JP2006154723A - 光学装置及びプロジェクタ - Google Patents

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Abstract


【課題】光変調素子を確実に冷却することができるとともに、設置姿勢によらず、鮮明な投射画像を形成することができる光学装置及びこの光学装置を備えたプロジェクタを提供すること。
【解決手段】光学装置44は、メインタンク内の流体を、流体圧送部により送出し、複数の流体循環部材448及び中継タンク5を介して、液晶パネル441等に送り、液晶パネル441等を冷却する構造となっている。中継タンク5は、冷却流体が蓄積されるタンク本体51と、タンク本体51内に冷却流体を流入させるための冷却流体流入部52と、タンク本体51内から冷却流体を排出させるための冷却流体排出部53とを備えている。
中継タンク5は、冷却流体流入部52、冷却流体排出部53がそれぞれ流体循環部材448に軸支されており、冷却流体流入部52、冷却流体排出部53を結ぶ軸線を回転軸として回転可能に配設されている。
【選択図】 図7

Description

本発明は、光学装置及びプロジェクタに関する。
従来、光源から射出された光束を画像情報に応じて変調して光学像を形成する複数の光変調素子と、各光変調素子で変調された光束を合成して射出する色合成光学装置と、色合成光学装置にて合成された光束を拡大投射する投射光学装置とを備えるプロジェクタが知られている。
このうち、光変調素子には、例えば、1対の基板間に液晶等の電気光学材料が密閉封入されたアクティブマトリックス駆動方式の液晶パネルが使用される。具体的には、この光変調素子を構成する1対の基板は、液晶に駆動電圧を印加するためのデータ線、走査線、スイッチング素子、画素電極等が形成され、光束射出側に配置された駆動基板と、光束入射側に配置され、共通電極、ブラックマスク等が形成された対向基板とで構成されている。
ここで、光源から射出された光束が光変調素子に照射された場合には、液晶層による光吸収とともに、駆動基板に形成されたデータ線および走査線や、対向基板に形成されたブラックマトリックス等による光吸収により、光変調素子の温度が上昇しやすい。
このため、光学装置では、光変調素子の温度上昇を緩和するために、冷却流体を用いて光変調素子を冷却する構成が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載の光学装置では、光変調素子保持体に冷却流体を密閉する冷却室を形成している。そして、この冷却室は、光変調素子に隣接し、光変調素子の光束透過面に対向して設けられているため、光変調素子の熱を冷却室内の冷却液により冷却することができる。
特開2003−195254号公報(第8頁、図4)
しかしながら、特許文献1に記載の光学装置では、冷却室内に冷却流体が密閉封入されているので、発熱した光変調素子により冷却流体が温められやすく、温められた冷却流体が冷却室内に滞留してしまう。したがって、光変調素子と冷却流体との温度差が小さくなり、光変調素子を効率的に冷却することが困難であるという問題がある。
また、このような光学装置において、冷却流体中の気泡を除去するために、光変調素子保持体の冷却室の上部に、冷却室と連通する気泡溜め用サライを設けているが、天吊等により、プロジェクタの姿勢を上下さかさまに設置した場合には、気泡止め用サライが下方に位置することとなるため、気泡止め用サライに気泡が収まらなくなり、冷却室内に気泡が混入することとなる。そして、光束が気泡により散乱され、鮮明な投射画像を形成することができなくなる可能性がある。
本発明の目的は、光変調素子を確実に冷却することができるとともに、設置姿勢によらず、鮮明な投射画像を形成することができる光学装置及びこの光学装置を備えたプロジェクタを提供することである。
本発明の光学装置は、光源から射出された光束を画像情報に応じて変調して光学像を形成する光変調素子を含んで構成される光学装置であって、内部に冷却流体が封入されるとともに、光変調素子の画像形成領域に対して対向配置された冷却室が形成されており、前記冷却室内の冷却流体に対して、熱伝導可能に前記光変調素子を保持する光変調素子保持体と、前記冷却流体を蓄積するとともに、冷却流体の荷重がかかる方向と略直交する軸線上に冷却流体流入部及び冷却流体排出部を有する冷却流体蓄積部と、前記光変調素子保持体の前記冷却室に連通し、前記冷却流体蓄積部に蓄積された前記冷却流体を前記冷却流体排出部から前記冷却室に案内するとともに、前記冷却室から排出される冷却流体を前記冷却流体蓄積部の前記冷却流体流入部に案内する流体循環部材と、前記流体循環部材における冷却流体の流路中に配置され、前記冷却流体を、前記流体循環部材を介して強制的に循環させる流体圧送部とを備え、前記冷却流体蓄積部内部には、前記冷却流体を流通させるとともに、冷却流体中の気泡の通過を遮断する複数の孔を有する気泡捕捉手段が配置されるとともに、蓄積された流体の液面の鉛直方向上側に前記気泡捕捉手段で捕捉した気泡を蓄積する気泡蓄積部が形成されており、前記冷却流体蓄積部は、前記軸線を回転軸として回転可能に配設されていることを特徴とする光学装置。
ここで、気泡捕捉手段としては、複数の孔が形成された平板状のフィルタや、複数の孔を有する樹脂製のスポンジフォーム等が例示できる。
また、気泡捕捉手段の孔の径は、例えば、5μm以上、20μm以下であることが好ましい。5μmよりも孔の径を小さくすると冷却流体がスムーズに透過しない虞がある。
また、20μmを超えるものとすると、大きな径の気泡が通過してしまう虞がある。
このような本発明では、光変調素子保持体の冷却室に連通し、冷却流体蓄積部に蓄積された冷却流体を冷却流体排出部から冷却室に案内するとともに、冷却室から排出される冷却流体を冷却流体蓄積部の冷却流体流入部に案内する流体循環部材を備えており、光変調素子保持体の冷却室内の冷却流体を循環させているため、冷却室内に冷却流体を密封させておく場合に比べ、冷却流体が暖められにくく、光変調素子を確実に冷却することができる。
さらに、冷却流体が蓄積される冷却流体蓄積部は、冷却流体中の気泡の通過を防止する気泡捕捉手段を備えているので、冷却流体蓄積部から排出される冷却流体中には、気泡がほとんど残らない。従って、光変調素子保持体の冷却室内に気泡が入り込んでしまうことを防止することができ、光学装置で形成した光学像を投射した場合に、鮮明な投射画像を形成することができる。
なお、気泡捕捉手段を通過することができなかった気泡は、気泡捕捉手段近傍に停滞し、小さな気泡同士が集まって大きな気泡となり浮力によって冷却流体中を上昇する。そして、気泡蓄積部に蓄積される。
また、本発明では、冷却流体蓄積部中に冷却流体中の気泡の透過を防止する複数の孔を備えた気泡捕捉手段が配置されている。この気泡捕捉手段の孔は、径が非常に小さなものとなるので、冷却流体中にごみが混入していた場合であっても、気泡捕捉手段によりごみの通過を防止することができる。
従って、冷却流体蓄積部から、光変調素子保持体の冷却部にごみが排出されてしまうのを防止することができる。
また、本発明では、冷却流体蓄積部は、冷却流体流入部及び冷却流体排出部を結ぶ軸線を回転軸として回転可能に配設されている。従って、光学装置の設置姿勢を上下さかさまにする際に、冷却流体蓄積部を流体循環部材に対して回転させることで、冷却流体蓄積部の姿勢を一定に保つことができる。光学装置の設置姿勢によらず、冷却流体蓄積部の姿勢が一定であるため、光学装置の設置姿勢を上下さかさまにした場合であっても、気泡蓄積部の気体が冷却流体蓄積部中の冷却流体中に混入してしまうことがない。従って、光学装置の姿勢によらず、常に鮮明な投射画像を確実に形成することができる。
本発明の光学装置において、前記冷却流体蓄積部の重心は、前記回転軸よりも鉛直方向下側に位置することが好ましい。
このような本発明によれば、冷却流体蓄積部の重心が回転軸よりも鉛直方向下側に位置するので、光学装置の設置姿勢を上下さかさまにする際に、冷却流体蓄積部は、重力によって、流体循環部材に対して回転し、常に同じ姿勢となる。
このように、冷却流体蓄積部の重心を回転軸よりも鉛直方向下側に位置させることで、重力により、流体循環部材に対して、冷却流体蓄積部を回転させることができるので、例えば、モータ等の電気的な力を使用して冷却流体蓄積部を回転させる場合に比べ、省エネルギーを図ることができる。
本発明の光学装置において、前記気泡捕捉手段は、固定部材を介して、前記冷却流体流入部および前記冷却流体排出部のうち少なくとも何れか一方に取り付けられ、前記固定部材には、前記気泡捕捉手段にて捕捉された気泡を前記気泡蓄積部に向けて排出する排出孔が形成されていることが好ましい。
この本発明によれば、固定部材には、気泡捕捉手段に対し冷却流体流入側の鉛直方向上側に、前記気泡捕捉手段にて捕捉された気泡を前記気泡蓄積部に向けて排出する排出孔が形成されている。すなわち、気泡捕捉手段の冷却流体流入側で捕捉され、浮力により上昇する気泡は、この排出孔を介してスムースに排出し、気泡蓄積部に蓄積することができる。従って、気泡が冷却流体中に長い間停滞することがなく、冷却流体蓄積部から冷却室に対して気泡が排出されることを確実に防止することができる。さらに、光学装置で形成した光学像を投射した場合にあっては、鮮明な投射画像を形成することができる。
本発明の光学装置において、前記気泡捕捉手段は、前記固定部材を介して、前記冷却流体流入部および前記冷却流体排出部にそれぞれ取り付けられていることを特徴とする。
このような構成によれば、冷却流体蓄積部に流入される冷却流体、および、冷却流体蓄積部に流入される冷却流体のいずれに対しても、気泡捕捉手段により、これら冷却流体中に含まれる気泡が捕捉されることができる。従って、流体循環部材を介して、冷却流体蓄積部から流体圧送部へ流入される冷却流体に含まれる気泡も低減させることができるので、気泡によって引き起こされる圧送効率の低下や流体圧送部の故障等を防ぐことができる。
本発明の光学装置において、前記固定部材は、前記軸線を回転軸として、前記冷却流体蓄積部とともに回転されるように取り付けられ、前記気泡捕捉手段の冷却流体流入側に延び、冷却流体を前記気泡捕捉手段に案内する第1筒状部と、前記気泡捕捉手段の冷却流体流出側に延びる第2筒状部とから構成され、前記気泡捕捉手段は、冷却流体に含まれる気泡を捕捉する気泡捕捉面が鉛直方向と略平行となるように、前記気泡捕捉手段の外縁部が前記第1筒状部および前記第2筒状部に挟持固定され、前記排出孔は、前記第1筒状部の鉛直方向上側に少なくとも1つ形成されていることが好ましい。
本発明によれば、固定部材は、冷却流体流入部及び冷却流体排出部を結ぶ軸線を回転軸として、冷却流体蓄積部とともに回転を行う。すなわち、固定部材は、前述した冷却流体蓄積部と同様に、光学装置の姿勢によらず一定の姿勢を保つ。
さらに、気泡捕捉手段は、気泡捕捉面が鉛直方向と略平行となるように固定されている。すなわち、冷却流体は、鉛直方向に対し略直交する方向に気泡捕捉手段を通過し、気泡捕捉面は、気泡捕捉手段の冷却流体流入側面に形成されている。
本発明では、排出孔は、固定部材の前記第1筒状部の鉛直方向上側に少なくとも1つ形成されている。ここで、光学装置が上下逆さまの姿勢に設置されても、固定部材の姿勢は変わらない。すなわち、固定部材には、光学装置の姿勢によらず、気泡捕捉手段に対し冷却流体流入側の鉛直方向上側には排出孔が形成されている。これにより、気泡捕捉面で捕捉された気泡は、この排出孔を介して排出することができる。
従って、光学装置に姿勢によらず、気泡捕捉手段に捕捉された気泡を、排出孔を介してスムースに排出し、気泡蓄積部に蓄積することができる。
また、当該排出孔は、前記第1筒状部の鉛直方向上側に少なくとも1つ形成されていればよいので、固定部材に形成する排出孔の数を最小限に抑えることができる。
本発明の光学装置において、前記排出孔は、前記第2筒状部の鉛直方向上側に少なくとも1つ形成されていることが好ましい。
本発明によれば、固定部材には、気泡捕捉手段に対し冷却流体流側および冷却流体流出側の鉛直方向上側に、排出孔が少なくとも1つずつ形成されている。
所定の姿勢で設置された当該光学装置において、冷却流体が流通される方向を所定の方向とし、この所定の方向とは反対の流通方向を逆の方向とする。
固定部材の姿勢は、前述したように、光学装置の姿勢によらず一定であるため、当該光学装置を上下逆さまの姿勢で設置しても、固定部材における排出孔の位置は変わらない。このため、当該光学装置において冷却流体が逆の方向に流通されても、固定部材には、気泡捕捉手段に対し冷却流体流入側の鉛直方向上側には排出孔が形成されていることになる。
従って、本発明の光学装置は、当該光学装置を上下逆さまの姿勢で設置し、さらに、冷却流体を逆の方向に流通させた場合でも、気泡捕捉手段に捕捉された気泡を、この排出孔を介してスムースに排出し気泡蓄積部に蓄積することができる。
本発明の光学装置において、前記冷却流体排出部および冷却流体流入部は、前記循環部材に固定され、前記固定部材は、前記冷却流体排出部および冷却流体流入部の少なくとも何れか一方に固定され、前記気泡捕捉手段の冷却流体流入側に延び、冷却流体を前記気泡捕捉手段に案内する第1筒状部と、前記気泡捕捉手段の冷却流体流出側に延びる第2筒状部とから構成され、前記気泡捕捉手段は、冷却流体に含まれる気泡を捕捉する気泡捕捉面が鉛直方向と略平行となるように、前記気泡捕捉手段の外縁部が前記第1筒状部および前記第2筒状部に挟持固定され、前記排出孔は、前記第1筒状部の鉛直方向上側および鉛直方向下側に少なくとも1つずつ形成されていることが好ましい。
この本発明によれば、流体循環部材と冷却流体排出部および冷却流体流入部、および、固定部材と冷却流体排出部および冷却流体流入部は、それぞれ固定された構成であることから、これら各固定部の構成は、回転可能な構成と比べ簡易にすることができる。
また、固定部材は、冷却流体排出部および冷却流体流入部を介して流体循環部材に固定されていることから、光学装置が上下逆さまの姿勢で設置されると、当該光学装置とともに、上下逆さまの姿勢となる。
ここで、本発明では、光学装置が所定の姿勢で設置されているときに第1筒状部の鉛直方向下側に排出孔が形成されていることから、光学装置を上下逆さまの姿勢で設置すると、前記排出孔は、第1筒状部の鉛直方向上側に位置することとなる。すなわち、本発明の光学装置を上下逆さまの姿勢で設置すると、前記排出孔は、固定部材において気泡捕捉手段に対し冷却流体流入側の鉛直方向上側に位置することとなる。
従って、本発明の光学装置は、当該光学装置が所定の姿勢で設置された場合、上下逆さまの姿勢で設置された場合のいずれにおいても、気泡捕捉手段に捕捉された気泡を、この排出孔を介してスムースに排出し、気泡蓄積部に蓄積することができる。
本発明の光学装置において、前記排出孔は、前記第2筒状部の鉛直方向下側に少なくとも1つ形成されていることが好ましい。
ここで、光学装置が所定の姿勢で設置された際に、冷却流体が流体循環部材を流通する方向を所定の方向とし、当該所定の方向とは反対の流通方向を逆の方向とする。
本発明では、光学装置が所定の姿勢で設置されているときに第2筒状部の鉛直方向下側に排出孔が形成されていることから、光学装置を上下逆さまの姿勢で設置すると、固定部材には、第2筒状部の鉛直方向上側に排出孔が形成されていることとなる。すなわち、当該光学装置において冷却流体を逆の方向に流通させると、固定部材には、気泡捕捉手段を通過する冷却流体流入側の鉛直方向上側に排出孔が形成されていることになる。
従って、本発明の光学装置が所定の姿勢で設置された場合、または、上下逆さまの姿勢で設置され、かつ、流体循環部材を循環する冷却流体が所定の方向と逆の方向に流通された場合のいずれにおいても、気泡捕捉手段に捕捉された気泡を、この排出孔を介してスムースに排出し、気泡蓄積部に蓄積することができる。
本発明の光学装置において、前記冷却流体蓄積部の前記気泡蓄積部近傍には、前記気泡蓄積部と、前記冷却流体蓄積部外部とを連通可能とする開放弁が設けられていることが好ましい。
本発明の光学装置では、冷却流体蓄積部を流れる冷却流体の流れが急激に速くなった場合には、気泡蓄積部に負圧が発生することがある。負圧が発生すると、気泡蓄積部中の気体が冷却流体内に入り込んでしまう虞がある。
これに対し、本発明によれば、前記気泡蓄積部と、前記冷却流体蓄積部外部とを連通可能とする開放弁が設けられているので、開放弁を開放し、気泡蓄積部と冷却流体蓄積部外部とを連通させることで気泡蓄積部の圧力を調整することができる。
これにより、気泡蓄積部中の気体が冷却流体中に入り込んでしまうのを防止することができる。
本発明の光学装置において、前記開放弁は、前記気泡蓄積部と前記冷却流体蓄積部の外部とを連通する連通路を開放する開放状態、及び前記連通路を閉塞する閉塞状態を切り換え、前記開放弁による切り換えが、前記気泡蓄積部の内部が前記冷却流体蓄積部の外部に対して負圧状態である場合に前記開放状態とし、前記気泡蓄積部の内部が前記冷却流体蓄積部の外部に対して負圧状態でない場合に前記閉塞状態とすることが好ましい。
この本発明によれば、開放弁による切り換えが、気泡蓄積部の内部が冷却流体蓄積部の外部に対して負圧状態である場合に開放状態(気泡蓄積部と冷却流体蓄積部の外部とを連通する連通路を開放する状態)とし、気泡蓄積部の内部が冷却流体蓄積部の外部に対して負圧状態でない場合に閉塞状態となるため、気泡蓄積部の圧力を冷却流体蓄積部外部の圧力と略等しい状態となることをより確実に実行することができ、前記した効果をより好適に奏することができる。
本発明の光学装置において、前記冷却流体蓄積部の前記気泡蓄積部近傍には、前記気泡蓄積部及び冷却流体蓄積部の外部の双方に連通する連通路が形成されているものであってもよい。
このような本発明では、冷却流体蓄積部外部と、気泡蓄積部とを連通する連通路が形成されているので、常に、気泡蓄積部の圧力を冷却流体蓄積部外部の圧力と略等しいものとすることができる。
このように、気泡蓄積部の圧力を冷却流体蓄積部外部の圧力と略等しくすることで、気泡蓄積部での負圧の発生を防止することができるので、気泡蓄積部中の気泡が冷却流体中に混入してしまうのを防止することができる。
さらに、この際、前記連通路は、蛇行していることが好ましい。
このような本発明によれば、連通路は、蛇行して形成されているので、連通路の距離が非常に長いものとなり、万が一、冷却流体が連通路内に入ってしまうことがあっても、連通路から流体蓄積部外部に冷却流体が排出されてしまうことがない。
本発明では、前記冷却流体蓄積部内部の前記冷却流体と、気泡蓄積部との境界部分には、気泡蓄積部への冷却流体の通過を阻止し、気体の通過を可能とする気液分離膜が配置されていることが好ましい。
このような本発明によれば、冷却流体蓄積部内部の前記冷却流体と、気泡蓄積部との境界部分に、冷却流体の通過を阻止し、気体の通過を可能とする気液分離膜が配置されているので、気泡捕捉手段により、通過不能とされた気泡を、気液分離膜を介して気泡蓄積部に排出することができる。
さらに、本発明では、前記気液分離膜は撓んだ状態で配置されていることが好ましい。
このような本発明によれば、気液分離膜を撓んだ状態で配置することで、冷却流体蓄積部内部の冷却流体の量の変動に対応することができる。すなわち、冷却流体蓄積部中の冷却流体の量が少ない場合には、気液分離膜は下方に撓んだ状態となり、冷却流体の量が多い場合には、上方に撓んだ状態となる。
さらに、前記気液分離膜は撓んだ状態で配置されているので、気泡蓄積部の圧力の変動に応じて、気液分離膜を変形させることができ、気泡蓄積部の圧力変動に対応することができる。
また、本発明では、前記冷却流体蓄積部には、前記気液分離膜を鉛直方向に沿って上下するスライド機構が設けられているものであってもよい。
このような本発明によれば、冷却流体蓄積部に気液分離膜を鉛直方向にそって上下するスライド機構を設けることで、冷却流体蓄積部内部の冷却流体の量の変動に対応することができる。
さらに、スライド機構により、気液分離膜をスライドさせることで、気泡蓄積部の圧力を調整することができる。
本発明の光学装置において、当該光学装置を所定の姿勢で設置した際に、冷却流体の荷重がかかる方向を鉛直方向下側、前記荷重がかかる方向と逆方向を鉛直方向上側とした場合に、冷却流体は、前記冷却室内部を前記鉛直方向下側から前記鉛直方向上側へ向かって流通することが好ましい。
この本発明によれば、冷却室内部を流通する冷却流体は、鉛直方向下側から上側へ向かって流通している。冷却室内部において、光変調素子からの熱によって加熱された冷却流体は上側に移動するが、この移動方向が、冷却流体の流通方向と同方向であるため、冷却室内で冷却流体の対流が生じることはない。これにより、冷却室内部の冷却流体は、光変調素子からの熱を効率よく冷却することができる。
本発明のプロジェクタは、光源装置と、この光源装置から射出された光束を画像情報に応じて変調して光学像を形成する光変調素子を含んで構成される上述した何れかの光学装置と、前記光学装置にて形成された光学像を拡大投射する投射光学装置とを備えることを特徴とする。
このようなプロジェクタによれば、上述した何れかの光学装置を備えているため、光学装置と同様の効果を奏することができる。
本発明のプロジェクタにおいて、前記流体循環部材は、冷却流体が前記冷却室内部を鉛直方向下側から上側に流通するように接続され、当該プロジェクタの姿勢を検出する姿勢検出部と、前記流体圧送部を駆動制御する圧送駆動制御部とを備え、当該圧送駆動制御部は、前記姿勢検出部により検出された当該プロジェクタの姿勢に応じて、前記流体圧送部を駆動制御して冷却流体の流通方向を切り換え、冷却室内部の冷却流体を、当該プロジェクタ自体の自重がかかる方向から前記自重がかかる方向と逆方向側へ流通させることが好ましい。
この本発明によれば、姿勢検出部がプロジェクタの姿勢状態を検出すると、圧送駆動制御部は、姿勢検出部により検出された姿勢に応じて、冷却流体が冷却室内部を鉛直方向下側から上側へ流通するように流体圧送部を制御する。これにより、プロジェクタが所定の姿勢および天地逆さまの姿勢のいずれで設置された場合でも、冷却室内では、鉛直方向下側から上側へ冷却流体が流通されることとなる。冷却室内部において、光変調素子からの熱によって加熱された冷却流体は上側に移動するが、これは、冷却流体の流通方向と同方向であるため、冷却室内で冷却流体の対流が生じることはない。
これにより、冷却室内部の冷却流体は、光変調素子を効率よく冷却することができる。従って、プロジェクタの設置姿勢を変更しても、冷却室内の冷却流体による冷却効果を維持することができる。
〔1.第一実施形態〕
以下、本発明の第一実施形態を図面に基づいて説明する。
〔プロジェクタの構成〕
図1は、プロジェクタ1の概略構成を模式的に示す図である。
プロジェクタ1は、光源から射出される光束を画像情報に応じて変調して光学像を形成し、形成した光学像をスクリーン上に拡大投射するものである。このプロジェクタ1は外装ケース2と、冷却ユニット3と、光学ユニット4と、投射レンズLとを備える。
なお、図1において、図示は省略するが、外装ケース2内において、冷却ユニット3、光学ユニット4、および投射レンズL以外の空間には、電源ブロック、ランプ駆動回路が配置されるものとする。
外装ケース2は、合成樹脂等から構成され、冷却ユニット3、光学ユニット4、投射レンズLを内部に収納配置する全体略直方体状に形成されている。図示は省略するが、この外装ケース2には、冷却ユニット3によりプロジェクタ1外部から冷却空気を内部に導入するための吸気口およびプロジェクタ1内部で温められた空気を排出するための排気口が形成されている。
さらに、この外装ケース2には、図1に示すように、投射レンズLの側方で外装ケース2の角部分に位置し、光学ユニット4の後述する光学装置のラジエータを他の部材と隔離する隔壁21が形成されている。
冷却ユニット3は、プロジェクタ1内部に形成される冷却流路に冷却空気を送り込み、プロジェクタ1内で発生する熱を冷却する。この冷却ユニット3は、投射レンズLの側方に位置し、外装ケース2に形成された図示しない吸気口からプロジェクタ1外部の冷却空気を内部に導入して光学ユニット4の後述する光学装置の液晶パネルに冷却空気を吹き付けるシロッコファン31と、外装ケース2に形成された隔壁21内部に位置し、外装ケース2に形成された吸気口からプロジェクタ1外部の冷却空気を内部に導入して光学ユニット4の後述するラジエータに冷却空気を吹き付ける軸流ファン32とを備える。
なお、この冷却ユニット3は、図示は省略するが、シロッコファン31および軸流ファン32の他、光学ユニット4の後述する光源装置、および図示しない電源ブロック、ランプ駆動回路等を冷却するための冷却ファンも有しているものとする。
光学ユニット4は、光源から射出された光束を、光学的に処理して画像情報に対応して光学像(カラー画像)を形成するユニットである。この光学ユニット4は、図1に示すように、外装ケース2の背面に沿って延出するとともに、外装ケース2の側面に沿って延出する平面視略L字形状を有している。なお、この光学ユニット4の詳細な構成については、後述する。
投射レンズLは、複数のレンズが組み合わされた組レンズとして構成される。そして、この投射レンズLは、光学ユニット4にて形成された光学像(カラー画像)を図示しないスクリーン上に拡大投射する。
〔光学ユニットの詳細な構成〕
光学ユニット4は、図1に示すように、インテグレータ照明光学系41、色分離光学系42、リレー光学系43、光学装置44、および、これら光学部品41〜44を収納配置する光学部品用筐体45とを備える。
インテグレータ照明光学系41は、光学装置44を構成する後述する液晶パネルの画像形成領域を略均一に照明するための光学系である。このインテグレータ照明光学系41は、図1に示すように、光源装置411と、第1レンズアレイ412と、第2レンズアレイ413と、偏光変換素子414と、重畳レンズ415とを備える。
光源装置411は、放射状の光線を射出する光源ランプ416と、この光源ランプ416から射出された放射光を反射するリフレクタ417とを備える。光源ランプ416としては、ハロゲンランプやメタルハライドランプ、高圧水銀ランプが多用される。また、リフレクタ417としては、図1では、放物面鏡を採用しているが、これに限らず、楕円面鏡で構成し、光束射出側に該楕円面鏡により反射された光束を平行光とする平行化凹レンズを採用した構成としてもよい。 第1レンズアレイ412は、光軸方向から見て略矩形状の輪郭を有する小レンズがマトリクス状に配列された構成を有している。各小レンズは、光源装置411から射出される光束を、複数の部分光束に分割している。
第2レンズアレイ413は、第1レンズアレイ412と略同様な構成を有しており、小レンズがマトリクス状に配列された構成を有している。この第2レンズアレイ413は、重畳レンズ415とともに、第1レンズアレイ412の各小レンズの像を光学装置44の後述する液晶パネル上に結像させる機能を有している。
偏光変換素子414は、第2レンズアレイ413と重畳レンズ415との間に配置され、第2レンズアレイ413からの光を略1種類の偏光光に変換するものである。
具体的に、偏光変換素子414によって略1種類の偏光光に変換された各部分光は、重畳レンズ415によって最終的に光学装置44の後述する液晶パネル上にほぼ重畳される。偏光光を変調するタイプの液晶パネルを用いたプロジェクタでは、1種類の偏光光しか利用できないため、ランダムな偏光光を発する光源装置411からの光の略半分を利用できない。このため、偏光変換素子414を用いることで、光源装置411からの射出光を略1種類の偏光光に変換し、光学装置44での光の利用効率を高めている。
色分離光学系42は、図1に示すように、2枚のダイクロイックミラー421,422と、反射ミラー423とを備え、ダイクロイックミラー421,422によりインテグレータ照明光学系41から射出された複数の部分光束を、赤、緑、青の3色の色光に分離する機能を有している。
リレー光学系43は、図1に示すように、入射側レンズ431、リレーレンズ433、および反射ミラー432,434を備え、色分離光学系42で分離された赤色光を光学装置44の後述する赤色光用の液晶パネルまで導く機能を有している。
この際、色分離光学系42のダイクロイックミラー421では、インテグレータ照明光学系41から射出された光束の青色光成分が反射するとともに、赤色光成分と緑色光成分とが透過する。ダイクロイックミラー421によって反射した青色光は、反射ミラー423で反射し、フィールドレンズ418を通って光学装置44の後述する青色光用の液晶パネルに達する。このフィールドレンズ418は、第2レンズアレイ413から射出された各部分光側をその中心軸(主光線)に対して平行な光束に変換する。他の緑色光用、赤色光用の液晶パネルの光入射側に設けられたフィールドレンズ418も同様である。
ダイクロイックミラー421を透過した赤色光と緑色光のうちで、緑色光はダイクロイックミラー422によって反射し、フィールドレンズ418を通って光学装置44の後述する緑色光用の液晶パネルに達する。一方、赤色光はダイクロイックミラー422を透過してリレー光学系43を通り、さらにフィールドレンズ418を通って光学装置44の後述する赤色光用の液晶パネルに達する。なお、赤色光にリレー光学系43が用いられているのは、赤色光の光路の長さが他の色光の光路長さよりも長いため、光の発散等による光の利用効率の低下を防止するためである。すなわち、入射側レンズ431に入射した部分光束をそのまま、フィールドレンズ418に伝えるためである。本実施形態においては赤色光の光路長が長いのでこのような構成とされているが青色光の光路長を長くする構成も考えられる。
光学装置44は、図1に示すように、光変調素子としての3枚の液晶パネル441(赤色光用の液晶パネルを441R、緑色光用の液晶パネルを441G、青色光用の液晶パネルを441Bとする)と、この液晶パネル441の光束入射側および光束射出側に配置される入射側偏光板442および射出側偏光板443と、色合成光学装置としてのクロスダイクロイックプリズム444とが一体的に形成されたものである。
なお、光学装置44は、具体的な構成は後述するが、液晶パネル441、入射側偏光板442、射出側偏光板443、およびクロスダイクロイックプリズム444以外に、メインタンク、流体圧送部、ラジエータ、流体循環部材、中継タンク、および光変調素子保持体を備える。
液晶パネル441は、ガラスなどからなる一対の基板441C,441D(図5参照)に電気光学物質である液晶が密閉封入された構成を有している。このうち、基板441C(図5参照)は、液晶を駆動するための駆動基板であり、互いに平行に配列形成される複数のデータ線と、複数のデータ線と直交する方向に配列形成される複数の走査線と、走査線およびデータ線の交差に対応してマトリクス状に配列形成される画素電極と、TFT等のスイッチング素子とを有している。また、基板441D(図5参照)は、基板441Cに対して所定間隔を空けて対向配置される対向基板であり、所定の電圧が印加される共通電極を有している。そして、これら基板441C,441Dには、図示しない制御装置と電気的に接続し、前記走査線、前記データ線、前記スイッチング素子、および前記共通電極等に所定の駆動信号を出力するフレキシブルプリント基板441E(図5参照)が接続されている。このフレキシブルプリント基板441E(図5参照)を介して前記制御装置から駆動信号を入力することで、所定の前記画素電極と前記共通電極との間に電圧が印加され、該画素電極および共通電極間に介在する液晶の配向状態が制御されて、入射側偏光板442から射出された偏光光束の偏光方向が変調される。
入射側偏光板442は、偏光変換素子414で偏光方向が略一方向に揃えられた各色光が入射され、入射された光束のうち、偏光変換素子414で揃えられた光束の偏光軸と略同一方向の偏光光のみ透過させ、その他の光束を吸収するものである。この入射側偏光板442は、サファイアガラスまたは水晶等の透光性基板442A(図5参照)上に偏光膜(図示省略)が貼付された構成を有している。
射出側偏光板443は、入射側偏光板442と同様に透光性基板443Aおよび光学変換膜としての偏光膜443B(図5参照)を有し、液晶パネル441から射出された光束のうち、入射側偏光板442における光束の透過軸と直交する偏光軸を有する光束のみ透過させ、その他の光束を吸収するものである。
クロスダイクロイックプリズム444は、射出側偏光板443から射出された色光毎に変調された光学像を合成してカラー画像を形成する光学素子である。このクロスダイクロイックプリズム444は、4つの直角プリズムを貼り合わせた平面視略正方形状をなし、直角プリズム同士を貼り合わせた界面には、2つの誘電体多層膜が形成されている。これら誘電体多層膜は、液晶パネル441R,441Bから射出され射出側偏光板443を介した色光を反射し、液晶パネル441Gから射出され射出側偏光板443を介した色光を透過する。このようにして、各液晶パネル441R,441G,441Bにて変調された各色光が合成されてカラー画像が形成される。
〔光学装置の構成〕
光学装置44の構成を図1〜図10を参照して説明する。
図1,2,7に示すように、光学装置44は、液晶パネル441、入射側偏光板442、射出側偏光板443、およびクロスダイクロイックプリズム444が一体化された光学装置本体440と、メインタンク445と、流体圧送部(図示略)と、一対の中継タンク5(冷却流体蓄積部)と、ラジエータ447と、複数の流体循環部材448とを備える。
本実施形態の光学装置44は、メインタンク445内の流体を、流体圧送部により送出し、複数の流体循環部材448及び中継タンク5を介して、液晶パネル441等に送り、液晶パネル441等を冷却する構造となっている。
メインタンク445は、略円柱形状であり、図示しないが、アルミニウム製の2つの容器状部材から構成され、2つの容器状部材の開口部分を互いに接続することで内部に冷却流体を一時的に蓄積する。このメインタンク445には、冷却流体を内部に流入させる冷却流体流入部(図示略)および内部の冷却流体を外部に流出させる冷却流体排出部(図示略)が形成されており、それぞれに流体循環部材448が接続されている。
このメインタンク445は、図1に示すように、光学部品用筐体45と外装ケース2の内側面とで形成される平面視三角形状の領域に配置される。この領域にメインタンク445を配置することで、外装ケース2内の収納効率の向上が図れ、プロジェクタ1が大型化することがない。
流体圧送部は、メインタンク445内に蓄積された冷却流体を送入し、送入した冷却流体を外部に強制的に送出するものである。流体圧送部は、具体的な図示は省略するが、メインタンク445の冷却流体排出部に接続した流体循環部材448の他端と連通接続するとともに、外部に冷却流体を送出するために他の流体循環部材448の一端と連通接続している。
複数の流体循環部材448は、内部に冷却流体が対流可能にアルミニウム製の管状部材で構成され、冷却流体を循環可能に各部材440,445,5,447を接続する。
なお、本実施形態では、冷却流体として、透明性の非揮発性流体であるエチレングリコールを採用する。冷却流体としては、エチレングリコールに限らず、その他の流体を採用してもよい。
ラジエータ447は、外装ケース2に形成された隔壁21内に配置され、光学装置本体440において各液晶パネル441等にて温められた冷却流体の熱を放熱する。ラジエータ447にて冷却された冷却流体は、流体循環部材448を介してメインタンク445内に流入する。
〔光学装置本体の構造〕
図1〜図7に示すように、光学装置本体440は、3つの液晶パネル441、3つの入射側偏光板442、3つの射出側偏光板443、およびクロスダイクロイックプリズム444の他、プリズム固定台4401と、カバー部材4404と、3つの光変調素子保持体4402と、3つの支持部材4403とを備える。
プリズム固定台4401は、図2に示すように、クロスダイクロイックプリズム444を支持するものである。このプリズム固定台4401は、図3に示すように、クロスダイクロイックプリズム444の下面(プロジェクタ1を通常の状態(上下さかさまに設置していない状態)に設置した際に下方に位置する面)と当接する平板状の当接部4401Aと、この当接部4401Aから光学部品用筐体45の底面に向かって延びる一対の脚部4401Bとを備えている。
脚部4401Bは、略L字型形状であり、当接部4401Aから光学部品用筐体45の底面に向かって延びる平板状の第一面部4401B1と、この第一面部4401B1に対して略直交して設けられた平板状の第二面部4401B2とを備える。
第一面部4401B1には、孔4401B11が形成されており、各第一面部4401B1の孔4401B11は1本の軸線上に位置している。
また、前記一対の脚部4401Bの各第一面部4401B1と、当接部4401Aとにより、所定の大きさの空間が形成されている。この空間内に後述するタンク5(5B)が配置される。
第二面部4401B2は、前記各第一面部4401B1と、当接部4401Aとで形成される空間の外側に向かって延びており、この第二面部4401B2を光学部品用筐体45の底面に固定することで、クロスダイクロイックプリズム444が光学部品用筐体45に固定されることとなる。
カバー部材4404は、クロスダイクロイックプリズム444の上面に固定されている。このカバー部材4404は、略矩形筒型形状であり、図4に示すように、クロスダイクロイックプリズム444の上面に固定される第一面部4404Aと、この第一面部4404Aに対向配置された第二面部4404Bと、第一面部4404A及び第二面部4404B間を接続し、対向する一対の側面部4404Cとを有する。
第一面部4404Aは、中央に切り込みが形成され二枚の片に分離されている。
一対の側面部4404Cには、それぞれ孔4404C1が形成されており、この孔4404C1は、1本の軸線上に位置している。
図2に示すように、支持部材4403は、クロスダイクロイックプリズム444の光束入射面に固定されており、光変調素子保持体4402をクロスダイクロイックプリズム444に対して固定するためのものである。
〔光変調素子保持体の構造〕
図5は、光変調素子保持体4402の概略構成を示す分解斜視図であり、図6は、光変調素子保持体4402の断面図である。
3つの光変調素子保持体4402は、3つの液晶パネル441、3つの入射側偏光板442、および3つの射出側偏光板443をそれぞれ保持する。また、この光変調素子保持体4402内部には、冷却流体が流入し、該冷却流体により3つの液晶パネル441、3つの入射側偏光板442、および3つの射出側偏光板443がそれぞれ冷却される。
光変調素子保持体4402は、一対の枠状部材4405,4406と、4つの弾性部材4407(4407A〜4407D)と、一対の偏光板固定部材4408A,4408Bと、中間枠体4409とを備える。
偏光板固定部材4408A,4408Bは、入射側偏光板442および射出側偏光板443を、第1弾性部材4407Aおよび第4弾性部材4407Dを介して枠状部材4405,4406にそれぞれ押圧固定するものである。これら偏光板固定部材4408A,4408Bは、略中央部分に開口部4408A1,4408B1が形成された平面視略矩形枠体で構成され、開口部4408A1,4408B1周縁部分にて、入射側偏光板442および射出側偏光板443を枠状部材4405,4406に対してそれぞれ押圧する。また、これら偏光板固定部材4408A,4408Bには、左右側端縁にそれぞれフック係合部4408A2,4408B2が形成され、フック係合部4408A2,4408B2を枠状部材4405,4406の各フック4405H,4406Lに係合させることで、枠状部材4405,4406に対して、入射側偏光板442および射出側偏光板443を押圧した状態で、偏光板固定部材4408A,4408Bが固定される。
弾性部材4407は、入射側偏光板442および枠状部材4405の間に介在配置される第1弾性部材4407Aと、枠状部材4405および中間枠体4409の間に介在配置される第2弾性部材4407Bと、液晶パネル441及び枠状部材4406間に配置される第3弾性部材4407Cと、枠状部材4406および射出側偏光板443の間に介在配置される第4弾性部材4407Dとを備える。
このうち、第1弾性部材4407A、および第4弾性部材4407Dは、略矩形枠状に形成され、後述する枠状部材4405,4406の各凹部4405E,4406Bに設置される。
また、第2弾性部材4407Bは、略矩形枠状に形成されるとともに、上方側左右方向略中央部分に挿通孔4407B1が形成される。この第2弾性部材4407Bは、後述する枠状部材4405の凹部4405Bに設置される。
さらに、第三弾性部材4407Cは、略矩形枠状に形成されるとともに、下方側左右方向略中央部分に挿通孔4407C1が形成されている。この第3弾性部材4407Cは、後述する枠状部材4406の凹部4406Fに設置される。
これら弾性部材4407としては、弾性を有するシリコンゴムを採用でき、さらに、両面あるいは片面に表層の架橋密度を上げる表面処理を施したものが好ましい。このように、端面に表面処理を施すことにより、弾性部材4407を各凹部4405B,4405E,4406B,4406Gに設置する作業を容易に実施できる。
なお、弾性部材4407は、シリコンゴムに限らず、水分透過量の少ないブチルゴムまたはフッ素ゴムを使用してもよい。
枠状部材4405は、液晶パネル441の光束入射側と、入射側偏光板442の光束射出側との間に配置され、液晶パネル441の光束入射側を支持するとともに入射側偏光板442の光束射出側を支持する。
この枠状部材4405は、略中央部分に液晶パネル441の画像形成領域に対応した矩形状の開口部4405Aを有する平面視略矩形状のアルミニウム製の枠体である。
この枠状部材4405の光束射出側端面には、図5,6に示すように、第二弾性部材4407Bが嵌めこまれる凹部4405Bが形成されている。
この凹部4405Bに第二弾性部材4407Bをはめ込み、中間枠体4409に保持された液晶パネル441を開口部4405Aに対向させることで、開口部4405Aの光束射出側が閉塞される。
図6に示すように、この枠状部材4405の下方側左右方向略中央部分には、光束射出側面及び光束入射側面を貫通する孔4405Jが形成されている。さらには、枠状部材4405には、この孔4405Jと連通し、光束射出側に向かって突出した筒状部4405Cが形成されている。
また、枠状部材4405の下部には、下方に突出した筒状部4405Iが形成されている。この筒状部4405Iは、流体循環部材448と接続されるものである。
筒状部4405Cは、この筒状部4405Iに対して略直交するように配置され、連通接続している。そして、この筒状部4405Cの内側面の一部は、前記筒状部4405Iの中心軸と交差するように延出し、該内側面の一部には前記筒状部4405Iを介して流入した冷却流体を、枠状部材4405の光束入射側および光束射出側に分流する突出部4405C2が形成されている。
また、凹部4405Bにおける上方側の左右方向略中央部分には、光束射出側端面および光束入射側端面を貫通し、枠状部材4406の後述する筒状部4406Dを挿通可能とする挿通孔4405Dが形成されている。
さらに、枠状部材4405の光束入射側端面には、第一弾性部材4407Aに対応した凹部4405Eが形成されている。この凹部4405Eに第一弾性部材4407Aをはめ込み、入射側偏光板442を第一弾性部材4407Aに当接させて、枠状部材4405と偏光板固定部材4408Aとで挟持することで、入射側偏光板442が保持されることとなる。
また、枠状部材4405の光束入射側端面には、凹部4405Eよりも深い凹部4405Fが形成されている。
以上のような構成の枠状部材4405では、凹部4405Bにて第2弾性部材4407Bおよび中間枠体4409を介して液晶パネル441の光束入射側端面を支持することで、開口部4405Aの光束射出側が閉塞される。また、枠状部材4405に対して偏光板固定部材4408Aを固定することで、入射側偏光板442が第1弾性部材4407Aを介して枠状部材4405に押圧され、枠状部材4405の開口部4405Aの光束入射側が封止される。そして、枠状部材4405の開口部4405Aの光束入射側および光束射出側が閉塞されることで、枠状部材4405内部に冷却流体を封入可能とする第一冷却室R1(図6参照)が形成される。
第一冷却室R1は、液晶パネル441の画像形成領域に対向したものであり、入射側偏光板442及び液晶パネル441により形成されたものであるため、これらの熱が第一冷却室R1内の冷却流体に熱伝導可能となっている。
枠状部材4406は、光束入射側面で第三弾性部材4407Cを介して液晶パネル441を保持するとともに、光束射出側面で前記第四弾性部材4407Dを介して射出側偏光板443を保持するものである。
この枠状部材4406は、上述した枠状部材4405と略同様に、略中央部分に液晶パネル441の画像形成領域に対応した矩形状の開口部4406Aを有する平面視略矩形状のアルミニウム製の枠体である。
この枠状部材4406において、光束射出側端面には、第四弾性部材4407Dの形状に対応して矩形枠状の凹部4406Bが形成され、この凹部4406Bにて前記第4弾性部材4407Dを介して射出側偏光板443を支持する。そして、枠状部材4406が射出側偏光板443の光束入射側端面を支持することで、射出側偏光板443の光束入射側端面にて、開口部4406Aにおける光束射出側が閉塞される。
さらに枠状部材4406の前記凹部4406Bの内側には、凹部4406Bよりも深い凹部4406Eが形成されている。この凹部4406Eに連通するように、枠状部材4406には、上方に突出した筒状部4406Iが形成されている。
また、この筒状部4406Iに連通するように枠状部材4406の光束入射側端面には、枠状部材4405側に突出した筒状部4406Dが形成されている。
なお、光束入射側端面には、第三弾性部材4407Cに対応した形状の凹部4406Fが形成されており、この凹部4406Fに第三弾性部材4407Cをはめ込み、さらに、枠状部材4405により液晶パネル441を押圧することで、枠状部材4406の開口部4406Aが閉鎖される。
すなわち、枠状部材4406では、光束入射側端面に液晶パネル441を押圧するとともに、光束射出側端面に射出側偏光板443を押圧することで、開口部4406Aが閉鎖され、枠状部材4406内部に冷却流体が注入される第2冷却室R2が形成される。
第二冷却室R2は、液晶パネル441の画像形成領域に対向したものであり、射出側偏光板443及び液晶パネル441により形成されたものであるため、これらの熱は第二冷却室R2内の冷却流体に熱伝導可能となっている。
さらに、このような枠状部材4406には、前述した枠状部材4405の筒状部4405Cを挿入するための孔4406Cが形成されている。この孔4406Cは、第二冷却室R2に連通するように形成されている。
以上のような枠状部材4405,4406には、それぞれねじ孔が形成されており、このねじ孔にねじを螺合することで、枠状部材4405,4406が組み合わされる。
枠状部材4406と枠状部材4405とを組み合わせた状態では、枠状部材4406における筒状部4406Dが、中間枠体4409の後述する挿通孔4409D、第2弾性部材4407Bの挿通孔4407B1を介して、枠状部材4405における挿通孔4405Dに挿通される。
また、枠状部材4406と枠状部材4405とを組み合わせた状態では、枠状部材4405の筒状部4405Cが中間枠体4409の挿通孔4409D、第三弾性部材4407Cの挿通孔4407C1を介して枠状部材4406の孔4406Cに挿入される。
中間枠体4409は、アルミニウム製の平面視略矩形状の板体から構成され、液晶パネル441を保持するとともに、該液晶パネル441を枠状部材4405,4406の所定位置に位置決めするものである。
この中間枠体4409において、その略中央部分には、液晶パネル441の対向基板441Dを嵌合可能な矩形状の開口部4409Aが形成され、液晶パネル441の対向基板441Dを開口部4409Aに嵌合させることで、中間枠体4409に対して液晶パネル441が位置決めされる。
また、この中間枠体4409において、下方側端部の左右方向略中央部分、および上方側端部の光束射出側から見て左側角隅部分には、枠状部材4406の筒状部4406D、枠状部材4405の筒状部4405Cをそれぞれ挿通可能とする2つの挿通孔4409Dが形成されている。これら挿通孔4409Dは、枠状部材4405,4406に対する中間枠体4409の位置決め用の孔としての機能を有し、予め、中間枠体4409に対して液晶パネル441を位置決め固定した状態で、中間枠体4409の2つの挿通孔4409Dに枠状部材4406の筒状部4406D、枠状部材4405の筒状部4405Cをそれぞれ挿通することで、枠状部材4406,4405に対して中間枠体4409が位置決めされ、すなわち、液晶パネル441が枠状部材4406,4405の所定位置に位置決めされる。
[中継タンクの構成]
図7から図10を参照して中継タンク5の構造について説明する。
中継タンク5は、図7に示すように、クロスダイクロイックプリズム444を挟んで上下に対向配置されている。
図7において、クロスダイクロイックプリズム444の上部の中継タンク5は、光学装置本体440のカバー部材4404内に設置されており、クロスダイクロイックプリズム444の下部の中継タンク5は、プリズム固定台4401内に配置されている。
ここで、クロスダイクロイックプリズム444の上部に配置される中継タンク5を中継タンク5A、クロスダイクロイックプリズム444の下部に配置される中継タンク5を中継タンク5Bとする。
図8を用いて、クロスダイクロイックプリズム444の下部の中継タンク5Bについて説明する。
中継タンク5Bは、冷却流体が蓄積されるタンク本体51と、タンク本体51内に冷却流体を流入させるための冷却流体流入部52と、タンク本体51内から冷却流体を排出させるための冷却流体排出部53とを備えている。
タンク本体51は、中空の略直方体形状であり、内部に冷却流体が蓄積されている。このタンク本体51は、上面に向かって開口した断面略コ字形の本体部51Aと、この本体部51Aの開口を塞ぐ蓋部51Bとを備えている。
本体部51Aは、平面略矩形形状の底面部51A1及びこの底面部51A1の周縁から立ち上がった4枚の側面部51A2を備えている。
本体部51A内には、冷却流体が蓄積されており、この冷却流体の液面は、側面部51A2の孔51A21よりも上方に位置している。また、冷却流体の液面と、蓋部51Bとの間には隙間が形成されており、この隙間が気泡蓄積部51Cとなっている。すなわち、冷却流体の鉛直方向上側に気泡蓄積部51Cが形成されているのである。
蓋部51Bは、平板であり、上面に切欠き51B1が形成されるとともに、蓋部51Bの表裏面を貫通する貫通孔51B2が形成されている。
切欠き51B1は、冷却流体流入部52及び冷却流体排出部53を結ぶ軸線に沿って延びている。
貫通孔51B2は、切欠き51B1の一部につながっている。また、貫通孔51B2は、気泡蓄積部51Cと、中継タンク5のタンク本体51外部と連通するものである。この貫通孔51B2内部には、開放弁51Dが配置されている。
開放弁51Dは、中継タンク5のタンク本体51の外部と、気泡蓄積部51Cとを接続する。この開放弁51Dは、中空の円柱部51D11と、この円柱部51D11の先端に断面略V字形状の錘部51D12とが一体的になって形成されている。
この開放弁51Dは、気泡蓄積部51Cと中継タンク5の外部とを連通する連通路(切り欠き51B1と貫通孔51B2)を開放する開放状態、連通路を閉塞する閉塞状態を切り換えるものであり、気泡蓄積部51Cの内部が中継タンク5の外部に対して負圧状態である場合に開放状態とし、気泡蓄積部51Cの内部が中継タンク5の外部に対して負圧状態でない場合には閉塞状態とするように切り換わる、いわば逆止弁の役割を果たす。このような逆止弁の例としては、ダックビルバルブ(米Vernay Laboratories社)等が挙げら
れる。
このような貫通孔51B2や、開放弁51Dを設けない場合において、タンク5を流れる冷却流体の流れが急激に速くなった場合には、気泡蓄積部51Cに負圧が発生することがある。負圧が発生すると、気泡蓄積部51C中の気体が冷却流体内に入り込んでしまう虞がある。
これに対し、タンク5の気泡蓄積部51Cに連通する貫通孔51B2を設け、この貫通孔51B2に開放弁51Dを設置することで、気泡蓄積部51C内の圧力が常に大気圧に保たれることとなる。
これにより、気泡蓄積部51C中の気体が冷却流体中に入り込んでしまうのを防止することができる。
冷却流体流入部52は、図9に示すように、タンク本体51の側面部51A2の孔51A21に挿入される第一パイプ521と、この第一パイプ521の冷却流体流入側に接続された第二パイプ522とを備える。
第一パイプ521は、その冷却流体流出側端部が、中継タンク5Bの本体部51A内部に引き込まれ、他方の端部が、継ぎ手523に挿通されて固定されている。
第二パイプ522は、円柱状の大径部522Aと、この大径部522Aと連通する円柱状の小径部522Bとを備えている。小径部522Bは、第一パイプ521の他方の端部に対して、継ぎ手523を介して接続されている。
大径部522Aの小径部522Bと反対側の端部の外周面には、ねじが刻設されている。このねじには、カバー524が螺合している。この大径部522A内部には、流体循環部材448が挿入されている。この流体循環部材448の外周面には溝448Bが形成されており、この溝448B内には大径部522Aの内面に当接するOリング448Aが配置されている。
冷却流体排出部53は、図7に示すように、冷却流体流入部52と略同様の構成であり、冷却流体流入部52の第一パイプ521と同様の構成の第一パイプ531、冷却流体流入部52の第二パイプ522と同様の第二パイプ532、さらには、継ぎ手523と同様の継ぎ手533、カバー524と同様のカバー534を備える。
冷却流体排出部53及び冷却流体流入部52を結ぶ軸線は、中継タンク5の冷却流体の荷重がかかる方向(すなわち、鉛直方向)と略直交する軸線となっている。
第一パイプ531は、その冷却流体流入側端部が、中継タンク5Bの本体部51A内部に引き込まれている。
第二パイプ532には、流体循環部材448が挿入されており、流体循環部材448の外周面の溝448Bには、Oリング448Aが配置されている。
次に、図8を用いて、中継タンク5Bと、冷却流体流入部52および冷却流体排出部53との接続構成について説明する。
中継タンク5Bの側面部51A2のうち対向する一対の側面部51A2には、孔51A21が形成されている。
前記冷却流体流入部52及び冷却流体排出部53を構成する第一パイプ521,531は、ボールベアリングPおよび取り付け部材54を介して、この孔51A21に挿通されている。孔51A21の内周面には、ボールベアリングPの外輪が固定されている。
取り付け部材54は、プリズム固定台4401の外壁に沿って固定される板状部541と、この板状部541から中継タンク5B側に突出した中空の筒状部542とを備える。
板状部541には貫通孔541Aが形成されており、筒状部542内部と連通している。
筒状部542は、プリズム固定台4401の孔4401B11、および、中継タンク5Bの孔51A21を貫通しており、その外周面が、孔51A21内のボールベアリングPの内輪に固定されている。筒状部542の内部には、第一パイプ521,531の中継タンク側端部が貫通されて固定されている。
また、中継タンク5Bの側面部51A2の外壁面と、プリズム固定台4401の脚部4401Bの内壁面の間には、弾性部材57が介在されている。弾性部材57は、第一パイプ521,531、および、取り付け部材54の筒状部542を挿通している。
また、冷却流体排出部53側のボールベアリングPの外輪には、接続部材58を介して、後述する固定部材56が固定されている。すなわち、固定部材56は、冷却流体排出部53側のボールベアリングPの外輪を介して、中継タンク5Bに固定されている。また、固定部材56の内面と、第一パイプ531端部との間には、パッキン581が介在されており、固定部材56を通過する冷却流体を、ベアリングP側に流入させない構成となっている。
接続部材58は、冷却流体排出部53の第一パイプ531と、固定部材56とを連通させる筒状部材である。接続部材58は、中継タンク5Bの側面部51A2側の端部において、第一パイプ531の冷却流体流入側端部を内部に挿通した状態でボールベアリングPの外輪に接合されている。また、固定部材56側の端部は、固定部材56の第1固定部561端面に接合されている。
本実施形態では、中継タンク5Bと冷却流体流入部52および冷却流体排出部53とが、前述のような構成で接続されているため、第一パイプ521,531を通る軸線を回転軸として、中継タンク5Bおよび固定部材56が一体的に回転を行うこととなる。
冷却流体排出部53のタンク本体51の本体部51A内に配置された第一パイプ531の端部には、図8にも示すように、固定部材56を介してフィルタ55(気泡捕捉手段)が取り付けられている。
固定部材56は、第一パイプ531に固定される第一固定部561と、この第一固定部561とともにフィルタ55を挟持して固定する第二固定部562とを備える。
第一固定部561は、第一パイプ531の端部の周囲を覆うとともに第一パイプ531と連通する中空の筒状部561Aと、この筒状部561Aから広がるフランジ部561Bとを備える。
第二固定部562も両端が開口した中空の筒状部562Aと、この筒状部562Aから広がるフランジ部562Bとを備える。
フランジ部562Bには、前記フィルタ55の外周縁をはめ込む窪み562B1が形成されており、フィルタ55の外周縁を前記フランジ部562Bの窪み562B1にはめ込むとともに、第一固定部561のフランジ部561Bと、フランジ部562Bとでフィルタ55の外周縁を挟持することで、フィルタ55が所定の位置に固定される。すなわち、固定部材56はフィルタ55の周囲を取り囲むように配置される。
第二固定部562の筒状部562Aは、前記フランジ部562Bよりも冷却流体通過方向前段側、すなわち、フィルタ55の流体流入側に配置されている。この筒状部562Aは、冷却流体をフィルタ55にまで案内する役割を果たしている。
さらに、この筒状部562Aの上側面には、筒状の側面を上下方向に貫通する孔(排出孔)562A1が形成されている。すなわち、この孔562A1は、固定部材において、フィルタ55を通過する冷却流体流入側の上側面に形成されている。孔562A1からは、フィルタ55を通過できなかった気泡が固定部材56の外部へ排出される。
フィルタ55は、微細な複数の孔が形成された平板状のものであり、冷却流体を通過可能とするとともに、気泡の通過を防止するものである。このフィルタ55は孔が冷却流体の通過方向に沿うように配置されている。
フィルタ55の孔の大きさは、液晶パネル441の1画素の大きさよりも小さくすることが好ましく、例えば、孔の径は5μm以上、20μm以下であることが好ましい。なお、フィルタ55の孔の径は、冷却流体の粘度や、表面張力、冷却流体の流動圧力等に基づき決定される。
ここで、フィルタ55としては、例えば、網状の樹脂製のフィルタや、不織布等が例示できる。また、ステンレス等の耐腐食性に優れた金属製のフィルタとしてもよい。さらには、セラミックス製としてもよい。
クロスダイクロイックプリズム444の上部に配置される中継タンク5Aは、図7に示すように、上述したクロスダイクロイックプリズム444の下部に配置される中継タンク5Bと比較して、固定部材56における排出孔の形成位置を除いて、同一の構成である。
また、クロスダイクロイックプリズム444の上部に配置される中継タンク5Aでは、冷却流体流入部52’の構成が、クロスダイクロイックプリズム444の下部に配置される中継タンク5の冷却流体排出部53と同様の構成となっており、冷却流体排出部53’の構成が、クロスダイクロイックプリズム444の下部に配置される中継タンク5Bの冷却流体流入部52と同様の構成となっている。すなわち、中継タンク5Aでは、冷却流体流入部52’にフィルタ55が設けられているのである。
中継タンク5Aにおいて、冷却流体流入部52’の第一パイプ521端部に設けられた固定部材56では、第1固定部561の筒状部561Aの上側面に、排出孔としての孔561A1が形成されている。つまり、この孔561A1は、固定部材56において、フィルタ55を通過する冷却流体流入側の上側面に形成されている。
[冷却流体の循環]
次に、冷却流体の循環について説明する。
メインタンク445に蓄積された冷却流体は、流体圧送部を介して排出され、流体循環部材448を通り、中継タンク5Bの冷却流体流入部52に導入される。そして、冷却流体流入部52に導入された冷却流体は、タンク本体51内に案内される。タンク本体51内に案内された冷却流体は、タンク本体51内に蓄積されるとともに、徐々に固定部材56の第二固定部562の筒状部562A内に排出される。そして、第2固定部562の窪み562B1に嵌めこまれたフィルタ55を介して、冷却流体排出部53に排出される。
冷却流体中の気泡は、フィルタ55を通過することができないため、フィルタ55近傍に留まり、第二固定部562の筒状部562Aの孔562A1から排出される。そして、気泡蓄積部51Cに蓄積される。
中継タンク5Bから排出された冷却流体は、流体循環部材448により、分流されて、各光変調素子保持体4402に注入される。光変調素子保持体4402の枠状部材4405の筒状部4405Iは流体循環部材448に接続されており、光変調素子保持体4402の枠状部材4405の筒状部4405Iに注入された冷却流体は、突出部4405C2により、枠状部材4405の光束入射側および光束射出側に分流される。枠状部材4405の光束入射側に分流された冷却流体は、第一冷却室R1内に導入され、入射側偏光板442及び液晶パネル441を冷却して、枠状部材4406の筒状部4406D内に導入される。そして、枠状部材4406の筒状部4406Iから排出される。
一方、枠状部材4405の光束射出側に分流された冷却流体は、筒状部4405C内に導入され、さらに、第二冷却室R2内に排出される。第二冷却室R2内の冷却流体は、液晶パネル441及び射出側偏光板443を冷却した後、枠状部材4406の筒状部4406Iに排出される。
各光変調素子保持体4402の筒状部4406Iから排出された冷却流体は、流体循環部材448により合流して、中継タンク5Aに蓄積される。中継タンク5Aの冷却流体流入部52’には、フィルタ55が取り付けられているので、冷却流体中の気泡が、フィルタ55で取り除かれ、気泡は気泡蓄積部51Cに蓄積する。冷却流体は、中継タンク5Aの冷却流体排出部53’から排出され、流体循環部材448を介して、ラジエータ447にまで運ばれ、冷却された後、流体循環部材448を通り、メインタンク445にまで戻される。
このような本実施形態では、メインタンク445からの冷却流体を中継タンク5Bを介して光変調素子保持体4402の各冷却室R1,R2に送り、さらに、冷却室R1,R2から排出される冷却流体を中継タンク5Aを介してメインタンク445に戻している。これにより、光変調素子保持体4402の冷却室R1,R2内に冷却流体を密封させておく場合に比べ、冷却流体が暖められにくく、液晶パネル441、入射側偏光板442、射出側偏光板443を確実に冷却することができる。
さらに、本実施形態のタンク本体51内に配置されたフィルタ55は、流体の通過を可能とするとともに、気泡の通過を不可能とするものであるため、冷却流体中の気泡は、フィルタ55を通過することができない。この気泡は、フィルタ55付近に停滞した後、他の気泡と合わさって大きな気泡となり浮力により上昇し始める。そして、第二固定部562の筒状部562Aの孔562A1から排出され、冷却流体の液面の上部の気泡蓄積部51Cに蓄積されることとなる。
従って、中継タンク5Bから排出される冷却流体中には、気泡がほとんど残らず、中継タンク5Bから排出された冷却流体が案内される光変調素子保持体4402の冷却室R1,R2内に気泡が混入することがほとんどない。従って、光学装置44を透過する光束が気泡により散乱してしまうことがなく、プロジェクタ1により、鮮明な投射画像を形成することができる。
また、フィルタ55の孔は、非常に径が小さなものとなるので、冷却流体中にごみが混入していた場合であっても、フィルタ55によりごみの通過を防止することができる。
従って、タンク5Bから、光変調素子保持体4402の冷却室R1,R2内にごみが排出されてしまうのを防止することができる。
さらにフィルタ55の流体流入側に配置された第二固定部562の筒状部562Aに孔562A1を設けることで、フィルタ55で通過不能とした気泡をスムーズに気泡蓄積部51Cに蓄積することができる。冷却流体中の気泡をスムーズに気泡蓄積部51Cに排出することができるので、気泡が冷却流体中に長期間停滞することがなく、中継タンク5Bから冷却室R1,R2に対して、気泡が排出されてしまうのを確実に防止することができる。従って、プロジェクタ1により、鮮明な投射画像を形成することができる。
さらに、中継タンク5Aにもフィルタ55を設けることで、メインタンク445に戻る冷却流体中の気泡を除去することができる。
前述のように、中継タンク5Bは、冷却流体流入部52、冷却流体排出部53に軸支されて回転可能となっている。
ここで、図7に示すような、クロスダイクロイックプリズム444を挟んで、中継タンク5Bを下方向側、中継タンク5Aを上方向側となる位置関係を、プロジェクタ1を通常据える状態(所定の姿勢)とし、後記する図10に示すような、クロスダイクロイックプリズム444を挟んで、中継タンク5Bを上方向側、中継タンク5Aを下方向側となる位置関係を、プロジェクタ1を通常据える状態に対して天地が逆さまとなる状態(天地逆さまの姿勢)として説明する。
本実施形態の光源装置44を備えるプロジェクタ1の姿勢を天地逆さまに逆転させると、この逆転に伴って、冷却流体排出部53、冷却流体流入部52、冷却流体流入部52’、冷却流体排出部53’が逆転することとなる。冷却流体排出部53、冷却流体流入部52、冷却流体流入部52’、冷却流体排出部53’は、流体循環部材448のOリング448Aと第二パイプ522,532との間で生じる摩擦に勝る力により回転する。
一方、中継タンク5の重心は、回転軸よりも鉛直方向下方に位置している。従って、プロジェクタ1の姿勢を天地逆さまに逆転させると、中継タンク5が重力により、流体循環部材448に対して回転することとなる。
そのため、図10に示すように、プロジェクタ1を天地逆さまの姿勢に逆転した場合であっても、各中継タンク5内の冷却流体は、タンク本体51内部の下方に位置するとともに、気泡蓄積部が上方に位置することとなる。すなわち、中継タンク5の姿勢は、プロジェクタ1の姿勢によらず、常に一定の姿勢となるのである。
従って、プロジェクタ1の設置姿勢を天地逆さまの姿勢に逆転した場合であっても、気泡蓄積部51C中の気体がタンク本体51中の冷却流体中に混入することを防止することができる。従って、プロジェクタ1の設置姿勢によらず、常に鮮明な投射画像を形成することができる。
また、前述のように、固定部材56が中継タンク5に固定され、中継タンク5Bと一体的に姿勢を変えることから、固定部材56の姿勢は、プロジェクタ1の姿勢によらず常に一定の姿勢となる。すなわち、固定部材56に形成された排出孔(孔561A1,562A1)の位置は、プロジェクタ1が天地逆さまの姿勢に逆転された場合でも、固定部材56に固定されたフィルタ55に対し上方となる。
このため、図7および図10に示すように、排出孔(孔561A1,562A1)は、プロジェクタ1の姿勢によらず、常に、フィルタ55に対し、第一パイプ521,531を通過する冷却流体上流側の上方の固定部材56に形成されている。
従って、プロジェクタ1の姿勢によらず、フィルタ55に捕捉された気泡を、排出孔を介して固定部材56からスムースに排出し、気泡蓄積部51Cに蓄積させることができる。
さらに、中継タンク5は、重力により、流体循環部材448に対して、回転するので、例えば、モータ等の電気的な力を使用して中継タンク5を回転させる場合に比べ、省エネルギーを図ることができる。
〔2.第二実施形態〕
図11〜図13を参照して本発明の第二実施形態について説明する。
以下の説明では、既に説明した部分と同一の部分については、同一符号を付してその説明を省略する。
本実施形態のプロジェクタ1は、前記第一実施形態と比較して、排出孔の形成位置が異なるとともに、姿勢検出部と、圧送駆動制御部とを備えている点が異なる。なお、図11に示す冷却流体の流れる方向(図11中に矢印で示す)を、所定の流れ方向とする。
ここで、姿勢検出部は、プロジェクタ1の姿勢が変えられて、天地逆さまの姿勢で設置されたことを検出する。圧送駆動制御部は、姿勢検出部から天地逆さまの姿勢になった旨の連絡により、冷却流体の流れる方向を前記所定の方向と逆方向に変換する。
本実施形態では、図11に示すように、中継タンク5Bのパイプ531に配設される固定部材56Aにおいて、第1固定部561の上側面に孔561A1が、第2固定部562に上側面に孔562A1が形成されている。
すなわち、中継タンク5Bに配設された固定部材56Aには、当該固定部材56Aに固定されるフィルタ55に対して、冷却流体流入側および流出側の上側面に、それぞれ排出孔が形成されている。
また、中継タンク5Aにおいて、パイプ521端部に設けられた固定部材56Aにも、第1固定部561の上側面に孔561A1、第2固定部562の上側面に孔562A1が形成されている。すなわち、中継タンク5Aに配設された固定部材56Aには、中継タンク5Bと同様に、フィルタ55に対し冷却流体流入側および流出側の上側面に、それぞれ排出孔が形成されている。
図12は、制御基板11および電源ユニット12の構成を示すブロック図である。
制御基板11は、例えば、光学ユニット4の上方に配置される。この制御基板11は、CPU(Central Processing Unit)等の演算処理装置が実装された回路基板として構成
されている。
この制御基板11は、図12に示すように、プロジェクタ1におけるプロジェクタ1全体の駆動制御や、冷却流体の流れる方向の制御を行う圧送駆動制御部としての主制御系111と、液晶パネル441(441R,441G,441B)の駆動制御を行う表示制御系112と、メモリ113とを備えている。このうち、メモリ113は、表示制御系112が液晶パネル441を駆動制御する際に読み込まれる画像表示用設定データが記録されるものであり、EEPROMおよびフラッシュメモリ等で構成することができる。
主制御系111は、姿勢判定部1111と運転制御部1112からなり、姿勢判定部1111は、プロジェクタ1の姿勢を接続される姿勢検出センサ1113からの情報をもとに判定し、その判定結果(所定の姿勢か、あるいは天地逆さまの姿勢か等)を判定して、判定結果を運転制御部1112に連絡する。
なお、姿勢検出センサ1113は、本発明の姿勢検出部に相当し、例えば、加速度センサ等を用いることが考えられる。
一方、運転制御部1112は、姿勢判定部1111から、プロジェクタ1の姿勢が天地逆さまの姿勢であるという判定結果が連絡された場合には、ポンプ駆動ユニット1114に対して、冷却流体の流れる方向を、所定の流れ方向と反対方向にする制御信号を出力する駆動制御を行い、ポンプ駆動ユニット1114が、冷却流体の流れる方向をそのように変更する。
なお、前記した図12において、主制御系111のその他の制御に関する内容を説明すると、後述する電源ユニット12のランプ駆動ブロック121と電気的に接続され、図示しない操作スイッチおよびリモコン受光部からの操作信号に基づいて、ランプ駆動ブロック121に制御信号を出力し、光源装置411への電力供給を制御して、光源ランプの輝度を調整している。
また、表示制御系112は、前述の接続端子を介して外部から入力する画像情報と、メモリ113に記録された画像表示用設定データ、または、使用者の図示しない操作パネルの操作によって主制御系111から出力された画像表示用設定データとに基づいて、液晶パネル441を駆動制御する。また、表示制御系112は、主制御系111から出力される制御信号に基づいて、画像表示用設定データの読込および書込を、メモリ113に対して行う。
電源ユニット12は、光源装置411および制御基板11等のプロジェクタ1の電子部品に電力を供給する回路基板であり、図示しないインレットコネクタから供給される電力を変換する電源ブロック122と、この電源ブロック122の下方に配置されるランプ駆動ブロック121とを備えている。
電源ブロック122は、図示しないインレットコネクタに接続された電源ケーブルを通して外部から供給された電力を、ランプ駆動ブロック121および制御基板11等に供給する電源変換回路である。この電源ブロック122は、図12に示すように、外部電源から供給される交流電流を直流電流に変換する一次側電力供給系1221と、この一次側電力供給系1221によって直流変換された電力を、プロジェクタ1の電子部品に応じて所定の電圧に変圧する二次側電力供給系1222とに区分される。
本実施形態のプロジェクタ1を天地逆さまの姿勢に設置すると、図13に示すように、姿勢検出センサ1113および主制御系111の作用によって、光学装置44中を循環する冷却流体の流れ方向は、図11に示す前記所定の流れ方向に対し逆方向に変換される。
本実施形態によれば、前記実施形態と略同様の効果を奏することができるとともに、以下の効果を奏することができる。
本実施形態では、プロジェクタ1の姿勢の逆転と同時に、冷却流体の流れ方向を逆方向に変換させたことから、冷却室R1,R2を通過する冷却流体は、常に下側から上側へ向かって流通することとなる。冷却室R1,R2内部において、液晶パネル441からの熱によって加熱された冷却流体は上側に移動するが、この移動方向が、冷却流体の流通方向と同方向であるため、冷却室R1,R2内で冷却流体の対流が生じることはない。これにより、冷却室R1,R2内部の冷却流体は、液晶パネル441からの熱を効率よく冷却することができる。
また、本実施形態では、固定部材56Aにおいて、フィルタ55に対し冷却流体流入側および流出側の上側面にそれぞれ排出孔(孔561A1,562A1)を形成した。これにより、プロジェクタ1が天地逆さまの姿勢に逆転され、さらに、冷却流体の流れ方向が所定の方向と逆方向に変換されても、フィルタ55に対し、当該フィルタ55を通過する冷却流体流出側の上方に排出孔が形成されていることとなる。
従って、プロジェクタ1が天地逆さまの姿勢に逆転され、さらに、冷却流体の流れ方向が所定の方向と逆方向に変換されても、フィルタ55に捕捉された気泡を、排出孔を介してスムースに排出し、気泡蓄積部51Cに蓄積させることができる。
〔3.第三実施形態〕
図14を参照して本発明の第三実施形態について説明する。
以下の説明では、既に説明した部分と同一の部分については、同一符号を付してその説明を省略する。
前記第一実施形態では、固定部材56は、接続部材58を介して中継タンク5に固定されているとしたが、本実施形態では、接続部材58は備えられておらず、固定部材56は、中継タンク5Bでは冷却流体排出部53の第一パイプ531端部に、中継タンク5Aでは冷却流体流入部52’の第一パイプ521端部に固定されている。
すなわち、本実施形態では、固定部材56およびフィルタ55は、冷却流体流入部52,52’および冷却流体排出部53,53’と一体的に姿勢を変えることとなり、冷却流体流入部52,52’および冷却流体排出部53,53’を結ぶ軸線を回転軸として、中継タンク5のみが回転する。
これに加えて、本実施形態では、第一実施形態と比較して排出孔の形成位置が異なる。
本実施形態では、図14に示すように、中継タンク5Bのパイプ531に配設される固定部材56Bにおいて、第2固定部562の上側面に孔562A1が、第2固定部562の下側面に孔562A2が形成されている。
すなわち、中継タンク5Bに配設された固定部材56Bには、当該固定部材56Bに固定されるフィルタ55に対して、冷却流体流入側の上下側面にそれぞれ排出孔が形成されている。
一方、中継タンク5Aにおいて、パイプ521端部に設けられた固定部材56Bには、第1固定部561の上側面に孔561A1、第1固定部562の下側面に孔561A2が形成されている。すなわち、中継タンク5Aに配設された固定部材56Bには、中継タンク5Bと同様に、フィルタ55に対し冷却流体流入側の上下側面に、それぞれ排出孔が形成されている。
本実施形態によれば、前記第一実施形態と略同様の効果を奏することができるとともに、以下の効果を奏することができる。
本実施形態では、固定部材56Bが、第一パイプ521,531に嵌合することで固定されていることから、光学装置44の構成を簡易にすることができる。従って、光学装置44を構成する物品数および製作工程の低減を図ることができ、さらに、欠損や故障等の発生を抑えることができる。
〔4.第四実施形態〕
図15および図16を参照して、本発明の第四実施形態について説明する。
以下の説明では、既に説明した部分と同一の部分については、同一符号を付してその説明を省略する。
第四実施形態のプロジェクタ1は、前記第三実施形態と比較して、排出孔の形成位置が異なるとともに、前記第二実施形態に記載の姿勢検出部および圧送駆動制御部を備えている点が異なる。なお、図15に示す冷却流体の流れる方向(図15中に矢印で示す)を、所定の流れ方向とする。
本実施形態では、図15に示すように、中継タンク5Bのパイプ531に配設される固定部材56Cにおいて、第1固定部561の下側面に孔561A2が、第2固定部562の上側面に孔562A1が形成されている。
すなわち、中継タンク5Bに配設された固定部材56Cには、当該固定部材56Cに固定されるフィルタ55に対して、冷却流体流入側の上側面および流出側の下側面に、それぞれ排出孔が形成されている。
一方、中継タンク5Aにおいて、パイプ521端部に設けられた固定部材56Cには、第1固定部561の上側面に孔561A1、第2固定部562の下側面に孔562A2が形成されている。すなわち、中継タンク5Aに配設された固定部材56Cには、中継タンク5Bと同様に、フィルタ55に対し冷却流体流入側の上側面および流出側の下側面に、それぞれ排出孔が形成されている。
本実施形態には、第二実施形態と同様の姿勢検出センサ1113、ポンプ駆動ユニット1114、これらの駆動制御を行う制御基板11、および、電源ユニット12(全て、図12参照)が備えられている。
プロジェクタ1の姿勢が変えられ、天地逆さまの姿勢で設置されると、これら姿勢検出センサ1113、ポンプ駆動ユニット1114、および、制御基板11の作用によって、冷却流体の流れる方向が前記所定の方向と逆方向に変換される。
本実施形態のプロジェクタ1を天地逆さまの姿勢で設置すると、図16に示すように、姿勢検出センサ1113および主制御系111の作用によって、光学装置44中を循環する冷却流体の流れ方向は、図15に示す前記所定の流れ方向に対し逆方向に変換される。
本実施形態によれば、前記第三実施形態と略同様の効果を奏することができるとともに、以下の効果を奏することができる。
本実施形態では、プロジェクタ1の姿勢の逆転と同時に、冷却流体の流れ方向を逆方向に変換させたことから、冷却室R1,R2を通過する冷却流体は、下側から上側へ向かって流通することとなる。すなわち、冷却室R1,R2において、冷却流体の流れ方向と、液晶パネル441で発生する熱の伝達方向とが同方向となるので、冷却効果を向上することができる。
また、本実施形態では、固定部材56Cにおいて、フィルタ55に対し冷却流体流入側の上側面および流出側の下側面にそれぞれ排出孔(孔561A1,562A1,)を形成した。これにより、プロジェクタ1が天地逆さまの姿勢に逆転され、さらに、冷却流体の流れ方向が所定の方向と逆方向に変換されても、フィルタ55に対し、当該フィルタ55を通過する冷却流体流出側の上方に排出孔が形成されていることとなる。
従って、プロジェクタ1が天地逆さまの姿勢に逆転され、さらに、冷却流体の流れ方向が所定の方向と逆方向に変換されても、フィルタ55に捕捉された気泡を、排出孔を介してスムースに排出し、気泡蓄積部51Cに蓄積させることができる。
〔5.第三実施形態および第四実施形態の変形〕
図17は、前記した第三実施形態および第四実施形態の変形例としての光学装置本体440の内部構造を示す断面図である。
本変形例では、第三実施形態および第四実施形態で採用した固定部材56B,56Cのかわりに、図21に示すような固定部材56Dを採用している。固定部材56Dは、前述の固定部材56B,56Cと比較して、以下に示すように排出孔の形成位置が異なる。
図17に示すように、中継タンク5Bにおいて、パイプ531に配設される固定部材56Dには、第1固定部561の下側面に孔561A2が、第2固定部562の下側面に孔562A2が、さらに、第2固定部562の上側面に孔562A1が形成されている。
すなわち、中継タンク5Bに配設された固定部材56Dには、当該固定部材56Dに固定されるフィルタ55に対して、パイプ531を通過する冷却流体流入側の上側面、および、冷却流体流出側の上下側面に、それぞれ排出孔が形成されている。
一方、中継タンク5Aにおいて、パイプ521に配設される固定部材56Dには、第1固定部561の上側面に孔561A1、第1固定部561に下側面に孔561A2、さらに、第2固定部562に下側面に孔562A2が貫通形成されている。
すなわち、中継タンク5Aに配設された固定部材56Dには、中継タンク5Bと同様に、フィルタ55に対して、パイプ521を通過する冷却流体流入側の上下側面、および、冷却流体流出側の下側面にそれぞれ排出孔が形成されている。
このような固定部材56Dを有する当該光学装置44を備えたプロジェクタ1が、所定の姿勢で設置された場合、あるいは、天地逆さまの姿勢の姿勢で設置され、かつ、冷却流体の流れ方向が所定の流れ方向に対し逆方向に変換された場合のいずれにおいても、常に、固定部材56においてフィルタ55を通過する冷却流体の流入側上側面には、排出孔が形成されている。
従って、固定部材56Dは、プロジェクタ1が天地逆さまの姿勢で設置される場合(第三実施形態)、および、プロジェクタ1が天地逆さまの姿勢で設置され、かつ、冷却流体の流れ方向が所定の方向と逆方向に変換される場合(第四実施形態)のいずれにおいても、光学装置44に採用することができる。
〔6.前記実施形態の変形〕
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。なお、以下の説明では、既に説明した部分と同一の部分については、同一符号を付してその説明を省略する。
〔6-1.第一変形例〕
図18および図19を参照して本発明の第一変形例について説明する。
前記各実施形態では、中継タンク5のタンク本体51の蓋部51Bに貫通孔51B2を設け、この貫通孔51B2に開放弁51Dを設置することで、タンク本体51内の気泡蓄積部51Cの圧力の調整を行っていたが、本実施形態では、圧力の調整機構が前記実施形態と異なっている。なお、図18に示す本変形例では、第一実施形態を変形している。
本変形例の中継タンク6は、前記実施形態の中継タンク5と蓋部61Bの構成のみが異なっており、他の点においては同じ構造となっている。
すなわち、本実施形態の中継タンク6は、蓋部61B及びタンク本体51を有するタンク本体61と、冷却流体流入部52と、冷却流体排出部53と、フィルタ55と、固定部材56を備えている。
蓋部61Bは、本体部51A上に設置される板状の第1部材61B1と、この第1部材61B1上に設置される板状の第2部材61B2とを備える。
第1部材61B1には、気泡蓄積部51Cと、タンク本体61外部とを連通する連通路61B10が形成されている。
この連通路61B10は、第1部材61B1の表裏面を貫通し、気泡蓄積部51Cに連通する貫通孔61B11と、この貫通孔61B11の一方の開口に接続された連通路本体61B12とを備える。
図19にも示すように、連通路本体61B12は、第1部材61B1の表面を蛇行するように切り欠いたものである。この連通路本体61B12の先端(貫通孔61B11側と反対側の端部)は、第1部材61B1の側面61B13にまで延びており、第一部材61B1の側面61B13を切り欠いている。
連通路本体61B12の断面は図示しないが、略円弧状となっており、この円弧の径は、冷却流体の粘度や、冷却流体の流動圧力等に応じて決定される。
第二部材61B2は、第1部材61B1の貫通孔61B11や、連通路本体61B12の上面を覆うものである。
このような本変形例では、前記実施形態と略同様の効果を奏することができるうえ、以下の効果を奏することができる。
中継タンク6の蓋部61Bには、気泡蓄積部51Cと、タンク本体61外部とを連通する連通路61B10が形成されている。そして、この連通路61B10は、第1部材61B1の表裏面を貫通し、気泡蓄積部51Cに連通する貫通孔61B11と、この貫通孔61B11の一方の開口に接続された連通路本体61B12とを備える。
従って、貫通孔61B11及び連通路本体61B12を介して気泡蓄積部51C内の気圧を中継タンク6外部の気圧と等しくすることができ、気泡蓄積部51Cでの負圧の発生を防止することができるので、気泡蓄積部51C中の気体が中継タンク6中の冷却流体中に混入してしまうのを防止することができる。
さらに、中継タンク6の蓋部61Bに形成された連通路本体61B12は、蛇行して延びているので、連通路本体61B12の距離が非常に長いものとなり、万が一、冷却流体が連通路本体61B12内に入ってしまうことがあっても、連通路本体61B12から冷却流体が排出されてしまうことがない。
また、本実施形態の中継タンク6では、前記実施形態のように開放弁を使用する必要がないので、光学装置44の製造コストの低下を図ることができる。尚、本変形例では連通路本体61B12の断面を略円弧状としたが、矩形や三角形等の他の断面形状としても良い。
〔6-2.第二変形例〕
図20を参照して、本発明の第二変形例について説明する。
第二変形例の中継タンク7は、本体部51Aの冷却流体と気泡蓄積部51Cとの間に、気液分離膜が配置されている点が前記実施形態と異なっている。なお、図20に示す本変形例では、第一実施形態を変形している。
すなわち、本変形例の中継タンク7は、第三実施形態の中継タンク6のタンク本体61と、冷却流体流入部52と、冷却流体排出部53と、フィルタ55と、固定部材56と、気液分離膜77とを備えている。
タンク本体51の本体部51Aの4枚の側面部51A2にまたがるように、気液分離膜77が配置されている。
この気液分離膜77は、冷却流体の液面を覆うように配置されており、冷却流体の透過を阻止するとともに、気体を通過可能とするものである。この気液分離膜77は、多孔質膜であり、例えば、PTFE(4フッ化エチレン樹脂)や、シリコン樹脂等の膜が例示できる。
気液分離膜77の表面積は、前記側面部51A2で囲まれた平面の面積よりも大きく、気液分離膜77は、撓んだ状態で、前記側面部51A2に固定されている。このような気液分離膜77は、気泡蓄積部51C内の圧力、タンク本体51内の冷却流体の量に応じて変形することとなる。
このような本変形例では、前記各実施形態と略同様の効果を奏することができるうえ、以下の効果を奏することができる。
中継タンク7の冷却流体と、気泡蓄積部51Cとの境界部分に、冷却流体の透過を阻止し、気体を透過させる気液分離膜77が配置されているので、フィルタ55により、通過不能とされた気泡を、気液分離膜77を介して気泡蓄積部51Cに排出することができる。
さらに、気液分離膜77を撓んだ状態で配置することで、中継タンク6内の冷却流体の量の変動に対応することができる。すなわち、中継タンク6内の冷却流体の量が少ない場合には、気液分離膜77は下方に撓んだ状態となり、冷却流体の量が多い場合には、気液分離膜77が上方に撓んだ状態となる。
さらに、前記気液分離膜77は撓んだ状態で配置されているので、気泡蓄積部51Cの圧力の変動に応じて、気液分離膜77を変形させることができ、気泡蓄積部51Cの圧力変動に対応することができる。
なお、本変形例では、中継タンク7のタンク本体51の本体部51Aの4枚の側面部51A2にまたがるように、気液分離膜77を配置し、気液分離膜77を撓んだ状態として、側面部51A2に取りつけたが、このような取付け構造に限られるものではない。
例えば、図21の中継タンク7’のように、気液分離膜77をスライドさせるスライド機構を設けてもよい。この中継タンク7’において、スライド機構を設けた点以外は、第三実施形態の中継タンク7と同様の構造である。
タンク本体51の本体部51Aの4枚の側面部51A2に上下方向に延びる溝51A22を形成するとともに、気液分離膜77の周縁部にスライド部771を取付け、スライド部771を前記溝51A22内で摺動させることで、気液分離膜77の高さ位置を調整できる。なお、図21では、気液分離膜77は撓んだ状態ではなく、冷却流体の液面と略平行となっている。
このような構造を採用することで、気液分離膜77をスライドさせることができ、気泡蓄積部51Cの圧力を調整することができる。
〔6-3.その他の変形例〕
さらに、前記各実施形態では、中継タンク5〜7、7’を2つ設け、光変調素子保持体4402の冷却流体流入側及び冷却流体排出側にそれぞれ配置したが、これに限らず、光変調素子保持体4402の冷却流体流入側にのみ中継タンクを配置しても良い。このように中継タンクを一つとすることで部材点数の削減を図ることができるとともに、光学装置の小型化を図ることが可能となる。
さらに、前記各実施形態では、中継タンク5〜7、7’内にフィルタ55を設置し、気泡蓄積部51Cを設けるとともに、中継タンク5〜7、7’を回転可能とした構成を採用したが、これに限らず、メインタンク内にフィルタ55を配置するとともに、メインタンク内に気泡蓄積部を形成し、さらに、メインタンクを流体循環部材448に対して回転可能な構造としてもよい。
メインタンクをこのような構成とした場合であっても、前記実施形態と同様の効果を奏することができる。
ただし、中継タンク5〜7、7’の方がメインタンクよりも光変調素子保持体4402の冷却流体の流入側に近いので、メインタンクを出た冷却流体に気泡が発生しても中継タンク5〜7、7’で取り除くことが出来るため、光変調素子保持体4402の冷却室R1,R2内に気泡が混入された冷却流体が導入されてしまうことを、より確実に防止することができる。
さらに、前記各実施形態では、中継タンク5〜7、7’の回転軸は、中継タンク5〜7、7’の重心よりも鉛直方向上方に位置しており、プロジェクタ1を上下さかさまに設置した際に、中継タンク5〜7、7’は重力に伴って回転するとしたが、これに限らず、中継タンクの回転軸が中継タンクの重心よりも鉛直方向下方に位置する場合には、モータ等を用いて強制的に中継タンクを回転させてもよい。
さらに、前記各実施形態では、タンク本体51の本体部51Aの底面部51A1の外面に何も取り付けなかったが、必要に応じて錘を取り付けてもよい。このように錘を取り付けることで、プロジェクタ1を上下さかさまに設置した際に、中継タンクをより確実に回転させることができる。
また、前記各実施形態では、中継タンク内の冷却流体中の気泡を捕捉する手段として、平板状のフィルタ55を使用したが、これに限らず、数の孔を有する樹脂製のスポンジフォーム等を採用してもよい。
さらに、前記各実施形態では、フィルタ55を中継タンク5〜7、7’の冷却流体排出部53或いは、冷却流体流入部52’に対し、固定する固定部材56の第二固定部562の筒状部562Aには、気泡排出用の孔562A1を形成したが、この孔562A1はなくてもよい。
孔562A1がない場合には、気泡は、第二固定部562の筒状部562Aの開口から排出されることとなる。
また、前記第一実施形態および第二実施形態では、固定部材56,56Aが、接続部材58を介して中継タンク5に固定させることにより、固定部材56,56Aを中継タンク5とともに回転させるようにした。これとは別に、次のような構成を用いてもよい。中継タンク5Bに配設された冷却流体流入部52では、継ぎ手523において第一パイプ521を回転可能に支持させ、さらに、固定部材56,56Aを、第三実施形態と同様に、第一パイプ521端部に固定する。このようにすれば、プロジェクタ1の姿勢変更により、流体循環部材448および第二パイプ522が回転しても、第一パイプ521は回転しない。つまり、第一パイプ521端部に固定された固定部材56,56Aは、中継タンク5と同じ姿勢を保つことになる。冷却流体排出部53においても同様の構成となる。さらに、中継タンク5Aにおいても中継タンク5Bの構成と同様となる。ただし、冷却流体流入部52’の構成が冷却流体排出部53に、冷却流体排出部53’の構成が冷却流体流入部52に相当する。
前記した各実施形態では、光学装置44の備える冷却システムは、複数の流体循環部材448に分岐させ、分岐した各配管に光変調素子保持体4402を配設するとした。これに対し、本発明では、1本の流体循環部材448に、複数の光変調素子保持体4402を直列して配設してもよい。
本発明では、中継タンク5〜7、7’の内部に、開放弁51Dと、気液分離膜77とが共に配設されていてもよい。他にも、中継タンク5〜7、7’は、連通路61B10と、気液分離膜77とが共に配設される構成や、開放弁51Dと、連通路61B10とが共に配設されている構成も考えられる。このように、複数の構成を組み合わせることにより、冷却流体の漏れ抑止等の効果を、なおいっそう高めることができる。
前記各実施形態では、3つの液晶パネル441を用いたプロジェクタ1の例のみを挙げたが、本発明は、1つの液晶パネルのみを用いたプロジェクタ、2つの液晶パネルのみを用いたプロジェクタ、あるいは、4つ以上の液晶パネルを用いたプロジェクタにも適用可能である。
前記各実施形態では、光入射面と光射出面とが異なる透過型の液晶パネルを用いていたが、光入射面と光射出面とが同一となる反射型の液晶パネルを用いてもよい。
さらに、前記各実施形態では、光変調素子として液晶パネルを用いていたが、マイクロミラーを用いたデバイスなど、液晶以外の光変調素子を用いてもよい。この場合は、光束入射側および光束射出側の偏光板は省略できる。
前各記実施形態では、スクリーンを観察する方向から投写を行なうフロントタイプのプロジェクタの例のみを挙げたが、本発明は、スクリーンを観察する方向とは反対側から投写を行なうリアタイプのプロジェクタにも適用可能である。
本発明は、プロジェクタに利用することができる。
本発明の第一実施形態にかかるプロジェクタの概略構成を示す図。 前記実施形態にかかるプロジェクタの光学装置の要部を示す斜視図。 前記実施形態にかかるプリズム固定台及び中継タンクを示す斜視図。 前記実施形態にかかるカバー部材及び中継タンクを示す斜視図。 前記実施形態にかかる光変調素子保持体を示す分解斜視図。 前記実施形態にかかる光変調素子保持体の断面図。 前記実施形態にかかる光学装置の内部構造を示す断面図。 前記実施形態にかかる中継タンクの内部構造を示す断面図。 前記実施形態にかかる冷却流体流入部の構造を示す断面図。 前記実施形態におけるプロジェクタを天地逆さまの姿勢で設置した場合の光学装置の内部構造を示す断面図。 本発明の第二実施形態にかかる光学装置の内部構造を示す断面図。 前記実施形態にかかる制御基板および電源ユニットの構成を示すブロック図。 前記実施形態におけるプロジェクタを天地逆さまの姿勢で設置した場合の光学装置の内部構造を示す断面図。 本発明の第三実施形態にかかる光学装置の内部構造を示す断面図。 本発明の第四実施形態にかかる光学装置の内部構造を示す断面図。 前記実施形態におけるプロジェクタを天地逆さまの姿勢で設置した場合の光学装置の内部構造を示す断面図。 第三、第四実施形態の変形例にかかる光学装置の内部構造を示す断面図。 本発明の第一変形例にかかる中継タンクの内部構造を示す断面図。 前記中継タンクの蓋部を示す平面図。 本発明の第二変形例にかかる中継タンクの内部構造を示す断面図。 前記中継タンクの変形例を示す断面図。
符号の説明
1…プロジェクタ、5,5A,5B,6,7,7’…中継タンク(冷却流体蓄積部)、44…光学装置、51D…開放弁、52,52’…冷却流体流入部、53,53’…冷却流体排出部、55…フィルタ(気泡捕捉手段)、56,56A,56B,56C,56D…固定部材、77…気液分離膜、441…液晶パネル(光変調素子)、441R,441G,441B…液晶パネル、444…クロスダイクロイックプリズム(色合成光学装置)、448…流体循環部材、561A…筒状部(第2筒状部)、562A…筒状部(第1筒状部)、561A1,561A2,562A1,562A2…孔(排出孔)、771…スライド部(スライド機構)、51A22…溝(スライド機構)、1113…姿勢検出センサ(姿勢検出部)、1114…ポンプ駆動ユニット(圧送駆動制御部)、4402…光変調素子保持体、R1…第一冷却室、R2…第二冷却室、L…投射レンズ(投射光学装置)

Claims (18)

  1. 光源から射出された光束を画像情報に応じて変調して光学像を形成する光変調素子を含んで構成される光学装置であって、
    内部に冷却流体が封入されるとともに、光変調素子の画像形成領域に対して対向配置された冷却室が形成されており、前記冷却室内の冷却流体に対して、熱伝導可能に前記光変調素子を保持する光変調素子保持体と、
    前記冷却流体を蓄積するとともに、冷却流体の荷重がかかる方向と略直交する軸線上に冷却流体流入部及び冷却流体排出部を有する冷却流体蓄積部と、
    前記光変調素子保持体の前記冷却室に連通し、前記冷却流体蓄積部に蓄積された前記冷却流体を前記冷却流体排出部から前記冷却室に案内するとともに、前記冷却室から排出される冷却流体を前記冷却流体蓄積部の前記冷却流体流入部に案内する流体循環部材と、
    前記流体循環部材における冷却流体の流路中に配置され、前記冷却流体を、前記流体循環部材を介して強制的に循環させる流体圧送部とを備え、
    前記冷却流体蓄積部内部には、前記冷却流体を流通させるとともに、冷却流体中の気泡の通過を遮断する複数の孔を有する気泡捕捉手段が配置されるとともに、蓄積された流体の液面の鉛直方向上側に前記気泡捕捉手段で捕捉した気泡を蓄積する気泡蓄積部が形成されており、
    前記冷却流体蓄積部は、前記軸線を回転軸として回転可能に配設されていることを特徴とする光学装置。
  2. 請求項1に記載の光学装置において、
    前記冷却流体蓄積部の重心は、前記回転軸よりも鉛直方向下側に位置することを特徴とする光学装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の光学装置において、
    前記気泡捕捉手段は、固定部材を介して、前記冷却流体流入部および前記冷却流体排出部のうち少なくとも何れか一方に取り付けられ、
    前記固定部材には、前記気泡捕捉手段にて捕捉された気泡を前記気泡蓄積部に向けて排出する排出孔が形成されていることを特徴とする光学装置。
  4. 請求項3に記載の光学装置において、
    前記気泡捕捉手段は、前記固定部材を介して、前記冷却流体流入部および前記冷却流体排出部にそれぞれ取り付けられていることを特徴とする光学装置。
  5. 請求項3または請求項4に記載の光学装置において、
    前記固定部材は、
    前記軸線を回転軸として、前記冷却流体蓄積部とともに回転されるように取り付けられ、
    前記気泡捕捉手段の冷却流体流入側に延び、冷却流体を前記気泡捕捉手段に案内する第1筒状部と、前記気泡捕捉手段の冷却流体流出側に延びる第2筒状部とから構成され、
    前記気泡捕捉手段は、冷却流体に含まれる気泡を捕捉する気泡捕捉面が鉛直方向と略平行となるように、前記気泡捕捉手段の外縁部が前記第1筒状部および前記第2筒状部に挟持固定され、
    前記排出孔は、前記第1筒状部の鉛直方向上側に少なくとも1つ形成されていることを特徴とする光学装置。
  6. 請求項5に記載の光学装置において、
    前記排出孔は、前記第2筒状部の鉛直方向上側に少なくとも1つ形成されていることを特徴とする光学装置。
  7. 請求項3または請求項4に記載の光学装置において、
    前記冷却流体排出部および冷却流体流入部は、前記循環部材に固定され、
    前記固定部材は、
    前記冷却流体排出部および冷却流体流入部の少なくとも何れか一方に固定され、
    前記気泡捕捉手段の冷却流体流入側に延び、冷却流体を前記気泡捕捉手段に案内する第1筒状部と、前記気泡捕捉手段の冷却流体流出側に延びる第2筒状部とから構成され、
    前記気泡捕捉手段は、冷却流体に含まれる気泡を捕捉する気泡捕捉面が鉛直方向と略平行となるように、前記気泡捕捉手段の外縁部が前記第1筒状部および前記第2筒状部に挟持固定され、
    前記排出孔は、前記第1筒状部の鉛直方向上側および鉛直方向下側に少なくとも1つずつ形成されていることを特徴とする光学装置。
  8. 請求項7に記載の光学装置において、
    前記排出孔は、前記第2筒状部の鉛直方向下側に少なくとも1つ形成されていることを特徴とする光学装置。
  9. 請求項1から8の何れかに記載の光学装置において、
    前記冷却流体蓄積部の前記気泡蓄積部近傍には、前記気泡蓄積部と、前記冷却流体蓄積部外部とを連通可能とする開放弁が設けられていることを特徴とする光学装置。
  10. 請求項9に記載の光学装置において、
    前記開放弁は、前記気泡蓄積部と前記冷却流体蓄積部の外部とを連通する連通路を開放する開放状態、及び前記連通路を閉塞する閉塞状態を切り換え、
    前記開放弁による切り換えが、前記気泡蓄積部の内部が前記冷却流体蓄積部の外部に対して負圧状態である場合に前記開放状態とし、前記気泡蓄積部の内部が前記冷却流体蓄積部の外部に対して負圧状態でない場合に前記閉塞状態とすることを特徴とする光学装置。
  11. 請求項1から10の何れかに記載の光学装置において、
    前記冷却流体蓄積部の前記気泡蓄積部近傍には、前記気泡蓄積部及び冷却流体蓄積部の外部の双方に連通する連通路が形成されていることを特徴とする光学装置。
  12. 請求項11に記載の光学装置において、
    前記連通路は、蛇行していることを特徴とする光学装置。
  13. 請求項1から12の何れかに記載の光学装置において、
    前記冷却流体蓄積部内部の前記冷却流体と、気泡蓄積部との境界部分には、気泡蓄積部への冷却流体の通過を阻止し、気体の通過を可能とする気液分離膜が配置されていることを特徴とする光学装置。
  14. 請求項13に記載の光学装置において、
    前記気液分離膜は撓んだ状態で配置されていることを特徴とする光学装置。
  15. 請求項13または請求項14に記載の光学装置において、
    前記冷却流体蓄積部には、前記気液分離膜を鉛直方向に沿って上下させるスライド機構が設けられていることを特徴とする光学装置。
  16. 請求項1から15の何れかに記載の光学装置において、
    当該光学装置を所定の姿勢で設置した際に、冷却流体の荷重がかかる方向を鉛直方向下側、前記荷重がかかる方向と逆方向を鉛直方向上側とした場合に、
    冷却流体は、前記冷却室内部を前記鉛直方向下側から前記鉛直方向上側へ向かって流通することを特徴とする光学装置。
  17. 光源装置と、この光源装置から射出された光束を画像情報に応じて変調して光学像を形成する光変調素子を含んで構成される請求項1から請求項15の何れかに記載の光学装置と、前記光学装置にて形成された光学像を拡大投射する投射光学装置とを備えることを特徴とするプロジェクタ。
  18. 請求項17に記載のプロジェクタにおいて、
    前記流体循環部材は、冷却流体が前記冷却室内部を鉛直方向下側から上側に流通するように接続され、
    当該プロジェクタの姿勢を検出する姿勢検出部と、
    前記流体圧送部を駆動制御する圧送駆動制御部とを備え、
    当該圧送駆動制御部は、前記姿勢検出部により検出された当該プロジェクタの姿勢に応じて、前記流体圧送部を駆動制御して冷却流体の流通方向を切り換え、冷却室内部の冷却流体を、当該プロジェクタ自体の自重がかかる方向である下側から、前記自重がかかる方向と逆方向である上側へ流通させることを特徴とするプロジェクタ。
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