JP4244485B2 - 成形機の中子制御方法および装置 - Google Patents

成形機の中子制御方法および装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は射出成形機やダイカストマシンなどの成形機の金型に適用する中子制御方法および装置に関し、特にサーボモータを駆動源にする型締機構を備え、かつ中子を用いてアンダーカットとなる部分を有した製品の成形を可能とする成形機に適用して有効な中子制御方法と装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、成形機の油圧中子制御装置は、型締側や射出側などに圧油を用いて制御する場合に、その圧油の一部を利用して中子の制御用として用いる。図11はその場合の構成を示すもので、これら型締側や射出側等の油圧回路107への圧油の供給は、図示のように、油圧配管108の途中から油圧の一部を引き出して行われるようになっている。
図11に示す油圧中子制御装置80は、基本的には油圧発生用の圧力・流量制御回路90と中子回路110とによって構成される。前記の油圧発生用の圧力・流量制御回路90は、油タンク91、給排油圧ポンプ98、電磁式圧力調整弁104および電磁式流量調整弁106から構成され、また中子回路110は、減圧弁112、逆止弁114,116、方向切換弁118、中子シリンダ120、リミットスイッチ122等から構成されている。
【0003】
まず、油圧発生用の圧力・流量制御回路90から説明すると、油タンク91の作動油92を、吸込フィルタ94および吸込配管96から給排油圧ポンプ98を介して吐出配管100に供給可能に配設してある。また、前記吐出配管100の途中から油タンク90に戻る戻り配管102が配設され、この戻り配管102には電磁式圧力調整弁104が取付けられている。さらに吐出配管100の先端部には電磁式流量調整弁106が配設され、この電磁式流量調整弁106から配管108を介して中子回路110を構成する減圧弁112に接続されている。
【0004】
次に、中子回路110を説明すると、減圧弁112から中子シリンダ120までの油圧配管124には、減圧弁112に引続き逆止弁114、方向切換弁118が配設してある。前記方向切換弁118の切替えにより中子シリンダ120内のピストンヘッド側ならびにピストンロッド側の圧油が逆止弁116を介して油タンク91に戻すようになっている。なお、中子シリンダ120のピストンの前後動距離はリミットスイッチ122によって移動距離が制限されるようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、図示の従来の技術例のように、型締側や射出側ならびに油圧中子装置など全てに圧油を用いるいわゆる成形機の全ての駆動源を油圧にする場合には圧油の供給に当たって駆動源に油ポンプを用いる限り、その油ポンプを常時、回動状態に維持する必要性がある。
その外の従来技術例としては、型締側や射出側は電動式駆動源をにしておき、中子装置の駆動源だけに圧油を用いる場合がある。しかし、この場合にも駆動源に油圧を用いる限り、油ポンプを常時回動することとなる。故に、エネルギ・ロスが大きくなるといった不利は払拭することができない。逆に、型締側や射出側ならびに中子装置などの駆動源を全て電動式の成形機とすると、特に中子装置ではサーボモータとボールネジ等によって中子作動用のアクチュエータを駆動するため、設置スペースが広くなり、コストもアップするといった問題がある。
【0006】
本発明は、上記従来の問題点に着目してなされたもので、スライドコア等を備えた中子機構を駆動する作動流体として油圧を用いるとともに、サーボモータ、リニアモータ等から成る電気制御モータとボールねじ等の伝達機構とによって形成されるアクチュエータを駆動し、油タンクと中子シリンダとの間で圧油の給排制御を切換弁、方向切換弁等の弁手段の制御を介して行うようにした成形機の中子制御方法と装置を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明においては、サーボモータの回転力をナット、ボールねじ軸により金型の型締動作に必要な推力に変換する電動型締装置を備えた成形機に具備、適用され、固定金型あるいは可動金型に油圧駆動の中子シリンダを配し、該中子シリンダの先端部に前後進可能でかつアンダーカットとなる部分を有する製品の成形を可能とするスライドコアを配し、前記中子シリンダと油タンクとの間に油経路を設け、かつ電気制御モータを駆動源にして前記油タンクから前記中子シリンダへ作動用圧油を供給可能にするアクチュエータを配設し、さらに該アクチュエータと前記中子シリンダとの間に設けた油経路切換用の弁手段を配設して、該弁手段の切替えにより前記油経路を経て前記アクチュエータと前記中子シリンダとの間で作動用圧油の給排を行うように成形機の中子制御装置を構成し、所望のアンダーカット部分を有する製品の成形を遂行し得るようにしたことを基本構成とする
【0008】
の発明では前記基本構成において、前記アクチュエータが、前記電気制御モータを形成するサーボモータの回転力の伝達にしたがって前後進動が可能なボールねじ軸の一端部に給油シリンダを備えて構成され、また前記油経路切換用の弁手段が、前記油タンクから前記給油シリンダを介して前記中子シリンダへの油を給排可能とする第1切換弁と、該第1切換弁と前記中子シリンダとの間に配設され、切替えにより前記給油シリンダから前記中子シリンダへ前記作動用圧油を供給可能な方向切換弁とを備えた構成した。
【0009】
また、第2の発明では前記基本構成において、前記アクチュエータが、前記電気制御モータを形成するサーボモータの回転力の伝達にしたがって前後進動が可能なボールねじ軸の一端部に給油シリンダを備えて構成され、また前記油経路切換用の弁手段は前記給油シリンダと前記中子シリンダとの間に配設した単一の方向切換弁を備えて構成され、前記方向切換弁の切替えにより前記給油シリンダを介して前記油タンクと前記中子シリンダとの間で圧油を給排可能な構成とした。
【0010】
第3の発明では前記基本構成において、内部にリニアモータにより進退移動する移動部材を有する密閉液圧シリンダと中子シリンダ間にあって前記密閉液圧シリンダに近い順に第1方向切換弁に引続き第2方向切換弁を配し、前記第1方向切換弁と前記第2方向切換弁の切替えにより油タンクから前記密閉液圧シリンダを介して前記中子シリンダに圧油を供給可能とする構成とした。
【0011】
第4の発明では前記基本構成において、前記アクチュエータが、前記電気制御モータを形成するサーボモータにより回転するピストンポンプを備えて構成され、また前記油経路切換用の弁手段が、前記ピストンポンプと前記中子シリンダ間に方向切換弁を配して構成され、該方向切換弁の切替えにより前記油タンクからの油を前記ピストンポンプ、前記方向切換弁を介して前記中子シリンダへの給排が可能な構成とした。
さらに、第1の発明に基づく第の発明では、作動用圧油を貯留する油タンクは、伸縮部材により隔壁とし密閉空間内に油を充満させた油タンクである構成とした。
【0012】
第1の発明に基づく第の発明では、作動用圧油を貯留するタンクはピストン部材により隔壁とし密閉空間内に油を充満させた油タンクである構成とした。
【0013】
また、第の発明によれば、サーボモータの回転力をナット、ボールねじ軸により金型の型締動作に必要な推力に変換する回転・直線変換機構を用いて型締を行とともに中子部材と該中子部材を油圧駆動する中子シリンダとを固定金型あるいは可動金型に備えてアンダーカットとなる部分を有する製品の成形を遂行するために、前記中子部材を駆動する前記中子シリンダと油タンクとの間に設けた油経路を経て、前記型締用のサーボモータと異なる他の電気制御モータを駆動源にしたアクチュエータによって前記油タンクから前記中子シリンダへ作動用圧油を供給するようにし、このとき、前記アクチュエータと前記中子シリンダとの間に設けた油経路切換用の弁手段の切替えにより前記油経路を経て前記アクチュエータと前記中子シリンダとの間で作動用圧油の給排を制御し、前記中子シリンダの前進速度は、前記電気制御モータの速度で制御するとともに該電気制御モータにトルクリミットを設定して該中子シリンダに供給する前記作動用圧油の関する最高油圧を制御するようにした。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明に係る成形機の中子制御装置とその制御方法の具体的実施の形態を、添付の図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明に係る射出成形機の金型の型締をおこなう型締装置の一実施形態を示す断面図である。この図1において、1はベースであり、このベース1の上には、固定ダイプレート2が固定され、この固定ダイプレート2に固定金型3が取付けられている。また、固定金型3に対向させて移動金型4が移動ダイプレート5に取付けられている。移動ダイプレート5は、タイバ6を案内として進退動可能になっている。
【0015】
12はサーボモータであり、このサーボモータ12の回転力はボールネジ・ナット機構を利用した伝達機構を用いて、移動ダイプレート5の推力として伝達される。ボールねじ軸7には、ナット8が螺合しているとともに、その先端部は移動ダイプレート5に固着されている。ナット8は、円筒形状の回転体9によって保持されていて、この回転体9は、ベアリング10を介して支持プレート11によって回転自在に支持されている。また、回転体9の反ナット側の端部には、タイミングベルト13が巻き掛けられるプーリ14が取付けられている。
【0016】
他方のプーリ15は、サーボモータ12の回転軸に取付けられている。サーボモータ12の回転力は、タイミングベルト13を介して回転体9を回転させる。この回転体9とナット8とは一体で回転するので、ボールナット8の回転運動は、ボールねじ軸7の直進運動に変換され、移動ダイプレート5の直進力として伝達される。なお、16は射出装置の加熱シリンダ、18は固定金型取付板、20は移動金型取付板をそれぞれ示している。
【0017】
ここで、中子装置40の構成について図2を用いて詳細に述べる。成形上でアンダーカットとなる部分を形成するためにスライドコア型の複数個の中子が、固定金型3と移動金型4間のパーティング面に沿ってスライド可能に配設されている。各スライドコア22には中子シリンダ38を構成するピストン(図示略)に固着されたピストンロッド42が直接装着されると共に、中子シリンダ38は一端が移動金型4の外周部に固定されて断面が段付き形状を有した支持部材28に保持されている。符号26はスペーサブロックであり、このスペーサブロック26にはエジェクタ板24を前後移動自在に有し、これに設けられたエジェクタピン30は移動金型4を摺動自在に貫通し、エジェクタピン30の先端は、キャビティ32の位置まで達している。
【0018】
符号34はプッシュロッドで、このプッシュロッド34の一端部は移動金型4の背面部(反キャビティ32部)に前後移動可能に装着され、他端部はエジェクタ板24に結合されると共にスプリング36で常時後方に移動するように付勢されている。
【0019】
次に、成形機の中子制御装置44を、図3〜図10を用いて詳細に説明する。〔実施形態1〕
実施例1について図3を用いて詳細に説明する。まず、中子制御装置39は、中子回路41と油圧発生用圧力・流量制御回路42とから構成されている。この中子回路41はリミットスイッチ37(37a,37b)、中子シリンダ38、ピストンロッド43、ピストン44およびスライドコア22から構成される中子装置40と、方向切換弁46、逆止弁54とから構成される。
さらに、油圧発生用圧力・流量制御回路42は、第1切換弁47、アクチュエータ48および作動油タンク51から構成されている。
【0020】
中子シリンダ38には作動油が供給されるが、その供給源としての作動油タンク51が設けられ、このスライドコア22を移動させるために作動油タンク51から流通経路a,bを介して作動油を一時的に貯溜し、送出するためのアクチュエータ48が設けられている。アクチュエータ48は、ボールねじ49、サーボモータ50、ピストン52、シリンダ53、およびベルト55から構成されている。ピストン52の速度制御をしながら往復作動させるため、図示のようなサーボモータ50とボールねじ49を組合わせた直線運動可能な電動アクチュエータ48となっている。この電動アクチュエータ48はスライドコア22の前進速度を制御するために、サーボモータ50にエンコーダ56を取付け、このエンコーダ56の検出信号によってピストン52の位置を検出するようになっている。
【0021】
図示を省略したコントローラへはエンコーダ56からの位置信号を入力し、当該位置におけるピストン52の作動油押出し速度がスライドコア22の前進速度を制御するように構成されている。また、サーボモータ50にはトルクリミッタが設けられており、トルクリミッタからの信号に基いて、サーボモータ駆動機構によりサーボモータ電流を制限して、サーボモータの最大発生トルクを抑制し、中子シリンダ38の圧力制御によってスライドコア22の前進速度を制御するようになっている。
【0022】
シリンダ53に収容されたピストン52にボールねじ49が固設されている。また、サーボモータ50の回転方向は正逆自在であり、サーボモータ50の駆動源からベルト55を介してボールねじ49に伝達し、ボールねじ49を前後動することにより、ピストン52の前方に作動油タンク51から作動油の吸入吐出動作の両方を行なわせることができるようになっている。
さらに、シリンダ53には給排口56が設けられており、作動油タンク51と給排口56間に至る流通経路a,bには電磁弁として第1切換弁47を介装しており、これを切替えることによりシリンダ53内に作動油タンク51から作動油を吸入動作する際には作動油タンク51と連絡されるようになっている。
また、第1切換弁47と中子シリンダ38との間には電磁弁として方向切換弁46を介装しており、これを切替えることにより押圧動作(アクチュエータ48のピストン52が前進する)の際に中子シリンダ38と連絡されるように構成されている。
【0023】
図示の例では、中子装置のピストン44の前進によりスライドコア22を前進させる場合、第1切換弁47と方向切換弁46の電磁弁▲1▼を励磁し切替えるとともにアクチュエータ48のピストン52を前進させ、ピストン52のヘッド側に貯溜された圧油を流通経路b,c,d,eを介して中子シリンダ38のピストン44のヘッド側に導入されるように構成されている。
逆に、スライドコア22を後退させる場合、方向切換弁46の電磁弁▲2▼を励磁し切替えるとピストン52のヘッド側に貯溜された作動油が流通経路b,c,d,fを介して中子シリンダ38のピストン44のロッド側に導入されると、ピストン44が後退しピストンヘッド側に貯溜されている作動油を流通経路e,gを介して作動油タンク51に排出されるように構成されている。なお、符号37aと37bはリミットスイッチであり、リミットスイッチ37aは前進限を、またリミットスイッチ37bは後退限をそれぞれ示す。なお、中子回路41に設けられた逆止弁54は方向切換弁46の切替えにしたがって、中子シリンダ38内の油圧保持を図るために設けられているものである。
【0024】
以上のように構成された成形機の中子制御装置の成形動作について述べる。
まず、図3に示す状態において、サーボモータ12を高速、低トルク回転で回転させると、その回転力は、タイミングベルト13を介して回転体9を回転させる。この回転体9とナット8とは一体で回転するので、ボールナット8の回転運動は、ボールねじ軸7を前進させる直進運動に変換される。このときのボールねじ軸7の推力は、移動ダイプレート5を前進させる直進力として伝達され、固定金型3と移動金型4が閉じる。
【0025】
そして、固定金型3と移動金型4が型接合してから、中子制御装置39の作動を開始するが、それまで、スライドコア22はキャビティ32から最も後退した後退限位置にある。まず、吸入動作は、第1切換弁47を消磁(図示のままの状態)し、アクチュエータ48が作動油タンク51に連絡している状態とする。アクチュエータ48のサーボモータ50に、後退指令信号を出力し、位置信号を監視しつつ、ピストン52を後退させて停止する。すなほち、サーボモータ50を回動し、ベルト55を介して回転がボールねじ49に伝達される。ピストン52を後退すると、作動油タンク51から流通経路a、bを通って作動油が電動アクチュエータ48のピストン52のヘッド側に吸入、貯留される。
【0026】
このような吸入動作が完了した後、吐出動作に入るが、これはまず、図示しないドライバから電動アクチュエータ48へ前進指令信号が出力される。そのとき、第1切換弁47と方向切換弁46の▲1▼に励磁信号が出力され、電動アクチュエータ48と中子シリンダ38のピストン44のヘッド側と連絡状態にある。電動アクチュエータ48への前進指令信号は、予め設定された流量に対応するアクチュエータの動作速度である。なお、中子シリンダ38のピストン44のヘッド側に圧油が導入されてピストン44のピストンロッド43の前進時に前進限リミットスイッチ37aを蹴ることによりスライド22は前進限で停止するのである。
【0027】
この後、サーボモータ12を極低速、高トルク回転に切替え、所定の最終型締力を発生する。溶融樹脂がキャビティ32内に射出された後、所定の冷却時間が経過すると、サーボモータ12が逆転して両金型3、4が開かれる。冷却固化した成形品をキャビティ32から取外すために、まずスライドコア22を後退するが、次のようにして行われる。すなわち、前述したようなスライドコア22を前進限まで前進させた後、キャビティ32内に溶融樹脂を射出し、その後保圧および金型を冷却し射出充填した樹脂の固化が終了するとともに両金型3、4を開放する間に中子シリンダ38のピストン44を前進弦まで移動するために前進させていたサーボモータ50を回動させピストン52を後退限まで後退させておく。
【0028】
冷却固化した成形品をキャビティ32から取出すために、第1切換弁47と方向切換弁46の▲2▼に励磁信号が出力され、電動アクチュエータ48と中子シリンダ38のピストンロッド43側とが連絡状態にある。電動アクチュエータ48への前進指令信号は、予め設定された流量に対応するアクチュエータの動作速度である。なお、このときピストン44のピストンロッド43の後退時に後退限リミットスイッチ37bを蹴ることによりスライドコア22は後退限で停止するのである。これによってアンダーカット部の引っ掛かりが解消された成形品は、移動金型4が所定量後退して型開状態にあるのでプッシュロッド34が作動したとき、エジェクタ板24、エジェクタピン30を介して移動金型4から成形品を突き落とすのである。
【0029】
〔実施形態2〕
実施形態2について図4を参照して詳細に説明する。まず、中子制御装置39は、中子回路41と油圧発生用圧力・流量制御回路42とから構成されている。この中子回路41はリミットスイッチ37(37a,37b)、中子シリンダ38、ピストンロッド43、ピストン44およびスライドコア22から構成される。さらに、油圧発生用圧力・流量制御回路42は、アクチュエータ48、方向切換弁58、および作動油タンク51から構成されている。
【0030】
中子シリンダ38には作動油が供給されるが、その供給源としての作動油タンク51が設けられ、このスライドコア22を移動させるために作動油タンク51から流通経路h,iを介して作動油を一時的に貯溜し、送出するためのアクチュエータ48が設けられている。アクチュエータ48は、ボールねじ49、サーボモータ50、ピストン52、シリンダ53、およびベルト55から構成されている。ピストン52の速度制御をしながら往復作動させるため、図示のようなサーボモータ50とボールねじ49を組合わせた直線運動可能な電動アクチュエータ48となっている。この電動アクチュエータ48はスライドコア22の前進速度を制御するために、サーボモータ50にエンコーダ56を取付け、このエンコーダ56の検出信号によってピストン52の位置を検出するようになっている。
【0031】
図示を省略したドライバからサーボモータ50へトルクリミットまたは速度信号を入力し、当該位置におけるピストン52の作動油押出し速度がスライドコア22の前進速度を制御するように構成されている。このため、サーボモータ50にはトルクリミッタが設けられており、トルクリミッタからの信号に基いて、サーボモータ駆動機構によりサーボモータ電流を制限して、サーボモータの最大発生トルクを抑制し、中子シリンダ38の圧力制御によってスライドコア22の前進速度を制御するようになっている。
【0032】
シリンダ53に収容されたピストン52にボールねじ49が固設されている。また、サーボモータ50の回転方向は正逆自在であり、サーボモータ50の駆動源からベルト55を介してボールねじ49に伝達し、ボールねじ49を前後動することにより、ピストン52の前方に作動油タンク51から作動油の吸入吐出動作の両方を行なわせることができるように構成されている。
【0033】
さらに、シリンダ53には給排口56が設けられており、作動油タンク51と給排口56間に至る流通経路h,iには切換弁として方向切換弁58を介装しており、これを切替えることによりシリンダ53内に作動油タンク51から作動油を吸入動作する際には作動油タンク51と連絡されるようになっている。
また、アクチュエータ48と中子シリンダ38の間には方向切換弁58を介装しており、これを切替えることにより押圧動作(アクチュエータ48のピストン52が前進する)の際に中子シリンダ38と連絡されるように構成されている。
【0034】
図示の例では、中子装置40のピストン44の前進によりスライドコア22を前進させる場合、方向切換弁58の電磁弁▲1▼を励磁し切替えるとともにアクチュエータ48のピストン52を前進させ、ピストン52のヘッド側に貯溜された圧油を流通経路i,jを介して中子シリンダ38のピストン44のヘッド側に導入されるように構成されている。
【0035】
逆に、スライドコア22を後退させる場合、方向切換弁58の電磁弁▲2▼を励磁するとピストン52のヘッド側に貯溜された作動油が流通経路i,kを介して中子シリンダ38のピストン44のロッド側に導入され、ピストン44が後退の際にピストンヘッド側に貯溜されている作動油が流通経路j,hを介して作動油タンク51に排出されるように構成されている。なお、符号37aと37bはリミットスイッチであり、37aは前進限リミットスイッチを、また37bはリミットスイッチ後退限をそれぞれ示す。
【0036】
以上のように構成された成形機の中子制御装置の成形動作について述べる。
なお、実施形態2〜8に用いる射出成形機の型締装置の説明は図3と同一のものであるため説明を省略し、以下、各実施形態の中子制御装置についてのみ説明する。まず、実施形態2では、固定金型3と移動金型4が型接合してから、中子制御装置39の作動を開始するが、それまで、スライドコア22はキャビティ32から最も後退した後退限位置にある。まず、吸入動作は、方向切換弁58を消磁(図示のままの状態)し、アクチュエータ48が作動油タンク51と連絡している状態とする。アクチュエータ48のサーボモータ50に、後退指令信号を出力し、位置信号を監視しつつ、ピストン52を後退させて停止する。すなわち、サーボモータ50を回動しベルト55を介して回転がボールねじ49に伝達される。ピストン52を後退すると作動油タンク51から流通経路h,iを通って作動油が電動アクチュエータ48のピストン52のヘッド側に吸入・貯溜される。
【0037】
このような吸入動作が完了した後、吐出動作に入るが、これはまず、図示しないドライバから電動アクチュエータ48へ前進指令信号が出力される。そのとき、方向切換弁58の▲1▼に励磁信号が出力され、電動アクチュエータ48と中子シリンダ38のピストン44のヘッド側とが連絡状態にある。電動アクチュエータ48への前進指令信号は、予め設定された流量に対応するアクチュエータの動作速度である。なお、中子シリンダ38のピストン44のヘッド側に圧油が導入されてピストン44のピストンロッド43の前進時に前進限リミットスイッチ37aを蹴ることによりスライドコア22は前進限で停止するのである。
【0038】
この後、サーボモータ12を極低速、高トルク回転に切り替え、所定の最終型締力を発生する。溶融樹脂がキャビティ32内に射出された後、所定の冷却時間が経過すると、サーボモータ12が逆転して両金型3,4が開かれる。冷却固化した成形品をキャビティ32から取外すために、まずスライドコア22を後退するが、次のようにして行われる。すなわち、前述したようなスライドコア22を前進限まで前進させた後、キャビティ32内に溶融樹脂を射出し、その後保圧および金型を冷却し射出充填した樹脂の固化が終了するとともに両金型3,4を開放する間に中子シリンダ38のピストン44を前進限まで移動するために前進させていたサーボモータ50を回動させ、ピストン52を後退限まで後退させておく。
【0039】
冷却固化した成形品をキャビティ32から取出すために、方向切換弁58の▲2▼に励磁信号が出力され、電動アクチュエータ48と中子シリンダ38のピストンロッド43側とが連絡状態にある。このとき、電動アクチュエータ48への前進指令信号は、予め設定された流量に対応するアクチュエータの動作速度である。なお、このときピストン44のピストンロッド43の後退時に後退限リミットスイッチ37bを蹴ることによりスライドコア22は後退限で停止するのである。これによってアンダーカット部の引っ掛かりが解消された成形品は、移動金型4が所定量後退して型開状態にあるのでプッシュロッド34が作動したとき、エジェクタ板24、エジェクタピン30を介して移動金型4から成形品を突き落とすのである。
【0040】
〔実施形態3〕
実施形態3について図5を参照して詳細に説明する。まず、中子制御装置39は、中子回路41と油圧発生用圧力・流量制御回路42とから構成されている。この中子回路41はリミットスイッチ37(37a,37b)、中子シリンダ38、ピストンロッド43、ピストン44およびスライドコア22から構成される中子装置40と、第2方向切換弁46、逆止弁54とから構成される。さらに、油圧発生用圧力・流量制御回路42は、アクチュエータ48、作動油タンク51および第1方向切換弁60から構成されている。
【0041】
中子シリンダ38には作動油が供給されるが、その供給源としての作動油タンク51が設けられ、このスライドコア22を移動させるために作動油タンク51から流通経路a,bを介して作動油を一時的に貯溜し、送出するためのアクチュエータ48が設けられている。アクチュエータ48は、ボールねじ49、サーボモータ50、ピストン52、シリンダ53、およびベルト55から構成されている。
【0042】
ピストン52の速度制御をしながら往復作動させるため、図示のようなサーボモータ50とボールねじ49を組合わせた直線運動可能な電動アクチュエータ48となっている。この電動アクチュエータ48はスライドコア22の前進速度を制御するために、サーボモータ50にエンコーダ56を取付け、このエンコーダ56の検出信号によってピストン52の位置を検出するようになっている。
【0043】
図示を省略したドライバからサーボモータ50へトルクリミットまたは速度信号を入力し、当該位置におけるピストン52の作動油押出し速度がスライドコア22の前進速度を制御するように構成されている。このため、サーボモータ50にはトルクリミッタが設けられており、トルクリミッタからの信号に基いて、サーボモータ駆動機構によりサーボモータ電流を制限して、サーボモータの最大発生トルクを抑制し、中子シリンダ38の圧力制御によってスライドコア22の前進速度を制御するようになっている。
【0044】
また、シリンダ53に収容されたピストン52にボールねじ49が固設されている。また、サーボモータ50の回転方向は正逆自在であり、サーボモータ50の駆動源からベルト55を介してボールねじ49に伝達し、ボールねじ49を前後動することにより、ピストン52の前方に作動油タンク51から作動油の吸入吐出動作の両方を行なわせることができるようになっている。
【0045】
さらに、シリンダ53には給排口56が設けられており、作動油タンク51と給排口56間に至る流通経路a,bには切換弁として第1方向切換弁60を介装しており、これを切替えることにより作動油タンク51と連絡されるようになっている。また、第1方向切換弁60と中子シリンダ38との間には第2方向切換弁46を介装しており、これを切替えることにより押圧動作(アクチュエータ48のピストン52が前進する)の際に中子シリンダ38と連絡されるように構成されている。
【0046】
図示の例では、中子装置のピストン44の前進によりスライドコア22を前進させる場合、第1方向切換弁60▲2▼と第2方向切換弁46の電磁弁▲1▼を励磁し切替えるとともにアクチュエータ48のピストン52を前進させ、ピストン52のヘッド側に貯溜された圧油を流通経路b,c,d,eを介して中子シリンダ38のピストン44のヘッド側に導入されるように構成されている。
【0047】
逆に、スライドコア22を後退させる場合、第2方向切換弁46の電磁弁▲2▼を励磁し切替えピストン52のヘッド側に貯溜された圧油が流通経路b,c,d,fを介して中子シリンダ38のピストン44のロッド側に導入されると、ピストン44が後退してピストンヘッド側に貯溜されている作動油が流通経路e,gを介して作動油タンク51に排出されるように構成されている。
【0048】
次に本実施例で、中子制御装置39の第1方向切換弁60にランアラウンド回路を形成する。仮にピストン52のヘッド側とロッド側の面積比が2:1のままランアラウンド回路を使用しない場合を考えると、ランアラウンド回路を使用する場合では作動油の量が2倍になることから、その分圧力を2倍に上昇させる必要がある。このため、その分サーボモータ50のトルクの大きいモータが必要となるなどの問題点がある。これに対してこのような問題点を解決するために、本実施例では、ランアラウンド回路を使用することにより、例えばアクチュエータ48のピストン52のヘッド側とロッド側の面積比が2:1の場合、前進と後退において同じ推進力(トルク)で同じ圧力を発生することができるものである。
【0049】
すなわち、ピストン52のヘッド側に貯溜されている作動油を、サーボモータ50を回動させてピストン52を前進し、中子シリンダ38のピストン44のヘッド側か、ロッド側に送給する際に、ピストン52のヘッド側とロッド側の面積比が2:1の場合では、アクチュエータ48から中子シリンダ38側へ送給される作動油の量と同量の作動油が流通経路Bを通ってシリンダ53のロッド側(ボールねじ側)に戻るようになっている。なお、符号37aと37bはリミットスイッチであり、37aは前進限リミットスイッチを、また37bは後退限リミットスイッチをそれぞれ示す。
【0050】
以上のように構成された成形機の中子制御装置の成形動作について述べる。
まず、図5に示す状態において、固定金型3と移動金型4が型接合してから、中子制御装置39の作動を開始するが、それまで、スライドコア22はキャビティ32から最も後退した後退限位置にある。まず、吸入動作は、第1方向切換弁60の電磁弁▲1▼を励磁し、アクチュエータ48が作動油タンク51に連絡している状態とする。アクチュエータ48のサーボモータ50に、後退指令信号を出力し、位置信号を監視しつつ、ピストン52を後退させて停止する。すなわち、サーボモータ50を回動しベルト55を介して回転がボールねじ49に伝達される。ピストン52を後退すると作動油タンク51から流通経路a,bを通って作動油が電動アクチュエータ48のピストン52のヘッド側に吸入・貯溜される。
【0051】
このような吸入動作が完了した後、吐出動作に入るが、これはまず、図示しないドライバから電動アクチュエータ48へ前進指令信号が出力される。故に、第1方向切換弁60の▲2▼と第2方向切換弁46の▲1▼に励磁信号が出力され、電動アクチュエータ48と中子シリンダ38のピストン44のヘッド側とが連絡状態にある。電動アクチュエータ48への前進指令信号は、予め設定された流量に対応するアクチュエータの動作速度である。なお、中子シリンダ38のピストン44のヘッド側に作動油が導入されてピストン44のピストンロッド43の前進時に前進限リミットスイッチ37aを蹴ることによりスライドコア22は前進限で停止するのである。この場合、中子シリンダ38のピストン44のヘッド側に導入される作動油量と、第1方向切換弁60からランアラウンド回路の流通経路Bを経てアクチュエータ48に戻る作動油の油量は同一のものとなり、結果的には、中子シリンダ38のスライドコア22の前後進速度は同一となる。
【0052】
この後、サーボモータ12を極低速、高トルク回転に切り替え、所定の最終型締力を発生する。溶融樹脂がキャビティ32内に射出された後、所定の冷却時間が経過すると、サーボモータ12が逆転して両金型3,4が開かれる。冷却固化した成形品をキャビティ32から取外すために、まずスライドコア22を後退するが、次のようにして行われる。すなわち、前述のようにスライドコア22を前進限まで前進させた後、キャビティ32内に溶融樹脂を射出し、その後保圧および金型を冷却し射出充填した樹脂の固化が終了するとともに両金型3,4を開放する間に中子シリンダ38のピストン44を前進限まで移動するために前進させていたサーボモータ50を回動させピストン52を後退限まで後退させておく。
【0053】
冷却固化した成形品をキャビティ32から取出すために、第1切換弁47と方向切換弁46の▲2▼に励磁信号が出力され、電動アクチュエータ48と中子シリンダ38のピストンロッド43側とが連絡状態にある。電動アクチュエータ48への前進指令信号は、予め設定された流量に対応するアクチュエータの動作速度である。なお、このときピストン44のピストンロッド43の後退時に後退限リミットスイッチ37bを蹴ることによりスライドコア22は後退限で停止するのである。これによってアンダーカット部の引っ掛かりが解消された成形品は、移動金型4が所定量後退して型開状態にあるので、プッシュロッド34が作動したとき、エジェクタ板24、エジェクタピン30を介して移動金型4から成形品を突き落とすのである。
【0054】
〔実施形態4〕
実施形態4について図6を参照して詳細に説明する。まず、中子制御装置39は、中子回路41と油圧発生用圧力・流量制御回路42とから構成されている。この中子回路41はリミットスイッチ37(37a,37b)、中子シリンダ38、ピストンロッド43、ピストン44およびスライドコア22から構成される中子装置40と、第2方向切換弁46、逆止弁54とから構成される。さらに、油圧発生用圧力・流量制御回路42は、作動油タンク51、第1切換弁47および密閉液圧シリンダ62から構成されている。
【0055】
中子シリンダ38には作動油が供給されるが、その供給源としての作動油タンク51が設けられ、このスライドコア22を移動させるために作動油タンク51から流通経路a,bを介して作動油を一時的に貯溜し、送出するための密閉液圧シリンダ62が設けられている。また、密閉液圧シリンダ62は、リニアモータ64と圧縮部材66から構成されている。
【0056】
圧縮部材66は密閉液圧シリンダ62内に収容されており、圧縮部材66の周辺に離間して密閉液圧シリンダ62内に配設されたリニアモータ64の誘導電流の強弱により後退移動ならびに速度調整が可能な構成となっている。また、圧縮部材66の前後には液貯溜室68が設けられ、圧縮部材66の前後動により作動油タンク51から作動油の吸入吐出動作の両方を行なわせることができるようになっている。
【0057】
さらに、密閉液圧シリンダ62には給排口56が設けられており、作動油タンク51と給排口56間に至る流通経路a,bには切換弁として第1切換弁47を介装しており、これを切替えることにより作動油タンク51と連絡されるようになっている。また、第1切換弁47と中子シリンダ38との間には第2方向切換弁46を介装しており、これを切替えることにより押圧動作(密閉液圧シリンダ62の圧縮部材66が前進する)の際に中子シリンダ38と連絡されるように構成されている。
【0058】
図示の例では、中子装置のピストン44の前進によりスライドコア22を前進させる場合、第1切換弁60と第2方向切換弁46の電磁弁▲1▼を励磁し切替えるとともに密閉液圧シリンダ62の圧縮部材66を前進させると、密閉液圧シリンダ62の前方の液貯溜室68に貯溜された作動油が流通経路b,c,d,eを介して中子シリンダ38のピストン44のヘッド側に導入されるように構成されている。
【0059】
逆に、スライドコア22を後退させる場合、第1切換弁47の電磁弁と第2方向切換弁46の電磁弁▲2▼を励磁し切替えると、密閉液圧シリンダ62の前方の液貯溜室68に貯溜された作動油が流通経路b,c,d,fを介して中子シリンダ38のピストン44のロッド側に導入され、ピストン44が後退しピストンヘッド側に貯溜されている作動油が流通経路e,gを介して作動油タンク51に排出されるように構成されている。なお、符号37aと37bはリミットスイッチであり、37aは前進限リミットスイッチを、また37bは後退限リミットスイッチをそれぞれ示す。
【0060】
以上のように構成された成形機の中子制御装置の成形動作について述べる。
まず、図6に示す状態において、固定金型3と移動金型4が型接合してから、中子制御装置39の作動を開始するが、それまで、スライドコア22はキャビティ32から最も後退した後退限位置にある。まず、吸入動作は、第1切換弁47の電磁弁▲1▼を消磁し、密閉液圧シリンダ62が作動油タンク51に連絡している状態とする。密閉液圧シリンダ62のリニアモータ64に後退指令信号を出力し、位置信号を監視しつつ圧縮部材66を後退させると作動油タンク51から流通経路a,bを通って作動油が密閉液圧シリンダ62の前方の液貯溜室68に吸入・貯溜される。
【0061】
このような吸入動作が完了した後、吐出動作に入るが、これはまず、図示しないドライバから密閉液圧シリンダ62へ前進指令信号が出力される。そのとき、第1切換弁47と第2方向切換弁46の▲1▼に励磁信号が出力され、密閉液圧シリンダ62と中子シリンダ38のピストン44のヘッド側とが連絡状態にある。密閉液圧シリンダ62の圧縮部材66の前進指令信号は、予め設定された流量に対応する圧縮部材66の動作速度である。なお、中子シリンダ38のピストン44のヘッド側に作動油が導入されてピストン44のピストンロッド43の前進時に前進限リミットスイッチ37aを蹴ることによりスライドコア22は前進限で停止するのである。
【0062】
この後、サーボモータ12を極低速、高トルク回転に切り替え、所定の最終型締力を発生する。溶融樹脂がキャビティ32内に射出された後、所定の冷却時間が経過すると、サーボモータ12が逆転して両金型3,4が開かれる。冷却固化した成形品をキャビティ32から取外すために、まずスライドコア22を後退するが、次のようにして行われる。すなわち、前述したようなスライドコア22を前進限まで前進させた後、キャビティ32内に溶融樹脂を射出し、その後保圧および金型を冷却し射出充填した樹脂の固化が終了するとともに両金型3,4を開放する間に中子シリンダ38のピストン44を前進限まで移動するために前進させていたサーボモータ50を回動させ、ピストン52を後退限まで後退させておく。
【0063】
冷却固化した成形品をキャビティ32から取出すために、第1切換弁47と第2方向切換弁46の▲2▼に励磁信号が出力され、密閉液圧シリンダ62の前方の液貯溜室68と中子シリンダ38のピストンロッド43側とが連絡状態にある。なお、このときピストン44のピストンロッド43の後退時に後退限リミットスイッチ37bを蹴ることによりスライドコア22は後退限で停止するのである。これによってアンダーカット部の引っ掛かりが解消された成形品は、移動金型4が所定量後退して型開状態にあるのでプッシュロッド34が作動したとき、エジェクタ板24、エジェクタピン30を介して移動金型4から成形品を突き落とすのである。
【0064】
〔実施形態5〕
実施形態5について図7を参照して詳細に説明する。まず、中子制御装置39は、中子回路41と油圧発生用圧力・流量制御回路42とから構成されている。この中子回路41はリミットスイッチ37(37a,37b)、中子シリンダ38、ピストンロッド43、ピストン44およびスライドコア22から構成される中子装置40と、方向切換弁46および逆止弁54とから構成される。さらに、油圧発生用圧力・流量制御回路42は、サーボモータ50、作動油タンク51およびピストンポンプ70から構成されている。
【0065】
中子シリンダ38には作動油が供給されるが、その供給源としての作動油タンク51が設けられ、この作動油タンク51から流通経路mを介して作動油を中子シリンダ38に送給するためのピストンポンプ70が設けられている。ピストンポンプ70は、サーボモータ50と直結され、該サーボモータ50を回動することにより、ピストンポンプ70を回転駆動するようになっている。
【0066】
さらに、作動油タンク51とピストンポンプ70間は流通経路mで連結されており、さらにピストンポンプ70と中子シリンダ38間の流通経路n,o,pには逆止弁54と方向切換弁46が介装されており、方向切換弁46を切替えることにより作動油タンク51と連絡されるようになっている。
【0067】
図示の例では、中子装置のピストン44の前進によりスライドコア22を前進させる場合、ピストンポンプ70を回動したまま方向切換弁46の電磁弁▲1▼を励磁し切替えると、作動油が流通経路m,n,o,pを介して中子シリンダ38のピストン44のヘッド側に導入されるように構成されている。
【0068】
逆に、スライドコア22を後退させる場合、ピストンポンプ70を回動したまま方向切換弁46の電磁弁▲2▼を励磁し切替えると、作動油が作動油タンク51から流通経路m,n,o,qを介して中子シリンダ38のピストン44のロッド側に導入され、ピストン44が後退しピストンヘッド側に貯溜されている作動油が流通経路p,rを介して作動油タンク51に排出されるように構成されている。なお、符号37aと37bはリミットスイッチであり、37aは前進限リミットスイッチを、また37bは後退限リミットスイッチをそれぞれ示す。
【0069】
以上のように構成された成形機の中子制御装置の成形動作について述べる。
まず、図7に示す状態において、固定金型3と移動金型4が型接合してから、中子制御装置39の作動を開始するが、それまで、スライドコア22はキャビティ32から最も後退した後退限位置にある。まず、吸入動作は、方向切換弁46の電磁弁▲1▼を励磁し、中子シリンダ38と作動油タンク51が連絡している状態とする。ピストンポンプ70を回動させると作動油タンク51から流通経路m,n,o,pを通って作動油が中子シリンダ38のピストン44のヘッド側へ供給される。なお、中子シリンダ38のピストン44のヘッド側に作動油が導入されてピストン44のピストンロッド43の前進時に前進限リミットスイッチ37aを蹴ることによりスライドコア22は前進限で停止するのである。
【0070】
この後、サーボモータ12を極低速、高トルク回転に切り替え、所定の最終型締力を発生する。溶融樹脂がキャビティ32内に射出された後、所定の冷却時間が経過すると、サーボモータ12が逆転して両金型3,4が開かれる。冷却固化した成形品をキャビティ32から取外すために、まずスライドコア22を後退するが、次のようにして行われる。すなわち、前述したようなスライドコア22を前進限まで前進させた後、キャビティ32内に溶融樹脂を射出し、その後保圧および金型を冷却し射出充填した樹脂の固化が終了するとともに両金型3,4を開放する間に中子シリンダ38のピストン44を前進限まで移動するために前進させていたサーボモータ50を回動させピストン52を後退限まで後退させておく。
【0071】
冷却固化した成形品をキャビティ32から取出すために、方向切換弁46の▲2▼に励磁信号が出力され、ピストンポンプ70と中子シリンダ38のピストンロッド43側とが連絡状態にある。なお、このときピストン44のピストンロッド43の後退時に後退限リミットスイッチ37bを蹴ることによりスライドコア22は後退限で停止するのである。これによってアンダーカット部の引っ掛かりが解消された成形品は、移動金型4が所定量後退して型開状態にあるのでプッシュロッド34が作動したとき、エジェクタ板24、エジェクタピン30を介して移動金型4から成形品を突き落とすのである。
【0072】
〔実施形態6〕
実施形態6について図8を用いて詳細に説明する。まず、中子制御装置39は、中子回路41と油圧発生用圧力・流量制御回路42とから構成されている。この中子回路41はリミットスイッチ37(37a,37b)、中子シリンダ38、ピストンロッド43、ピストン44およびスライドコア22から構成される中子装置40と、方向切換弁46および逆止弁54とから構成される。さらに、油圧発生用圧力・流量制御回路42は、サーボモータ50、作動油タンク51およびピストンポンプ70から構成されている。
【0073】
中子シリンダ38には作動油が供給されるが、その供給源としての作動油タンク51が設けられ、この作動油タンク51から流通経路mを介して作動油を中子シリンダ38に送給するためのピストンポンプ70が設けられている。ピストンポンプ70は、サーボモータ50と直結され、該サーボモータ50を回動することにより、ピストンポンプ70を回転駆動するようになっている。
【0074】
さらに、作動油タンク51とピストンポンプ70間は流通経路mで連結されており、さらにピストンポンプ70と中子シリンダ38間の流通経路n,o,pには逆止弁54と方向切換弁46が介装されており、方向切換弁46を切替えることにより作動油タンク51と連絡されるようになっている。この作動油タンク51は直胴部とこの直胴部の上下に半球状の蓋体を有する外殻51aと内部に作動油を封じ込めるとともに作動油の振動による揺れを防止する伸縮部材72とで構成されている。
【0075】
図示の例では、中子装置のピストン44の前進によりスライドコア22を前進させる場合、ピストンポンプ70を回動したまま方向切換弁46の電磁弁▲1▼を励磁し切替えると、作動油が流通経路m,n,o,pを介して中子シリンダ38のピストン44のヘッド側に導入されるように構成されている。
【0076】
逆に、スライドコア22を後退させる場合、ピストンポンプ70を回動したまま方向切換弁46の電磁弁▲2▼を励磁し切替えると、作動油が作動油タンク51から流通経路m,n,o,qを介して中子シリンダ38のピストン44のロッド側に導入され、ピストン44が後退しピストンヘッド側に貯溜されている作動油が流通経路p,rを介して作動油タンク51に排出されるように構成されている。なお、符号37aと37bはリミットスイッチであり、37aは前進限リミットスイッチを、また37bは後退限リミットスイッチをそれぞれ示す。
【0077】
以上のように構成された成形機の中子制御装置の成形動作について述べる。
まず、図8に示す状態において、固定金型3と移動金型4が型接合してから、中子制御装置39の作動を開始するが、それまで、スライドコア22はキャビティ32から最も後退した後退限位置にある。まず、吸入動作は、方向切換弁46の電磁弁▲1▼を励磁し、中子シリンダ38と作動油タンク51が連絡している状態とする。ピストンポンプ70を回動させると作動油タンク51から流通経路m,n,o,pを通って作動油が中子シリンダ38のピストン44のヘッド側へ供給される。なお、中子シリンダ38のピストン44のヘッド側に作動油が導入されてピストン44のピストンロッド43の前進時に前進限リミットスイッチ37aを蹴ることによりスライドコア22は前進限で停止するのである。
【0078】
この後、サーボモータ12を極低速、高トルク回転に切り替え、所定の最終型締力を発生する。溶融樹脂がキャビティ32内に射出された後、所定の冷却時間が経過すると、サーボモータ12が逆転して両金型3,4が開かれる。冷却固化した成形品をキャビティ32から取外すために、まずスライドコア22を後退するが、次のようにして行われる。すなわち、前述したようなスライドコア22を前進限まで前進させた後、キャビティ32内に溶融樹脂を射出し、その後保圧および金型を冷却し射出充填した樹脂の固化が終了するとともに両金型3,4を開放する間に中子シリンダ38のピストン44を前進限まで移動するために前進させていたサーボモータ50を回動させ、ピストン52を後退限まで後退させておく。
【0079】
冷却固化した成形品をキャビティ32から取出すために、方向切換弁46の▲2▼に励磁信号が出力され、ピストンポンプ70と中子シリンダ38のピストンロッド43側とが連絡状態にある。なお、このときピストン44のピストンロッド43の後退時に後退限リミットスイッチ37bを蹴ることによりスライドコア22は後退限で停止するのである。これによってアンダーカット部の引っ掛かりが解消された成形品は、移動金型4が所定量後退して型開状態にあるのでプッシュロッド34が作動したとき、エジェクタ板24、エジェクタピン30を介して移動金型4から成形品を突き落とすのである。
【0080】
〔実施形態7〕
実施形態7について図9を参照して説明する。なお、図8とは作動油タンク51の構成が異なるのみでその他は全て同一であるため、作動油タンク51の構成についてのみ説明する。図9に示す作動油タンク51は、円筒形の直胴部51aとその上下に蓋体を有する円筒形状を有しており、内部に作動油を供給後作動油の界面にピストン部材51bを蓋体として載置した構成となっている。
【0081】
〔実施形態8〕
実施形態8について、図10を参照して詳細に説明する。まず、中子制御装置39は、中子回路41と油圧発生用圧力・流量制御回路42とから構成されている。この中子回路41はリミットスイッチ37(37a,37b)、中子シリンダ38、ピストンロッド43、ピストン44およびスライドコア22から構成される中子装置40と、方向切換弁46および逆止弁54とから構成される。さらに、油圧発生用圧力・流量制御回路42は、サーボモータ50、作動油タンク51、ピストンポンプ70およびリリーフ弁74から構成されている。
【0082】
中子シリンダ38には作動油が供給されるが、その供給源としての作動油タンク51が設けられ、この作動油タンク51から流通経路mを介して作動油を中子シリンダ38に送給するためのピストンポンプ70が設けられている。ピストンポンプ70は、サーボモータ50と直結され、該サーボモータ50を回動することにより、ピストンポンプ70を回転駆動するようになっている。
【0083】
さらに、作動油タンク51とピストンポンプ70間は流通経路mで連結されており、ピストンポンプ70と逆止弁54間から作動油タンク51まで分岐する形で流通経路sが設けられている。また、当該流通経路sにはリリーフ弁74が介装され流通経路m,o,p間の圧力が上昇したとき一定圧力以下に降下するようになっている。さらにピストンポンプ70と中子シリンダ38間の流通経路n,o,pには逆止弁54と方向切換弁46が介装されており、方向切換弁46を切替えることにより作動油タンク51と連絡されるようになっている。
【0084】
図示の例では、中子装置のピストン44の前進によりスライドコア22を前進させる場合、ピストンポンプ70を回動したまま方向切換弁46の電磁弁▲1▼を励磁し切替えると、作動油が流通経路m,n,o,pを介して中子シリンダ38のピストン44のヘッド側に導入されるように構成されている。
【0085】
逆に、スライドコア22を後退させる場合、ピストンポンプ70を回動したまま方向切換弁46の電磁弁▲2▼を励磁し切替えると、作動油が作動油タンク51から流通経路m,n,o,qを介して中子シリンダ38のピストン44のロッド側に導入され、ピストン44が後退しピストンヘッド側に貯溜されている作動油が流通経路p,rを介して作動油タンク51に排出されるように構成されている。なお、符号37aと37bはリミットスイッチであり、37aは前進限リミットスイッチを、また37bは後退限リミットスイッチをそれぞれ示す。
【0086】
以上のように構成された成形機の中子制御装置の成形動作について述べる。
まず、図7に示す状態において、固定金型3と移動金型4が型接合してから、中子制御装置39の作動を開始するが、それまで、スライドコア22はキャビティ32から最も後退した後退限位置にある。まず、吸入動作は、方向切換弁46の電磁弁▲1▼を励磁し、中子シリンダ38と作動油タンク51が連絡している状態とする。ピストンポンプ70を回動させると作動油タンク51から流通経路m,n,o,pを通って作動油が中子シリンダ38のピストン44のヘッド側へ供給される。なお、中子シリンダ38のピストン44のヘッド側に作動油が導入されてピストン44のピストンロッド43の前進時に前進限リミットスイッチ37aを蹴ることによりスライドコア22は前進限で停止するのである。
【0087】
この後、サーボモータ12を極低速、高トルク回転に切り替え、所定の最終型締力を発生する。溶融樹脂がキャビティ32内に射出された後、所定の冷却時間が経過すると、サーボモータ12が逆転して両金型3,4が開かれる。冷却固化した成形品をキャビティ32から取外すために、まずスライドコア22を後退するが、次のようにして行われる。すなわち、前述したようなスライドコア22を前進限まで前進させた後、キャビティ32内に溶融樹脂を射出し、その後保圧および金型を冷却し射出充填した樹脂の固化が終了するとともに両金型3,4を開放する間に中子シリンダ38のピストン44を前進限まで移動するために前進させていたサーボモータ50を回動させ、ピストン52を後退限まで後退させておく。
【0088】
冷却固化した成形品をキャビティ32から取出すために、方向切換弁46の▲2▼に励磁信号が出力され、ピストンポンプ70と中子シリンダ38のピストンロッド43側とが連絡状態にある。なお、このときピストン44のピストンロッド43の後退時に後退限リミットスイッチ37bを蹴ることによりスライドコア22は後退限で停止するのである。これによってアンダーカット部の引っ掛かりが解消された成形品は、移動金型4が所定量後退して型開状態にあるのでプッシュロッド34が作動したとき、エジェクタ板24、エジェクタピン30を介して移動金型4から成形品を突き落とすのである。
【0089】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のように、型締側や射出側に駆動源として電動式にしておき、中子装置の駆動源として油圧式にした場合、従来のように型締側や射出側も油圧式にした場合と比較して制御回路が簡素化される。また、中子装置の動作時にのみサーボモータやリニアモータ等の電気制御モータを駆動するので省エネルギとなり、短時間の出力で定格出力の2.5倍の電力を出力することができ、モータサイズのダウンが可能となるなど多くの利点を有する。さらに、作動油タンクを密閉型とすることにより、可動時に作動用圧油内へのエアーの巻き込みが無くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における射出成形機の型締装置の一実施形態を示す断面図である。
【図2】キャビティ内に溶融樹脂を射出して成形品を得る場合の要部断面図である。
【図3】実施形態1の中子制御装置の構成図である。
【図4】実施形態2の中子制御装置の構成図である。
【図5】実施形態3の中子制御装置の構成図である。
【図6】実施形態4の中子制御装置の構成図である。
【図7】実施形態5の中子制御装置の構成図である。
【図8】実施形態6の中子制御装置の構成図である。
【図9】実施形態7の中子制御装置の構成図である。
【図10】実施形態8の中子制御装置の構成図である。
【図11】従来の中子制御装置の構成図である。
【符号の説明】
2…固定ダイプレート
3…固定金型
4…移動金型
5…移動ダイプレート
6…タイバ
7…ボールねじ軸
9…回転体
12…サーボモータ
13…タイミングベルト
16…加熱シリンダ
22…スライドコア
24…エジェクタ板
26…スペーサブロック
28…支持部材
30…エジェクタピン
32…キャビティ
37…リミットスイッチ
37a…前進限リミットスイッチ
37b…後退限リミットスイッチ
38…中子シリンダ
39…中子制御装置
40…中子装置
41…中子回路
42…油圧発生用圧力・流量制御回路
44…ピストン
46…方向切換弁
47…第1切換弁
48…アクチュエータ
50…サーボモータ
51…作動油タンク
52…ピストン
53…シリンダ
54…逆止弁
55…ベルト
56…給排口
58…方向切換弁
60…第1方向切換弁
62…密閉液圧シリンダ
64…リニアモータ
66…圧縮部材
68…液貯溜室
70…ピストンポンプ
72…伸縮部材
74…リリーフ弁
80…油圧中子制御装置
90…圧力・流量制御回路
91…油タンク
92…作動油
110…中子回路
120…中子シリンダ
a,b,c,d,e,f,g,h,i,j,m,n,o,p…流通経路

Claims (7)

  1. サーボモータの回転力をナット、ボールねじ軸により金型の型締動作に必要な推力に変換する電動型締装置を備えた成形機に具備、適用される中子制御装置において、
    固定金型あるいは可動金型に油圧駆動の中子シリンダを配し、前記中子シリンダの先端部に前後進可能でかつアンダーカットとなる部分を有する製品の成形を可能とするスライドコアを配し、前記中子シリンダと油タンクとの間に油経路を設け、かつ前記電動型締装置のサーボモータと異なる他の電気制御モータを駆動源にして前記油タンクから前記中子シリンダへ作動用圧油を供給可能にするアクチュエータを配設し、さらに前記アクチュエータと前記中子シリンダとの間に設けた油経路切換用の弁手段を配設し、前記弁手段の切替えにより前記油経路を経て前記アクチュエータと前記中子シリンダとの間で作動用圧油の給排を行う構成を具備しており、
    前記アクチュエータは、前記電気制御モータを形成するサーボモータの回転力の伝達にしたがって前後進動が可能なボールねじ軸の一端部に給油シリンダを備えて構成され、かつ前記油経路切換用の弁手段は、前記油タンクから前記給油シリンダを介して前記中子シリンダへの油を給排可能とする第1切換弁と、前記第1切換弁と前記中子シリンダ間に配設され、切替えにより前記給油シリンダから前記中子シリンダへ前記作動用圧油を供給可能な方向切換弁とを備えた構成を特徴とする成形機の中子制御装置。
  2. サーボモータの回転力をナット、ボールねじ軸により金型の型締動作に必要な推力に変換する電動型締装置を備えた成形機に具備、適用される中子制御装置において、
    固定金型あるいは可動金型に油圧駆動の中子シリンダを配し、前記中子シリンダの先端部に前後進可能でかつアンダーカットとなる部分を有する製品の成形を可能とするスライドコアを配し、前記中子シリンダと油タンクとの間に油経路を設け、かつ前記電動型締装置のサーボモータと異なる他の電気制御モータを駆動源にして前記油タンクから前記中子シリンダへ作動用圧油を供給可能にするアクチュエータを配設し、さらに前記アクチュエータと前記中子シリンダとの間に設けた油経路切換用の弁手段を配設し、前記弁手段の切替えにより前記油経路を経て前記アクチュエータと前記中子シリンダとの間で作動用圧油の給排を行う構成を具備しており、
    前記アクチュエータは、前記電気制御モータを形成するサーボモータの回転力の伝達にしたがって前後進動が可能なボールねじ軸の一端部に給油シリンダを備えて構成され、かつ前記油経路切換用の弁手段は前記給油シリンダと前記中子シリンダとの間に配設した単一の方向切換弁を備えて構成され、前記方向切換弁の切替えにより前記給油シリンダを介して前記油タンクと前記中子シリンダとの間で圧油を給排可能な構成としたことを特徴とする成形機の中子制御装置。
  3. サーボモータの回転力をナット、ボールねじ軸により金型の型締動作に必要な推力に変換する電動型締装置を備えた成形機に具備、適用される中子制御装置において、
    固定金型あるいは可動金型に油圧駆動の中子シリンダを配し、前記中子シリンダの先端部に前後進可能でかつアンダーカットとなる部分を有する製品の成形を可能とするスライドコアを配し、前記中子シリンダと油タンクとの間に油経路を設け、かつ前記電動型締装置のサーボモータと異なる他の電気制御モータを駆動源にして前記油タンクから前記中子シリンダへ作動用圧油を供給可能にするアクチュエータを配設し、さらに前記アクチュエータと前記中子シリンダとの間に設けた油経路切換用の弁手段を配設し、前記弁手段の切替えにより前記油経路を経て前記アクチュエータと前記中子シリンダとの間で作動用圧油の給排を行う構成を具備しており、
    前記アクチュエータは、前記電気制御モータを形成するリニアモータにより進退移動する移動部材を内部に有する密閉液圧シリンダを備えて構成され、かつ前記油経路切換用の弁手段は、前記密閉液圧シリンダと前記中子シリンダ間にあって前記密閉液圧シリンダに近い順に第1方向切換弁に引続き第2方向切換弁を配して構成され、前記第1方向切換弁と前記第2方向切換弁の切替えにより前記油タンクから前記密閉液圧シリンダを介して前記中子シリンダに圧油を供給可能とすることを特徴とする成形機の中子制御装置。
  4. サーボモータの回転力をナット、ボールねじ軸により金型の型締動作に必要な推力に変換する電動型締装置を備えた成形機に具備、適用される中子制御装置において、
    固定金型あるいは可動金型に油圧駆動の中子シリンダを配し、前記中子シリンダの先端部に前後進可能でかつアンダーカットとなる部分を有する製品の成形を可能とするスライドコアを配し、前記中子シリンダと油タンクとの間に油経路を設け、かつ前記電動型締装置のサーボモータと異なる他の電気制御モータを駆動源にして前記油タンクから前記中子シリンダへ作動用圧油を供給可能にするアクチュエータを配設し、さらに前記アクチュエータと前記中子シリンダとの間に設けた油経路切換用の弁手段を配設し、前記弁手段の切替えにより前記油経路を経て前記アクチュエータと前記中子シリンダとの間で作動用圧油の給排を行う構成を具備しており、
    前記アクチュエータは、前記電気制御モータを形成するサーボモータにより回転するピストンポンプを備えて構成され、かつ前記油経路切換用の弁手段は、前記ピストンポンプと前記中子シリンダ間に方向切換弁を配して構成され、該方向切換弁の切替えにより前記油タンクからの油を前記ピストンポンプ、前記方向切換弁を介して前記中子シリンダへの給排が可能な構成としたことを特徴とする成形機の中子制御装置。
  5. 前記作動用圧油を貯留する油タンクは、伸縮部材により隔壁とし、密閉空間内に油を充満させたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の成形機の中子制御装置。
  6. 前記作動用圧油を貯留する油タンクは、ピストン部材により隔壁とし密閉空間内に油を充満させたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の成形機の中子制御装置。
  7. サーボモータの回転力をナット、ボールねじ軸により金型の型締動作に必要な推力に変換する回転・直線変換機構を用いて型締を行い、
    中子部材と該中子部材を油圧駆動する中子シリンダとを固定金型あるいは可動金型に備えてアンダーカットとなる部分を有する製品の成形を可能とする成形機の中子制御方法において、
    前記中子部材を駆動する前記中子シリンダと油タンクとの間に設けた油経路を経て、前記型締用のサーボモータと異なる他の電気制御モータを駆動源にしたアクチュエータによって前記油タンクから前記中子シリンダへ作動用圧油を供給するようにし、
    このとき、前記アクチュエータと前記中子シリンダとの間に設けた油経路切換用の弁手段の切替えにより前記油経路を経て前記アクチュエータと前記中子シリンダとの間で作動用圧油の給排を制御し、
    前記中子シリンダの前進速度は、前記電気制御モータの速度で制御するとともに、該電気制御モータにトルクリミットを設定して該中子シリンダに供給する前記作動用圧油の関する最高油圧を制御するようにした、
    ことを特徴とする成形機の中子制御方法。
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