JPH0829766A - 投射型カラー画像表示装置 - Google Patents

投射型カラー画像表示装置

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Publication number
JPH0829766A
JPH0829766A JP6161124A JP16112494A JPH0829766A JP H0829766 A JPH0829766 A JP H0829766A JP 6161124 A JP6161124 A JP 6161124A JP 16112494 A JP16112494 A JP 16112494A JP H0829766 A JPH0829766 A JP H0829766A
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JP
Japan
Prior art keywords
prism
liquid crystal
crystal display
color
light
Prior art date
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Application number
JP6161124A
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English (en)
Inventor
Takeshi Shibatani
岳 柴谷
Hiroshi Hamada
浩 浜田
裕 ▲高▼藤
Yutaka Takato
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 光束合成プリズム6は、光学系の主光線の仰
角θに対し、頂角が90°+θまたは90°−θの二等
辺三角プリズム11と、この二等辺三角プリズムの底角
と等しい頂角の、一辺が上記二等辺三角プリズムの底辺
と等しい長さで同形状の平行四辺形プリズム12・13
とを接合して形成し、プリズム11・12の接合面とプ
リズム11・12の接合面とにそれぞれダイクロイック
ミラー面14B ・14G を形成し、プリズム13にミラ
ー面14M を形成し、光束合成プリズム6に3原色の各
画像が正確に重なり合うように調整して液晶表示素子4
R ・4G ・4B を設ける。 【効果】 部品点数が減少し、装置を小型化できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、マトリクス状に配列さ
れた複数の絵素を有する透過型の液晶表示素子に表示さ
れた画像を投影レンズで拡大して表示する投射型画像表
示装置であって、特に大画面の投影型TVシステムや情
報表示システムに適用される投射型カラー画像表示装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】液晶表示素子は、それ自体が発光しない
ので、別に光源を設ける必要があるものの、投影型ブラ
ウン管表示装置と比較して、色再現範囲が広い、小型か
つ軽量であるため持ち運びが容易である、地磁気に影響
されないのでコンバージェンス調整が不要であるといっ
た非常に優れた特徴を有している。
【0003】このような液晶表示素子による投射型カラ
ー画像表示方式には、3原色に応じて液晶表示素子を3
枚使用する3板式と、液晶表示素子を1枚のみ使用する
単板式とがある。
【0004】上記単板式の投射型カラー画像表示装置で
は、1枚の液晶表示素子の画素単位に3原色のカラーフ
ィルタがマトリクス状に作り込まれ、それぞれの画素を
制御することにより画像が形成される。この単板式にお
いては、直接白色光を照射するだけでカラー画像が得ら
れるので、3板式と比較して光学系が簡素化されるもの
の、光の利用効率が悪く、その分、投影像が暗くなって
しまうという問題点を有している。これは、例えば赤色
を制御する画素に入射した白色光のうち、赤色以外の成
分がカラーフィルタに吸収されてしまって無駄になるこ
とによる。
【0005】一方、3板式の投射型カラー画像表示装置
では、白色光を赤・緑・青の3原色の光束に分割する光
学系と、各原色光を制御して画像を形成する液晶表示素
子とが独立に設けられているので、構成は単板式と比較
して複雑になるものの、単板式における上記の問題が生
じない。
【0006】この3板式においては、上記構成に加えさ
らに投影レンズを3本用意して各液晶表示素子からの出
射光を投影し、スクリーン上で1枚のカラー画像を作成
することも考えられる。しかしながら、この場合には、
スクリーンに対する投影角度が3色でそれぞれ異なるた
め、投射型カラー画像表示装置からスクリーンまでの投
影距離が変わると3色の画像の重ね合わせを再調整しな
ければならない。そこで、この3板式においては、各液
晶表示素子を通過した光をもう一度、一つの光路に合成
した後、1本の投影レンズによりスクリーンに投影する
構成が採られている。
【0007】この種の従来の3板式投射型カラー画像表
示装置としては、図5に示すものが知られている。同図
に示す構成においては、白色光源51が回転対称形の放
物面鏡52の焦点に設けられ、この構造により、ほぼ平
行な白色光束がダイクロイックミラー53R 方向に照射
される。ダイクロイックミラー53R ・53B はそれぞ
れ赤・青の光のみを反射させ、同様に、ダイクロイック
ミラー54B ・54Gはそれぞれ青・緑の光のみ反射さ
せる。また、ミラー53M ・54M は波長選択性のない
ものである。従って、上記白色光束はダイクロイックミ
ラー53R ・53B により赤・青・緑の3原色の成分に
分離され、液晶表示素子55R ・55G・55B にはそ
れぞれに対応する色の略平行な光束が入射する。液晶表
示素子55R ・55G ・55B を通過した光はそれぞれ
3原色の画像となり、ダイクロイックミラー54B ・5
G とミラー54M とにより光学的に重ね合わされて合
成される。この合成されたカラー画像は、投影レンズ5
6により、床面58に対して垂直に設けられたスクリー
ン57に投影される。
【0008】尚、液晶表示素子55R ・55G ・55B
の光が通過する前後位置には、図示しない偏光板が配さ
れている。また、液晶表示素子55R ・55G ・55B
の前または後位置には、投影レンズ56の瞳に効率良く
光を導くために、フィールドレンズが配される場合もあ
る。
【0009】尚、図5の構成では、ミラー53M ・54
M に波長選択性を持たせていないが、これはミラー53
M ・54M の位置では既に光束が赤・緑の単色光になっ
ているためであり、上記ミラー53M ・54M に代え
て、それぞれ赤・緑の光のみ反射するダイクロイックミ
ラーを用いても構わない。また、光束を3色に分離する
順番、つまりダイクロイックミラー53R ・53B ・5
B ・54G およびミラー53M ・54M の反射波長域
や配置に関しても図5に示した以外に可能な組み合わせ
が存在する。また一般にダイクロイックミラー53R
53B ・54B ・54G およびミラー53M ・54
M は、45度入射と45度出射、つまり直角に反射する
ように用いられる。
【0010】いずれにせよ、分離光学系および合成光学
系は共に3枚のミラーを使用しており、光源部から液晶
表示素子55R ・55G ・55B までの距離を3原色に
ついて等距離とし、また表示画像の合成においても液晶
表示素子55R ・55G ・55B から投影レンズまでの
光路を等距離にしている。
【0011】また、光源から投影レンズまでの光学系の
主光線は仰角θだけ傾けられる。仰角θは使用する液晶
表示素子55R ・55G ・55B の持つ最適視角に一致
させると共に、液晶表示素子55R ・55G ・55B
表示面法線は、スクリーン57に垂直になっている。こ
れにより、投影像のコントラスト比を最大にすると共
に、投影像が台形に歪むキーストーン歪みの発生を防ぐ
ことができる。
【0012】また、特開平5−61129号には、1個
の直角二等辺三角形プリズム61と2個の平行四辺形プ
リズム62・63とからなるダイクロイックプリズム6
4を備えた投射型カラー画像表示装置が提案されてい
る。その構成を図6に示す。この装置は、図5の色合成
光学系を、境界面にダイクロイックミラーを設けた合成
プリズムであるダイクロイックプリズム64に置換した
ものと考えてよく、図5の構成と同じく、光源部から液
晶表示素子65R ・65G ・65B までの光路調が各色
とも等しく、また液晶表示素子65R ・65G ・65B
から投影レンズ66までの光路調も等しくすることがで
きる。
【0013】この装置では、光が1より大きい屈折率を
有するダイクロイックプリズム64内を進むため、図5
の構成のうち、色合成光学系のみを置き換えてこの装置
を構成した場合でも、即ち同一の投影レンズ66を使用
した場合でも、図5の構成と比較して投影レンズ66の
見かけのF値が小さくなり、より明るい投影画像を得る
ことができる。
【0014】また、液晶表示素子の個々の画素に対応し
てマイクロレンズを形成したマイクロレンズアレイを液
晶表示素子に貼着し、液晶表示素子の画像表示部を通過
する光量を増やし、投影像を高輝度化する技術がある。
マイクロレンズアレイを使用した場合には、液晶表示素
子を通過した光がマイクロレンズの開口数NAに相当す
る角度で広がるため、マイクロレンズアレイを使用しな
い場合と比較して、投影レンズのF値を小さくしてNA
を大きくしなければならない。特開平5−61129号
には明示されていないが、色合成光学系の光路をプリズ
ムにするのはこの点でも有効である。
【0015】一方、従来の投射型カラー画像表示装置と
しては、特開昭62−125791号に開示されている
ように、色合成光学系にクロスダイクロイックプリズム
を使用する方式が知られている。図7に示すように、ク
ロスダイクロイックプリズム71は、境界面RR1および
境界面RR2に、赤色の光を反射するダイクロイックミラ
ー面が形成され、境界面RB1および境界面RB2に、青色
の光を反射するダイクロイックミラー面が形成された、
直角二等辺三角形プリズムを4個合わせて正四角柱状の
合成プリズムとしたものである。そして、同図に示すよ
うに液晶表示素子55R ・55G ・55B を配し、入射
面71R ・71G ・71B から入射した光束を一つに合
成して出射面71OUT から出射させる。しかし、本方式
は、各液晶表示素子55R ・55G ・55B から出射面
71OUT までの光路長は等しくすることが可能であるも
のの、色分離光学系において、光源部からの光束を等距
離で液晶表示素子55R ・55G ・55B に導くことが
できないため、液晶表示素子55R ・55G ・55B
での照度分布が変化し、合成された画像に色むらが生じ
るので好ましくない。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】上記の投射型カラー画
像表示装置において、3原色の画像を1本の投影レンズ
によりスクリーンに投影して、一つのカラー画像とする
ためには、以下の条件が不可欠である。これは、レンズ
の結像の原理から導かれるものである。
【0017】1.赤・青・緑の各画像を形成する各液晶
表示素子から投影レンズまでの距離が互いに等しいこ
と。
【0018】2.投影レンズ側から眺めた見かけ上の3
枚の液晶表示素子の位置が一致すること。
【0019】上記1の条件が満たされない場合には、各
液晶表示素子の像の拡大率が異なり、画像の大きさが一
致しない。さらに、3枚の画像が同時には結像せず、何
れかの色の画像がピンボケ状態となってしまう。また、
上記2の条件が満たされない場合には、各色の画像同士
が正確に重ならず、画像ずれを起こすことになり、やは
り良好なカラー画像を得ることができないことになる。
【0020】このため、上記従来の3板式の投射型カラ
ー画像表示装置では、上記の条件を満たすために、液晶
表示素子の位置および角度についての調整機構を有して
おり、装置の組み立て時に上記の調整を行っている。し
かしながら、このような構成では、装置の部品点数が増
加するとともに、上記調整機構分のスペースが必要とな
り、装置が大型化するという問題点を招来している。
【0021】特に、近年、製造技術の進歩により、同じ
画素数でありながら、ポリシリコン薄膜トランジスタを
使用したより小さいサイズの液晶表示素子が開発されて
いるものの、そうした小型の液晶表示素子を3板式の投
射型カラー画像表示装置に使用した場合であっても、装
置全体のサイズを液晶表示素子のサイズに比例して縮小
することが困難となっている。
【0022】この問題は図6に示した特開平5−611
29号の構成においても同様で、光学系の主光線を液晶
表示素子の最適視角と同じだけ傾けるには、液晶表示素
子と合成プリズムとを離して配置する必要がある。
【0023】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、請求項1の発明の投射型カラー画像表示装置は、
1個の白色光源の光を略平行な光束にして出射する光源
部と、この光源部から得られる白色光束を、赤・緑・青
の3原色の光束に分離して色合成光学系に入射させる色
分離光学系と、この色分離光学系により得られた上記3
原色の光束に個々に対応して設けられ、各色の光束を、
その色の画像信号に応じて変調し、これにより得られた
画像を表示する3枚のマトリクス型液晶表示素子と、こ
れら各マトリクス型液晶表示素子に表示された3原色の
画像を光学的に重ね合わせる色合成光学系と、この色合
成光学系により得られた光束を1本の投影レンズにより
スクリーンに投影する投影型カラー画像表示装置におい
て、上記光源部から投影レンズまでの光学系の主光線
と、上記マトリクス型液晶表示素子の面法線とのなす角
がマトリクス型液晶表示素子の最適視角θに等しく、上
記の色合成光学系は、上記マトリクス型液晶表示素子の
最適視角θに対し、頂角が90°+θまたは90°−θ
の二等辺三角形を底面とする三角柱状の二等辺三角プリ
ズムと、上記二等辺三角形の底角と等しい頂角を有し、
一辺が上記二等辺三角形の底辺と等しい長さの平行四辺
形を底面とする四角柱状をなす、互いに同形状の第1お
よび第2平行四辺形プリズムとの合計3個のプリズムを
備え、これら3個のプリズムが、上記等しい長さの辺を
含む同形状の四角形の面同士で接合され、かつ第1およ
び第2平行四辺形プリズムが上記同形状の面に関し対称
となるように接合され、二等辺三角プリズムを上記光源
部側として、この二等辺三角プリズムと第1平行四辺形
プリズムとが上記主光線の方向に並び、かつ第1平行四
辺形プリズムに対し第2平行四辺形プリズムが上下方向
に並ぶように配され、第1平行四辺形プリズムと二等辺
三角プリズムとの接合面に第1ダイクロイックミラーが
形成され、第1平行四辺形プリズムと第2平行四辺形プ
リズムとの接合面に第2ダイクロイックミラーが形成さ
れ、第2平行四辺形プリズムにおける第2ダイクロイッ
クミラーとの対向面に波長選択性のないミラーが形成さ
れ、それぞれ上記光源部側に位置する、二等辺三角プリ
ズムにおける二等辺三角形の斜辺を含む1面、この面と
交差状に隣接する第1平行四辺形プリズムの面、および
この面と交差状に隣接する第2平行四辺形プリズムの面
が、3原色の光束の個別の入射面となり、これら入射面
が投影レンズから等距離の位置に設定され、第1ダイク
ロイックミラーは、第1平行四辺形プリズムの入射面か
ら入射した所定色の光のみを反射するものであり、第2
ダイクロイックミラーは、第2平行四辺形プリズムの入
射面から入射した所定色の光のみを反射するものであ
り、上記各マトリクス型液晶表示素子は、色合成光学系
の出射側において3原色の各画像が正確に重なり合うよ
うに取り付け位置が調整された状態で、それぞれ色合成
光学系の上記個別の入射面に固定されていることを特徴
としている。
【0024】また、請求項2の発明の投射型カラー画像
表示装置は、請求項1の発明の投射型カラー画像表示装
置において、上記液晶表示素子の出射側偏光板が、上記
色合成光学系からの光束の出射側位置に配置されている
ことを特徴としている。
【0025】
【作用】請求項1の構成によれば、光源部から出射した
白色の光束は、色分離光学系にて赤・緑・青の3原色の
光束に分離される。これら各色の光束は、色合成光学系
に設けられた、それぞれその色用のマトリクス型液晶表
示素子に入射し、画像信号に応じて変調される。これに
より各マトリクス型液晶表示素子にはそれぞれ画像信号
に応じた各色の画像が表示される。その後、各マトリク
ス型液晶表示素子に表示された3原色の画像は光学的に
重ね合わせられる。
【0026】この場合、各マトリクス型液晶表示素子を
経て二等辺三角プリズムの入射面から入射した所定色の
光束は、第1および第2ダイクロイックミラーを透過し
て進行する。第1平行四辺形プリズムの入射面から入射
した所定色の光束は、第1ダイクロイックミラーで反射
された後、第2ダイクロイックミラーを透過し、二等辺
三角プリズムの入射面から入射した所定色の光束と同一
の光路を進行する。また、第2平行四辺形プリズムの入
射面から入射した所定色の光束は、波長選択性のないミ
ラーおよび第2ダイクロイックミラーにて反射された
後、二等辺三角プリズムの入射面から入射した所定色の
光束と同一の光路を進行する。これにより、3原色の画
像が光学的に重ね合わせられる。その後、重ね合わされ
た上記画像は、投影レンズによりスクリーンに投影され
る。
【0027】本投射型カラー画像表示装置において、上
記のマトリクス型液晶表示素子は、3原色の各画像が正
確に重なり合うように取り付け位置が調整された状態
で、それぞれ色合成光学系の上記各入射面に固定されて
いるので、マトリクス型液晶表示素子の位置調整機構が
不要である。従って、本投射型カラー画像表示装置は、
部品点数が減少し、小型化が可能である。
【0028】また、マトリクス型液晶表示素子を色合成
光学系に固定すれば、光学系の主光線と液晶表示素子の
表示面法線とのなす角θが上記液晶表示素子の最適視角
に等しくなっているので、画像のコントラスト比を向上
することができる。即ち、液晶表示素子は、その最適視
角方向が画像表示面の法線方向から外れているので、照
明光に対して液晶表示素子を最適視角の側に傾けると画
像のコントラスト比を向上することができる。
【0029】請求項2の構成によれば、液晶表示素子の
出射側偏光板が、上記色合成光学系からの光束の出射側
位置に配置されているので、偏光板の発熱が表示画像に
影響する事態を回避し得るととも、装置のコストダウン
を図り得る。
【0030】即ち、偏光板は一般に3枚の液晶表示素子
と色合成光学系との間に設けられる。しかしながら、偏
光板は光を吸収して発熱するので、このような構成で
は、偏光板の発熱により液晶表示素子の特性が変化し、
表示される画像に悪影響を与える虞がある。そこで、本
発明の構成のように偏光板を設ければ、このような事態
を回避することができる。また、本発明の構成では、偏
光板の数が少なくてすむので、コストダウンが可能であ
る。
【0031】
【実施例】
〔実施例1〕本発明の一実施例を図1および図2に基づ
いて以下に説明する。本実施例の投射型カラー画像表示
装置は、図1に示すように、白色光源1、この白色光源
1と共に光源部15を構成する放物面鏡2、ダイクロイ
ックミラー3R ・3B 、これらダイクロイックミラー3
R ・3B と共に色分離光学系を構成するミラー3M 、液
晶表示素子4R ・4G ・4B 、フィールドレンズ5R
G ・5B 、色合成光学系としての光束合成プリズム
6、出射側偏光板としての偏光板7および投影レンズ8
を備えている。
【0032】上記の白色光源1としては、ハロゲンラン
プ、メタルハライドランプあるいはキセノンランプ等を
使用することができる。尚、光源から輻射される紫外線
や赤外線が液晶表示素子4R ・4G ・4B に悪影響を及
ぼす虞がある場合には、紫外線や赤外線を遮断するフィ
ルタが、白色光源1と液晶表示素子4R ・4G ・4B
の間の適当な位置に配される。
【0033】放物面鏡2は、回転対称形をなし、その焦
点に上記白色光源1が配され、この白色光源1の光を略
平行な光束にして出射させるものである。放物面鏡2の
反射面には、可視光のみを反射させ、赤外線を透過する
いわゆるコールドミラーが必要に応じて使用される。
尚、光源部の構成としては、上記のもの以外に、球面鏡
もしくは回転楕円鏡とコンデンサーレンズとを組み合わ
せて、平行な光束を得るものとしてもよい。
【0034】ダイクロイックミラー3R ・3B は、それ
ぞれ赤・青のみの光を反射させるものである。これらダ
イクロイックミラー3R ・3B は、光源部15から出射
される光束の光軸上における前後位置に各々平行に配さ
れ、この光軸に対して、光を上方へ反射させるように、
所定角度に傾斜して設けられている。
【0035】ミラー3M は、波長選択性がなく、全ての
光を反射させるものである。このミラー3M は、ダイク
ロイックミラー3R の上方に、ダイクロイックミラー3
R と平行となる傾斜角度で設けられている。従って、ミ
ラー3M により反射された光は、光源部15から出射し
た光束の光軸(主光線)と平行となる。
【0036】液晶表示素子4R ・4G ・4B はそれぞれ
赤・緑・青の画像を表示するものである。液晶表示素子
R は、ミラー3M により反射された光束の光軸上にお
いて、ダイクロイックミラー3R により反射された光束
の光軸と平行に設けられている。液晶表示素子4G は、
光源部15から出射した光束の光軸上に設けられてい
る。液晶表示素子4B は、ダイクロイックミラー3B
より反射された光束の光軸上において、光源部15から
出射した光束の光軸と平行に設けられている。これら液
晶表示素子4R ・4G ・4B は、ツイステッド・ネマテ
ィック・モード(TNモード)で動作し、アモルファス
シリコンあるいはポリシリコンを使用した薄膜トランジ
スタ(TFT)により駆動されるアクティブ・マトリク
ス方式のものである。尚、本投射型カラー画像表示装置
においては、これら以外の動作モードや駆動法のものを
使用することも可能である。
【0037】フィールドレンズ5R ・5G ・5B は、そ
れぞれ対応する液晶表示素子4R ・4G ・4B の後面に
設けられ、液晶表示素子4R ・4G ・4B との対向面が
液晶表示素子4R ・4G ・4B の後面と同寸法の板状を
なしている。これらレンズ5R ・5G ・5B は3原色の
画像を形成する各光を収束させるものである。これらフ
ィールドレンズ5R ・5G ・5B および液晶表示素子4
R ・4G ・4B は、光学接着剤にて光束合成プリズム6
に貼着されている。このため、フィールドレンズ5R
G ・5B としては、それぞれ、平板状のフレネルレン
ズが使用されている。尚、フィールドレンズ5R ・5G
・5B は、光束合成プリズム6に液晶表示素子4R ・4
G ・4B を先に貼着した後、貼着してもよい。この場
合、フィールドレンズ5R ・5G ・5B は液晶表示素子
R ・4G ・4B の前面に設けられる。
【0038】光束合成プリズム6は、紙面奥行き方向に
高さを有する柱状立体であり、二等辺三角プリズム11
と第1および第2平行四辺形プリズムである2個の平行
四辺形プリズム12・13とを光学接着剤にて貼着する
ことにより形成されている。二等辺三角プリズム11
は、底面が二等辺三角形の三角柱状をなし、平行四辺形
プリズム12・13は底面が平行四辺形で互いに同形状
の四角柱状をなしている。二等辺三角プリズム11と平
行四辺形プリズム12とは、二等辺三角プリズム11を
光源部15側として光軸方向に並び、平行四辺形プリズ
ム13は平行四辺形プリズム12に対して下方に並んで
いる。二等辺三角プリズム11と平行四辺形プリズム1
2との接合面には、青の光のみを反射する第1ダイクロ
イックミラーとしてのダイクロイックミラー面14B
形成され、平行四辺形プリズム12と平行四辺形プリズ
ム13との接合面には、緑の光のみ反射する第2ダイク
ロイックミラーとしてのダイクロイックミラー面14G
が形成されている。また、平行四辺形プリズム13にお
けるダイクロイックミラー面14G との対向面には、波
長選択性がなく、光を全反射するミラー面14M が形成
されている。同形状をなす平行四辺形プリズム12と平
行四辺形プリズム13とはダイクロイックミラー面14
G に関して対称となるように接合されており、上記ダイ
クロイックミラー面14B ・14G およびミラー面14
M は、ダイクロイックミラー3R ・3Bと平行になって
いる。
【0039】そして、上記液晶表示素子4R およびフィ
ールドレンズ5R は、二等辺三角プリズム11における
ミラー3M 側の面に設けられ、液晶表示素子4B および
Bは光束合成プリズム6におけるダイクロイックミラ
ー3B 側の面に設けられ、液晶表示素子4G およびフィ
ールドレンズ5G は、平行四辺形プリズム13における
ダイクロイックミラー3B 側の面に設けられている。
【0040】ここで、本装置が床面10上に配置される
場合、投影レンズ8にて拡大された投影像がスクリーン
9から下方にはみ出して床面10に写しだされることが
ないように、投影レンズ8の光軸の位置は、液晶表示素
子4R ・4G ・4B における表示エリアの中心よりも高
く設定されている。従って、画像は床面10よりも上方
に拡大投影される。
【0041】また、液晶表示素子4R ・4G ・4B は、
その最適視角方向が画像表示面の法線方向から外れてお
り、照明光に対して液晶表示素子4R ・4G ・4B を最
適視角の側に傾けると画像のコントラスト比を向上する
ことができる。そこで、光源部15より出射される平行
光束の光軸(主光線)は、床面10に対して仰角θ(θ
>0°)を有するように設定され、かつ上記仰角θが液
晶表示素子4R ・4G・4B の最適視角に設定されてい
る。
【0042】但し、この場合でも、液晶表示素子4R
G ・4B における表示面の法線、投影レンズ8の光
軸、およびスクリーン9の法線を互い平行となるように
設定しないと、投影画像が台形に歪むキーストーン歪み
が生じることになる。尚、スクリーン9は床面10に対
して垂直である。このようなことから、上記の仰角θ
は、液晶表示素子4R ・4G ・4B の最適視角方向と表
示面法線とのなす角θと一致し、光束合成プリズム6の
詳細形状は下記のようになっている。
【0043】光束合成プリズム6は、その分解図である
図2に示すように、前記液晶表示素子4R およびフィー
ルドレンズ5R が設けられた面AB、即ち入射面6a
が、床面10に対して垂直である。また、光学系が仰角
θを有するので、同図中に示す角度α・β・γ・δは以
下の式で表される。尚、これら角度α・β・γ・δは、
それぞれ、二等辺三角形あるいは平行四辺形となる条件
から導き出されるものである。
【0044】α=90°+θ β=45°−(1/2)θ γ=β=45°−(1/2)θ δ=135°+(1/2)θ 二等辺三角プリズム11のBCと平行四辺形プリズム1
2のDEとは長さが等しく、これらの辺を含む同形状の
四辺形の面同士が接合されている。また、β+δ=18
0°であるから、二等辺三角プリズム11と平行四辺形
プリズム12との接合後、面ACと面DGとは一つの平
面となる。また、プリズム11〜13を接合すると、二
等辺三角プリズム11の面ABと平行四辺形プリズム1
3の面HIとが平行になる。平行四辺形プリズム12の
面FE、即ち入射面6bは床面10に対して平行ではな
いものの、面DE、即ちダイクロイックミラー面14B
で反射されて生じる虚像は、面ABに設けられた液晶表
示素子4R により形成された像と一致する。同様に、面
HI、即ち入射面6cに設けられた液晶表示素子4G
より形成され、面KH、即ちダイクロイックミラー面1
G に反射されて生じる虚像も面ABに設けられた液晶
表示素子4R により形成された像と一致する。
【0045】偏光板7は、光束合成プリズム6と投影レ
ンズ8との間に設けられている。尚、偏光板7は、3枚
ずつ設けられている各液晶表示素子4R ・4G ・4B
フィールドレンズ5R ・5G ・5B との間にそれぞれ挟
み込まれてもよい。ただし、この場合には、偏光板7が
光を吸収して発熱し、この熱により液晶表示素子4R
G ・4B の特性が変化する虞がある。従って、この構
成を採用するには、偏光板7を十分に冷却可能であるこ
とが条件となる。そこで、本投射型カラー画像表示装置
においては、1枚のみの偏光板7を、光束合成プリズム
6からの光の出射側であって、赤・緑・青の光束が合成
された後の位置に設け、液晶表示素子4R ・4G ・4B
に発熱の影響を与えないようにしている。そして、この
ような構成の方が、偏光板7が1枚ですむので、低コス
トにて装置を構成することができる。
【0046】また、液晶表示素子4R ・4G ・4B と光
束合成プリズム6との間には、フィールドレンズ5R
G ・5B の他、図示しないが必要に応じて放熱材、吸
熱材、緩衝材あるいは1/2波長板等が挟装される。
【0047】上記放熱材、吸熱材および緩衝材は、何れ
も上記のように偏光板7が液晶表示素子4R ・4G ・4
B と光束合成プリズム6との間に挟装された場合に設け
られる。即ち、放熱材および吸熱材は、偏光板7の発熱
を逃がして液晶表示素子4R・4G ・4B の温度上昇を
防いだり、熱膨張による応力発生を抑制する目的で設け
られる。緩衝材は、光束合成プリズム6と液晶表示素子
R ・4G ・4B との間、もしくはこれらと他の光学部
品との間において熱膨張率の差が大きい場合に、この差
による変形量を吸収する目的で設けられる。これら放熱
材、吸熱材および緩衝材としては、光学的に透明で、液
晶表示素子4R ・4G ・4B と光束合成プリズム6との
中間の熱膨張率のものを適宜選択すればよい。
【0048】1/2波長板は、投射型カラー画像表示装
置の色再現性を高めるのに使用される。即ち、一般にダ
イクロイックミラーは、光の反射面に対し、sまたはp
成分のどちらかに限った場合の波長選択性が急峻になる
ので、本装置においてもこの1/2波長板を有効に使用
することができる。図1に示す本装置においては、ダイ
クロイックミラー3R ・3B およびダイクロイックミラ
ー面14G ・14B のp波またはs波の偏波面が紙面に
対し垂直方向または水平方向である。一方、液晶表示素
子4R ・4G ・4B に使用する偏光板は、これらに対し
45°傾いた方向を偏光軸として有するので、液晶表示
素子4R ・4G ・4B の前後どちらか、あるいは前後両
側に、出射光の偏光面がダイクロイックミラーに対する
P波またはS波となるように1/2波長板の主軸方向を
定めて配置する。
【0049】上記光束合成プリズム6と液晶表示素子4
R ・4G ・4B 、さらにこれら両者間に配される上記の
光学部品は、熱膨張率が等しくなるか、あるいはその差
が小さくなるように、各々の材質が選択されることが好
ましい。また、これら各部品を貼着して固定するための
光学接着材としては、硬化後にある程度の柔軟性を有す
るものを使用すれば、温度上昇時の応力による部品同士
の剥がれ等の発生を抑制することができる。
【0050】また、液晶表示素子4R ・4G ・4B につ
いては、光束合成プリズム6の出射側において3原色の
各画像が正確に重なり合うように、光束合成プリズム6
に対する取り付け位置の調整がされている。
【0051】投影レンズ8は、できるだけ短い距離で大
画面が得られるように、レトロフォーカスタイプと呼ば
れ、複数個のレンズの組み合わせにより形成されたもの
であり、レンズの主点がレンズ系から飛び出したものと
なっている。尚、投影レンズ8としては、通常のスライ
ド映写機の投影レンズや写真機のレンズと同じ構成のも
のを使用することができる。さらに、投影レンズ8とし
ては、複数のレンズ群から構成され、それらの相対位置
を変化させることにより、投影レンズ8全体の合成焦点
距離が変化するようなズームレンズを使用することもで
きる。
【0052】このような投影レンズ8に入射する光は屈
折率nが1より大きい光束合成プリズム6を通る。従っ
て、光束合成プリズム6内の光路長をLとすると、各液
晶表示素子4R ・4G ・4B から投影レンズ8までの光
路長は、空気中に換算した場合、(1−1/n)Lで表
される距離だけ短縮される。これにより、投影レンズ8
の小型化および製造コストの低下が可能となる。また、
液晶表示素子4R ・4G ・4B を通過した後の光の広が
り角は、この光が光束合成プリズム6を通ることにより
抑制される。従って、投影像を高輝度化する目的で、マ
イクロレンズアレイを液晶表示素子4R ・4G ・4B
適用した場合であっても、投影レンズ8のF値を小さく
してNAを大きくしなければならないといった投影レン
ズ8についての条件が緩和される。また、従来例と同様
に、ダイクロイックミラーによる赤・緑・青の色分離、
合成の順番は、図1の構成に限らず、適宜配置を入れ換
えることも可能である。
【0053】上記の構成において、光源部15から出射
された光束のうち、赤の光はダイクロイックミラー3R
により上方へ反射され、さらにミラー3M に反射され
て、偏光板(図示せず)を通過後、液晶表示素子4R
入射する。また、ダイクロイックミラー3R を透過した
光のうち、青の光はダイクロイックミラー3B により上
方へ反射され、偏光板(図示せず)を通過後、液晶表示
素子4B に入射する。また、ダイクロイックミラー3B
を透過した緑の光は、そのまま直進し、偏光板(図示せ
ず)を通過後、液晶表示素子4G に入射する。このよう
に、光源部15から出射された白色の光束は、3原色の
成分に分離され、各々対応する液晶表示素子4R ・4G
・4B へ入射することにより、各液晶表示素子4R ・4
G ・4B に各3原色の画像が個別に表示される。
【0054】次に、液晶表示素子4R に表示された赤の
画像の光束は、光束合成プリズム6に入射し、投影レン
ズ8方向へ直進する一方、液晶表示素子4B に表示され
た青の画像の光束は、光束合成プリズム6内に入射し、
ダイクロイックミラー面14B で反射された後、上記赤
の画像の光束と同一の光路を進行する。これにより、青
の画像が上記赤の画像と合成される。また、液晶表示素
子4G に表示された緑の画像の光束は、光束合成プリズ
ム6に入射してミラー面14M で反射され、さらにダイ
クロイックミラー面14G で反射された後、上記赤およ
び青の画像の光束と同一の光路を進行する。これによ
り、緑の画像が先に合成されている赤および青の画像と
合成され、カラー画像が得られる。光束合成プリズム6
にて合成されたカラー画像は、実際には液晶表示素子4
R ・4G ・4B により偏光の変調を受けただけであるの
で、検光子の働きをする偏光板7を通過させた後、投影
レンズ8に入射させる。このカラー画像は投影レンズ8
にて拡大された後、スクリーン9上に表示される。
【0055】上記のように、本実施例の3板式の投射型
カラー画像表示装置では、光束合成プリズム6の出射側
で3原色の各画像が正確に重なり合うように、光束合成
プリズム6に対する液晶表示素子4R ・4G ・4B の取
り付け位置が調整された状態で、液晶表示素子4R ・4
G ・4B を光束合成プリズム6に固定する。従って、液
晶表示素子4R ・4G ・4B の位置調整機構が不要とな
り、投射型カラー画像表示装置は、部品点数が減少し、
小型化が可能となる。
【0056】〔実施例2〕本発明の他の実施例を図3お
よび図4に基づいて、以下に説明する。尚、説明の便宜
上、前記の実施例に示した部材と同一の機能を有する部
材には同一の符号を付記し、その説明を省略する。
【0057】本実施例の投射型カラー画像表示装置は、
前記実施例1の投射型カラー画像表示装置の構成を上下
逆転させたものとなっている。但し、光束合成プリズム
21については、光源部15からの平行光束の光軸が、
実施例1の構成と同様、床面10に対して上向きの仰角
θを有するものとするため、前記光束合成プリズム6と
は異なる形状のものとなっている。その他の構成は、実
施例1の投射型カラー画像表示装置と同様である。
【0058】上記光束合成プリズム21は、光束合成プ
リズム6の二等辺三角プリズム11に対応する二等辺三
角プリズム31、平行四辺形プリズム12に対応する平
行四辺形プリズム32、および平行四辺形プリズム13
に対応する平行四辺形プリズム33を備えている。ま
た、光束合成プリズム21の入射面21a〜21cは前
記光束合成プリズム6の入射面6a〜6cに対応するも
のである。これらプリズム31〜33は、上記仰角θに
ついての条件を満たすため、プリズム11〜13の角度
α・β・γ・δに対応する角度α´・β´・γ´・δ´
が、下記のように設定されている。
【0059】α´=90°−θ β´=45°+(1/2)θ γ´=β´=45°+(1/2)θ δ´=135°−(1/2)θ 前記実施例1の構成では、ダイクロイックミラー3R
B および光束合成プリズム6内のダイクロイックミラ
ー面14G ・14B への光の入射角は、各ミラーの面の
法線に対し、45°よりも大きくなっている。一方、本
実施例2の構成では、上記入射角が45°よりも小さく
なっており、ダイクロイックミラー3R・3B およびダ
イクロイックミラー面14G ・14B での色分離の性能
面において、有利な場合もある。その他の機能について
は、実施例1の投射型カラー画像表示装置と同様であ
る。
【0060】
【発明の効果】以上のように、請求項1の発明の発明の
投射型カラー画像表示装置は、請求項1の発明の投射型
カラー画像表示装置は、1個の白色光源の光を略平行な
光束にして出射する光源部と、この光源部から得られる
白色光束を、赤・緑・青の3原色の光束に分離して色合
成光学系に入射させる色分離光学系と、この色分離光学
系により得られた上記3原色の光束に個々に対応して設
けられ、各色の光束を、その色の画像信号に応じて変調
し、これにより得られた画像を表示する3枚のマトリク
ス型液晶表示素子と、これら各マトリクス型液晶表示素
子に表示された3原色の画像を光学的に重ね合わせる色
合成光学系と、この色合成光学系により得られた光束を
1本の投影レンズによりスクリーンに投影する投影型カ
ラー画像表示装置において、上記光源部から投影レンズ
までの光学系の主光線と、上記マトリクス型液晶表示素
子の面法線とのなす角がマトリクス型液晶表示素子の最
適視角θに等しく、上記の色合成光学系は、上記マトリ
クス型液晶表示素子の最適視角θに対し、頂角が90°
+θまたは90°−θの二等辺三角形を底面とする三角
柱状の二等辺三角プリズムと、上記二等辺三角形の底角
と等しい頂角を有し、一辺が上記二等辺三角形の底辺と
等しい長さの平行四辺形を底面とする四角柱状をなす、
互いに同形状の第1および第2平行四辺形プリズムとの
合計3個のプリズムを備え、これら3個のプリズムが、
上記等しい長さの辺を含む同形状の四角形の面同士で接
合され、かつ第1および第2平行四辺形プリズムが上記
同形状の面に関し対称となるように接合され、二等辺三
角プリズムを上記光源部側として、この二等辺三角プリ
ズムと第1平行四辺形プリズムとが上記主光線の方向に
並び、かつ第1平行四辺形プリズムに対し第2平行四辺
形プリズムが上下方向に並ぶように配され、第1平行四
辺形プリズムと二等辺三角プリズムとの接合面に第1ダ
イクロイックミラーが形成され、第1平行四辺形プリズ
ムと第2平行四辺形プリズムとの接合面に第2ダイクロ
イックミラーが形成され、第2平行四辺形プリズムにお
ける第2ダイクロイックミラーとの対向面に波長選択性
のないミラーが形成され、それぞれ上記光源部側に位置
する、二等辺三角プリズムにおける二等辺三角形の斜辺
を含む1面、この面と交差状に隣接する第1平行四辺形
プリズムの面、およびこの面と交差状に隣接する第2平
行四辺形プリズムの面が、3原色の光束の個別の入射面
となり、これら入射面が投影レンズから等距離の位置に
設定され、第1ダイクロイックミラーは、第1平行四辺
形プリズムの入射面から入射した所定色の光のみを反射
するものであり、第2ダイクロイックミラーは、第2平
行四辺形プリズムの入射面から入射した所定色の光のみ
を反射するものであり、上記各マトリクス型液晶表示素
子は、色合成光学系の出射側において3原色の各画像が
正確に重なり合うように取り付け位置が調整された状態
で、それぞれ色合成光学系の上記個別の入射面に固定さ
れている構成である。
【0061】これにより、本投射型カラー画像表示装置
は、マトリクス型液晶表示素子の位置調整機構が不要と
なり、部品点数が減少し、小型化が可能であるという効
果を奏する。
【0062】請求項2の発明の投射型カラー画像表示装
置は、請求項1の発明の投射型カラー画像表示装置にお
いて、上記液晶表示素子の出射側偏光板が、上記色合成
光学系からの光束の出射側位置に配置されている構成で
ある。
【0063】これにより、請求項1の発明の効果に加
え、偏光板の発熱により液晶表示素子の特性が変化し、
表示画像に影響する事態を回避し得るととも、偏光板の
必要な枚数が減少して、装置のコストダウンを図り得る
という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例における投射型カラー画像表
示装置の要部の構成を示す概略の正面図である。
【図2】図1に示した光束合成プリズムの分解図であ
る。
【図3】本発明の他の実施例における投射型カラー画像
表示装置の要部の構成を示す概略の正面図である。
【図4】図3に示した光束合成プリズムの分解図であ
る。
【図5】従来の投射型カラー画像表示装置の要部の構成
を示す概略の正面図である。
【図6】他の従来の投射型カラー画像表示装置の要部の
構成を示す概略の正面図である。
【図7】クロスダイクロイックプリズムを使用した従来
の投射型カラー画像表示装置の要部の構成を示す説明図
である。
【符号の説明】
1 白色光源(光源部) 2 放物面鏡(光源部) 3R ダイクロイックミラー(色分離光学系) 3B ダイクロイックミラー(色分離光学系) 3M ミラー(色分離光学系) 4R 液晶表示素子 4G 液晶表示素子 4B 液晶表示素子 6 光束合成プリズム(色合成光学系) 6a〜6c 入射面 7 偏光板(出射側偏光板) 8 投影レンズ 9 スクリーン 10 床面 11 二等辺三角プリズム 12 平行四辺形プリズム(第1平行四辺形プリズ
ム) 13 平行四辺形プリズム(第2平行四辺形プリズ
ム) 14G ダイクロイックミラー面(第2ダイクロイック
ミラー) 14B ダイクロイックミラー面(第1ダイクロイック
ミラー) 14M ミラー面(波長選択性のないミラー) 15 光源部 21 光束合成プリズム 21a 〜21c 入射面 θ 主光線の仰角

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】1個の白色光源の光を略平行な光束にして
    出射する光源部と、 この光源部から得られる白色光束を、赤・緑・青の3原
    色の光束に分離して色合成光学系に入射させる色分離光
    学系と、 この色分離光学系により得られた上記3原色の光束に個
    々に対応して設けられ、各色の光束を、その色の画像信
    号に応じて変調し、これにより得られた画像を表示する
    3枚のマトリクス型液晶表示素子と、 これら各マトリクス型液晶表示素子に表示された3原色
    の画像を光学的に重ね合わせる色合成光学系と、 この色合成光学系により得られた光束を1本の投影レン
    ズによりスクリーンに投影する投影型カラー画像表示装
    置において、 上記光源部から投影レンズまでの光学系の主光線と、上
    記マトリクス型液晶表示素子の面法線とのなす角がマト
    リクス型液晶表示素子の最適視角θに等しく、上記の色
    合成光学系は、上記マトリクス型液晶表示素子の最適視
    角θに対し、頂角が90°+θまたは90°−θの二等
    辺三角形を底面とする三角柱状の二等辺三角プリズム
    と、上記二等辺三角形の底角と等しい頂角を有し、一辺
    が上記二等辺三角形の底辺と等しい長さの平行四辺形を
    底面とする四角柱状をなす、互いに同形状の第1および
    第2平行四辺形プリズムとの合計3個のプリズムを備
    え、これら3個のプリズムが、上記等しい長さの辺を含
    む同形状の四角形の面同士で接合され、かつ第1および
    第2平行四辺形プリズムが上記同形状の面に関し対称と
    なるように接合され、二等辺三角プリズムを上記光源部
    側として、この二等辺三角プリズムと第1平行四辺形プ
    リズムとが上記主光線の方向に並び、かつ第1平行四辺
    形プリズムに対し第2平行四辺形プリズムが上下方向に
    並ぶように配され、第1平行四辺形プリズムと二等辺三
    角プリズムとの接合面に第1ダイクロイックミラーが形
    成され、第1平行四辺形プリズムと第2平行四辺形プリ
    ズムとの接合面に第2ダイクロイックミラーが形成さ
    れ、第2平行四辺形プリズムにおける第2ダイクロイッ
    クミラーとの対向面に波長選択性のないミラーが形成さ
    れ、それぞれ上記光源部側に位置する、二等辺三角プリ
    ズムにおける二等辺三角形の斜辺を含む1面、この面と
    交差状に隣接する第1平行四辺形プリズムの面、および
    この面と交差状に隣接する第2平行四辺形プリズムの面
    が、3原色の光束の個別の入射面となり、これら入射面
    が投影レンズから等距離の位置に設定され、第1ダイク
    ロイックミラーは、第1平行四辺形プリズムの入射面か
    ら入射した所定色の光のみを反射するものであり、第2
    ダイクロイックミラーは、第2平行四辺形プリズムの入
    射面から入射した所定色の光のみを反射するものであ
    り、 上記各マトリクス型液晶表示素子は、色合成光学系の出
    射側において3原色の各画像が正確に重なり合うように
    取り付け位置が調整された状態で、それぞれ色合成光学
    系の上記個別の入射面に固定されていることを特徴とす
    る投射型カラー画像表示装置。
  2. 【請求項2】上記液晶表示素子の出射側偏光板が、上記
    色合成光学系からの光束の出射側位置に配置されている
    ことを特徴する請求項1に記載の投射型カラー画像表示
    装置。
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