JP4242339B2 - 軸組構造体における接合構造及び軸組構造体 - Google Patents
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即ち、この接合構造では、荷重が各部材の軸線方向へ(斜材91から下弦材90または上弦材へ、斜材91から隣り合う斜材91へ)伝わり難く、下弦材90や上弦材に大きな剪断力がかかってしまう。木材は一般的に、軸線方向への荷重に対する耐力(強度)には優れるが剪断方向には弱いという特性を有する。そのためこの接合構造では、少なくとも下弦材90や上弦材を十分な耐力を有する径大なもの等にする必要がある。
第1の発明にあっては、
木製の軸組構造体における接合構造であって、
所要間隔をもって並設された下弦材及び上弦材と、
下弦材及び上弦材の間に設けてあり、端面を上記下弦材及び上弦材に直接または間接的に突き合わせた状態で所要角度で斜設された複数本の斜材と、
を備え、
下弦材及び上弦材には、前記斜材の端部が取り付けられる位置のみに取着溝が形成されており、
前記斜材の各木口面には、接合金具取着孔が、斜材の軸線方向に沿って所要深さ延びるよう形成されており、
接合金具は所定の開き角度を有し、両端側に所要長さを有する軸部を備え、曲げまたは溶接によって両軸部が基部で繋がれており、
内周部を削って内部の空間を広げる孔拡張部が形成されている斜材の各接合金具取着孔内には、接合金具の軸部が差し込まれ固定して隣り合う斜材は接合金具で繋がれており、
前記接合金具は下弦材及び上弦材に形成した取着溝に基部を入れて固定され、当該接合金具によって斜材は下弦材及び上弦材とも繋がれており、
取着溝、接合金具取着孔及び孔拡張部は、注入される接着剤で充填されることを特徴とする、
軸組構造体における接合構造である。
第1の発明に係る軸組構造体における接合構造を有することを特徴とする、
軸組構造体である。
このような軸組構造体としては、例えば、トラス構造体、ラーメン構造体、柱と斜材(筋かいを含む)の構造体、梁と斜材の構造体等を挙げることができる。
本発明に係る軸組構造体における接合構造及び軸組構造体は、所要間隔をもって並設された構成部材の間に、斜材が構成部材と共に部材と部材の接合部を形成するよう、端面を構成部材に直接または間接的に突き合わせた状態で所要角度で斜設してある。斜材は隣り合うもの同士が角度を維持するまたは実質的に維持する状態で一体になるよう繋がれており、そして、この一体化された状態で上記部材と部材の接合部を構成するよう構成部材に接合されている。
図1は本発明に係る構成部材の接合構造の第1の実施の形態を示す分解斜視図、
図2は図1に示す接合構造を備えた軸組構造体の一実施例を示す正面視説明図、
図3は図2に示す軸組構造体のA部を拡大して示す一部切り欠き断面図である。
接合構造T1は、下弦材1と、二本の斜材2,2aを備えている。下弦材1と斜材2,2aは共に木製の角材で形成されており、斜材2,2aの方が下弦材1よりもやや径の小さいものが使用されている。
また、各接合金具取着孔21の内奥側には、外部と通ずる空気排出孔22が形成されている。
図1ないし図3を参照し、本実施の形態で示す接合構造T1の作用を説明する。
接合構造T1は、斜材2,2aの各接合金具取着孔21内に接合金具3の軸部30,30が差し込んで固定してあり、こうして隣り合う斜材2,2aは接合金具3で繋がれている。更に、接合金具3は下弦材1に形成した取着溝10に折曲部31を入れて固定してあり、この接合金具3によって斜材2,2aは下弦材1とも繋がれている。このため例えば、斜材2にかかる荷重は、斜材2aや下弦材1の軸線方向にスムーズに伝わり易い。これにより下弦材1にかかる剪断力が従来技術で示したものより小さくできるので、上弦材や下弦材1は径大なものにする必要がない。更には、径大な上弦材や下弦材1を使わなくて良いので、その分、軸組構造体の軽量化を図ることもできる。
図5は図4に示す接合構造を示す一部切り欠き断面図である。
なお、図4及び図5において、上記図1ないし図3で示したものと同一または同等箇所には同一の符号を付して示している。また、以下の説明において構造について上記で示した箇所と重複する説明は、必要な事項を除き省略する。
各軸部材30aは、ベース部材31aに切欠部311aを設け、これに嵌めて溶接することにより取り付けられている。
接合構造T2によれば、接合構造T1で用いていた充填部材13が不要なので、少ない部品点数で構成でき接合構造がより簡単である。
なお、上記した接合構造T1と共通する構成により生じる同様の作用、効果については説明を省略した。
図7は図6に示す接合構造を示す一部切り欠き断面図である。
なお、図6及び図7において、上記図1ないし図5で示したものと同一または同等箇所には同一の符号を付して示している。また、以下の説明において構造について上記で示した箇所と重複する説明は、必要な事項を除き省略する。
接合金具3bは、ベース部材31bに六角ナットを利用しており、軸部材30b,30bが六角ナットの隣り合う外面に溶接して構成してあるので、所定の開き角度を持ったものが簡単に製造できる。
なお、上記した接合構造T1と共通する構成により生じる同様の作用、効果については説明を省略した。
図9は図8に示す接合構造を示す断面説明図である。
なお、図8及び図9において、上記図1ないし図7で示したものと同一または同等箇所には同一の符号を付して示している。また、以下の説明において構造について上記で示した箇所と重複する説明は、必要な事項を除き省略する。
接合金具3cは、ベース部材31cが六角ナットを重ねて形成してあり、軸部材30c,30cがそれぞれの六角ナットに溶接してあるので、上記した接合金具3bより軸部材30c,30cのベース部材31cへの取り付け作業がし易い。
なお、上記した接合構造T1と共通する構成により生じる同様の作用、効果については説明を省略した。
図11は図10に示す接合構造を示す一部切り欠き断面図である。
なお、図10及び図11において、上記図1ないし図9で示したものと同一または同等箇所には同一の符号を付して示している。また、以下の説明において構造について上記で示した箇所と重複する説明は、必要な事項を除き省略する。
接合金具3eは、ネジ部挿通孔100eを通った取着ネジ32eにワッシャー33eとナット34eを設けることによって下弦材1eに固定することができ、接合金具3eを安定させた状態で接合作業ができる。
なお、上記した接合構造T1と共通する構成により生じる同様の作用、効果については説明を省略した。
2,2a,2b,2c,2d 斜材
3,3a,3b,3c,3d,3e 接合金具
4 上弦材
5 接着剤
Claims (2)
- 木製の軸組構造体における接合構造であって、
所要間隔をもって並設された下弦材(1)及び上弦材(4)と、
下弦材(1)及び上弦材(4)の間に設けてあり、端面を上記下弦材(1)及び上弦材(4)に直接または間接的に突き合わせた状態で所要角度で斜設された複数本の斜材(2,2a)と、
を備え、
下弦材(1)及び上弦材(4)には、前記斜材(2,2a)の端部が取り付けられる位置のみに取着溝(10)が形成されており、
前記斜材(2,2a)の各木口面(20)には、接合金具取着孔(21)が、斜材(2,2a)の軸線方向に沿って所要深さ延びるよう形成されており、
接合金具(3)は所定の開き角度を有し、両端側に所要長さを有する軸部(30)を備え、曲げまたは溶接によって両軸部(30)が基部で繋がれており、
内周部を削って内部の空間を広げる孔拡張部(210)が形成されている斜材(2,2a)の各接合金具取着孔(21)内には、接合金具(3)の軸部(30)が差し込まれ固定して隣り合う斜材(2,2a)は接合金具(3)で繋がれており、
前記接合金具(3)は下弦材(1)及び上弦材(4)に形成した取着溝(10)に基部を入れて固定され、当該接合金具(3)によって斜材(2,2a)は下弦材(1)及び上弦材(4)とも繋がれており、
取着溝(10)、接合金具取着孔(21,21)及び孔拡張部(210)は、注入される接着剤で充填されることを特徴とする、
軸組構造体における接合構造。 - 請求項1記載の軸組構造体における接合構造を有することを特徴とする、
軸組構造体。
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