JP3838028B2 - 投射型表示装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶パネルを用いた投射型表示装置に関し、特に、液晶パネルの出射側に偏光分離手段を設けた液晶プロジェクターに関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の投射型表示装置の一例である液晶プロジェクターでは、図15に示すように、白色光を出射する光源302と、この光源302からの白色光を略平行にするリフレクター301と、リフレクター301からの反射光のうち例えばS波を透過させる入射側偏光板303と、入射側偏光板303を透過したS波を画像信号に応じて変調する透過型の液晶パネル304と、液晶パネル304の出射側に配設され、該液晶パネル304の透過光から任意の偏光成分(例えばS波)のみ透過させる出射側偏光板305と、出射側偏光板305の透過光をスクリーン上に拡大投射する投射レンズ306と、入射側偏光板303・液晶パネル304・出射側偏光板305を冷却するための冷却ファン307と、を有している。
【0003】
上記のような構成の液晶プロジェクター300において、入射側偏光板303よりS波が透過するものとすると、液晶パネル304にて例えば黒の領域ではS波をP波に変換し、白の領域ではS波が透過する変調を行う。一方の変換されたP波は、出射側偏光板305にて遮断されて黒を出力し、他方のS波は、透過して白を出力する。
【0004】
一方、R・G・Bの各分光をプリズム等を用いて合成する、いわゆる3板式の液晶プロジェクターにあっては、液晶パネルの出射側にプリズム等を設ける必要があり、投射レンズと液晶パネルとの距離を確保する必要がある。ここで、一般に、投射レンズと液晶パネルとの距離が広がるほど、液晶プロジェクターの投射像は暗くなり、逆に投射レンズと液晶パネルとの距離が小さくなるほど、明るい液晶プロジェクターを構成できる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のような構成の液晶プロジェクター300にあっては、出射側偏光板305が吸収型の偏光板であるため、黒を出力する場合に透過する偏光成分(例えばS波)に直交する偏光成分(例えばP波)を吸収してしまうと、熱を発生してしまう。特に、液晶プロジェクターの高輝度化に伴い、光量が増大するので、全ての領域を黒にて出力するような状態では、吸収型の偏光板が焼損する恐れがあった。
【0006】
さらには、このような偏光板の加熱は、コントラストの低下、色むらの発生、及び偏光板自身の短寿命化を引き起こす原因となっていた。
【0007】
また、出射側偏光板305の前段に、S波を透過してP波を反射する機能を有する部材を用いて、出射側偏光板305を燃やすP波を外方に反射して、出射側偏光板305が焼損するのを防ぐことが考えられる。
【0008】
しかしながら、3板式の液晶プロジェクターにおいては、プリズムの占有空間に加えて上記部材の占有空間までも確保しなければならず、投射レンズと液晶パネルとの間の距離が長くなり、液晶プロジェクターによる投射像が暗くなるという問題点があった。
【0009】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、偏光板の熱吸収を低減しながらも、高輝度化にも対応でき、しかも投射像が暗くなるのを防止することのできる投射型表示装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、光源からの光を少なくとも複数の異なる色に分離した状態で分光する色分離手段と、前記色分離手段にて分光された各々の各分光の強度変調を行う各液晶パネルと、各々の前記液晶パネルにて各々強度変調された各分光を合成する色合成手段と、前記色合成手段にて合成された合成光を被投射面上に拡大投射する投射手段と、少なくとも前記色合成手段の前記合成光の出射側に位置され、前記合成光の少なくとも2つの交差する偏光のうち、一方の偏光を透過し、他方の偏光を反射して少なくとも2つの偏光を分離する偏光分離手段と、を含み、前記偏光分離手段は、入射面を前記合成光の光路軸に対して所定の角度で傾斜した状態で配置されると共に、断面略くの字状に配置された前記合成光が入射する複数の各入射面を含み、各前記入射面は、各前記入射面にて各々反射された各前記他方の偏光が前記液晶パネルに入射しないように各々湾曲する各湾曲部をそれぞれ有し、各前記湾曲部にて各々反射される各前記他方の偏光による熱を各々吸収する各熱吸収部材をさらに有することを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、前記偏光分離手段は、該偏光分離手段にて反射された前記他方の偏光が前記液晶パネルに入射しない第1の角度と、前記偏光分離手段のコントラスト―傾斜角特性において前記色合成手段の合成光出射面と前記偏光分離手段の入射面とが略平行となる傾斜角時の第1のコントラスト値以上となる第2のコントラスト値に対応する第2の角度と、の間の範囲の傾斜角度にて配置されることが好ましい。
【0012】
また、本発明は、前記第1の角度は略15度、前記第2の角度は略35度であることを特徴としている。
【0013】
また、本発明は、前記偏光分離手段は、断面略くの字状に配置された前記合成光が入射する複数の各入射面を含むことを特徴としている。
【0014】
また、本発明は、前記偏光分離手段は、前記各入射面にて反射された前記他方の偏光が前記液晶パネルに入射しない第1の角度と、前記偏光分離手段のコントラスト―傾斜角特性において前記色合成手段の合成光出射面と各入射面とが略平行となる傾斜角時の第1のコントラスト値以上となる第2のコントラスト値に対応する第2の角度と、の間の範囲の傾斜角度にて配置されることを特徴としている。
【0015】
また、本発明は、前記偏光分離手段の各前記入射面は、各前記入射面にて各々反射された各前記他方の偏光が前記液晶パネルに入射しないように各々湾曲する各湾曲部をそれぞれ有し、各前記湾曲部にて各々反射される各前記他方の偏光による熱を各々吸収する各熱吸収部材をさらに有することを特徴としている。
【0016】
また、本発明は、前記液晶パネルは、横長に形成され、前記偏光分離手段は、前記液晶パネルの短手辺と対応する方向に向かうに従い前記色合成手段の合成光出射面と離間する方向に傾斜されることを特徴としている。
【0017】
また、本発明は、光源からの光を少なくとも複数の異なる色に分離した状態で分光する色分離手段と、前記色分離手段にて分光された各々の各分光の強度変調を行う各液晶パネルと、各々の前記液晶パネルにて各々強度変調された各分光を合成する色合成手段と、前記色合成手段にて合成された合成光を被投射面上に拡大投射する投射手段と、少なくとも前記色合成手段の前記合成光の出射側に位置され、前記合成光の少なくとも2つの交差する偏光のうち、一方の偏光を透過し、他方の偏光を反射して少なくとも2つの偏光を分離する偏光分離手段と、を含み、前記偏光分離手段は、入射面を前記合成光の光路軸に対して所定の角度で傾斜した状態で配置され、前記偏光分離手段にて反射された前記他方の偏光が前記色合成手段内を通じて前記色合成手段の外方に透過するように促す透過部材を、前記他方の偏光が前記色合成手段内より外方へ出射する出射面に配置することを特徴とする。
【0018】
また、本発明は、光源からの光を少なくとも複数の異なる色に分離した状態で分光する色分離手段と、前記色分離手段にて分光された各々の各分光の強度変調を行う各液晶パネルと、各々の前記液晶パネルにて各々強度変調された各分光を合成する色合成手段と、前記色合成手段にて合成された合成光を被投射面上に拡大投射する投射手段と、少なくとも前記色合成手段の前記合成光の出射側に位置され、前記合成光の少なくとも2つの交差する偏光のうち、一方の偏光を透過し、他方の偏光を反射して少なくとも2つの偏光を分離する偏光分離手段と、を含み、前記偏光分離手段は、入射面を前記合成光の光路軸に対して所定の角度で傾斜した状態で配置され、前記色合成手段の合成光出射面に隣接配置され、前記色合成手段と同一の材料にて形成されたガラス部材をさらに有し、前記ガラス部材中に前記偏光分離手段が内蔵されることを特徴とする。
【0019】
また、本発明は、前記偏光分離手段は、前記色合成手段に対面して配置される反射型の第1の偏光部材と、前記投射手段に対面して配置される吸収型の第2の偏光板と、が積層一体化されてなることを特徴としている。
【0020】
また、本発明は、光源からの光を少なくとも複数の異なる色に分離した状態で分光する色分離手段と、前記色分離手段にて分光された各々の各分光の強度変調を行う各液晶パネルと、各々の前記液晶パネルにて各々強度変調された各分光を合成する色合成手段と、前記色合成手段にて合成された合成光を被投射面上に拡大投射する投射手段と、少なくとも前記色合成手段の前記合成光の出射側に位置され、前記合成光の少なくとも2つの交差する偏光のうち、一方の偏光を透過し、他方の偏光を反射して少なくとも2つの偏光を分離する偏光分離手段と、を含み、前記偏光分離手段は、入射面を前記合成光の光路軸に対して所定の角度で傾斜した状態で配置され、前記色合成手段は、少なくとも前記他方の偏光が前記色合成手段内より外方へ出射できる出射面と、前記出射面と対向する面と、を有し、前記偏光分離手段は、少なくとも前記各面が対向する方向での前記色合成手段の側端部領域を除く長さに形成されることを特徴とする。
【0021】
また、本発明は、前記偏光分離手段は、前記側端部領域より内側を基点として傾斜され、該偏光分離手段にて反射された前記他方の偏光が前記液晶パネルに入射しない第4の角度と、前記偏光分離手段のコントラスト―傾斜角特性において前記色合成手段の合成光出射面と前記偏光分離手段の入射面とが略平行となる傾斜角時の第1のコントラスト値以上となる第2のコントラスト値に対応する第2の角度と、の間の範囲の傾斜角度にて配置されることを特徴としている。
【0022】
また、本発明は、光源からの光を少なくとも複数の異なる色に分離した状態で分光する色分離手段と、前記色分離手段にて分光された各々の各分光の強度変調を行う各液晶パネルと、各々の前記液晶パネルにて各々強度変調された各分光を合成する色合成手段と、前記色合成手段にて合成された合成光を被投射面上に拡大投射する投射手段と、少なくとも前記色合成手段の前記合成光の出射側に位置され、前記合成光の少なくとも2つの交差する偏光のうち、一方の偏光を透過し、他方の偏光を反射して少なくとも2つの偏光を分離する偏光分離手段と、を含み、前記偏光分離手段は、該偏光分離手段にて反射された前記他方の偏光が前記液晶パネルに入射しないように湾曲する湾曲部を有し、前記湾曲部にて反射される前記他方の偏光による熱を吸収する熱吸収部材をさらに有することを特徴としている。
【0023】
また、本発明は、前記偏光分離手段にて反射された前記他方の偏光が前記色合成手段内を通じて前記色合成手段の外方に透過するように促す透過部材を、前記他方の偏光が前記色合成手段内より外方へ出射する出射面に配置したことを特徴としている。
【0024】
また、本発明は、前記色合成手段の合成光出射面に隣接配置され、前記色合成手段と同一の材料にて形成されたガラス部材をさらに有し、前記ガラス部材中に前記偏光分離手段が内蔵されることを特徴としている。
【0025】
また、本発明は、前記偏光分離手段は、前記色合成手段に対面して配置される反射型の第1の偏光部材と、前記投射手段に対面して配置される吸収型の第2の偏光板と、が積層一体化されてなることを特徴としている。
【0026】
また、本発明は、光源からの光を強度変調して透過させる液晶パネルと、前記液晶パネルにて強度変調された光の少なくとも2つの交差する偏光のうち、一方の偏光を透過し、他方の偏光を反射して少なくとも2つの偏光を分離する偏光分離手段と、前記偏光分離手段にて分離された前記一方の偏光を被投射面上に拡大投射する投射手段と、を含み、前記偏光分離手段は、入射面を光路軸に対して傾斜し、該偏光分離手段にて反射された前記他方の偏光が前記液晶パネルに入射しない第1の角度と、前記偏光分離手段のコントラスト―傾斜角特性において前記液晶パネルとの出射面と前記偏光分離手段の入射面とが略平行となる傾斜角時の第1のコントラスト値以上となる第2のコントラスト値に対応する第2の角度と、の間の範囲の傾斜角度にて配置され、前記偏光分離手段は、前記偏光分離手段は、断面略くの字状に配置された前記合成光が入射する複数の各入射面を含み、各前記入射面は、各前記入射面にて各々反射された各前記他方の偏光が前記液晶パネルに入射しないように各々湾曲する各湾曲部をそれぞれ有し、各前記湾曲部にて各々反射される各前記他方の偏光による熱を各々吸収する各熱吸収部材をさらに有することを特徴とする。
【0027】
また、本発明は、前記偏光分離手段は、前記光路軸と直交する2つの直交方向のうちいずれか一方の方向を軸とする傾斜であることを特徴としている。
【0028】
また、本発明は、前記偏光分離手段は、前記直交方向のうちの双方の方向を軸として各々傾斜することを特徴としている。
【0029】
また、本発明は、前記偏光分離手段は、前記偏光分離手段は、断面略くの字状に配置された前記合成光が入射する複数の各入射面を含むことを特徴としている。
【0030】
また、本発明は、前記偏光分離手段の各前記入射面は、各前記入射面にて各々反射された各前記他方の偏光が前記液晶パネルに入射しないように各々湾曲する各湾曲部をそれぞれ有し、各前記湾曲部にて各々反射される各前記他方の偏光による熱を各々吸収する各熱吸収部材をさらに有することを特徴としている。
【0031】
また、本発明は、前記偏光分離手段は、前記液晶表示パネル側に配置される反射型の第1の偏光部材と、前記投射手段に対面して配置される吸収型の第2の偏光板と、が積層一体化されてなることを特徴としている。
【0032】
また、本発明は、光源からの光を強度変調して透過させる液晶パネルと、前記液晶パネルにて強度変調された光の少なくとも2つの交差する偏光のうち、一方の偏光を透過し、他方の偏光を反射して少なくとも2つの偏光を分離する偏光分離手段と、前記偏光分離手段にて分離された前記一方の偏光を被投射面上に拡大投射する投射手段と、を含み、前記偏光分離手段は、該偏光分離手段にて反射された前記他方の偏光が前記液晶パネルに入射しないように湾曲する湾曲部を有し、前記湾曲部にて反射される前記他方の偏光による熱を吸収する熱吸収部材をさらに有することを特徴としている。
【0033】
また、本発明は、前記偏光分離手段は、前記液晶表示パネル側に配置される反射型の第1の偏光部材と、前記投射手段に対面して配置される吸収型の第2の偏光板と、が積層一体化されてなることを特徴としている。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態の一例について、図面を参照して具体的に説明する。
【0035】
[第1の実施の形態]
(全体構成)
先ず、本発明の投射型表示装置の一例である液晶プロジェクターの全体の概略構成について、図1を参照して説明する。図1は、本例の液晶プロジェクターを示す説明図である。
【0036】
本例の液晶プロジェクター1は、図1に示すように、光源ランプ10と、光源ランプ10からの光を複数の異なる色(R・G・B)に分離した状態に分光する色分離手段(色分離光学系)であるダイクロイックミラー22・24と、光源ランプ10とダイクロイックミラー22との間に配設され、照度分布を均一化するインテグレータ12と、不定偏光を1種類の偏光に変換するための偏光変換手段である偏光変換システム14と、偏光変換システム14からの光束を縮小反射させる光学系であるミラー20と、ダイクロイックミラー22・24によって分光された各々の各分光(R・G・B)の強度変調を行う各液晶パネル42(42R・42G・42B)と、ダイクロイックミラー22と液晶パネル42Rとの間に配設される反射用のミラー26と、各液晶パネル42(42R・42G・42B)の入射側に配設されたコンデンサーレンズ41(41R・41G・41B)と、各液晶パネル42(42R・42G・42B)で強度変調された各分光(R・G・B)を合成する色合成手段であるクロスダイクロイックプリズム(以下、プリズムと言う)50と、このプリズム50にて合成された合成光を拡大投射する投射手段である投射レンズ(プロジェクションレンズ)70と、ダイクロイックミラー24と液晶パネル42Bとの間に配設され、他の2色光との間で異なる光路長を補償するリレー光学系30と、投射レンズ70とプリズム50との間に配設され、各液晶パネル42(42R・42G・42B)を透過する光のうち2つの直交偏光P波、S波のいずれか一方の直線偏光例えばS波を透過し、他方の直線偏光例えばP波を反射することで2つの直交偏光P波、S波を分離する偏光分離手段に含まれる反射型偏光板60と、を含んで構成される。
【0037】
インテグレータ12は、光源ランプ10の中心側からくる光を分散して周辺を明るくするものであり、2枚のレンズアレイ12a・12bから構成される。第1レンズアレイ12aを構成する矩形レンズは、光源ランプ10からの光束を分割して集光し、第2レンズアレイ12bの対応するリレーレンズに導き入れて二次光源像を形成する。第2レンズアレイ12bを構成するリレーレンズは、第1レンズアレイ12aの対応する矩形レンズの像を液晶パネル42(42R・42G・42B)上に結像させる。
【0038】
偏光変換システム(ポラロゼイションコンバーションシステム)14は、P波・S波の双方を含む光を、P波又はS波の偏光に併せていずれか一方のみの偏光を出力するためのシステムである。例えば一方の偏光P波を反射するとP波がS波に変わり、例えばS波のみだけ出力するという形に変換する。
【0039】
この偏光変換システム14は、コンデンサレンズ16と、第2レンズアレイ12bとコンデンサレンズ16との間に配設される板状の偏光ビームスプリッタ(PBS)アレイ15と、を含んで構成される。
【0040】
PBSアレイ15は、偏光分離面と反射面とを平行な状態で互い違いに配置したもので、一つの偏光分離面と一つの反射面とによって構成される対の数は、第1レンズアレイ12aの列あるいは行の数に対応している。
【0041】
偏光分離によってPBSアレイ15に形成された二次光源像は、P偏光による二次光源像とS偏光による二次光源像とが空間的に分離され、対になった状態で形成される。
【0042】
コンデンサレンズ16は、リレーレンズを通過する主光線を液晶パネル42(42R・42G・42B)の中心方向に向け、第1レンズアレイ12a上に形成された複数の矩形レンズの像を、液晶パネル42上に重ね合わせている。
【0043】
リレー光学系30は、2枚の反射ミラー32・34と、この反射ミラー32・34間に配設されたレンズ33と、を含んで構成される。
【0044】
プリズム50は、4つの直角状のプリズムをX字状に貼り合わせて略直方体状に構成されたもので、図1に示すように3つの面を各液晶パネル42R・42G・42Bの出射光を入射する面として用い、他の一つの面を合成光を出射する合成光出射面として用い、残りの2つの面のうちいずれか一方の面を後述する反射型偏光板60にて反射される偏光例えばP波をプリズム50内より外方へ逃す出射面として利用される。
【0045】
反射型偏光板60は、プリズム50より出射された合成光が入射する入射面を、合成光の光路軸に対して所定の角度で傾斜した状態で配置される。本例では、後述するようにこの傾斜角度が略15度〜略33度程度の範囲で設置されるため、反射型偏光板60を、投射レンズ70とプリズム50との間の幅狭の間隙内に配置できることとなる。なお、本例では、3つの各液晶パネル42からの出射光を反射するのに、1個の偏光板60で共通する構成としている。
【0046】
上述のような光学系の構成を有する液晶プロジェクター1において、光源ランプ10から放射された白色光は、ミラー20にて縮小反射され、2枚のダイクロイックミラー22・24によって、赤(R)、緑(G)、青(B)の3原色に分光され、対応する各液晶パネル42R、42G、42Bを照明する。
【0047】
液晶パネル42(42R、42G、42B)で各々強度変調された3原色光(R光、G光、B光)は、G光はプリズム50を直進透過し、B光はプリズム50内の連結面50M2で反射し、R光はプリズム50内の連結面50M2で反射することによってプリズム50にて合成され、投射レンズ70によってスクリーン(被投射面)上に拡大投射される。
【0048】
(偏光板の配置について)
ここで、本発明の特徴である反射型偏光板の配設構造について図2を用いて説明する。図2は、図1の3板式の液晶プロジェクターのうち少なくとも1つの色に対する光学系を抽出して模式的に示した概略説明図である。
【0049】
同図において、液晶プロジェクター1は、コンデンサーレンズ41と液晶パネル42との間に配設された入射側の反射型偏光板43、吸収型偏光板44と、プリズム50の合成光の出射側にて光路軸に対して所定の角度で傾斜した状態で配置された出射側の反射型偏光板60・吸収型偏光板62と、を有している。なお、入射側の反射型偏光板43は、入射側の吸収型偏光板44と同一の透過軸を有し、出射側の反射型偏光板60は、出射側の吸収型偏光板62と同一の透過軸を有している。
【0050】
なお、本例では、反射型偏光板60及び吸収型偏光板62とを積層した構造の偏光板(以下、積層品という場合がある)とし、この積層品を所定の傾斜角度にて傾斜して配置する構成としたが、反射型偏光板60のみ傾斜して配置し、吸収型偏光板62は傾斜させずに立設する(光路軸に対して直交する)構成としてもよい。立てた方が偏光度が高いからである。
さらに、本例では、図2に示すように、上方に向かうに従い広がる方向に傾斜する構成としたが、傾斜方向はこれに限定されず、下方に向かうに従い広がる方向に傾斜する構成であってもよい。
【0051】
反射型偏光板43、60は、例えば誘電体多層膜を積層した偏光性フィルム例えば(DBEF;3M社商品名)、(PCF;日東電工社商品名)(いずれも商品名)、等にて形成される。この反射型偏光板43、60は、入射される入射光のうち偏光面が直交する関係にある光を各々P波、S波とすると、ある偏光面をもつP波(例えば水平方向に振動する偏光光)は反射型偏光板43、60にて全反射し、S波(垂直方向に振動する偏光光)は偏光板43、60を透過する。
【0052】
なお、本例では、反射型偏光板60の傾斜角度が後述するように45度よりも小さいので、反射光がプリズム50内を通過して戻ることとなる。
【0053】
そこで、プリズム50の中やプリズム50の面にて屈折反射する光が液晶パネル42に戻るのを防止するために、図2に示すように、プリズム50の合成光出射面以外の各面には、反射型偏光板60にて反射された他方の直線偏光P波を透過させる透過部材(コート材)であるAR(アンチリフレクション)コート52を、前記他方の直線偏光の透過面に装着している。ARコート52は、プリズム50の表面を研磨した後に、装着することによって形成される。これによって、プリズム50の面での反射を無くすことができる。
【0054】
ARコート(アンチレフレクションコート)52の材質は、例えば誘電体の多層膜にて形成される。ここで、ARコート52は、液晶パネル42から入射する光が返らないように、液晶パネル42に面するプリズムの面及び上下のいずれか一方の面の計4面に少なくとも装着する。なお、光の通過しない他方の面については、装着しなくてもよい。
【0055】
反射型偏光板60にて反射した光は、プリズム50の合成光出射面より中に入り、プリズム50のARコート52の面から透過することとなる。
【0056】
(透過率―傾斜角特性)
ここで、本発明者等は、反射型偏光板60と吸収型偏光板62とを張り合わせて積層した偏光板(積層品)に対して角度を変化させ、この時の偏光度、透過率、及びコントラストを各々測定した。
【0057】
ここで、透過率とは、光の透過できる割合を示し、また、偏光度とは、P波とS波の分離できる割合を示す。
【0058】
本発明者等は、透過軸回りに傾斜させる場合と、透過軸と直交する吸収軸(反射軸)の回りに傾斜する場合を各々検討した。この結果、例えば図3に示すように、透過率―傾斜角特性においては、(吸収型)偏光板を透過軸まわりで傾斜させた場合、(反射型偏光板である)DBEFを透過軸まわりで傾斜させた場合、(以下、図3〜図5の説明において「偏光板」は吸収型の偏光板、「DBEF」は反射型の偏光板を各々示す)、積層品を透過軸まわりで傾斜させた場合には、B1、C1、A1に示されるように、傾斜角が大きくなるに従い透過率は低下し、一方、偏光板を吸収軸まわりで傾斜させた場合、DBEFを反射軸まわりで傾斜させた場合、積層品を吸収軸まわりで傾斜させた場合には、B2、C2、A2に示されるように、傾斜角が大きくなるに従い透過率は上昇する。
【0059】
なお、傾斜角度に拘わらず全体として透過率は、DBEF、偏光板、積層品の順に低くなる。
【0060】
以上のことから、偏光板、DBEF、及び積層品は、透過軸まわりに傾斜させると傾斜角が大きくなるに従い透過率が低下するが、吸収軸(反射軸)まわりに傾斜させると、測定器の誤差が出るものの透過率は上昇する。
【0061】
(偏光度―傾斜角特性)
次に、これらの6つのタイプについて、偏光度―傾斜角特性を検証すると、図4に示すような結果が得られた。すなわち、積層品の透過軸まわりA1、積層品の吸収軸まわりA2、偏光板透過軸まわりB1、偏光板吸収軸まわりB2、については、略30度前後までは偏光度は99.9%以上でほぼ一定、略30度を越えるとやや偏光度が落ちる。
【0062】
一方、DBEFについては、透過軸回り、吸収軸(反射軸)回りの双方ともC1、C2に示すように、略15度までは偏光度が上昇し、略15度〜略30度までは偏光度はやや下がり、略30度以上では偏光度が上昇する。
【0063】
(コントラスト―傾斜角特性)
さらに、上述の6つのタイプのうちDBEFを除く4つのタイプ別に、コントラスト―傾斜角特性を検証してみると、図5に示すような結果が得られた。すなわち、偏光板を透過軸まわりに傾斜する場合B1、偏光板を吸収軸まわりに傾斜する場合B2、積層品を透過軸まわりに傾斜する場合A1には、各々傾斜角が大きくなるに従いコントラストが400より除々に低下するが、積層品を吸収軸まわりに傾斜する場合A2のみ、傾斜角が30度以降の領域までは、コントラストが400よりやや大きく、前記領域以降はなだらかにコントラストが低下していく特性となっている。
【0064】
なお、DBEF、PCF等の反射型偏光板はコントラスト性能が低いため、DBEFの単独で用いた場合にはコントラストはかなり低く、また、反射型偏光板を単独で用いた場合も97〜98パーセント以下に低下するので、これら単独では使用できない。
【0065】
ここで、コントラストは、ある一定の漏れ光があると仮定して、垂直にした場合を基点にして計算し、図5では、この基点の値(本発明の第1のコントラスト値)が例えばコントラストが400の値の場所となっている。
【0066】
そして、積層品を吸収軸まわりに傾斜すると、A2に示すように、約5度から32〜35度くらいの間で基点よりも上がるコントラスト(本発明の第2のコントラスト)となる。
【0067】
従って、例えば約45度で吸収型偏光板を使う場合に比して、特性的に良いコントラストの液晶プロジェクターを提供できる。
【0068】
ただし、0度で垂直に立てた場合には、黒表示の場合には、反射光が液晶パネル42に戻り、液晶に蓄えてある電荷が、トランジスタがオンになることで、漏れ電流が発生するので好ましくない。従って、傾斜角度は、反射光が液晶パネル42に戻らない角度であることが好ましい。
【0069】
本例では、15度から30度の傾斜であって、倒す方向はDBEFの吸収軸、偏光板の吸収軸を中心として倒すのが好ましい。液晶パネル42は、横長に形成されている。このため、左右に傾斜させるよりも上下に傾斜させた方が、傾斜角度が浅くて済む。
【0070】
以上のことから、上限値(本発明の第2の角度)については、コントラスト―傾斜角特性において、好くなともコントラスト値が所定の値以下となる角度より大きいことが好ましい。具体的には、図5に示す特性図において、曲線A2のコントラスト値が400以下となる33〜35度前後の傾斜角度とするのが好ましい。さらには、図5における曲線A2の下降し始める角度、図4の偏光度が高い角度、等の観点から好ましくは略30度以下、さらには略15度〜略30度の傾斜角度とするのがより好ましい。なお、使用する偏光板の種類としては、図3のA2に示すように、傾斜角の拡大によって透過率が上昇する積層品を吸収軸回りに傾斜するものがよい。
【0071】
(傾斜角度の下限値について)
次に、下限値(本発明の第1の角度)について、図6及び図7を用いて説明する。この下限値は、原則的には反射型偏光板60にて反射される反射光が前記プリズム50を介して液晶パネル42(42G)に戻らない角度であることが好ましい。
【0072】
例えば、図7に示すような、プリズム50と同一の部材で形成された部材80内に偏光分離手段に含まれる反射型偏光板60(及び吸収型偏光板62)を配設した場合には、反射型偏光板60にて反射された反射光がプリズム50の頂点Oにくるような傾斜角θとなる。
【0073】
すなわち、プリズム50において反射光の屈折がなく屈折角が0度であるとすると、反射型偏光板60の法線方向に対して入射角度及び反射角度が等しく、理論上の下限値は、22.5度となる。
【0074】
しかし、ここにおいて、本発明者等は、以下の条件にて、より好ましい傾斜角θを実験的に算出した。例えば、プリズム50の大きさを40×40×40mmとし、液晶パネル42の大きさを1.3インチの28×21mm(アスペクト比4:3)とし、周辺の最低クリアランスを5.0mmとした場合、傾斜角θ=16.1度となることが判明した。
【0075】
従って、図7に示すもののような構成の場合には、反射型偏光板60の傾斜角は少なくとも約16.1度より小さくならない角度であることが好ましい。
【0076】
ただし、上述の条件において、周辺の最低クリアランスが少ない場合には、傾斜角θはさらに小さくなり傾斜角θ=15度前後としても構わない。
【0077】
なお、図7に示すようなガラス部材を形成していない場合である図6のような通常の例のような場合には、反射光がプリズム50に入射される時に例えばP点にて屈折するので、上記角度θに、屈折角度分余分に角度を増やすこととすればよい。例えば、一番屈折する波長の短い紫外光の屈折角度より大きい角度を、前記傾斜角度の下限値に増加分として加算すればよい。この増加分角度を仮にα度とすると、下限値は、15度前後+αの場合、16.1度+αの場合、22.5度+α度の場合等として導き出せる。
【0078】
してみると、下限値としては、ガラス部材がある場合においては、最低クリアランスが少ない場合である15度前後の場合、最低クリアランスが上記条件下である場合である16.1度の場合、理論上算出される22.5度の場合が挙げられる。
【0079】
一方、ガラス部材がない場合においては、上述の屈折角に鑑み、周辺の最低クリアランスが少ない場合である15度前後+αの場合、最低クリアランスが上記条件下である場合である16.1度+αの場合、理論上算出される22.5度の場合が挙げられる。
【0080】
以上のように、反射型偏光板60をプリズム50と同じ材質(光学ガラス)のガラス部材80内に配設する、もしくは2つのガラス部材で挟む構成とすることにより、図6に示すように、単に反射側偏光板60を傾斜角をもって配設する場合に比して、空気中からプリズム50に入射するときに屈折することがないため、傾斜角θの下限値を小さい値に設定できる。これによって、投射レンズ70とプリズム50間の距離をさらに近づけることができ、より明るい液晶プロジェクターを構成することができる。
【0081】
以上のことから、反射型偏光板60の傾斜角度としては、ガラス部材80を配設する場合には、好ましい順に、22.5度〜30度前後、16.1度〜30度前後、15度前後〜30度前後、22.5度〜33度前後、16.1度〜33度前後、15度前後〜33度前後、22.5度〜35度前後、16.1度〜35度前後、15度前後〜35度前後となる。
【0082】
また、ガラス部材80を配設しない場合には、好ましい順に22.5度+α〜30度前後、16.1度+α〜30度前後、15度前後+α〜30度前後、22.5度+α〜33度前後、16.1度+α〜33度前後、15度前後+α〜33度前後、22.5度+α〜35度前後、16.1度+α〜35度前後、15度前後+α〜35度前後となる。
【0083】
(作用について)
次に、上述のような構成の液晶プロジェクターの作用を図2に示す少なくとも1つ液晶パネルについて説明する。
【0084】
上記のように構成してなる液晶プロジェクター1において、コンデンサーレンズ41を透過したP波は、例えば入射側の反射型偏光板43にて反射される。これによって、吸収型偏光板44では上記反射される分の偏光を吸収せずに済み、吸収型偏光板44の加熱を防止できる。
【0085】
一方、コンデンサーレンズ41を透過したS波は、反射型偏光板43、吸収型偏光板44を透過し、液晶パネル42にて画像信号に応じて変調される。ここで、液晶パネル42が黒の領域では、S波が液晶パネル42を通過する間にネマティック液晶の複屈折効果を生じて、その偏光面は90度回転され、S波の偏光面が90度回転(直交変換)されたP波が液晶パネル42より出射される。一方、液晶パネル42が白の領域では、S波の偏光面は直進し、S波が液晶パネル42より出射される。
【0086】
上記のようにして液晶パネル42から出射されるS波は、プリズム50内を透過し、反射型偏光板60及び吸収型偏光板62を透過した後、投射レンズ70によりスクリーン上に投影される。
【0087】
一方、液晶パネル42から出射されるP波は、プリズム50内を透過し、反射型偏光板60によって光路外に反射される。
【0088】
従って、反射型偏光板60によって一方の偏光光が光路外に反射されるので、出射側の吸収型偏光板62で吸収される光は、殆どなくなり、出射側の吸収型偏光板の加熱を防止できる。
【0089】
ここで、本例では、上述したように少なくとも反射型偏光板60を略15度〜略35度前後の傾斜角度にて配設される。
【0090】
このような範囲の傾斜角度にすることにより、先ず、上記図5のコントラスト―傾斜角特性の特性図に示すように、高いコントラストを有する液晶プロジェクターを提供できる。しかも、図4の偏光度―傾斜角特性図に示すように、高い偏光度を維持でき、さらに加えて、図3に示す透過率―傾斜角特性図に示すように、高い透過率を維持できる。
【0091】
また、上限値に近い傾斜角度であったとしても、それによる反射型偏光板60の占有幅は比較的短い距離であることから、液晶パネル42と投射レンズ70との間の距離を短くすることができる。例えば、略15度前後から略35度前後の間でプリズム50の上下方向で傾斜させればよいので最大でも約0.5パスでよい。ここで、パスとは、投射レンズ70と液晶パネル42との距離を1単位としたときの距離をいう。また、一般に、投射レンズ70と液晶パネル42との距離が広がるほど、液晶プロジェクター1の投射像は暗くなり、逆に投射レンズ70と液晶パネル42との距離が小さくなるほど、明るい液晶プロジェクターを構成できるが、本例では、上記距離を小さく形成できることから、投射像の明るい液晶プロジェクターを構成できる。特に、図1に示すような3板式の液晶プロジェクター1では、プリズム50と投射レンズ70との間に形成される従来からある間隙を利用して配置できることから、反射型偏光板60専用の占有領域を新たに設けることを要せず、偏光板装着時の装置面積の小型化を図ることができる。
【0092】
さらにまた、下限値に近い略15度前後の傾斜角度にて反射型偏光板60を傾斜させた場合には、反射型偏光板60にて反射された反射光(戻り光)は、一旦プリズム50内を透過し、プリズム50の上面(反射光出射面)より外に出射される。ここで、上面(反射光出射面)には、ARコート52が配設されているので、プリズム50内を透過する反射光(戻り光)が前記上面にて反射することを防止し、外に透過できるので、反射型偏光板60での反射光のみならず、上面(反射光出射面)での反射光が戻り光となって液晶パネル42に戻るのを防止し、液晶パネル42の誤動作の発生を防止することができる。
【0093】
なお、上述したように、反射型偏光板60(及び吸収型偏光板62)を、図7に示すように、プリズム50とほぼ同じ材料のガラス部材80内に装着した場合には、上記下限値は、15度前後となるが、ガラス部材80を形成していない図6のような場合には、反射光がプリズム50に入射される入射面にて屈折するので、屈折角度分余分に角度α分を加算する必要があるが、この角度αは、例えば、一番屈折する波長の短い紫外光の屈折角度より大きければよい。
【0094】
以上のように本実施の形態によれば、従来は、全黒を表示すると出射側に配置される吸収型偏光板が熱になって燃えるが、本例では、吸収型偏光板に吸収されるべき光を出射側の反射型偏光板を用いて反射されるので、燃損の防止を図ることができる。これにより、クーリングが楽になるとともに、冷却ファンの出力を下げて、小型化、低音化を図ることができる。さらに、出射側の吸収型偏光板の熱負担を軽減して、長寿命化することが可能となる。
【0095】
さらに、偏光板の傾斜角度の好ましい傾斜範囲を、上述のような比較的狭い角度の範囲に設定できることから、投射レンズと液晶パネルとの距離も短く形成でき、明るい液晶プロジェクターを構成できる。加えて、上述の角度及びARコートにより、偏光板やプリズムにて反射される戻り光が液晶パネルに入射するのを防ぐことができる。
【0096】
さらに、上記角度による積層品自体の高コントラスト性能に加えて、液晶パネルの入射側及び出射側に偏光板を用いているので、偏光板を使用しない場合に比して、コントラストを向上させることができる。
【0097】
[第2の実施の形態]
次に、本発明にかかる第2の実施の形態について、図8づいて説明する。なお、以下には、前記第1の実施の形態の実質的に同様の構成に関しては説明を省略し、異なる部分についてのみ述べる。図8は、本例の液晶プロジェクターを示す概略説明図である。
【0098】
上述の第1の実施の形態では、反射型偏光板の上下方向での占有長さをプリズムの上下方向の長さと同じ構成としたが、本例の液晶プロジェクターの反射型偏光板では、プリズムの上下方向の長さに対して短い占有長さの反射型偏光板を用いている。
【0099】
図8に示すように、本例の液晶プロジェクター100は、上記第1の実施の実施の形態と共通する構成に加えて、プリズム50の幅(高さ)Z1より短い占有高さZ2にて形成され、傾斜角度θ2にて傾斜する偏光分離手段に含まれる反射型偏光板110と、この反射型偏光板110と同一の透過軸を有する吸収型偏光板112と、を含んで構成されている。
【0100】
ここで、プリズム50の側端部領域ZP、ZPは、製造時に起因する光学的不均一性が比較的現れやすい。そこで、本例では、この側端部領域ZP、ZPの使用を避けることによって、光学的均一性を維持することができる。
【0101】
すななち、反射型偏光板110及び吸収型偏光板112の設置領域を、プリズム50の側端部領域ZP、ZPを除く、図8に示すような占有高さZ2にて形成配置することとした。
【0102】
この場合には、傾斜角度θ2は、上記第1の実施の形態同様、上限値には変更はないが、下限値については若干の補正を行う必要がある。
【0103】
すなわち、占有高さがZ2に短くなった分、上記第1の実施の形態の下限値に補正角度δを減算する必要がある。従って、本例の場合の傾斜角度の下限値(本発明の第4の角度)は、クリアランスが小さい場合の15度前後−δ、通常のクリアランスの場合の16.1度−δとなる。ただし、これは、図9に示すようなプリズム50とほぼ同じ材質にて形成されたガラス部材120内に反射型偏光板110(及び吸収型偏光板112)が配設されて、空気中とプリズム50との境界での屈折がない場合の条件であり、空気中に反射型偏光板110(及び吸収型偏光板112)を配設する場合には、上記第1の実施の形態同様、屈折角度分余分に角度α度を増やすこととすればよい。この場合には、下限値は、15度前後+α−δの場合、16.1度+α−δ等となる。
【0104】
以上のことから、反射型偏光板110の傾斜角度としては、ガラス部材120を配設する場合には、好ましい順に、16.1度−δ〜30度前後、15度前後−δ〜30度前後、16.1度−δ〜33度前後、15度前後−δ〜33度前後、16.1度−δ〜35度前後、15度前後−δ〜35度前後となる。
【0105】
また、ガラス部材120を配設しない場合には、好ましい順に、16.1度+α−δ〜30度前後、15度前後+α−δ〜30度前後、16.1度+α−δ〜33度前後、15度前後+α−δ〜33度前後、16.1度+α−δ〜35度前後、15度前後+α−δ〜35度前後となる。
【0106】
以上のように本実施の形態によれば、上記第1の実施の形態と同様の作用効果を奏しながらも、プリズム製造時に起因する光学的不均一性が比較的現れやすいプリズムの側端部領域を使用しないことによって、光学的均一性を維持できる液晶プロジェクターを構成できる。
【0107】
また、偏光板の占有高さを短くできることから、第1の実施の形態に比してさらに傾斜角度を小さく、かつ、占有幅をも短くできることから、より明るい液晶プロジェクターを提供できることとなる。
【0108】
[第3の実施の形態]
次に、本発明にかかる第3の実施の形態について、図10に基づいて説明する。図10は、本例の液晶プロジェクターの一部を示す概略説明図である。
【0109】
本例の液晶プロジェクター130では、上記第1の実施の形態と共通の構成に加えて、図10に示すように、上記第1の実施の形態に示すような1平面状の反射型偏光板に代えて、それぞれ光路軸に対して傾斜角度θ3で傾斜した2つの入射面(反射面)140a・140bを有する断面略くの字形状の反射型偏光板142と、平面状の吸収型偏光板142と、を含んで構成されている。なお、吸収型偏光板142も同様にくの字形状にしても構わない。
【0110】
この場合には、傾斜角度の下限値(本発明の第3の角度)は、本発明者等が上記第1の実施の形態と同じ条件下で検討を行った結果、傾斜角度θ3=9.35度となることが判明した。
【0111】
従って、この場合には、傾斜角度の下限値は、寸法誤差及び取付誤差等を含めて略9.35度前後となる。
【0112】
ただし、これは、図12に示すようなプリズム50とほぼ同じ材質にて形成されたガラス部材150内に反射型偏光板140が配設されて、空気中とプリズム50との境界での屈折がない場合の条件であり、図11に示すように、空気中に反射型偏光板140を配設する場合には、上記第1の実施の形態同様、屈折角度分余分に角度α度を増やすこととすればよい。この場合には、下限値は、9.35度+αとなる。なお、上限値については、上記第1の実施の形態同様、変更はない。
【0113】
以上のことから、反射型偏光板150の傾斜角度としては、ガラス部材を配設する場合には、好ましい順に、9.35度〜30度前後、9.35度〜33度前後、9.35度〜35度前後となる。
【0114】
また、ガラス部材を配設しない場合には、好ましい順に、9.35度+α〜30度前後、9.35度+α〜33度前後、9.35度+α〜35度前後となる。
【0115】
以上のように本実施の形態によれば、上記第1の実施の形態と同様の作用効果を奏しながらも、第1、第2の実施の形態に比してさらに投射レンズと液晶パネルとの距離を短くできることから、より明るく、より小さい液晶プロジェクターを提供できることとなる。
【0116】
なお、このようなくの字形状の偏光板において、第2の実施の形態のようなプリズムの側端部領域まで形成しない短い偏光板としてもよい。さらに、くの字状の上部と下部の各入射面を互いに異なる傾斜角度で形成してもよい。
【0117】
[第4の実施の形態]
次に、本発明にかかる第4の実施の形態について、図13に基づいて説明する。図13は、本例の液晶プロジェクターの一部を示す概略説明図である。
【0118】
本例の液晶プロジェクター160は、上記第1の実施の形態と共通の構成に加えて、図13に示すように、プリズム50の一辺よりやや長く形成した反射型偏光板170及び吸収型偏光板171を湾曲形成するとともに、この湾曲部からの反射光を集光して光、熱を吸収するための熱吸収部材であるライトアブソーバ172を配設している。
【0119】
なお、ライトアブソーバ172の材料としては、例えば、硫化ビスマス等を用いることが好ましい。これにより、より効率的に熱の吸収を行うことができる。
【0120】
このように形成することにより、偏光板を湾曲させると、斜めに配置したものより狭くなるので、プリズム50と投射レンズ70との幅狭の間隙内において、上述の第1の実施の形態のような傾斜角度が実施できなかったとしても、湾曲することで反射光を逃すことができ、上記第1の実施の形態と同様の作用効果を奏しながらも、さらにプリズムと液晶パネルとの距離を短く形成でき、さらに明るく、小型化の可能な液晶プロジェクターを提供できる。
【0121】
さらに、ライトアブソーバーとして硫化ビスマスを用いることにより、熱吸収を効率的に行うことができる。
【0122】
なお、本例では、反射型偏光板170及び吸収型偏光板171の双方を湾曲する構成としたが、反射型偏光板170のみを湾曲する構成としてもよい。
【0123】
[第5の実施の形態]
次に、本発明にかかる第5の実施の形態について、図14に基づいて説明する。図14は、本例の液晶プロジェクターの一部を示す概略説明図である。
【0124】
本例の液晶プロジェクター180は、上記第1の実施の形態と共通する構成に加えて、図14に示すように、上記第1の実施の形態に示すような1平面状の反射型偏光板に代えて、それぞれ光路軸に対して湾曲する湾曲部である2つの入射面(反射面)190a・190bを有するくの字形状の反射型偏光板190と、平面状の吸収型偏光板191と、プリズム50の上下位置の外側方に各々配設され、この入射面(反射面)190a・190bからの反射光を各々集光して光、熱を吸収するための一対の熱吸収部材であるライトアブソーバ192a・192bと、を含んで構成されている。なお、吸収型偏光板191も同様にくの字形状で湾曲する構成にしても構わない。
【0125】
この例によれば、上記第1の実施の形態と同様の作用効果を奏しながらも、第4の実施の形態に比してさらに投射レンズと液晶パネルとの距離を短くできることから、より明るく、より小さい液晶プロジェクターを提供できることとなる。
【0126】
なお、このようなくの字形状の偏光板において、第2の実施の形態のようなプリズムの側端部領域まで形成しない短い偏光板としてもよい。
【0127】
なお、本発明にかかる装置と方法は、そのいくつかの特定の実施の形態に従って説明してきたが、当業者は本発明の主旨および範囲から逸脱することなく本発明の本文に記述した実施の形態に対して種々の変形が可能である。例えば、上述の各実施の形態では、液晶プロジェクターとして3板式のものを挙げたが、単板式の液晶プロジェクターであっても上述の各実施の形態について適用可能である。この場合には、傾斜及び湾曲方向は上下方向(XZ平面にてX軸を中心とした傾斜)のみだけでなく、左右方向(XZ平面にてZ軸を中心とした傾斜)にも傾斜及び湾曲可能である。なお、液晶パネルが横長の形成であることから、X軸を中心とした傾斜の方がより好ましい。また、図10に示すような例では、上下方向の2つの反射面だけでなく、上下方向左右方向各々にも傾斜する4つの反射面を形成する構成であってもよい。さらには、この4つを各々図14に示すように湾曲させる構成であってもよい。
【0128】
さらにまた、図13や図14に示すものにおいて、光が戻ることがなければ、湾曲部分を多段に形成してもよい。
【0129】
また、上述の例では、プリズムとガラス部材を別部材として形成したが、一体的に形成されたプリズムの側部に偏光分離手段を配設する構成であってもよい。
【0130】
さらに、上述の各実施の形態同士及びそれらと各変形例との組み合わせによる例も含むことは言うまでもない。
【0131】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、従来は、全黒を表示すると出射側に配置される偏光板で遮断された光が熱となって燃えるが、本例では、吸収型偏光板に吸収されるべき光を出射側の偏光分離手段を用いて反射されるので、燃損の防止を図ることができる。これにより、クーリングが楽になるとともに、冷却ファンの出力を下げて、小型化、低音化を図ることができる。さらに、出射側の吸収型偏光板の熱負担を軽減して、長寿命化することが可能となる。
【0132】
さらに、偏光分離手段の傾斜角度の好ましい傾斜範囲を、比較的狭い角度の範囲に設定できることから、投射手段と液晶パネルとの距離も短く形成でき、明るい液晶プロジェクターを構成できる。加えて、上述の角度及び透過部材により、偏光分離手段や色合成手段にて反射される戻り光が液晶パネルに入射するのを防ぐことができる。
【0133】
さらに、上記角度による偏光分離手段自体の高コントラスト性能によってコントラストを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の投射型表示装置の一実施形態の構成の一例を示す説明図である。
【図2】図1の投射型表示装置の一部を示す側面図である。
【図3】図1の投射型表示装置の反射型偏光板の透過率―傾斜角特性を示す特性図である。
【図4】図1の投射型表示装置の反射型偏光板の偏光度―傾斜角特性を示す特性図である。
【図5】 図1の投射型表示装置の反射型偏光板のコントラスト―傾斜角特性を示す特性図である。
【図6】反射型偏光板の傾斜角の下限を説明するための説明図である。
【図7】反射型偏光板の傾斜角の下限を説明するための説明図である。
【図8】本発明の投射型表示装置の他の実施の形態の構成の一例を示す概略側面図である。
【図9】反射型偏光板の傾斜角の下限を説明するための説明図である。
【図10】本発明の投射型表示装置の他の実施の形態の構成の一例を示す概略側面図である。
【図11】反射型偏光板の下限を説明するための説明図である。
【図12】反射型偏光板の下限を説明するための説明図である。
【図13】本発明の投射型表示装置の他の実施の形態の構成の一例を示す概略側面図である。
【図14】本発明の投射型表示装置の他の実施の形態の構成の一例を示す概略側面図である。
【図15】従来の投射型表示装置の構成の一例の示す概略説明図である。
【符号の説明】
1 液晶プロジェクター
10 光源ランプ
22、24 ダイクロイックミラー
42R、42G、42B 液晶パネル
50 プリズム
60 反射型偏光板
62 吸収型偏光板
70 投射レンズ
Claims (19)
- 光源からの光を少なくとも複数の異なる色に分離した状態で分光する色分離手段と、
前記色分離手段にて分光された各々の各分光の強度変調を行う各液晶パネルと、
各々の前記液晶パネルにて各々強度変調された各分光を合成する色合成手段と、
前記色合成手段にて合成された合成光を被投射面上に拡大投射する投射手段と、
少なくとも前記色合成手段の前記合成光の出射側に位置され、前記合成光の少なくとも2つの交差する偏光のうち、一方の偏光を透過し、他方の偏光を反射して少なくとも2つの偏光を分離する偏光分離手段と、
を含み、
前記偏光分離手段は、入射面を前記合成光の光路軸に対して所定の角度で傾斜した状態で配置されると共に、断面略くの字状に配置された前記合成光が入射する複数の各入射面を含み、
各前記入射面は、各前記入射面にて各々反射された各前記他方の偏光が前記液晶パネルに入射しないように各々湾曲する各湾曲部をそれぞれ有し、
各前記湾曲部にて各々反射される各前記他方の偏光による熱を各々吸収する各熱吸収部材をさらに有することを特徴とする投射型表示装置。 - 請求項1において、
前記第1の角度は略15度、前記第2の角度は略35度であることを特徴とする投射型表示装置。 - 請求項1又は請求項2において、
前記偏光分離手段は、前記各入射面にて反射された前記他方の偏光が前記液晶パネルに入射しない第1の角度と、前記偏光分離手段のコントラスト―傾斜角特性において前記色合成手段の合成光出射面と各入射面とが略平行となる傾斜角時の第1のコントラスト値以上となる第2のコントラスト値に対応する第2の角度と、の間の範囲の傾斜角度にて配置されることを特徴とする投射型表示装置。 - 請求項1〜請求項3のいずれかにおいて、
前記液晶パネルは、横長に形成され、
前記偏光分離手段は、前記液晶パネルの短手辺と対応する方向に向かうに従い前記色合成手段の合成光出射面と離間する方向に傾斜されることを特徴とする投射型表示装置。 - 光源からの光を少なくとも複数の異なる色に分離した状態で分光する色分離手段と、
前記色分離手段にて分光された各々の各分光の強度変調を行う各液晶パネルと、
各々の前記液晶パネルにて各々強度変調された各分光を合成する色合成手段と、
前記色合成手段にて合成された合成光を被投射面上に拡大投射する投射手段と、
少なくとも前記色合成手段の前記合成光の出射側に位置され、前記合成光の少なくとも2つの交差する偏光のうち、一方の偏光を透過し、他方の偏光を反射して少なくとも2つの偏光を分離する偏光分離手段と、
を含み、
前記偏光分離手段は、入射面を前記合成光の光路軸に対して所定の角度で傾斜した状態で配置され、
前記偏光分離手段にて反射された前記他方の偏光が前記色合成手段内を通じて前記色合成手段の外方に透過するように促す透過部材を、前記他方の偏光が前記色合成手段内より外方へ出射する出射面に配置することを特徴とする投射型表示装置。 - 光源からの光を少なくとも複数の異なる色に分離した状態で分光する色分離手段と、
前記色分離手段にて分光された各々の各分光の強度変調を行う各液晶パネルと、
各々の前記液晶パネルにて各々強度変調された各分光を合成する色合成手段と、
前記色合成手段にて合成された合成光を被投射面上に拡大投射する投射手段と、
少なくとも前記色合成手段の前記合成光の出射側に位置され、前記合成光の少なくとも2つの交差する偏光のうち、一方の偏光を透過し、他方の偏光を反射して少なくとも2つの偏光を分離する偏光分離手段と、
を含み、
前記偏光分離手段は、入射面を前記合成光の光路軸に対して所定の角度で傾斜した状態で配置され、
前記色合成手段の合成光出射面に隣接配置され、前記色合成手段と同一の材料にて形成されたガラス部材をさらに有し、
前記ガラス部材中に前記偏光分離手段が内蔵されることを特徴とする投射型表示装置。 - 請求項1〜請求項6のいずれかにおいて、
前記偏光分離手段は、前記色合成手段に対面して配置される反射型の第1の偏光部材と、前記投射手段に対面して配置される吸収型の第2の偏光板と、が積層一体化されてなることを特徴とする投射型表示装置。 - 光源からの光を少なくとも複数の異なる色に分離した状態で分光する色分離手段と、
前記色分離手段にて分光された各々の各分光の強度変調を行う各液晶パネルと、
各々の前記液晶パネルにて各々強度変調された各分光を合成する色合成手段と、
前記色合成手段にて合成された合成光を被投射面上に拡大投射する投射手段と、
少なくとも前記色合成手段の前記合成光の出射側に位置され、前記合成光の少なくとも2つの交差する偏光のうち、一方の偏光を透過し、他方の偏光を反射して少なくとも2つの偏光を分離する偏光分離手段と、
を含み、
前記偏光分離手段は、入射面を前記合成光の光路軸に対して所定の角度で傾斜した状態で配置され、
前記色合成手段は、少なくとも前記他方の偏光が前記色合成手段内より外方へ出射できる出射面と、前記出射面と対向する面と、を有し、
前記偏光分離手段は、少なくとも前記各面が対向する方向での前記色合成手段の側端部領域を除く長さに形成されることを特徴とする投射型表示装置。 - 請求項8において、
前記偏光分離手段は、前記側端部領域より内側を基点として傾斜され、該偏光分離手段にて反射された前記他方の偏光が前記液晶パネルに入射しない第4の角度と、前記偏光分離手段のコントラスト―傾斜角特性において前記色合成手段の合成光出射面と前記偏光分離手段の入射面とが略平行となる傾斜角時の第1のコントラスト値以上となる第2のコントラスト値に対応する第2の角度と、の間の範囲の傾斜角度にて配置されることを特徴とする投射型表示装置。 - 光源からの光を少なくとも複数の異なる色に分離した状態で分光する色分離手段と、
前記色分離手段にて分光された各々の各分光の強度変調を行う各液晶パネルと、
各々の前記液晶パネルにて各々強度変調された各分光を合成する色合成手段と、
前記色合成手段にて合成された合成光を被投射面上に拡大投射する投射手段と、
少なくとも前記色合成手段の前記合成光の出射側に位置され、前記合成光の少なくとも2つの交差する偏光のうち、一方の偏光を透過し、他方の偏光を反射して少なくとも2つの偏光を分離する偏光分離手段と、
を含み、
前記偏光分離手段は、該偏光分離手段にて反射された前記他方の偏光が前記液晶パネルに入射しないように湾曲する湾曲部を有し、
前記湾曲部にて反射される前記他方の偏光による熱を吸収する熱吸収部材をさらに有することを特徴とする投射型表示装置。 - 請求項10において、
前記偏光分離手段にて反射された前記他方の偏光が前記色合成手段内を通じて前記色合成手段の外方に透過するように促す透過部材を、前記他方の偏光が前記色合成手段内より外方へ出射する出射面に配置することを特徴とする投射型表示装置。 - 請求項10又は請求項11において、
前記色合成手段の合成光出射面に隣接配置され、前記色合成手段と同一の材料にて形成されたガラス部材をさらに有し、
前記ガラス部材中に前記偏光分離手段が内蔵されることを特徴とする投射型表示装置。 - 請求項10〜請求項12のいずれかにおいて、
前記偏光分離手段は、前記色合成手段に対面して配置される反射型の第1の偏光部材と、前記投射手段に対面して配置される吸収型の第2の偏光板と、が積層一体化されてなることを特徴とする投射型表示装置。 - 光源からの光を強度変調して透過させる液晶パネルと、
前記液晶パネルにて強度変調された光の少なくとも2つの交差する偏光のうち、一方の偏光を透過し、他方の偏光を反射して少なくとも2つの偏光を分離する偏光分離手段と、
前記偏光分離手段にて分離された前記一方の偏光を被投射面上に拡大投射する投射手段と、
を含み、
前記偏光分離手段は、入射面を光路軸に対して傾斜し、該偏光分離手段にて反射された前記他方の偏光が前記液晶パネルに入射しない第1の角度と、前記偏光分離手段のコントラスト―傾斜角特性において前記液晶パネルとの出射面と前記偏光分離手段の入射面とが略平行となる傾斜角時の第1のコントラスト値以上となる第2のコントラスト値に対応する第2の角度と、の間の範囲の傾斜角度にて配置され、
前記偏光分離手段は、前記偏光分離手段は、断面略くの字状に配置された前記合成光が入射する複数の各入射面を含み、
各前記入射面は、各前記入射面にて各々反射された各前記他方の偏光が前記液晶パネルに入射しないように各々湾曲する各湾曲部をそれぞれ有し、
各前記湾曲部にて各々反射される各前記他方の偏光による熱を各々吸収する各熱吸収部材をさらに有することを特徴とする投射型表示装置。 - 請求項14において、
前記偏光分離手段は、前記光路軸と直交する2つの直交方向のうちいずれか一方の方向を軸とする傾斜であることを特徴とする投射型表示装置。 - 請求項15において、
前記偏光分離手段は、前記直交方向のうちの双方の方向を軸として各々傾斜することを特徴とする投射型表示装置。 - 請求項14〜請求項16のいずれかにおいて、
前記偏光分離手段は、前記液晶表示パネル側に配置される反射型の第1の偏光部材と、前記投射手段に対面して配置される吸収型の第2の偏光板と、が積層一体化されてなることを特徴とする投射型表示装置。 - 光源からの光を強度変調して透過させる液晶パネルと、
前記液晶パネルにて強度変調された光の少なくとも2つの交差する偏光のうち、一方の偏光を透過し、他方の偏光を反射して少なくとも2つの偏光を分離する偏光分離手段と、
前記偏光分離手段にて分離された前記一方の偏光を被投射面上に拡大投射する投射手段と、
を含み、
前記偏光分離手段は、該偏光分離手段にて反射された前記他方の偏光が前記液晶パネルに入射しないように湾曲する湾曲部を有し、
前記湾曲部にて反射される前記他方の偏光による熱を吸収する熱吸収部材をさらに有することを特徴とする投射型表示装置。 - 請求項18において、
前記偏光分離手段は、前記液晶表示パネル側に配置される反射型の第1の偏光部材と、前記投射手段に対面して配置される吸収型の第2の偏光板と、が積層一体化されてなることを特徴とする投射型表示装置。
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