JPH10157795A - 内部液体動揺抑制型タンク - Google Patents

内部液体動揺抑制型タンク

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JPH10157795A
JPH10157795A JP8352195A JP35219596A JPH10157795A JP H10157795 A JPH10157795 A JP H10157795A JP 8352195 A JP8352195 A JP 8352195A JP 35219596 A JP35219596 A JP 35219596A JP H10157795 A JPH10157795 A JP H10157795A
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JP
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tank
bag
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liquid
fluctuation
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JP8352195A
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Hiroshi Nishino
宏 西野
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、タンク内の液体の動揺を抑制できる
ようにしたものである。 【解決手段】タンク1の内部へ張り出し可能な袋状部材
6が膨張可能に設けられ、液位センサ5からの情報に基
づき高圧ガス源12から袋状部材6の内部へ高圧ガスが
供給されることにより、同部材6が膨張してタンク1内
の液面の動きを拘束し、その液体の動揺による屋根3な
どの損傷を防止できるようになっている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、LNGタンク,石
油タンク,油漕船の荷油タンク等に、内部液体の動揺を
抑制しうる手段をそなえたものである。
【0002】
【従来の技術】タンク内に自由表面をもつように貯蔵さ
れた液体は、固有の動揺周期をもち、図7(タンク縦断
面図)に示すように、地震力Fによりタンク1の内部で
液面2の変動が励起される。このときタンク壁に過大な
水圧Pが作用し、損傷を生じるようになる。これらの防
止のために図8(タンク縦断面図)および図9(図8の
AーA断面図)に示すような防波板4を設けることもあ
る。しかし一般的に、従来は図7に示すごとく何らの対
策も施していない場合が多い。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、図7に示す
タンク1内の液体2は、動揺の固有周期を有し、その固
有周期は次式で表される。
【数1】TS=2π√{(R/gKS)・coth(KS
H/R)} TS :液面振動のS次の固有振動数(sec) R :タンク半径(m) H :水の深さ(m) g :重力加速度(cm/sec2) s :次数 KS :係数(1次の時KS=1.841)
【0004】この周期TSと付近地盤の特性を加味した
地震の卓越周期とが一致すると、タンク1の内部で大き
な液面動揺が発生し、その波頭がタンク屋根3に衝突し
たり、液面の動揺に伴う液体重心の移動によりタンク周
壁の損傷を引き起こしたりすることがある。そこで、本
発明は、タンク内の液面の動揺を検出して、その動揺が
激しくなると直ちに液面の動きを拘束することにより、
内部液体の動揺を抑制できるようにしたタンクを提供す
ることを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】前述の課題を解決するた
め、本発明の内部液体動揺抑制型タンクは、タンク内に
自由表面を有するように貯溜された液体の動揺を防止す
べく、同タンクの内部へ膨張して張り出すことの可能な
袋状部材と、同タンク内の液体の液位変動を監視する液
位センサと、同液位センサからの検出信号に応じ上記袋
状部材に流体を充満させて同袋状部材を膨張させる手段
とをそなえたことを特徴としている。
【0006】上述の本発明の内部液体動揺抑制型タンク
では、タンク内の液位変動を監視する液位センサからの
検出信号に応じ、液位変動が激しくなると上記袋状部材
に流体を充満させて上記タンク内へ突出させる作用が行
なわれ、このようにして膨張した袋状部材でタンク内液
面の動きが拘束されるので、タンク内の液体の動揺が的
確に防止されるようになり、タンクの損傷が防止され
る。
【0007】そして、上記袋状部材が上記タンクの上部
に装着され、同袋状部材の膨張時に同タンク内の液面を
上方から抑圧しうるように配設されていると、同袋状部
材によるタンク内液体の動揺防止作用が敏速に行なわれ
るようになる。
【0008】また上記袋状部材が上記タンクの周壁部に
装着され、同袋状部材の膨張時に上記タンク内の液中へ
の突出により液面を上昇させるように配設された場合
も、液面上方のタンク内空間の減少により、液面の動揺
が十分に防止される。
【0009】上記袋状部材を膨張させる手段としては、
タンクの内部液体が不燃性の場合は、火薬の爆発で生じ
るガスを袋状部材に充満させることもできるが、上記袋
状部材がバルブを介し高圧ガス源に接続され、上記タン
ク内の液位の変動が所定値を超えた際に上記液位センサ
からの検出信号に基づき上記バルブを開くように制御す
る制御係が設けられると、上記袋状部材の膨張が安全か
つ適切に行なわれるようになり、突発的な非常事態の際
にもタンク内液体の動揺抑制が自動的に行なわれるよう
になる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、図面により本発明の実施形
態について説明すると、図1は本発明の第1実施形態と
しての内部液体動揺抑制型タンクを示す縦断面図、図2
は図1のタンクの作用状態を示す縦断面図である。図1
に示すように、タンク1の内部の上部において、同タン
クの内周壁に沿い複数の扉8付き区画室7が形成され
て、各区画室7の内部にゴムなどで作られた袋状部材6
が、収縮した状態で格納されている。
【0011】そして、ボンベなどに空気あるいは不活性
ガスなどを圧縮して貯蔵した高圧ガス源12から、電磁
式バルブ13を介し袋状部材6に高圧ガスが供給されう
るようになっている。また、タンク1内に貯蔵された液
体の液位変動を監視する液位センサ5が設けられてお
り、同液位センサ5からの検出信号に基づき、上記の液
位変動が所定値を超えた際にバルブ13を開くように制
御する制御系が設けられている。
【0012】なお、非常事態の際に袋状部材6の内部に
送り込まれる流体としては、ガスのみならず適宜の液体
が用いられてもよい。また、タンク1に貯蔵される液体
が不燃性の場合は、袋状部材6の内部に火薬の爆発で生
じるガスを充満させるようにしてもよく、その場合は、
袋状部材6を急速に膨張させることができる。
【0013】本発明の第1実施形態では、タンク1の基
部を揺動させる卓越振動数とタンク1内の液面動揺の固
有振動数とが一致すると、図2に示すように自由液面は
大きく動揺するが、液位センサ5によりタンク1の損傷
に至るような激しい液面動揺が計測された場合、制御系
によりバルブ13が開かれて袋状部材6に高圧ガスが送
り込まれ、その結果、袋状部材6は膨張して扉8を押し
開き、さらに膨張した袋状部材6は液面2とタンク1の
天井との間に挟まれながら液頭の衝撃力を緩和する作用
を行なう。このようにして、タンク1の屋根3や周壁の
損傷が防止されるようになり、突発的な非常事態の際に
も自動的に対処できるようになる。
【0014】次に本発明の第2実施形態について説明す
ると、図3は、二重船殻構造の油槽船10における荷油
用タンクに本発明を適用した場合を示しており、上甲板
11の下方で船体中心線に沿う縦隔壁により左右に分け
られた各タンク1において、その内部の上部に自由表面
としての液面2を有する荷油が収容されるようになって
いる。そして、この液面2は、通常はイナートガスで覆
われている。
【0015】本実施形態では、各タンク1の上部空間に
扉8を介して通じる区画室7が、船側タンク内に入り込
むようにして設けられており、同区画室7の内部にゴム
などで作られた袋状部材6が、収縮した状態で格納され
ている。そして、ボンベなどに空気あるいは不活性ガス
などを圧縮して貯蔵した高圧ガス源12から、電磁式バ
ルブ13を介し袋状部材6に高圧ガスが供給されうるよ
うになっている。また、タンク1内に貯蔵された液体の
液位変動を監視する液位センサ5が設けられており、同
液位センサ5からの検出信号に基づき、上記の液位変動
が所定値を超えた際にバルブ13を開くように制御する
制御系が設けられている。
【0016】この第2実施形態の場合も、波浪中を航行
している際に船体の動揺が激しくなって危険な状態にな
ると、液位センサ5からの情報に基づき制御系が働いて
バルブ13を開くようになる。これにより高圧ガス源1
2から袋状部材6に高圧ガスが送り込まれ、その結果袋
状部材6は膨張して扉8を押し開き、さらに膨張した袋
状部材6は液面2とタンク1の天井との間に挟まれなが
ら液頭の衝撃力を緩和する作用を行なう。このようにし
て、タンク1の損傷が防止されるほか、船体の転覆も防
止されるようになる。
【0017】次に本発明の第3実施形態としての内部液
体動揺抑制型タンクについて説明すると、図4はその縦
断面図、図5はその作用状態を示す縦断面図、図6は図
5のB−B断面図である。図4に示すように、この第3
実施形態ではタンク1の高さの中間部における周壁部に
複数の扉8付き区画室7が形成されて、各区画室7の内
部にゴムなどで作られた袋状部材6が、収縮した状態で
格納され、その膨張時には扉8を押し開いてタンク1内
へ突出できるようになっている。
【0018】そして、ボンベなどに空気あるいは不活性
ガスなどを圧縮して貯蔵した高圧ガス源12から、電磁
式バルブ13を介し袋状部材6に高圧ガスが供給されう
るようになっている。また、タンク1内に貯蔵された液
体の液位変動を監視する液位センサ5が設けられてお
り、同液位センサ5からの検出信号に基づき、上記の液
位変動が所定値を超えた際にバルブ13を開くように制
御する制御系が設けられている。
【0019】上述の本発明の第3実施形態の場合も、タ
ンク1の基部を揺動させる卓越振動数とタンク1内の液
面動揺の固有振動数とが一致すると、図5に示すように
自由液面2は大きく動揺するが、液位センサ5によりタ
ンク1の損傷に至るような激しい液面動揺が計測された
場合、制御系によりバルブ13が開かれて袋状部材6に
高圧ガスが送り込まれ、その結果、袋状部材6は膨張し
て扉8を押し開き、さらに液中で膨張した袋状部材6は
液面2を押し上げて同液面2とタンク1の天井との間の
空間を減少させる作用を行なう。このようにして、液面
2の動きを狭い空間に閉じ込めて拘束することにより、
タンク1の屋根3に対する液面2の衝撃力が緩和される
ようになって、同屋根3の損傷が自動的に防止されるよ
うになる。
【0020】なお、各実施形態で、袋状部材6がタンク
内の液面上へ膨張する場合や、タンク側壁部からタンク
内へ膨張する場合について述べたが、本発明はこれらの
実施形態に拘束されるものではなく、上記袋状部材がタ
ンク底部からタンク内へ膨張する場合など、種々の形態
をとりうるものである。
【0021】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の内部液体
動揺抑制型タンクによれば、次のような効果が得られ
る。 (1)タンク内の液位変動を監視する液位センサからの
検出信号に応じ、液位変動が激しくなるとタンク内へ張
り出しうる袋状部材に流体を充満させる作用が行われ、
これにより膨張した袋状部材でタンク内液面の動きが拘
束されるので、タンク内の液体の動揺が的確に防止され
るようになり、タンクの損傷が防止される。 (2)上記袋状部材が上記タンクの上部に装着され、同
袋状部材の膨張時に同タンク内の液面を上方から抑圧し
うるように配設されていると、同袋状部材によるタンク
内液体の動揺防止作用が敏速に行なわれるようになる。 (3)上記袋状部材が上記タンクの周壁部に装着され、
同袋状部材の膨張時に上記タンク内の液中への突出によ
り液面を上昇させるように配設された場合も、液面上方
のタンク内空間の減少により、液面の動揺が十分に防止
される。 (4)上記袋状部材がバルブを介し高圧ガス源に接続さ
れ、上記タンク内の液位変動が所定値を超えた際に上記
液位センサからの検出信号に基づき上記バルブを開くよ
うに制御する制御係が設けられると、上記袋状部材の膨
張が安全かつ適切に行なわれるようになり、突発的な非
常事態の際にも、タンク内液体の動揺抑制が自動的に行
なわれるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例形態としての内部液体動揺
抑制型タンクを示す縦断面図である。
【図2】図1のタンクの作用状態を示す縦断面図であ
る。
【図3】本発明の第2実施形態としての内部液体動揺抑
制型タンクを油槽船にそなえた場合を示す船体横断面図
である。
【図4】本発明の第3実施形態としての内部液体動揺抑
制型タンクを示す縦断面図である。
【図5】図4の内部液体動揺抑制型タンクの作用状態を
示す縦断面図である。
【図6】図5のBーB断面図である。
【図7】従来のタンクの縦断面図である。
【図8】従来のタンクの他の例を示す縦断面図である。
【図9】図8のAーA断面図である。
【符号の説明】
1 タンク 2 液面 3 タンク屋根 4 防波板 5 液位センサ 6 袋状部材 7 区画室 8 扉 10 油槽船 11 上甲板 12 高圧ガス源 13 電磁式バルブ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 タンク内に自由表面を有するように貯溜
    された液体の動揺を防止すべく、同タンクの内部へ膨張
    して張り出すことの可能な袋状部材と、同タンク内の液
    体の液位変動を監視する液位センサと、同液位センサか
    らの検出信号に応じ上記袋状部材に流体を充満させて同
    袋状部材を膨張させる手段とをそなえたことを特徴とす
    る、内部液体動揺抑制型タンク。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の内部液体動揺抑制型タ
    ンクにおいて、上記袋状部材が上記タンクの上部に装着
    され、同袋状部材の膨張時に同タンク内の液面を上方か
    ら抑圧しうるように配設されたことを特徴とする、内部
    液体動揺抑制型タンク。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の内部液体動揺抑制型タ
    ンクにおいて、上記袋状部材が、上記タンクの周壁部に
    装着され、同袋状部材の膨張時に上記タンク内の液中へ
    の突出により液面を上昇させるように配設されたことを
    特徴とする、内部液体動揺抑制型タンク。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1つに記載の内
    部液体動揺抑制型タンクにおいて、上記袋状部材がバル
    ブを介し高圧ガス源に接続され、上記タンク内の液位の
    変動が所定値を超えた際に上記液位センサからの検出信
    号に基づき上記バルブを開くように制御する制御係が設
    けられたことを特徴とする、内部液体動揺抑制型タン
    ク。
JP8352195A 1996-10-04 1996-12-12 内部液体動揺抑制型タンク Withdrawn JPH10157795A (ja)

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