JP2004085943A - 光学装置、この光学装置を備えた光学ユニットおよびプロジェクタ - Google Patents

光学装置、この光学装置を備えた光学ユニットおよびプロジェクタ Download PDF

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Motoyuki Fujimori
藤森 基行
Yoshiyuki Yanagisawa
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Abstract

【課題】光学変換素子および光変調装置両者を効率的に冷却することのできる光学装置を提供することにある。
【解決手段】本発明の光学装置44は、複数の液晶パネル441と、各液晶パネル441と対向する複数の光束入射端面を有し、各液晶パネル441で変調された各色光を合成するクロスダイクロイックプリズム443と、この複数の光束入射端面と交差する一対の端面に固定され、熱伝導性材料から構成される台座445と、液晶パネル441および光束入射端面の間に介在配置されるとともに、端部が台座445に接続された射出側偏光板460と、光束入射端面側に取付けられるとともに、端部が台座445に接続され、熱伝導性材料から構成され、かつ射出側偏光板460と液晶パネル441を離間配置させる間隔保持部材600と、光束入射端面に対する液晶パネル441の位置調整を行うスペーサ700とを備えている。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光学装置、この光学装置を備えた光学ユニットおよびプロジェクタに関する。
【0002】
【背景技術】
従来、光源ランプから射出された光束を、ダイクロイックミラーを用いて三色の色光R、G、Bに分離する色分離光学系と、分離された光束を色光毎に画像情報に応じて変調する3枚の、例えば、液晶パネルのような光変調装置、および、各液晶パネルで変調された光束を合成するクロスダイクロイックプリズムのような色合成光学装置を有する光学装置と、を備える三板式のプロジェクタが知られている。
【0003】
このような三板式のプロジェクタに用いられる光学装置としては、プリズムの光束入射端面に液晶パネルを楔状のスペーサやピンスペーサを介して接合固定したものが知られている。このような光学装置は、液晶パネルがプリズムに直接接合固定されているため、液晶パネルを単独で支持する構造を設ける必要がなく、プロジェクタの小型化に大きく寄与できるものである。
【0004】
ここで、このような光学装置は、プリズムの光束入射端面と液晶パネルとの間に偏光膜、視野角補正膜等の光学変換膜が形成された基板を有する光学変換素子が介在配置され、液晶パネルおよび光学変換素子を効率的に冷却する必要がある。
このため、プリズムの複数の光束入射端面と交差する端面の少なくとも一方に金属等の熱伝導性材料からなる台座を接合し、光学変換素子および液晶パネルで発生した熱をこの台座で吸収して、台座を冷却することにより、光学変換素子や液晶パネルを効率的に冷却する構成が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述した構成は、台座上に光学変換素子を接合固定し、さらにその上にスペーサを介して液晶パネルを接合固定した構成であるため、光学変換素子または液晶パネルの過熱状態に差が生じると、一方から他方に熱が逆流し、両者を効率的に冷却することができないことがあるという問題がある。
また、光学変換素子上にスペーサを介して液晶パネル等の光変調装置を接合固定した構成では、プリズムの光束入射端面と液晶パネルの間の隙間を十分に確保できないため、冷却効率が悪くなるという問題がある。
【0006】
本発明の目的は、光学変換素子および光変調装置両者を効率的に冷却することのできる光学装置、この光学装置を備えた光学ユニットおよびプロジェクタを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達するために、本発明の光学装置は、複数の色光を色光毎に画像情報に応じて変調する複数の光変調装置と、各光変調装置と対向する複数の光束入射端面を有し、各光変調装置で変調された各色光を合成する色合成光学装置とを備える光学装置であって、前記色合成光学装置の複数の光束入射端面と交差する端面の少なくともいずれか一方の端面に固定され、熱伝導性材料から構成される台座と、前記光変調装置および光束入射端面の間に介在配置されるとともに、端部が台座に接続され、前記光変調装置から射出された色光の光学変換を行う光学変換膜が基板上に形成された光学変換素子と、前記光束入射端面側に取付けられるとともに、端部が台座に接続され、熱伝導性材料から構成され、かつ前記光学変換素子と前記光変調装置を離間配置させる間隔保持部材と、前記間隔保持部材および前記光変調装置の間に介在配置されるとともに、光束入射端面に対する前記光変調装置の位置調整を行い、熱伝導性材料から構成されるスペーサとを備えていることを特徴とする。
【0008】
このような本発明によれば、間隔保持部材によって、光学変換素子および光変調装置の両者が離間配置されるためその間に冷却空気を流すことで効率的に光学変換素子および光変調装置の冷却をすることが可能となる。
また、間隔保持部材によって、光学変換素子および光変調装置の両者が接触することなく台座に接合されているため、両者の間で熱の逆流現象が生じることがなく、効率的に光学変換素子および光変調装置の冷却をすることが可能となる。
【0009】
本発明の光学装置では、前記基板は、熱伝導率10W/(m・K)以上の部材からなることが好ましい。
ここで、前記基板が、熱伝導率10W/(m・K)未満の部材からなると、光学変換素子で発する熱が、台座まで十分に伝達しない場合がある。
【0010】
本発明の光学装置では、前記間隔保持部材は、熱伝導率10W/(m・K)以上の部材からなることが好ましい。
ここで、前記間隔保持部材が、熱伝導率10W/(m・K)未満の部材からなると、光変調装置で発する熱が、台座にまで十分に伝達しない場合がある。
【0011】
本発明の光学装置では、前記光変調装置は、一対の透明基板の間に電気光学材料が密閉封入された光変調装置本体と、この光変調装置本体を収納する凹部を有し、前記光変調装置本体の画像形成領域に応じた開口部が形成され、熱伝導性材料から構成される保持枠と、前記凹部を塞ぐとともに、前記光変調装置の画像形成領域に応じた開口部が形成された枠状部材とを備えていることが好ましい。
これによれば、保持枠は、熱伝導性材料から構成されているから、光変調装置で発する熱が、保持枠から、スペーサ、間隔保持部材を経て台座にまで達することができるので、効率的に光変調装置本体を冷却することができる。
【0012】
本発明の光学装置では、前記光変調装置本体には、前記光束入射側および/または光束射出側に塵埃付着を防止する防塵ガラスが密着して貼り付けられ、この防塵ガラスは、熱伝導性透明材料から構成されていることが好ましい。
これによれば、防塵ガラスは、熱伝導性透明材料から構成されていることにより、光変調装置本体が発生する熱を、防塵ガラスを介して保持枠に逃がすことができるので、より効率的に光変調装置本体を冷却することができる。
【0013】
本発明の光学装置では、前記防塵ガラスは、サファイアまたは水晶からなることが好ましい。
これによれば、前記防塵ガラスは、サファイアまたは水晶からなることにより、サファイアまたは水晶は、熱伝導率が高いので、光変調装置本体で発する熱を防塵ガラスからも台座に逃がすことができる。従って、光変調装置において熱を伝導する部分が大きくなるので、光変調装置をより一層効率的に冷却することができる。
【0014】
本発明の光学装置では、前記保持枠の開口部周縁の表面には、半田付け可能なメッキ層が形成されていることが好ましい。
これによれば、前記保持枠の開口部周縁の表面には、半田付け可能なメッキ層が形成されていることにより、保持枠と防塵ガラスとの固着により、光変調装置本体で発生する熱が、防塵ガラスを介して保持枠に逃げることができるので、より一層光変調装置本体の冷却を効率的に行うことができる。
【0015】
本発明の光学装置では、前記メッキ層は、無電解ニッケル−リン−メッキ層と、半田メッキ層とからなることが好ましい。
これによれば、無電解ニッケル−リン−メッキ層は、均一な膜厚で形成することができるので、例えば、保持枠等の複雑な形状のものでも剥離したりすることがない。従って、均一な膜厚を有するため、耐食性、耐摩耗性を向上させることができる。
【0016】
本発明の光学装置では、前記スペーサは、熱伝導率10W/(m・K)以上の部材からなることが好ましい。
ここで、前記スペーサは、熱伝導率10W/(m・K)未満の部材からなると、光変調装置で発する熱が、台座にまで十分に伝達しない場合がある。
【0017】
本発明の光学装置では、前記スペーサは、楔形状の、1つの部材または複数の部材からなり、前記保持枠の中央部周辺に配置されていることが好ましい。
これによれば、光変調装置本体で生ずる熱を保持枠の中央部周辺からスペーサを介して、逃がすことができるので、効率的に光変調装置本体を冷却することができる。
【0018】
本発明の光学ユニットは、光源から射出された光束の光路上に配置される複数の光学部品と、内部に前記光束の照明光軸が設定され、前記複数の光学部品を収納して所定位置に配置する光学部品用筐体とを備えた光学ユニットであって、前述の光学装置を備え、前記光学部品用筐体は、少なくとも一部に熱伝導性材料からなる部分を有し、前記光学装置は、前記台座を介して、この光学部品用筐体の熱伝導性材料からなる部分と当接されていることを特徴とする。
【0019】
これによれば、前記光学装置は、前記台座を介して、この光学部品用筐体の熱伝導性材料からなる部分と当接されていることにより、光学変換素子および光変調装置で発する熱を台座を介して、光学部品用筐体側に逃がすことができるから、効率的に、冷却することが可能になる。
【0020】
本発明のプロジェクタは、前述の光学装置、または、前述の光学ユニットを備えて構成されることを特徴とする。
これによれば、前述と同様の作用・効果を得ることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
〔1.本発明の第1実施形態〕
以下、本発明の第1実施形態に係るプロジェクタを図面を用いて説明する。
〔1−1.プロジェクタの主な構成〕
図1は、本発明の第1実施形態に係るプロジェクタ1の内部構造を模式的に示す平面図である。プロジェクタ1は、全体略直方体状で樹脂製の外装ケース2と、光源装置413から射出された光束を光学的に処理して画像情報に応じた光学像を形成する光学ユニット4と、プロジェクタ1内に発生する熱を外部へと放出する冷却ユニット5と、外部から供給された電力をこれらのユニット4、5等に供給する電源ユニット3とを備える。
【0022】
外装ケース2は、各ユニット3〜5を収納するものであり、具体的な図示を省略するが、プロジェクタ1の上面部、前面部、および側面部を構成するアッパーケースと、プロジェクタ1の底面部、側面部、および背面部を構成するロアーケースとを備えて構成される。
【0023】
図1に示すように、外装ケース2の前面には、切欠部2Aが形成されている。外装ケース2に収納された光学ユニット4の一部は、この切欠部2Aから外部側へ露出している。また、外装ケース2の前面において、切欠部2Aの両側には、プロジェクタ1内の空気を排出するための排気口2B、2Cが形成されている。外装ケース2の底面において、光学ユニット4を構成する後述する光学装置44に対応する部分には、外部から冷却空気を吸入するための図示しない吸気口が形成されている。
【0024】
電源ユニット3は、図1に示すように、外装ケース2内における光学ユニット4の図1中右側に配置されている。この電源ユニット3は、具体的な図示を省略するが、インレットコネクタに差し込まれた電源ケーブルを介して供給された電力を、ランプ駆動回路(バラスト)や、ドライバーボード(図示略)等に供給するものである。
前記ランプ駆動回路は、供給された電力を光学ユニット4の光源ランプ411に供給するものである。前記ドライバーボードは、図示を省略するが、光学ユニット4の上方に配置され、入力された画像情報の演算処理を行った上で、後述する液晶パネル441R、441G、441Bの制御等を行うものである。
【0025】
電源ユニット3および光学ユニット4は、アルミニウムまたはマグネシウム等の金属製のシールド板によって覆われている。また、前記ランプ駆動回路およびドライバーボードもアルミニウムまたはマグネシウム等の金属製のシールド板によって覆われている。これにより、電源ユニット3やドライバーボード等からの外部への電磁ノイズの漏れが防止されている。
【0026】
冷却ユニット5は、プロジェクタ1内の流路に冷却空気を取り込んで、この取り込んだ冷却空気にプロジェクタ1内で発生した熱を吸収させ、この暖められた冷却空気を外部へと排出することにより、プロジェクタ1内を冷却するものである。この冷却ユニット5は、軸流吸気ファン51と、シロッコファン52と、軸流排気ファン53とを備える。
【0027】
軸流吸気ファン51は、光学ユニット4の光学装置44の下方で、かつ外装ケース2の前記吸気口の上方に配置されている。軸流吸気ファン51は、この吸気口を介して、外部から冷却空気を光学ユニット4内に吸入し、光学装置44を冷却する。
【0028】
シロッコファン52は、光学ユニット4の光源装置413の下方に配置されている。シロッコファン52は、軸流吸気ファン51によって吸入された光学ユニット4内の冷却空気を引き寄せ、この引き寄せる過程で光源装置413の熱を奪い、光学ユニット4の下方に配置されたダクト52Aを通って、排気口2Bから暖められた冷却空気を外部へ排出する。
【0029】
軸流排気ファン53は、外装ケース2の前面に形成された排気口2Cと電源ユニット3との間に配置されている。軸流排気ファン53は、電源ユニット3によって暖められた電源ユニット3近傍の空気を吸入して、排気口2Cから外部へと排出する。
【0030】
〔1−2.光学ユニットの構成〕
図2は、光学ユニット4を模式的に示す平面図である。
光学ユニット4は、図2に示すように、平面略L字状に形成され、光源ランプ411から射出された光束を光学的に処理して、画像情報に対応した光学画像を形成するユニットであり、インテグレータ照明光学系41と、色分離光学系42と、リレー光学系43と、光学装置44と、投写光学系としての投写レンズ46とを備える。これら光学部品41〜44、46は、光学部品用筐体としてのライトガイド47内に収納され固定される。
【0031】
インテグレータ照明光学系41は、図2に示すように、光学装置44を構成する3枚の液晶パネル441(赤、緑、青の色光毎にそれぞれ液晶パネル441R、441G、441Bと示す)の画像形成領域をほぼ均一に照明するための光学系であり、光源装置413と、第1レンズアレイ418と、第2レンズアレイ414と、偏光変換素子415と、重畳レンズ416とを備える。
【0032】
光源装置413は、放射状の光線を射出する光源ランプ411と、この光源ランプ411から射出された放射光を反射する楕円面鏡412と、光源ランプ411から射出され楕円面鏡412により反射された光を平行光とする平行化凹レンズ413Aとを備える。なお、平行化凹レンズ413Aの平面部分には、図示しないUVフィルタが設けられている。また、光源ランプ411としては、ハロゲンランプやメタルハライドランプ、高圧水銀ランプが多用される。さらに、楕円面鏡412および平行化凹レンズ413Aの代わりに、放物面鏡を用いてもよい。
【0033】
第1レンズアレイ418は、光軸方向から見て略矩形状の輪郭を有する小レンズがマトリクス状に配列された構成を有する。各小レンズは、光源ランプ411から射出される光束を複数の部分光束に分割する。各小レンズの輪郭形状は、液晶パネル441の画像形成領域の形状とほぼ相似形をなすように設定されている。例えば、液晶パネル441の画像形成領域のアスペクト比(横と縦の寸法の比率)が4:3であるならば、各小レンズのアスペクト比も4:3に設定する。
【0034】
第2レンズアレイ414は、第1レンズアレイ418と略同様な構成を有し、小レンズがマトリクス状に配列された構成を有する。この第2レンズアレイ414は、重畳レンズ416とともに、第1レンズアレイ418の各小レンズの像を液晶パネル441上に結像させる機能を有する。
【0035】
偏光変換素子415は、第2レンズアレイ414と重畳レンズ416との間に配置されるとともに、第2レンズアレイ414と一体でユニット化されている。このような偏光変換素子415は、第2レンズアレイ414からの光を1種類の偏光光に変換するものであり、これにより、光学装置44での光の利用効率が高められている。また、図2中の二点鎖線410で示すように、ユニット化された偏光変換素子415および第2レンズアレイ414と、第1レンズアレイ418とは、一体的にユニット化されている。
【0036】
具体的に、偏光変換素子415によって1種類の偏光光に変換された各部分光は、重畳レンズ416によって最終的に光学装置44の液晶パネル441R、441G、441B上にほぼ重畳される。偏光光を変調するタイプの液晶パネル441を用いたプロジェクタ1(光学装置44)では、1種類の偏光光しか利用できないため、他種類のランダムな偏光光を発する光源ランプ411からの光のほぼ半分が利用されない。そこで、偏光変換素子415を用いることにより、光源ランプ411からの射出光を全て1種類の偏光光に変換し、光学装置44での光の利用効率を高めている。なお、このような偏光変換素子415は、例えば特開平8−304739号公報に紹介されている。
【0037】
色分離光学系42は、2枚のダイクロイックミラー421、422と、反射ミラー423、424とを備え、ダイクロイックミラー421、422によりインテグレータ照明光学系41から射出された複数の部分光束を赤、緑、青の3色の色光に分離する機能を有する。
【0038】
リレー光学系43は、入射側レンズ431、リレーレンズ433、および反射ミラー432、434を備え、色分離光学系42で分離された色光(赤色光)を液晶パネル441Rまで導く機能を有する。
【0039】
このような光学系4において、色分離光学系42のダイクロイックミラー421では、インテグレータ照明光学系41から射出された光束の青色光成分が透過するとともに、赤色光成分と緑色光成分とが反射する。このダイクロイックミラー421によって透過した青色光成分は、反射ミラー423で反射し、フィールドレンズ417を通って青色用の液晶パネル441Bに達する。このフィールドレンズ417は、第2レンズアレイ414から射出された各部分光束をその中心軸(主光線)に対して平行な光束に変換する。他の液晶パネル441R、441Gの光入射側に設けられたフィールドレンズ417も同様である。
【0040】
ダイクロイックミラー421で反射された赤色光と緑色光のうちで、緑色光はダイクロイックミラー422によって反射し、フィールドレンズ417を通って緑色用の液晶パネル441Gに達する。一方、赤色光はダイクロイックミラー422を透過してリレー光学系43を通り、さらにフィールドレンズ417を通って赤色光用の液晶パネル441Rに達する。
【0041】
なお、赤色光にリレー光学系43が用いられているのは、赤色光の光路の長さが他の色光の光路長さよりも長いため、光の発散等による光の利用効率の低下を防止するためである。すなわち、入射側レンズ431に入射した部分光束をそのまま、フィールドレンズ417に伝えるためである。なお、リレー光学系43には、3つの色光のうちの赤色光を通す構成としたが、青色光等のその他の色光を通す構成としてもよい。
【0042】
光学装置44は、入射された光束を画像情報に応じて変調しカラー画像を形成するものであり、色分離光学系42から射出された光束が入射され、いわゆる偏光子となる入射側偏光板444と、各入射側偏光板444の光路後段に配置される光変調装置としての3枚の液晶パネル441R、441G、441Bと、各液晶パネル441R、441G、441Bの光路後段に配置され、いわゆる検光子となる射出側偏光板460と、クロスダイクロイックプリズム443とを備える。光学部品441、443、460は一体的に形成されて光学装置本体48を構成する。なお、光学装置本体48の詳細については後述する。
【0043】
入射側偏光板444は、光学装置本体48とは別体として構成されている。この入射側偏光板444は、色分離光学系42で分離された各光束のうち、一定方向の偏光光のみ透過させ、その他の方向の光束を吸収するものである。なお、入射側偏光板444と射出側偏光板460との偏光軸の方向は、互いに直交するように設定されている。
【0044】
以上説明した各光学部品41〜44は、光学部品用筐体としての熱伝導性材料からなるライトガイド47内に収容されている。
ライトガイド47は、図示を省略するが、前述した各光学部品414〜418、421〜423、431〜434、444(図2)を上方からスライド式に嵌め込む溝部がそれぞれ設けられた下ライトガイドと、この下ライトガイドの上部の開口側を閉塞する蓋状の上ライトガイドとを備える。また、平面略L字状のライトガイド47の一端側には、光源装置413が収容され、他端側にはヘッド部49を介して投写レンズ46が固定されている。
【0045】
〔1−3.光学装置を構成する光学装置本体の構成〕
図3は、光学装置44を構成する光学装置本体48を示す分解斜視図である。図4は、光学装置本体48を示す斜視図である。なお、図3には、3つの液晶パネル441R、441G、441B側のうち、液晶パネル441G側のみを代表して分解して図示し、他の液晶パネル441R、441Bの分解の図示を省略する。
【0046】
光学装置本体48は、図3に示すように、クロスダイクロイックプリズム443と、台座445と、射出側偏光板460と、間隔保持部材600、600と、スペーサ700、700と、液晶パネル441G(441)とを備えている。
【0047】
クロスダイクロイックプリズム443は、3枚の液晶パネル441R、441G、441Bから射出され各色光毎に変調された画像を合成してカラー画像を形成するものであり、外観略立方体状の六面体である。クロスダイクロイックプリズム443には、赤色光を反射する誘電体多層膜と青色光を反射する誘電体多層膜とが、4つの直角プリズムの界面に沿って略X字状に形成され、これらの誘電体多層膜によって3つの色光が合成される。このクロスダイクロイックプリズム443で合成されたカラー画像は、投写レンズ46から射出され、スクリーン上に拡大投写される。
【0048】
このクロスダイクロイックプリズム443の複数の光束入射端面と交差する端面である上下面には、台座445が固定されている。この台座445は、熱伝導性材料から構成され、クロスダイクロイックプリズム443の上面に固定される上側台座446と、クロスダイクロイックプリズム443の下面に固定される下側台座447とを備える。なお、光学装置44は、この台座445を介して、ライトガイド47に当接して固定されている。
【0049】
上側台座446は、クロスダイクロイックプリズム443の上面と略同じ外形寸法を有し、42合金(ヤマハメタニクス(株)製、 成分 Ni 42wt%、Fe 58wt%、以下同様)からなる。
上側台座446は、クロスダイクロイックプリズム443の上面に固定される略矩形板状の台座本体448と、台座本体448の4辺の端縁よりそれぞれ上方垂直に立設されたリブ449、449、450、450とを備え、これらは、一体的に形成されている。
【0050】
また、台座本体448の中央部付近には、略円形状にくりぬかれたか、またはめくら孔状態の位置決め孔448Aが2箇所形成されている。これは、台座本体448がクロスダイクロイックプリズム443とを接着固定するときの治具(図示省略)への位置決めとして利用される。さらに、台座本体448のリブ450の端縁部分には、スリット448Bがそれぞれ形成されている。
リブ449は、台座本体448の対向する2辺に設けられている。2つのリブ449は、液晶パネル441Gが固定される光束入射端面側および、それと対向する端面側にそれぞれ設けられているものである。
【0051】
リブ449には、その幅方向の略中央部分に、スリット449Aが1箇所形成されている。スリット449Aは、リブ449の上側の端面から高さ方向の略半分ほどの高さにまで達するように形成されている。
また、リブ449には、その外縁側にスリット449Aを中心として対称の位置にスリット449Bが1箇所ずつ、計2箇所形成されている。スリット449Bは、リブ449から台座本体448まで跨るように断面視L字形に形成されている。スリット449Bは、リブ449の高さ方向の略半分ほどの高さから台座本体448まで形成されている。このスリット449Bのリブ449および台座本体448におけるスリットの形成されている部分の長さは、略同じである。
リブ449は、光束入射端面の幅と略同じ幅に形成されている。
【0052】
一方、リブ450は、リブ449が設けられた台座本体448の2辺に対して直交する2辺に設けられている。2つのリブ450は、液晶パネル441Rおよび液晶パネル441Bが固定される光束入射端面側にそれぞれ設けられているものである。
【0053】
同様にして、リブ450には、その幅方向の略中央部分に、スリット450Aが1箇所形成されている。スリット450Aは、リブ450の上側の端面から高さ方向の略半分ほどの高さにまで達するように形成されている。
また、リブ450には、その外縁側にスリット450Aを中心として対称の位置にスリット450Bが1箇所ずつ、計2箇所形成されている。スリット450Bは、リブ450から台座本体448まで跨るように断面視L字形に形成されている。スリット450Bは、リブ450の高さ方向の略半分ほどの高さから台座本体448まで形成されている。このスリット450Bのリブ450および台座本体448におけるスリットの形成されている部分の長さは、略同じである。リブ450は、光束入射端面の幅よりも短く形成されている。
【0054】
下側台座447は、上側台座446と略同じ構成であって、クロスダイクロイックプリズム443の下面と略同じ外形寸法を有し、42合金(ヤマハメタニクス(株)製)からなる。
下側台座447と上側台座446とは、下側台座447には、ライトガイド47へ固定するための3箇所の取付部455が形成されているのに対し、上側台座446の台座本体448には、形成されていない点も異なる。
【0055】
具体的には、この取付部455は、箱状の本体454から延出されているものである。本体454は、台座本体448と略同じ外径寸法を有し、熱伝導性材料から構成され、本実施形態では、42合金(ヤマハメタニクス(株)製)である。
本体454に対して、腕状の取付部455は、下側台座447の液晶パネル441Gが固定される光束入射端面側と対向する端面側のリブ449側の1辺の略中央に1つ設けられ、かつこの1辺に対向する液晶パネル441Gが固定される光束入射端面側のリブ449側の辺の角隅部にそれぞれ1つずつ設けられている。
取付部455には、中心に取付孔455Aが形成されている。すなわち光学装置44は、以上の下側台座447の取付部455を介して、ライトガイド47(図1)に当接して固定されている。
【0056】
射出側偏光板460は、液晶パネル441G(441)および光束入射端面の間に介在配置されるとともに、端部が台座445に接続され、液晶パネル441から射出された色光の偏光を行う偏光膜461Aが基板461上に形成されたものである。
基板461は、熱伝導率10W/(m・K)以上の部材からなればよく、本実施形態では、サファイアガラス製の矩形の板材である。このため、この基板461は、その熱伝導率が約40W/(m・K)と高いうえに、その硬度も非常に高く、傷がつきにくく透明度が高いものである。ここで、基板461が、熱伝導率10W/(m・K)未満の部材からなると、射出側偏光板460で発する熱が、台座445まで十分に伝達しない場合がある。
また、射出側偏光板460の基板461の図示上下方向の端部は、それぞれ、上側台座446および下側台座447のリブ449と、半田付けや熱伝導性を有する接着剤等により接続されている。
【0057】
偏光膜461Aは、基板461上の図示上下方向の中間部分に、基板461の図示左右方向の幅と略同じ幅で、略正方形状に形成され、ポリビニルアルコール(PVA)にヨウ素を吸着・分散させてフィルム状とした後に、このフィルム状のものを一定方向に延伸し、その後、延伸されたフィルムの両面にアセテートセルロース系のフィルムを接着剤で積層することにより構成されたものである。
【0058】
間隔保持部材600は、光束入射端面側でかつ、射出側偏光板460の図示左右方向の両隣に取付けられるとともに、端部が台座445に接続され、熱伝導性材料から構成され、かつ射出側偏光板460と液晶パネル441を離間配置させる断面略正方形状の四角柱の部材である。
間隔保持部材600の断面略正方形状の1辺の長さは、射出側偏光板460の基板461の厚さよりも長く、本実施形態では、射出側偏光板460の基板461の厚さの略3倍程度とされている。
【0059】
また、間隔保持部材600の断面略正方形状の1辺の長さは、この間隔保持部材600の図示内側の端縁が、スリット448Bの外側の端縁に対応し、間隔保持部材600の図示外側の端縁が、光束入射端面同士の交差する辺と対応する1辺の長さである。
【0060】
また、この間隔保持部材600の図示上下方向の長さは、上側台座446および下側台座447のリブ449の高さと、クロスダイクロイックプリズム443の光束入射端面の図示上下方向の高さとの合計したものと略等しい。
さらに、間隔保持部材600は、熱伝導率10W/(m・K)以上の部材からなればよく、本実施形態では、42合金(ヤマハメタニクス(株)製)である。ここで、間隔保持部材600が、熱伝導率10W/(m・K)未満の部材からなると、液晶パネル441Gで発する熱が、台座445にまで十分に伝達しない場合がある。
【0061】
間隔保持部材600の図示上下方向の端部は、それぞれ、上側台座446および下側台座447のリブ449と、半田付けや熱伝導性を有する接着剤等により接続されている。
【0062】
スペーサ700は、間隔保持部材600および液晶パネル441G(441)の間に介在配置され、光束入射端面に対する液晶パネル441G(441)の位置調整を行う。また、スペーサ700は、熱伝導性材料から構成され、楔形状の、1つの部材からなり、後述する液晶パネル441Gの保持枠720の中央部周辺に配置されている。
【0063】
ここで、スペーサ700を構成する部材としては、熱伝導率10W/(m・K)以上の部材からなればよく、本実施形態では、サファイアからなるものである。このスペーサ700は、熱伝導率10W/(m・K)未満の部材からなると、液晶パネル441Gで発する熱が、台座445にまで十分に伝達しない場合がある。
楔形状のスペーサ700の斜面側が、保持枠720に当接し、その対向する面が、間隔保持部材600と当接して接着される。この接着には、熱伝導性のある紫外線硬化型接着剤等が用いられ、この接着剤に紫外線を照射することにより、接着固定される。
【0064】
図5は、液晶パネル441Gを示す分解斜視図である。図6は、液晶パネル441Gを示す断面図である。
光変調装置である液晶パネル441Gは、図5、図6に示されるように、光変調装置本体としての液晶パネル本体710と、保持枠720と、枠体730と、枠状部材740とを備えている。
【0065】
液晶パネル本体710は、ガラスなどからなる一対の透明基板711A、711Bを備える。一対の透明基板711A、711Bは、シール材(図示省略)を介して所定間隔を空けて貼り合わせられている。
透明基板711Aの内側には、TFT素子などのスイッチング素子、ITO(Indium Tin Oxide)などの透明導電体からなる画素電極、配線、配向膜などが形成されている。また、透明基板711Bの内側面には、前記画素電極に対応する対向電極、配向膜などが形成されている。これにより、アクティブマトリクス型の液晶パネルが構成されている。
【0066】
この液晶パネル本体710には、光束入射側および光束射出側に塵埃付着を防止する防塵ガラス712A、712Bがそれぞれ密着して貼り付けられている。具体的には、防塵ガラス712A、712Bは、一対の透明基板711A、711Bの基板外面(光束入射側および光束射出側)に貼り付けられている。これら防塵ガラス712A、712Bは、サファイアから構成されている。この防塵ガラス712A、712Bは、基板外面を被覆して塵埃の付着を防止するものである。このような防塵ガラス712A、712Bの外面に塵埃が付着しても、フォーカス状態とならないため、投写画像上の表示陰となることはない。
【0067】
透明基板711Aに貼り付けられる防塵ガラス712Aの外径寸法は、透明基板711Aの外径寸法よりも小さくなっている。また、透明基板711Bに貼り付けられる防塵ガラス712Bは、後述する保持枠720の凹部721に当接している。
【0068】
保持枠720は、枠体730および液晶パネル本体710を収納保持する凹部721を有し、液晶パネル本体710の画像形成領域に応じた矩形状の開口部720Aが形成されている。さらに、保持枠720の側面略中央部には、枠状部材740と係合するためのフック係合部720Bが1つづつ形成されている。
【0069】
枠体730は、熱伝導性材料から構成されており、透明基板711Aの外周縁に設けられている。熱伝導性材料としては、例えば、マグネシウム、アルミニウム、チタンまたは熱伝導性樹脂等があげられる。枠体730の内周側部分には、透明基板711Aの外周縁部が嵌め込まれる切欠部731が形成されており、枠体730は、断面L字形形状となっている。従って、枠体730は、透明基板711Aの光束射出側端面及び側面に当接することとなる。
また、枠体730の光束射出側の端面は、防塵ガラス712Aの光束射出側端面よりもわずかに光束射出側に突出している。さらに、この枠体730と防塵ガラス712Aとの間には、わずかな隙間が形成されており、この隙間には熱伝導性の接着剤が充填されている。
【0070】
枠状部材740は、熱伝導性材料から構成され、本実施形態では、42合金(ヤマハメタニクス(株)製)である。枠状部材740は、保持枠720の凹部721を塞ぐとともに、保持枠720に収納された枠体730および液晶パネル本体710を光束射出側から押圧固定する。また、枠状部材740にも透明基板711A、711Bの画像形成領域に対応した矩形状の開口部740Aが形成されており、枠状部材740の側面略中央部には、フック係合部720Bに対応したフック740Bが1つづつ形成されている。
【0071】
〔1−4.冷却構造〕
次に、プロジェクタ1に設けられた空冷式の冷却機構の構成について説明する。プロジェクタ1は、図1に示すように、主に光学装置44(図2)を冷却する光学装置冷却系Aと、主に光源装置413を冷却する光源冷却系Bと、主に電源ユニット3を冷却する電源冷却系Cとを備える。
【0072】
光学装置冷却系Aは、外装ケース2の下面に形成される図示しない吸気口と、この吸気口の上方に配置される軸流吸気ファン51と、ライトガイド47の底面において軸流吸気ファン51の上方に形成される開口部4Bと、この開口部4Bの上方に配置される光学装置44における導風部X(図4)とを備える。
【0073】
プロジェクタ1の外部の新鮮な冷却空気は、軸流吸気ファン51により、外装ケース2の吸気口から吸入され、開口部4Bを介して、ライトガイド47内に入り込む。この際、図示を省略するが、ライトガイド47の下面には、整流板が設けられており、これにより、ライトガイド47外部の冷却空気は、下から上へと流れるように整流されている。
【0074】
図4の矢印で示すように、ライトガイド47内に導かれた冷却空気は、整流された結果、光学装置44の下方から上方へと流れ、導風部Xおよび液晶パネル441Gの裏面側を通り、台座445、射出側偏光板460、液晶パネル441G、さらに、入射側偏光板444等を冷却しながら、光学装置本体48の上方へと流れる。
【0075】
また、光学装置冷却系Aにおいて、循環する冷却空気は、光学装置44を冷却する機能に加えて、液晶パネル441R、441G、441Bの表面等に付着した塵埃を吹き飛ばす機能も有する。このため、液晶パネル441R、441G、441Bの表面が常に清浄な状態となり、安定した画質を確保できる。
【0076】
光源冷却系Bは、図1に示すように、シロッコファン52と、ダクト52Aと、排気口2Bとを備える。この光源冷却系Bにおいて、光学装置冷却系Aを通過した冷却空気は、シロッコファン52によって吸引され、光源装置413内に入り込んで光源ランプ411を冷却した後に、ライトガイド47から出てダクト52Aを通り、排気口2Bから外部へと排出される。
【0077】
電源冷却系Cは、電源ユニット3の近傍に設けられた軸流排気ファン53と、排気口2Cとを備える。この電源冷却系Cにおいて、電源ユニット3による熱によって温められた空気は、軸流排気ファン53によって吸引され、排気口2Cから排出される。この際、プロジェクタ1内全体の空気も同時に排出しており、プロジェクタ1内に熱がこもらないようになっている。
【0078】
〔1−5.第1実施形態の効果〕
上記の第1実施形態によれば、以下のような効果がある。
(1)間隔保持部材600によって、射出側偏光板460および液晶パネル441G(441)の両者が離間配置されるため、その間に冷却空気を流すことで効率的に射出側偏光板460および液晶パネル441G(441)の冷却をすることが可能となる。また、間隔保持部材600によって、射出側偏光板460および液晶パネル441G(441)の両者が接触することなく台座445に接合されているため、両者の間で熱の逆流現象が生じることがなく、効率的に射出側偏光板460および液晶パネル441G(441)の冷却をすることが可能となる。
【0079】
(2)保持枠720は、熱伝導性材料から構成されているから、液晶パネル本体710で発する熱が、保持枠720から、スペーサ700、間隔保持部材600を経て台座445にまで達することができるので、効率的に光変調装置本体を冷却することができる。即ち、間隔保持部材600がヒートシンク機能を果たすことが可能となり、保持枠720の放熱面積が増加したことと等価である。
【0080】
(3)防塵ガラス712A、712Bは、サファイアからなることにより、サファイアは、熱伝導率が高いので、液晶パネル本体710で発する熱を防塵ガラス712A、712Bからも台座445に逃がすことができる。従って、液晶パネル441G(441)において熱を伝導する部分が大きくなるので、液晶パネル441G(441)をより一層効率的に冷却することができる。
【0081】
(4)液晶パネル本体710で生ずる熱を保持枠720の中央部周辺からスペーサ700を介して、逃がすことができるので、効率的に液晶パネル本体710を冷却することができる。
【0082】
(5)ライトガイド47は、熱伝導性材料から構成され、光学装置44は、台座445を介して、このライトガイド47に当接して固定されていることにより、射出側偏光板460および液晶パネル441G(441)で発する熱を台座445を介して、ライトガイド47側に逃がすことができるから、効率的に、冷却することが可能になる。
【0083】
〔2.本発明の第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態に係るプロジェクタを図面を用いて説明する。第2実施形態に係るプロジェクタは、前記第1実施形態のプロジェクタ1とは、光学装置本体48の一部である液晶パネル部分の構成のみが相違している。このため、前記第1実施形態と同一または相当構成品には同じ符号を付し、説明を省略または簡略する。
【0084】
〔2−1.主な構成〕
第1実施形態の液晶パネル441G(441)は、図5に示されるように、枠体730を備えていた。
これに対して、第2実施形態の液晶パネル441G(441)は、図7に示されるように、枠体730を備えていない。
【0085】
また、第1実施形態の液晶パネル441G(441)では、図5に示されるように、保持枠720に、フック係合部720B、枠状部材740にフック740Bが1つずつ形成されていた。
これに対して、第2実施形態の液晶パネル441G(441)は、図7に示されるように、保持枠720に、フック係合部720B、枠状部材740にフック740Bが2つずつ形成されている。さらに、枠状部材740には、フック740Bの間に、矩形状のスペーサ係合部740Cが形成されている。
【0086】
さらに、第1実施形態の液晶パネル441G(441)では、図5に示されるように、保持枠720の側面にフック係合部720Bが形成されていただけであった。
これに対して、第2実施形態の液晶パネル441G(441)は、図7に示されるように、保持枠720の側面のフック係合部720Bの間に、スペーサ700固定のための矩形状の側面固定部720Cが形成されている。
【0087】
そして、第1実施形態の液晶パネル441G(441)では、図6に示されるように、枠状部材740は、枠体730および液晶パネル本体710を光束射出側から押圧固定していた。
これに対して、第2実施形態の液晶パネル441G(441)では、図8に示されるように、保持枠720の凹部721側の開口部720A周縁の表面に、半田付け可能なメッキ層721Aが形成されている。このメッキ層721Aは、無電解ニッケル−リン−メッキ層と、半田メッキ層とから構成されている。従って、液晶パネル本体710と保持枠720とは、メッキ層721Aと、防塵ガラス712Bとが当接し、半田付けにより固着されている。
【0088】
以上より、第2実施形態では、間隔保持部材600およびスペーサ700と、液晶パネル441G(441)との配置の関係も第1実施形態と異なっている。この第2実施形態では、図8に示されるように、スペーサ700は、スペーサ係合部740Cに挿入され、側面固定部720Cと接着されている。スペーサ700は、間隔保持部材600にも当接し、接着されている。
【0089】
〔2−2.第2実施形態の効果〕
上記の第2実施形態によれば、第1実施形態の効果に加えて、以下のような効果がある。
(6)メッキ層721Aは、無電解ニッケル−リン−メッキ層を備えて構成され、この無電解ニッケル−リン−メッキ層は、均一な膜厚で形成することができるので、複雑な形状のものでも剥離したりすることがない。従って、均一な膜厚を有するため、耐食性、耐摩耗性を向上させることができる。
【0090】
(7)保持枠720と防塵ガラス712Bとは、メッキ層721Aを介しての固着されていることにより、液晶パネル本体710で発生する熱が、防塵ガラス712Bを介して保持枠720に逃げることができるので、より一層液晶パネル本体710の冷却を効率的に行うことができる。
【0091】
(8)液晶パネル本体710の小型化に伴い、枠状部材740も小型化する。そこで、枠状部材740の長手方向にフック係合部720を設けることにより、枠状部材740の弾性力の増加を抑え、液晶パネル本体710の押圧力を抑制できる。従って、液晶パネル本体710の液晶封入部のギャップ変動を少なくしながら、かつ、前述の熱伝導の機能も有することができる。
【0092】
〔3.実施形態の変形〕
なお、本発明は前記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる他の構成等を含み、以下に示すような変形等も本発明に含まれる。
例えば、前記各実施形態において、台座445は、42合金(ヤマハメタニクス(株)製)からなるものであったが、これに限られず、アルミニウム、マグネシウム、銅または鉄の合金製の部材からなるものであってもよい。
【0093】
前記各実施形態において、基板461は、サファイアからなるものであったが、これに限られず、水晶や石英ガラス等としてもよい。
前記各実施形態において、間隔保持部材600は、42合金(ヤマハメタニクス(株)製)からなるものであったが、これに限られず、アルミニウム、マグネシウム、銅または鉄の合金等、水晶、サファイア等の無機系の材料や、カーボンファイバー、ナノチューブ等を添加した樹脂系材料としてもよい。
【0094】
前記各実施形態において、スペーサ700は、サファイアからなるものであったが、これに限られず、アルミニウム、マグネシウム、銅または鉄の合金、42合金(ヤマハメタニクス(株)製)や、サファイア、水晶または石英ガラス等の表面にメッキ層が形成されているものを採用してもよい。このメッキ層は、例えば、無電解ニッケル−リン−メッキ層と、半田メッキ層とから構成されているものが挙げられる。
前記各実施形態において、保持枠720は、42合金(ヤマハメタニクス(株)製)からなるものであったが、これに限られず、アルミニウム、マグネシウム、銅または鉄の合金製の部材からなるものであってもよい。
【0095】
前記各実施形態において、枠状部材740は、42合金(ヤマハメタニクス(株)製)からなるものであったが、これに限られず、アルミニウム、マグネシウム、銅または鉄の合金製の部材からなるものであってもよい。
前記各実施形態において、防塵ガラス712A、712Bは、サファイアからなるものであったが、これに限られず、水晶や石英ガラス等としてもよい。
前記各実施形態において、スペーサ700は、1つの部材からなるものであったが、これに限られず、2つ以上の部材からなるものでもよい。
【0096】
【発明の効果】
本発明によれば、光学変換素子および光変調装置両者を効率的に冷却することのできる光学装置、この光学装置を備えた光学ユニットおよびプロジェクタを提供することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係るプロジェクタの内部構造を模式的に示す平面図である。
【図2】第1実施形態の光学ユニットを模式的に示す平面図である。
【図3】第1実施形態の光学装置本体を示す分解斜視図である。
【図4】第1実施形態の光学装置本体を示す斜視図である。
【図5】第1実施形態の液晶パネルを示す分解斜視図である。
【図6】第1実施形態の液晶パネルを示す断面図である。
【図7】本発明の第2実施形態に係る液晶パネルを示す分解斜視図である。
【図8】第2実施形態の液晶パネル等を示す断面図である。
【符号の説明】
1   プロジェクタ
4   光学ユニット
44   光学装置
47   ライトガイド
441   液晶パネル
441B   液晶パネル
441G   液晶パネル
441R   液晶パネル
443   クロスダイクロイックプリズム
445   台座
460   射出側偏光板
461   基板
461A   偏光膜
600   間隔保持部材
700   スペーサ
710   液晶パネル本体
711A、711B   透明基板
712A、712B   防塵ガラス
720   保持枠
720A   開口部
721   凹部
721A   メッキ層
740   枠状部材
740A   開口部

Claims (12)

  1. 複数の色光を色光毎に画像情報に応じて変調する複数の光変調装置と、各光変調装置と対向する複数の光束入射端面を有し、各光変調装置で変調された各色光を合成する色合成光学装置とを備える光学装置であって、
    前記色合成光学装置の複数の光束入射端面と交差する端面の少なくともいずれか一方の端面に固定され、熱伝導性材料から構成される台座と、
    前記光変調装置および光束入射端面の間に介在配置されるとともに、端部が台座に接続され、前記光変調装置から射出された色光の光学変換を行う光学変換膜が基板上に形成された光学変換素子と、
    前記光束入射端面側に取付けられるとともに、端部が台座に接続され、熱伝導性材料から構成され、かつ前記光学変換素子と前記光変調装置を離間配置させる間隔保持部材と、
    前記間隔保持部材および前記光変調装置の間に介在配置されるとともに、光束入射端面に対する前記光変調装置の位置調整を行い、熱伝導性材料から構成されるスペーサとを備えていることを特徴とする光学装置。
  2. 請求項1に記載の光学装置において、
    前記基板は、熱伝導率10W/(m・K)以上の部材からなることを特徴とする光学装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の光学装置において、
    前記間隔保持部材は、熱伝導率10W/(m・K)以上の部材からなることを特徴とする光学装置。
  4. 請求項1から請求項3のいずれかに記載の光学装置において、
    前記光変調装置は、一対の透明基板の間に電気光学材料が密閉封入された光変調装置本体と、
    この光変調装置本体を収納する凹部を有し、前記光変調装置本体の画像形成領域に応じた開口部が形成され、熱伝導性材料から構成される保持枠と、
    前記凹部を塞ぐとともに、前記光変調装置の画像形成領域に応じた開口部が形成された枠状部材とを備えていることを特徴とする光学装置。
  5. 請求項4に記載の光学装置において、
    前記光変調装置本体には、前記光束入射側および/または光束射出側に塵埃付着を防止する防塵ガラスが密着して貼り付けられ、
    この防塵ガラスは、熱伝導性透明材料から構成されていることを特徴とする光学装置。
  6. 請求項5に記載の光学装置において、
    前記防塵ガラスは、サファイアまたは水晶からなることを特徴とする光学装置。
  7. 請求項4から請求項6のいずれかに記載の光学装置において、
    前記保持枠の開口部周縁の表面には、半田付け可能なメッキ層が形成されていることを特徴とする光学装置。
  8. 請求項7に記載の光学装置において、
    前記メッキ層は、無電解ニッケル−リン−メッキ層と、半田メッキ層とからなることを特徴とする光学装置。
  9. 請求項1から請求項8のいずれかに記載の光学装置において、
    前記スペーサは、熱伝導率10W/(m・K)以上の部材からなることを特徴とする光学装置。
  10. 請求項1から請求項9のいずれかに記載の光学装置において、
    前記スペーサは、楔形状の、1つの部材または複数の部材からなり、前記保持枠の中央部周辺に配置されていることを特徴とする光学装置。
  11. 光源から射出された光束の光路上に配置される複数の光学部品と、内部に前記光束の照明光軸が設定され、前記複数の光学部品を収納して所定位置に配置する光学部品用筐体とを備えた光学ユニットであって、
    前記請求項1から請求項10のいずれかに記載の光学装置を備え、
    前記光学部品用筐体は、少なくとも一部に熱伝導性材料からなる部分を有し、前記光学装置は、前記台座を介して、この光学部品用筐体の熱伝導性材料からなる部分と当接されていることを特徴とする光学ユニット。
  12. 請求項1から請求項10のいずれかに記載の光学装置、または、請求項11に記載の光学ユニットを備えて構成されることを特徴とするプロジェクタ。
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