晶パネル441に生じた熱は、図9に示すように、各冷却室R1内の冷却流体に伝達される。
各冷却室R1内の冷却流体に伝達された熱は、冷却流体の流れにしたがって冷却室R1〜流体送入部449〜流体圧送部445〜流体分岐部446へと移動する。ここで、流体圧送部445および流体分岐部446に温められた冷却流体が流入すると、冷却流体の熱は、流体圧送部445および流体分岐部446〜光学部品用筐体45の熱伝達経路を辿って放熱される。すなわち、光学部品用筐体45は、ラジエータとしての機能も有する。
そして、冷却された冷却流体は、流体分岐部446〜冷却室R1へと再度、移動する。
また、流体分岐部446および流体送入部449が内部にて一時的に冷却流体を蓄積可能な構成であるので、これら流体分岐部446および流体送入部449をタンクとして機能させることが可能となる。このため、タンクとしての機能を有する部材を別途設けなくても冷却流体の容量を十分に確保できかつ、小型化が図れる光学装置44を構成できる。
さらに、光学部品用筐体45が金属製部材から構成され、流体分岐部446および流体圧送部445が熱伝導性の良好なアルミニウムから構成される。そして、流体分岐部446および流体圧送部445は、光学部品用筐体45の底面を挟持するように配置され、光学部品用筐体45と熱伝達可能に接続される。このことにより、循環する冷却流体〜流体分岐部446および流体圧送部445〜光学部品用筐体45への熱伝達経路を確保し、冷却流体の冷却効率を向上させることができる。このため、光学部品用筐体45をラジエータとしての機能も持たせることができ、ラジエータとしての機能を有する部材を別途設けなくても冷却流体の冷却効率の向上を十分に図れる。
(1)複数の流体循環部材440も含めて光学装置44をコンパクトにまとめることで、複数の流体循環部材440の引き回し作業を容易に実施でき、光学装置44の取り扱い性が飛躍的に向上する。
(2)光学装置44における複数の流体循環部材440の接続作業も容易にかつ、確実に実施でき、流体循環部材440の接続箇所から冷却流体が漏れることを確実に防止できる。
(3)前記ラジエータや前記タンク等の着脱操作を実施する際に、流体循環部材440を介して例えば光変調素子保持体447に力が伝わることがなく、光学装置44の組み立て時、液晶パネル441の位置調整時に流体循環部材440からの反力を低減でき、作業性を向上できるとともに、液晶パネル441の位置決め精度も向上できる。
(4)前記ラジエータや前記タンク等を別途設ける必要がないので、プロジェクタ1内部の省スペース化を図りプロジェクタ1の小型化を実現できるとともに、プロジェクタ1の軽量化も実現でき、さらに、プロジェクタ1の製造コストの低減も可能となる。
(5)流体循環部材440を前記ラジエータや前記タンクに引き回す必要がなく、流体循環部材440の長さを短くできかつ、流体循環部材440の本数削減が可能となる。このため、流体循環部材440を流通する際の冷却流体の蒸発量を抑制でき、冷却流体の補充間隔を長く設定でき、プロジェクタ1の利便性の向上が図れる。
(6)流体循環部材440の長さの低減、および本数削減により、流体圧送部445による冷却流体を圧送する圧力を低減でき、すなわち、流体圧送部445の駆動時における回転数を抑制でき、流体圧送部445自体の音を低減しプロジェクタ1の静音化が可能となる。
さらに、流体分岐部446がクロスダイクロイックプリズム444の下面に取り付けられているので、流体分岐部446と、各光変調素子保持体447の流入口4472Dとの距離を短く設定でき、流体分岐部446から分岐して送出される冷却流体を円滑に各光変調素子保持体447の各冷却室R1に流入させることができる。
また、射出側偏光板443は、他の偏光軸を有する光束を液晶パネル441の画像形成領域を避ける方向に反射するので、光学装置44内に迷光が生じることなく、液晶パネル441にて形成される光学像を安定に維持でき、良好な光学像を形成できる。
さらに、射出側偏光板443は、2つの直角プリズム443Aと、反射型偏光膜443Bとを備え、2つの直角プリズム443Aのうち光束入射側に配置されるプリズム443Aは、反射型偏光膜443Bにて反射された光束を光束入射側端面にて全反射させ、上方に向けて射出するので、簡単な構成で、光学装置44内に迷光が生じることを回避できる。
そして、プロジェクタ1は、液晶パネル441を効率的に冷却できかつ、射出側偏光板443の温度の低減を図れる光学装置44を備えているので、液晶パネル441および射出側偏光板443の熱劣化を防止でき、プロジェクタ1の高寿命化を図れる。
次に、本発明の第2実施形態を図面に基づいて説明する。
以下の説明では、前記第1実施形態と同様の構造および同一部材には同一符号を付して、その詳細な説明は省略または簡略化する。
前記第1実施形態では、光学装置44を構成する流体分岐部446は、クロスダイクロイックプリズム444の下面に取り付けられている。また、光学装置44を構成する流体圧送部445は、流体分岐部446との間で光学部品用筐体45の底面を挟持するように、流体分岐部446と一体化している。
これに対して、第2実施形態では、光学装置54を構成する流体圧送部545は、クロスダイクロイックプリズム444の下面に取り付けられ、さらに、その下面には流体分岐部546が取り付けられる。流体圧送部545および流体分岐部546以外の構造は、前記第1実施形態と同様のものとする。
流体圧送部545は、前記第1実施形態で説明した流体圧送部445とその形状、およびその機能は同一である。そして、この流体圧送部545は、図10または図11に示すように、クロスダイクロイックプリズム444における3つの光束入射側端面に交差する端面である下面に取り付けられる。
流体分岐部546は、前記第1実施形態で説明した流体分岐部446とその形状、およびその機能は同一であり、流体分岐部446の冷却流体流入部4461、腕部4462(孔4462Aを含む)、冷却流体流出部4463、および膨出部4464と同様の、冷却流体流入部5461、腕部5462(孔5462Aを含む)、冷却流体流出部5463、および図示しない膨出部を有している。
そして、前記第1実施形態と略同様に、流体分岐部546の前記膨出部にクロスダイクロイックプリズム444の下面に取り付けられた流体圧送部545の下面を当接することで、流体分岐部546に対するクロスダイクロイックプリズム444のあおり方向の位置調整が可能となる。
また、前記第1実施形態と同様に、流体分岐部546の孔5462Aに図示しないねじを挿通し、光学部品用筐体45の図示しない部品収納部材に螺合することで、光学装置54が前記部品収納部材に固定される。この際、流体分岐部546および光学部品用筐体45は、熱伝達可能に接続される。そして、流体圧送部545および流体分岐部546は、光学部品用筐体45の内部に配置される(図12参照)。
第2実施形態における液晶パネル441の冷却構造は、図12に示すように、前記第1実施形態で説明した冷却構造と略同様であり、詳細な説明を省略する。
また、流体圧送部545および流体分岐部546が互いに熱伝達可能に一体化しているので、流体分岐部546〜光学部品用筐体45への熱伝達経路の他、流体圧送部545〜流体分岐部546〜光学部品用筐体45への熱伝達経路も確保でき、循環する冷却流体の冷却効率を十分に維持できる。
次に、本発明の第3実施形態を図面に基づいて説明する。
以下の説明では、前記第2実施形態と同様の構造および同一部材には同一符号を付して、その詳細な説明は省略または簡略化する。
前記第2実施形態では、光学部品用筐体45がラジエータとしての機能を有し、循環する冷却流体は該光学部品用筐体45に放熱される。
これに対して第3実施形態では、前記第2実施形態における光学装置54に、ラジエータ641を付加した点が異なるのみである。その他の構造は、前記第2実施形態と同様のものとする。
放熱部としてのラジエータ641は、流体送入部449および流体圧送部545における冷却流体の流路間に配置され、各液晶パネル441にて温められ流体送入部449から流出する冷却流体の熱を放熱する。このラジエータ641は、図13に示すように、管状部材6411と、複数のフィン6412とを備える。
管状部材6411は、アルミニウムから構成され、図13に示すように、平面視略U字形状を有するように延出形成されている。また、この管状部材6411は、流体循環部材440の管径寸法よりも小さい管径寸法を有し、U字形状の一端が、図13に示すように、流体送入部449の冷却流体流出部4492と接続した流体循環部材440の他端と接続する。また、U字形状の他端が、図13に示すように、流体圧送部545に連通接続した流体循環部材440の他端と接続する。したがって、流体送入部449から流出した冷却流体が流体循環部材440を介して管状部材6411を通り、管状部材6411を通った冷却流体が流体循環部材440を介して流体圧送部545内に流入する。
そして、第3実施形態における液晶パネル441の冷却構造は、冷却流体がラジエータ641の管状部材6411を通過する際に、冷却流体の熱が管状部材6411〜放熱フィン6412に放熱される点以外は、前記第2実施形態の冷却構造と同様であり、詳細な説明を省略する。
なお、ラジエータ641の近傍に、冷却ファンを配置し、ラジエータ641の放熱フィン6412に冷却空気を送風する構成、または、放熱フィン6412近傍の空気を吸入する構成を採用してもよい。このような構成では、放熱フィン6412を効率的に冷却することが可能となり、ひいては、冷却流体の冷却効率の向上が図れる。
また、ラジエータ641を付加することで、光学部品用筐体45にラジエータとしての機能を具備させる必要がなく、光学部品用筐体45を金属等の熱伝導性材料から構成しなくてもよい。このため、光学部品用筐体45の設計の自由度が向上し、例えば、軽量な合成樹脂等から構成すれば、プロジェクタ1の軽量化も実現可能となる。
前記各実施形態では、光変調素子保持体447は、冷却室を1つのみ有する構成を説明したが、これに限らない。例えば、光変調素子保持体447の構成として、枠状部材4471を枠状部材4472と略同様の構造とし、枠状部材4471の光束入射側に、透光性基板4474および透光性基板固定部材4475を配置する。このような構成では、一対の枠状部材4471,4472における開口部の対向する端面側が液晶パネル441にて閉塞されるとともに、一対の透光性基板4474にて前記対向する端面側と反対の端面側が閉塞され、液晶パネル441の光束入射側および光束射出側の双方に冷却室が形成される。
また、上述したように2つの冷却室を形成した場合、一対の枠状部材4471,4472に連通口を形成し、この連通口にて、一対の枠状部材4471,4472の双方の内部にそれぞれ形成される各冷却室を連通接続する構成を採用してもよい。
前記各実施形態において、光変調素子保持体447の流入口4472Dおよび流出口4472Eは、前記各実施形態で説明した形成位置に限らず、その他の形成位置を採用してもよい。例えば、冷却流体の流通方向を逆にし、流入口4472Dおよび流出口4472Eをそれぞれ流出口および流入口としてそれぞれ機能させる構成を採用してもよい。
前記各実施形態では、入射側偏光板442および射出側偏光板443を液晶パネル441に対して離隔配置していたが、これに限らない。例えば、射出側偏光板443を吸収型偏光素子として構成する。そして、透光性基板4474の替わりに前記射出側偏光板を配置する構成としてもよい。また、例えば、上述したように、光変調素子保持体447を、液晶パネル441の光束入射側および光束射出側に冷却室を形成する構成とし、一対の透光性基板4474の替わりにそれぞれ入射側偏光板442および前記射出側偏光板を配置する構成としてもよい。
例えば、流体分岐部446,546から各冷却室R1に流通する流路中に弁を設け、該弁の位置を変更することで流路を狭めたり拡げたりする構成を採用してもよい。
また、例えば、流体分岐部446,546と各冷却室R1とを接続する各流体循環部材440を各液晶パネル441R,441G,441Bの発熱量に応じて異なる管径寸法とする構成を採用してもよい。
前記各実施形態では、3つの液晶パネル441を用いたプロジェクタ1の例のみを挙げたが、本発明は、2つの液晶パネルを用いたプロジェクタ、あるいは、4つ以上の液晶パネルを用いたプロジェクタにも適用可能である。
前記各実施形態では、光入射面と光射出面とが異なる透過型の液晶パネルを用いていたが、光入射面と光射出面とが同一となる反射型の液晶パネルを用いてもよい。
前記各実施形態では、光変調素子として液晶パネルを用いていたが、マイクロミラーを用いたデバイスなど、液晶以外の光変調素子を用いてもよい。この場合は、光束入射側および光束射出側の偏光板は省略できる。
前記各実施形態では、スクリーンを観察する方向から投射を行なうフロントタイプのプロジェクタの例のみを挙げたが、本発明は、スクリーンを観察する方向とは反対側から投射を行なうリアタイプのプロジェクタにも適用可能である。
したがって、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部若しくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
Claims (9)
- 光源から射出された光束を画像情報に応じて変調して光学像を形成する複数の光変調素子を含んで構成される光学装置であって、
内部に冷却流体が封入される冷却室が形成され、前記冷却室内の冷却流体に対して熱伝達可能に前記複数の光変調素子をそれぞれ保持する複数の光変調素子保持体と、
前記光変調素子保持体の冷却室と連通接続され、前記冷却流体を前記冷却室外部に案内し、再度、前記冷却室内部に導く複数の流体循環部材と、
前記複数の光変調素子保持体がそれぞれ取り付けられる複数の光束入射側端面を有し、前記複数の光変調素子にて変調された各光束を合成する色合成光学装置と、
前記複数の流体循環部材における前記冷却流体の流路中に配置され、前記冷却流体を内部に蓄積可能に構成され、内部の冷却流体を前記複数の流体循環部材を介して前記複数の光変調素子保持体毎に分岐して各冷却室に流入させる流体分岐部と、
前記複数の流体循環部材における前記冷却流体の流路中に配置され、前記冷却流体を内部に蓄積可能に構成され、前記各冷却室から前記複数の流体循環部材を介して流出する冷却流体を一括して送入する流体送入部と、
前記複数の流体循環部材における前記冷却流体の流路中に配置され、前記流体送入部内の冷却流体を前記複数の流体循環部材を介して送入し、送入した冷却流体を前記複数の流体循環部材を介して前記流体分岐部内に圧送し、前記冷却流体を強制的に循環させる流体圧送部とを備え、
前記流体分岐部および前記流体圧送部は、前記色合成光学装置における前記複数の光束入射側端面に交差する端面のうちいずれか一方の端面に積層配置され、
前記流体送入部は、前記色合成光学装置における前記複数の光束入射側端面に交差する端面のうちいずれか他方の端面に取り付けられていることを特徴とする光学装置。 - 請求項1に記載の光学装置において、
前記流体分岐部は、前記色合成光学装置における前記一方の端面に取り付けられていることを特徴とする光学装置。 - 請求項1に記載の光学装置において、
前記流体圧送部は、前記色合成光学装置における前記一方の端面に取り付けられていることを特徴とする光学装置。 - 請求項1から請求項3のいずれかに記載の光学装置において、
前記流体送入部から前記流体圧送部に向かう前記複数の流体循環部材における前記冷却流体の流路中に配置され、前記冷却流体の熱を放熱する放熱部を備えていることを特徴とする光学装置。 - 請求項1から請求項4のいずれかに記載の光学装置において、
前記流体分岐部および前記流体圧送部は、熱伝導性材料から構成され、互いに熱伝達可能に接続していることを特徴とする光学装置。 - 請求項1から請求項5のいずれかに記載の光学装置において、
前記色合成光学装置の各光束入射側端面にそれぞれ取り付けられ、前記複数の光変調素子から射出される光束のうち、所定の偏光軸を有する光束をそれぞれ透過させ、他の偏光軸を有する光束をそれぞれ反射する複数の反射型偏光素子を備え、
前記反射型偏光素子は、前記他の偏光軸を有する光束を前記光変調素子の画像形成領域を避ける方向に反射することを特徴とする光学装置。 - 請求項6に記載の光学装置において、
前記反射型偏光素子は、相互に接続される複数のプリズムと、前記複数のプリズム間に介装され、前記光変調素子から射出される光束のうち、所定の偏光軸を有する光束を透過させ、他の偏光軸を有する光束を反射させる反射型偏光膜とで構成され、
前記複数のプリズムは、光束入射側に配置され、前記光変調素子から射出される光束に対する透過面と、前記反射型偏光膜にて反射された光束に対する全反射面とを兼ねる光束入射側端面を有する入射側プリズムを含んで構成され、
前記入射側プリズムは、前記反射型偏光膜にて反射された光束を前記全反射面にて反射させ、前記光変調素子の画像形成領域を避ける方向に射出することを特徴とする光学装置。 - 光源装置と、請求項1から請求項7のいずれかに記載の光学装置と、前記光学装置にて形成された光学像を拡大投射する投射光学装置とを備えていることを特徴とするプロジェクタ。
- 請求項8に記載のプロジェクタにおいて、
前記光学装置を前記投射光学装置に対する所定位置に収納する熱伝導性材料からなる光学部品用筐体を備え、
前記流体分岐部および前記流体圧送部のうち少なくともいずれか一方は、熱伝導性材料から構成され、前記光学装置を前記光学部品用筐体に収納した際、前記光学部品用筐体と熱伝達可能に接続することを特徴とするプロジェクタ。
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