JP2006279581A - プロジェクタ - Google Patents

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Abstract


【課題】画像反転等の操作があっても、台形歪みが補正された投射画像を投影することのできるプロジェクタを提供すること。
【解決手段】プロジェクタ1を構成する画像処理系57は、バッファ56に記憶されたフレーム画像に対して台形補正処理を実行し台形補正画像を生成する補正処理部と、反転操作信号が入力すると、前記フレーム画像に対し、台形補正画像の台形補正の短辺と長辺とが入れ替わるような逆台形補正処理を実行して、逆台形補正画像を生成する逆補正処理部とを備え、駆動処理系58は、前記逆台形補正画像を、液晶パネル251の駆動を指示する画素駆動信号に基づいて液晶パネル251に書き込む画像情報出力部582と、反転操作信号が入力すると、画素駆動信号を制御して、画像情報出力部582に、反転した逆台形補正画像を液晶パネル251に書き込ませる出力切替部581とを備えている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、プロジェクタに関する。
従来から、会議、学会、展示会等でのプレゼンテーションにプロジェクタが用いられている。このようなプロジェクタは、光源と、当該光源から射出された光束を変調する光変調装置と、前記光変調装置により変調された光束を、スクリーン上に拡大投射する投射光学装置とを備えている。
プロジェクタを用いてスクリーン上の投射画像を形成した場合、プロジェクタおよびスクリーンの位置関係が適切でないと、スクリーン上に投射された投射画像には、例えば、上辺が長く下辺が短い台形状に歪むいわゆる台形歪みが生じることがある。
そこで、予め光学像を歪ませておき、スクリーン上に投射したときに、適切な長方形の投射画像が形成されるようにする台形歪み補正機能を備えたプロジェクタが知られている(例えば、特許文献1)。
台形歪み補正機能は、光変調装置の画素を全て使用せずに、光変調装置における画像形成領域を、スクリーン上の投射画像の歪み方向とは逆の方向に歪ませることにより、投射画像が長方形状になるように補正するものである。このような台形歪み補正機能を備えたプロジェクタによれば、プロジェクタとスクリーンの位置関係が少々ずれていても、長方形の投射画像を投影できるという利点がある。
特開2003−283963号公報
ところで、このようなプロジェクタを用いてプレゼンテーションを行う場合、視覚効果のために投射画像を反転させることがあり、この画像反転は、光変調装置を駆動する駆動回路におけるデータの書込みの順番を、切替ることにより逆転させることで行うことができる。
しかしながら、前述したように、光学像に台形歪み補正が行われている場合、単純に書込みの順番を逆転して画像反転を行うと、台形歪み補正の方向も逆転してしまうため、投射画像には却って大きな台形歪みが生じてしまう。このため、長方形状の投射画像を得るためには、台形歪み補正を再度行わなければならないという課題がある。
本発明の目的は、画像反転等の操作があっても、台形歪みが補正された投射画像を投影することのできるプロジェクタを提供することである。
前述した目的を達するために、本発明のプロジェクタは、光源と、当該光源から射出された光束を変調する光変調装置と、前記光変調装置により変調された光束を拡大投射する投射光学装置と、これらを含む装置全体の制御を行う制御手段とを備えたプロジェクタであって、付与される操作に応じた操作信号を前記制御手段に出力する操作手段を備え、前記制御手段は、入力する画像情報により形成されるフレーム単位の画像を記憶するバッファと、当該バッファに記憶されたフレーム画像に対して画像処理を実行する画像処理系と、前記画像処理が実行された画像情報に基づいて前記光変調装置の駆動制御を行う駆動処理系とを備え、前記画像処理系は、前記バッファに記憶されたフレーム画像に対して、前記投射光学装置から投射された投射画像の台形歪みを補正する台形補正処理を実行して補正処理画像を生成する補正処理部と、前記操作手段から、前記投射画像の反転を指示する反転操作信号が入力すると、前記バッファに記憶されたフレーム画像に対し、前記補正処理画像の台形補正の短辺と長辺とが入れ替わるような逆台形補正処理を実行して、逆補正処理画像を生成する逆補正処理部とを備え、前記駆動処理系は、前記逆補正処理部で生成された前記逆補正処理画像を、前記光変調装置の駆動を指示する光変調装置駆動信号に基づいて前記光変調装置に書き込む画像情報出力部と、前記操作手段から前記反転操作信号が入力すると、前記光変調装置駆動信号を制御して、前記画像情報出力部に、反転した前記逆補正処理画像を前記光変調装置に書き込ませる画像反転部とを備えていることを特徴とする。
ここで、プロジェクタに入力された画像情報は、まず、フレーム画像を形成するフレーム単位でバッファに記憶される。さらに、バッファに記憶された画像情報は、画像処理系から画像処理が施される。駆動処理系は、画像処理が施された画像情報を光変調装置に出力するとともに、当該画像情報に基づいて光変調装置を駆動する。光源から射出された光束は、光変調装置によって変調され、投射光学装置を介してスクリーン等に投射画像を投射する。
しかし、プロジェクタから投射される光束の光軸が、スクリーン等の投射面に対し垂直ではない場合、投射面に投影された投射画像には、例えば、上辺が下辺より長い台形状に変形される台形歪みが生じる。この台形歪みを補正するために、本発明では、画像処理系を構成する補正処理部が、バッファに記憶された画像情報により形成されるフレーム画像に対し台形補正処理を実行して、補正処理画像を生成する。当該補正処理画像は、前記投射画像の歪みを補正する形状、ここでは、上辺が下辺より短い台形状を有している。この補正処理画像に基づいて、駆動処理系が光変調装置を駆動すると、台形歪みが補正された長方形状の投射画像が投影される。
次に、このように台形歪みが補正されている投射画像を反転させるために、画像処理系を構成する逆補正処理部は、操作手段から出力された反転操作信号が入力すると、バッファに記憶された画像情報により形成されるフレーム画像に対し、逆補正処理画像を生成する逆補正処理を実行する。生成された逆補正処理画像は、前記補正処理画像の台形補正の短辺と長辺とが入れ替わった台形状、ここでは、上辺が下辺より長い逆台形状を有している。
さらに、駆動処理系を構成する画像反転部は、入力する反転操作信号に応じて、画像情報出力部が出力する光変調装置駆動信号を制御する。画像情報出力部は、画像反転部により制御された光変調装置駆動信号に基づいて、前記逆補正処理画像を光変調装置に書き込む。すると、光変調装置には、反転された前記逆補正処理画像が書き込まれる。
すなわち、画像情報出力部により光変調装置に形成されるフレーム画像は、前記逆補正処理画像が反転されたものであり、上辺が下辺より短い台形状を有している。当該フレーム画像により変調された光束は、投射光学装置を介して、反転され、かつ、台形歪みが補正された長方形状の投射画像を投影する。
すなわち、本発明のプロジェクタによれば、台形歪みが補正された投射画像の反転投射を、一度の台形補正処理で実現することができる。従って、本発明のプロジェクタは、画像反転等の操作があっても、再度台形補正処理を行うことなく、台形歪みが補正された投射画像を簡易に投影することができる。
また、投射画像の反転は、画像反転部が光変調装置駆動信号を制御し、さらに、画像情報出力部が、当該光変調装置駆動信号に基づいて画像情報を光変調装置に書き込むことで達成されるので、当該プロジェクタの制御手段が行う処理量を抑制することができる。
本発明において、前記反転操作信号は、前記投射画像を上下方向に反転させる上下反転操作信号と、前記投射画像を左右方向に反転させる左右反転操作信号の少なくともいずれかを備え、前記画像処理系は、前記反転操作信号が指示する反転方向、および、前記投射画像の台形歪み方向とが同方向であるか否かを判定する方向判定部を備えていることが好ましい。
ここで、上辺と下辺の長さが異なる上下方向の台形歪みに対して、台形補正処理が施された投射画像を反転させる場合において、当該投射画像を左右方向に反転させると、当該反転方向と、台形補正処理の補正方向とが異なるために、反転後の投射画像に台形歪みは現れない。すなわち、投射画像の台形歪み方向、および、当該投射画像の反転方向が異なる場合、画像情報に逆台形補正処理を行う必要はない。
本発明によれば、上下反転操作信号または左右反転操作信号が入力すると、方向判定部は、当該反転操作信号が指定する反転方向、および、投射画像の歪み方向が同方向であるか否かを判定する。すると、反転操作信号の反転方向、および、投射画像の歪み方向が異方向であると判定された際に、入力する画像情報に行う逆台形補正処理を取り止めることができる。すなわち、逆台形補正処理の必要性を事前に判定し、必要性がないと判定すると、当該処理の実行を中止することができる。従って、プロジェクタが行う処理量を抑制することができる。
本発明において、前記画像処理系は、前記反転操作信号が入力すると、前記逆補正処理部による前記逆台形補正処理の選択を促す逆台形補正処理選択提示部を備えていることが好ましい。
本発明によれば、前述のように、投射画像の反転時に逆台形補正処理を実行する必要がない場合、逆台形補正処理選択提示部は、逆台形補正処理の選択を操作者に促すことができる。すなわち、逆補正処理部が逆台形補正処理を実行するか否かの判断を、操作者に委ねることができる。従って、操作者が逆台形補正処理を実行しない選択肢を採ることにより、プロジェクタの制御手段が行う処理量を抑制することができる。
以下、本発明の一実施形態を、図1〜図10に基づいて説明する。
(1)プロジェクタ1の内部構成
図1は、本実施形態のプロジェクタ1の概略内部構成を示すブロック図である。
プロジェクタ1は、光源から射出される光束を、プロジェクタ1に入力される画像情報に応じて変調し、スクリーンSc上に投射画像Aを投影するものである。このプロジェクタ1は、図1に示すように、光学装置2と、操作手段としての操作パネル3と、撮像カメラ4と、制御手段としての制御基板5とを含んで構成されている。
このうち、操作パネル3は、プロジェクタ1の外面に露出して設けられており、電源スイッチや、歪補正モードスイッチ、上下反転スイッチ、左右反転スイッチ等を配設している。各スイッチが操作されると、操作パネル3は、各スイッチに応じた操作信号を後述する制御基板5に出力する。
例えば、歪補正モードスイッチが操作されると、操作パネル3は、入力する画像情報に対して台形補正処理を実行させる歪補正モード信号を出力する。上下反転スイッチが操作されると、操作パネル3は、投射画像Aの上下反転を指示する上下反転信号を出力する。また、左右反転スイッチが操作されると、操作パネル3は、投射画像Aの左右反転を指示する左右反転信号を出力する。
なお、操作パネル3およびスイッチは、赤外線を用いてプロジェクタ1の遠隔制御を行うリモートコントローラ(図示省略)に設けてもよい。
撮像カメラ4は、CCD(Charge Coupled Devices)、あるいは、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の撮像素子を備え、スクリーンScおよび投射画像Aを撮像することができる。撮像カメラ4は、撮像したスクリーンScおよび投射画像Aに基づいた撮像情報信号を、後述する制御基板5に出力する。
(1−1)光学装置2の構成
図2は、光学装置2の光学系を示す模式平面図である。
光学装置2は、図2に示すように、光源ランプ211から射出された光束を変調して、後述する制御基板5から入力される画像情報に応じた光学像を形成し、当該形成した光学像を投射レンズ26により、スクリーンSc(図1)に拡大投射するものである。
このような光学装置2は、光源装置21と、インテグレータ照明光学系22と、色分離光学系23と、リレー光学系24と、電気光学装置25と、投射光学装置としての投射レンズ26と、これらを内部に収納する光学部品用筐体(図示省略)と、投射レンズ26を保持固定するヘッド体(図示省略)とを備えて構成されている。
光源装置21は、放射光源としての光源ランプ211と、リフレクタ212と、防爆ガラス213とを備えて構成されている。そして、この光源装置21は、光源ランプ211から射出された放射状の光線をリフレクタ212で反射して平行光線とし、この平行光線を、防爆ガラス213を介して外部へと射出する。
このうち、光源ランプ211は、本実施形態では、高圧水銀ランプが採用されている。なお、高圧水銀ランプ以外に、メタルハライドランプやハロゲンランプ等を採用することもできる。また、リフレクタ212としては、放物面鏡を採用しているが、放物面鏡の代わりに、平行化凹レンズおよび楕円面鏡を組み合わせたものを採用してもよい。
防爆ガラス213は、リフレクタ212の開口部分を閉塞する透光性のガラス部材であり、光源ランプ211が破裂した場合に、当該光源ランプ211の破片が外部に飛散しないように構成されている。
インテグレータ照明光学系22は、電気光学装置25を構成する後述する2つの液晶パネル251の画像形成領域をほぼ均一に照明するための光学系である。このインテグレータ照明光学系22は、第1レンズアレイ221と、第2レンズアレイ222と、偏光変換素子223と、重畳レンズ224とを備えて構成されている。
第1レンズアレイ221は、光軸方向から見てほぼ矩形状の輪郭を有する小レンズがマトリクス状に配列された構成を有し、各小レンズは、光源装置21から射出された光束を複数の部分光束に分割している。
第2レンズアレイ222は、第1レンズアレイ221と略同様な構成を有しており、小レンズがマトリクス状に配列された構成を有している。この第2レンズアレイ222は、重畳レンズ224とともに、第1レンズアレイ221の各小レンズの像を後述する液晶パネル251上に結像させる機能を有する。
偏光変換素子223は、第2レンズアレイ222と重畳レンズ224との間に配設される。このような偏光変換素子223は、第2レンズアレイ222からの光を略1種類の直線偏光に変換するものであり、これにより、電気光学装置25での光の利用効率が高められている。
具体的に、偏光変換素子223によって略1種類の直線偏光に変換された各部分光は、重畳レンズ224によって最終的に電気光学装置25の後述する液晶パネル251上にほぼ重畳される。偏光光を変調するタイプの液晶パネル251を用いたプロジェクタ1では、1種類の直線偏光しか利用できないため、他種類のランダムな偏光光を発する光源ランプ211からの光のほぼ半分が利用されない。そこで、偏光変換素子223を用いることにより、光源ランプ211から射出された光束を略1種類の直線偏光に変換し、電気光学装置25での光の利用効率を高めている。
色分離光学系23は、2枚のダイクロイックミラー231,232と、反射ミラー233とを備え、ダイクロイックミラー231,232により、インテグレータ照明光学系22から射出された複数の部分光束を赤(R)、緑(G)、青(B)の2色の色光に分離する機能を有している。
リレー光学系24は、入射側レンズ241と、リレーレンズ242と、反射ミラー243,244とを備え、色分離光学系23で分離された色光である赤色光を電気光学装置25の後述する赤色光用の液晶パネル251Rまで導く機能を有している。
この際、色分離光学系23のダイクロイックミラー231では、インテグレータ照明光学系22から射出された光束の赤色光成分と緑色光成分とが透過するとともに、青色光成分が反射する。ダイクロイックミラー231によって反射した青色光は、反射ミラー233で反射し、フィールドレンズ255を通って、電気光学装置25の後述する青色光用の液晶パネル251Bに到達する。このフィールドレンズ255は、第2レンズアレイ222から射出された各部分光束をその中心軸(主光線)に対して平行な光束に変換する。他の緑色光用、赤色光用の光変調装置の光束入射側に設けられたフィールドレンズ255も同様である。
また、ダイクロイックミラー231を透過した赤色光と緑色光のうちで、緑色光は、ダイクロイックミラー232によって反射し、フィールドレンズ255を通って、緑色光用の液晶パネル251Gに到達する。一方、赤色光は、ダイクロイックミラー232を透過してリレー光学系24を通り、さらにフィールドレンズ255を通って、赤色光用の液晶パネル251Rに到達する。
なお、赤色光にリレー光学系24が用いられているのは、赤色光の光路の長さが他の色
光の光路の長さよりも長いため、光の発散等による光の利用効率の低下を防止するためである。すなわち、入射側レンズ241に入射した部分光束をそのまま、フィールドレンズ255に伝えるためである。なお、リレー光学系24には、2つの色光のうち赤色光を通す構成としたが、これに限らず、例えば、青色光、緑色光を通す構成としてもよい。
電気光学装置25は、入射された光束を画像情報に応じて変調してカラー画像を形成するものである。電気光学装置25は、色分離光学系23で分離された各色光が入射される2つの入射側偏光板252と、各入射側偏光板252の光路後段に配置される2つの液晶パネル251(赤色光用の液晶パネルを251R、緑色光用の液晶パネルを251G、青色光用の液晶パネルを251Bとする)と、各液晶パネル251の光路後段に配置される2つの射出側偏光板253と、色合成光学装置としてのクロスダイクロイックプリズム254とを備える。なお、液晶パネル251は、本発明の光変調装置に相当する。
これら入射側偏光板252、液晶パネル251、射出側偏光板253、およびクロスダイクロイックプリズム254は、一体的にユニット化されている。なお、入射側偏光板252、液晶パネル251、および、射出側偏光板253は、具体的な図示は省略するが、所定の間隔を空けて配置している。
入射側偏光板252は、偏光変換素子223で偏光方向が略一方向に揃えられた各色光が入射され、入射された光束のうち、偏光変換素子223で揃えられた光束の偏光軸と略同一方向の偏光光のみ透過させ、その他の光束を吸収するものである。この入射側偏光板252は、例えば、サファイアガラスまたは水晶等の透光性基板上に偏光膜が貼付された構成を有している。
液晶パネル251は、一対の透明ガラス基板に電気光学物質である液晶が密閉封入された構成を有している。液晶パネル251は、後述する制御基板から出力される駆動信号に応じて、画像形成領域内にある前記液晶の配向状態が制御され、入射側偏光板252から射出された偏光光束の偏光方向を変調する。
射出側偏光板253は、入射側偏光板252と略同様の構成であり、液晶パネル251の画像形成領域から射出された光束のうち、入射側偏光板252における光束の透過軸と直交する偏光軸を有する光束のみ透過させ、その他の光束を吸収するものである。
クロスダイクロイックプリズム254は、射出側偏光板253から射出された色光毎に変調された光学像を合成してカラー画像を形成する光学素子である。このクロスダイクロイックプリズム254は、4つの直角プリズムを貼り合わせた平面視正方形状をなし、直角プリズム同士を貼り合わせた界面には、2つの誘電体多層膜が形成されている。これら誘電体多層膜は、液晶パネル251R,251Bから射出され射出側偏光板253を介した各色光を反射し、液晶パネル251Gから射出され射出側偏光板253を介した色光を透過する。このようにして、各液晶パネル251R,251G,251Bにて変調された各色光が合成され、カラー画像が形成される。
投射レンズ26は、鏡筒内に複数のレンズ、および、入射光束を偏向するミラーが収納された構成を有し、電気光学装置25から射出されたカラー画像を拡大して、スクリーンSc(図1)へ向かって投射するものである。この投射レンズ26は、電気光学装置25の光束射出側に配置され、後述するヘッド体に固定されている。
光学部品用筐体は、内部に所定の照明光軸Eが設定され、上述した光学部品22〜25を照明光軸Eに対する所定位置に配置する。
ヘッド体は、例えばアルミニウム合金またはマグネシウム合金等の金属材料から構成され、電気光学装置25および投射レンズ26を一体化するとともに、一体化したユニットを光学部品用筐体に対して取付けるものである。
(1−2)制御基板5の構成
制御基板5の構成を、図1および図3を用いて説明する。
制御基板5は、本発明の制御手段に相当し、信号入力端子11を介して外部から入力した画像情報を処理するとともに、当該画像情報、および、後述するCPU51から出力される制御信号に基づいて液晶パネル251の駆動制御を行い、液晶パネル251に所定の光学像を形成させる。制御基板5は、図1に示すように、CPU(Central Processing Unit)51と、ROM(Read Only Memory)52と、RAM(Random Access Memory)53と、撮像カメラドライバ54と、信号処理部55と、バッファ56と、画像処理系57と、駆動処理系58とから大概構成される。
CPU51は、操作パネル3から出力される各種信号を受け取り、当該信号に基づく処理を実行させる制御信号を出力する。さらに、CPU51は、撮像情報解析部511を備えている。
撮像情報解析部511は、撮像カメラ4から出力された撮像情報信号を解析して、撮像された投射画像Aの台形歪み量および台形歪み方向を取得する。さらに、撮像情報解析部511は、取得した台形歪み量および台形歪み方向を、後述する画像処理系57の台形補正手段572に出力する。
ROM52は、CPU51によって処理されるプログラムや各種データが格納されている。
RAM53は、CPU51の作業メモリとして利用され、必要に応じて、ROM52の制御データ等が一時的に書き込まれる。
信号処理部55は、信号入力端子11を介して入力する画像情報に、アナログ/デジタル変換、ノイズ除去等の信号処理を行う。そして、信号処理部55は、信号処理後の画像情報をバッファ56に出力する。
バッファ56は、信号処理部55から出力された画像情報を、フレーム単位のフレーム画像として一時記憶するためのメモリである。バッファ56は、一時記憶したフレーム画像を構成する画像情報を、画像処理系57に出力する。
(1−2−1)画像処理系57の構成
画像処理系57は、バッファ56から出力された画像情報に対し、CPU51から出力される制御信号に基づいて画像処理を行う。画像処理系57は、画像処理手段571と、台形補正手段572とを備えている。
画像処理手段571は、バッファ56から出力された画像情報に対し、CPU51から出力される画像調整信号に応じて、輝度、コントラスト等を調節する画像調整処理、および、当該画像情報が示す輝度および色度に応じたガンマ補正処理等を実行する。
図3は、台形補正手段572の構成を示すブロック図である。
台形補正手段572は、バッファ56から出力された画像情報に対し、台形歪みを有する投射画像Aを長方形状に補正するための台形補正処理を実行する。台形補正手段572は、図3に示すように、補正データ導出部573と、補正処理部574と、方向判定部575と、逆補正データ導出部576と、逆補正処理部577とを備えている。
補正データ導出部573は、撮像情報解析部511から台形歪み量を取得し、この台形歪み量を基に、投射画像Aの台形歪みを補正するための補正データを導出する。さらに、補正データ導出部573は、導出した補正データを補正処理部574に出力する。
補正処理部574は、補正データ導出部573により導出された補正データに基づいて、バッファ56から出力された画像情報に対し、台形補正処理を実行する。ここで、補正処理部574が実行する台形補正処理によって、1フレーム分の画像情報により形成されるフレーム画像は、台形状に変形処理された台形補正画像として生成される。
補正処理部574は、台形補正処理が行われた画像情報を、駆動処理系58に出力する。
方向判定部575は、CPU51から反転制御信号が出力されると、撮像情報解析部511から台形歪み方向を取得し、この投射画像Aの台形歪み方向、および、当該反転制御信号が指示する反転方向とが同方向であるか否かを判定する。
逆補正データ導出部576は、方向判定部575により、投射画像Aの台形歪み方向、および、反転制御信号の反転方向とが同方向であると判定されると、補正処理部574が実行している台形補正処理に用いられた補正データを取得し、当該補正データを基に逆補正データを導出する。逆補正データとは、画像情報により形成されるフレーム画像の形状を、前記台形補正画像の短辺と長辺とを入れ替えた逆台形状に変形させるための補正データである。
逆補正処理部577は、逆補正データ導出部により導出された逆補正データに基づいて、バッファ56から出力された画像情報に対し、逆台形補正処理を実行する。ここで、逆台形補正処理が行われたフレーム画像は、前記台形補正画像の短辺と長辺とを入れ替えた逆台形状を有する逆台形補正画像として生成される。
逆補正処理部577は、逆台形補正処理が行われた画像情報を、駆動処理系58に出力する。
ここで、補正処理部574が行う台形補正処理、および、逆補正処理部577が行う逆台形補正処理とは、例えば、フレーム画像の走査線内の画素数を所定走査線単位で変化させる、あるいは、走査線数を変化させるようなデジタル処理を行うものである。
(1−2−2)駆動処理系58の構成
駆動処理系58は、画像処理系57から入力する画像情報を液晶パネル251に出力し、当該画像情報に基づいて液晶パネル251の駆動制御を行う。駆動処理系58は、画像反転部としての出力切替部581と、画像情報出力部582とを備えている。
画像情報出力部582は、まず、画像処理系57から入力する画像情報に対して、デジタル/アナログ変換等の信号処理を行う。画像情報は、液晶パネル251の各画素が当該画像情報に基づいて駆動されることによって、液晶パネル251に書き込まれる。この液晶パネル251の各画素の駆動は、画像情報出力部582が当該画像情報に基づいて生成する画素駆動信号によって指示される。画像情報出力部582は、信号処理後の画像情報と、生成した画素駆動信号とを液晶パネル251に出力する。
出力切替部581は、CPU51が出力した反転制御信号に基づいて、画像情報出力部582を制御する。具体的には、出力切替部581は、反転制御信号が指示する反転方向に基づいて、画像情報出力部582が出力する画素駆動信号を制御し、画像情報出力部582が行う画像情報の書込処理を、図4に示すように切替える。
図4は、画像情報出力部582が、画像処理系57から入力する画像情報Cを液晶パネル251に書き込む書込処理を示した模式図である。
画像情報出力部582は、図4に示すように、画像情報Cを液晶パネル251上の画像形成領域に書込み、液晶パネル251上にフレーム画像Bを形成する。
出力切替部581は、反転制御信号が入力しない場合、画像情報出力部582の書込処理の切替を行わない。すなわち、画像情報出力部582は、図4(A)に示すように、画像情報Cを、右から左の書込方向へ、かつ、上から下の並列順(画像情報C1、画像情報C2、画像情報C3・・・の順)で液晶パネル251上に書込み、フレーム画像Bを形成する。
出力切替部581は、上下反転制御信号が入力すると、画像情報出力部582が出力する画素駆動信号を制御し、画像情報出力部582の書込処理を次のように切替える。つまり、画像情報出力部582は、図4(B)に示すように、画像情報Cを、右から左の出力方向へ、かつ、下から上の並列順(画像情報C1、画像情報C2、画像情報C3・・・の順)で液晶パネル251上に書込み、フレーム画像Bを形成する。
画像情報出力部582が、このように画像情報Cを液晶パネル251に書き込むと、液晶パネル251上には、上下反転されたフレーム画像Bが形成される。
また、出力切替部581は、左右反転制御信号が入力すると、画像情報出力部582が出力する画素駆動信号を制御し、画像情報出力部582の書込処理を次のように切替える。つまり、画像情報出力部582は、図4(C)に示すように、画像情報Cを、左から右の書込方向へ、かつ、上から下の並列順(画像情報C1、画像情報C2、画像情報C3・・・の順)で液晶パネル251上に書込み、フレーム画像Bを形成する。
画像情報出力部582が、このように画像情報Cを液晶パネル251に書き込むと、液晶パネル251上には、左右反転されたフレーム画像Bが形成される。
なお、書込みの反転については、画像情報の出力順を変えても実現でき、また、液晶パネル251への書込み方向を変えても実現できる。
(2)制御基板5の作用
図5は、制御基板5が実行する作用を示す図、図6〜図9は、プロジェクタ1内で画像情報が形成するフレーム画像、および、スクリーンSc上に投影された投射画像を示す模式図である。
ここで、台形歪みが補正された投射画像を反転させるために、制御基板5が実行する作用を、図5〜図9に基づいて説明する。
プロジェクタ1は、スクリーンScの表面に対し下方中央に配置され、スクリーンScに投射画像(図6(B))を投影している。
ここで、プロジェクタ1は、信号入力端子11を介して外部から画像情報を入力している。入力された画像情報は、信号処理部55により信号処理が行われた後、バッファ56に一時記憶される。バッファ56に記憶された画像情報により形成されるフレーム画像B1は、図6(A)に示すように、長方形状である。
バッファ56から出力された画像情報は、画像処理系57を構成する画像処理手段571により所定の画像処理が行われ、次に、駆動処理系58により液晶パネル251に出力されている。
液晶パネル251は、駆動処理系58から出力された画像情報に基づいて光束を変調し、光学像を形成する。形成された光学像は、投射レンズ26により拡大投射され、スクリーンSc上に投射画像A1(図6(B))として投影されている。
このとき投射された投射画像A1には、上辺が下辺よりも長い台形状に変形される上下方向の台形歪みが現れている。
次に、操作者が、投射画像A1の台形歪みを補正するために、操作パネル3の歪補正モードスイッチを押した場合について述べる。
制御基板5を構成するCPU51は、操作パネル3から出力される歪補正モード信号の入力を監視しており(S1)、歪補正モード信号が入力したか否かを判定している(S2)。歪補正モード信号が入力しない場合、制御基板5は、処理S1に戻り、歪補正モード信号の監視を続行する。
一方、歪補正モード信号が入力した場合、CPU51は、撮像カメラドライバ54に制御信号を出力する。撮像カメラドライバ54は、当該制御信号に基づいて撮像カメラ4を駆動し、スクリーンScおよび投射画像A1(図6(B))を、撮像カメラ4に撮像させる(S3)。
CPU51を構成する撮像情報解析部511は、処理S3で撮像カメラ4により撮像されたスクリーンScおよび投射画像A1の撮像を解析し、投射画像A1の台形歪み量および台形歪み方向を取得する(S4)。撮像情報解析部511は、取得した台形歪み量および台形歪み方向を、画像処理系57を構成する台形補正手段572に出力する。
台形補正手段572を構成する補正データ導出部573は、処理S4で撮像情報解析部511により取得された台形歪み量および台形歪み方向を基に、フレーム画像B1に対する補正データを導出する(S5)。補正データ導出部573は、導出した補正データを補正処理部574に出力する。
補正処理部574は、補正データ導出部573から受信した補正データに基づいて、バッファ56から出力された画像情報に対し、台形補正処理を実行する(S6)。なお、この画像情報は、すでに画像処理手段571により画像処理が施されている。
台形補正処理が行われた画像情報によって形成される台形補正画像B2は、図7(A)に示すように、フレーム画像B1(図6(A))に対して上下方向の長さが短く、上辺が下辺よりも短い台形状に変形されている。
補正処理部574は、台形補正処理が行われた画像情報を、駆動処理系58を構成する画像情報出力部582に出力する。
画像情報出力部582は、補正処理部574から受信した画像情報と、画素駆動信号とを液晶パネル251に出力し、当該画素駆動信号に基づいて液晶パネル251の駆動を行う(S7)。
光学装置2は、光源ランプ211から射出した光束を、液晶パネル251により変調させ、スクリーンScに投射する。すると、スクリーンSc上には、台形歪みが補正された投射画像A2(図7(B))が投射される。
次に、操作者が、視覚効果を得るために、スクリーンScに投射された投射画像A2(図7(B))を上下方向に反転させようと、操作パネル3の上下反転スイッチを押した場合について述べる。
CPU51は、操作パネル3から出力される上下反転操作信号の入力を監視しており(S8)、上下反転操作信号が入力したか否かを判定している(S9)。上下反転操作信号が入力しない場合、制御基板5は処理を終了する。
一方、上下反転操作信号が入力した場合、CPU51は、上下反転制御信号を画像処理系57および駆動処理系58に出力する。
画像処理系57を構成する方向判定部575は、CPU51から上下反転制御信号が入力すると、この上下反転制御信号が示す反転方向(上下方向)、および、処理S4で撮像情報解析部511により取得された台形歪み方向が、同方向であるか否かを判定する(S10)。方向判定部575が同方向でないと判定した場合、制御基板5は処理を終了する。
一方、方向判定部575が同方向であると判定した場合、逆補正データ導出部576は、処理S6で補正処理部574が行う台形補正処理に用いられている補正データを呼出し(S11)、当該補正データを基に逆補正データを導出する(S12)。逆補正データ導出部576は、導出した逆補正データを逆補正処理部577に出力する。
逆補正処理部577は、逆補正データ導出部576から受信した逆補正データに基づいて、バッファ56から出力された画像情報に対し、逆台形補正処理を実行する(S13)。なお、この画像情報は、すでに画像処理手段571により画像処理が施されている。
逆台形補正処理が行われた画像情報によって形成される逆台形補正画像B3は、図8に示すように、フレーム画像B1(図6(A))に対して上下方向の長さが短く、上辺が下辺よりも長い逆台形状に変形されている。
逆補正処理部577は、逆台形補正処理が行われた画像情報を、駆動処理系58を構成する画像情報出力部582に出力する。
駆動処理系58を構成する出力切替部581は、CPU51から入力する上下反転制御信号に基づいて、画像情報出力部582が出力する画素駆動信号を制御し、画像情報出力部582の書込処理を切替える(S14)。なお、上下反転させる場合、画像情報出力部582の書込処理は、図3(B)に示した書込処理に切替えられる。
画像情報出力部582は、逆補正処理部577から受信した画像情報を、当該画素駆動信号と共に液晶パネル251に出力する(S15)。液晶パネル251に書き込まれた当該画像情報により形成されるフレーム画像B4は、図9(A)に示すように、逆台形補正画像B3(図8)を上下方向に反転させたものとなっている。画像情報出力部582は、出力した当該画像情報に基づいて、液晶パネル251の駆動を行う。
光学装置2は、光源ランプ211から射出した光束を、液晶パネル251上に形成されたフレーム画像B4により変調させ、スクリーンScに投射する。すると、スクリーンScには、投射画像A2(図7(B))が上下反転された長方形状の投射画像A4(図9(B))が投影される。
ここで、図10を用いて、前述した本実施形態の台形補正処理、逆台形補正処理および反転出力を、これら各処理が行われたことによるフレーム画像の処理過程、および、当該フレーム画像に基づく投射画像の変形過程に基づいて説明する。
通常モードで投影を行う場合、プロジェクタ1に入力する画像情報には、台形補正処理および上下反転出力が実行されない。このため、当該画像情報は、長方形状のフレーム画像B1を形成する。このフレーム画像B1に基づいて投影される投射画像A1には、上辺が下辺よりも長い台形歪みが現れる。
この投射画像A1の台形歪みを補正するため、プロジェクタ1に入力する画像情報に対し、台形補正処理を実行する。すると、台形補正処理後の画像情報は、上辺が下辺より短い台形状のフレーム画像、すなわち、台形補正画像B2を形成する。この台形補正画像B2に基づいて投影される投射画像A2は、投射画像A1の台形歪みが補正された長方形状を有している。
この投射画像A2を上下反転させるため、駆動処理系58によって、液晶パネル251上に、台形補正画像B2を反転させたフレーム画像B21を形成させる。しかし、このフレーム画像B21に基づいて光束を変調し拡大投射すると、スクリーンSc上に投影される投射画像A21には、投射画像A1よりも大きな台形歪みが生じてしまう。
投射画像A2が上下反転され、かつ、台形歪みが補正された投射画像を投影するため、プロジェクタ1に入力する画像情報に対し、逆補正処理を実行する。すると、逆台形補正処理後の画像情報は、上辺が下辺よりも長い逆台形状のフレーム画像、すなわち、逆台形補正画像B3を形成する。
次に、画像情報出力部582は、出力切替部581により制御された画素駆動信号に基づいて、逆台形補正画像B3を液晶パネル251に書き込む。すると、液晶パネル251には、逆台形補正画像B3が反転されたフレーム画像B4が書き込まれる。
当該フレーム画像B3により変調された光束は、投射レンズ26を介して、反転され、かつ、台形歪みが補正された長方形状の投射画像A4を投影する。
これにより、本実施形態のプロジェクタ1によれば、台形歪みが補正された投射画像A2の反転投射を、一度の台形補正処理で実現することができる。従って、本実施形態のプロジェクタ1は、画像反転等の操作があっても、再度台形補正処理を行うことなく、台形歪みが補正された投射画像A4を簡易に投影することができる。
また、投射画像A2の反転は、出力切替部581が画素駆動信号を制御し、さらに、画像情報出力部582が、当該画素駆動信号に基づいて逆台形補正画像B3を液晶パネル251に書き込むことで達成されるので、当該プロジェクタ1の制御基板5が行う処理量を抑制することができる。
また、操作パネル3から上下反転操作信号または左右反転操作信号が入力すると、方向判定部575は、当該反転操作信号が指定する反転方向、および、投射画像の歪み方向が同方向であるか否かを判定する。すると、反転操作信号の反転方向、および、投射画像の歪み方向が異方向であると判定された際に、入力する画像情報に行う逆台形補正処理を取り止めることができる。すなわち、逆台形補正処理の必要性を事前に判定し、必要性がないと判定すると、当該処理の実行を中止することができる。従って、プロジェクタ1の制御基板5が行う処理量を抑制することができる。
前記実施形態では、プロジェクタ1の制御基板5の作用によって、投射画像Aに対し自動的に台形補正処理が行われるとした。しかし、本発明では、操作者が操作パネル3に配設された歪補正調節スイッチを操作して、投射画像Aの台形歪みを補正できるように構成してもよい。このように、手動で台形補正処理を行う場合、操作者に手間がかかる。しかし、画像反転等の操作があっても、本発明によれば、台形補正処理が一度で済むため、操作者にかかる手間を低減させることができる。
(3)前記実施形態の変形
本発明を実施するための最良の構成などは、以上の記載で開示されているが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、前記実施形態は、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部若しくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
例えば、前記実施形態では、台形歪みが補正された投射画像を上下方向に反転させる処理をとりあげたが、本発明では、投射画像を左右方向に反転させる処理も行うことができる。
また、本発明は、投射画像が図11に示すように、上下方向および左右方向に台形歪みを有する投射画像Dを反転させる処理にも適用することができる。
また、前記実施形態では、方向判定部575が、投射画像Aの台形歪み方向と、当該反転制御信号が指示する反転方向とが同方向であるか否かを判定しているが、本発明では、反転制御信号が入力すると、台形補正手段572に備えられた逆台形補正処理選択提示部が、投射画像Aに逆台形補正処理を実行するか否か尋ねる投射映像を出力させて選択を促してもよい。
このような構成によれば、投射画像の反転時に逆台形補正処理を実行する必要がない場合、逆台形補正処理選択提示部は、逆台形補正処理の選択を操作者に促すことができる。すなわち、逆補正処理部577が逆台形補正処理を実行するか否かの判断を、操作者に委ねることができる。従って、操作者が逆台形補正処理を実行しない選択肢を採ることにより、プロジェクタ1が行う処理量を抑制することができる。
前記実施形態では、撮像カメラ4によってスクリーンScと投射画像Aを撮像し、この撮像情報を基に、台形歪みを補正するための補正データを導出する構成とした。しかし、本発明では、プロジェクタ1が、当該プロジェクタ1の水平方向および鉛直方向に対する傾斜を検出する傾斜センサを備え、この傾斜センサによって検出された傾斜データを基に補正データを導出する構成としてもよい。
前記実施形態では、プロジェクタ1に液晶パネル251を採用したが、本発明では、デジタル・マイクロミラー・デバイス(テキサスインスツルメント社登録商標)を採用してもよい。
本発明は、投射画像の台形補正処理機能を有するプロジェクタに利用できる。
本発明の一実施形態にかかるプロジェクタの内部構成を示すブロック図。 前記実施形態にかかる光学装置の光学系を示す模式平面図。 前記実施形態にかかる台形補正手段の構成を示すブロック図。 前記実施形態にかかる画像情報出力部の書込処理を説明するための模式図。 前記実施形態にかかる制御基板の作用を説明するためのフロー図。 前記実施形態にかかるフレーム画像、および、当該フレーム画像に基づいて投影された投射画像を示す模式図。 前記実施形態にかかる台形補正画像、および、当該台形補正画像に基づいて投影された投射画像を示す模式図。 前記実施形態にかかる逆台形補正画像を示す模式図。 前記実施形態にかかる液晶パネルに形成されたフレーム画像、および、当該フレーム画像に基づいて投影された投射画像を示す模式図。 前記実施形態にかかるフレーム画像および投射画像の処理過程を示す図。 本発明の変形例にかかるスクリーンに投影された投射画像を示す模式図。
符号の説明
1…プロジェクタ、26…投射レンズ(投射光学系)、211…光源ランプ(光源)、251,251R,251B,251G…液晶パネル(光変調装置)、3…操作パネル(操作手段)、5…制御基板(制御手段)、51…CPU、511…撮像情報解析部、55…信号処理部、56…バッファ、57…画像処理系、572…台形補正手段、573…補正データ導出部、574…補正処理部、575…方向判定部、576…逆補正データ導出部、577…逆補正処理部、58…駆動処理系、581…出力切替部(画像反転部)、582…画像情報出力部、A,A1,A2,A21,A4,D…投射画像、B,B1,B21,B4…フレーム画像、B2…台形補正画像、B3…逆台形補正画像

Claims (3)

  1. 光源と、当該光源から射出された光束を変調する光変調装置と、前記光変調装置により変調された光束を拡大投射する投射光学装置と、これらを含む装置全体の制御を行う制御手段とを備えたプロジェクタであって、
    付与される操作に応じた操作信号を前記制御手段に出力する操作手段を備え、
    前記制御手段は、入力する画像情報により形成されるフレーム単位の画像を記憶するバッファと、当該バッファに記憶されたフレーム画像に対して画像処理を実行する画像処理系と、前記画像処理が実行された画像情報に基づいて前記光変調装置の駆動制御を行う駆動処理系とを備え、
    前記画像処理系は、
    前記バッファに記憶されたフレーム画像に対して、前記投射光学装置から投射された投射画像の台形歪みを補正する台形補正処理を実行して補正処理画像を生成する補正処理部と、
    前記操作手段から、前記投射画像の反転を指示する反転操作信号が入力すると、前記バッファに記憶されたフレーム画像に対し、前記補正処理画像の台形補正の短辺と長辺とが入れ替わるような逆台形補正処理を実行して、逆補正処理画像を生成する逆補正処理部とを備え、
    前記駆動処理系は、
    前記逆補正処理部で生成された前記逆補正処理画像を、前記光変調装置の駆動を指示する光変調装置駆動信号に基づいて前記光変調装置に書き込む画像情報出力部と、
    前記操作手段から前記反転操作信号が入力すると、前記光変調装置駆動信号を制御して、前記画像情報出力部に、反転した前記逆補正処理画像を前記光変調装置に書き込ませる画像反転部とを備えていることを特徴とするプロジェクタ。
  2. 請求項1に記載のプロジェクタにおいて、
    前記反転操作信号は、前記投射画像を上下方向に反転させる上下反転操作信号と、前記投射画像を左右方向に反転させる左右反転操作信号の少なくともいずれかを備え、
    前記画像処理系は、前記反転操作信号が指示する反転方向、および、前記投射画像の台形歪み方向とが同方向であるか否かを判定する方向判定部を備えていることを特徴とするプロジェクタ。
  3. 請求項1または請求項2に記載のプロジェクタにおいて、
    前記画像処理系は、
    前記反転操作信号が入力すると、前記逆補正処理部による前記逆台形補正処理の選択を促す逆台形補正処理選択提示部を備えていることを特徴とするプロジェクタ。
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