JP4244162B2 - 列車初期位置設定装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、列車に搭載されている車上無線機と地上に設置された沿線無線機との間で無線ネットワークを形成し、それら車上無線機の車上アンテナと沿線無線機の沿線アンテナとの間の無線伝搬遅延を計測して列車位置を検知し、その検知された列車位置に基づいて列車制御を行う際の列車の初期位置を自動的に設定できるようにした列車初期位置設定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、列車(鉄輪列車及びゴムタイヤ都市型軽量列車を含む。)に車上無線機を搭載し、その列車の走行する軌道の沿線に沿って所定の間隔をもって設置された複数の沿線無線機との間で無線ネットワークを形成し、車上無線機の車上アンテナと沿線無線機の沿線アンテナとの無線伝搬遅延(時間)を計測して列車位置を検知し、その検知された列車位置に基づいて列車制御を行う列車制御システムが提案されている(特許文献1参照。)。
【0003】
この無線伝搬遅延を利用する列車制御システムは、図5に示されるように、列車イに車上アンテナa0 を備えた車上無線機bを搭載するとともに、列車イの走行する軌道Tに沿って所定の間隔を保って沿線アンテナ(地上アンテナ)a1 〜a3 を備えた複数(図示の例では3個)の沿線無線機(地上無線機)c1 〜c3 が設置される。そして、予め計測された車上アンテナa0 と沿線アンテナとの間の距離に応じた無線伝搬遅延に基づいて車上アンテナ位置と各沿線アンテナ位置との距離が列車位置検知装置dのメモリd1 にデータベース化されて記憶されている。したがって、列車位置検知装置dの位置計算部d2 において各沿線アンテナa1 〜a3 と車上アンテナa0 とのリアルタイムの距離をそのデータベースから検索することにより現在の車上アンテナ位置を決定することができ、その決定された車上アンテナa0 の設置位置からその車上アンテナa0 に係る列車位置を検知することができる。
【0004】
【特許文献1】
特許第2738464号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述のように、無線伝搬遅延を利用して列車検知を行って列車制御を行う場合であっても、列車を車庫から発車させて列車制御エリアに進入させるときなどのように、列車制御の開始に当っては、列車制御の基準となる列車の初期位置を設定する必要がある。
【0006】
しかしながら、上記無線伝搬遅延に基づく列車位置検知においては、マルチパスなどの無線環境や装置の遅延計測サンプリング誤差等によって列車位置検知に誤差が発生することを避けることができない。すなわち、無線伝搬遅延に基づく列車検知においては、列車を一点で検知することができず、ある程度の範囲内でしか列車位置を検知することができない。したがって、この誤差が隣接する軌道を含むときは、列車がどの軌道に在線しているか検知することができないという問題が発生する。図6を用いてさらに説明すると、軌道T1に在線している列車イの車上アンテナa0を中心とした検知誤差が鎖線で示される範囲であり、その範囲が軌道T1に隣接する軌道T2を含むとき、列車イは、どちらの軌道に在線しているかを検知することができないという問題が発生する。
【0007】
上述の問題点を解決するために、列車の在線する軌道を軌道回路を用いて検出することも可能であるが、軌道回路は、その軌道回路を形成するレールはある程度の長さを有しているので、正確な初期位置を設定することが不可能である。
【0008】
また、上述の問題点を解決するために、周知の無人列車制御システムで用いられている地上トランスポンダと車上トランスポンダとを用いた初期位置設定も考えられる。すなわち、列車を有人で初期位置まで運転して移動させ、地上に設置されている地上トランスポンダと車上に搭載されている車上トランスポンダとの通信が成立した地点で係員によって初期位置の入力を行うようにすることも考えられる。しかし、このような人手による入力の場合は、入力ミスを完全に防止することができない。したがって、例えば、間違った軌道に列車を進入させた場合は、間違って列車の初期位置設定がされてしまう。
【0009】
そこで、本発明は、上記欠点を防止するためになされたものであって、その目的は、列車が列車制御区間に進入するときの列車の初期位置を自動的に、かつ、正確に設定できるようにした列車初期位置設定装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る列車初期位置設定装置は、上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、列車に搭載された車上無線機及びその列車の走行する軌道に沿って設けられた沿線無線機で無線ネットワークを形成し、その車上無線機の車上アンテナとその沿線無線機の沿線アンテナとの間の無線伝搬遅延により列車位置を検知し、その検知された列車位置に基づいて列車制御を行う際の列車初期位置設定装置であって、前記列車に設けられた車上子及び車上トランスポンダと、前記車上子及び前記車上トランスポンダの設置位置に対応して地上に設けられた地上子及び地上トランスポンダと、予め記憶した複数の擬似雑音符号から前記地上子に割当てられた所定の周波数に対応させた擬似雑音符号を選択してスペクトラム拡散通信に用いる前記地上トランスポンダの擬似雑音符号を設定すると共に、前記車上子と前記地上子が結合したとき、予め記憶した複数の擬似雑音符号から前記所定の周波数で特定される擬似雑音符号を選択して前記車上トランスポンダの擬似雑音符号を設定し、前記車上トランスポンダと前記地上トランスポンダとの間でスペクトラム拡散通信を可能にするトランスポンダ制御手段と、前記車上子及び前記地上子が結合し、かつ、前記車上トランスポンダと前記地上トランスポンダとの間の通信が成立したときに、前記列車の初期位置の設定を行う列車初期位置設定制御手段と、からなることを特徴としている。
本発明の請求項2に記載の列車初期位置設定装置は、所定の検知誤差を加味した無線伝搬遅延による列車位置検知において列車が地上トランスポンダ位置を通過したにもかかわらず、その列車の車上トランスポンダとその地上トランスポンダとの間の通信が行われないときに、その列車を緊急停止させる緊急停止手段を設けたことを特徴としている。
本発明の請求項3に記載の列車初期位置設定装置は、列車が無線伝搬遅延による列車位置検知において把握されている現在位置から地上子の設置位置までの距離を走行してもその列車の車上子とその地上子の結合が行われないときに、列車を停止させる停止制御手段を設けたことを特徴としている。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の一実施の形態に係る列車初期位置設定装置の概略構成図である。
【0012】
図1中、Tは、列車イの走行する軌道(レール)であり、その軌道Tの左側は、係員(運転士)が手動で列車イを運転するマニュアル運転範囲の軌道T′とされ、ここでは、その範囲は車庫として示されている。そして、この軌道Tの右側は、列車イに搭載された車上無線機b及びその列車イの走行する軌道Tに沿って所定の間隔を保って設けられた複数(図示の例では、図面を簡略化するために2個しか設けられていないが、実際は多数設けられている。)の沿線無線機c1,c2で無線ネットワークを形成し、その車上無線機bの車上アンテナa0と各沿線無線機c1,c2の各沿線アンテナa1,a2との間の無線伝搬遅延により列車位置を検知し、その検知された列車位置に基づいて列車制御を行う列車制御区間に設定されている。なお、列車イには、列車イが進行する方向(図示の例では左側から右側へ進行する。)の先頭にのみ車上アンテナa0が設けられているが、この列車イが図示と逆方向に進行するときに用いられる車上アンテナも設けられているが、ここでは省略されている。この逆方向に進行するときに用いられる車上アンテナは、列車イの後尾部(図1の例では左側)に設けられ、この車上アンテナ用の車上無線機等も列車イに搭載される。同様に、後述する車上子及び車上トランスポンダも逆方向分は、ここでは省略されている。
【0013】
上記車上無線機b及び沿線無線機c1 ,c2 は、上記図5に示される車上無線機b及び沿線無線機c1 ,c2 ,c3 と同一であるので、これ以上の説明は省略する。また、図5に示される列車位置検知装置dは、後述する列車初期位置設定器内に含まれている。
【0014】
図1中、1は、列車イの先頭下部に設けられた車上子であり、2は、車上トランスポンダであり、これらは、列車イの進行方向に関して所定の間隔を保って設けられている。また、3は、列車イに搭載された車上制御装置であり、この車上制御装置3には、後に図2を用いて詳述する車上トランスポンダ制御回路4と、車上制御部5が含まれている。この車上制御部5は、地上側(沿線無線機c1 ,c2 側)から得れる所定の制御情報(前方列車までの距離情報、制限速度情報等)及び列車イ(自列車)に設けられている速度発電機Gから得られる速度信号等に基づいて列車イの運転制御を行えるように構成されている。
【0015】
図1中、10は、上記マニュアル運転範囲の軌道T′の近傍の所定位置に設置されている地上子であり、11は、その地上子10の近傍に設置された地上トランスポンダである。これら地上子10及び地上トランスポンダ11は、軌道T′における列車イの走行方向に沿って所定の間隔を保って設けられ、その所定の間隔は、列車イに設けられている車上子1及び車上トランスポンダ2と同一に決められている。したがって、列車イが地上子10及び地上トランスポンダ11の位置側に進行したときは、地上子10と車上子1及び地上トランスポンダ11と車上トランスポンダ2が同時にそれぞれ対向することができる。そして、これら地上子10及び地上トランスポンダ11は、後に図2を用いて詳述する地上トランスポンダ制御回路12に接続されている。
【0016】
図1中、20は、列車初期位置設定器であって、ここには、上記図5で示された列車位置検知装置dと同様の列車位置検知装置dが含まれている。なお、d3 は、上記図5では省略されている沿線無線機c1 と通信を行うための無線機送受信部である。メモリd1 及び位置計算部d2 は、上記図5と同一なので、これ以上の説明は省略する。
【0017】
列車初期位置設定器20には、トランスポンダ制御部21が含まれている。このトランスポンダ制御部21には、車上トランスポンダ2及び地上トランスポンダ11間の通信で使用する疑似雑音符号(以下、「PN符号」という。)のコードを決定するPNキー決定部22と、車上トランスポンダ2及び地上トランスポンダ11間の通信が成立した時刻を管理するクロックタイム管理部23とが接続されている。また、この列車初期位置設定器20は、軌道T′上の列車位置(列車初期位置)をメモリ24に記憶して列車を管理する列車管理部25が含まれている。
【0018】
図2は、車上トランスポンダ制御回路4及び地上トランスポンダ制御回路12部分の詳細図である。まず、地上トランスポンダ制御回路12は、図3に示されるような複数種のPN符号(PN1 ,PN2 …)のPNテーブルを有していて、地上子10に割当てられている所定の周波数(図2の例ではf1 )に対応して所定のPN符号が選択できるように構成されている。この地上子10に割当てられる周波数f1 は、軌道T1 に隣接する図示しない軌道に設けられている図示しない同様の地上子に割当てられている周波数と異なるものである。各地上子に対する周波数の割当て及びその周波数に対応したPN符号の選択は、PNキー決定部22により行われ、図2の例では、地上子10の周波数はf1 で、それに対応したPN符号がPN1 で、このPN1 のPNコードは「A,A…」とされている。なお、このPNコードの「A,A…」は、実際は、0,1の組合わせで、例えば「1,1,0,0,0,1…」のように表わされる。
【0019】
地上トランスポンダ11は、上述のように、地上子10の周波数によって特定されたPN符号PN1を用いて車上トランスポンダ2との間でスペクトラム拡散通信(以下、「SS通信」という。)により通信を行うことができるように構成されている。SS通信は、送信側において送信する情報(データ)を所定のPN符号で変調して送信し、受信側において受信した信号を送信側で使用したと同じPN符号で復調して情報を得るもので、耐雑音性に優れ、高品質の通信を行うことができる特長がある。
【0020】
車上子1は、列車イの移動(進行)に伴ってその車上子1が地上子10に対向し、車上子1のそれまでの所定の発信周波数が地上子10の周波数に変周されたときの信号となったとき、すなわち、車上子1と地上子10とが結合されたときの信号を増幅処理する増幅回路30と、その増幅回路30の出力信号を弁別する複数のフィルタ回路F1〜Fnを有している。図2において、フィルタ回路F1は、周波数f1を弁別できるように構成されているので、このフィルタ回路F1は、車上子1が地上子10の周波数f1で変周されたときの信号を抽出することができる。
【0021】
図2中、リレー回路R1〜Rnは、フィルタ回路F1〜Fnにそれぞれ対応して設けられ、対応するフィルタ回路が信号を弁別したときに作動するように構成されている。そして、その作動したリレーに対応して車上トランスポンダ制御回路4に記憶されているPNテーブルから所定のPN符号を選択できるように構成されている。すなわち、この車上トランスポンダ制御回路4にも上記地上トランスポンダ制御回路12と同様の図3に示されると同じPN符号PN1,PN2…が記憶されているPNテーブルを有しているので、車上子1の変周周波数に対応したPN符号を選択することが可能となる。図2の例では、車上子1は、周波数f1に変周されるので、リレー回路R1を介して車上トランスポンダ制御回路4はPN符号PN1を選択している。
【0022】
上述のように、地上子10の周波数によって特定されたPN符号で地上トランスポンダ11及び車上トランスポンダ2間でSS通信により所定の通信が行われるので、車上トランスポンダ2が他の軌道に設置されている地上トランスポンダ(図示せず)との間で通信を行ったり、あるいは、地上トランスポンダ11が他の軌道を走行する列車の車上トランスポンダ(図示せず)との間で通信を行うのを効果的に防止することができる。
【0023】
以下、図4のフローチャートを用いて列車初期位置設定の制御動作について説明する。今、車庫に停車中の列車イの出発時刻が到来し、その列車イの電源が投入(ON)されたとする(ステップ100肯定。以下、ステップを「S」とする。)。列車イの電源が投入されると、列車イの車上無線機b及び車上制御装置3が駆動されて沿線無線機c1 ,c2 との間で無線ネットワークが形成され、上述した無線伝搬遅延方式により列車イの列車位置が検知され、その検知位置がメモリ24に記憶されて列車管理部25による列車イの管理が開始される(S102)。
【0024】
列車イは、運転士(係員)によりマニュアル運転範囲(軌道T′の範囲)は所定の低速以下(例えば20km/h以下)で運転(走行)が開始される(S104肯定)。なお、この所定の低速を越えて列車イが運転されると、列車イは非常ブレーキが作動して停止される。他方、地上側では、地上子10からは周波数f1 の信号が送出され、また、地上トランスポンダ11からは、その周波数に対応したPN符号PN1 を用いたSS通信が可能状態におかれている。
【0025】
列車イの進行に伴って列車イの車上子1及び車上トランスポンダ11が図1又は図2に示されるようにそれぞれ対向すると、車上(列車イ)側では、車上子1で変周された信号がフィルタ回路F1を介して弁別されてリレー回路R1を駆動し、PNテーブルから地上側と同一のPN符号PN1が選択される。これにより、地上及び車上間(地上トランスポンダ11及び車上トランスポンダ2間)におけるPN符号が一致し、所定の通信が成立する(S106)。この通信成立により車上からは列車イの編成番号(列車イのID)等の列車の管理制御に必要な情報が列車管理部25に取込まれるとともに、地上トランスポンダ11の絶体位置及びクロックタイム管理部23から得られたその通信が成立した時刻と現在まで走行した距離(この距離は、速度発電機Gから求められる。)から列車イの初期位置が算出(決定)されてメモリ24に記憶される(S108)。以後、列車イは、この列車初期位置に基づいてその後の列車制御が行われる。
【0026】
次に、列車イが誤った軌道に進入したり、あるいは、地上・車上間の通信がいわゆる空振り等により不調に終わったことなどにより、上述の車上トランスポンダ2と地上トランスポンダ11との通信が成立しない場合について説明する。
【0027】
上述のように、列車イは、電源がONにされると、列車位置検知装置dによってある程度の誤差を含んで検知されている(図6参照)。このため、その列車位置検知装置dで検知されている列車位置から地上トランスポンダ11の設置位置(既知データとして記憶されている。)までその誤差を加味した距離を走行したにもかかわらず通信が成立しないときは(S106否定、S110肯定)、列車初期位置設定ができないので、異常状態の発生となって列車イは停止され、係員による所定の復旧処理がなされる(S112)。さらに、列車イには、速度発電機Gが設けられているので、ある所定の任意点(この任意点は、列車位置検知装置dで検知された任意の地点。)から列車イが地上子10に向けて進行する際に、その所定の任意点から地上子10の設置位置(既知のデータとして記憶されている。)まで走行したにもかかわらず、車上子1と地上子10の結合が行われないときも、列車初期位置設定ができないので、異常状態の発生となって列車イは停止され、係員による所定の復旧処理がなされる(S112)。
【0028】
なお、上述の例では、車上子1及び車上トランスポンダ2は列車の下部に設けたが、これらを列車の側面に設けるようにしてもよい。この場合、地上に設置される地上子10及び地上トランスポンダ11は、列車の側面に対応した位置に設けられる。
【0029】
【発明の効果】
本発明の請求項1に記載の列車初期位置設定装置は、列車に設けられた車上子及び車上トランスポンダと、前記車上子及び前記車上トランスポンダの設置位置に対応して地上に設けられた地上子及び地上トランスポンダと、予め記憶した複数の擬似雑音符号から前記地上子に割当てられた所定の周波数に対応させた擬似雑音符号を選択してスペクトラム拡散通信に用いる前記地上トランスポンダの擬似雑音符号を設定すると共に、前記車上子と前記地上子が結合したとき、予め記憶した複数の擬似雑音符号から前記所定の周波数で特定される擬似雑音符号を選択して前記車上トランスポンダの擬似雑音符号を設定し、前記車上トランスポンダと前記地上トランスポンダとの間でスペクトラム拡散通信を可能にするトランスポンダ制御手段と、前記車上子及び前記地上子が結合し、かつ、前記車上トランスポンダと前記地上トランスポンダとの間の通信が成立したときに、前記列車の初期位置の設定を行う列車初期位置設定制御手段とからなるので、列車の初期位置を自動的に設定することができる。また、車上トランスポンダと地上トランスポンダとの間の通信は、SS通信により行われるので、耐雑音性に優れ、高品質の通信を行うことができる。更に、SS通信で用いられるPN符号は、車上子及び地上子の結合に割当てられた所定の周波数に対応して選択するものであるので、効率よくPN符号を選択することができる。しかも、車上トランスポンダが他の軌道に設置されている地上トランスポンダとの間で通信を行ったり、あるいは、地上トランスポンダが他の軌道を走行する列車の車上トランスポンダとの間で通信を行うのを効果的に防止することができる。
本発明の請求項2に記載の列車初期位置設定装置は、所定の検知誤差を加味した無線伝搬遅延による列車位置検知において列車が地上トランスポンダ位置を通過したにもかかわらず、その列車の車上トランスポンダとその地上トランスポンダとの間の通信が行われないときに、その列車を緊急停止させる緊急停止手段を設けたので、列車の安全を確保することができる。
本発明の請求項3に記載の列車初期位置設定装置は、列車が無線伝搬遅延による列車位置検知において把握されている現在位置から地上子の設置位置までの距離を走行してもその列車の車上子とその地上子の結合が行われないときに、列車を停止させる停止制御手段を設けたので、列車の安全を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る列車初期位置設定装置の概略構成図である。
【図2】車上トランスポンダ制御回路及び地上トランスポンダ制御回路部分の詳細図である。
【図3】PN符号の説明図である。
【図4】無線ネットワークを形成して無線伝搬遅延による列車検知システムの説明図である。
【図5】図4に示される列車検知システムにおける検知誤差の説明図である。
【図6】無線伝搬遅延による列車検知の誤差範囲の説明図である。
【符号の説明】
T,T′ 軌道
イ 列車
a0 車上アンテナ
b 車上無線機
1 車上子
2 車上トランスポンダ
3 車上制御装置
4 車上トランスポンダ制御回路
10 地上子
11 地上トランスポンダ
12 地上トランスポンダ制御回路
20 列車位置初期設定器
a1 ,a2 沿線アンテナ
c1 ,c2 沿線無線機
d 列車位置検知装置
Claims (3)
- 列車に搭載された車上無線機及びその列車の走行する軌道に沿って設けられた沿線無線機で無線ネットワークを形成し、その車上無線機の車上アンテナとその沿線無線機の沿線アンテナとの間の無線伝搬遅延により列車位置を検知し、その検知された列車位置に基づいて列車制御を行う際の列車初期位置設定装置であって、
前記列車に設けられた車上子及び車上トランスポンダと、
前記車上子及び前記車上トランスポンダの設置位置に対応して地上に設けられた地上子及び地上トランスポンダと、
予め記憶した複数の擬似雑音符号から前記地上子に割当てられた所定の周波数に対応させた擬似雑音符号を選択してスペクトラム拡散通信に用いる前記地上トランスポンダの擬似雑音符号を設定すると共に、前記車上子と前記地上子が結合したとき、予め記憶した複数の擬似雑音符号から前記所定の周波数で特定される擬似雑音符号を選択して前記車上トランスポンダの擬似雑音符号を設定し、前記車上トランスポンダと前記地上トランスポンダとの間でスペクトラム拡散通信を可能にするトランスポンダ制御手段と、
前記車上子及び前記地上子が結合し、かつ、前記車上トランスポンダと前記地上トランスポンダとの間のスペクトラム拡散通信が成立したときに、前記列車の初期位置の設定を行う列車初期位置設定制御手段と、
からなることを特徴とする列車初期位置設定装置。 - 請求項1に記載の列車初期位置設定装置において、所定の検知誤差を加味した無線伝搬遅延による列車位置検知において列車が地上トランスポンダ位置を通過したにもかかわらず、その列車の車上トランスポンダとその地上トランスポンダとの間の通信が行われないときに、その列車を緊急停止させる緊急停止手段を設けたことを特徴とする列車初期位置設定装置。
- 請求項1又は2に記載の列車初期位置設定装置において、列車が無線伝搬遅延による列車位置検知において把握されている現在位置から地上子の設置位置までの距離を走行してもその列車の車上子とその地上子の結合が行われないときに、列車を停止させる停止制御手段を設けたことを特徴とする列車初期位置設定装置。
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