JP2004205780A - 保持枠、光変調装置、光学装置及びプロジェクタ - Google Patents

保持枠、光変調装置、光学装置及びプロジェクタ Download PDF

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JP2004205780A JP2002374348A JP2002374348A JP2004205780A JP 2004205780 A JP2004205780 A JP 2004205780A JP 2002374348 A JP2002374348 A JP 2002374348A JP 2002374348 A JP2002374348 A JP 2002374348A JP 2004205780 A JP2004205780 A JP 2004205780A
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Abstract

【課題】放熱性を向上させることができ、かつ、通風抵抗を少なくすることができる保持枠、光変調装置、光学装置及びプロジェクタを提供すること。
【解決手段】保持枠本体445Aの表面、すなわち、光束入射側及び射出側の面、上面、下面及び側面には複数の変形部7が形成されている。この変形部7は、互いに重なることなく、面外方向に凸状に膨出している。また、変形部7の形状は、光束透過方向から見た場合、円形状であり、冷却流路に沿った長さ寸法L1、冷却流路に直交する方向の長さ寸法L2は、この円の直径となっている。また、この変形部7の面外方向の突出寸法(高さ寸法H)は、半径以下となっている。
【選択図】図11

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、保持枠、光変調装置、光学装置及びプロジェクタに関する。
【0002】
【背景技術】
従来から、光源と、光源から射出された光束をダイクロイックミラーを用いて三色の色光R、G、Bに分離する色分離光学系と、分離された光束を各色光毎に、画像情報に応じて変調する3枚の光変調装置と、各光変調装置で変調された光束を、合成する色合成光学系とを備えたいわゆる三板式のプロジェクタが知られている。
このようなプロジェクタは、光変調装置に組み込まれる光変調光学素子や、光変調装置の前段、後段に設けられる偏光ユニットに組み込まれる偏光光学素子等の光学素子を備えている。これらの光学素子は、光束の透過、吸収により発熱し、温度が上昇する。そのため、従来から、空気等の媒体をファンにより送り込み、光学素子自体を直接冷却する冷却構造が採用されている。そして、近年のプロジェクタの高輝度化が進むにつれ、光学素子をさらに効率よく冷却する方法が提案されている。例えば、光変調光学素子を保持する保持枠に冷却空気の流れを整える突片部を設けたものや、偏光光学素子を保持する保持枠に放熱フィンを設けたものがある(特許文献1,2参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−318361号公報(第3〜4頁、図3)
【特許文献2】
特開2002−318424号公報(第4頁、図5)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、突片部を設けたものでは、冷却空気の流れを整えて偏りなく冷却することはできるものの、表面積の拡大を図った構造となっていないので、さらなる放熱性の向上を図ることが難しいという問題がある。また、放熱フィンを設けたものでは、表面積を大きく確保できるものの、通風抵抗が大きくなり冷却効率の向上を図ることが困難となる場合がある。
【0005】
本発明の目的は、放熱性を向上させることができ、かつ、通風抵抗を少なくすることができる保持枠、光変調装置、光学装置及びプロジェクタを提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の保持枠は、透過する光束の特性を変化させる素子本体及びこれを支持する基板を備えた光学素子を保持するとともに、冷却流体により冷却される保持枠であって、その表面には、面外方向に膨出或いは、没入する複数の変形部が形成されており、前記変形部の冷却流路に沿った長さ寸法をL1、冷却流路に直交する方向の長さ寸法をL2、面外方向の高さ寸法をHとした場合、L2≦L1、L2≦H≦L1であり、かつ、隣接する変形部同士が互いに重なっていないことを特徴とする。
【0007】
ここで、変形部は、保持枠の表面から面外方向に膨出した凸状であってもよく、また、表面に没入した凹状のものであってもよい。
この本発明によれば、保持枠の表面に変形部が形成されているので、その分、表面積を拡大することができ、放熱性を向上させることができる。
また、保持枠の表面の変形部の下流側に冷却流体が回り込み、渦が発生し、乱流となるので、これにより保持枠を効率的に冷却できる。
さらに、変形部の寸法は、冷却流路に沿った長さ寸法をL1、冷却流路に直交する方向の長さ寸法をL2、面外方向の高さ寸法をHとした場合、L2≦L1、L2≦H≦L1となっているため、通風抵抗を少なくすることができ、圧力損失や、風量損失を低減することができる。これにより、変形部が形成されていない場合と、遜色のない通風を確保することができる。
【0008】
本発明では、前記変形部の形状は、光束透過方向から見ると正多角形或いは、円形であることが好ましい。
この発明によれば、変形部の形状は正多角形、円形となっているため、変形部を成形しやすい。また、このような形状とすることで、他の形状とする場合に比べ、変形部の下流側に冷却流体が回り込みやすくなり、より効果的に乱流を発生させることができ、さらなる冷却効率の向上を図ることができる。
【0009】
本発明では、前記変形部は、(1)光束入射側及び射出側に位置する面にのみ形成されるとともに、面外方向に膨出している構造、或いは(2)面外方向に膨出しており、千鳥状に配列され、冷却流路前段に配列される2つの変形部の間に後段の変形部が配置される構造が好ましい。
変形部を面外方向に膨出した構造とした場合には、保持枠の全表面に変形部を形成すると、保持枠を製造する際に、金型から保持枠を抜くことができなくなる可能性がある。そのため、本発明のように、(1)光束射出側、入射側の2面にのみ変形部を形成する構造(2)千鳥状に配列され、冷却流路前段に配列される2つの変形部の間に後段の変形部が配置される構造とする必要がある。
【0010】
本発明の光変調装置は、光源から射出された光束を画像情報に応じて変調して光学像を形成する光変調装置であって、光変調素子本体及びこの光変調素子本体を封入した一対の基板を有する光変調光学素子と、上述した何れかの保持枠とを備え、前記光変調光学素子は、前記保持枠に保持されていることを特徴とする。
本発明によれば、光変調装置は、上述した何れかの保持枠を備えているため、放熱性を向上させることができ、かつ、通風抵抗を少なくすることができるという効果を奏することができる。
【0011】
さらに、本発明の光学装置は、光源から射出された光束を画像情報に応じて変調して光学像を形成する光変調装置と、この光変調装置の前段及び/又は後段に配置される偏光ユニットと、前記光変調装置で変調された各色光を合成する色合成光学装置とを備える光学装置であって、前記光変調装置は、光変調素子本体及びこの光変調素子本体を封入した一対の基板を有する光変調光学素子を備え、前記偏光ユニットは、偏光素子本体及びこの偏光素子本体を支持する基板を有する偏光光学素子を備え、前記光変調装置及び偏光ユニットのうち少なくとも何れか一方は、上述した何れかの保持枠を備えていることを特徴とする。
また、本発明のプロジェクタは、このような光学装置を備えることを特徴とする。
【0012】
ここで、本発明の光学装置は、光変調装置のみが上述した何れかの保持枠を備えていてもよく、また、偏光ユニットのみが上述した何れかの保持枠を備えていてもよい。さらには、光変調装置、偏光ユニットの両方が保持枠を備えていてもよい。
このような光学装置、プロジェクタによれば、上述した何れかに記載の保持枠を備えているため、保持枠と同様の効果を奏することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
〔1.プロジェクタの主な構成〕
図1は、本発明に係るプロジェクタ1を上方前面側から見た斜視図である。図2は、プロジェクタ1を下方背面側から見た斜視図である。
図1または図2に示すように、プロジェクタ1は、射出成形によって成形された略直方体状の外装ケース2を備える。この外装ケース2は、プロジェクタ1の本体部分を収納する合成樹脂製の筐体であり、アッパーケース21と、ロアーケース22とを備え、これらのケース21、22は、互いに着脱自在に構成されている。
【0014】
アッパーケース21は、図1、2に示すように、プロジェクタ1の上面、側面、前面、および背面をそれぞれ構成する上面部21A、側面部21B、前面部21Cおよび背面部21Dを含んで構成される。
同様に、ロアーケース22も、図1、2に示すように、プロジェクタ1の下面、側面、前面、および背面をそれぞれ構成する下面部22A、側面部22B、前面部22C、および背面部22Dを含んで構成される。
【0015】
従って、図1、2に示すように、直方体状の外装ケース2において、アッパーケース21およびロアーケース22の側面部21B、22B同士が連続的に接続されて直方体の側面部分210が構成され、同様に、前面部21C、22C同士の接続で前面部分220が、背面部21D、22D同士の接続で背面部分230が、上面部21Aにより上面部分240が、下面部22Aにより下面部分250がそれぞれ構成される。
【0016】
図1に示すように、上面部分240において、その前方側には操作パネル23が設けられ、この操作パネル23の近傍には音声出力用のスピーカ孔240Aが形成されている。
【0017】
前方から見て右側の側面部分210には、2つの側面部21B、22Bを跨る開口211が形成されている。ここで、外装ケース2内には、上面部分240に沿って、後述するメイン基板51と、インターフェース基板52とが設けられており、この開口211に取り付けられたインターフェースパネル53を介して、メイン基板51に実装された接続部51Bと、インターフェース基板52に実装された接続部52Aとが外部に露出している。これらの接続部51B、52Aにおいて、プロジェクタ1には外部の電子機器等が接続される。
【0018】
前面部分220において、前方から見て右側で、前記操作パネル23の近傍には、2つの前面部21C、22Cを跨ぐ円形状の開口221が形成されている。
この開口221に対応するように、外装ケース2内部には、投写レンズ46が配置されている。この際、開口221から投写レンズ46の先端部分が外部に露出しており、この露出部分の一部であるレバー46Aを介して、投写レンズ46のフォーカス操作が手動で行えるようになっている。
【0019】
前面部分220において、前記開口221の反対側の位置には、排気口222が形成されている。この排気口222には、安全カバー222Aが形成されている。
【0020】
図2に示すように、背面部分230において、背面から見た右側には矩形状の開口231が形成され、この開口231からインレットコネクタ24が露出するようになっている。
【0021】
下面部分250において、下方から見て右端側の中央位置には矩形状の開口251が形成されている。開口251には、この開口251を覆うランプカバー25が着脱自在に設けられている。このランプカバー25を取り外すことにより、図示しない光源ランプの交換が容易に行えるようになっている。
【0022】
また、下面部分250において、下方から見て左側で背面側の隅部には、一段内側に凹んだ矩形面252が形成されている。この矩形面252には、外部から冷却空気を吸入するための吸気口252Aが形成されている。矩形面252には、この矩形面252を覆う吸気口カバー26が着脱自在に設けられている。吸気口カバー26には、吸気口252Aに対応する開口26Aが形成されている。開口26Aには、図示しないエアフィルタが設けられており、内部への塵埃の侵入が防止されている。
【0023】
さらに、下面部分250において、後方側の略中央位置にはプロジェクタ1の脚部を構成する後脚2Rが形成されている。また、下面部22Aにおける前方側の左右の隅部には、同じくプロジェクタ1の脚部を構成する前脚2Fがそれぞれ設けられている。つまり、プロジェクタ1は、後脚2Rおよび2つ前脚2Fにより3点で支持されている。
2つの前脚2Fは、それぞれ上下方向に進退可能に構成されており、プロジェクタ1の前後方向および左右方向の傾き(姿勢)を調整して、投写画像の位置調整ができるようになっている。
【0024】
また、図1、2に示すように、下面部分250と前面部分220とを跨るように、外装ケース2における前方側の略中央位置には、直方体状の凹部253が形成されている。この凹部253には、収納部としてのカバー部材27が設けられている。カバー部材27の内部には、図1、2では図示しない遠隔操作機器としてのリモートコントローラ(リモコン)が収納されている。
【0025】
ここで、図3、4は、プロジェクタ1の内部を示す斜視図である。具体的には、図3は、図1の状態からプロジェクタ1のアッパーケース21を外した図である。図4は、図3の状態から制御基板5を外した図である。
【0026】
外装ケース2には、図3、4に示すように、背面部分に沿って配置され、左右方向に延びる電源ユニット3と、この電源ユニット3の前側に配置された平面視略L字状で光学系としての光学ユニット4と、これらのユニット3、4の上方および右側に配置される制御部としての制御基板5とを備える。これらの各装置3〜5によりプロジェクタ1の本体が構成されている。
【0027】
電源ユニット3は、電源31と、この電源31の下方に配置された図示しないランプ駆動回路(バラスト)とを含んで構成される。
電源31は、前記インレットコネクタに接続された図示しない電源ケーブルを通して外部から供給された電力を、前記ランプ駆動回路や制御基板5等に供給するものである。
前記ランプ駆動回路は、光学ユニット4を構成する図3、4では図示しない光源ランプに、電源31から供給された電力を供給するものであり、前記光源ランプと電気的に接続されている。このようなランプ駆動回路は、例えば、基板に配線することにより構成できる。
【0028】
電源31および前記ランプ駆動回路は、略平行に上下に並んで配置されており、これらの占有空間は、プロジェクタ1の背面側で左右方向に延びている。
また、電源31はおよび前記ランプ駆動回路は、左右側が開口されたアルミニウム等の金属製のシールド部材31Aによって周囲を覆われている。
シールド部材31Aは、冷却空気を誘導するダクトとしての機能に加えて、電源31や前記ランプ駆動回路で発生する電磁ノイズが、外部へ漏れないようにする機能も有している。
【0029】
制御基板5は、図3に示すように、ユニット3、4の上側を覆うように配置されCPUや接続部51B等を含むメイン基板51と、このメイン基板51の下側に配置され接続部52Aを含むインターフェース基板52とを備える。
この制御基板5では、接続部51B、52Aを介して入力された画像情報に応じて、メイン基板51のCPU等が、後述する光学装置を構成する液晶パネルの制御を行う。
【0030】
メイン基板51は、金属製のシールド部材51Aによって周囲を覆われている。メイン基板51は、図3ではわかり難いが、光学ユニット4を構成する上ライトガイド472の上端部分472A(図4)に当接している。
【0031】
〔2.光学ユニットの詳細な構成〕
ここで、図5は、光学ユニット4を示す分解斜視図である。図6は、光学ユニット4を模式的に示す図である。
光学ユニット4は、図6に示すように、光源装置411を構成する光源ランプ416から射出された光束を光学的に処理して画像情報に対応した光学像を形成し、この光学像を拡大して投射するユニットであり、インテグレータ照明光学系41と、色分離光学系42と、リレー光学系43と、光学装置44と、投写レンズ46と、これらの光学部品41〜44、46を収納する合成樹脂製のライトガイド47(図5)とを備える。
【0032】
インテグレータ照明光学系41は、光学装置44を構成する3枚の液晶パネル441(赤、緑、青の色光毎にそれぞれ液晶パネル441R、441G、441Bとする)の画像形成領域をほぼ均一に照明するための光学系であり、光源装置411と、第1レンズアレイ412と、第2レンズアレイ413と、偏光変換素子414と、重畳レンズ415とを備える。
【0033】
光源装置411は、放射光源としての光源ランプ416と、リフレクタ417とを備え、光源ランプ416から射出された放射状の光線をリフレクタ417で反射して平行光線とし、この平行光線を外部へと射出する。光源ランプ416には、高圧水銀ランプを採用している。なお、高圧水銀ランプ以外に、メタルハライドランプやハロゲンランプ等も採用できる。また、リフレクタ417には、放物面鏡を採用している。なお、放物面鏡の代わりに、平行化凹レンズおよび楕円面鏡を組み合わせたものを採用してもよい。
【0034】
第1レンズアレイ412は、光軸方向から見てほぼ矩形状の輪郭を有する小レンズがマトリクス状に配列された構成を有している。各小レンズは、光源ランプ416から射出される光束を、複数の部分光束に分割している。各小レンズの輪郭形状は、液晶パネル441の画像形成領域の形状とほぼ相似形をなすように設定されている。たとえば、液晶パネル441の画像形成領域のアスペクト比(横と縦の寸法の比率)が4:3であるならば、各小レンズのアスペクト比も4:3に設定する。
【0035】
第2レンズアレイ413は、第1レンズアレイ412と略同様な構成を有しており、小レンズがマトリクス状に配列された構成を有している。この第2レンズアレイ413は、重畳レンズ415とともに、第1レンズアレイ412の各小レンズの像を液晶パネル441上に結像させる機能を有する。
【0036】
偏光変換素子414は、第2レンズアレイ413と重畳レンズ415との間に配置される。このような偏光変換素子414は、第2レンズアレイ413からの光を1種類の偏光光に変換するものであり、これにより、光学装置44での光の利用効率が高められている。
【0037】
具体的に、偏光変換素子414によって1種類の偏光光に変換された各部分光は、重畳レンズ415によって最終的に光学装置44の液晶パネル441上にほぼ重畳される。偏光光を変調するタイプの液晶パネル441を用いたプロジェクタ1では、1種類の偏光光しか利用できないため、他種類のランダムな偏光光を発する光源ランプ416からの光束の略半分が利用されない。このため、偏光変換素子414を用いることにより、光源ランプ416から射出された光束を全て1種類の偏光光に変換し、光学装置44での光の利用効率を高めている。なお、このような偏光変換素子414は、たとえば特開平8−304739号公報に紹介されている。
【0038】
色分離光学系42は、2枚のダイクロイックミラー421、422と、反射ミラー423とを備え、ダイクロイックミラー421、422によりインテグレータ照明光学系41から射出された複数の部分光束を赤(R)、緑(G)、青(B)の3色の色光に分離する機能を有している。
【0039】
リレー光学系43は、入射側レンズ431と、リレーレンズ433と、反射ミラー432、434とを備え、色分離光学系42で分離された色光である赤色光を液晶パネル441Rまで導く機能を有している。
【0040】
この際、色分離光学系42のダイクロイックミラー421では、インテグレータ照明光学系41から射出された光束のうち、赤色光成分と緑色光成分とは透過し、青色光成分は反射する。ダイクロイックミラー421によって反射した青色光は、反射ミラー423で反射し、フィールドレンズ418を通って、青色用の液晶パネル441Bに到達する。このフィールドレンズ418は、第2レンズアレイ413から射出された各部分光束をその中心軸(主光線)に対して平行な光束に変換する。他の液晶パネル441G、441Rの光入射側に設けられたフィールドレンズ418も同様である。
【0041】
また、ダイクロイックミラー421を透過した赤色光と緑色光のうちで、緑色光は、ダイクロイックミラー422によって反射し、フィールドレンズ418を通って、緑色用の液晶パネル441Gに到達する。一方、赤色光は、ダイクロイックミラー422を透過してリレー光学系43を通り、さらにフィールドレンズ418を通って、赤色光用の液晶パネル441Rに到達する。
なお、赤色光にリレー光学系43が用いられているのは、赤色光の光路の長さが他の色光の光路長さよりも長いため、光の発散等による光の利用効率の低下を防止するためである。すなわち、入射側レンズ431に入射した部分光束をそのまま、フィールドレンズ418に伝えるためである。なお、リレー光学系43には、3つの色光のうちの赤色光を通す構成としたが、これに限らず、例えば、青色光を通す構成としてもよい。
【0042】
光学装置44は、入射された光束を画像情報に応じて変調してカラー画像を形成するものであり、色分離光学系42で分離された各色光が入射される3つの入射側偏光ユニット442と、各入射側偏光ユニット442の後段に配置される光変調装置としての液晶パネル441R、441G、441Bと、各液晶パネル441R、441G、441Bの後段に配置される射出側偏光ユニット443と、色合成光学系としてのクロスダイクロイックプリズム444とを備える。
【0043】
液晶パネル441R、441G、441Bは、例えば、ポリシリコンTFTをスイッチング素子として用いたものである。
光学装置44において、色分離光学系42で分離された各色光は、これら3枚の液晶パネル441R、441G、441B、入射側偏光ユニット442、および射出側偏光ユニット443によって画像情報に応じて変調されて光学像を形成する。
【0044】
入射側偏光ユニット442は、色分離光学系42で分離された各色光のうち、一定方向の偏光光のみ透過させ、その他の光束を吸収するものであり、サファイアガラス等の基板及びこの基板上に貼付された偏光膜(偏光光学素子本体)を有する偏光光学素子から構成されている。また、基板を用いずに、偏光膜をフィールドレンズ418に貼り付けてもよい。
射出側偏光ユニット443も、入射側偏光ユニット442と略同様に構成され、液晶パネル441(441R、441G、441B)から射出された光束のうち、所定方向の偏光光のみ透過させ、その他の光束を吸収するものである。また、基板を用いずに、偏光膜をクロスダイクロイックプリズム444に貼り付けてもよい。
これらの入射側偏光ユニット442および射出側偏光ユニット443は、互いの偏光軸の方向が直交するように設定されている。
【0045】
クロスダイクロイックプリズム444は、射出側偏光ユニット443から射出され、各色光毎に変調された光学像を合成してカラー画像を形成するものである。
クロスダイクロイックプリズム444には、赤色光を反射する誘電体多層膜と青色光を反射する誘電体多層膜とが、4つの直角プリズムの界面に沿って略X字状に設けられ、これらの誘電体多層膜により3つの色光が合成される。
【0046】
以上説明した液晶パネル441、射出側偏光ユニット443およびクロスダイクロイックプリズム444は、一体的にユニット化された光学装置本体45として構成されている。光学装置44、光学装置本体45の構成は、以下の〔4.光学装置の詳細な構成〕に後述する。
【0047】
投写レンズ46は、光学装置44のクロスダイクロイックプリズム444で合成されたカラー画像を拡大して投写するものである。
ライトガイド47は、図5に示すように、各光学部品412〜415、418、421〜423、431〜434、442を上方からスライド式に嵌め込む溝部が形成された下ライトガイド471と、下ライトガイド471の上側開口を閉塞する蓋状の上ライトガイド472とを備えて構成される。
【0048】
図5に示すように、平面視略L字状の下ライトガイド471の一端側には、光源装置411が収容されている。他端側には、下ライトガイド471に形成されたヘッド部473を介して、投写レンズ46がねじ止め固定されている。
【0049】
また、図5に示すように、下ライトガイド471に収納された光学装置本体45は、2つのばね部材50を挟んだ状態で下ライトガイド471にねじ止め固定される。この2つのばね部材50は、フィールドレンズ418および入射側偏光ユニット442を下方へと付勢して位置を特定する。
【0050】
〔3.冷却構造〕
図7は、図4から前記上ライトガイドおよび光学装置本体45を取り外した図である。また、図8は、光学ユニット4を示す斜視図である。
ここで、プロジェクタ1には、図7、8に示すように、液晶パネル441を主に冷却するパネル冷却系Aと、偏光変換素子414を主に冷却する偏光変換素子冷却系Bと、電源ユニット3を主に冷却する電源冷却系Cと、光源装置411を主に冷却する光源冷却系Dとが設けられている。
【0051】
図7に示すように、パネル冷却系Aでは、電源ユニット3の下側に配置された大型のシロッコファン61が用いられている。
パネル冷却系Aでは、図7または図8に示すように、シロッコファン61によって、外装ケース2の下面部分250に形成された吸気口252A(図2)から吸入された外部の冷却空気は、図示しないダクトによって光学装置本体45の下方へと導かれ、下ライトガイド471における各液晶パネル441の下側に形成された吸入口からライトガイド47内部へと入る。この冷却空気は、図8に示すように、各液晶パネル441R、441G、441Bとクロスダイクロイックプリズム444との間の空隙を通って、液晶パネル441と前記射出側偏光ユニットを冷却し、上ライトガイド472と前記制御基板との間の空間に排出される。
また、この冷却空気は、各液晶パネル441R、441G、441Bとフィールドレンズ418との間の空隙を通って、液晶パネル441と前記入射側偏光ユニットを冷却し、上ライトガイド472と前記入射側偏光ユニットとの間の空間に排出される。
なお、この空間に排出された空気は、上ライトガイド472の上端部分472Aと前記制御基板5との当接により、投写レンズ46側へは流れないようになっている。
【0052】
偏光変換素子冷却系Bでは、前記シロッコファン61によって吸入された冷却空気は、下ライトガイド471の下側に配置された図示しないダクトによって、偏光変換素子414の下側まで導かれ、下ライトガイド471における偏光変換素子414の下側に形成された吸入口からライトガイド47内へ入り、偏光変換素子414を冷却した後に、上ライトガイド472に形成された排出口474から排出される。
【0053】
電源冷却系Cでは、図7に示すように、金属製の板材を挟んでシロッコファン61の上側に配置された小型のシロッコファン62が用いられている。
電源冷却系Cでは、パネル冷却系Aによって上ライトガイド472と前記制御基板5の間に流れてきた冷却空気は、制御基板5を冷却しつつシロッコファン62によって吸入され、電源ユニット3の内部側へと排出される。この内部に排出された空気は、シールド部材31Aに沿って流れて電源31および前記ランプ駆動回路を冷却し、シロッコファン62とは反対側の開口から排出される。
【0054】
光源冷却系Dでは、光源装置411の前面側に配置された軸流ファン63と、この軸流ファン63に取り付けられたダクト64とが用いられている。
光源冷却系Dでは、電源冷却系Cおよび偏光変換素子冷却系Bから排出された空気は、軸流ファン63の吸引によって、光源装置411の側面部分に形成されたスリット状の開口から光源装置411内に入り込んで光源ランプ416を冷却し、ダクト64を介して、外装ケース2の排気口222から外部へと排出される。
【0055】
〔4.光学装置の詳細な構成〕
図9は、光学装置本体45を示す斜視図である。図10は、光学装置本体45を示す分解斜視図である。
なお、図10では、後述する液晶パネル441R、441Bは図示を省略されているが、液晶パネル441Gと同様に構成されている。
【0056】
光学装置本体45は、図9に示すように、クロスダイクロイックプリズム444と、このクロスダイクロイックプリズム444の上面に固定されたマグネシウム合金製の台座447と、クロスダイクロイックプリズム444の光束入射端面に取り付けられ、射出側偏光ユニット443を保持する金属製の保持板446と、この保持板446の光束入射側に突設された金属製の4つのピン446Pによって保持される液晶パネル441(441R、441G、441B)とを備える。
【0057】
台座447は、マグネシウム合金で構成され、クロスダイクロイックプリズム444の上面に固定されており、外周形状はクロスダイクロイックプリズム444と略同じである。
さらに、クロスダイクロイックプリズム444の上面に固定された台座447の角隅部分には、光学装置本体45を下ライトガイド471にねじ止め固定するための、4つの腕部447Aが形成されている。
腕部447Aの先端部分には、丸穴447Bが形成されている。
また、図10に示されるように、台座447の側面には、対向する上下の辺縁にわたって凹部447Cが形成され、接着固定される保持板446と台座447との間にドライバー等の工具が差し込めるようになっている。
【0058】
保持板446は、例えば、マグネシウム合金で構成され、各液晶パネル441R,441G,441Bを保持固定するものであり、図9、10に示すように、矩形板状体446Aと、この矩形板状体446Aの四隅から突設されたピン446Pとを備えている。ここで、ピン446Pの位置は、矩形板状体446Aの隅である必要は無い。また、ピン446Pの数は、4つに限らず、2つ以上あれば良い。
【0059】
この保持板446は、台座447と後述する保持枠445との間に介在している。該保持板446のピン446Pと反対側の端面が台座447の側面に接着固定される。また、該保持板446のピン446Pと保持枠445の孔445Fとを介して、保持板446と保持枠445とが互いに接着固定されている。
【0060】
この矩形板状体446Aには、略中央に矩形状の開口部446Bが形成され、その上下辺縁にわたって凹部446Nが形成されている。この開口部446Bは、液晶パネル441(441G)の装着時、液晶パネル441(441G)の画像形成領域と対応する。
【0061】
また、この開口部446Bを囲うように係合溝446Cが形成され、この係合溝446Cに係合するように、射出側偏光ユニット443が、取り付けられている。
射出側偏光ユニット443は、透明材料であるサファイア基板及びこの基板の入射面側に貼り付けられた偏光フィルム(偏光光学素子本体)を有する偏光光学素子から構成されている。この射出側偏光ユニット443と、係合溝446Cとの取り付けは、接着剤や、両面テープを等により行われる。
【0062】
一方、液晶パネル441(441G)は、図9〜10に示されるように、液晶パネル本体(光変調光学素子)441Xと、液晶パネル本体441Xの光束入射側および光束射出側に密着して貼り付けられる防塵ガラス441D、441Cと、液晶パネル本体441Xおよび防塵ガラス441D、441Cを内部に収納し、保持する保持枠445と備えて構成されている。
【0063】
液晶パネル本体441Xは、駆動基板(例えば複数のライン状の電極と、画素を構成する電極と、これらの間に電気的に接続されたTFT素子とが形成された基板)441Aと、対向基板(例えば、共通電極が形成された基板)441Eと、の間に液晶(光変調光学素子本体)が封入されたものであり、これらのガラス基板の間から制御用ケーブル441Fが延びて構成されている。
【0064】
防塵ガラス441C、441Dは、それぞれ駆動基板441Aおよび対向基板441E上に、透明接着剤等で固着されている。
これら防塵ガラス441C、441Dは、通常、投写レンズ46(図6参照)のバックフォーカス位置から液晶パネル441のパネル面の位置をずらして光学的にパネル表面に付着したゴミを目立たなくするためのものである。
防塵ガラス441C、441Dとしては、サファイア板を使用している。このサファイア板の熱伝導率は、42W/(m・K)である。
【0065】
保持枠445は、図11及び図12にも示すように、例えば、マグネシウム合金で構成され、液晶パネル本体441Xおよび防塵ガラス441C、441Dを収容する保持枠本体445Aと、保持枠本体445Aと係合し、収納した液晶パネル本体441Xおよび防塵ガラス441C、441Dを押圧固定する枠状部材445Bとからなる。
なお、本実施形態では、この保持枠445をマグネシウム合金製としたが、これに限らず、軽量で熱伝導性良好なアルミニウム、チタン、或いは、アルミニウム、チタン、マグネシウムの合金、炭素鋼、黄銅、ステンレス等の金属等を用いてもよい。さらには、カーボンファイバー、カーボンナノチューブ等のカーボンフィラーを混入させた樹脂(ポリカーボネート、ポリフィニレンサルフィド等)を用いてもよい。このような材料を用いることで、液晶パネル441の熱が、保持枠445に効率的に放熱され、液晶パネル441の放熱性を向上できる。
【0066】
枠状部材445Bの液晶パネル本体441Xのパネル面に対応する位置には矩形形状の開口部445Eが設けられている。また、枠状部材445Bの左右両側にはフック445Dが設けられており、このフック445Dを後述する保持枠本体445Aのフック係合部445Cに係合することで、保持枠本体445Aと枠状部材445Bとが固定される。
【0067】
保持枠本体445Aの液晶パネル本体441Xのパネル面に対応する位置には矩形形状の開口部445Eが設けられており、また、その四隅には孔445Fが形成されている。ここで、液晶パネル本体441Xは、保持枠本体445A,枠状部材445Bの開口部445Eで露出し、この部分が画像形成領域となる。すなわち、液晶パネル本体441Xのこの部分に各色光R,G,Bが導入され、画像情報に応じて光学像が形成される
【0068】
また、保持枠本体445Aの左右側面の枠状部材445Bのフック445Dに対応する位置には、フック係合部445Cが形成されている。さらに、図13に示すように、保持枠本体445Aには、液晶パネル本体441Xおよび防塵ガラス441C、441Dを収容する平面視矩形状の凹状部である収容部445A1が形成されている。収容部445A1の外形は、防塵ガラス441Cがはめ込み可能な形状となっている。そして、収容部445A1内部には、防塵ガラス441D、液晶パネル本体441Xの駆動基板441A,対向基板441Eを隙間なく、はめ込むことができるようにそれぞれの基板等の外形形状に沿った段部445A3が形成されている。
さらに、収容部445A1の上方には、この収容部445A1と連通した窪み部445A2が形成されており、この窪み部445A2には、制御用ケーブル441Fが配置される。
【0069】
以上のような保持枠本体445Aの表面、具体的には、光束入射側及び射出側の面、上面、下面及び側面には複数の変形部7が形成されている。なお、図9及び図10においては変形部7を省き図面を簡略化している。
この変形部7は、互いに重なることなく、面外方向に凸状に膨出している。図14に保持枠本体445Aの光束射出側の面に形成された変形部7の模式図を示す。変形部7の形状は、光束透過方向から見た場合、円形状となっており、図面下方から上方に向かって形成される冷却流路Eに沿った長さ寸法L1、冷却流路Eに直交する方向の長さ寸法L2は、この円の直径となっている。また、この変形部7の面外方向の突出寸法(高さ寸法H)は、半径以下となっている。
ここで、冷却流路Eは、パネル冷却系Aの冷却流路である。
なお、保持枠本体445Aの他の表面に形成された変形部7も上述した変形部7と同様の大きさ形状である。
【0070】
さらに、図11〜図14を用いてこのような変形部7の配列について詳細に説明する。
保持枠本体445Aの光束射出側の面のうち開口部445Eの上方側に位置する部分には、開口部445Eの長手方向に沿って3列に変形部7が配列されている。各配列間の距離は等しい。また、変形部7の配列は千鳥状であり、冷却流路E前段に配列される2つの変形部7の間に後段の変形部7が配置されている。
また、同様に開口部445Eの下方側に位置する部分には、開口部445Eの長手方向に沿って2列に変形部7が配列されている。この変形部7の配列は、開口部445Eの上方側に位置する部分に形成された変形部7の配列と同様である。
さらに、開口部445Eの側方の部分には、変形部7が開口部445Eの短辺方向に沿って一列に配置されている。
【0071】
保持枠本体445Aの側面であって、フック係合部445Cを除いた部分には、その長手方向に沿って2列に変形部7が配列されている。この場合にも、変形部7の配列は、開口部445Eの上方側に位置する部分に形成された変形部7の配列と同様となっている。
さらに、保持枠本体445Aの図面右上面及び図面左上面には、それぞれ3つの変形部7が形成されており、これらは互い違いになって配列されている。
また、保持枠本体445Aの光束入射側の面のうち、開口部445Eの下方側に位置する部分には、開口部445Eの長手方向に沿って2列に変形部7が配列されている。これらの変形部7の配列も、光束射出側の開口部445Eの上方側に位置する部分に形成された変形部7の配列と同様である。
【0072】
なお、図示しないが、保持枠本体445Aの下面にもその長手方向に沿って変形部が2列に配列されている。この配列は、前述した変形部7と同様である。
そして、図14に示すように、各列における変形部7間の距離をL3、各配列間の距離をL4とした場合、本実施形態では、L3=L4となっている。
【0073】
〔5.実施形態の効果〕
このような本実施形態によれば、以下の効果を奏することができる。
保持枠本体445Aの表面に面外方向に膨出した変形部7が形成されているので、その分、表面積を拡大することができる。これにより、放熱性を向上させることができる。
また、面外方向に膨出した変形部7が形成されているので、変形部7の下流側に冷却空気が回り込み、渦が発生し、乱流となるので、これにより保持枠本体445Aを効率的に冷却できる。
【0074】
さらに、変形部7は、円形状であり、面外方向の高さ寸法をHが、半径以下となっているため、通風抵抗を少なくすることができ、圧力損失や、風量損失を低減することができる。これにより、変形部7が形成されていない場合と遜色のない通風を確保することができる。
また、変形部7の形状は、円形となっているため、変形部7を容易に形成することができる。
さらに、円形とすることで、他の形状とする場合に比べ、変形部7の下流側に冷却空気が回り込みやすくなり、より効果的に乱流を発生させることができ、さらなる冷却効率の向上を図ることができる。
【0075】
また、保持枠本体445Aの全表面に面外方向に膨出した変形部を形成すると、保持枠本体445Aを製造する際に、金型から保持枠を抜くことができなくなる可能性がある。
これに対し、本実施形態では、変形部7の配列は千鳥状であり、冷却流路E前段に配列される2つの変形部7の間に後段の変形部7が配置されているので、金型から保持枠本体445Aを抜くことができ、保持枠本体445Aを容易に形成することができる。
また、保持枠本体445Aの光束射出側、入射側の表面のみならず、側面、上面、下面にも変形部7を形成したので、保持枠本体445Aの側面や上面、下面にも渦を発生させることができ、乱流を発生させて効率よく冷却することができる。
【0076】
〔6.実施形態の変形〕
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、前記実施形態では、入射側偏光ユニット442は、基板及び偏光膜を有する偏光光学素子から構成されているとしたが、これに限らず、基板及び偏光膜を備える偏光光学素子と、この偏光光学素子を保持し、かつ、保持枠445と同様の構造の保持枠とを備える構成としてもよい。このようにすれば、入射側偏光ユニット442の冷却効率を向上させることができる。また、射出側偏光ユニットも保持枠445と同様の保持枠を備えた構成としてもよい。
【0077】
さらに、前記実施形態では、変形部7は、保持枠本体445Aの光束射出側、入射側の面、上面、下面、側面の6面に形成され、千鳥状に配列されていたが、これに限らず、例えば、光束射出側、入射側の面にのみ変形部を形成してもよい。この場合には、変形部の配列を千鳥状としなくても、金型から保持枠本体を取り出すことができる。
【0078】
前記実施形態では、変形部7は、隣接する変形部との間に距離L3の隙間が形成されていたが、これに限らず、例えば、図15の模式図に示すように、隣接する変形部7間の隙間が形成されていなくてもよい。さらに、変形部は、円形状に限らず、図16の模式図に示すように、正方形状等の正多角形状の変形部8としてもよい。また、前記実施形態では、隣接する変形部との間の距離L3と配列間の距離L4とが等しいものとしたが、図16示すように、これらの距離は等しくなくてもよい。
【0079】
さらに、変形部は、正多角形状でなくてもよく、変形部の冷却流路Eに沿った長さ寸法をL1、冷却流路に直交する方向の長さ寸法をL2、面外方向の高さ寸法をHとした場合、L2≦L1、L2≦H≦L1の条件を満たすものであればよい。
前記実施形態では、変形部7は、保持枠本体445Aの表面から面外方向に膨出した凸型形状としたが、このような形状に限らず、表面に没入した凹型形状としてもよい。この場合にも、凸状の変形部を形成した場合と同様に、凹状の変形部により、表面積を増大させることができ、また、乱流を発生させて放熱効率を向上させることができ、さらに、通風抵抗を少なくすることができる。なお、このような凹型の変形部を有する保持枠本体を製造する場合には、金型をスライド型とする必要がある。
【0080】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のプロジェクタを上方前面側から見た斜視図。
【図2】前記プロジェクタを下方背面側から見た斜視図。
【図3】前記プロジェクタの内部を示す斜視図であり、具体的には、図1の状態からアッパーケースを外した図。
【図4】前記プロジェクタの内部を示す斜視図であり、具体的には、図3の状態から制御基板を外した図。
【図5】前記プロジェクタを構成する光学ユニットを示す分解斜視図。
【図6】前記光学ユニットを模式的に示す図。
【図7】前記プロジェクタの内部における冷却系を説明するための斜視図であり、具体的には、図4から上ライトガイドおよび前記光学装置本体を取り外し、冷却系を示した図。
【図8】前記光学ユニットの冷却系を説明するための斜視図。
【図9】前記光学ユニットを構成する光学装置本体を示す斜視図。
【図10】前記光学装置本体を示す分解斜視図。
【図11】液晶パネルを示す斜視図。
【図12】図11とは異なる方向から見た液晶パネルを示す斜視図。
【図13】前記液晶パネルの保持枠本体を示す斜視図。
【図14】前記保持枠本体の変形部の配列の模式図。
【図15】変形部の配列の変形例を示す模式図。
【図16】変形部の他の変形例を示す模式図。
【符号の説明】
1…プロジェクタ、7,8…変形部、44…光学装置、441,441R,441G,441B…液晶パネル(光変調装置)、445…保持枠、E…冷却流路

Claims (7)

  1. 透過する光束の特性を変化させる素子本体及びこれを支持する基板を備えた光学素子を保持するとともに、冷却流体により冷却される保持枠であって、
    その表面には、面外方向に膨出或いは、没入する複数の変形部が形成されており、
    前記変形部の冷却流路に沿った長さ寸法をL1、冷却流路に直交する方向の長さ寸法をL2、面外方向の高さ寸法をHとした場合、
    L2≦L1、L2≦H≦L1
    であり、かつ、隣接する変形部同士が互いに重なっていないことを特徴とする保持枠。
  2. 請求項1に記載の保持枠において、
    前記変形部の形状は、光束透過方向から見ると正多角形或いは、円形であることを特徴とする保持枠。
  3. 請求項1又は2に記載の保持枠において、
    前記変形部は、光束入射側及び射出側に位置する面にのみ形成されるとともに、面外方向に膨出していることを特徴とする保持枠。
  4. 請求項1又は2に記載の保持枠において、
    前記変形部は、面外方向に膨出しており、千鳥状に配列され、
    冷却流路前段に配列される2つの変形部の間に後段の変形部が配置されることを特徴とする保持枠。
  5. 光源から射出された光束を画像情報に応じて変調して光学像を形成する光変調装置であって、
    光変調素子本体及びこの光変調素子本体を封入した一対の基板を有する光変調光学素子と、請求項1から4の何れかに記載の保持枠とを備え、
    前記光変調光学素子は、前記保持枠に保持されていることを特徴とする光変調装置。
  6. 光源から射出された光束を画像情報に応じて変調して光学像を形成する光変調装置と、この光変調装置の前段及び/又は後段に配置される偏光ユニットと、前記光変調装置で変調された各色光を合成する色合成光学装置とを備える光学装置であって、
    前記光変調装置は、光変調素子本体及びこの光変調素子本体を封入した一対の基板を有する光変調光学素子を備え、
    前記偏光ユニットは、偏光素子本体及びこの偏光素子本体を支持する基板を有する偏光光学素子を備え、
    前記光変調装置及び偏光ユニットのうち少なくとも何れか一方は、請求項1から4の何れかに記載の保持枠を備えていることを特徴とする光学装置。
  7. 請求項6に記載の光学装置と、前記光学装置によって形成された画像を投写する投写光学系とを備えたことを特徴とするプロジェクタ。
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