JP2007121447A - 照明光学装置及び液晶プロジェクタ - Google Patents
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Abstract
【課題】液晶プロジェクタの照明光学系において、光源側のフライアイレンズのレンズセルの特定の側に面ダレが存在する場合に、照明エリアの単位面積当たりの照射光量を減少させることなく、照明エリアの特定の側に照射される光量が減少する事態を解消する。
【解決手段】照明エリア21側のフライアイレンズ4のレンズセルのうち、縦方向,横方向のうちの一方方向の片側に面ダレの存在する光源側のフライアイレンズ3のレンズセル3a(1)に対応するレンズセル4a(1)の光軸axを、この縦方向,横方向のうちこの一方方向とは直交する方向上で、この片側とは反対側寄りに偏心させる。
【選択図】図5
【解決手段】照明エリア21側のフライアイレンズ4のレンズセルのうち、縦方向,横方向のうちの一方方向の片側に面ダレの存在する光源側のフライアイレンズ3のレンズセル3a(1)に対応するレンズセル4a(1)の光軸axを、この縦方向,横方向のうちこの一方方向とは直交する方向上で、この片側とは反対側寄りに偏心させる。
【選択図】図5
Description
本発明は、フライアイレンズが設けられた照明光学装置、及び、フライアイレンズが設けられた照明光学系を有する液晶プロジェクタに関する。
大画面の画像表示装置の一種として、液晶プロジェクタが普及している。液晶プロジェクタは、光源からの出射光を液晶パネルに照射し、映像信号に応じて液晶パネルによって変調した光をスクリーンに拡大して投射(半透明なスクリーンに背面から投射したり、非透明なスクリーンに前面から投射)するものである。
液晶プロジェクタの照明光学系(光源からの出射光を液晶パネルに照射する光学系)には、通常、液晶パネルに均一に光を照射する目的で、微小なレンズセルを配列した一対のフライアイレンズが設けられている。
図7は、そうした照明光学系を例示する図である。光源(放電ランプ)51からの出射光が、リフレクタ52で反射・集束されて、フライアイレンズ53,フライアイレンズ54に順に入射する。
フライアイレンズ53の各レンズセル53aのレンズ面の形状は、レンズセル53からの出射光が液晶パネル56の照明エリア(有効画素領域に対して或る程度のマージンを持たせたエリア)に集光されるようにするために、この照明エリアと相似形の長方形になっている。
フライアイレンズ54は、フライアイレンズ53のレンズセル53aの略焦点位置に配置されている。フライアイレンズ54の各レンズセル54aは、フライアイレンズ53のレンズセル53aと一対一に対応しており、対応するレンズセル53aからの出射光をできるだけ多く入射できるような形状にされている。
光源51からの出射光は、このフライアイレンズ53及び54により、複数の光束(光源51の中心部分からの光束や、光源51の周辺部分からの光束)に分割され、それぞれの光束がコンデンサレンズ55を経て液晶パネル56に重畳して照射される。これにより、液晶パネル56の照明エリアに均一に光が照射される。
また、液晶プロジェクタの照明光学系には、光源からの光の利用効率を高める目的で、フライアイレンズとコンデンサレンズとの間(図7ではフライアイレンズ54とコンデンサレンズ55との間)の位置に、偏光変換素子が設けられることも多い。
図8は、この偏光変換素子の構成例を示す図である。偏光変換素子61は、複数のプリズム61aを貼り合せたものであり、貼合せ面には、フライアイレンズ(図示略)からの出射光のうちP偏光を透過させてS偏光を反射する偏光分離膜61bと、偏光分離膜61bで反射されたS偏光を反射して偏光変換素子61から出射させる反射膜61cとが交互に形成されている。
偏光変換素子61の出射側(図面の右側)の面には、偏光分離膜61bを透過したP偏光をS偏光に変換して出射させる1/2波長板61dが貼り付けられている。また、偏光変換素子61の入射側(図面の左側)の面には、フライアイレンズからの出射光が直接反射膜61cに入射することを防止するための遮蔽膜61eが貼り付けられている。
こうした偏光変換素子を設けることにより、光源から出射した非偏光を、液晶パネルの前面の偏光板を通過する直線偏光に変換することができるので、光源からの光の利用効率を高めることが可能である。
しかし、偏光変換素子を設けた場合に、フライアイレンズから偏光変換素子の遮蔽膜(図8では遮蔽膜61e)のほうに入射する光量が多くなってしまうと、液晶パネルに照射される光量がその分減少するので、光の利用効率を十分に高めることができなくなってしまう。
そこで、本出願人は、光源寄りのフライアイレンズのレンズセル(図7ではフライアイレンズ53のレンズセル53a)の光軸(頂点の位置)を、そのレンズセルからの出射光の方向が偏光変換素子の開口部(入射側の面のうち遮蔽膜が貼り付けられていない部分)に向くように、レンズ面の中心から偏心させた照明光学系を提案している(特許文献1参照)。
ところが、このように偏光変換素子の開口部の位置に合わせてフライアイレンズのレンズセルを偏心させるためには、隣合うレンズセル同士で偏心量を異ならせなければならないことが少なくない。そうした場合には、フライアイレンズの製造時(金型での成型時)に、レンズセルの周縁部分の断面形状が本来のレンズ形状とは異なる曲面状になってしまう現象(いわゆる「面ダレ」)が、レンズ面の特定の側で、その反対側よりも顕著に起きることがある。
図9は、こうしたレンズセルの偏心の様子及びそれによる面ダレの箇所を例示する図であり、図7と共通する部分には同一符号を付している。図9Aに示すように、光源側のフライアイレンズ53において縦方向(図面の上下方向)に配列されたレンズセル53aのうち、レンズセル53a(1)の光軸axはレンズ面の中心ctから横方向(図面の左右方向)の左側に偏心しているが、その上側のレンズセル53a(2)の光軸axはレンズ面の中心ctから横方向の右側に偏心している。
図9Bは、このレンズセル53a(1)及びレンズセル53a(2)の側面を、レンズセル53a(1)の手前側からみた図である。レンズセル53a(1)の光軸の位置とレンズセル53a(2)の光軸の位置とが異なることから、これらのレンズセルは横方向上での厚みの分布が異なっている。そのため、フライアイレンズ53の製造時には、レンズセル53a(1)とレンズセル53a(2)との境界の全体(斜線を付した部分)に亘って面ダレが起きることが多い。この面ダレは、レンズセル53a(1)からみると、レンズ面の縦方向の上側(レンズセル53a(2)と接している側)に存在する。
このように光源側のフライアイレンズのレンズセルのレンズ面の特定の側に面ダレが存在すると、そのレンズセルを介して液晶パネルに照射される光は、照明エリアの特定の側で光量が減少してしまう。
図10及び図11は、図9に示したレンズセル53a(1)の面ダレを例にとって、照明エリアへの照射光量に及ぼす影響を示す図であり、図7と共通する部分には同一符号を付している。図10に示すように、レンズセル53a(1)のレンズ面の縦方向(図面の上下方向)の上側(斜線を付した部分)に横方向(図面に垂直な方向)の面ダレが存在するので、光源(図示略)からレンズセル53a(1)に入射した光束Lのうちのこの面ダレの部分への入射光は、不規則な方向に反射または屈折してしまい、本来到達すべき液晶パネル56の照明エリア57内の箇所(照明エリア57の下側の部分)にほとんど到達しない。そのため、図11に示すように、レンズセル53a(1)を介して液晶パネル56に照射される光は、照明エリア57の下側の部分(斜線を付した部分)で光量が大きく減少してしまう。
この光量の減少部分が液晶パネル56の有効画素領域にまで及ぶと、スクリーンにも暗い影が表示されるので、画質が低下してしまう。
ここで、マージンを大きくとることによって照明エリア57を広げれば、こうした面ダレを原因とする影の表示を防止することは可能である。しかし、そうした場合には、照明エリアの単位面積当たりの照射光量が減少するので、スクリーンに表示される画像の明るさが低下するという別の問題が生じる。
また、光量の減少部分が有効画素領域にまで及ばない場合でも、特定の側の面ダレが顕著になると、照明エリアのこの特定の側のマージンが反対側よりも小さくなってしまうというアンバランスを生じる。このアンバランスは、照明エリアを上下左右に均等に広げたとしても解消されない。
本発明は、上述の点に鑑み、液晶プロジェクタの照明光学系のような、フライアイレンズが設けられた照明光学装置において、図9に例示したフライアイレンズ53のように光源側のフライアイレンズのレンズセルのレンズ面の特定の側に面ダレが存在する場合に、照明エリアの単位面積当たりの照射光量を減少させることなく、照明エリアの特定の側に照射される光量が減少する事態を解消することを課題としてなされたものである。
この課題を解決するために、本発明に係る照明光学装置は、光源からの出射光を複数の光束に分割するためのレンズセルを配列した第1のフライアイレンズと、この第1のフライアイレンズのこのレンズセルに一対一に対応するレンズセルを配列した第2のフライアイレンズとが設けられた照明光学装置において、この第1のフライアイレンズの少なくとも一部のこのレンズセルは、レンズ面の縦方向,横方向のうちの一方方向の片側に面ダレが存在しており、この第2のフライアイレンズのこのレンズセルのうち、この面ダレの存在するこの第1のフライアイレンズのこのレンズセルに対応するレンズセルの光軸が、この縦方向,横方向のうちこの一方方向とは直交する方向上で、この片側とは反対側寄りに偏心していることを特徴とする。
この照明光学装置は、図9に例示したフライアイレンズ53のレンズセル53a(1)のように、光源側に位置する第1のフライアイレンズのレンズセルのレンズ面の特定の側(レンズ面の縦方向,横方向のうちの一方方向の片側)に面ダレが存在するものである。
そして、この照明光学装置では、照明エリア側に位置するフライアイレンズのレンズセルのうち、面ダレの存在する光源側のフライアイレンズのレンズセルに対応するレンズセルの光軸が、レンズ面の縦方向,横方向のうち前述の一方方向とは直交する方向上で、前述の片側とは反対側寄りに偏心している。
照明エリア側のフライアイレンズのレンズセルをこのように偏心させることにより、光源側のフライアイレンズのこの面ダレの存在するレンズセルから出射した光は、この面ダレにより光量が減少する部分を、図10及び図11に例示した照明エリア57の下側のような照明エリアの特定の側よりも、照明エリアの外方向にそらすようにして、照明エリアに照射される。
これにより、照明エリアの単位面積当たりの照射光量を減少させることなく、照明エリアの特定の側に照射される光量が減少する事態を解消することができる。
次に、本発明に係る液晶プロジェクタは、光源からの出射光を液晶パネルに照射する照明光学系に、この光源からの出射光を複数の光束に分割するためのレンズセルを配列した第1のフライアイレンズと、この第1のフライアイレンズのこのレンズセルに一対一に対応するレンズセルを配列した第2のフライアイレンズとが設けられた液晶プロジェクタにおいて、この第1のフライアイレンズの少なくとも一部のこのレンズセルは、レンズ面の縦方向,横方向のうちの一方方向の片側に面ダレが存在しており、この第2のフライアイレンズのこのレンズセルのうち、この面ダレの存在するこの第1のフライアイレンズのこのレンズセルに対応するレンズセルの光軸が、この縦方向,横方向のうちこの一方方向とは直交する方向上で、この片側とは反対側寄りに偏心していることを特徴とする。
この液晶プロジェクタは、前述の本発明に係る照明光学装置を照明光学系として採用したものであり、液晶パネルの照明エリアの単位面積当たりの照射光量を減少させることなく、照明エリアの特定の側に照射される光量が減少する事態を解消することができる。したがって、表示される画像の明るさを低下させることなく、スクリーンに暗い影が表示される事態を解消することや、液晶パネルの照明エリアの縦方向または横方向の両側のマージンの大きさのバランスをとることができる。
本発明に係る照明光学装置によれば、フライアイレンズが設けられた照明光学装置において、光源側のフライアイレンズのレンズセルのレンズ面の特定の側に面ダレが存在する場合に、照明エリアの単位面積当たりの照射光量を減少させることなく、照明エリアの特定の側に照射される光量が減少する事態を解消することができるという効果が得られる。
また、本発明に係る液晶プロジェクタによれば、フライアイレンズが設けられた照明光学系を有する液晶プロジェクタにおいて、光源側のフライアイレンズのレンズセルのレンズ面の特定の側に面ダレが存在する場合に、スクリーンに表示される画像の明るさを低下させることなく、スクリーンに暗い影が表示される事態を解消することや、液晶パネルの照明エリアの縦方向または横方向の両側のマージンの大きさのバランスをとることができるという効果が得られる。
以下、本発明を図面を用いて具体的に説明する。図1は、本発明を適用した液晶プロジェクタの光学系の全体構成を示す図である。光源(放電ランプ)1からの出射光が、リフレクタ2で反射・集束され、フライアイレンズ3,フライアイレンズ4, 偏光変換素子5,メインコンデンサレンズ6を順に経て、青色光反射用のダイクロイックミラー7に入射する。
ダイクロイックミラー7で反射された青色光は、全反射ミラー8, チャンネルコンデンサレンズ9(B)を経て、青色表示用の透過型の液晶パネル10(B)の照明エリア(有効画素領域に対して或る程度のマージンを持たせたエリア)に照射される。
ダイクロイックミラー7を透過した光のうちの緑色光は、緑色光反射用のダイクロイックミラー10で反射され、チャンネルコンデンサレンズ9(G)を経て、緑色表示用の透過型の液晶パネル10(G)の照明エリアに照射される。
ダイクロイックミラー7を透過した光のうちの赤色光は、リレーレンズ11, 全反射ミラー12, リレーレンズ13, 全反射ミラー14, チャンネルコンデンサレンズ9(R)を順に経て、赤色表示用の透過型の液晶パネル10(R)の照明エリアに照射される。
液晶パネル10(R),10(G),10(B)の有効画素領域に照射された赤色光,緑色光,青色光は、それぞれR,G,Bの映像信号に応じて変調されて液晶パネル10(R),10(G),10(B)を透過し、ダイクロイックプリズム15で合成されて、投射レンズ16に入射する。
図2は、図1の光学系における照明光学系の主要部を示す図であり、図1と共通する部分には同一符号を付すとともに、チャンネルコンデンサレンズ9(R),9(G),9(B)をチャンネルコンデンサレンズ9として示し、液晶パネル10(R),10(G),10(B)を液晶パネル10として示している。
偏光変換素子5は、図8に示した偏光変換素子61と同一の構成のものであり、遮蔽膜(図8では遮蔽膜61e)と開口部(入射側の面のうち遮蔽膜が貼り付けられていない部分)とが、フライアイレンズ3,4のレンズセル3a,4aのレンズ面の横方向(図面に垂直な方向)に交互に繰り返して存在している。
この照明光学系では、光源側に位置するフライアイレンズ3の中央付近の一部のレンズセルは、そのレンズセルからの出射光の方向を偏光変換素子5の開口部に向けるように、光軸がレンズ面の中心から横方向に偏心している。
図3は、このレンズセルの偏心の様子及びそれによる面ダレの箇所を示す図である。図3Aに示すように、フライアイレンズ3の中央付近において縦方向(図面の上下方向)に配列されたレンズセル3aのうち、レンズセル3a(1)の光軸axはレンズ面の中心ctから横方向の左側に偏心しているが、その上側のレンズセル3a(2)の光軸axはレンズ面の中心ctから横方向の右側に偏心している。
図3Bは、このレンズセル3a(1)及びレンズセル3a(2)の側面を、レンズセル3a(1)の手前側からみた図である。レンズセル3a(1)の光軸の位置とレンズセル3a(2)の光軸の位置とが異なることから、これらのレンズセルは横方向上での厚みの分布が異なっている。そのため、フライアイレンズ3の製造時(金型での成型時)には、レンズセル3a(1)とレンズセル3a(2)との境界の全体(斜線を付した部分)に亘って面ダレが起きている。この面ダレは、レンズセル3a(1)からみると、レンズ面の縦方向の上側(レンズセル3a(2)と接している側)に存在する。
そして、この照明光学装置では、照明エリア側(液晶パネル10側)に位置するフライアイレンズ4のレンズセルのうち、面ダレの存在する光源側のフライアイレンズ3のレンズセル3aに対応するレンズセルの光軸が、レンズ面の縦方向上で、当該レンズセル3aにおいて面ダレが存在する側とは反対側寄りに偏心している。
図4は、フライアイレンズ4のレンズセルのうち、図3のフライアイレンズ3のレンズセル3a(1)に対応するレンズセルの偏心の状態を示す図である。フライアイレンズ4のレンズセルのうち、フライアイレンズ3のレンズセル3a(1)に対応するレンズセル4a(1)の光軸axが、レンズ面の縦方向(図面の上下方向)上で、レンズ面の中心ctから、レンズセル3a(1)において面ダレが存在する側である上側とは反対側である下側寄りに偏心している。
図5は、図3のフライアイレンズ3のレンズセル3a(1)と、図4のフライアイレンズ4のレンズセル4a(1)とを介して液晶パネル10の照明エリアに照射される光を示す図であり、図2と共通する部分には同一符号を付している。フライアイレンズ3のレンズセル3a(1)のレンズ面の縦方向の上側(斜線を付した部分)に面ダレが存在するので、光源(図示略)からこの面ダレの部分に入射した光Lは、不規則な方向に反射または屈折してしまい、本来の方向への出射光量が減少する。
しかし、フライアイレンズ4のレンズセル4a(1)が縦方向(図面の上下方向)上で下側寄りに偏心しているので、フライアイレンズ3のレンズセル3a(1)からの出射光は、レンズセル4a(1)によって進行方向を縦方向下寄りに傾けられて、照明エリア21に照射される。したがって、レンズセル3a(1)からの出射光は、面ダレにより光量が減少する部分を、液晶パネル10の照明エリア21の照明エリアの下側よりも、照明エリア21の外方向にそらすようにして、照明エリア21に照射される。
図6は、このようにしてレンズセル3a(1)及びレンズセル4a(1)を介して照明エリア21に照射される光を、レンズセル4a(1)を偏心させなかったとした場合と対比して示す図である。レンズセル4a(1)を偏心させなかった場合には、図6Aに例示するように、レンズセル3a(1)の面ダレによる光量の減少部分(斜線を付した部分)が照明エリア21のうちの液晶パネル10の有効画素領域22にまで及ぶことにより、スクリーンにも暗い影が表示されて画質が低下してしたり、あるいは、光量の減少部分が有効画素領域22にまで及ばない場合でも、図6Bに例示するように、照明エリア21の縦方向の下側のマージンが上側よりも小さくなってしまうというアンバランスを生じる。
これに対し、レンズセル4a(1)を図4のように偏心させることにより、図6Aに示した状態から、図6Cに例示するように、レンズセル3a(1)の面ダレによる光量の減少部分(斜線を付した部分)を、照明エリア21内で有効画素領域22よりも下側にそらすことができる(照明エリア21内で有効画素領域22よりも上側のグレーの部分は、レンズセル4a(1)の偏心により、レンズセル4a(1)からの出射光が届かなくなる部分である)。あるいはまた、図6Bに示した状態から、図6Dに例示するように、照明エリア21の下側の、面ダレによる光量の減少部分の面積と、照明エリア21の上側の、偏心により出射光が届かなくなる部分の面積とを、ほぼ一致させることもできる。
図3〜図5には一組のレンズセル3a(1)及びレンズセル4a(1)のみを示したが、この照明光学系では、フライアイレンズ3のレンズセル3aのうち、偏光変換素子5の開口部の位置に合わせて偏心させたことによってレンズ面の縦方向の片側に面ダレが存在する全てのレンズセル3aについて、そのレンズセル3aに対応するフライアイレンズ4のレンズセル4aを、レンズ面の縦方向上で、当該レンズセル3aにおいて面ダレが存在する側とは反対側寄りに偏心させている。
これにより、スクリーンに表示される画像の明るさを低下させることなく、スクリーンに暗い影が表示される事態を解消することや、照明エリア21の縦方向の両側のマージンの大きさのバランスをとることができる。
なお、以上の例では、光源側のフライアイレンズ3のレンズセル3aをレンズ面の横方向に偏心させたことによってレンズセル3aのレンズ面の縦方向の片側に面ダレが存在しており、照明エリア側のフライアイレンズ4のレンズセル4aのうち、この面ダレの存在するレンズセル3aに対応するレンズセルの光軸を、レンズ面の縦方向上で、当該レンズセル3aにおいて面ダレが存在する側とは反対側寄りに偏心させている。しかし、光源側のフライアイレンズ3のレンズセル3aを逆にレンズ面の縦方向に偏心させたことによってレンズセル3aのレンズ面の横方向の片側に面ダレが存在している場合には、照明エリア側のフライアイレンズ4のレンズセル4aのうち、この面ダレの存在するレンズセル3aに対応するレンズセルの光軸を、レンズ面の横方向上で、当該レンズセル3aにおいて面ダレが存在する側とは反対側寄りに偏心させるようにすればよい。
また、以上の例では、光源側のフライアイレンズ3のレンズセル3aを偏心させたことによってレンズセル3aのレンズ面の縦方向の片側に面ダレが存在している照明光学系を有する液晶プロジェクタに本発明を適用している。しかし、これに限らず、光源側のフライアイレンズのレンズセルが偏心していないがそのレンズセルのレンズ面の縦方向または横方向の特定の側に面ダレが存在している照明光学系を有する液晶プロジェクタにおいても、照明エリア側のフライアイレンズのレンズセルを、以上に説明したのと全く同様にして偏心させることにより、スクリーンに表示される画像の明るさを低下させることなく、スクリーンに暗い影が表示される事態を解消することや、照明エリアの縦方向や横方向の両側のマージンの大きさのバランスをとることができるようになる。
また、以上の例では透過型の液晶パネルを設けた液晶プロジェクタに本発明を適用しているが、これに限らず、本発明は、反射型の液晶パネルを設けた液晶プロジェクタや、液晶プロジェクタの照明光学系以外の用途の照明光学装置(例えば露光装置)にも適用することができる。
1 光源、 2 リフレクタ、 3 フライアイレンズ、 3a,3a(1),3a(2) レンズセル、 4 フライアイレンズ、 4a,4a(1) レンズセル、 5 偏光変換素子、 10(R),10(G),10(B),10 液晶パネル、 21 照明エリア
Claims (4)
- 光源からの出射光を複数の光束に分割するためのレンズセルを配列した第1のフライアイレンズと、
前記第1のフライアイレンズの前記レンズセルに一対一に対応するレンズセルを配列した第2のフライアイレンズと
が設けられた照明光学装置において、
前記第1のフライアイレンズの少なくとも一部の前記レンズセルは、レンズ面の縦方向,横方向のうちの一方方向の片側に面ダレが存在しており、
前記第2のフライアイレンズの前記レンズセルのうち、前記面ダレの存在する前記第1のフライアイレンズの前記レンズセルに対応するレンズセルの光軸が、前記縦方向,横方向のうち前記一方方向とは直交する方向上で、前記片側とは反対側寄りに偏心している
ことを特徴とする照明光学装置。 - 請求項1に記載の照明光学装置において、
前記光源からの出射光を特定の直線偏光に変換する偏光変換素子
がさらに設けられており、
前記第1のフライアイレンズの少なくとも一部の前記レンズセルが、該レンズセルの光軸を、該レンズセルからの出射光の方向が前記偏光変換素子の開口部に向くように偏心させたことにより、レンズ面の縦方向,横方向のうちの一方方向の片側に面ダレを起こしている
ことを特徴とする照明光学装置。 - 光源からの出射光を液晶パネルに照射する照明光学系に、
前記光源からの出射光を複数の光束に分割するためのレンズセルを配列した第1のフライアイレンズと、
前記第1のフライアイレンズの前記レンズセルに一対一に対応するレンズセルを配列した第2のフライアイレンズと
が設けられた液晶プロジェクタにおいて、
前記第1のフライアイレンズの少なくとも一部の前記レンズセルは、レンズ面の縦方向,横方向のうちの一方方向の片側に面ダレが存在しており、
前記第2のフライアイレンズの前記レンズセルのうち、前記面ダレの存在する前記第1のフライアイレンズの前記レンズセルに対応するレンズセルの光軸が、前記縦方向,横方向のうち前記一方方向とは直交する方向上で、前記片側とは反対側寄りに偏心している
ことを特徴とする液晶プロジェクタ。 - 請求項3に記載の液晶プロジェクタにおいて、
前記照明光学系に、前記光源からの出射光を特定の直線偏光に変換する偏光変換素子
がさらに設けられており、
前記第1のフライアイレンズの少なくとも一部の前記レンズセルが、該レンズセルの光軸を、該レンズセルからの出射光の方向が前記偏光変換素子の開口部に向くように偏心させたことにより、レンズ面の縦方向,横方向のうちの一方方向の片側に面ダレを起こしている
ことを特徴とする液晶プロジェクタ。
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JP2019139114A (ja) * | 2018-02-14 | 2019-08-22 | キヤノン株式会社 | 照明装置および画像投射装置 |
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