JP4243833B2 - サイドメンバとバンパビームとの取り付け構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、サイドメンバとバンパビームとの取り付け構造に係り、詳しくは、周辺部品の取り付け作業の容易化等に適用されるサイドメンバとバンパビームとの取り付け構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、サイドメンバは、車体の強度や剛性を上げるべくアンダーボディ等に用いられ、車体の前後方向に伸びて骨状をなす。サイドメンバの端部分にはバンパビームが設けられており、車両の衝突時における衝撃を吸収し、車体の前後でボディを保護する。
【0003】
サイドメンバとバンパビームとの取り付けには、サイドメンバの先端部に略L字型のブラケットを車体の前後から見て拡開する如く配置し、ブラケットとバンパビームとをサイドメンバの外側位置でボルト固定し、溶接することが知られている。
このように、サイドメンバの外側位置にてブラケットとバンパビームとをボルト固定すると、ボルトがサイドメンバの幅分の距離を持って配置されることから、車両の衝突時の力がサイドメンバの断面に効率良く伝わり難いとの問題がある。そこで、この状況を打開すべく車体のバンパ取り付け部構造の技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
当該車体のバンパ取り付け部構造の技術では、長方形の閉断面を有するサイドメンバの端部分にてサイドメンバの二つの縦壁の外側をブラケットで挟持し、縦壁の外側とブラケットとをアーク溶接するとともに、このブラケットにおいて、サイドメンバの内側位置に相当する位置にボルトを配置し、このボルトを介してバンパビームが固定される。
【0005】
これにより、ブラケットとバンパビームとを固定するボルト間の距離が短くなり、サイドメンバの変形を抑制させることができる。
【0006】
【特許文献1】
特開平10−250505号公報(段落番号0011、図2、図6等)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、サイドメンバの先端部には、サイドメンバの外側からクロスメンバ類を取り付けることが一般に行われる。この場合に、バンパビームを取り付けるブラケットがサイドメンバの外側を挟持することは、サイドメンバの先端部にクロスメンバ類を取り付けることが困難になるとの問題がある。つまり、サイドメンバの外側位置ではブラケットとクロスメンバ類との干渉が存在し、クロスメンバ類の取り付け形状は、サイドメンバの先端部の形状の他、ブラケットの形状をも考慮する必要があり、取り付け作業の効率が悪化するとの問題が生ずる。
【0008】
ここで、クロスメンバ類は、サイドメンバの先端部に設けることが望まれる。なぜならば、一例としてフロントクロスメンバに関して述べると、ラジエータをエンジンから可能な限り車体の前方側に配置して冷却効率を高める必要があるからである。この場合に、フロントサイドメンバを長めに設計し、その先端部にフロントクロスメンバを配置させることも考えられるが、車体レイアウト等の都合上、エンジンルームの大きさには制限があり、フロントサイドメンバを長めに設計することは好ましくない。つまり、前記従来の技術では、サイドメンバに対するクロスメンバ類の取り付け性等については格別の配慮がなされていない。
【0009】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたもので、サイドメンバに対するクロスメンバ等の周辺部品の取り付け性を向上させることができるサイドメンバとバンパビームとの取り付け構造を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するべく、請求項1記載のサイドメンバとバンパビームとの取り付け構造は、車体の前後方向に対する強度を保持するサイドメンバと、該サイドメンバに対して前記車体の前方向又は後方向から取り付けられるブラケットと、該ブラケットに対して前記車体の前方向又は後方向から取り付けられるバンパビームとから構成され、前記サイドメンバは、前記車体の前方向又は後方向の端側に閉断面端部を有し、前記ブラケットは前記閉断面端部の内径形状と同じにされるとともに、該閉断面端部の内側のみに嵌合されて、車体の車幅方向両側の対称に配置された嵌合部分で前記サイドメンバに固定され、さらに前記ブラケットは、前記サイドメンバの閉断面端部の開口を塞ぐバンパ当接部と、このバンパ当接部に形成された凹部と、前記バンパ当接部の前記凹部を挟んだ上下両側から前記車体の前後方向で外向きに突出された案内ボルトを備え、前記バンパビームは、前記案内ボルトを介して前記ブラケットに取り付けられること特徴としている。
【0011】
したがって、請求項1記載のサイドメンバとバンパビームとの取り付け構造によれば、サイドメンバにおいてブラケットと周辺部品との干渉が存在しないので、周辺部品の取り付け性が向上する。しかも、周辺部品の取り付け部分の設計も容易になる。
なお、閉断面端部は、その内側が調整治具を用いて位置出しされることが好ましく、これにより、ブラケットがサイドメンバ内に容易に嵌合する。
【0012】
また、ブラケットは、サイドメンバの閉断面端部の形状と同じにされるとともに、閉断面端部の内側のみにおいて閉断面端部の対称的な面で嵌合されてサイドメンバに固定される。これにより、車両の衝突時のサイドメンバは、その断面形状を保持したまま座屈し得る。つまり、ブラケットが長方形閉断面を有するサイドメンバの二つの縦壁を外周側から挟持する従来の技術に比して、変形モードが安定してサイドメンバの過度の変形が抑制される。
【0013】
また、請求項2記載の発明では、サイドメンバは、閉断面端部の外形形状に相当する形状の先端部を有し、先端部に周辺部品が取り付けられることを特徴としている。
これにより、クロスメンバ等の周辺部品の取り付けに関する作業効率が向上するとともに、特に、車体の前方側に関して云えば、車体レイアウト等を変更するなく、ラジエータの冷却効率が確実に高められる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図面により本発明の実施形態について説明する。
図1乃至図4を参照すると、本発明の一実施形態に係るフロントサイドメンバとフロントバンパビームとの取り付け構造が示されている。図1は本実施形態のサイドメンバとバンパビームとの取り付け構造の斜視図、図2は該取り付け構造の分解斜視図、図3は該取り付け構造のIII−III矢視断面図、図4は該取り付け構造のIV−IV矢視断面図である。なお、上記図1乃至図4は、車体の正面から見て右側部分の取り付け構造に関して示されているが、図示しない左側部分に関しても同様に構成される。
【0016】
本実施形態のサイドメンバ10は、車体の前後方向に対する強度や剛性を保持すべく車体のエンジンルームの両側にそれぞれ配置される。そして、サイドメンバ10の前方向端たる端部分には、車体の前方向からバンパビーム60が取り付けられ、サイドメンバ10の端部分の外周側たる先端部分には、車体の下側からクロスメンバ70が取り付けられる。なお、サイドメンバ10の先端部分には、クロスメンバ70に限られず、各種の周辺部品が取り付けられる。
【0017】
図2に示すように、サイドメンバ10は、外側サイドメンバ20と内側サイドメンバ30とから構成され、両サイドメンバ20、30が合わされて車体の前後方向に伸びて骨状をなす。
具体的には、まず、外側サイドメンバ20は、八角形断面形状の半割形状をなして開放部分を車体の内側に向けて配置されており、突き当て部21とフランジ部22、23とを有する。フランジ部22及びフランジ部23は、それぞれ八角形断面形状の上面及び下面を構成する。また、八角形断面形状の側面は縦面部24によって構成され、八角形断面形状の斜面は、フランジ部22と縦面部24とに連なる斜面部25、縦面部24とフランジ部23とに連なる斜面部26によって構成される。
【0018】
縦面部24の前側からの適宜位置には、ボルト28Aを介してブラケット40及びクロスメンバ70を固定するボルト挿通孔28が設けられるとともに、衝突時の衝撃を吸収する凹部29が上下方向に設けられる。また、斜面部25の前側からの適宜位置には、ボルト27Aを介してブラケット40を固定するボルト挿通孔27が設けられる。
【0019】
内側サイドメンバ30もまた、八角形断面形状の半割形状をなして開放部分を車体の外側に向けて配置されており、突き当て部31とフランジ部32、33とを有する。そして、フランジ部32及びフランジ部33は、それぞれ八角形断面形状の上面及び下面を構成する。また、八角形断面形状の側面は縦面部34によって構成され、八角形断面形状の斜面は、フランジ部32と縦面部34とに連なる斜面部35、縦面部34とフランジ部33とに連なる斜面部36によって構成される。
【0020】
縦面部34の前側からの適宜位置にも、ボルト38Aを介してブラケット40及びクロスメンバ70を固定するボルト挿通孔38が設けられるとともに、衝突時の衝撃を吸収する凹部39(図3)が上下方向に設けられる。また、斜面部35の前側からの適宜位置には、ボルト37Aを介してブラケット40を固定するボルト挿通孔37が設けられる。
【0021】
そして、外側サイドメンバ20と内側サイドメンバ30とは、ブラケット40との嵌合を容易にすべく、図示しない幅方向調整治具を介して合わせられる。具体的には、外側サイドメンバ20の開放部分と内側サイドメンバ30の開放部分とを対面させて幅方向調整治具を挟持し、フランジ部22がフランジ部32の上側に、フランジ部23がフランジ部33の上側にそれぞれ重なるように、突き当て部21と突き当て部31とが合わせられると、縦面部24と縦面部34との距離、つまり、サイドメンバ10の幅方向が決定され、八角形断面形状の閉断面端部が形成される。そして、幅方向の調整がなされたサイドメンバ10は、突き当て部21、31の他、フランジ部22、23、32、33に至るまで溶接され、塗装される。
【0022】
塗装されたサイドメンバ10には、車体の前方向からブラケット40が取り付けられる。
ブラケット40は、バンパ当接部41とメンバ導入部とから構成される。バンパ当接部41は、八角形形状をなし、八つの各辺からはサイドメンバ10に向けてメンバ導入部が延出される。具体的には、メンバ導入部は、サイドメンバ10の内側、つまり、フランジ部22及びフランジ部32の下側に導入される上面部42(図4)と、フランジ部23及びフランジ部33の上側に導入される下面部43(図4)と、縦面部24の左側に当接される縦面部44と、縦面部34の右側に当接される縦面部54(図3)と、斜面部25及び斜面部35の下側に当接される斜面部45及び斜面部55と、斜面部26及び斜面部36の上側に当接される斜面部46及び斜面部56とから構成されており、ブラケット40は、サイドメンバ10の内側で六面に亘って接している。
【0023】
また、サイドメンバ10に当接する縦面部44、縦面部54、斜面部45及び斜面部55の四面には、前側からの適宜位置に、それぞれボルト28A、ボルト38A、ボルト27A及びボルト37Aを介してサイドメンバ10に固定させるボルト挿通孔48、58(図4)、47、57が設けられている。
バンパ当接部41には、サイドメンバ10の内側位置において、車体の後方から前方に向けて突出される四本の案内ボルト50A、50Bが一体的に成形されている。つまり、案内ボルト50A、50Bは、ブラケット40がサイドメンバ10に取り付けられた状態において案内ボルト50A、50Bのねじ部分が外向きに突出されている。そして、案内ボルト50A、50Bに対し、座金及びナット50a、50bでバンパビーム60を挟持して締結させることでバンパビーム60を固定させる。上側の二本の案内ボルト50A、50Aと下側の二本の案内ボルト50B、50Bとは、互いに水平方向に対して並行に配置されている。なお、バンパ当接部41には、衝突時の衝撃を吸収する凹部49、59(図3)が案内ボルト50Aと案内ボルト50Bとの間にて水平方向に設けられる。
【0024】
八角形断面形状をなすサイドメンバ10の閉断面端部は、先端部を有している。この先端部は、フランジ部22及びフランジ部32、フランジ部23及びフランジ部33、縦面部24、縦面部34、斜面部25及び斜面部35並びに斜面部45及び斜面部55によって形成された閉断面端部の外形形状をなす部分である。そして、当該先端部の下側からはクロスメンバ70が取り付けられる。
【0025】
クロスメンバ70は、横梁部71とメンバ係合部72とから構成されており(図1)、サイドメンバ10と同様に、強度や剛性を上げるべく車体のアンダーボディ等に用いられる。
横梁部71は車体の前面にて略水平方向に位置し、メンバ係合部72は、横梁部71の両端から上方に延出され、サイドメンバ10の上記先端部に係合される。
【0026】
メンバ係合部72は、フランジ部23、33の下側に当接される支持面部73と、縦面部24の右側に当接される縦面部74と、縦面部34の左側に当接される縦面部84と、斜面部26及び斜面部36の下側に当接される斜面部76及び斜面部86とから構成されており、サイドメンバ10の先端部と同一形状をなしている。すなわち、メンバ係合部72は、八角形の閉断面端部をなす先端部の下側半分の外形形状と同一にされ、ブラケット40の形状は考慮されていない。
【0027】
また、サイドメンバ10に当接する縦面部74及び縦面部84の前側からの適宜位置には、ボルト28A及びボルト38Aを介してサイドメンバ10に固定させるボルト挿通孔78及びボルト挿通孔88がそれぞれ設けられている。
バンパビーム60は、サイドメンバ10の閉断面端部にて、ブラケット40を介してサイドメンバ10に設けられており、このバンパビーム60は、車体の前面に位置する前端部61と、前端部61に上下端にて連なる上側部62及び下側部63とから構成されている。
【0028】
上側部62及び下側部63は、それぞれ断面略コ字状をなし、開放側を前端部61に向ける一方、閉塞側をブラケット当接部64、65(図4)としてバンパ当接部41に対面させる。
上側部62のブラケット当接部64には、案内ボルト50A、50Aをそれぞれ受け入れる受容孔66、66が設けられており、また、案内ボルト50A、50Aに対向する前端部61の適宜位置には、案内ボルト50A、50Aを視認できる作業溝68が設けられている。下側部63のブラケット当接部65にもまた、案内ボルト50B、50Bをそれぞれ受け入れる受容孔67、67が設けられており、さらに、案内ボルト50B、50Bに対向する前端部61の適宜位置には、案内ボルト50B、50Bを視認できる作業溝69が設けられている。なお、作業溝68と作業溝69とは、互いに水平方向に対して並行に配置されている。
【0029】
次に、サイドメンバ10に対するブラケット40及びクロスメンバ70の取り付け、ブラケット40に対するバンパビーム60の取り付けに関して説明する。
まず、外側サイドメンバ20と内側サイドメンバ30との接合には幅方向調整治具が用いられ、サイドメンバ10の内側には、フランジ部22及びフランジ部32、斜面部25、縦面部24、斜面部26、フランジ部23及びフランジ部33、斜面部36、縦面部34、並びに斜面部35とからなる八角形断面の閉断面端部が形成されるとともに、サイドメンバ10の外側には、この閉断面端部の外形形状に相当する先端部が形成される。
【0030】
一方、ブラケット40には、バンパビーム60に向けてねじ部分が突出する案内ボルト50A、50A、50B、50Bが設けられる。
そして、ブラケット40は、サイドメンバ10の閉断面端部の内側において、斜面部25と斜面部45、縦面部24と縦面部44、斜面部26と斜面部46、斜面部36と斜面部56、縦面部34と縦面部54、及び斜面部35と斜面部55との六面で嵌合され、ボルト27Aがサイドメンバ10の外側からボルト挿通孔27、47を介して斜面部25と斜面部45を、ボルト37Aがサイドメンバ10の外側からボルト挿通孔37、57を介して斜面部35と斜面部55をそれぞれ固定する。
【0031】
続いて、クロスメンバ70のメンバ係合部72は、サイドメンバ10の下側から、サイドメンバ10の先端部の外周側において、縦面部24と縦面部74、及び縦面部34と縦面部84を嵌合させると、フランジ部23、33と支持面部73の他、斜面部26と斜面部76、斜面部36と斜面部86が当接する。そして、ボルト28Aがクロスメンバ70の外側からボルト挿通孔78、28を介して縦面部74と縦面部24を、ボルト38Aがクロスメンバ70の外側からボルト挿通孔88、38を介して縦面部84と縦面部34をそれぞれ固定する。
【0032】
このように、クロスメンバ70は、ブラケット40の形状を考慮することなく、サイドメンバ10に容易に取り付けることができる。なお、ボルト28A及びボルト38Aにより、ブラケット40の縦面部44及び縦面部54も固定され、サイドメンバ10とブラケット40とは合計四つの面にてボルト固定される。
最後に、バンパビーム60は、サイドメンバ10の前方向からブラケット40のバンパ当接部41に向けて、作業溝68及び作業溝69を介して案内ボルト50A、50Bを視認しつつ、受容孔66、67に案内ボルト50A、50Bを挿通させた後、作業溝68及び作業溝69を介して座金及びナット50a、50bを案内ボルト50A、50Bに係合させて固定される。
【0033】
このように、バンパビーム60は、車体の前方向に突出された案内ボルト50A、50Bを用いてブラケット40に容易に取り付けることができ、作業効率の向上を図ることができる。
ところで、上述の如く構成されたサイドメンバ10とバンパビーム60との取り付け構造では、車両の衝突時においてバンパビーム60の前端部61に前側から生ずる力は、サイドメンバ10の内側位置に相当する位置に配置される四本の案内ボルト50A、50Bを介して各ブラケット40に効率良く支持され、ブラケット40には、サイドメンバ10の内側において車体の後方に向かう力が生ずる。そして、この力は、対称的な四面を固定するボルト27A、ボルト28A、ボルト38A、及びボルト37Aに支持されており、サイドメンバ10は、八角形の断面形状を保持したまま凹部29で座屈する。したがって、サイドメンバ10の過度の変形、偏った変形を抑制することができる。
【0034】
なお、ブラケット40についても、凹部49、59を介して案内ボルト50A、50Aを有する上側と案内ボルト50B、50Bを有する下側とに分かれて変形し得るので、これもサイドメンバ10の過度の変形、偏った変形の抑制につながる。
以上のように、本発明のサイドメンバ10とバンパビーム60との取り付け構造は、車体の前後方向に対する強度を保持するサイドメンバ10と、サイドメンバ10に対して車体の前方向から取り付けられるブラケット40と、ブラケット40に対して車体の前方向から取り付けられるバンパビーム60と、車体の左右方向に対する強度を保持するクロスメンバ70とから構成され、ブラケット40は、サイドメンバ10の閉断面端部の形状と同じにされるとともに、閉断面端部の内側のみにおいて閉断面端部の対称的な面、具体的には、八角形形状をなすブラケット40及びサイドメンバ10の四面で嵌合され、サイドメンバ10の外側からボルト27A、28A、37A、38Aで固定されるので、サイドメンバ10でのブラケット40とクロスメンバ70との干渉が存在せず、クロスメンバ70は、ブラケット40の形状を問わずに、サイドメンバ10に容易に取り付けることができ、クロスメンバ70の取り付け性及び設計性を良好にすることができるし、車両の衝突時のサイドメンバ10は、その断面形状を保持したまま座屈し得るので、変形モードの安定化をも図ることができる。
【0035】
以上で本発明の一実施形態についての説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更ができるものである。
例えば、上記実施形態では、車体のフロントサイドメンバ10とフロントバンパビーム60との取り付け構造が示されているが、必ずしもこの構成に限定されるものではなく、リアサイドメンバとリアバンパビームとの取り付け構造であっても良く、この場合にも上記と同様のブラケットを用いることにより、リア側のクロスメンバ類を始めとする周辺部品の取り付け作業の効率を向上させる効果を奏する。
【0036】
【発明の効果】
以上の説明から理解できるように、請求項1記載の本発明のサイドメンバとバンパビームとの取り付け構造によれば、サイドメンバに取り付けられる周辺部品の形状に影響されないブラケット形状にし、サイドメンバにおいてブラケットと周辺部品との干渉が存在しないので、周辺部品の取り付け性及び設計性の向上を図ることができる。
【0037】
また、請求項2記載の発明によれば、周辺部品の取り付けに関する作業効率を向上させることができるとともに、特に、車体の前方側では、車体レイアウト等を変更することなく、ラジエータの冷却効率を確実に高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態のサイドメンバとバンパビームとの取り付け構造の斜視図である。
【図2】図1のサイドメンバとバンパビームとの取り付け構造の分解斜視図である。
【図3】図1のIII−III矢視断面図である。
【図4】図1のIV−IV矢視断面図である。
【符号の説明】
10 サイドメンバ
20 外側サイドメンバ
22 フランジ部
23 フランジ部
24 縦面部
25 斜面部
26 斜面部
30 内側サイドメンバ
32 フランジ部
33 フランジ部
34 縦面部
35 斜面部
36 斜面部
40 ブラケット
50A 案内ボルト
50B 案内ボルト
60 バンパビーム
70 クロスメンバ(周辺部品)
Claims (2)
- 車体の前後方向に対する強度を保持するサイドメンバ(10)と、該サイドメンバ(10)に対して前記車体の前方向又は後方向から取り付けられるブラケット(40)と、該ブラケット(40)に対して前記車体の前方向又は後方向から取り付けられるバンパビーム(60)とから構成され、
前記サイドメンバ(10)は、前記車体の前方向又は後方向の端側に閉断面端部を有し、前記ブラケット(40)は前記閉断面端部の内径形状と同じにされるとともに、該閉断面端部の内側のみに嵌合されて、車体の車幅方向両側の対称に配置された嵌合部分で前記サイドメンバ(10)に固定され、
さらに前記ブラケット(40)は、前記サイドメンバの閉断面端部の開口を塞ぐバンパ当接部(41)と、このバンパ当接部(41)に形成された凹部(59)と、前記バンパ当接部(41)の前記凹部を挟んだ上下両側から前記車体の前後方向で外向きに突出された案内ボルト(50A、50B)を備え、前記バンパビーム(60)は、前記案内ボルト(50A、50B)を介して前記ブラケット(40)に取り付けられること特徴とするサイドメンバとバンパビームとの取り付け構造。 - 前記サイドメンバ(10)は、前記閉断面端部の外形形状に相当する形状の先端部を有し、該先端部に周辺部品が取り付けられることを特徴とする請求項1記載のサイドメンバとバンパビームとの取り付け構造。
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