以下、本発明の一実施形態に係るダイカストマシンについて、図1および図2を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るダイカストマシンの概略構成を示す図である。図1において、金型およびナット体近傍を断面図で表している。図2は、図1のダイカストマシンが備えるスクイズ装置の動作の一例を説明するタイミングチャートの一例である。
本実施形態のダイカストマシン1は、固定金型3と可動金型4とを型閉・型開する図示しない型締装置と、型閉された固定金型3と可動金型4との内側に形成されるキャビティ5内に射出プランジャ8により金属溶湯を射出充填する図示しない射出装置と、スクイズ装置10と、を備えている。
固定金型3には、ランナ6を介してキャビティ5と連通する射出スリーブ7が設けられている。射出スリーブ7内には、射出プランジャ8が収容されており、射出プランジャ8は図示しない射出装置により前後進駆動される。ダイカストマシン1は、射出スリーブ7内に一定量の金属溶湯を供給した状態で、射出プランジャ8を所定の速度で前進駆動することにより、キャビティ5内に金属溶湯を射出充填する。また、ダイカストマシン1は、射出充填に続いて射出プランジャ8を所定の圧力で前進駆動し、キャビティ5内の金属溶湯に増圧圧力を付与することにより、凝固収縮分の金属溶湯を補充する。
可動金型4には、スクイズピン9がキャビティ5に対して前進および後退可能に設けられている。スクイズピン9は、スクイズ装置10により前進および後退される。
スクイズ装置10は、電動モータ11と、直動機構部12と、駆動ピストン20と、駆動シリンダ25と、加圧ピストン30と、加圧シリンダ35と、第1シリンダ接続管41と、第2シリンダ接続管42と、を有している。スクイズ装置10は、さらに、タンク43と、第1タンク接続管44と、第2タンク接続管45と、第1タンク開閉弁51と、第2タンク開閉弁52と、シリンダ開閉弁53と、を有している。スクイズ装置10は、さらに、ロータリエンコーダ56と、圧力センサ57と、リミットスイッチ58と、制御部60と、を有している。
電動モータ11は、例えば、電動サーボモータで構成されており、制御部60から送信される制御信号により制御される。
直動機構部12は、ボールねじ機構13と、被動プーリ18と、タイミングベルト19と、を有している。
ボールねじ機構13は、ねじ軸14およびこのねじ軸14に図示しないボールを介して螺合されたナット体15を有している。ナット体15は、ボールベアリング16を介してハウジング17に回転可能に支持されている。被動プーリ18は、ナット体15の端部に同軸に固定して取り付けられている。タイミングベルト19は、無端ベルト状に形成されており、被動プーリ18と電動モータ11の出力軸に固着された駆動プーリ11aとに架けわたされている。直動機構部12は、電動モータ11の出力軸が回転されると、回転駆動力を駆動プーリ11a、タイミングベルト19および被動プーリ18を介してナット体15に伝達し、ナット体15が回転されることによりねじ軸14を軸方向に移動させて直線駆動力に変換する。なお、本実施形態において、直動機構部12をボールねじ機構13などで構成しているが、例えば、ラックアンドピニオン機構などの他の機構で構成してもよい。
駆動ピストン20は、円柱状に形成されており、ねじ軸14の先端に連結部材21および駆動軸22を介して連結されている。
駆動シリンダ25は、駆動ピストン20の外径と略同一の内径を有する円筒状に形成されている。駆動シリンダ25には、作動油が収容されている。また、駆動シリンダ25には、駆動ピストン20が軸方向に往復移動可能に収容されている。駆動シリンダ25の内部空間は、駆動ピストン20によって一端側(図1において右側)の第1空間26と、他端側(図1において左側)の第2空間27とに区画されている。第1空間26および第2空間27には作動油が充填される。
加圧ピストン30は、円柱状に形成されており、上述した可動金型4のスクイズピン9の基端に連結部材31および加圧軸32を介して連結されている。
加圧シリンダ35は、加圧ピストン30の外径と略同一の内径を有する円筒状に形成されている。加圧シリンダ35には、作動油が収容されている。また、加圧シリンダ35には、加圧ピストン30が軸方向に往復移動可能に収容されている。加圧シリンダ35の内部空間は、加圧ピストン30によって前方側(図1において左側)の前方空間36と、後方側(図1において右側)の後方空間37とに区画されている。前方空間36および後方空間37には作動油が充填される。
第1シリンダ接続管41は、駆動シリンダ25の第1空間26と加圧シリンダ35の前方空間36との間を作動油が移動可能なように接続している。
第2シリンダ接続管42は、駆動シリンダ25の第2空間27と加圧シリンダ35の後方空間37との間を作動油が移動可能なように接続している。
タンク43は、作動油が蓄えられており、駆動シリンダ25および加圧シリンダ35に作動油を供給する。また、タンク43は、駆動シリンダ25と加圧シリンダ35との間で作動油が移動した際に余分な作動油が生じたときに、当該余分な作動油が流入するバッファとしても機能する。
第1タンク接続管44は、駆動シリンダ25の第1空間26とタンク43との間を作動油が移動可能なように接続している。
第2タンク接続管45は、駆動シリンダ25の第2空間27とタンク43との間を作動油が移動可能なように接続している。
第1タンク開閉弁51は、第1タンク接続管44上に設けられた電磁弁である。第1タンク開閉弁51は、A、B、PおよびTの4ポートを備えており、制御部60から送信される制御信号によりオン状態およびオフ状態に制御され、オン状態でA−T間およびB−P間を接続し、オフ状態でA−P間およびB−T間を接続する。第1タンク開閉弁51は、AおよびPが駆動シリンダ25の第1空間26に接続されており、BおよびTがタンク43に接続されている。第1タンク開閉弁51は、オン状態で第1タンク接続管44を開いた状態となり駆動シリンダ25の第1空間26とタンク43とを接続し、オフ状態で第1タンク接続管44を閉じた状態となり駆動シリンダ25の第1空間26とタンク43とを遮断する。
第2タンク開閉弁52は、第2タンク接続管45上に設けられた電磁弁である。第2タンク開閉弁52は、A、B、PおよびTの4ポートを備えており、制御部60から送信される制御信号によりオン状態およびオフ状態に制御され、オン状態でA−T間およびB−P間を接続し、オフ状態でA−P間およびB−T間を接続する。第2タンク開閉弁52は、AおよびPが駆動シリンダ25の第2空間27に接続されており、BおよびTがタンク43に接続されている。第2タンク開閉弁52は、オン状態で第2タンク接続管45を開いた状態となり駆動シリンダ25の第2空間27とタンク43とを接続し、オフ状態で第2タンク接続管45を閉じた状態となり駆動シリンダ25の第2空間27とタンク43とを遮断する。
なお、第1タンク開閉弁51および第2タンク開閉弁52として、例えば、AおよびPの2ポートを備え、オン状態でA−P間を接続し、オフ状態でA−P間を遮断する、より簡易な構成の開閉弁を採用してもよい。
シリンダ開閉弁53は、第1シリンダ接続管41上および第2シリンダ接続管42上に設けられた電磁弁である。シリンダ開閉弁53は、A、B、PおよびTの4ポートを備えており、制御部60から送信される制御信号によりオン状態およびオフ状態に制御され、オン状態でA−P間およびB−T間を接続し、オフ状態でA−P間およびB−T間を遮断する。シリンダ開閉弁53は、A−P間が第1シリンダ接続管41に挿入され、B−T間が第2シリンダ接続管42に挿入されている。シリンダ開閉弁53は、オン状態で、第1シリンダ接続管41を開いた状態となり駆動シリンダ25の第1空間26と加圧シリンダ35の前方空間36とを接続しかつ第2シリンダ接続管42を開いた状態となり駆動シリンダ25の第2空間27と加圧シリンダ35の後方空間37とを接続する。シリンダ開閉弁53は、オフ状態で、第1シリンダ接続管41を閉じた状態となり駆動シリンダ25の第1空間26と加圧シリンダ35の前方空間とを遮断しかつ第2シリンダ接続管42と閉じた状態となり駆動シリンダ25の第2空間27と加圧シリンダ35の後方空間37とを遮断する。シリンダ開閉弁53は、第1シリンダ開閉弁および第2シリンダ開閉弁に相当する。など、第1シリンダ接続管41および第2シリンダ接続管42のそれぞれに、別々の開閉弁を設けてもよい。
ロータリエンコーダ56は、電動モータ11の回転位置を検出し、当該回転位置に応じた信号を制御部60に送信する。
圧力センサ57は、第2シリンダ接続管42内の作動油の圧力、すなわち、加圧ピストン30を押圧する圧力を検出し、当該圧力に応じた信号を制御部60に送信する。
リミットスイッチ58は、加圧ピストン30の位置が原点となったときに、原点復帰を示す信号を制御部60に送信する。なお、加圧ピストン30の位置が原点となったときに原点復帰を示す信号を送信するものであれば、例えば、位置センサや圧力センサなどリミットスイッチ以外を採用してもよい。
制御部60は、例えば、CPU、ROM、RAM、EEPROM、各種I/Oインタフェースなどを有する組み込み機器用のマイクロコンピュータを有して構成されている。制御部60は、ダイカストマシン1の型締装置および射出装置などと連携してスクイズ装置10の制御を司る。
制御部60は、電動モータ11に接続されており、電動モータ11に対して起動・停止、回転速度およびトルクなどに関する制御信号を送信する。
制御部60は、ロータリエンコーダ56に接続されており、ロータリエンコーダ56からの信号に基づいて電動モータ11の回転位置および速度を検出する。制御部60は、圧力センサ57に接続されており、圧力センサ57からの信号に基づいて加圧ピストン30(すなわちスクイズピン9)を押圧する圧力を検出する。制御部60は、リミットスイッチ58に接続されており、リミットスイッチ58からの信号に基づいて加圧ピストン30の原点復帰を検出する。
制御部60は、検出した電動モータ11の回転位置および速度ならびにスクイズピン9を押圧する圧力を用いて電動モータ11をフィードバック制御(PID制御)する。また、制御部60は、電動モータ11に送信される制御信号に基づいて電動モータ11のトルクを検出する。制御部60は、制御信号により電動モータ11に流れる電流(すなわちトルク)を制御する。
次に、上述した本実施形態のダイカストマシン1が備えるスクイズ装置10の動作の一例について、図2を参照して説明する。
スクイズ装置10は、動作開始直後の初期状態において、駆動ピストン20および加圧ピストン30が基準位置としての原点に位置付けられており、加圧シリンダ35にはあらかじめ作動油が充填されている。
始めに、スクイズ装置10は、駆動シリンダ25に作動油を充填する(作動油充填工程)。具体的には、制御部60は、第1タンク開閉弁51および第2タンク開閉弁52を共にオン状態として駆動シリンダ25の第1空間26および第2空間27をタンク43と接続する。また、制御部60は、シリンダ開閉弁53をオフ状態として駆動シリンダ25と加圧シリンダ35とを遮断する。そして、制御部60は、原点(または後退限位置)と前進限位置との間で駆動ピストン20が直線往復移動するように電動モータ11を制御する。これにより、駆動シリンダ25とタンク43との間で作動油が移動して、第1空間26および第2空間27に作動油が充填される。この動作により、駆動シリンダ25に確実に作動油が充填される。作動油が充填されると、制御部60は、第1タンク開閉弁51および第2タンク開閉弁52を共にオフ状態として駆動シリンダ25の第1空間26および第2空間27をタンク43と遮断する。
そして、型締装置によって固定金型3および可動金型4が閉じられ、キャビティ5内に射出装置によって金属溶湯が射出充填されると、スクイズ装置10は、スクイズピン9を前進させる(前進工程)。具体的には、制御部60は、第1タンク開閉弁51をオン状態として駆動シリンダ25の第1空間26とタンク43とを接続し、第2タンク開閉弁52のオフ状態を維持して駆動シリンダ25の第2空間27とタンク43とを遮断したままとする。また、制御部60は、シリンダ開閉弁53をオン状態として駆動シリンダ25と加圧シリンダ35とを接続する。そして、制御部60は、駆動ピストン20が原点から駆動シリンダ25の他端側に向けて移動するように電動モータ11を制御する。これにより、駆動シリンダ25の第2空間27が狭まり、作動油が押し出されて第2シリンダ接続管42を通じて加圧シリンダ35の後方空間37に移動するとともに、駆動シリンダ25の第1空間26が広がり、作動油が引き込まれて第1シリンダ接続管41を通じて加圧シリンダ35の前方空間36から移動する。そのため、作動油によって加圧ピストン30に前方に押す力と前方に引く力とが加わり、加圧ピストン30が前進し、加圧ピストン30に連結されたスクイズピン9もキャビティ5に対して前進される。前進工程において、制御部60は電動モータ11の速度および/または回転位置に基づいて電動モータ11をフィードバック制御する(速度/位置制御)。
次に、スクイズ装置10は、スクイズピン9を前方に押圧する(圧力制御工程)。制御部60は、上記前進工程に引き続き、第1タンク開閉弁51、第2タンク開閉弁52およびシリンダ開閉弁53のオン/オフ状態を継続するとともに、駆動ピストン20が駆動シリンダ25の一端側から他端側に向けて移動するように電動モータ11を制御する。これにより、上記前進工程と同様に、作動油によって加圧ピストン30に前方に押す力と前方に引く力とが加わり、加圧ピストン30を前方に押し出す力が加わり、加圧ピストン30に連結されたスクイズピン9も前方に押圧される。圧力制御工程において、制御部60は加圧ピストン30を押圧する圧力に基づいて電動モータ11をフィードバック制御する(圧力制御)。
次に、スクイズ装置10は、スクイズピン9を後退させる(後退工程)。具体的には、制御部60は、第1タンク開閉弁51をオフ状態として駆動シリンダ25の第1空間26とタンク43とを遮断し、第2タンク開閉弁52をオン状態として駆動シリンダ25の第2空間27とタンク43とを接続する。また、制御部60は、シリンダ開閉弁53のオン状態を維持して駆動シリンダ25と加圧シリンダ35とを接続したままとする。そして、制御部60は、駆動ピストン20が駆動シリンダ25の他端側から原点に向けて移動するように電動モータ11を制御する。これにより、駆動シリンダ25の第1空間26が狭まり、作動油が押し出されて第1シリンダ接続管41を通じて加圧シリンダ35の前方空間36に移動するとともに、駆動シリンダ25の第2空間27が広がり、作動油が引き込まれて第2シリンダ接続管42を通じて加圧シリンダ35の後方空間37から移動する。そのため、作動油によって加圧ピストン30に後方に押す力と後方に引く力とが加わり、加圧ピストン30が後退し、加圧ピストン30に連結されたスクイズピン9もキャビティ5に対して後退される。制御部60は、リミットスイッチ58からの信号により加圧ピストン30が原点に復帰したことを検出すると、第1タンク開閉弁51、第2タンク開閉弁52およびシリンダ開閉弁53をすべてオフ状態とし、電動モータ11の動作を停止させる。
次に、スクイズ装置10は、スクイズピン9の前進に備えて待機する(待機工程)。具体的には、制御部60は、ロータリエンコーダ56の信号に基づいて駆動ピストン20が原点にあるか否かを判定する。そして、駆動ピストン20が原点にあれば、次回の射出充填まで現在の状態を維持する。または、駆動ピストン20が原点になければ、第1タンク開閉弁51および第2タンク開閉弁52を共にオン状態として駆動シリンダ25の第1空間26および第2空間27をタンク43と接続する。このとき、制御部60は、シリンダ開閉弁53のオフ状態を維持して駆動シリンダ25と加圧シリンダ35とを遮断したままとする。そして、制御部60は、原点に駆動ピストン20が移動するように電動モータ11を制御する。これにより、駆動シリンダ25とタンク43との間で作動油が移動して、駆動ピストン20が作動油に妨げられることなく原点復帰する。そして、駆動ピストン20が原点復帰すると、制御部60は、第1タンク開閉弁51および第2タンク開閉弁52を共にオフ状態として駆動シリンダ25の第1空間26および第2空間27をタンク43と遮断する。
スクイズ装置10は、射出充填動作にあわせて上記前進工程、圧力制御工程、後退工程および待機工程を繰り返し行う。そして、全ての射出充填動作が終了すると待機工程から動作を停止した状態に移行する。
以上より、本実施形態のダイカストマシン1によれば、本発明によれば、直動機構部12により駆動ピストン20が駆動シリンダ25の原点(一端側)から他端側に移動されると、作動油が、第2シリンダ接続管42を通じて駆動シリンダ25の第2空間27から加圧シリンダ35の後方空間37に移動しかつ第1シリンダ接続管41を通じて加圧シリンダ35の前方空間36から駆動シリンダ25の第1空間26に移動して、加圧ピストン30が前進する。また、直動機構部12により駆動ピストン20が駆動シリンダ25の他端側から原点(一端側)に移動されると、作動油が、第1シリンダ接続管41を通じて駆動シリンダ25の第1空間26から加圧シリンダ35の前方空間36に移動しかつ第2シリンダ接続管42を通じて加圧シリンダ35の後方空間37から駆動シリンダ25の第2空間27に移動して、加圧ピストン30が後退される。このようにしたことから、直動機構部12ならびに駆動ピストン20および駆動シリンダ25を介して、電動モータ11により、スクイズピン9が連結された加圧ピストン30を前進および後退させることができる。
また、加圧ピストン30の前進時は、加圧シリンダ35の後方空間37に作動油を移動(流入)させるとともに前方空間36から作動油を移動(排出)させるので、作動油によって加圧ピストン30に前方に押す力と前方に引く力が加わり、より効率的に加圧ピストン30を前進させることができる。加圧ピストン30の後退時についても同様である。また、電動油圧ポンプにより高められたアキュムレータ内の油圧を用いる構成に比べて、電力使用量を低減することができる。
また、作動油が蓄えられたタンク43と、駆動シリンダ25の第1空間26とタンク43とを接続する第1タンク接続管44と、駆動シリンダ25の第2空間27とタンク43とを接続する第2タンク接続管45と、第1タンク接続管44を開閉する第1タンク開閉弁51と、第2タンク接続管45を開閉する第2タンク開閉弁52と、をさらに有している。そして、制御部60が、(1)スクイズピン9を前進させるとき、第1タンク接続管44を開きかつ第2タンク接続管45を閉じ、かつ、(2)スクイズピン9を後退させるとき、第2タンク接続管45を開きかつ第1タンク接続管44を閉じる、ように第1タンク開閉弁51および第2タンク開閉弁52を制御する。このようにすることで、駆動ピストン20を移動させたときに、加圧シリンダ35から排出される作動油の量と駆動シリンダ25に流入する作動油の量とに差異が生じた場合にタンク43に作動油が出入りして当該差異を吸収することができる。
また、第1シリンダ接続管41および第2シリンダ接続管42を開閉するシリンダ開閉弁53、をさらに有している。そして、制御部60が(1)スクイズピン9を前進させるとき、第1シリンダ接続管41、第2シリンダ接続管42および第1タンク接続管44を開きかつ第2タンク接続管45を閉じ、かつ、(2)スクイズピン9を後退させるとき、第1シリンダ接続管41、第2シリンダ接続管42および第2タンク接続管45を開きかつ第1タンク接続管44を閉じ、かつ、(3)駆動ピストン20を原点復帰させるとき、第1タンク接続管44および第2タンク接続管45を開きかつ第1シリンダ接続管41および第2シリンダ接続管42を閉じる、ように第1タンク開閉弁51、第2タンク開閉弁52およびシリンダ開閉弁53を制御する。このようにすることで、駆動ピストン20を原点復帰させるとき、加圧シリンダ35を駆動シリンダ25から切り離すとともに駆動シリンダ25の第1空間26および第2空間27をタンク43と接続して、作動油に妨げられることなく駆動ピストン20を移動させることができるので、駆動ピストン20をより確実に原点復帰させることができる。
上述した実施形態によれば、電動モータ11により、スクイズピン9が連結された加圧ピストン30を前進および後退させることができるので、電動モータ11の速度やトルクを制御することにより、スクイズピン9の進退速度や圧力をより精細に制御することができる。
また、上述した実施形態では、タンク43、第1タンク接続管44、第2タンク接続管45,第1タンク開閉弁51および第2タンク開閉弁52を有する構成であったが、これに限定するものではない。駆動ピストン20を移動させたときに、加圧シリンダ35から排出される作動油の量と駆動シリンダ25に流入する作動油の量とに、動作に支障が生じる程度の差異がなければ、これらを省略した構成としてもよい。
また、上述した実施形態では、タンク43、第1タンク接続管44、第2タンク接続管45,第1タンク開閉弁51、第2タンク開閉弁52およびシリンダ開閉弁53を有する構成であっが、加圧ピストン30が原点復帰した際に、駆動ピストン20も原点復帰して位置ずれが生じないのであれば、これらを省略した構成としてもよい。
上記に本発明の実施形態を説明したが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。前述の実施形態に対して、当業者が適宜、構成要素の追加、削除、設計変更を行ったものや、実施形態の特徴を適宜組み合わせたものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含まれる。