JP6940242B2 - 連結用受け金具および連結用受け金具の製造方法 - Google Patents

連結用受け金具および連結用受け金具の製造方法 Download PDF

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本発明は、連結用受け金具、木材の連結方法、建築物の施工方法、連結用受け金具の製造方法および建築物に関するものである。
家屋等の建物を建築する際、在来工法では柱や梁などを結合して家屋の骨組みを作ることが行われる。この柱や梁によって形成される骨格は、家屋を構成する屋根、壁その他の構成部材が有する荷重を支え、地震による揺れにも耐える必要がある。そのため、主として角材で構成されるが柱や梁の結合箇所には、これらの荷重に耐える結合力が必要である。そして、このような強度を有する木材の結合方法として、特許文献1に記載したような金具を使用した木材接合装置がある。
特許文献1記載の木材の接合装置は、結合する木材の一方に取り付けたコ字状金具と、このコ字状金具と係合するように加工した木材に挿通させたドリフトピンを係合させるものである。特許文献1に記載したコ字状金具は、取り付ける木材の側面に凹溝を形成する必要があり、この凹溝の下端面によってコ字状金具に作用する荷重を支えるようになっている。また、強度のある金具は、一般的に溶接やカシメ等によって複数部品を結合した作る場合が多く、製造コストが高いという問題があった。
特開2008−202392号公報
上述したコ字状金具の取り付けには、木材の側面全体に亘って一本の溝を掘らなければならないが、溝を掘るために木材を削る量が不必要に多くなると木材の強度を低下させてしまうことになる。本発明は、当該事情に鑑み発明したものであって、最小限の木材の切削量で取り付けることが可能な連結用受け金具の提供、木材の連結方法および建築物等を提供することを課題とするものである。
また、所定の強度を有しつつ、安価に製造することができる連結用受け金具の提供を課題とするものである。
上記課題を解決するために本発明は以下の構成を有する。すなわち、木材連結用の受け金具であって、
一方の木材を支える連結ピンを挿通させる孔を設けた受け板部と、当該一方の木材と連結する他方の木材に形成した凹部に装着可能な装着部を有した木材連結用の受け金具であって、
前記受け板部は、金属板を山折りに折り曲げて重ね合わせた板状の部分によって形成されたものであり、
前記装着部は、前記重ね合わせた両金属板の端部に設けた半円状の周壁によって形成した底壁を有する筒状体によって構成されたものであることを特徴とする。
また、本発明は木材連結用の受け金具であって、木材の表面に設けた凹部に装着される装着部と、当該装着部に対して立設した受け板部を有し、前記装着部は、中央に表裏貫通した孔部を設けた底壁部と当該底壁部の外縁全周に亘って立設した側壁部を有し、前記受け板部は、締結に使用する連結用のピンを固定位置まで案内する溝と、締結に使用する軸部材を挿通させる孔を有したことを特徴とする。
また、本発明は木材連結用の受け金具であって、
木材の表面に設けた凹部に装着される装着部と、当該装着部に対して立設した受け板部を有し、前記装着部は、底壁部と当該底壁部の外縁全周に亘って立設した側壁部を有したものであって、底壁部は木材の反対側から貫通孔を介して突出させた連結棒の先端を固定する固定手段を設けたものであり、前記受け板部は、締結に使用する連結用のピンを固定
位置まで案内する溝と、締結に使用する軸部材を挿通させる孔を有したことを特徴とする。
また、本発明は、所定形状に打ち抜いた金属板を、プレス加工によって折り曲げることにより形成する木材連結用の受け金具の製造方法であって、
前記打ち抜いた金属板を山折りに折り曲げて重ね合わせることにより板状の受け板部を形成可能とし、
前記受け板部に連続する部位をプレス加工することによって、木材に形成した凹部に装着可能な筒状の装着部を形成可能としたことを特徴とする連結用受け金具の製造方法。
また、本発明は木材の連結方法であって、
中央に表裏貫通した孔部若しくは固定に使用する連結棒の固定手段を設けた底壁部と、当該底壁部の外縁全周に亘って立設した側壁部を有する装着部と、当該装着部に対して立設した締結に使用する連結用のピンを固定位置まで案内する溝と、締結に使用する軸部材を挿通させ支持する孔を有した受け板部を有した木材連結用の受け金具を、結合する一方の木材の表面に形成した凹部に装着するとともに、
結合する他方の木材に、前記受け板部を挿通させるスリットを形成するとともに、当該スリット内を横断するように前記溝に案内されるピンを懸架し、
前記スリットに挿通させた受け板部の孔に挿通させる軸部材を設けたことを特徴とする。
また、本発明は、互いに結合した木材からなる複数の柱と複数の梁を骨格として有する建築物であって、
前記結合する全部又は一部の木材の一方に、
中央に表裏貫通した孔部若しくは固定に使用する連結棒の固定手段を設けた底壁部と、当該底壁部の外縁全周に亘って立設した側壁部を有する装着部と、当該装着部に対して立設した締結に使用する連結用のピンを固定位置まで案内する溝と、締結に使用する軸部材を挿通させ支持する孔を有した受け板部を有した木材連結用の受け金具を、結合する一方の木材の表面に形成した凹部に装着するとともに、
結合する他方の木材に、前記受け板部を挿通させるスリットを形成するとともに、当該スリット内を横断するように前記溝に案内されるピンを懸架し、
前記スリットに挿通させた受け板部の孔に挿通させる軸部材を設けたことを特徴とする。
本発明に係る木材連結用の受け金具および木材の連結方法は、木材締結用の金具として、筒状の外周壁を有する装着部を木材表面に形成した凹部に嵌装着することを特徴としている。
このような構造により、金具の取付に必要な木材の切削量が最小限であることから木材自体の強度を低下させることはなく、金具の取付部位に荷重を集中させずに分散させる構造になっている。このため、締結部において破損しにくい木材の係合部位を構成することができるという効果を有している。
また、本発明に係る木材連結用の受け金具は、一枚の金属板から溶接等を要すること無く形成することが出来るものである。このため、装着部を中実体ではなく有底の筒状体として形成でき、ほぼ同一の強度を有する中実体として装着部を形成した場合と比較して軽量に形成することが出来るという効果を有している。また、ドリフトピン等を直接支持する受け板部を、折り曲げて重ね合わせた板状の部分によって形成しているので、薄くても強度のある受け板部を形成することができるという効果を有している。
本実施の形態に係る連結用受け金具の説明図である。 受け金具の製造工程に関する説明図である。 木材に対する受け金具の装着例を表した説明図である。 木材に受け金具を装着した状態の説明図である。 受け金具を取り付けた柱に対して梁を取り付ける場合の説明図である。 受け金具に作用する力のイメージを表した説明図である。 受け金具を固定する取付金具の一例を表した説明図である。 連結棒の他の実施例を表した説明図である。 連結棒のさらに他の実施例を表した説明図である。
以下、本発明を実施するための形態について図を用いて説明する。
図1は本発明を実施するための形態に係る連結用受け金具(以下「受け金具」という)1の説明図であり、図1(a)は側面図を表し、図1(b)は外観斜視図を表している。
受け金具1は、木材に対する装着部2と、この装着部に対して立設した受け板部3によって構成された鉄製の金具である。装着部2は、中央に表裏貫通した孔(孔部)4を設けた底壁(底壁部)5と当該底壁部5の外縁全周に亘って立設した側壁(側壁部)6を有した、高さの低い有底筒状に形状した部位である。
受け板部3には、一例として後述するドリフトピンを誘い入れて支える一端が開口した溝7と、ボルト等の連結ピンを挿通させるための孔8を設けている。
図2は、受け金具1の構造を説明するために、その製造工程を表したものである。第1の工程として、鉄、ステンレス等の鋼板を図2(a)に示した形状にプレス型によって型抜きする。本実施の形態では、1.6mmの鉄製の板を使用する。型抜きされた原板9は左右対称形状であり、両端部に扇型部10、10を形成している。
次いで図2(b)に示すように、プレス加工によって扇型部10、10の周囲を板面に対して略直角に折り曲げ、半円形の周壁11、11を形成する。さらに図2(c)に示すように、前記の工程によって形成した半円形の周壁11、11を、原板9の板面に対して直角に屈曲させる。
この周壁11、11を屈曲させた原板9を、中央線Cにおいて山折りに折り曲げることで、重ね合わせた板状の部分によって受け板部3を構成する図1に示す受け金具1が形成される。この際、各半円形の周壁11、11が実質的に一つになって円形の側壁6を形成し、底壁(底壁部)5を有する筒状体を構成する。
また、本実施の形態に係る受け金具1は、前述した通り底壁部5に孔4を有している。この孔4は、図2(a)に示した原板9のヌキ部分12によって形成される。扇型部10の中心付近に形成した矩形のヌキ部分13が、底壁部5の中心付近に形成される孔4になる。
また、中央付近の孔4に相当するヌキ部分13以外のヌキ部分(砲弾型のヌキ部分)14は、後に受け金具1の取り付けに使用する連結手段(連結棒)の端部との干渉を避けるための切り欠き部位として使用される。なお、孔4(ヌキ部分13)は、孔4を挿通させる連結手段の形状によって、円形の穴や他の形状に形成しても差し支えない。
前述の工程によって形成した本実施の形態に係る受け金具1は、円形の外周壁(側壁6)を有する装着部2の底壁部5の中央から、受け板部3を垂直に立設した構造を有している。受け板部3は、装着部2の中心から先端までの長さLが略同一の当接縁部15を有している。当該当接縁部15は、受け金具1を柱等の木材に装着した際に、切削等の加工をしていない木材の表面に当接することにより、受け板部3が支えた荷重に伴って生じる回転モーメントに対抗するようになっている。
また、受け金具1は、個別に形成した複数の部品をカシメや溶接等によって結合して組み立てるものとは異なり、一枚の金属版によって形成可能である。このため、安価に製造できるという特徴を有している。
図3および図4は、木材である柱Vに受け金具1を装着する場合の説明図である。図3および図4に示した例は、一例として柱Vの側面の表裏にそれぞれ受け金具1を装着する場合を示している。受け金具1の装着には、取り付ける木材の表面に予め円形の凹部である座堀16を形成する。
座堀16の内面形状は、装着部2の外径形状に合わせて形成される。すなわち、装着部2の外径が座堀16の内面形状と密に接するように形成される。座堀16の深さは、座堀16に対して装着部2を埋設するように嵌装した際に、当接縁部15が柱Vの側面に対して当接する深さに調節される。
また、座堀16の中央には連結手段(連結棒)17を挿通させるための貫通孔18が形成される。
受け金具1は、座堀16に嵌挿した装着部2を装着した後、貫通孔18の他端側より差し入れた連結棒17の先端部に固定することによって、引き抜きに耐え得る強度を有し、抜け落ちるのを防止するようになっている。
図4に示した連結棒17はアイスキャンディースティック状の細い平板によって形成したものである。この連結棒17の端部からやや中央よりの部分には、中心部の所定幅を残すように長手方向と直交する方向に亘って一対の溝19、19が形成されている。この溝19、19部分に二股状の一対の差し込み部20,20を有する楔体21を装着することによって、連結棒17と受け金具1を結合するようになっている。
上記の例では木材の表裏に装着した双方の受け金具1が、連結棒17を介して接続される。すなわち、一方の受け金具1が、連結棒17を介して他方の受け金具1の固定手段を兼ねるようになっている。連結棒17は、受け金具1を木材V方向に引っ張る作用を有し、受け金具1を引き抜く方向に働く荷重に対抗して受け金具1を保持する作用を有している。
図5(a)、図5(b)は、受け金具1を取り付けた柱Vに対して梁Hを取り付ける場合を表した説明図である。図5(a)に示すように、受け金具1を取り付けた柱Vに対して梁Hを取り付けるには、梁Hに対して受け金具1の受け板部3に形成した溝7と係合するドリフトピン26、孔8に挿通させるボルト22等の連結ピンを装着する。
柱Vに当接させる梁Hの端面には、上下方向に亘って受け金具1の受け板部3を受け入れるスリット23を形成する。
また、梁Hにはスリット23を横断して貫通する貫通孔24を設け、この貫通孔24に打ち込むことでドリフトピン26を装着する。ドリフトピン26は貫通孔24との嵌め合い摩擦により梁Hに保持される。また、スリット23を横断して貫通する貫通孔25を設け、この貫通孔25に対して先端にネジ部、他端に六角柱状の頭部を設けたボルト22を装着する。
上記ボルト22を取り付けるための金具として、梁Hの両側面にそれぞれ取付金具27、27を取り付けるようになっている。各取付金具27の取り付けには、取付部位となる木材の表面に座堀28を形成する。座堀28は、木材の表面から所定の深さに形成した凹みである。座堀28の内部形状は取付金具27の外形形状と略同一に形成されており、取付金具27が丁度よく嵌まるようになっている。
なお、座堀28の深さについては、取付金具27の外周面の高さよりも僅かに深く形成されるのが望ましい。
本実施の形態では取付金具27の外周形状は高さの低い有底の筒状体として形成している。このため、座堀28の内面形状は、取付金具27の外周形状に合わせて円筒状の凹部として形成している。なお、取付金具27の外周形状が角筒形状であるならば、座堀28の内面形状も角筒形状に形成し、嵌め込むように取付金具27を埋設する。また、座堀28の底面29は取付金具27の底壁30全体が接触可能となるように平面状に形成されている。
梁Hに対するボルト22の装着は、ボルト22の挿入側から取付金具27、座堀28、貫通孔25、座堀28、取付金具27を経由して先端のネジ部を突出させ、これにナット31を螺合させることで行う。
柱Vに梁Hを取り付ける場合、図5(b)に示すように、梁Hのスリット23内に受け金具1の受け板部3を挿入させ、この状態で受け板部3にドリフトピン26およびボルト22を懸架させるようになっている。
受け金具1の受け板部3には、上方に向かって開口した溝7と、孔8を設けている。溝7はドリフトピン26を収容できる程度の幅を有しており、梁Hに挿通させたドリフトピン26を受け入れて支えるようになっている。孔8は、ボルト22の軸部を挿通させることができる程度の直径を有しており、梁Hに挿通させたボルト22の軸部を支えるようになっている。
柱Vに梁Hを取り付ける際には、予め梁Hに対してドリフトピン26のみを取り付けておく。ドリフトピン26を打ち込むとスリット23内を横断しているので、受け金具1の受け板部3を上部から覆うようにスリット23を嵌め付けると、ドリフトピン26が受け板部3の溝7内に入り溝7内の底端部で支持される。すなわち、柱Vの受け金具1に対してドリフトピン26を介して梁Hを載せる状態になる。これにより、梁Hを落下させずに柱Vに支持するようになる。
次いで、ドリフトピン26によって梁Hを支持させた後、梁Hの貫通孔25と受け金具1の孔8にボルト22を挿通させて固定する。
取付金具27を使用して木材にボルト22を固定すると、ボルト22は取付金具27、27によって両端が支持され、梁Hの自重等の荷重が取付金具27、27を介してボルト22の両端部に作用するようになる。また、受け金具1はスリット23の内部で、梁Hの荷重が集中するボルト22の軸部中間を支え、これにより柱Vに対して梁Hを取り付けることになる。
梁Hの荷重を支える場合、取付金具27を設けることなく軸部材のみで荷重を支えると、梁H(貫通孔25内部)とボルト22の軸部の接触面積が少ないので、梁Hに作用するせん断応力が高くなる。換言するならば、ボルト22の軸部と貫通孔25が接触する細い接線によって大きな荷重を支えるイメージである。
一方、取付金具27、27は軸部のように木材に対して局所的に接するのではなく、広い面として接触することができるので、梁Hとの接触部位に作用するせん断応力が低くなる。せん断応力が低くなるということは、支えられる荷重が増すということであり、荷重に対する強度が増すことを意味する。
木材に対するせん断応力を小さくするには、木材を支える軸部材等を太くする等して接触面積を大きくすればよい。しかしながら、軸部材を太くするということは木材を削る量が多くなることである。木材を削る量が多くなると、木材自体の強度が低くなってしまうので、削る量は最小限にするのが望ましい。このような観点から、ボルト22の両端部に最小限の座堀部を設け、この座堀の内面に接触する形の取付金具27を設けている。
図6は、柱Vの受け金具1に作用する力のイメージを表した説明図である。受け金具1に梁H(ドリフトピン26およびボルト22)を取り付けると、梁Hの重量Wは装着部2の外周面を介して柱Vの座堀16内面に荷重Wyとして作用する。荷重Wyは、梁Hの自重に加えて建物を構成する屋根、壁、床等の建物を構成する各種の荷重が複合したものである。
受け金具1は、このように大きな荷重を支えなければならないが、受け金具1を装着する部位を円形の凹部である座堀16として切削加工し、この座堀16の内面によってこの大きな荷重を支えるようになっている。
受け金具1を装着する座堀16は、最適な例として円形の凹部であることを特徴とする。すなわち、木材の切削量が少なく、かつ切削した部位を未切削の部分によって取り囲み補強する作用を有するので、強度を高めることができ荷重を受けても崩壊しにくくなっている。また、荷重を受ける部分が円周の内面であり、一箇所に荷重が集中することがない。これにより、荷重を受けても崩壊しにくいものとなっている。
梁Hの重量Wは、前述した座堀16の内周面に対して直角に作用する成分の荷重Wyの他に、受け金具1を引き抜こうとする方向の荷重Wxとしても作用する。この引き抜き方向の荷重Wxに対抗するのは、装着部2に対して楔体を使用して取り付けられる連結棒17による引っ張り力である。
図示した例では、連結棒17は他方の受け金具1が有する装着部2に取り付けられており、これにより一方の受け金具1を保持し引き抜きに耐えることが出来るようになっている。
なお、受け金具1を一つしか使用しない場合には、装着部2に近似した形状の取付金具を使用する。この取付金具は、実質的にボルト22の取付に使用する取付金具27と同様の形状であり、使用する連結棒17の形状、構造に合わせて中心部の孔の形状を異ならせたものである。
例えば、図7は受け金具1を固定する取付金具の一例を表している。取付金具39は取付金具27と同様に高さの低い円筒状の外周壁を有する有底の筒状体として形成している。そして、底壁部の中央には連結棒17を挿通させることができる矩形の孔40を設けている。取付金具39を使用する際には、外周形状に合わせた座堀に装着したのちに連結棒17を差し込み、受け金具1に固定した後に楔体38を用いて取付金具39に連結棒17を固定する。このようにすることで、木材の両面ではなく一つの側面のみに対して受け金具1を取り付けることが出来るようになっている。
図8は、連結棒の他の実施例を表している。同図に表した連結棒41は、軸部分42が円柱状の丸棒体であり、両端部43を平板状に形成したものである。この連結棒41の使い方は前述した連結棒17と同様であり、前述した矩形形状の孔40を有した取付金具39とともに使用して楔体38によって固定することが可能である。
図9(a)、図9(b)は、連結棒の他の実施例を表している。図9(a)に表した連結棒45は、軸部分46を円柱状の丸棒体として形成し、先端47を平板状に形成し、基端部外周に雄ねじ部48を形成したものである。また、軸部分46と先端47との境界部分に前述した楔体21、楔体38と嵌合可能な溝49を形成している。
この連結棒45の取り付けには、前述した取付金具39および他の取付金具50を使用
する。取付金具50には、基端部に形成した雄ねじ部48と螺合可能な雌ねじ部51を形成しており、取付金具50の雌ねじ部51に対して連結棒45の雄ねじ部48を螺合させることにより両者を結合させることができるようになっている。
受け金具1の取付手段としてこのような取付金具50に螺合させた連結棒45を用いることが可能である。
以上説明した実施例では、垂直の柱に取付金具を装着し、この取付金具を使用して水平に配置した梁を装着する場合について説明した。しかしながら、このような例に限らず、コンクリート基礎の上に配置した土台を形成する角材の上に複数本の柱を立てるような場合にも使用することができる。この場合、土台に本発明の取付金具を装着し、柱の端面に取り付けたドリフトピンやボルトによって両者を固定するようにする。
木材を用いた建築物の施工方法には軸組工法や枠組壁工法と呼ばれるものがある。これら何れの工法にも、上記各例において説明した連結用の受け金具を用いることが可能である。
また、上記の実施例では装着部に対して楔によって連結棒等を固定する方法場合について説明したが、装着部にナットを固定し連結棒の代わりにボルトによって受け金具を固定する方法を採用してもよい。このように、各部材の固定方法や構造は一つの手段に限定されることはない。
以上説明した各実施例は、建築物を構成する柱や梁の結合に利用可能である。また、特許請求の範囲を逸脱しない範囲内において適宜組み合わせることが可能であり、本発明が上記実施例に限定したものでないことは言うまでも無い。
本発明は、連結用受け金具、木材の連結方法および建築物に利用可能である。
1 受け金具
2 装着部
3 受け板部
4 孔
5 底壁部
6 側壁
7 溝
8 孔
9 原板
10 扇型部
11 周壁
12 ヌキ部分
13 ヌキ部分
15 当接縁部
16 座堀
17 連結棒
18 貫通孔
19 溝
20,20 差し込み部
21 楔体
22 ボルト
23 スリット
24 貫通孔
25 貫通孔
26 ドリフトピン
27 取付金具
28 座堀
29 底面
30 底壁
31 ナット
38 楔体
39 取付金具
40 孔
41 連結棒
42 軸部分
43 両端部
45 連結棒
46 軸部分
47 先端
48 部
49 溝
50 取付金具
51 雌ねじ部


Claims (2)

  1. 一方の木材を支える連結ピンを挿通させる孔を設けた受け板部と、当該一方の木材と連結する他方の木材に形成した凹部に装着可能な装着部を有した木材連結用の受け金具であって、
    前記受け板部は、金属板を山折りに折り曲げて重ね合わせた一枚の板状の部分によって形成されるとともに装着した前記他方の木材の表面に当接する当接縁部及び前記装着部を前記他方の木材に固定するために使用する連結手段との干渉を避ける孔を有し、
    前記装着部は、前記重ね合わせた両金属板の端部に設けた半円状の周壁によって形成した高さの低い底壁を有する筒状体によって構成されるとともに前記連結手段を挿通させる表裏貫通した孔を有したものであることを特徴とする連結用受け金具。
  2. 打ち抜いた金属板を折り曲げることにより形成する木材連結用の受け金具の製造方法であって、
    前記打ち抜いた金属板を山折りに折り曲げて重ね合わせることにより一方の木材を支える一枚の板状の受け板部を形成するとともに、当該受け板部に装着した他方の木材の表面に当接する当接縁部及び前記他方の木材に固定するために使用する連結手段との干渉を避ける孔を設け、
    前記打ち抜いた金属板の両端部に形成した扇型部によって半円状の周壁を形成し、当該周壁によって前記他方の木材に形成した凹部に装着可能な高さの低い底壁を有する筒状の装着部を形成し、当該装着部の前記底壁に前記連結手段を挿通させる表裏貫通した孔を設けたことを特徴とする連結用受け金具の製造方法。
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