JP2008014010A - 木造における柱脚部と梁との接合構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】コスト的に有利に接合することができ、しかも、力学的に無駄のない、木造における梁と柱脚部との接合構造を提供する。
【解決手段】梁1に上下方向に貫通する孔7が明けられ、該孔7に、孔径よりも小さい外周サイズの全ネジ棒8が通され、該全ネジ棒8の上下の端部にそれぞれ雌ネジ部材9,9が螺合緊結されることで柱脚部2が梁1上に接合されている。両雌ネジ部材9,9は、梁1の前記孔7の開口部から内方に突出する部分9c,9cを備え、該突出部分9c,9cが孔7にしっくりと嵌合され、全ネジ棒8が上下の雌ネジ部材9,9の突出部分9c,9c間で孔7内に露出している。
【選択図】 図1
【解決手段】梁1に上下方向に貫通する孔7が明けられ、該孔7に、孔径よりも小さい外周サイズの全ネジ棒8が通され、該全ネジ棒8の上下の端部にそれぞれ雌ネジ部材9,9が螺合緊結されることで柱脚部2が梁1上に接合されている。両雌ネジ部材9,9は、梁1の前記孔7の開口部から内方に突出する部分9c,9cを備え、該突出部分9c,9cが孔7にしっくりと嵌合され、全ネジ棒8が上下の雌ネジ部材9,9の突出部分9c,9c間で孔7内に露出している。
【選択図】 図1
Description
本発明は、木造における梁と柱脚部との接合構造に関する。
木造における梁と柱脚部との接合構造として、図6及び図7に示すように、木梁51に上下方向に貫通する孔52,52が明けられ、各孔52に、両端ネジ切りの高ナット53がしっくりと挿入され、該高ナット53の上下の端部にボルト54,54が螺合緊結されることで、柱脚部55が金物56を介して梁51上に接合されるようになされたものが、ホゾパイプ形式の接合構造よりも高強度の耐力を発揮しうるものとしてある。
特開平9−100576号公報
しかしながら、上記のような接合構造では、図7(イ)(ロ)に示すように、梁51の背が異なると、高ナット53も高さ寸法の異なるものを使用しなければならず、高ナット53が、両端のみネジ切りのものである場合は特に、コストが高くついてしまうという問題がある。
また、柱梁接合部に水平せん断力が作用すると、図7(ハ)に示すような応力分布になり、高ナット53の高さ方向中間部は、曲げの負担が少ないにもかかわらず、端部側と変わらない肉量を備えることになって、無駄が大きいという問題もある。
本発明は、上記のような問題点に鑑み、コスト的に有利に接合することができ、しかも、力学的に無駄のない、木造における梁と柱脚部との接合構造を提供することを課題とする。
上記の課題は、梁に上下方向に貫通する孔が明けられ、該孔に、孔径よりも小さい外周サイズの全ネジ棒が通され、該全ネジ棒の上下の端部にそれぞれ雌ネジ部材が螺合緊結されることで柱脚部が梁上に接合されており、両雌ネジ部材は、梁の前記孔の開口部から内方に突出する部分を備え、該突出部分が孔にしっくりと嵌合され、全ネジ棒が上下の雌ネジ部材の突出部分間で孔内に露出していることを特徴とする、木造における梁と柱脚部との接合構造によって解決される。
この構造では、梁の孔内には全ネジ棒を通すことにしているので、それ自体でコスト的に有利であり、しかも、全ネジ棒であるので、梁背が異なる場合であっても、全ネジ棒を切断するだけの処理で済み、梁と柱脚部をコスト的に有利に接合することができる。
しかも、上下の雌ネジ部材は、梁の孔の開口部から内方に突出する部分を備え、該突出部分が孔にしっくりと嵌合されているので、柱梁接合部に水平せん断力が作用した場合でも上下の雌ネジ部材の突出部分がそれをしっかりと支え、全ネジ棒が上下の雌ネジ部材の突出部分間で孔内に露出しているので、力学的に無駄もなく、上下の雌ネジ部材の突出部分の長さ寸法を抑えてコスト的な有利性を発揮することができる。
上記の接合構造において、上下の雌ネジ部材のうちのいずれか一方又は両方が、孔内への突出部分を構成する内周全ネジパイプと、該パイプの一端側に螺合されるボルトとからなり、該パイプの他端側が全ネジ棒と螺合されているのもよい。
この場合は、突出部分を備えた雌ネジ部材が、内周全ネジパイプと、該パイプの一端側に螺合されるボルトとで構成されていることにより、突出部分を備えた一体物の雌ネジ部材を用いる場合に比べて、部品コストを低く抑えることができ、突出部分が内周全ネジパイプであることにより、水平せん断力負担に必要な長さ寸法の突出部分をコスト的に有利に用意することができる。
本発明は、以上のとおりのものであるから、梁と柱脚部とをコスト的に有利に接合することができ、しかも、力学的に無駄もない。
次に、本発明の実施最良形態を図面に基づいて説明する。
図1及び図3に示す第1実施形態の接合構造において、1は木製梁、2は木製柱脚部、3は接合金物である。
接合金物3は、梁1に接合されるボックス形ベース部4と、該ベース部4の上面中央部に立設された十字状差込み部5とを備え、柱脚部2は、その下端部に設けられた十字状のスリット2aに接合金物3の十字状差込み部5が差し込まれ、図3(イ)に示すように、側方よりドリフトピン6が打ち込まれることで接合金物3に連結されている。
また、梁1上への接合金物3の取付けのため、梁1には、上下方向に貫通する孔7,7が明けられ、該孔7に、孔径よりも小さい外周サイズの全ネジ棒8が通され、該全ネジ棒8の下端部に雌ネジ部材9が螺合され、全ネジ棒8の上端部は接合金物3のベース部4の下板に通され、該上端部に雌ネジ部材9が螺合緊結されることにより柱脚部2が接合金物3を介して梁1上に接合されている。10は座板である。
そして、上下の雌ネジ部材9,9はそれぞれ、頂面に六角穴9aを備えた頭部9bと、梁1の孔7の開口部から内方に突出する部分9cとを一体に備えたものからなっていて、突出部分9cに全ネジ棒8に螺合されるネジ孔が備えられ、該突出部分9cが孔7にしっくりと嵌合され、全ネジ棒8が上下の雌ネジ部材9,9の突出部分9c,9c間で孔7内に露出するようになされている。
施工は、図2(イ)(ロ)に示すように、接合金物3を梁1上に取り付け、しかる後、図3(イ)に示すように、接合金物3に柱脚部2を連結するようにすればよい。
上記の接合構造では、梁1の孔7,7内には全ネジ棒8,8を通すことにしているので、それ自体でコスト的に有利であり、しかも、全ネジ棒であるので、梁1の背が異なる場合であっても、全ネジ棒を必要長さに切断するだけの処理で済ませることができ、梁1と柱脚部2をコスト的に有利に接合することができる。
しかも、上下の雌ネジ部材9,9は、図3(ロ)に示すように、梁1の孔7の開口部から内方に突出する部分9c,9cを備え、該突出部分9c,9cが孔7にしっくりと嵌合されているので、柱梁接合部に水平せん断力が作用した場合でも上下の雌ネジ部材9,9の突出部分9c,9cがそれをしっかりと支えることができる。そして、全ネジ棒8が上下の雌ネジ部材9,9の突出部分9c,9c間で孔7内に露出しているので、力学的に無駄もなく、上下の雌ネジ部材9,9の突出部分9c,9cの長さ寸法を抑えてコスト的な有利性を発揮することができる。
図4及び図5に示す第2実施形態の接合構造は、上下の雌ネジ部材9,9が、孔7内への突出部分9cを構成する内周全ネジパイプ11と、該パイプ11の一端側に螺合されるボルト12とからなり、該パイプ11の他端側が全ネジ棒8に螺合されている。その他は第1実施形態と同様である。
この接合構造では、突出部分9cを備えた雌ネジ部材9が、内周全ネジパイプ11と、該パイプ11の一端側に螺合されるボルト12とで構成されているので、突出部分を備えた一体物の雌ネジ部材を用いる場合に比べて、部品コストを低く抑えることができ、突出部分9cが内周全ネジパイプ11であることにより、水平せん断力負担に必要な長さ寸法の突出部分をコスト的に有利に用意することができる。なお、内周全ネジパイプ11とボルト12で構成される雌ネジ部材9は、上下いずれか一方の雌ネジ部材にのみ用いられた構造であってもよい。
以上に、本発明の実施形態を示したが、本発明はこれに限られるものではなく、発明思想を逸脱しない範囲で各種の変更が可能である。例えば、上記の実施形態では、梁1と柱脚部2を接合するために特定構造の接合金物3を用いた場合を示したが、接合金物の形態に制限はないし、特別な接合金物を用いない接合構造に用いることも可能である。
1…梁
2…柱脚部
7…貫通孔
8…全ネジ棒
9…雌ネジ部材
9c…突出部分
11…内周全ネジパイプ
12…ボルト
2…柱脚部
7…貫通孔
8…全ネジ棒
9…雌ネジ部材
9c…突出部分
11…内周全ネジパイプ
12…ボルト
Claims (2)
- 梁に上下方向に貫通する孔が明けられ、該孔に、孔径よりも小さい外周サイズの全ネジ棒が通され、該全ネジ棒の上下の端部にそれぞれ雌ネジ部材が螺合緊結されることで柱脚部が梁上に接合されており、両雌ネジ部材は、梁の前記孔の開口部から内方に突出する部分を備え、該突出部分が孔にしっくりと嵌合され、全ネジ棒が上下の雌ネジ部材の突出部分間で孔内に露出していることを特徴とする、木造における梁と柱脚部との接合構造。
- 前記上下の雌ネジ部材のうちのいずれか一方又は両方が、孔内への突出部分を構成する内周全ネジパイプと、該パイプの一端側に螺合されるボルトとからなり、該パイプの他端側が全ネジ棒と螺合されている請求項1に記載の、木造における梁と柱脚部との接合構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006185948A JP2008014010A (ja) | 2006-07-05 | 2006-07-05 | 木造における柱脚部と梁との接合構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2006185948A JP2008014010A (ja) | 2006-07-05 | 2006-07-05 | 木造における柱脚部と梁との接合構造 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2008014010A true JP2008014010A (ja) | 2008-01-24 |
Family
ID=39071291
Family Applications (1)
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JP2006185948A Pending JP2008014010A (ja) | 2006-07-05 | 2006-07-05 | 木造における柱脚部と梁との接合構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2008014010A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN105178448A (zh) * | 2015-09-28 | 2015-12-23 | 沈阳建筑大学 | 木结构建筑梁柱连接节点结构 |
-
2006
- 2006-07-05 JP JP2006185948A patent/JP2008014010A/ja active Pending
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